JPH115880A - 薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物及び成形品

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JPH115880A
JPH115880A JP16150197A JP16150197A JPH115880A JP H115880 A JPH115880 A JP H115880A JP 16150197 A JP16150197 A JP 16150197A JP 16150197 A JP16150197 A JP 16150197A JP H115880 A JPH115880 A JP H115880A
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copolymer
thin
resin composition
monomer
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JP16150197A
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English (en)
Inventor
Yoshikiyo Tabata
佳清 田畑
Takayuki Hase
隆行 長谷
Masahiro Nishizawa
昌洋 西澤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄肉部の屈曲疲労性および成形加工性などの諸
特性がバランスして優れた熱可塑性樹脂組成物を提供す
ること。 【解決手段】重量平均粒子径が0.1〜1.5μmであ
るゴム質重合体を用いる特定の組成のグラフト共重合体
(A)15〜50重量部と、特定の組成の共重合体であ
り、かつアセトン可溶成分の極限粘度[η]が0.3〜
0.6dl/gであるビニル系共重合体(B)85〜5
0重量部からなる樹脂組成物100重量部に対し、エチ
レン/(メタ)アクリル酸エステル/一酸化炭素からな
る共重合体(C)1〜15重量部を配合してなる薄肉成
形品用熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈曲疲労性、耐衝
撃性、剛性および成形加工性に優れた薄肉成形品用の熱
可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジエン系ゴム成分にアクリロニトリル、
メタアクリロニトリル等のシアン化ニル化合物、スチレ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物成分を
共重合したグラフト共重合体を含有してなる、いわゆる
ABS樹脂は、耐衝撃性、機械的強度および成形加工性
に優れていることから、OA機器、家電製品、自動車部
品、一般雑貨などの用途分野で幅広く利用されている。
このようにABS樹脂は一般的には強靱な樹脂として使
用されているが、ABS樹脂の強靱性は成形品の厚みに
依存することが知られている。。実際に製造される樹脂
製品の形状は様々であり、たとえば2mm以下の薄肉部
を有するABS樹脂製の成形品やカード類のように全体
が2mm以下の薄肉製品では薄肉部の屈曲疲労性が悪い
ためにそこが破損の起点になり、ABS樹脂本来の強靱
性が往々にして発現しないという問題が指摘されてい
る。
【0003】ABS樹脂等に代表されるゴム強化スチレ
ン系樹脂の強靱性の向上技術としては、特定構造のポリ
エステルおよびグラフトゴム共重合体をブレンドする方
法(特開平5−202252号、特開平5−21422
6号公報など)があるが、ポリエステルを用いることに
よる成形収縮率の増大、コストアップ等の問題がある。
また、特定構造のポリカ−ボネ−ト、アクリルゴムおよ
びオルガノポリシロキサンをブレンドし、流動性および
耐衝撃性を改良する方法(特開平8−127686号公
報)も開示されている。該技術による流動性および耐衝
撃性の改良効果は認められるが、ポリカ−ボネ−ト、ア
クリルゴムおよびオルガノポリシロキサン等のブレンド
物が多種に亘るため、製造工程が煩雑になり、更には、
コストアップ問題も抱えている。
【0004】ポリエステル/ポリカ−ボネ−ト/ABS
のブレンド物により、耐衝撃性を改良する技術(特開平
7−292213号公報)も開示されているが、該技術
は、ポリエステルとポリカ−ボネ−トのエステル交換反
応が起こるため、特殊な安定剤を添加する手法で、組成
物を安定化させている。ポリエステルとポリカ−ボネ−
トをABS樹脂にブレンドすることにより、耐衝撃性は
改良されるものの、流動性の低下が著しい。
【0005】特公昭55−50063号公報には、エチ
レン/(メタ)アクリル酸エステル/一酸化炭素の三元
共重合体を熱可塑性樹脂にブレンドし、可塑剤としての
効果を得る技術が開示されている。特開平3−2876
53号公報にはABS樹脂とのブレンド、特開平5−1
25253号公報にはα−メチルスチレン変性ABS樹
脂とのブレンド、更に特開平6−116469号公報に
はマレイミド系樹脂とのブレンドによりいずれも耐衝撃
性を向上させる技術が開示されいる。しかしながら、特
定構造のゴム強化スチレン系樹脂に該エチレン/(メ
タ)アクリル酸エステル/一酸化炭素の三元共重合体を
ブレンドし、流動性を損なうことなく、とくに2mm以
下の薄肉部を有する成形品の屈曲疲労性を向上させる技
術は示されてはいない。
【0006】カード類の製造方法は、押出成形によりシ
ートを成形し、該シートから製品を切り出す方法が採ら
れており、切り出し残分の発生(材料ロス)の抑制や生
産性アップには限界がある。近年、射出成形によりカー
ド類の製造を試みる動きがあるが、上述の通り従来のA
BS樹脂では成形加工性および製品性能である薄肉屈曲
疲労性を十分満足させることができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の欠点を解消し、薄肉部の屈曲疲労性およ
び成形加工性などの諸特性がバランスして優れた熱可塑
性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】課題を解決する手段とし
て、ゴム強化スチレン系樹脂にブレンドする重合体成分
ついて鋭意検討した結果、ゴム強化スチレン系樹脂のゴ
ム粒子径およびアセトン可溶成分の極限粘度が特定範囲
にある時、エチレン/(メタ)アクリル酸エステル/一
酸化炭素の三元共重合体をブレンドすることにより、流
動性を損なうことなく、薄肉部の屈曲疲労性が飛躍的に
向上することを見い出した。
【0009】すなわち本発明は、「重量平均粒子径が
0.1〜2.0μmであるゴム質重合体(A−1)30
〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体(イ)とシアン
化ビニル系単量体(ロ)およびこれらと共重合可能な他
のビニル系単量体(ハ)から選ばれる少なくとも1種以
上の単量体からなる単量体混合物(A−2)70〜80
重量部をグラフト重合してなるグラフト共重合体(A)
15〜50重量部と、芳香族ビニル系単量体(イ)とシ
アン化ビニル系単量体(ロ)およびこれらと共重合可能
な他のビニル系単量体(ハ)から選ばれる少なくとも2
種以上の単量体からなる単量体混合物(B−1)を共重
合してなる共重合体であり、かつアセトン可溶成分の極
限粘度[η]が0.3〜0.6dl/gであるビニル系
共重合体(B)85〜50重量部からなる樹脂組成物1
00重量部に対し、エチレン/(メタ)アクリル酸エス
テル/一酸化炭素からなる共重合体(C)1〜15重量
部を配合してなる薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物。」
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるゴム質重合体(A
−1)の例としては、ポリブタジエンの他、スチレン−
ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、アク
リル酸ブチル−ブタジエン共重合体およびポリイソプレ
ンゴム等が挙げられ、なかでもポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン共重合ゴムなどが好ましい。
【0011】本発明における単量体混合物(A−2)お
よび(B−1)の芳香族ビニル化合物(イ)としては、
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチ
レン、o−クロロスチレンおよびo,p−ジクロロスチ
レン等が挙げられるが、特にスチレン、α−メチルスチ
レンが好ましい。これらは1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0012】シアン化ビニル化合物(ロ)としては、ア
クリロニトリル、メタアクリロニトリルおよびエタクリ
ロニトリル等が挙げられるが、特にアクリロニトリルが
好ましい。
【0013】また、その他の共重合可能なビニル系単量
体(ハ)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ク
ロロメチルおよび(メタ)アクリル酸2−クロロエチル
等のα,β−不飽和カルボン酸エステル、N−メチルマ
レイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミド等のマレイミド化合物、マレイン酸等の不
飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボ
ン酸無水物およびアクリルアミド等の不飽和アミドなど
が挙げられるが、なかでもメタクリル酸メチル、N−フ
ェニルマレイミドおよび無水マレイン酸が好ましい。
【0014】前記ゴム質重合体(A−1)の重量平均粒
子径は、機械的強度および成形加工性の点から、0.1
〜1.5μmであることが必要であり、好ましくは0.
2〜1.2μmである。重量平均粒子径が0.1μm未
満であると、得られる薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物
の薄肉部の屈曲疲労性が発現せず、1.5μmを越える
と、成形加工性、特に流動性の低下が著しい。
【0015】また、ゴム質重合体(A−1)の含有量
は、機械的強度、耐熱性および成形加工性の点からグラ
フト共重合体(A)100重量部中、30〜80重量部
であり、好ましくは35〜70重量部である。含有量が
30重量部未満では、得られる薄肉成形品用熱可塑性樹
脂組成物の屈曲疲労性が発現せず、80重量部を越える
と、成形加工性、特に流動性、更に耐熱性が低下する。
【0016】前記グラフト共重合体(A)のグラフト率
は、機械的強度および成形加工性の点から15〜150
%であることが好ましく、より好ましくは、20〜70
%である。グラフト率を15%以上とすることで、得ら
れる薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物の屈曲疲労性がよ
り向上し、150%以下とすることで、成形加工性、特
に流動性がより優れたものとなる。
【0017】前記グラフト共重合体(A)の含有量は、
グラフト共重合体(A)およびビニル系共重合体(B)
100重量部中、15〜50重量部である。グラフト共
重合体(A)の含有量は、屈曲疲労性、剛性、耐熱性お
よび流動性のバランスの点から、18〜45重量部が好
ましい。含有量が15重量部未満では、得られる薄肉成
形品用熱可塑性樹脂組成物の屈曲疲労性が不十分であ
り、また50重量部を越えると、流動性、耐熱性および
剛性が低下する。
【0018】本発明におけるビニル系共重合体(B)
は、芳香族ビニル系単量体(イ)、シアン化ビニル系単
量体(ロ)およびこれらと共重合可能な他のビニル系単
量体(ハ)から選ばれる少なくとも2種以上の単量体か
らなる単量体混合物(B−1)を共重合して得られるも
のであり、各組成比は、成形加工性、特に流動性、およ
び耐薬品性の観点から、85〜60重量%/40〜15
重量%/0〜50重量%であることが好ましく、より好
ましくは、70〜80重量%/30〜20重量%/0〜
40重量%である。
【0019】前記ビニル系共重合体(B)の含有量は、
グラフト共重合体(A)およびビニル系共重合体(B)
100重量部中、85〜50重量部である。ビニル系共
重合体(B)の含有量は、屈曲疲労性、剛性、耐熱性お
よび流動性のバランスの点から、82〜55重量部が好
ましい。含有量が85重量部を越えると、得られる薄肉
成形品用熱可塑性樹脂組成物の屈曲疲労性が十分でな
く、また、50重量部未満では、流動性、耐熱性および
剛性が低下する。
【0020】なお、これら(A)、(B)の共重合体の
製造方法は、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合
等のいずれの重合方法を用いても良く、特に制限されな
い。また、単量体の仕込方法についても特に制限はな
く、初期一括仕込み、あるいは共重合体の組成分布の生
成を抑えるために仕込み単量体の一部または全部を連続
的または分割して仕込みながら重合してもよい。
【0021】本発明における共重合体(C)は、エチレ
ン/(メタ)アクリル酸エステル/一酸化炭素の三元共
重合体であり、(メタ)アクリル酸エステルのアクリル
基は、直鎖状または分岐状であって、その炭素数は1〜
18が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
イソブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オ
クチル基等が例示され、炭素数2〜8のものがより好ま
しい。また、共重合体(C)の各組成比は、エチレンが
10〜87重量%、より好ましくは40〜80重量%、
(メタ)アクリル酸エステルが10〜50重量%、より
好ましくは15〜40重量%、一酸化炭素が5〜40重
量%、より好ましくは5〜20重量%であり、必要に応
じて、その他の共重合可能な単量体と共重合させること
もできる。
【0022】前記共重合体(C)の含有量は、グラフト
共重合体(A)およびビニル系共重合体(B)100重
量部に対し、1〜15重量部であり、好ましくは2〜1
0重量部である。共重合体(C)の含有量が1重量部未
満であると、得られる薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物
の屈曲疲労性が十分でなく、また、15重量部を越える
と、流動性、耐熱性および剛性が低下し、更には層状剥
離が生じる。
【0023】本発明の薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物
のアセトン可溶成分の極限粘度[η]は0.3〜0.6
dl/gである必要があり、該範囲外であると屈曲疲労
性および流動性が発現しない。
【0024】本発明の薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物
に、本発明の目的を損なわない範囲で塩化ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロ
ン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロ
ヘキサンジメチルテレフタレート等のポリエステル、ポ
リカーボネート、各種エラストマー類を加えて成形用樹
脂としての性能を改良することができる。また、必要に
応じてヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、
含リン有機化合物系等の酸化防止剤、フェノール系、ア
クリレート系等の熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベ
ンゾフェノン系、サリシレート系等の紫外線吸収剤、有
機ニッケル系、ヒンダードアミン系等の光安定剤等の各
種安定剤、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸アミド類
等の滑剤、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の
可塑剤、ポリブロモジフェニルエーテル、テトラブロモ
ビスフェノール−A、臭素化エポキシオリゴマー、臭素
化ポリカーボネートオリゴマー等の含ハロゲン系化合
物、リン系化合物、三酸化アンチモン等の難燃剤・難燃
助剤、カーボンブラック、酸化チタン、顔料および染料
等を添加することもできる。更に、ガラス繊維、ガラス
フレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、金属繊維等の補強
剤や充填剤を添加することもできる。本発明の熱可塑性
樹脂組成物の製造方法に関しては、バンバリーミキサ
ー、ロール、および単軸または多軸押出機で溶融混練す
るなど種々の方法を採用することができる。
【0025】本発明の薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物
は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮
成形、ガスアシスト成形等の現在熱可塑性樹脂の成形に
用いられる公知の方法によって成形することができ、特
に制限されるものではないが、射出成形が好ましい。
【0026】本発明の薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物
の用途としては、薄肉部を有する各種成形品、なかでも
最小肉厚2mm以下の成形品が対象として好ましく、特
にカ−ド類の薄肉製品に好適である。
【0027】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するため、以下
に実施例および比較例を挙げて説明するが、これら実施
例は本発明を制限するものではない。なお、ここで特に
ことわりのない限り「%」は重量%、「部」は重量部を
表す。薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物の樹脂特性の分
析方法を下記する。機械的強度、耐熱性等の一般的な特
性については、射出成形によりテストピースを成形し、
下記試験法に準拠し測定した。
【0028】ゴム重量平均粒子径:E.Schmid
t,P.H.Biddison Rubber Age
88 p.484〜490(1960)記載のアルギ
ン酸ナトリウム法(アルギン酸ナトリウムの濃度により
クリーム化するポリブタジエン粒子径が異なることを利
用して、クリーム化した重量割合とアルギン酸ナトリウ
ム濃度の累積重量分率より累積重量分率50%の粒子径
を求める)により測定した。
【0029】グラフト率:グラフト共重合体所定量
(m)にアセトンを加え、3時間還流し、この溶液を8
800r.p.m.(10000G)で40分間遠心分
離後、不溶分を濾過し、この不溶分を60℃で5時間減
圧乾燥し、重量(n)を測定した。グラフト率は、下記
式により算出した。
【0030】グラフト率(%)={[(n)−(m)×
L]/[(m)×L]}×100 ここで、Lはグラフト共重合体のゴム含有率である。
【0031】極限粘度[η]:サンプル1gにアセトン
200mlを加え、3時間還流し、この溶液を8800
r.p.m.(10000G)で40分間遠心分離した
後、不溶分を濾過する。濾液をロータリーエバポレータ
ーで濃縮し、析出物(アセトン可溶分)を60℃で5時
間減圧乾燥後、ウベローデ粘度計を用い、メチルエチル
ケトン溶液、30℃でηsp/cを測定し、極限粘度
[η]を算出した。
【0032】曲げ弾性率:ASTM D790(23
℃) 荷重撓み温度:ASTM D648(負荷応力1.82
MPa) 耐衝撃強度:ASTM D256(23℃,Vノッチ付
き) MFR(メルトフローレート):ISO 1133(2
20℃,98N荷重) 屈曲疲労性:86×54×0.75mm角板を射出成形
し、島津製作所社製疲労試験機/50MPa応力下で、
繰り返し屈曲(両振)し、試験片へのクラック発生、ま
たは破断するまでの回数を測定した。
【0033】(評価基準) ○=1000回以上 変化なし △=1000回以下 クラック(亀裂)発生有り ×=1000回以下 破断
【0034】参考例 (A)グラフト共重合体 A1:窒素置換した反応器に純水120部、ブドウ糖
0.5部、ピロリン酸ナトリウム0.5部、硫酸第一鉄
0.005部および表1に示した所定量のポリブタジエ
ンラテックスを仕込み、撹拌しながら反応器内の温度を
65℃に昇温した。内温が65℃に達した時点を重合開
始として表1に示した所定量のモノマおよびt−ドデシ
ルメルカプタン混合物を5時間掛けて連続添加した。同
時に並行して、表1に示すクメンハイドロパーオキサイ
ドおよびオレイン酸カリウムからなる水溶液を7時間掛
けて連続添加し、反応を完結させた。
【0035】得られたラテックスに、2,2’−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)をラ
テックス固形分100重量部に対して1重量部添加し、
続いて、このラテックスを硫酸で凝固後、水酸化ナトリ
ウムにて中和し、洗浄濾過後、乾燥させてパウダー状の
グラフト共重合体を得た。このグラフト共重合体のグラ
フト率は45%であった。
【0036】A2〜A6:A1と同様の方法で、表1に
示す組成比でグラフト共重合体を得た。
【0037】
【表1】 (B)ビニル系共重合体 B1:スチレン75重量%、アクリロニトリル25重量
%なる単量体混合物を懸濁重合して、ビーズ状の共重合
体を得た。該共重合体の極限粘度[η]は0.45dl
/gであった。
【0038】B2:スチレン72重量%、アクリロニト
リル28重量%なる単量体混合物を塊状重合して、ペレ
ット状の共重合体を得た。該共重合体の極限粘度[η]
は0.55dl/gであった。
【0039】B3:スチレン70重量%、アクリロニト
リル30重量%なる単量体混合物を懸濁重合して、ビー
ズ状の共重合体を得た。該共重合体の極限粘度[η]は
0.60dl/gであった。
【0040】B4:スチレン87重量%、アクリロニト
リル13重量%なる単量体混合物を懸濁重合して、ビー
ズ状の共重合体を得た。該共重合体の極限粘度[η]は
0.45dl/gであった。
【0041】B5:スチレン40重量%、アクリロニト
リル30重量%、α−メチルスチレン30重量%なる単
量体混合物を懸濁重合して、ビーズ状の共重合体を得
た。該共重合体の極限粘度[η]は0.58dl/gで
あった。
【0042】B6:スチレン40重量%、アクリロニト
リル30重量%、N−フェニルマレイミド30重量%な
る単量体混合物を乳化重合して共重合体を得た。該共重
合体の極限粘度[η]は0.60dl/gであった。
【0043】B7:スチレン72重量%、アクリロニト
リル28重量%なる単量体混合物を塊状重合して、ペレ
ット状の共重合体を得た。該共重合体の極限粘度[η]
は0.85dl/gであった。
【0044】B8:スチレン72重量%、アクリロニト
リル28重量%なる単量体混合物を懸濁重合して、ビー
ズ状のの共重合体を得た。該共重合体の極限粘度[η]
は0.28dl/gであった。
【0045】(C)エチレン/(メタ)アクリル酸エス
テル/一酸化炭素共重合体 C1:三井・デュポンポリケミカル社製“エルバロイ”
EP4051 C2:三井・デュポンポリケミカル社製“エルバロイ”
HP553
【0046】実施例1〜13、及び比較例1〜6 参考例記載の(A)グラフト共重合体、(B)ビニル系
共重合体、(C)エチレン/(メタ)アクリル酸エステ
ル/一酸化炭素共重合体を表2および表3記載の割合で
配合後、40mmφ単軸押出機(シリンダー設定温度
は、実施例1〜7および比較例1〜6は230℃、それ
ら以外は260℃)で溶融混練し、ペレット状の樹脂を
得た。
【0047】得られたペレットを東芝機械(株)製射出
成形機IS−50A(シリンダー設定温度は、実施例1
〜6、9〜13および比較例1〜6は230℃、それら
以外は260℃)にてテストピースを成形し、諸特性を
評価し、結果を表4および5に掲げた。
【0048】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0049】実施例1〜13により、本発明の請求項記
載の配合割合の薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成物が、屈
曲疲労性、剛性、耐衝撃性および成形加工性に優れてい
ることが判る。
【0050】しかし、比較例1〜4は、グラフト共重合
体(A)、共重合体(B)およびエチレン/(メタ)ア
クリル酸エステル/一酸化炭素からなる共重合体(C)
の配合割合が、本発明の請求項記載範囲外であるため、
屈曲疲労性や成形加工性が不十分である。また、比較例
5、6はグラフト重合体(A)本発明の請求項記載範囲
外であり、比較例7、8はビニル重合体(B)が本発明
の請求項記載範囲外のため、屈曲疲労性や成形加工性が
不十分である。
【0051】
【発明の効果】本発明の薄肉成形品用熱可塑性樹脂組成
物は、薄肉部の屈曲疲労性に優れ、且つ、成形加工性が
良好であるため、薄肉成形品の成形が可能であり、材料
のコストダウンおよび生産性の向上が図れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 25:00 55:02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均粒子径が0.1〜1.5μmであ
    るゴム質重合体(A−1)30〜80重量部に、芳香族
    ビニル系単量体(イ)とシアン化ビニル系単量体(ロ)
    およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体(ハ)
    から選ばれる少なくとも1種以上の単量体からなる単量
    体混合物(A−2)70〜20重量部をグラフト重合し
    てなるグラフト共重合体(A)15〜50重量部と、芳
    香族ビニル系単量体(イ)とシアン化ビニル系単量体
    (ロ)およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体
    (ハ)から選ばれる少なくとも2種以上の単量体からな
    る単量体混合物(B−1)を共重合してなる共重合体で
    あり、かつアセトン可溶成分の極限粘度[η]が0.3
    〜0.6dl/gであるビニル系共重合体(B)85〜
    50重量部からなる樹脂組成物100重量部に対し、エ
    チレン/(メタ)アクリル酸エステル/一酸化炭素から
    なる共重合体(C)1〜15重量部を配合してなる薄肉
    成形品用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記グラフト共重合体(A)のグラフト率
    が15〜150%である請求項1記載の薄肉成形品用熱
    可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記ビニル系共重合体(B)が芳香族ビニ
    ル系単量体(イ)85〜60重量%、シアン化ビニル系
    単量体(ロ)40〜15重量%およびこれらと共重合可
    能な他のビニル系単量体(ハ)0〜50重量%からなる
    請求項1〜2のいずれかに記載の薄肉成形品用熱可塑性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記共重合体(C)が10〜87重量%の
    エチレンの重合体繰り返し単位、10〜50重量%の
    (メタ)アクリル酸エステルの重合体繰り返し単位およ
    び3〜40重量%の一酸化炭素の重合体繰り返し単位を
    含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の薄肉成形品
    用熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれかに記載の薄肉成形品
    用熱可塑性樹脂組成物を成形してなる薄肉成形品。
  6. 【請求項6】請求項1〜4いずれかに記載の薄肉成形品
    用熱可塑性樹脂組成物を射出成形してなる薄肉成形品。
  7. 【請求項7】最小肉厚2mm以下の請求項5〜6いずれ
    かに記載の薄肉成形品。
  8. 【請求項8】請求項5〜6いずれかに記載の薄肉成形品
    を用いた肉厚が2mm以下のカ−ド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006225444A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Tohoku Ricoh Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性樹脂成形体
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