JPH1157356A - フィルター - Google Patents

フィルター

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JPH1157356A
JPH1157356A JP9221798A JP22179897A JPH1157356A JP H1157356 A JPH1157356 A JP H1157356A JP 9221798 A JP9221798 A JP 9221798A JP 22179897 A JP22179897 A JP 22179897A JP H1157356 A JPH1157356 A JP H1157356A
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達哉 佐伯
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着性能が高く抗菌性に優れたフィルター、
さらには、その吸着能を有する物質が脱離し難いフィル
ターを提供すること。 【解決手段】 シート状に成形された基材中に、平均粒
子径が100μmを越える大きさに造粒した非晶質リン
酸カルシウムを含む構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中や液体中の
細菌やウイルスをさらには、ぜんそく等の原因の一つい
われるNOx等をも効率よく吸着することができる抗菌
性フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアコン、空気清浄機、換気扇、
掃除機等には空気を清浄するための各種フィルターが設
けられている。このようなフィルターとして、例えば、
特公平7−14447号公報には、紙、不織布等に特定
のリン酸カルシウムを含ませたリン酸カルシウム系フィ
ルターが記載されており、このフィルターによれば細
菌、ウイルス等を有効に捕捉できるとされている。
【0003】また、特開平6−245139号公報に
は、基材表面に光半導体セラミックスとアパタイト、ゼ
オライト、活性炭等の吸着性能を有するセラミックスと
の混合紛体を溶射した機能体が記載されいる。このよう
な溶射を行うのは、光半導体セラミックスを塗布した
り、バインダーに練り込んで基材に塗布した場合には、
有効な電気化学作用を起こさせることができないためと
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
7−14447号公報記載のフィルターでは、特定のリ
ン酸カルシウムを使用して細菌、ウイルス等を吸着して
捕捉することはできても、フイルター加工時にリン酸カ
ルシウムの表面を接着剤等が覆ってしまい殺菌・抗菌す
ることはできないので、フィルター上で菌を捕集するこ
とができなかった。したがって、高い衛生管理を要求さ
れる医療現場や食品製品等の製造現場で求められている
「抗菌効果」は、上記フィルターでは得られない。
【0005】加えて、特公平7−14447号における
実施例では、特定のリン酸カルシウムを紙、不織布等に
含ませるのに、水溶性であるポリビニルアルコールを接
着剤として使用しているため、上記リン酸カルシウムは
空気中の水分、湿気によって容易に脱離し易いという欠
点があった。
【0006】また、特開平6−245139号のような
溶射した機能体で使用するゼオライト、活性炭は吸着性
能が低いことに加えて、その記載からも明らかなよう
に、光半導体セラミックスと吸着性能を有するセラミッ
クスとの混合紛体は瞬間的に3000℃もの高温にさら
されるために、特にアパタイトでの比表面積が焼結によ
って低下し、ウイルスの除去効率が低くなるという問題
を生じている。さらに、このような溶射には、ガス溶射
トーチや酸素、アセチレン、水素等のガスを使用する
為、設備が煩雑になり、製造コストが高くなる等の問題
があった。
【0007】本発明は、吸着性能が高く抗菌性に優れた
フィルター、さらには、その吸着能を有する物質が脱離
し難いフィルターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、非晶質リン酸カルシウムをその
平均粒子径が100μmを越える大きさに造粒し、基材
シートに含ませることにより、フイルター加工時に非晶
質リン酸カルシウムの表面を接着剤等が覆ってしまうこ
とを抑制でき、したがって、高いウイルス吸着能を有す
るフィルターが得られること、また、水溶性でない接着
剤を用いて上記非晶質リン酸カルシウムを基材シートに
接着することにより、水中で使用したり、湿度の高い環
境で使用しても非晶質リン酸カルシウム粒子がシート基
材から容易に脱離し難くなることを見出し、本発明を完
成したものである。
【0009】すなわち、本発明はシート状に成形された
基材中に、平均粒子径が100μmを越える大きさに造
粒した非晶質リン酸カルシウムを含むことを特徴とする
フィルターである。また、シート状に成形された基材に
平均粒子径が100μmを越える大きさに造粒した非晶
質リン酸カルシウムを接着剤を介して接着してなること
を特徴とするフィルターである。さらに、上記のような
構成のフィルターにおいて、前記シート状に成形された
基材が、紙、織布、不織布又はプラスチックフォームと
すること、及び接着剤として、硬化型樹脂及び/又は有
機溶剤可溶の天然系樹脂を含む接着剤を使用することは
好ましい態様である。
【0010】本発明で使用するシート状に成形された基
材とは、一般的にフィルターとして使用できるものであ
って、空気や液体は通過させるが所望の粒子状物質は捕
捉し得るものであれば、いかなるものであってもよい。
特に好ましいものとしては、例えば、和紙、ワッテイン
グ紙等の紙、天然繊維、合成繊維等からなる織布や不織
布、連続気泡を有するポリウレタン発泡体等のプラスチ
ックフォーム等を挙げることができる。
【0011】また、本発明で使用する非晶質リン酸カル
シウム(Amorphous Calcium Phosphate :以下、ACP
と略すことがある。)は、それを粒子状で含むスラリー
から調製される。そのようなスラリーは、攪拌下の水酸
化カルシウムスラリー(懸濁液)に、中性又は弱アルカ
リ性の水溶性高分子分散剤、例えば、弱アルカリ性のト
リアクリル酸アンモニウム塩を添加して混合溶液を得た
後、その混合溶液を撹拌しながらリン酸水溶液を滴下し
て、pHを11〜5に調整することにより得ることがで
きる。また、スラリーを造粒して得られるACPの多孔
質体が大きな比表面積を備えるために、スラリー中にお
けるACPの一次粒子の平均粒子径は0.1μm未満で
あることが望ましい。なお、本明細書における粒子の粒
径は、レーザー回折法により測定したものである。
【0012】上記の水溶性高分子分散剤は、スラリーに
おける粒径約0.1μm未満のACP粒子の凝集を回避
するために添加され、その添加量は水酸化カルシウム懸
濁液に対して0.1〜10重量%、より好ましくは0.
1〜3重量%に設定される。
【0013】スラリー中のACPの含量は、1〜90重
量%となるように調整するのが好ましく、特に5〜50
重量%となるように調整するのが好ましい。スラリーに
おけるACPが90重量%を越えると、スラリーの粘度
が高くなり、後述する造粒に不適となる。スラリー中の
ACPの含量を1〜90重量%の範囲で変化させること
により、所望の平均粒子径、すなわち100μmを越え
る平均粒子径を有する多孔質体を得ることができる。ま
た、ACP粒子を多孔体し、その比表面積をできるだけ
多きくするためには、ACP粒子の平均粒子径は500
μm以下とすることが好ましい。
【0014】本発明で使用するACP粒子は、粉末X線
解析法による回析パターンから、結晶水を含むリン酸三
カルシウム〔式:Ca3(PO42・nH2O〕であるこ
とが分かり、また、そのパターンがブロードであること
から、非晶質であることが確認される。さらに、上記A
CP粒子は結晶水を含むことから、静電気的に活性な物
質であると思われ、表面が帯電している種々の菌体やウ
イルスを吸着し易くなっているものと想定される。
【0015】このようなACP粒子を含むスラリーを造
粒して、多孔質体とする。造粒法としては、形状が略球
状で比表面積が10m2/g以上の多孔質体を製造する
ことができる方法であれば、特に限定されるものではな
い。例えば、噴霧乾燥造粒法、フリーズドライ後に粉砕
してなる造粒法、高速攪拌型造粒法などを用いることが
できる。
【0016】また、本発明で使用できるACPは、焼成
していないことを特徴とする。焼成しないことにより、
非常に微細な粒子が得られ、かつ粒子の比表面積を大き
く保つことができ、優れた吸着効果を発揮することがで
きるからである。
【0017】なお、上記のスラリーに抗菌性金属イオン
を添加し、その抗菌性金属イオンをACP粒子に吸着さ
せて、得られる多孔質粒子に抗菌性を付与してもよい。
このような抗菌性金属イオンとしては、金、銀、亜鉛、
銅、錫、鉛、砒素、白金、鉄、アンチモン、ニッケル、
アルミニウム、バリウム、カドミウム、マンガンなどの
イオンが挙げられ、それらを単独で使用してもよいし、
それらの混合物、金属化合物、あるいはそれらの水溶液
を使用してもよい。
【0018】上記スラリー中に、スラリーに対して50
重量%以下となるように抗菌性金属粉末、抗菌性金属化
合物、あるいはそれらの水溶液を混合することにより、
抗菌性金属イオンを吸着したACP粒子が得られる。抗
菌性金属粉末、抗菌性金属化合物粉末の粒径は、反応性
を高めるために20μm以下であるのが望ましい。ま
た、スラリーと、抗菌性金属粉末、抗菌性金属化合物粉
末あるいは抗菌性金属水溶液とは室温中、アルカリ性の
下で混合するのが望ましい。80℃以上になると、AC
Pからリン酸が溶出し易くなるからであり、また、酸性
ではACPが分解し、リン酸銀のような二次生成物がで
き易くなるからである。
【0019】本発明のフィルターは、シート状に成形さ
れた基材中に、非晶質リン酸カルシウムを分散して含む
ものである。この非晶質リン酸カルシウムはその平均粒
子径が100μmを越えるという特定の大きさを有して
いるので、フィルターを製造した際に、充分な吸着能を
発揮することができるのである。例えば、紙、織布、不
織布、プラスチックフォーム等の基材を製造する時に、
予め上記ACP粒子を加えておいてもよいし、また、上
記の基材に対して接着剤を介して基材に接着してもよ
い。また、予めACP粒子と接着剤とを混合したものを
スプレー等で基材に吹き付けたり、スクリーン印刷法や
ロールコーターにより印刷することもできるが、特に、
本発明で使用するACP粒子は上述のような特定の粒子
径を持つものであるから、使用したACP粒子の多くを
基材の表面に露出することができる。したがって、この
点から接着剤を介して接着、もしくはACP粒子と接着
剤とを混合したものを印刷することが好ましい。
【0020】このように接着剤を介して接着する場合
(予めACP粒子と接着剤とを混合したものをスプレー
等で基材に吹き付けたり、スクリーン印刷法やロールコ
ーターにより印刷する場合を含む)には、接着剤として
硬化型樹脂及び/又は有機溶剤可溶の天然系樹脂を含む
水溶液型接着剤及び有機溶剤型接着剤を使用することが
好ましく、架橋剤を併用したものはより好ましい。水溶
液型接着剤としては、硬化型樹脂に架橋剤を併用したエ
マルジョン系接着剤がより好ましい。また、有機溶剤型
接着剤としては、有機溶剤可溶の天然系樹脂を有機溶剤
に溶解したものがより好ましい。硬化型樹脂としては、
例えば、アクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等が挙げられる。
有機溶剤可溶の天然樹脂としては、例えば、セラック樹
脂、コーパルゴム、ダンマルゴム等が挙げられる。架橋
剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリ
ジン系架橋剤、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等が挙
げられる。なお、硬化型樹脂に架橋剤を併用し、その硬
化型樹脂としてエポキシ系樹脂を用いる場合には、架橋
剤としてはエポキシ系樹脂以外の架橋剤を使用する。
【0021】これらの接着剤を使用してACP粒子を基
材に接着した場合には、非晶質リン酸カルシウムの大部
分は接着剤によって被覆されることがないので、非晶質
リン酸カルシウムの持つ高いウイルス吸着能を低下させ
ることがない。また、フィルターを湿度の高い環境で使
用した場合にでも、非晶質リン酸カルシウムが基材から
脱離することを効果的に防止することができ、さらに
は、硬化型樹脂もしくはこれに架橋剤を併用したもの
は、使用したフィルターを洗浄して再度使用することも
可能となる。
【0022】シート状基材へのACP粒子の含有量は、
1〜100g/m2、特に2〜25g/m2であるのが好
ましい。これは、1g/m2未満では、吸着能を発揮す
るのが困難であり、100g/m2を超えると基材への
均一な添着が困難になり、通気性が損なわれ易くなるか
らである。
【0023】以上説明した本発明の抗菌性フィルター
は、例えば、空気清浄機、エアコン、掃除機、ファンヒ
ーター、除湿器等のエアフィルターに使用することがで
き、効果的に吸着能及び抗菌性を発揮することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって詳
細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。 (製造例1)本発明におけるACP多孔質粒子を次によ
うにして製造した。なお、このACP多孔質粒子の製造
に用いた装置を図1に概略的に示す。図1において、9
はエアフィルター、10は電気ヒータであり、エアフィ
ルター9を通り電気ヒータ10によって加温された熱空
気は、熱ガス室11からスプレードライヤー5内に入
り、スプレードライヤー5のアトマイザー6により噴霧
されるスラリー3を乾燥造粒しつつ、排出孔12からサ
イクロン8に向けて流出するようになっている。
【0025】攪拌下の水酸化カルシウム懸濁液に対し、
水溶性高分子分散剤として弱アルカリ性のトリアクリル
酸アンモニウム塩を0.5重量%添加して、混合溶液を
得た。得られた混合溶液を撹拌しながらリン酸水溶液を
滴下し、pHを10に調整することにより、粒径約0.
1μm未満のACP粒子を含むスラリーを得た。得られ
たスラリーは、ACPの濃度が20重量%となるように
イオン交換水により希釈した。
【0026】このように希釈したACP粒子1を含むス
ラリー3を、定量ポンプ4によりスプレードライヤー
(大川原化工機械社製ODB−25G)5のアトマイザ
ー6に供給した。そのアトマイザー6を高速回転させ
て、スプレードライヤー5内の乾燥用の熱空気流中に上
記混合物スラリー3を噴霧し、噴霧造粒乾燥法により造
粒乾燥した。この造粒乾燥によって、ACP多孔質粒子
7が得られた。得られた上記ACP多孔質粒子7は、サ
イクロン8によって採取された。このとき、サイクロン
8により採取しきれない超微粉体はバグフィルター(図
示せず)により別に採取された。
【0027】なお、上記造粒における操作条件は次の通
りであった。定量ポンプ4による混合物スラリー3の供
給量は1〜3kg/hであり、エアフィルター9を介し
て電気ヒーター10によって加温された熱空気の温度
は、熱ガス室11の入口温度が150〜350℃に、サ
イクロン8に繁がる排出孔12における出口温度が80
℃を常に超えるように制御され、また、アトマイザー6
の回転数は10000〜30000rpmの範囲内に設
定された。
【0028】このようにして得られたACP多孔質粒子
7は、噴霧造粒法を用いたことにより多孔質な球状とな
り、平均粒子径は120μmだった。このACP多孔質
粒子7の比表面積をBET法により測定したところ、比
表面積は65.1m2/gであった。
【0029】(製造例2)実施例1におけるスラリー中
のACP濃度を40重量%となるように調整した以外、
製造例1と同様にして造粒した。得られたACP多孔質
粒子は、平均粒子径が150μmで比表面積が43m2
/g以上のものであった。
【0030】(製造例3)製造例1におけるスラリー中
のACP濃度を10重量%となるように調整した以外、
実施例1と同様にして造粒した。得られたACP多孔質
粒子は、平均粒子径が20μmで比表面積が70m2
g以上のものであった。
【0031】〔実施例1〕製造例1で得られたACP多
孔質粒子を使用して、抗菌性フィルターを作製した。具
体的には、目付30g/m2のポリエステル不織布(1
00cm×100cm)に対して、下記の処理液をスク
リーン印刷法により塗布し、次いで130℃で5分間乾
燥した。
【0032】 処理液 実施例1で得られたACP多孔質粒子 2g アクリル酸エステル系樹脂水性エマルジョン 100g エポキシ樹脂 3g ─────────────────────────────── 計 105g
【0033】〔実施例2〕製造例1で得られたACP多
孔質粒子を使用して、抗菌性フィルターを作製した。具
体的には、目付30g/m2のポリエステル不織布(1
00cm×100cm)に対して、下記の処理液をスク
リーン印刷法により塗布し、次いで130℃で5分間乾
燥した。
【0034】 処理液 製造例1で得られたACP多孔質粒子 6g アクリル酸エステル系樹脂水性エマルジョン 100g エポキシ樹脂 3g ─────────────────────────────── 計 109g
【0035】〔比較例1〕製造例3で得られたACP多
孔質粒子を使用して、抗菌性フィルターを作成した。具
体的には、目付30g/m2のポリエステル不織布(1
00cm×100cm)に対して、下記の処理液をスク
リーン印刷法により塗布し、次いで130℃で5分間乾
燥した。
【0036】 処理液 製造例1で得られたACP多孔質粒子 20g アクリル酸エステル系樹脂水性エマルジョン 100g エポキシ樹脂 3g ─────────────────────────────── 計 123g
【0037】〔実施例3〕製造例1で得られたACP多
孔質粒子を使用して、フィルターを作製した。具体的に
は、目付50g/m2のパルプシート(100cm×1
00cm)に対して下記の処理液をグラビア印刷にて塗
布し、、その後130℃で5分間乾燥した。
【0038】 処理液 製造例1で得られたACP多孔質粒子 9g アクリル酸エステル系樹脂水性エマルジョン 100g クエン酸 0.2g ─────────────────────────────── 計 109.2g
【0039】〔試験例1〕実施例1〜3で作製したフィ
ルター(検体1〜3)について、ウイルス不活性試験を
行った。対照として、比較例1で作成したフィルター
(検体4)を使用した。試験は以下のようにして行っ
た。
【0040】試験概要 約3cm×3cmの大きさに切断した試験片に、インフ
ルエンザウイルス浮遊液0.2mlを滴下し、25℃に
保存した。保存6時間後に試験片上のウイルスを洗い出
し、洗い出し液中のウイルス感染価を測定した。
【0041】試験方法 (1)試験ウイルス:インフルエンザウイルス A型
(H1N1) (2)使用細胞:MDCK(NBL−2) 細胞 AT
CC CCL−34株〔大日本製薬(株)〕 (3)使用培地: 細胞増殖培地:Eagle MEM〔日本製薬
(株),0.06mg/mlカナマイシン含有〕に新生
仔牛血清(ICN)を10%加えたものを使用した。 細胞維持培地:以下の組成の培地を使用した。 Eagle MEM 1,000ml 7.0% NaHCO3 32ml L−グルタミン(29.2g/L) 10ml 100×MEM用ビタミン液 30ml 10%アルブミン 20ml トリプシン(5mg/ml) 2ml
【0042】(4)ウイルス浮遊液の調製 細胞の培養:細胞増殖培地を用い、MDCK細胞を組
織培養用フラスコ内に単層培養した。 ウイルスの接種:単層培養後にフラスコ内から細胞増
殖培地を除き、ウイルスを接種した。次に、細胞維持培
地を加えて34℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2
濃度:5%)内で3〜5日間培養した。 ウイルス浮遊液の調製:培養後、倒立位相差顕微鏡を
用いて細胞の形態を観察し、80%以上の細胞に形態変
化(細胞変性効果)が起こっていることを確認した。次
に、凍結融解を1回行った後、培養液を遠心分離(3,
000rpm,10分間)し、得られた上澄み液をウイ
ルス浮遊液とした。
【0043】(5)試験片の調製 検体を約3cm×3cmの大きさに切断した後、115
℃で15分間湿熱滅菌を行い、試験片とした。 (6)ウイルスの接種及び保存 試験片をプラスチックシャーレに入れ、ウイルス浮遊液
0.2mlを滴下した後、蓋をして暗所にて25℃で保
存した。また、プラスチックシャーレ(試験片入れず)
を対照として、同様に試験を行った。
【0044】(7)ウイルスの洗い出し 保存6時間後、試験片上のウイルス浮遊液を細胞維持培
地2mlで洗い出した。 (8)ウイルス感染価の測定 細胞増殖用培地を用い、MDCK細胞を組織培養用マイ
クロプレート(96穴)内で単層培養した後、細胞増殖
培地を除き、ウイルス分離培地を0.1mlずつ加え
た。次に、洗い出し液及びその希釈液0.1mlを4穴
ずつに接種し、34℃の炭酸ガスインキュベーター(C
2濃度:5%)内で5日間培養した。培養後、倒立位
相差顕微鏡を用いて各細胞の形態変化(細胞変性効果)
の有無を観察し、Reed−Muench 法により5
0%組織培養感染量(TCID50)を算出して洗い出し
液1ml当たりのウイルス感染価に換算した。試験結果
を以下の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、インフルエンザ
ウイルスは6時間で2桁の自然減少があったが、本発明
のフィルター(検体1〜3)によれば、5桁以上の減少
効果が見られた。一方、TBZ含浸フィルター(検体
4)には、抗ウイルス効果はなかった。
【0047】〔試験例2〕実施例1,2で作成したフィ
ルター(検体1,2)について、NOx(NO2)に対
する吸着試験を行った。また、比較例1で作成したフイ
ルター(検体3)として吸着試験を行った。試験は以下
のようにして行った。
【0048】試験概要 3リットルのテドラーバックに上記の検体を入れ密封し
た。その後、下記の試験ガスを充填し、経過時間毎に、
試験ガスの残存濃度を測定した。また、検体を入れない
ものを対照とした。
【0049】試験ガス:NO2残存ガス濃度10ppm
(N2バランス) 検体使用量: 検体1:30×15cm 検体2:30×15cm 試験温度:室温 検定方法:検知管法 NO,9L(ガステック製) 結果を以下の表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】実施例1,2のフィルター(検体1,2)
はコントロール(検体3)に比べて1Hr経過では計測
出来ない程、NO2濃度が減少している。ACP多孔質
粒子が多いフィルター(検体2)は少ないフィルター
(検体1)に比べて、NO2吸着能力が高くなってい
る。本願でのフィルターはぜんそくや気管支炎の原因の
一つといわれているNOXを除去する効果が有るので、
空気清浄機に使用すると著しい効果が期待される。
【0052】
【発明の効果】本発明のフィルターによれば、細菌やウ
イルスに対する高い吸着能を有する非晶質リン酸カルシ
ウムを使用することで優れた抗ウイルス性を発揮するこ
とができる。また、本発明のフィルターはぜんそくや気
管支炎の原因の一つといわれているNOxを効果的に除
去することができるので、空気清浄機、エアコン、掃除
機、除湿器等のフィルターとして有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ACP多孔質粒子の製造に用いた装置の概略
構成図である。
【符号の説明】
1 ACP一次粒子 3 スラリー 4 定量
ポンプ 5 スプレードライヤー 6 アトマイザー
7 ACP多孔質粒子 8 サイクロン 9 エアフィルター 10
電気ヒータ 11 熱ガス室 12 排出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/81

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状に成形された基材中に、平均粒子
    径が100μmを越える大きさに造粒した非晶質リン酸
    カルシウムを含むことを特徴とするフィルター。
  2. 【請求項2】シート状に成形された基材に平均粒子径が
    100μmを越える大きさに造粒した非晶質リン酸カル
    シウムを接着剤を介して接着してなることを特徴とする
    フィルター。
  3. 【請求項3】前記シート状に成形された基材が、紙、織
    布、不織布又はプラスチックフォームであることを特徴
    とする請求項1、2に記載のフィルター。
  4. 【請求項4】接着剤が、硬化型樹脂及び/又は有機溶剤
    可溶の天然系樹脂を含む接着剤であることを特徴とする
    請求項2、3に記載のフィルター。
JP22179897A 1997-08-18 1997-08-18 フィルター Expired - Fee Related JP3424090B2 (ja)

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