JPH1157696A - 浴水循環装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光検出手段の寿命を大幅に延ばしつつ、照射
量の低下等を検出する。 【解決手段】 紫外線殺菌筒１８内に透明な石英管５８
が配置され、石英管５８内に紫外線を照射する紫外線灯
本体６４が配置される。紫外線殺菌筒１８の下部に、穴
部５２Ａを底面に有した下部蓋材５２が取り付けられ
る。穴部５２Ａに対向して、紫外線灯本体６４からの紫
外線を検出する受光センサ８２が配置され、浴水循環装
置の動作を制御する為の制御部８４に接続される。下部
蓋材５２の側部に雄ねじが外周面に切られた回転軸８６
Ａを有したモータ８６が配置され、下部蓋材５２内の底
面上に雌ねじが切られた孔部８８Ａを有した遮光板８８
が移動可能に配置されて、孔部８８Ａに回転軸８６Ａが
ねじ込まれる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴水を循環させて
浴水を殺菌する浴水循環装置に関し、例えば、循環式の
風呂釜、温水器及び湯沸器等に適用可能なものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、浴槽内の浴水を浄化及び加熱し再
度浴槽内に戻して、常時浴槽を使用に供せられるように
した、いわゆる２４時間風呂である浴水循環装置が家庭
で使用されるようになってきた。つまり、この浴水循環
装置は、浴槽の浴水を毎日交換することなく浴水を浄化
及び加熱して、２４時間いつでも入浴可能とし、極めて
便利にしかも節水して浴槽を使用できるようにしたもの
である。

【０００３】そして、このような浴水循環装置は、浴水
中の身体からの分泌物等の異物を濾過して除去し浴水を
浄化する浄化装置、浴水を一定の温度に保持する加熱装
置などの他に、浴水中の細菌を殺菌する紫外線灯などの
殺菌装置を備えている。

【０００４】ここで細菌を殺菌する紫外線の波長として
は２５３．７ｎｍ（ナノメータ）の波長が特に有効であ
るが、紫外線灯は通常１００〜４５０ｎｍ位の領域の波
長の光を出力している。そして、可視光の波長は４００
〜７００ｎｍであるので、４５０ｎｍ位の波長では紫色
の光となり、紫外線灯は紫外光だけでなく可視光も出力
していることになる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】殺菌灯であるこの紫外
線灯には寿命や玉切れがある為、従来は紫外線灯の点灯
積算時間が予測寿命に達したときや、点灯装置の電流検
出によって玉切れが検出されたときに、紫外線灯の交換
を促す警報などを発していた。

【０００６】しかしながら、紫外線灯の点灯積算時間に
よるものや、点灯装置の電流検出による玉切れ検出で
は、例えば浴水循環装置が衝撃を受けての破損、あるい
は紫外線灯の交換取付時の取付不良等の原因による紫外
線強度の低下を検出することはできず、十分に浴水が殺
菌されているか不明であった。この為、紫外線灯に異常
が生じても、浴水循環装置を停止したり紫外線灯の交換
を促す警報を出すことはできなかった。

【０００７】尚、フォトダイオード等の光検出手段を使
用して紫外線自体を検出することも考えられているが、
紫外線による劣化のためにフォトダイオードの寿命が低
下し、十分な信頼性が得られなかった。

【０００８】本発明は上記事実を考慮し、光検出手段の
寿命を大幅に延ばしつつ、殺菌灯の異常からの玉切れ、
殺菌光の照射量の低下あるいは動作不良を検出し得る浴
水循環装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１による浴水循環
装置は、浴水を循環経路で循環させると共に殺菌灯が殺
菌光を循環中の浴水に照射して浴水を殺菌する浴水循環
装置であって、殺菌灯から出力される殺菌光を検出する
光検出手段と、光検出手段からの検出信号を基に殺菌灯
が異常状態か否かを判断し得る制御部と、殺菌光を遮光
可能に殺菌灯と光検出手段との間に配置されて間欠的に
殺菌光を光検出手段により検出可能とし得る遮光部材
と、を備えたことを特徴とする。

【００１０】請求項２による浴水循環装置は、請求項１
に係る浴水循環装置において、遮光部材がモータと遮光
板を有し、殺菌光を遮光し得る遮光状態及び光検出手段
が殺菌光を検出する検出状態を、モータの駆動回転によ
り遮光板が移動されて採り得ることを特徴とする。

【００１１】請求項１に係る浴水循環装置の作用を以下
に説明する。循環経路で循環される浴水に殺菌灯が殺菌
光を照射して、浴水を殺菌する。また、殺菌灯から出力
される殺菌光を検出する光検出手段からの検出信号を基
に、殺菌灯が異常状態か否かを制御部が判断する。この
際、殺菌光を遮光可能に殺菌灯と光検出手段との間に遮
光部材が配置されるので、遮光部材の動作により間欠的
に殺菌光を光検出手段が検出可能となる。

【００１２】従って、殺菌灯の異常による玉切れ、殺菌
光の照射量の低下あるいは動作不良等を、この光検出手
段が検出し、殺菌灯が異常であると制御部が判断した時
には、制御部が浴水循環装置の運転を停止したり、殺菌
灯の交換を促す警報を出して異常を表示することができ
る。

【００１３】また、遮光部材により間欠的に光検出手段
が殺菌光を検出可能となるので、光検出手段の寿命が大
幅に延びるようになって浴水循環装置の信頼性が高ま
り、これに伴って、浴水循環装置の稼働中に安定して浴
水を殺菌できるようになった。

【００１４】請求項２に係る浴水循環装置の作用を以下
に説明する。本請求項も請求項１と同様な作用を奏す
る。但し、本請求項は、遮光部材がモータと遮光板を有
し、殺菌光を遮光し得る遮光状態及び光検出手段が殺菌
光を検出する検出状態を、モータの駆動回転により遮光
板が移動されて採り得る構成を有する。

【００１５】この為、モータの駆動回転により遮光板が
移動されるという簡易な構造で、遮光状態及び検出状態
を採り得るので、低コストで殺菌灯の異常を検出できる
ようになると共に、浴水循環装置の信頼性がより一層高
まる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明に係る浴水循環装置の一実
施の形態を図１から図５に示し、これらの図に基づき本
実施の形態を説明する。

【００１７】図１に示すように、浴水Ｗを溜める浴槽６
２に隣接した浴室内の箇所に、本実施の形態に係る浴水
循環装置１０の装置本体１２が設置されている。

【００１８】この装置本体１２内には、浴槽６２内の浴
水Ｗを循環する循環ポンプ１４、浴水Ｗ中の雑菌を紫外
線により殺菌する紫外線殺菌筒１８、洗浄時の排水を自
動的に切り換える五方弁２０、浴水Ｗを所定温度に加熱
するヒータ２２及び、収納されている濾過材で浴水Ｗを
濾過する浄化筒２４が、収納されて備えられている。

【００１９】また、循環ポンプ１４に繋がる循環パイプ
３２は浴水Ｗの吸水経路を構成するものであり、循環ポ
ンプ１４から装置本体１２の外側に延出され、その先端
は、トップフィルタを備えると共に濾過槽を内蔵した吸
入口である浴水吸水ユニット３４に連結されている。

【００２０】そして、循環ポンプ１４、紫外線殺菌筒１
８、五方弁２０、ヒータ２２、浄化筒２４の順で浴水Ｗ
が流れるように装置本体１２内に配管２６が設置されて
おり、浄化筒２４から出た浴水Ｗが五方弁２０を再度通
過した後、循環パイプ２８に送り込まれるようになって
いる。五方弁２０に連結されると共に装置本体１２より
延出されたこの循環パイプ２８の先端部は、送水口を有
する噴き出しユニット３０に連結されている。

【００２１】一方、図２及び図３に示すように、紫外線
殺菌筒１８の中央部分を、円筒状に形成されたステンレ
ス鋼製の円筒部材４２が形成しており、この円筒部材４
２の上下端部には、それぞれ合成樹脂製の上部キャップ
４４及び下部キャップ４６が、円筒部材４２の上下端部
に嵌合するように取付けられている。

【００２２】この下部キャップ４６には注水口４６Ａが
下部キャップ４６より突出するように設けられており、
上部キャップ４４には排水口４４Ａが上部キャップ４４
より突出するように設けられている。そして、これら注
水口４６Ａ及び排水口４４Ａが、それぞれ配管２６と接
続されている。また、この上部キャップ４４及び下部キ
ャップ４６はそれぞれ上下方向に貫通されており、リン
グ状に形成された上部封止リング材４８が上部キャップ
４４内に緊密に嵌合され、リング状に形成された下部封
止リング材５０が下部キャップ４６内に緊密に嵌合され
ている。

【００２３】図３に示すように、この紫外線殺菌筒１８
の内部には、底部が球面状に封止されて断面がＵ字状に
形成された透明な石英管５８が、円筒部材４２と同軸状
に配置されており、この石英管５８の上部と上部封止リ
ング材４８との間及び石英管５８の下部と下部封止リン
グ材５０との間が、それぞれＯリング６０により封止さ
れている。

【００２４】従って、円筒部材４２、一対の封止リング
材４８、５０と石英管５８との間の紫外線殺菌筒１８内
のリング状の空間が、注水口４６Ａから排水口４４Ａに
向かって浴水Ｗが通過する殺菌流路５６とされ、配管２
６、循環パイプ２８、３２及びこの殺菌流路５６によ
り、浴水Ｗを浴槽６２との間で循環させる循環経路を構
成することになる。そして、この殺菌流路５６内を浴水
Ｗが流れる際には、Ｏリング６０により封止されて石英
管５８の上部と上部封止リング材４８との間及び石英管
５８の下部と下部封止リング材５０との間から浴水Ｗが
漏れ出すことはない。

【００２５】さらに、図４及び図５に示すように、石英
管５８の内部には、紫外線を照射して殺菌をし得る殺菌
灯である円筒状の紫外線灯本体６４が、石英管５８に対
して脱着可能に配置されている。

【００２６】そして、この紫外線灯本体６４の上下部分
はそれぞれ合成樹脂製の上側キャップ６６及び下側キャ
ップ６８により構成され、これら上側キャップ６６と下
側キャップ６８との間に円管状でガラス製の封止管７２
が配置されていて、この封止管７２内が上側キャップ６
６及び下側キャップ６８により封止されている。また、
紫外線灯本体６４の封止管７２内に、一対のフィラメン
ト７６がそれぞれ配置されており、先端にコネクタを有
した引出し線７８が紫外線灯本体６４から伸びている。

【００２７】さらに、紫外線殺菌筒１８の下部には、穴
部５２Ａを底面に有したカップ状の下部蓋材５２が下部
キャップ４６の下面に接着されつつ取り付けられてお
り、この穴部５２Ａに対向して、紫外線灯本体６４から
の殺菌光である紫外線を検出する光検出手段とされる受
光センサ８２が配置されている。尚、この受光センサ８
２は例えばフォトダイオードやフォトトランジスタ等に
より構成される。

【００２８】図３及び図４に示すように、この下部蓋材
５２の側部には、雄ねじが外周面に切られた回転軸８６
Ａを有したモータ８６が配置されており、この回転軸８
６Ａの先端側が下部蓋材５２の側壁を貫通している。そ
して、下部蓋材５２内の底面上には、雌ねじが切られた
孔部８８Ａを有した遮光板８８が移動可能に配置されて
おり、この遮光板８８の孔部８８Ａに回転軸８６Ａがね
じ込まれている。

【００２９】従って、遮光板８８の雌ねじと回転軸８６
Ａの雄ねじとが噛み合わされているので、モータ８６が
回転することで、遮光板８８が下部蓋材５２内を図３及
び図４において左右方向に移動し、これに伴って、紫外
線を遮光し得る遮光状態及び受光センサ８２が紫外線を
検出する検出状態を、遮光板８８が採り得ることにな
る。

【００３０】一方、この受光センサ８２から伸びる配線
が、この浴水循環装置１０の動作を制御する為のＣＰＵ
等により構成された制御部８４に接続されている。そし
て、この制御部８４には循環ポンプ１４、紫外線殺菌筒
１８及びヒータ２２等だけでなく、警報音を出す図示し
ないブザーも接続されていて、制御部８４がこれらの動
作をコントロールしている。

【００３１】次に、本実施の形態に係る浴水循環装置１
０の作用を以下に説明する。循環ポンプ１４が作動する
と、浴槽６２内の浴水Ｗを浴水吸水ユニット３４が取水
し、この浴水Ｗを紫外線殺菌筒１８が殺菌し、ヒータ２
２が所定温度に加熱し、さらに浄化筒２４で浄化し、浄
化された浴水Ｗを噴き出しユニット３０が浴槽６２内へ
戻すことになる。

【００３２】この浴水Ｗの殺菌の際、浴水Ｗは注水口４
６Ａから紫外線殺菌筒１８内に入り、紫外線殺菌筒１８
内の殺菌流路５６を通過するのに伴って、浴水Ｗに紫外
線灯本体６４が紫外線を照射して浴水Ｗが殺菌され、殺
菌された浴水Ｗが排水口４４Ａから紫外線殺菌筒１８の
外部に出て行くことになる。

【００３３】また、紫外線灯本体６４から出力される紫
外線の内の下側に漏れる部分を下部蓋材５２の穴部５２
Ａを介して受光センサ８２が検出し、この受光センサ８
２からの検出信号を基に、紫外線灯本体６４が異常状態
か否かを制御部８４が判断する。そしてこの時、紫外線
灯本体６４と受光センサ８２との間に、モータ８６及び
遮光板８８で構成される遮光部材が紫外線を遮光可能に
配置されるので、これらモータ８６及び遮光板８８の動
作により紫外線を受光センサ８２が間欠的に検出可能と
なる。

【００３４】具体的には、通常の浴水循環装置１０の運
転時において、図５に示すように、遮光板８８によって
紫外線は遮断されて遮光状態となり、受光センサ８２に
は紫外線が照射されていない。また、紫外線の強度を測
定する場合、モータ８６を駆動して図３に示すように遮
光板８８を移動させることで検出状態となり、受光セン
サ８２に紫外線が照射される。

【００３５】さらに、紫外線の強度の測定が終了する
と、モータ８６を駆動して図５に示すように遮光板８８
を元の位置に移動させて、再び受光センサ８２に紫外線
が照射されない遮光状態にする。尚、この際の紫外線の
強度を測定する間隔は任意に設定可能とされる。

【００３６】従って、紫外線灯本体６４の異常による玉
切れ、紫外線の照射量の低下、あるいは動作不良を、受
光センサ８２が検出し、紫外線灯本体６４が異常である
と制御部８４が判断した時には、制御部８４が、浴水循
環装置１０の運転を停止したり、紫外線灯本体６４の交
換を促す警報を出して異常を表示することになる。

【００３７】また、モータ８６及び遮光板８８により間
欠的に受光センサ８２が紫外線を検出可能として、測定
時以外は遮光板８８により受光センサ８２に紫外線を当
てないので、受光センサ８２の寿命が大幅に延びるよう
になって浴水循環装置１０の信頼性が高まり、これに伴
って、浴水循環装置１０の稼働中に安定して浴水Ｗを殺
菌できるようになり、紫外線の強度低下による殺菌力不
足の状態での浴水循環装置１０の運転を防止できる。

【００３８】さらに、モータ８６の駆動回転により遮光
板８８が移動されるという簡易な構造で遮光状態及び検
出状態を採り得るようにしたので、低コストで紫外線灯
本体６４の異常を検出できるようになると共に、浴水循
環装置１０の信頼性がより一層高まる。

【００３９】そして、浴水循環装置１０の運転の停止や
警報から紫外線灯本体６４の異常を知った場合、紫外線
灯本体６４を石英管５８内より取り外すだけで、紫外線
殺菌筒１８内の紫外線灯本体６４を容易に交換すること
が可能となる。

【００４０】尚、上記実施の形態においては、いわゆる
２４時間風呂である浴水循環装置を用いて説明したが、
本発明はこの他に循環式の風呂釜、温水器及び湯沸器等
にも適用可能なものである。

【００４１】

【発明の効果】本発明によれば、以上のように説明した
構成とした結果、光検出手段の寿命を大幅に延ばしつ
つ、殺菌灯の異常からの玉切れ、殺菌光の照射量の低下
あるいは動作不良を検出し、殺菌灯の玉切れや殺菌不十
分な状態での装置の運転を防ぐことができる浴水循環装
置を得ることが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る浴水循環装置の一実施の形態を示
す斜視透視図である。

【図２】本発明に係る浴水循環装置の一実施の形態に適
用された紫外線殺菌筒の分解斜視図である。

【図３】本発明に係る浴水循環装置の一実施の形態に適
用された紫外線殺菌筒を示す断面図であって、検出状態
を示す図である。

【図４】図３の要部拡大図である。

【図５】本発明に係る浴水循環装置の一実施の形態に適
用された紫外線殺菌筒を示す断面図であって、遮光状態
を示す図である。

【符号の説明】

１０ 浴水循環装置 １２ 装置本体 １８ 紫外線殺菌筒 ６４ 紫外線灯本体 ８２ 受光センサ ８４ 制御部 ８６ モータ ８８ 遮光板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴水を循環経路で循環させると共に殺菌
   灯が殺菌光を循環中の浴水に照射して浴水を殺菌する浴
   水循環装置であって、 殺菌灯から出力される殺菌光を検出する光検出手段と、 光検出手段からの検出信号を基に殺菌灯が異常状態か否
   かを判断し得る制御部と、 殺菌光を遮光可能に殺菌灯と光検出手段との間に配置さ
   れて間欠的に殺菌光を光検出手段により検出可能とし得
   る遮光部材と、 を備えたことを特徴とする浴水循環装置。
2. 【請求項２】 遮光部材がモータと遮光板を有し、殺菌
   光を遮光し得る遮光状態及び光検出手段が殺菌光を検出
   する検出状態を、モータの駆動回転により遮光板が移動
   されて採り得ることを特徴とする請求項１記載の浴水循
   環装置。