JPH1157598A - 気泡の発生を防止した塗液塗布方法 - Google Patents

気泡の発生を防止した塗液塗布方法

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JPH1157598A
JPH1157598A JP22466697A JP22466697A JPH1157598A JP H1157598 A JPH1157598 A JP H1157598A JP 22466697 A JP22466697 A JP 22466697A JP 22466697 A JP22466697 A JP 22466697A JP H1157598 A JPH1157598 A JP H1157598A
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coating liquid
coating
bubbles
air
coated
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JP22466697A
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Motohisa Aoki
源久 青木
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗液を塗布する際、気泡の発生を防止して欠
陥のない均一な塗膜を得ることのできる塗液塗布方法。 【解決手段】 塗液を被塗布物表面に塗布する方法にお
いて、塗液として気体溶存量の少ない塗液を用いると共
に塗液が被塗布物表面に塗着されるまでの間、気体の溶
存を抑制した状態を保持せしめて塗布することを特徴と
する気泡の発生を防止した塗液塗布方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗液の塗布方法に関
し、更に詳しくは、気泡の発生を防止して欠陥のない均
一な塗膜を得るための塗液塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒状、円柱状または平板状など
の基体表面に塗膜を形成する方法の一つとしてノズル塗
布方法が知られている。ノズル塗布方法は、被塗布物を
水平に支持し、円筒状または円柱状の被塗布物に適用す
る場合は被塗布物を回転させつつノズルを相対的に軸線
方向に移動させ、また、平板状の被塗布物に適用する場
合は被塗布物とノズルとを相対的にX−Y方向に移動さ
せ、その表面に塗液を供給し、塗液の流動性を利用して
塗膜を形成する塗布方法である。
【0003】しかしながら、従来のノズル塗布方法にお
ける塗膜の平滑化は、塗液と被塗布物との親和性や塗液
の流動性に依存するものであり、精度の高い制御は困難
であった。また、空気の噴出流をスパイラル状に塗着し
た液に吹き付けたり(特開昭59−196781号公報
参照)、勢いよくノズルから吐出させて飛翔エネルギー
を利用(例えば特公平5−67345号公報参照)する
方法があるが、溶媒型塗液を使用した場合は、被塗布物
表面の塗液の乾燥速度が速く十分に平滑化された塗膜の
形成は困難である。
【0004】更にノズルと別に設けた塗膜表面形成部材
で塗液をこすり、平滑化する方法も提案されている(例
えば特開昭50−90404号公報参照)が、塗布空間
を解放して液滴状に被塗布物に塗着させる場合は極く小
さな凹凸が表面に残るのを防止することは困難であり、
連続して紐状に塗着した場合でも別個にブレードを設け
る方法では安定して平滑化することは容易ではない。
【0005】また、ノズル塗布(特開平3−19316
1)に於ては、ノズルと被塗布物の距離が50〜100
μ程度に近接しているときは、吐出された塗液がノズル
と被塗布物との相対的な移動に基づいてスムーズに被塗
布物へと移行して比較的平滑な塗膜を得ることができる
がノズル径に対して距離が少し離れるとノズル開口部に
液滴が形成され被塗布物への塗着が間歇的となる。上述
したようにこの場合はブレードでこすって平滑化を行っ
ても凹凸は解消せず、例えば浸漬塗布と比較すると、著
しく粗い表面となる。従って、被塗布物のノズルとの距
離を両者の衝突を起こさせず、かつ一定値以内に保つ必
要があるが、このためにはオートフォーカス機構を取り
入れて、測定値に基づきノズルの位置を上下させるか、
被塗布物の距離変動が起こらないように精度のよい搬送
系を作らなければならず、これらは費用を要するという
問題がある。
【0006】上記実情に鑑みて、本発明者は、特願平6
−101289号において、ノズル開口部に被塗布物表
面に達する塗液誘導部材を設けることにより、ノズルの
被塗布物に対する位置精度の要求を緩和し、塗液の連続
吐出、塗膜の平滑化を可能とする塗布方法を提供した。
しかしながら、上記塗布方法を用いても、塗液の溶媒が
特に低沸点(100℃以下)である場合には、塗液が被
塗布物表面に達するまでの間の溶媒蒸発が避けられず、
濃縮された塗液を薄めるために専用の溶媒供給管を設け
る等の工夫が必要であった。
【0007】更に本発明者は先に塗液の導通部材の端部
に、平滑化機能を持たせることによりノズル開口部と被
塗布物との距離の精度が悪くても連続した塗着を得るこ
とができ、塗着と同時に平滑化も行ない均一な塗膜を得
る塗布方法及び装置を提供した(特願平7−4717
2)。上記の塗布方法を例えば水平回転保持された円筒
状被塗布物に適用し、塗液の粘度、湿潤膜厚、被塗布物
の回転数、平滑化部材の被塗布物接触位置、押し付け力
などを適当に選ぶと浸漬塗布を行った場合に近い乾燥塗
膜を得ることができる。
【0008】しかし、平滑化部材で塗膜をこすって平滑
化する方法の本質として、空気を塗膜内に引き込みやす
い問題がある。一般に使用する塗液は空気で飽和してい
るため、塗膜平滑時に膜内に引き込まれた空気は塗液へ
の溶解は期待できず乾燥されるまで気泡となって残存す
る。また、更に乾燥膜厚を厚くした場合、たとえ平滑時
に膜内に空気を引き込まずに操作することができ、風乾
後膜内に気泡が存在しなくとも、残存溶媒を除去する本
乾燥の時点で溶存空気が析出分離して気泡が発生するこ
とはよく経験するところである。
【0009】一方電子写真感光体用の塗膜形成法として
浸漬塗布が行われている。浸漬塗布に於ては一般的に塗
布速度が遅く、効率を上げるため多数本の基体の塗布を
同時に行っており、基体内及び基体間の膜均一性を向上
するために、塗液は浸漬槽とホールドタンクとの間を循
環されている。この間に空気は塗液中に飽和した状態で
溶存することになる。循環中には、液が気相を伴って流
動する部分を皆無にすることは困難であり、この流動の
過程で随伴気相が泡となって液相中に混入する。また、
塗布の過程で膜を形成させるため基体を塗液から引き離
すがこの時、基体上に余剰に付着した塗液は流下して浸
漬槽に落ち、この時の滴下液が空気を随伴し、槽内に気
泡が存在することとなる。
【0010】これらの泡は液が空気飽和の状態となって
いるため溶解消失することはなく、比重差などにより分
離するのを待って、液から除去されているのが一般であ
る。また、浸漬塗布により得られた膜に予め泡があれば
勿論のこと、泡がない場合でも、乾燥を速く行えば溶存
空気の析出が生じ乾燥膜中に気泡が発生してしまうこと
は、前述のブレード塗布の場合と同一である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
消するためのものであり、気泡の発生に対する解決方法
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、塗液を塗布す
る際、供給する塗液を溶存空気量の少ない状態にして、
平滑化時に平滑化部材のこすりによって膜内に空気を巻
き込んで、気泡が一時的に生成することがあっても、気
泡周辺の塗液が気泡内の空気を拡散吸収することによっ
て、気泡の発生を防止する方法を提供するものである。
【0013】更に熱を加えて残存溶媒の除去を行う本乾
燥に於て、昇温析出する空気量を少くし、拡散抵抗が大
きくなる塗膜中で、空気析出を拡散速度に見合う量以下
とし、気相の生成を防ぐ方法も提供するものである。更
に熱を加えて残存溶媒の除去を行う本乾燥に於ては、風
乾時に比較して膜温度が上昇し、膜に対する空気溶解度
は低下するが、膜からの空気の拡散放出と相俣って、乾
燥中常に未飽和状態を保って、気泡の生成に到らしめな
い方法を提供するものである。具体的には、塗液を被塗
布物表面に塗布する方法において、塗液として気体溶存
量の少ない塗液を用いると共に塗液が被塗布物表面に塗
着されるまでの間、気体の溶存を抑制した状態を保持し
て塗布することを特徴とする気泡の発生を防止した塗液
塗布方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、円筒状または円柱状物体に
平板状の平滑化部材を用いたノズル塗布方法によって塗
液を塗布する場合を例に本発明を詳細に説明する。図1
に、本発明の塗布方法を実施する塗布装置の一例として
電子写真感光体の製造方法に利用する場合について説明
図を示す。
【0015】図1に示す塗布装置は、円筒状または円柱
状の被塗布物基体を水平に支持して回転させる駆動機構
と被塗布物の軸方向に移動しつつ被塗布物の表面に溶存
空気量の少ない塗液を供給する塗液供給機構とから構成
されている。被塗布物1としては、特に限定されること
はなく、電子写真感光体の基体の場合、ガラス管、アル
ミ切削管、アルミしごき管、樹脂管、紙管等またはこれ
らの管に下地塗布、下地処理を施した管或は電子写真感
光体の再生管等が使用される。
【0016】駆動機構は、所定の間隔を設けて左右に垂
直に配置された軸受け付き支持プレート2,2、各支持
プレートの上部にそれぞれ設けられた軸受けを介して水
平に配置された回転軸3,3、一方の回転軸に固設され
たギヤ4、ギヤ駆動用モーター5、モーター5の回転を
ギヤ4に伝達するタイミングベルト6から構成されてい
る。
【0017】被塗布物1の回転は、被塗布物1の中心部
に回転軸3の嵌合孔を設け、あるいは被塗布物1の両端
に予め装着されたフランジ7,7によって行われる。す
なわち、円筒状の場合は被塗布物1の両端にフランジ
7,7を装着した後、回転軸3,3の間に被塗布物1を
位置させて一方の回転軸を前進させ、フランジ7,7の
各中心孔に回転軸3,3を嵌合固定し、ギヤ駆動用モー
ター5を駆動させて被塗布物1を回転させる。フランジ
7,7の装着は、フランジの各中心孔で決定される被塗
布物の軸芯が合うように行う。
【0018】塗液供給機構は、所定の間隔を設けて左右
に垂直に配置された支持プレート8,8、各支持プレー
トの間に配置された2本の案内ロッド9,9、支持プレ
ート8,8の間であって案内ロッド9,9の間に配置さ
れかつ一端が支持プレート8から突出するボールネジ1
0とその端部に固設されたギヤ11、ギヤ駆動用モータ
ー12、モーター12の回転をギヤ11に伝達するタイ
ミングベルト13、その左右にそれぞれ設けられた案内
ロッド9の嵌合孔と当該嵌合孔の中央に設けられたボー
ルネジ10を嵌合するボールネジの軸受部とを有する支
持プレート8,8の間に配置された移動体14、その一
端を移動体14に固設しかつその先端のノズル部を水平
に配置された被塗布物1の表面に向けて配置された可撓
性の塗液供給管15、該塗液供給管15の他端側に配置
された塗液容器16、該塗液供給管15の途中に配置さ
れた定量ポンプ21から構成されている。
【0019】塗液容器16には、空気溶存量の少ない塗
液が貯留される。塗液中の空気溶存量を小さくする手段
としては、塗液を剛性の容器に入れて排気ラインに連結
して減圧脱気した後、内部の空気を排除した塗液容器1
6に移し変えることによって行なうことができる。この
場合、減圧脱気するための容器としては、脱気した塗液
を塗布機構に供給し、あるいは他の容器に移し替える際
に減圧脱気用の容器内から液輸送用ポンプへの吸引がス
ムースに行なえるようにプランジャー等を備えて容器容
積を可変としたものを用いることが望ましい。
【0020】塗液容器16に注入された塗液を溶媒凝集
のためのコンデンサーを付け加熱昇温して脱気した後塗
液上部に空気相が残らないように塗液面を上げた状態で
封止し、これを冷却することによって行なうこともでき
る。加熱温度は使用温度より30℃以上高い温度とする
ことが望ましい。塗液の溶存空気量は、簡易的にはガス
クロマトグラフィーを用いて測定することができ、本発
明において、気体溶存量の少ない、あるいは気体の溶存
を抑制した状態とは、空気の飽和溶解量の80%以下、
好ましくは70%以下、更に好ましくは50%以下の状
態を意味する。
【0021】こうして脱気した塗液を空気が再び溶解し
ないように保持するために塗液容器16はガスバリヤー
性の優れた材料で形成されると共に塗液を被塗布面に供
給して塗装する際に塗液の減少に伴って塗液容器に空気
が侵入して塗液に溶解することを防止するために、塗液
の減少に伴って、塗液容器の塗液収容部容積が減少可能
なものが好ましく、塗液容器16は少なくともその一部
が可撓性材料で形成されたものとすることが望ましい。
【0022】塗液容器16を剛体とするときは、プラン
ジャー等によって内容積を可変とするか、外部に連通し
て塗液の減少に伴って膨張する袋状体を内装したものが
よい。図においては、可撓性でガスバリヤー性のフィル
ムで形成した容器が用いられている。塗液容器16は塗
液に対して耐浸蝕性を有するものが使用され、耐浸蝕性
材料としては一般にポリエチレン、ポリプロピレン、2
軸延伸したポリエチレンテレフタレートなどがバリヤー
性フィルムとラミネートされて用いられる。
【0023】バリヤー性フィルムとしては、ナイロン、
ポリエステル、ポリ塩化ビニリデンなどが使用される。
耐浸蝕性フィルムとしては10〜100μm、バリヤー
性フィルムとしては20〜150μmとし、ガス透過量
としては液1mlに対し、10-4ml/day以下にな
るようにバリヤー係数との関係でフィルム厚さ、面積が
選ばれる。
【0024】塗液容器16に塗液を注入するときは、ま
ず長方形のシートをヒートシールして1辺が開口し3辺
が閉鎖された袋状とする。このとき袋の上下となる部分
に予めコック18、20が取り付けられるようシートに
穴を開け、チューブ取り付け用コネクターをセットして
おく。ヒートシールをし、コック18、20を取付けた
後、コック20を閉とした状態で別途脱気した塗液を開
となった一辺から袋に投入し、ヒートシールする。コッ
ク18を開とし、チューブ17を減圧系に継いで塗液容
器16の気相部を排気し、コック18を閉とした後塗液
容器16を液供給系に接続する。塗液を吸引、吐出する
ポンプ21には吸引、吐出側に夫々バルブ22、23が
設けられている。更にポンプ吐出側の配管15にはティ
ーズ24を有し、配管15と直角な方向の管はバルブ2
5を介して排気ラインに連結される。
【0025】塗液供給機構から供給される塗液はポンプ
21で吸引・吐出され、バルブ23を経由した後、更に
バルブ26、ノズル27を経て、吐出口から吐出され
る。なお、28は第2のチィーズで、塗液の流路に直角
の方向のパイプにはバルブ29を介して圧力計Pが連設
されている。ノズル27の先端部には塗膜と摺動して塗
膜表面を平滑にするための平滑化部材30が装着され
る。
【0026】平滑化部材30は、被塗布面に供給された
塗液を塗り広げるための部材でその構造は特に制約はな
く、ハケ、ヘラ、ドクターナイフ等を用いることができ
る。本実施例における平滑化部材30は、図2(a)、
(b)に示すように、前面に塗液接触面30aを有し、
その中央部には前背面に貫通する小孔31が穿設され、
該小孔31には背面からノズル27が挿入されて連結さ
れ、前面の塗液接触面30a側に塗液吐出口32を形成
する。
【0027】小孔31は平滑化部材30の中央部に設け
られるがその位置は厳密に中央である必要はなく、目的
に応じて位置は選定される。特に上下位置については許
容範囲が広く条件に合せて任意の位置に設けることがで
きる。平滑化部材30は弾性力でもって弾性的に被塗布
物1に当接される。従って、ノズル27は平滑化部材3
0の動きを拘束しないようにすることが必要で、ノズル
27をポリ3フッ化エチレン等の柔軟な可撓性材料で形
成するか、あるいはノズル27を剛性部材で形成し、可
撓性の管状体で連結することが望ましい。
【0028】平滑化部材30の材質は塗液に対して耐性
を有するものであれば特に制限されないが可撓性を有す
る弾性材料が適し、ゴム、プラスチックあるいは銅、ア
ルミニウム、リン青銅、ステンレススチール等の金属の
薄板を用いることができる。特に望ましくは、極部的押
圧力を受けたとき凹みが生じるゴム弾性を有する構造体
とすることが望ましい。
【0029】このような構造とするためには、エチレン
・プロピレンゴム、フッ素系ゴム、テフロンゴム、シリ
コンゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、軟質塩化ビ
ニル等の軟質材料によって構成することができる。ま
た、低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル等比較
的剛性を有する材料を用い独立気泡性の発泡体とするこ
とによって弾性構造体とすることもできる。
【0030】平滑化部材30の塗液接触面30aにリン
青銅、ポリエステル等硬度の高い材質を用いるときは、
かかる剛性材料の肉厚を薄くすると共に弾性物質で裏打
ちを行うことが好ましい。平滑化部材30の形状として
は、図2に示したように偏平状の直方体でよいが、他に
肉厚のパイプ、丸棒なども適用出来る。これらのブレー
ドは被塗布物に弾性的に当接される。平滑化部材30の
被塗布物面を押す力が1〜40gf/接触全面、好まし
くは5〜20gf/接触全面となるような力、弾性率及
び形状を選ぶのがよい。
【0031】平滑化部材30を弾性的に被塗布物1に当
接する方法としては、平滑化部材30を適当な弾力性を
持つ材質で形成することで達成することができるが、平
滑化部材30をピアノ線35等の弾性材料で支持するこ
とによって適度の弾力性を付与することができる。塗布
液を吐出するノズル27の吐出口32は被塗布物1と平
滑化部材30が接する個所より1〜10mm上方に小孔
31を穿設してほぼブレード表面にノズル端部が来るよ
うに設けることが望ましい。
【0032】平滑化部材30は全体を導電化することが
望ましいが、平滑化部材30を非導電性材料で形成する
ときは、少なくとも平滑化部材30の塗液接触面30a
を導電化する。ノズル27の内径としては液粘度、吐出
流量により選定されるが0.3〜3mmφを有するもの
が好ましい。
【0033】平滑化部材30の例を示せば、発泡ポリエ
チレン33 (発泡倍率25倍程度)を図2に示すように
平板状の直方体に機械加工し、これにアルミ蒸着したポ
リエチレンテレフタレート(厚さ75μm)34を取付
けることによって行なうことができる。アルミニウム蒸
着面は塗液との接触する側とし、アルミ蒸着ポリエチレ
ンテレフタレートシートは必要面積以上に延長し、接地
用に使用される。
【0034】また、図2 (a)、(b)に示すように発
泡ポリエチレンブロックに2本のピアノ線35,35を
埋め込み全体に弾発性を持たせると同時に該ポリエチレ
ンブロックを支持部材36に支持させる部材として使用
することもできる。図示した塗液供給機構において、移
動体14は、1本の塗液供給管15しか備えていない
が、所定間隔を設けて複数本の塗液供給管を備えること
もでき、また、定量ポンプ21を共通にし且つ先端部を
複数本の分岐構造にした1本の塗液供給管を備えること
もできる。
【0035】塗液供給管はバルブ26を備え、バルブ2
6に直接可撓性のノズル27を取り付けることもできる
し、バルブ26に剛体からなる短管を付け、該管に可撓
性のノズル27を取り付けることもできる。ノズル27
の吐出口32の位置は円筒状または円柱状被塗布物1の
軸芯の真上でも良いし、軸芯から被塗布物の回転方向へ
ずらしても良い。
【0036】本発明による塗布方法は次のように行われ
る。まず、塗液溶器16のバルブ20を閉じ、別途脱気
処理された塗液を注入する。コック18を開として排気
管17から内部の空気を排気した後、空気に触れない状
態で塗液容器16を封止する。こうして溶存空気量の少
ない塗液を充填した塗液容器は導出管19に連結され
る。
【0037】次いでバルブ20とバルブ26を閉とした
状態でバルブ22、バルブ23とバルブ25を開として
塗液流路内の空気をバルブ25を介して排出する。この
際ポンプ21のプランジャーを前進させてポンプ21の
キャビティーは最小の状態としておく。こうして塗液流
路内の空気を排出した後バルブ25を閉じる。この状態
でバルブ20を開とすると塗液は導出管19、塗液供給
管15を介してノズル27の方向へ送給され塗液供給機
構の準備が完了する。
【0038】塗液供給機構の準備が完了したならば、被
塗布物1のフランジ7,7を回転軸3に嵌合して水平に
保持し回転させる。すなわち、駆動機構により、被塗布
物1を水平に支持して回転させつつ、塗液供給機構によ
り、被塗布物1の表面に塗液をスパイラルまたはリング
状に供給する。供給された塗液は、被塗布物1上に装着
すると同時に平滑化部材30の被塗布物との接触部分で
こすられ、塗液が拡げられて平滑化される。特に回転速
度、液粘度、塗液供給量等が適切に調節されれば、平滑
化された液は通常の固定化手段で硬化され、均一な膜が
形成される。固定化手段としては、溶媒蒸発形の塗液の
場合は風乾、硬化型樹脂を用いた塗液の場合は樹脂に適
した加熱、紫外線照射等を挙げることができる。また、
本発明塗布方法の他の態様として次の方法を採用するこ
とができる。即ち、浸漬塗布方法において、塗液を貯留
して被塗布物を浸漬する浸漬槽に併せて塗液脱気装置を
設け、浸漬槽中の塗液を連続的あるいは間歇的に塗液脱
気装置に循環せしめて、浸漬槽中の塗液の溶存気体量を
常に低い状態に保持して浸漬塗布を行なうことができ
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。実施例において塗液供給機
構としては、定量ポンプ21の吐出側に塗液供給管15
を継ぎ、該管の他端をバルブ26に連結した。バルブ2
6には直接可撓性のノズル27を取り付けた。
【0040】実施例1 本実施例は図2に示した平滑化部材を用いた例である。
アルミ切削管(外径30.0mm、印ろう部内径28.
5mm、長さ260mm)にフランジを装着し、フラン
ジ孔に被塗布物回転機構の内拡コレットチャックを挿入
し把持した。被塗布物回転機構のギヤモーター5を駆動
して、アルミ切削管1を200rpmで回転させた。平
滑化部材30として長さ100mm、幅15mm、厚さ
10mmの発泡ポリエチレンを用い、これに75μのア
ルペット(アルミニウムを蒸着したポリエステルシー
ト)をアルミニウム蒸着面を外面として被い紐で固定す
ると共に発泡ポリエチレンより上方に延長したアルペッ
トを通して接地した。その中に、可撓性のノズル27と
して内径0.6mmのポリエチレンパイプを、平滑化部
材30の先端から40mm位置に貫通する小孔に挿入し
て前面に吐出口32がくるように通したものを用いた。
バルブ26は、ヘッダーを下降させたとき平滑化部材3
0の吐出口側が水平から60°位の位置でアルミ切削管
と接触するようにセットした。一方、下記の式(1)に
示すヒドラゾン化合物56重量部、
【0041】
【化1】
【0042】下記の式(2)に示すヒドラゾン化合物1
4重量部、
【0043】
【化2】
【0044】下記の式(3)に示すシアノ化合物1.5
重量部、
【0045】
【化3】
【0046】及びポリカーボネート樹脂(三菱化学
(株)ノバレックス7030A)100重量部を1,4
−ジオキサン250重量部及びテトラヒドロフラン36
0重量部の混合溶媒に溶解させた電子写真感光体電荷輸
送層用の塗布液を得た。この溶液を丸底フラスコに移
し、コックを介して30Torrの減圧系に継いだ。ま
ず減圧系のバルブを開にして、コックをゆっくり開にし
てフラスコの状況を観察する。徐々に内部が泡立ち、フ
ラスコのコックジョイント部近くに液面が上昇して来た
ら、コックを閉とし、泡の消えるのを待つ。この操作を
3回繰返すと、泡の立ち方が少くなるので脱気終了とす
る。別途用意した、コック18と、バルブ20を有する
合成樹脂フィルム製のガスバリヤー性袋にゆっくり移
し、移し終ったら投入部をヒートシールした。
【0047】その後、コック18を減圧系に連結し、袋
内の空気をコック18を介して排除した。コック18を
閉じた後、バルブ20に継がれている液導出管19をプ
ランジャーポンプ21の吸引側に継ぎ減圧操作終了後バ
ルブ20を開とする。プランジャーポンプ21の吸引
側、吐出側には空気作動弁22、23を設け、更にプラ
ンジャーポンプ21の出側には途中にチィーズ24、2
8を設け、チィーズ24には配管に直角の方向にはバル
ブ25を介して減圧系に連結し、配管の塗液吐出用ノズ
ルに継ぐ途中のチィーズ28に圧力計Pと空気作動弁2
9を設けた。
【0048】プランジャーポンプ21への塗液吸引迄に
吐出管15内部をチィーズ24に継がれたバルブ25操
作で減圧に保持した。ポンプ21を作動し、圧力計Pを
見ながら配管15に塗液を充たす。圧力計Pの圧力が常
圧より高くなったところで、ノズル27に継がる空気作
動弁26を開とし、塗布機構から溶存空気の少ない塗液
を吐出させる。
【0049】別途ノズルからサンプリングした塗液の固
形分濃度を測定した結果、22重量%であり、塗液容器
16に注入した濃度と変化はなかった。この塗布液を、
ウェット膜厚150μmとなるようにポリエチレンパイ
プから吐出させた。ポリエチレンパイプは1回転1.0
mmピッチとなるようにアルミ管軸方向に移動した。塗
膜の風乾が終る迄約5分間回転を続けた後、回転を停
止、被塗布物回転機構からドラムを取りはずした。外観
観察の結果、気泡は全く見当らなかった。風乾後125
℃×30minの本乾燥を行った。本乾燥終了後も泡の
発生はなかった。
【0050】比較例1 フラスコ中で脱気した後、減圧系からはずして、コック
を開いて、常圧に戻し、1昼夜保持した後、実施例1の
可撓性容器16に移し、プランジャーポンプ21の吸引
側と導出管19を結合した。ポンプの吐出側配管15の
減圧操作をしないままポンプ21から塗液を吐出し、実
施例1と同じ条件で塗布した。風乾後塗布膜を観察する
と、小さな輝いた点が10数個見られ、ルーペで見る
と、小さな泡であった。その後実施例1と同じ条件で本
乾燥した。本乾燥後は肉眼でもはっきり判る泡が風乾時
に見えなかった個所も含め30〜40個観察された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の一例を示す斜視
図。
【図2】平滑化部材を示す図で(a)は縦断面図、
(b)は側面図。
【符号の説明】
1 被塗布物 3 回転軸 7 フランジ 10 ボールネジ、 14 移動体 16 塗液容器 19 導出管 21 定量ポンプ 27 ノズル 30 平滑化部材。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗液を被塗布物表面に塗布する方法にお
    いて、塗液として気体溶存量の少ない塗液を用いると共
    に塗液が被塗布物表面に塗着されるまでの間、気体の溶
    存を抑制した状態を保持して塗布することを特徴とする
    気泡の発生を防止した塗液塗布方法。
  2. 【請求項2】 使用する塗液が、減圧又は加温冷却によ
    って脱気処理されたものである請求項1記載の気泡の発
    生を防止した塗液塗布方法。
  3. 【請求項3】 気体溶存量の少ない塗液を塗液収容部容
    積が可変で気密性を有する塗液容器に貯留すると共に、
    該塗液容器から小径の管体を通して被塗布物表面に供給
    して塗着する請求項1又は2記載の気泡の発生を防止し
    た塗液塗布方法。
  4. 【請求項4】 塗液を塗液収容部容積が可変で気密性を
    有する塗液容器に注入し、該塗液容器を排気ラインに連
    結して減圧脱気した後、小径の管体を通して被塗布物表
    面に供給して塗着する請求項1又は2記載の気泡の発生
    を防止した塗液塗布方法。
  5. 【請求項5】 塗液容器が、可撓性でガスバリヤー性材
    料で形成されてなる請求項3記載の気泡の発生を防止し
    た塗液塗布方法。
  6. 【請求項6】 管体の先端に平滑化部材を設け、該平滑
    化部材で塗液を塗り広げる請求項3〜5いずれかに記載
    の気泡の発生を防止した塗液塗布方法。
  7. 【請求項7】 平滑化部材が、板状の弾性体からなると
    共に、板面中央部が被塗布物に弾性的に当接して塗液を
    塗り広げる請求項6記載の気泡の発生を防止した塗液塗
    布方法。
  8. 【請求項8】 被塗布物が円筒状又は円柱状であって、
    該被塗布物を水平に保持すると共に回転せしめてその表
    面に塗液を供給する請求項1〜7いずれかに記載の気泡
    の発生を防止した塗液塗布方法。
  9. 【請求項9】 塗液を、塗液の脱気装置と被塗布物を浸
    漬して塗液を塗布する浸漬槽間を循環せしめて気体溶存
    量の少ない塗液によって浸漬塗布する気泡の発生を防止
    した塗液塗布方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002263562A (ja) * 2001-03-05 2002-09-17 Fuji Xerox Co Ltd 被覆無端ベルト、並びに、その製造方法及び製造装置
WO2020054113A1 (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 三菱重工業株式会社 粘性体塗布装置

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