JPH1158210A - ワイヤソ−のインゴット切断方法 - Google Patents

ワイヤソ−のインゴット切断方法

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JPH1158210A
JPH1158210A JP24472897A JP24472897A JPH1158210A JP H1158210 A JPH1158210 A JP H1158210A JP 24472897 A JP24472897 A JP 24472897A JP 24472897 A JP24472897 A JP 24472897A JP H1158210 A JPH1158210 A JP H1158210A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インゴットの切断時間の短縮化を図る。ウェ
ーハの厚さムラを低減する。インゴット1本当たりのウ
ェーハの収率を向上させる。ウェーハの反りを低減す
る。 【解決手段】 ワイヤ列11の往き返りの1サイクル当
たりの送り量を、インゴットIの切断始端部や切断終端
部で比較的大きくし、かつインゴットIの切断中央部で
は比較的小さくした。この結果、インゴットIとの接触
長さが短い切断始端,終端部の総アイドルタイムiを短
くできる。インゴット切断時間を短縮化せきる。同時に
接触長さが長い切断中央部では砥液切れを起こさず、円
滑に切断できる。切断直後のウェーハWの厚さムラを低
減できる。ウェーハ収率を増大できる。ウェーハWの反
りを低減できる。ラッピング時のウェーハWの割れやワ
イヤ断線も防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はワイヤソーのイン
ゴット切断方法に係り、詳しくはワイヤ列が揺動しない
非揺動タイプのワイヤソーのインゴット切断方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーとは、ラッピングオイルに遊
離砥粒(以下、単に砥粒という場合がある)を入れたス
ラリー状の砥液を、単結晶シリコン製などのインゴット
に一定量連続供給しながら、往復走行するワイヤ列にイ
ンゴットを相対的に押し付けて、その研削作用により多
数枚のウェーハに切断する機械である。具体的には、ワ
イヤ列の往復走行時に、砥液中の遊離砥粒を各ワイヤに
よりインゴットの切断溝の底部に押し付けながら削り取
って切断する。このインゴットは、通常、断面円形であ
る。したがって、ワイヤ列で切断する場合、ワイヤ列と
インゴットの切断始端部および切断終端部との接触長さ
は比較的短くなる。一方、ワイヤ列とインゴットの切断
中央部との接触長さは比較的長くなる。なお、このワイ
ヤ列は、往き時に所定距離(時間)だけ繰り出された
後、若干のアイドルタイムをあけて、返り時にその繰り
出し量の80%が引き戻されるというサイクルを繰り返
す。しかも、ワイヤ列の往き返りの1サイクル当たりの
送り量は、ワイヤ列とインゴットとの接触長さに関係な
く、インゴットの切断中、常に一定であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来技
術によるワイヤソーのインゴット切断方法によれば、ワ
イヤ列によるインゴットの切断始端部や切断終端部の切
断は、ワイヤ列とインゴットとの接触長さが短いので、
砥液を各ワイヤに充分に乗せてインゴットの切断溝の全
長にわたって供給し、比較的円滑にインゴットを切断す
ることができる。そこで、これらの部位においては、で
きるだけ長い時間、ワイヤ列を一方向にだけ走行させ
て、ワイヤ列の繰り出しと引き戻しの切り換え回数を減
らし、総アイドルタイムを短縮させることが有利とな
る。しかしながら、実際には、前述したようにワイヤ列
の往き返りの1サイクル当たりの送り量が、切断中、常
に一定であったので、これが実現することができないと
いう問題点があった。
【0004】一方、接触長さが長くなるインゴットの切
断中央部では、このように接触長さが長くなる分だけ、
インゴットの切断溝の切断前半部分(ワイヤ列の繰り出
し側の部分)において大抵の砥粒が研削により細かく砕
けてしまう。この結果、ワイヤによりインゴットの切断
溝の切断後半部分(ワイヤ列の引き戻し側の部分)に押
し付けられる遊離砥粒の量が減少し、(1)インゴット
の切断能率が低下して切断時間が長くなるとともに、
(2)切断溝の長さ方向中央部分の溝幅が、この溝の両
側部分の溝幅に比べて狭くなる傾向が生じる。これによ
り、図6(a)の従来手段により切断されたウェーハの
拡大正面図に示すように、切断されたウェーハW′は中
央部が膨れた円盤状になって、厚さムラが生じるという
問題点があった。
【0005】また、(3)その後のラッピング工程で、
このウェーハW′の厚さムラ分wは研磨除去される。し
たがって、図7(a)の従来手段により切断されたイン
ゴットの拡大正面図に示すように、1本のインゴット
I′から取れるウェーハW′の収率が数パーセントほど
低下したり、安定性の悪いウェーハW′をラッピングす
ることで、加工時にウェーハ割れが生じるという問題点
もあった。さらに、砥液不足になると、(4)ワイヤ列
とインゴットI′が直接擦れて切断溝の周辺部が発熱
し、切断の進行に伴って、インゴットI′がバイメタル
状に軸線方向へ熱膨張するおそれもあった。したがっ
て、この図7(a)に示すように、得られたウェーハ
W′、特にインゴットI′の両端部のウェーハWa′ほ
ど、反り(ワープ)が大きくなるという問題が生じてい
た。また、(5)磨耗量の増大により、ワイヤが断線す
るおそれもあった。
【0006】そこで、発明者らは、鋭意研究を重ねた結
果、ワイヤ列の往き返りの1サイクル当たりの送り量
を、インゴットの切断始端部や切断終端部において比較
的大きくする一方、インゴットの切断中央部では比較的
小さくすれば、これらの切断始端部や切断終端部におけ
る総アイドルタイムが短くなり、引いてはインゴットの
切断時間を短縮することができると同時に、ワイヤ列と
の接触長さが長いインゴットの切断中央部を切断する際
には、砥液切れを起こさず、円滑にインゴットを切断す
ることができることを突き止め、この発明を完成させ
た。
【0007】
【発明の目的】この発明は、インゴットの切断始端部お
よび切断終端部における切断時間の短縮化が図れると同
時に、インゴットの切断中央部を円滑に切断することが
できるワイヤソーのインゴット切断方法を提供すること
を、その目的としている。この発明は、インゴットの切
断中央部における切断時間の短縮化が図れ、しかも切断
直後のウェーハの厚さムラを低減することができ、この
結果、インゴット1本当たりのウェーハの収率を増大す
ることができ、また切断直後のウェーハの反りも低減す
ることができ、さらにラッピング時のウェーハの割れを
防止することができて、ワイヤの断線も防止することが
できるワイヤソーのインゴット切断方法を提供すること
を、その目的としている。さらに、この発明は、安定し
たウェーハ切断を行うことができ、しかもワイヤソーに
よる切断制御を比較的行い易いワイヤソーのインゴット
切断方法を提供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、砥液
を供給しながらワイヤソーのワイヤ列を所定量だけ往復
走行させてインゴットを切断するワイヤソーのインゴッ
ト切断方法において、上記ワイヤ列の往き返りの1サイ
クル当たりの送り量を、上記インゴットの切断始端部お
よび切断終端部では比較的大きくし、上記インゴットの
切断中央部では比較的小さくしたワイヤソーのインゴッ
ト切断方法である。
【0009】なお、発明が適用されるワイヤソーはどの
ような種類のものでもよい。例えば、インゴットをワイ
ヤ列に押接して切断するものでも、反対にワイヤ列をイ
ンゴットに押接して切断するものでもよい。また、ワイ
ヤ列の上部にインゴットが当接するものでも、ワイヤ列
の下部に押し当てられるものでもよい。切断用の砥液と
しては、例えば平均粒径10〜50μmの砥粒を含む周
知成分のものが採用することができる。また、インゴッ
トの切断始端部および切断終端部におけるワイヤ列の往
き返りの1サイクル当たりの送り量と、インゴットの切
断中央部のワイヤ列の1サイクル当たりの送り量とは、
その送り量の比率が前者より後者の方が大きければ限定
されない。
【0010】請求項2の発明は、上記ワイヤ列によるイ
ンゴットの切断が、所定距離だけ上記ワイヤ列を繰り出
した後、該繰り出し距離より短い距離を引き戻すという
往復走行により切断するものとし、しかも上記ワイヤ列
の繰り出し量と引き戻し量との比率が常に一定である請
求項1に記載のワイヤソーのインゴット切断方法であ
る。ワイヤ列の繰り出し量と引き戻し量との比率は、限
定されない。なお、通常は、繰り出し量の80%が引き
戻し量となる。具体的な一例を挙げれば、インゴットの
切断始端部および切断終端部のワイヤ列の送り量が、繰
り出し量300〜600m、引き戻し量240〜500
m、インゴットの切断中央部のワイヤ列の送り量が、繰
り出し量200〜300m、引き戻し量160〜240
mである。
【0011】
【作用】この発明によれば、往復走行するワイヤ列にイ
ンゴットを相対的に押し付けて、その研削作用により、
インゴットを多数枚のウェーハに切断する。この際、イ
ンゴットの切断始端部および切断終端部では、ワイヤ列
の1サイクル当たりの送り量を比較的大きくするので、
これらの部位における総アイドルタイムが短くなり、引
いてはインゴットの切断時間が短縮化される。
【0012】また、インゴットとワイヤ列との接触長さ
が長いインゴットの切断中央部では、ワイヤ列の1サイ
クル当たりの送り量を比較的小さくする。これにより、
ワイヤ列の繰り出し時には、研削で砕けていない粒の大
きな砥粒を含む充分な量の砥液をインゴットの切断溝の
前半部分に擦りつけて、この部分を良好に切断すること
ができる。一方、ワイヤ列の引き戻し時には、未砕の砥
粒を含む充分な量の砥液をこの切断溝の後半部分に擦り
つけて良好に切断することができる。したがって、砥液
切れを起こさず、円滑にインゴットの切断が行える。こ
の結果、切断時間の短縮化が図れるとともに、砥液不足
による切断溝の中央部が溝両端部に比べて幅狭であるの
を原因とするウェーハの厚さムラを低減することができ
る。これにより、後のラッピング工程におけるウェーハ
表面の研磨量が小さくなるので、インゴット1本当たり
のウェーハの収率を向上することができる。しかも、砥
液不足による切断部周辺の発熱を抑えられるので、イン
ゴットの軸方向への熱膨張を抑制して、切断直後のウェ
ーハの反りを小さくすることができる。
【0013】特に、請求項2の発明によれば、往復走行
するワイヤ列にインゴットを相対的に押し付けて、これ
を多数枚のウェーハに切断する。この際、ワイヤ列の繰
り出し量と引き戻し量との比率を一定に保っているの
で、ウェーハの切断を安定して行うことができ、しかも
ワイヤソーによる切断の制御を比較的行い易い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を図面を
参照して説明する。図1はこの発明の第1実施例に係る
ワイヤソーのインゴット切断方法が適用されたワイヤソ
ーの要部模式図であり、図2は同インゴットの切断中の
要部拡大断面図であり、図3は同ワイヤ列の往復走行サ
イクルを示すグラフであり、図4は同インゴットの各部
位におけるワイヤ列の繰り出し量と引き戻し量を示すグ
ラフである。
【0015】図1、図2において、10はワイヤソーで
あり、このワイヤソー10は、CZ法により引き上げら
れた単結晶シリコン製のインゴットIを多数枚のウェー
ハにワイヤ切断する装置であり、多数本のワイヤを横一
列に束ねたワイヤ列11を有している。ワイヤ列11
は、逆三角配置された3本の溝ローラ12間で、駆動モ
ータにより往復走行される。溝ローラ12の両側上方に
は、砥液をワイヤ列11上に連続供給する一対の砥液供
給部13が配設されている。砥液は、高粘度でかつSi
C製の平均粒径30〜40μmの砥粒が混入されたもの
である。
【0016】なお、図3のグラフに示すように、ワイヤ
列11の繰り出し後の引き戻し量yは、ワイヤ列11の
繰り出し量xの約80%である。また、図4のグラフに
示すように、ワイヤ列11の繰り出し量xは、従来の一
定値の繰り出し量x′に比べて、インゴットIの切断始
端部(図2の一点鎖線参照)や切断終端部(図2の二点
鎖線参照)では比較的大きい。しかも、インゴットIの
切断中央部(図2の実線参照)では比較的小さい。同様
に、ワイヤ列11の引き戻し量yも、従来の一定値の引
き戻し量y′に比較して、切断始端部や切断終端部では
比較的大きく、切断中央部では比較的小さい。図1、図
2において14はカーボンベッドである。Iaはインゴ
ットIの切断溝である。また、図3において、iはワイ
ヤ列11の繰り出しおよび引き戻し間のアイドルタイム
である。
【0017】次に、このワイヤソー10を用いた第1実
施例に係るワイヤソーのインゴット切断方法を説明す
る。図1に示すように、ワイヤソー10は、砥液を砥液
供給部13から供給しながら、3本の溝ローラ13間で
ワイヤ列11を往復走行させる。ワイヤ列11の往復走
行時に、上方からインゴットIをワイヤ列11へ押し付
けることで、図2に示すように、インゴットIが、順
次、接触長さの短い切断始端部、接触長さの長い切断中
央部、接触長さの短い切断終端部へと徐々に切断され
る。すなわち、ワイヤ列11の往復走行時に、砥液中の
遊離砥粒がワイヤ列11の各ワイヤにより、切断溝Ia
の底部に擦りつけられて徐々に削り取られ、最終的に多
数枚のウェーハに切断される。
【0018】この際、ワイヤ列11とインゴットIとの
接触長さに反比例して、ワイヤ列11の往き返りの1サ
イクル当たりの送り量(繰り出し量x、引き戻し量y)
を増減させる。すなわち、インゴットIの切断始端部と
切断終端部では、この接触長さが短くなるので、繰り出
し量x、引き戻し量yを従来に比べ大きくして、インゴ
ットIを切断する。これにより、各部位におけるワイヤ
列11の繰り出しと引き戻しの切り換え回数が減り、総
アイドルタイムiが短くなる。この結果、インゴットI
の全体的な切断時間が短縮される。これは、ワイヤ列1
1の各サイクルにおける繰り出し速度や引き戻し速度が
常に一定で、各回のアイドルタイムiが一定しているこ
とから言える。
【0019】また、インゴットIの切断中央部ではこの
接触長さが長くなるので、ワイヤ列11の往き返りの1
サイクル当たりの送り量(繰り出し量x、引き戻し量
y)を従来より小さい値で一定化させる。ワイヤ列11
の繰り出し時には、研削で未砕の粒が大きい遊離砥粒を
含んだ充分な量の砥液を、インゴットIの切断溝の前半
部分に擦りつけ、ここを良好に切断することができる。
一方、インゴットIの切断溝Iaの後半部分は、砥液中
の遊離砥粒が切断溝Iaの前半部分で砕けて細かくな
り、この後半部分が良好に切断することができない。し
かしながら、ワイヤ列11は比較的短いサイクルで引き
戻されるので、この引き戻し時に未砕の砥粒を含む充分
な量の砥液により、この後半部分を良好に切断すること
ができる。この結果、砥液切れを起こさず、円滑にイン
ゴットIの切断を行うことができる。よって、切断時間
の短縮化を図ることができるとともに、砥液不足による
切断溝の中央部が溝両端部に比べて幅狭であるのを原因
とするウェーハW(図6(b)参照)の厚さムラを低減
することができる。また、このように各量x、yを一定
化させることで、ウェーハ面内へのダメージ低減という
効果も得られる。なお、実際に実験を行ってみたとこ
ろ、従来手段によるインゴットの切断時間に比べて、5
〜10%程度の時間短縮が図れた。
【0020】このように、インゴットIが良好に切断さ
れることで、図7(b)に示すように、後のラッピング
工程におけるウェーハWの表面の研磨量が小さくなる。
この結果、インゴットIの1本当たりのウェーハWの収
率を向上することができる。実際に実験してみると、約
1.8%だけ向上した。しかも、砥液不足による切断部
周辺の発熱を抑えられるので、インゴットIの軸方向へ
の熱膨張を抑制して、切断直後のウェーハWの反り、特
にインゴットIの両端部Waにおける反りを小さくする
ことができる。例えば従来手段では、この切断時の発熱
により10〜30μmの反りが生じていたのを、7〜2
0μmくらいまで低減することができた。また、ワイヤ
列11の繰り出し量と引き戻し量との比率を、常時、一
定に保っているので、ウェーハWを安定して切断するこ
とができる。しかも、ワイヤソーによる切断の制御を比
較的容易に行うことができる。
【0021】次に、図5に基づいて、この発明の第2実
施例に係るワイヤソーのインゴット切断方法を説明す
る。図5はこの発明の第2実施例に係るワイヤソーのイ
ンゴット切断方法が適用されたインゴットの各部位にお
けるワイヤ列の繰り出し量と引き戻し量を示すグラフで
ある。図5に示すように、第2実施例のワイヤソーのイ
ンゴット切断方法は、ワイヤ列11の1サイクル当たり
の送り量(繰り出し量x,引き戻し量y)を、インゴッ
トIの接触長さに完全に反比例させたものである。これ
により、第1実施例のワイヤソーのインゴット切断方法
に比べて、インゴットIの切断中央部の切断効率が向上
し、インゴットIの切断時間がより短縮化される。その
他の構成、作用および効果は、第1実施例と同様である
ので、説明を省略する。この発明はこの実施例に限定さ
れるものではなく、要旨を逸脱しない範囲での設計変更
などがあってもこの発明に含まれる。
【0022】
【発明の効果】この発明によれば、ワイヤ列の往き返り
の1サイクル当たりの送り量を、インゴットの切断始端
部や切断終端部において比較的大きくする一方、インゴ
ットの切断中央部では比較的小さくしたので、切断始端
部および切断終端部における総アイドルタイムが短くな
り、引いてはインゴットの切断時間を短縮することがで
きると同時に、インゴットの接触長さが長い中央部を切
断する際には、砥液切れを起こさず、円滑にインゴット
を切断することができる。これにより、切断直後のウェ
ーハの厚さムラを低減することができ、この結果、イン
ゴット1本当たりのウェーハの収率を増大することがで
き、また切断直後のウェーハの反りも低減することがで
き、さらにラッピング時のウェーハの割れを防止するこ
とができて、ワイヤの断線も防止することができる。
【0023】特に、請求項2に記載の発明によれば、ワ
イヤ列の往復走行が、所定距離だけワイヤ列を繰り出し
た後、繰り出し距離より短い距離だけ引き戻すものであ
り、しかも、このワイヤ列の繰り出し量と引き戻し量と
の比率が常に一定であるので、安定したウェーハ切断を
行うことができ、しかもワイヤソーによる切断制御を比
較的行い易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係るワイヤソーのイン
ゴット切断方法が適用されたワイヤソーの要部模式図で
ある。
【図2】この発明の第1実施例に係るインゴットの切断
中の要部拡大断面図である。
【図3】この発明の第1実施例に係るワイヤ列の往復走
行サイクルを示すグラフである。
【図4】この発明の第1実施例に係るインゴットの各部
位におけるワイヤ列の繰り出し量と引き戻し量を示すグ
ラフである。
【図5】この発明の第2実施例に係るワイヤソーのイン
ゴット切断方法が適用されたインゴットの各部位におけ
るワイヤ列の繰り出し量と引き戻し量を示すグラフであ
る。
【図6】(a)従来手段により切断されたウェーハの拡
大正面図である。 (b)第1実施例の方法により切断されたウェーハの拡
大正面図である。
【図7】(a)従来手段により切断されたインゴットの
拡大正面図である。 (b)第1実施例の方法により切断されたインゴットの
拡大正面図である。
【符号の説明】
11 ワイヤ列、 I インゴット、 x ワイヤ列の繰り出し量、 y ワイヤ列の引き戻し量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 進 東京都千代田区大手町1丁目5番1号 三 菱マテリアルシリコン株式会社内 (72)発明者 木山 匠 東京都千代田区大手町1丁目5番1号 三 菱マテリアルシリコン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥液を供給しながらワイヤソーのワイヤ
    列を所定量だけ往復走行させてインゴットを切断するワ
    イヤソーのインゴット切断方法において、 上記ワイヤ列の往き返りの1サイクル当たりの送り量
    を、上記インゴットの切断始端部および切断終端部では
    比較的大きくし、上記インゴットの切断中央部では比較
    的小さくしたワイヤソーのインゴット切断方法。
  2. 【請求項2】 上記ワイヤ列によるインゴットの切断
    が、所定距離だけ上記ワイヤ列を繰り出した後、該繰り
    出し距離より短い距離を引き戻すという往復走行により
    切断するものとし、しかも上記ワイヤ列の繰り出し量と
    引き戻し量との比率が常に一定である請求項1に記載の
    ワイヤソーのインゴット切断方法。
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Cited By (4)

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