JPH115548A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JPH115548A
JPH115548A JP27923997A JP27923997A JPH115548A JP H115548 A JPH115548 A JP H115548A JP 27923997 A JP27923997 A JP 27923997A JP 27923997 A JP27923997 A JP 27923997A JP H115548 A JPH115548 A JP H115548A
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JP
Japan
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gear
angular contact
electric power
power steering
contact bearing
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Application number
JP27923997A
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English (en)
Inventor
Seiji Sano
誠治 佐野
Yoshimi Kajitani
義美 梶谷
Naoyuki Hashimoto
直幸 橋本
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギヤの噛み合い部分に発生するバックラッシ
を使用状況に応じて適切に調整する。 【解決手段】 電動式パワーステアリング装置2は、ス
テアリングシャフト7と同軸に配置されたハイポイドギ
ヤ12と、操舵補助力を付与する電動モータ13と、電
動モータ13の回転軸14に設けられ、ハイポイドギヤ
12と噛み合うピニオンギヤ15と、印加電圧に応じ
て、ハイポイドギヤ12とピニオンギヤ15との間の噛
み合い度合いを変化させる圧電性カラー16と、印加電
圧を制御するECU17とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動式パワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電動式パワーステアリング装置の中に
は、操舵補助力を付与する電動モータの回転軸が操舵系
の出力軸とほぼ直交するように配置されているものがあ
る。
【0003】電動モータの回転軸と操舵系の出力軸と
は、例えば、ベベルギヤ機構もしくはハイポイドギヤ機
構によって連結される。これらの機構は減速手段として
機能する。
【0004】上述した従来の電動式パワーステアリング
装置における一つの問題は、ベベルギヤ機構もしくはハ
イポイドギヤ機構におけるギヤの噛み合い部分に発生す
るバックラッシを適切に設定する必要があるということ
である。バックラッシが小さすぎれば、摩擦が増えハン
ドル戻りが悪化する。逆に、バックラッシが大きすぎれ
ば、制御性が悪くなり振動が発生する。また、歯打ち音
が大きくなったり、歯当たりが浅くなって強度が不足す
るという不具合が発生する。
【0005】例えば、特開平7−232651号公報
は、ハイポイドギヤの取り付け位置を上下に調整するこ
とにより、ギヤの噛み合い部分に発生するバックラッシ
を調整することを開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載の従来の電動式パワーステアリング装置では、ギヤの
噛み合い部分に発生するバックラッシを調整した後にハ
イポイドギヤの取り付け位置が固定されるため、いった
んハイポイドギヤを取り付けた後にはバックラッシを調
整することができないという問題点があった。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、ギヤの噛み合い部分に発生するバッ
クラッシを使用状況に応じて適切に調整することが可能
な電動式パワーステアリング装置を提供することを目的
とする。
【0008】本発明の他の目的は、熱膨張差によるバッ
クラッシの変化量を最小限にすることができる電動式パ
ワーステアリング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電動式パワース
テアリング装置は、ステアリングシャフトと同軸に配置
された第1のギヤと、操舵補助力を付与する電動モータ
と、該電動モータの回転軸に設けられ、該第1のギヤと
噛み合う第2のギヤと、印加電圧に応じて、該第1のギ
ヤと該第2のギヤとの間の噛み合い度合いを変化させる
変化手段と、該印加電圧を制御する制御手段とを備えて
おり、これにより、上記目的が達成される。
【0010】前記変化手段は、圧電性素子であってもよ
い。
【0011】前記電動式パワーステアリング装置は、温
度を検出する温度検出手段をさらに備えており、前記制
御手段は、該温度検出手段によって検出された該温度に
応じて、前記印加電圧を制御してもよい。
【0012】前記電動式パワーステアリング装置は、ラ
ックアンドピニオンの噛み合い部分に加わるピニオント
ルクを検出するピニオントルク検出手段をさらに備えて
おり、前記制御手段は、該ピニオントルク検出手段によ
って検出された該ピニオントルクに応じて、前記印加電
圧を制御してもよい。
【0013】前記電動式パワーステアリング装置は、前
記電動モータの前記回転軸のトルクを検出するモータト
ルク検出手段をさらに備えており、前記制御手段は、該
モータトルク検出手段によって検出された該トルクに応
じて、前記印加電圧を制御してもよい。
【0014】本発明の他の電動式パワーステアリング装
置は、ステアリングシャフトと同軸に配置された第1の
ギヤと、操舵補助力を付与する電動モータと、該電動モ
ータの回転軸に設けられ、該第1のギヤと噛み合う第2
のギヤと、該第1のギヤの下流に設けられ、該ステアリ
ングシャフトを回転自在に支持する第1のアンギュラコ
ンタクトベアリングと、該第1のアンギュラコンタクト
ベアリングの下流に設けられ、該ステアリングシャフト
を回転自在に支持する第2のアンギュラコンタクトベア
リングと、該第1のアンギュラコンタクトベアリングと
該第2のアンギュラコンタクトベアリングとの間に挿入
され、該ステアリングシャフトと実質的に等しい熱膨張
率を有する円筒部材とを備えており、これにより、上記
目的が達成される。
【0015】本発明の電動式パワーステアリング装置
は、ステアリングシャフトと同軸に配置された第1のギ
ヤと、操舵補助力を付与する電動モータと、該電動モー
タの回転軸に設けられ、該第1のギヤと噛み合う第2の
ギヤと、該第1のギヤの下流に設けられ、該ステアリン
グシャフトを回転自在に支持する第1のアンギュラコン
タクトベアリングと、該第1のアンギュラコンタクトベ
アリングの下流に設けられ、該ステアリングシャフトを
回転自在に支持する第2のアンギュラコンタクトベアリ
ングとを備え、該第1のアンギュラコンタクトベアリン
グと該第2のアンギュラコンタクトベアリングとが近接
配置されている。これにより、上記目的が達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。
【0017】(実施の形態1)図1は、ラック・ピニオ
ン式のステアリングギヤボックス1の外観を示す。ステ
アリングギヤボックス1は、電動式パワーステアリング
装置2(図2参照)を収納するハウジング2aと、ラッ
ク軸3を収納するハウジング3aとを有している。ステ
アリングシャフト7の回転は、ステアリングシャフト7
と同軸に設けられたピニオン4(図2参照)とラック軸
3との間の噛み合いにより、ラック軸3の軸方向の運動
に変換される。ラック軸3の両端には、継手5およびタ
イロッド6を介して操舵輪(図示せず)が結合されてい
る。ラック軸3が軸方向に移動することにより、操舵輪
が左右に舵取りされる。
【0018】図2は、図1におけるA−A断面を示す図
である。図2は、本発明の実施の形態1の電動式パワー
ステアリング装置2の構成を示している。
【0019】電動式パワーステアリング装置2は、ステ
アリングシャフト7を有している。ステアリングシャフ
ト7は、ステアリングホイール(図示せず)側に連結さ
れる入力軸8と、操舵輪(図示せず)側に連結される出
力軸9とを含んでいる。入力軸8と出力軸9とは、トー
ションバー10によって所定の角度範囲内で相対的に回
動変位可能なように連結されている。ステアリングシャ
フト7は、ベアリング11a、11b、11cによって
回転自在に支持されている。
【0020】出力軸9と同軸にハイポイドギヤ12が配
置されている。ハイポイドギヤ12は、キー12aを介
して出力軸9に接続されている。また、このキー12a
により、出力軸9に対してハイポイドギヤ12が、回転
方向については一体的に、軸方向については相対変位可
能に連結されている。ハイポイドギヤ12は、電動モー
タ13の回転軸14の先端に設けられたピニオンギヤ1
5と噛み合っている。
【0021】電動式パワーステアリング装置2は、圧電
性カラー16をさらに有している。圧電性カラー16
は、ハイポイドギヤ12とハウジング2aとの間に取り
付けられており、印加電圧に応じてステアリングシャフ
ト7の軸方向に沿って伸縮する。圧電性カラー16が伸
びると、ハイポイドギヤ12の歯面がピニオンギヤ15
の歯面に押しつけられる。これにより、ハイポイドギヤ
12とピニオンギヤ15との噛み合い度合いが増大す
る。逆に、圧電性カラー16が縮むと、ハイポイドギヤ
12とピニオンギヤ15との噛み合い度合いが減少す
る。圧電性カラー16に対する印加電圧は、電子制御装
置(ECU)17によって制御される。ECU17と圧
電性カラー16とを接続する配線は、図2では簡略化の
ため省略されている。このように、圧電性カラー16に
対する印加電圧に応じて、ハイポイドギヤ12とピニオ
ンギヤ15との噛み合い度合いを制御することにより、
ハイポイドギヤ12とピニオンギヤ15との噛み合い部
分に発生するバックラッシを調整することが可能にな
る。
【0022】電動式パワーステアリング装置2は、トル
クセンサ18と、モータトルクセンサ19と、温度セン
サ20とをさらに有している。
【0023】トルクセンサ18は、入力軸8と出力軸9
の相対的な回動変位を検出することにより、ステアリン
グシャフト7の回転トルクを検出する。トルクセンサ1
8の出力は、ECU17を介して電気信号として電動モ
ータ13に供給される。トルクセンサ18とECU17
とを接続する配線と、ECU17と電動モータ13とを
接続する配線とは、図2では簡略化のため省略されてい
る。電動モータ13は、ピニオンギヤ15とハイポイド
ギヤ12とを介して出力軸9に回転トルクを与える。こ
れによって、ステアリングシャフト7に対して操舵補助
力を付与する。
【0024】モータトルクセンサ19は、電動モータ1
3の回転軸14の回転トルクを検出する。モータトルク
センサ19の出力は、ECU17に供給される。モータ
トルクセンサ19とECU17とを接続する配線は、図
2では簡略化のため省略されている。
【0025】温度センサ20は、ハウジング2a内の温
度を検出する。温度センサ20の出力は、ECU17に
供給される。温度センサ20とECU17とを接続する
配線は、図2では簡略化のため省略されている。
【0026】ECU17は、トルクセンサ18の出力と
モータトルクセンサ19の出力と温度センサ20の出力
のうち少なくとも1つに基づいて、圧電性カラー16に
対する印加電圧を制御する。
【0027】ハウジング2a内の温度が変化すると、ハ
イポイドギヤ12とピニオンギヤ15との噛み合い部分
に生じるバックラッシが変動する(図3参照)。これ
は、ハウジング2aの材質とステアリングシャフト7の
材質とが異なるため、両者の線膨張率に差が生じるから
である。典型的には、ハウジング2aはアルミニウムか
らできており、ステアリングシャフト7は鉄からできて
いる。ハンジング2a内の温度は、例えば、−30℃〜
80℃の範囲内で変化し得る。
【0028】ECU17は、温度変化によって生じるバ
ックラッシの変化を補償するように印加電圧E1を生成
する。印加電圧E1は、(数1)に従って求められる。
【0029】
【数1】E1=k1×(t−tr) ここで、k1は一定の定数、tは温度センサ20によっ
て検出された温度、trは所定の基準温度である。
【0030】ラック軸3とピニオン4との噛み合い部分
に加わるピニオントルクが変化すると、ハイポイドギヤ
12とピニオンギヤ15との噛み合い部分に生じるバッ
クラッシが変動する(図4参照)。これは、ラック軸3
とピニオン4との間にねじれ角があるため、ピニオント
ルクに比例してピニオン上下力が発生し、それに比例し
てバックラッシが変動するからである。
【0031】ECU17は、ピニオントルクの変化によ
って生じるバックラッシの変化を補償するように印加電
圧E2を生成する。印加電圧E2は、(数2)に従って
求められる。
【0032】
【数2】E2=k2×T T=T1+T2×R×η ここで、k2は一定の定数、Tはラック軸3とピニオン
4との噛み合い部分に加わるピニオントルク、T1はト
ルクセンサ18の出力、T2はモータトルクセンサ19
の出力、Rはハイポイドギヤ減速比、ηはハイポイドギ
ヤ効率である。また、右回転は正の値に対応し、左回転
は負の値に対応するものとする。
【0033】電動モータ13の回転軸14の回転トルク
(モータトルク)が変化すると、ハイポイドギヤ12と
ピニオンギヤ15との噛み合い部分に生じるバックラッ
シが変動する(図5参照)。これは、ハイポイドギヤ1
2に圧力角があるため、モータトルクに比例してピニオ
ン上下力が発生し、それに比例してバックラッシが変動
するからである。
【0034】ECU17は、モータトルクの変化によっ
て生じるバックラッシの変化を補償するように印加電圧
E3を生成する。印加電圧E3は、(数3)に従って求
められる。
【0035】
【数3】E3=k3×|T2| ここで、k3は一定の定数、|T2|はモータトルクセ
ンサ19の出力の絶対値である。
【0036】圧電性カラー16に対する印加電圧Eは、
(数4)に従って求められる。この演算は、ECU17
によって行われる。印加電圧Eは、圧電性カラー16に
出力される。
【0037】
【数4】E=E0+E1+E2+E3 ここで、E0は初期印加電圧である。
【0038】図6は、圧電性カラー16に対する印加電
圧Eとバックラッシとの関係を示す。印加電圧Eを制御
することにより、バックラッシを常に適切な値に維持す
ることが可能となる。
【0039】さらに、印加電圧Eに応じて、ハイポイド
ギヤ12とピニオンギヤ15との間の噛み合い度合いを
制御することにより、ハイポイドギヤ12を保護するこ
とができるという利点がある。
【0040】例えば、ステアリングシャフト7の回転角
を検出する回転角センサ(図示せず)の出力からステア
リングホイールが緊急操舵速度以上で回転しているとわ
かった場合には、ECU17は、操舵輪が縁石などの障
害物に激しく衝突したとみなして、印加電圧Eを0にす
る。これにより、圧電性カラー16は大きく縮む。その
結果、ハイポイドギヤ12とピニオンギヤ15との噛み
合いがはずれ、電動モータ13は空回りする。このよう
にして、ハイポイドギヤ12は、操舵輪が障害物に衝突
した時のショックから保護される。
【0041】また、従来の電動式パワーステアリング装
置では、操舵輪が障害物に衝突した場合に発生する衝突
エネルギーは、ステアリングホイールの回転エネルギー
と電動モータ13の回転エネルギーとに分散される。上
述したように、操舵輪が障害物に衝突した場合に印加電
圧Eを0にすると、ギヤに衝撃荷重として加わるのはス
テアリングホイールの回転運動エネルギーのみとなる。
すなわち、電動モータ13の回転エネルギー分だけギヤ
に加わる衝撃荷重が低減される。これにより、ピニオン
シャフト7、ラック軸3およびピニオンギヤ4の衝撃荷
重を従来より小さく設計することができる。その結果、
電動式パワーステアリング装置2を小型化することが可
能になる。
【0042】なお、上述した実施の形態では、ハイポイ
ドギヤとピニオンギヤとの噛み合いについて説明した
が、本発明は任意の種類のギヤの噛み合いに適用するこ
とができる。例えば、印加電圧に応じて、ベベルギヤと
ピニオンギヤとの間の噛み合い度合いを変化させること
も本発明の範囲に含まれる。
【0043】さらに、上述した実施の形態では、ハイポ
イドギヤとピニオンギヤとが直接的に噛み合う場合につ
いて説明したが、これらのギヤの噛み合いは直接的であ
っても間接的であってもよい。例えば、ハイポイドギヤ
とピニオンギヤとの間に少なくとも1つの追加のギヤを
設け、この追加のギヤを介してハイポイドギヤとピニオ
ンギヤとが間接的に噛み合う場合も本発明の範囲に含ま
れる。
【0044】(実施の形態2)図7は、本発明の実施の
形態2の電動式パワーステアリング装置100の構成を
示す。図7において、図2の構成要素と同一の機能を有
する構成要素には同一の参照番号を付し、その説明を省
略する。
【0045】実施の形態2では、電動式パワーステアリ
ング装置100を収納するハウジング100aはアルミ
ニウム製であり、ステアリングシャフト7は鉄製である
と仮定する。しかし、ハウジング100aおよびステア
リングシャフト7の材質がこれらの材質に限定されるわ
けではない。ハウジング100aおよびステアリングシ
ャフト7の材質としては任意の材質を採用し得る。
【0046】ステアリングシャフト7は、ベアリング1
1a、11bによって回転自在に支持されている。
【0047】ベアリング11aは、ハイポイドギヤ12
の下流(すなわち、ステアリングシャフト7の操舵輪
側)に設けられているアンギュラコンタクトベアリング
である。
【0048】ベアリング11aは、インナレース111
aと、アウタレース112aと、インナレース111a
とアウタレース112aとの間を転動する転動体(ボー
ル)113aとを含む。インナレース111aとボール
113aとの接触点はハイポイドギヤ12側にオフセッ
トされている。アウタレース112aとボール113a
との接触点はピニオンギヤ4側にオフセットされてい
る。インナレース111aの軸方向位置はハイポイドギ
ヤ12によって規制されている。アウタレース112a
の軸方向位置は鋼製カラー110の一端によって規制さ
れている。なお、鋼製カラー110の他端の軸方向位置
はハウジング100aによって規制されている。
【0049】ベアリング11bは、ベアリング11aの
下流(すなわち、ステアリングシャフト7の操舵輪側)
に設けられているアンギュラコンタクトベアリングであ
る。
【0050】ベアリング11bは、インナレース111
bと、アウタレース112bと、インナレース111b
とアウタレース112bとの間を転動する転動体(ボー
ル)113bとを含む。インナレース111bとボール
113bとの接触点はナット120側にオフセットされ
ている。アウタレース112bとボール113bとの接
触点はピニオンギヤ4側にオフセットされている。イン
ナレース111bの軸方向位置はナット120によって
規制されている。アウタレース112bの軸方向位置は
ハウジング100aによって規制されている。
【0051】ベアリング11aとベアリング11bとの
間には円筒状の鋼製カラー110が挿入されている。鋼
製カラー110は、ステアリングシャフト7と実質的に
等しい熱膨張率を有している。鋼製カラー110は、ス
テアリングシャフト7の軸方向に摺動可能なように嵌合
する。
【0052】ベアリング11aとベアリング11bとに
は、ステアリングシャフト7の軸方向にプレロードが与
えられている。プレロードとは、出力軸9が軸回りに回
転可能かつ軸方向に変動しないように出力軸9に予め加
える力をいう。プレロードは、ナット120を締めるこ
とによってベアリング11aとベアリング11bとに与
えられる。
【0053】図8は、ベアリング11a、11bに与え
られるプレロードPとベアリング11a、11bの軸方
向の変位δとの関係を示す。ここで、Pとδとは(数
5)に示す関係がある。
【0054】
【数5】δ=Kβ・P2/3 ここで、Kβはベアリングバネ定数を示す。
【0055】鋼製カラー110を挿入しない場合のベア
リング11a、11bの軸方向の変位δは、(数6)
に従って求められる。
【0056】
【数6】δ1=Δt・(KS−KA)・A ここで、Δtは温度変化量を示し、KSは鋼線膨張係数
を示し、KAはアルミ線膨張係数を示す。Aは、図7に
示されるように、ベアリング11aの下端とベアリング
11bの上端との距離を示す。
【0057】鋼製カラー110を挿入した場合のベアリ
ング11a、11bの軸方向の変位δ2は、(数7)に
従って求められる。
【0058】
【数7】δ2=Δt・(KS−KA)・B ここで、Δt、KS、KAの意味は(数6)と同様であ
る。Bは、図7に示されるように、鋼製カラー110の
下端とベアリング11bの上端との距離を示す。
【0059】鋼製カラー110を挿入しない場合に比べ
て、鋼製カラー110を挿入した場合には、ベアリング
11a、11bの軸方向の変位の変動が小さくなる。従
って、ベアリング11a、11bにかかるプレロードの
変動も小さくなる。このように、鋼製カラー110を挿
入することにより、ハイポイドギヤ12の支持が熱によ
る影響を受けにくくなる。その結果、ハイポイドギヤ1
2とピニオンギヤ15の噛み合い部分に発生するバック
ラッシを適切な値に維持することが可能となる。
【0060】(実施の形態3)図9は、本発明の実施の
形態3の電動式パワーステアリング装置200の構成を
示す。図9において、図2の構成要素と同一の機能を有
する構成要素には同一の参照番号を付し、その説明を省
略する。
【0061】実施の形態3では、電動式パワーステアリ
ング装置200を収納するハウジング200aはアルミ
ニウム製であり、ステアリングシャフト7は鉄製である
と仮定する。しかし、ハウジング200aおよびステア
リングシャフト7の材質がこれらの材質に限定されるわ
けではない。ハウジング200aおよびステアリングシ
ャフト7の材質としては任意の材質を採用し得る。
【0062】ステアリングシャフト7は、ベアリング2
10a、210b、210cによって回転自在に支持さ
れている。
【0063】ベアリング210bは、ハイポイドギヤ1
2の下流(すなわち、ステアリングシャフト7の操舵輪
側)に設けられているアンギュラコンタクトベアリング
である。
【0064】ベアリング210bは、インナレース21
1bと、アウタレース212bと、インナレース211
bとアウタレース212bとの間を転動する転動体(ボ
ール)213bとを含む。インナレース211bとボー
ル213bとの接触点はハイポイドギヤ12側にオフセ
ットされている。アウタレース212bとボール213
bとの接触点はナット220側にオフセットされてい
る。
【0065】ベアリング210cは、ベアリング210
bの下流(すなわち、ステアリングシャフト7の操舵輪
側)に設けられているアンギュラコンタクトベアリング
である。
【0066】ベアリング210cは、インナレース21
1cと、アウタレース212cと、インナレース211
cとアウタレース212cとの間を転動する転動体(ボ
ール)213cとを含む。インナレース211cとボー
ル213cとの接触点はナット220側にオフセットさ
れている。アウタレース212cとボール213cとの
接触点はハイポイドギヤ12側にオフセットされてい
る。
【0067】インナレース211bの軸方向位置はハイ
ポイドギヤ12によって規制されている。アウタレース
212bの軸方向位置はアウタレース212cによって
規制されている。
【0068】インナレース211cの軸方向位置はナッ
ト220によって規制されている。アウタレース212
cの軸方向位置はアウタレース212bによって規制さ
れている。
【0069】高温時には、アルミニウムの伸びは鉄の伸
びに比べてきわめて大きい。従って、高温時にはベアリ
ング210b、210cはしまる。低温時には、アルミ
ニウムの縮みは鉄の縮みに比べてきわめて大きい。従っ
て、低温時にはベアリング210b、210cはゆる
む。
【0070】図9に示されるように、ベアリング210
bとベアリング210cとは近接配置されている。この
ような配置によれば、ベアリング210bとベアリング
210cとの間の距離が小さいため、ベアリング210
b、210cは温度変化によるハウジング200a(ア
ルミニウム製)やステアリングシャフト7(鉄製)の伸
縮の影響を受けにくい。従って、ベアリング210b、
210cのたわみ量が初期設定値から変動する量が小さ
くなる。これにより、温度変化にかかわらず、ベアリン
グ210b、210cのスラスト荷重を初期設定範囲内
に維持することができる。
【0071】図10は、ベアリングスラスト荷重(X)
とベアリングたわみ量(Y)との関係を示す。ここで、
XとYとは(数8)に示す関係がある。
【0072】
【数8】Y=k・X2/3 ここで、kは定数を示す。
【0073】また、温度変化によってベアリング210
b、210cのたわみ量が初期設定値から変動する量が
小さいため、温度変化によってハイポイドギヤ12がス
テアリングシャフト7の軸方向に変位する量も小さい。
このことは、ステアリングシャフト7の軸方向のシムを
不要にし、あるいは、シムランク幅を拡大することを可
能にする。
【0074】さらに、ベアリング210bとベアリング
210cとの間の締代を管理することにより、ナット2
20を締切で使用することができる。このことは、ハイ
ポイドギヤ12を確実に締結することを可能にする。
【0075】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、印加電
圧に応じて、ステアリングシャフトと同軸に配置された
第1のギヤと電動モータの回転軸に設けられた第2のギ
ヤとの間の噛み合い度合いを変化させる変化手段が設け
られている。印加電圧は、制御手段によって制御され
る。使用状況に応じて印加電圧を調整することにより、
第1のギヤと第2のギヤの噛み合い部分に発生するバッ
クラッシを適切に調整することが可能になる。
【0076】請求項2に記載の発明によれば、変化手段
として圧電性素子が使用される。これにより、簡単な構
成でバックラッシを調整することが可能となる。
【0077】請求項3に記載の発明によれば、印加電圧
は、温度検出手段によって検出された温度に応じて制御
される。これにより、温度にかかわらず、バックラッシ
を適切な値に維持することが可能となる。
【0078】請求項4に記載の発明によれば、印加電圧
は、ピニオントルク検出手段によって検出されたピニオ
ントルクに応じて制御される。これにより、ラックアン
ドピニオンの噛み合い部分に加わるピニオントルクにか
かわらず、バックラッシを適切な値に維持することが可
能となる。
【0079】請求項5に記載の発明によれば、印加電圧
は、モータトルク検出手段によって検出された電動モー
タの回転軸のトルクに応じて制御される。これにより、
電動モータの回転軸のトルクにかかわらず、バックラッ
シを適切な値に維持することが可能となる。
【0080】請求項6に記載の発明によれば、ステアリ
ングシャフトを回転自在に支持する第1のアンギュラコ
ンタクトベアリングが第1のギヤの下流に設けられてい
る。ステアリングシャフトを回転自在に支持する第2の
アンギュラコンタクトベアリングが第1のアンギュラコ
ンタクトベアリングの下流に設けられている。第1のア
ンギュラコンタクトベアリングと第2のアンギュラコン
タクトベアリングとの間には円筒部材が挿入されてい
る。円筒部材は、ステアリングシャフトと実質的に等し
い熱膨張率を有している。これにより、第1のギヤの支
持が熱による影響を受けにくくなる。その結果、バック
ラッシを適切な値に維持することが可能となる。
【0081】請求項7に記載の発明によれば、第1のア
ンギュラコンタクトベアリングと第2のアンギュラコン
タクトベアリングとが近接配置されている。これによ
り、熱膨張差によるバックラッシの変化量を最小限にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステアリングギヤボックス1の外観を示す図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態の電動式パワーステアリン
グ装置2の構成を示す図である。
【図3】ハウジング2a内の温度変化とバックラッシの
変化との関係を示す図である。
【図4】ラック軸3とピニオン4との噛み合い部分に加
わるピニオントルクの変化とバックラッシの変化との関
係を示す図である。
【図5】電動モータ13の回転軸14の回転トルク(モ
ータトルク)の変化とバックラッシの変化との関係を示
す図である。
【図6】圧電性カラー16に対する印加電圧Eとバック
ラッシとの関係を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2の電動式パワーステアリ
ング装置100の構成を示す図である。
【図8】ベアリングに与えられるプレロードとベアリン
グの軸方向の変位との関係を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3の電動式パワーステアリ
ング装置200の構成を示す図である。
【図10】ベアリングスラスト荷重とベアリングたわみ
量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ステアリングギヤボックス 2 電動式パワーステアリング装置 2a ハウジング 3 ラック軸 3a ハウジング 4 ピニオン 5 継手 6 タイロッド 7 ステアリングシャフト 8 入力軸 9 出力軸 10 トーションバー 11a、11b、11c ベアリング 12 ハイポイドギヤ 12a キー 13 電動モータ 14 回転軸 15 ピニオンギヤ 16 圧電性カラー 17 ECU 18 トルクセンサ 19 モータトルクセンサ 20 温度センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングシャフトと同軸に配置され
    た第1のギヤと、 操舵補助力を付与する電動モータと、 該電動モータの回転軸に設けられ、該第1のギヤと噛み
    合う第2のギヤと、 印加電圧に応じて、該第1のギヤと該第2のギヤとの間
    の噛み合い度合いを変化させる変化手段と、 該印加電圧を制御する制御手段とを備えた電動式パワー
    ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記変化手段は、圧電性素子である、請
    求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記電動式パワーステアリング装置は、
    温度を検出する温度検出手段をさらに備えており、 前記制御手段は、該温度検出手段によって検出された該
    温度に応じて、前記印加電圧を制御する、請求項1に記
    載の電動式パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記電動式パワーステアリング装置は、
    ラックアンドピニオンの噛み合い部分に加わるピニオン
    トルクを検出するピニオントルク検出手段をさらに備え
    ており、 前記制御手段は、該ピニオントルク検出手段によって検
    出された該ピニオントルクに応じて、前記印加電圧を制
    御する、請求項1に記載の電動式パワーステアリング装
    置。
  5. 【請求項5】 前記電動式パワーステアリング装置は、
    前記電動モータの前記回転軸のトルクを検出するモータ
    トルク検出手段をさらに備えており、 前記制御手段は、該モータトルク検出手段によって検出
    された該トルクに応じて、前記印加電圧を制御する、請
    求項1に記載の電動式パワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】 ステアリングシャフトと同軸に配置され
    た第1のギヤと、 操舵補助力を付与する電動モータと、 該電動モータの回転軸に設けられ、該第1のギヤと噛み
    合う第2のギヤと、 該第1のギヤの下流に設けられ、該ステアリングシャフ
    トを回転自在に支持する第1のアンギュラコンタクトベ
    アリングと、 該第1のアンギュラコンタクトベアリングの下流に設け
    られ、該ステアリングシャフトを回転自在に支持する第
    2のアンギュラコンタクトベアリングと、 該第1のアンギュラコンタクトベアリングと該第2のア
    ンギュラコンタクトベアリングとの間に挿入され、該ス
    テアリングシャフトと実質的に等しい熱膨張率を有する
    円筒部材とを備えた電動式パワーステアリング装置。
  7. 【請求項7】 ステアリングシャフトと同軸に配置され
    た第1のギヤと、 操舵補助力を付与する電動モータと、 該電動モータの回転軸に設けられ、該第1のギヤと噛み
    合う第2のギヤと、 該第1のギヤの下流に設けられ、該ステアリングシャフ
    トを回転自在に支持する第1のアンギュラコンタクトベ
    アリングと、 該第1のアンギュラコンタクトベアリングの下流に設け
    られ、該ステアリングシャフトを回転自在に支持する第
    2のアンギュラコンタクトベアリングとを備え、 該第1のアンギュラコンタクトベアリングと該第2のア
    ンギュラコンタクトベアリングとが近接配置されてい
    る、電動式パワーステアリング装置。
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