JPH1154775A - シリコン薄膜太陽電池の作製方法 - Google Patents
シリコン薄膜太陽電池の作製方法Info
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- JPH1154775A JPH1154775A JP9214277A JP21427797A JPH1154775A JP H1154775 A JPH1154775 A JP H1154775A JP 9214277 A JP9214277 A JP 9214277A JP 21427797 A JP21427797 A JP 21427797A JP H1154775 A JPH1154775 A JP H1154775A
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
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Abstract
(57)【要約】
【課題】溶液成長法を含む太陽電池の作製法において、
溶液成長後の上部金属−シリコン合金層の除去と、それ
に続く活性層の作製の工程を省き、工程数削減による歩
留まりおよびスループットの増加と、コストの削減を図
る。 【解決手段】ガラス基板1上にAlを供給してAl薄膜
を形成し、加熱された該Al薄膜上にSiを供給してS
i多結晶薄膜11を形成する工程とを有し、供給するA
lの原子数の総量が、供給するSiの原子数の総量の1
/2000以上1/100以下とする。
溶液成長後の上部金属−シリコン合金層の除去と、それ
に続く活性層の作製の工程を省き、工程数削減による歩
留まりおよびスループットの増加と、コストの削減を図
る。 【解決手段】ガラス基板1上にAlを供給してAl薄膜
を形成し、加熱された該Al薄膜上にSiを供給してS
i多結晶薄膜11を形成する工程とを有し、供給するA
lの原子数の総量が、供給するSiの原子数の総量の1
/2000以上1/100以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン薄膜太陽
電池の作製方法に関する。
電池の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エネルギー源としての単結晶シリコン太
陽電池は、近年飛躍的な進歩を遂げ実用に至っている。
このような太陽電池に使用される単結晶シリコン基板
は、理論的には厚さが100ミクロン程度で十分な効率
が得られるが、現実には製造上の都合で数百ミクロンと
厚く、さらにウェーハ状にスライスする工程での切りし
ろの部分が無駄になるため、必要以上のシリコン結晶を
浪費していることになる。
陽電池は、近年飛躍的な進歩を遂げ実用に至っている。
このような太陽電池に使用される単結晶シリコン基板
は、理論的には厚さが100ミクロン程度で十分な効率
が得られるが、現実には製造上の都合で数百ミクロンと
厚く、さらにウェーハ状にスライスする工程での切りし
ろの部分が無駄になるため、必要以上のシリコン結晶を
浪費していることになる。
【0003】したがって、将来見込まれるエネルギー需
要をこの単結晶シリコン太陽電池で賄うとすれば、現在
の原料供給システムでは、シリコン原料が大きく不足す
ることが予想される。このため、将来、シリコン薄膜太
陽電池を大量生産するためには、シリコン原料の節約が
重点課題であり、そのためのアプローチとして太陽電池
の薄膜化が進められている。
要をこの単結晶シリコン太陽電池で賄うとすれば、現在
の原料供給システムでは、シリコン原料が大きく不足す
ることが予想される。このため、将来、シリコン薄膜太
陽電池を大量生産するためには、シリコン原料の節約が
重点課題であり、そのためのアプローチとして太陽電池
の薄膜化が進められている。
【0004】このために、急速に注目されているのが多
結晶シリコン薄膜太陽電池である。多結晶シリコン薄膜
を得るための方法としては、ガラスなどを基板として用
い、その上に堆積したアモルファスシリコンから、固相
成長法、ゾーンメルト法、レーザアニール法などの再加
熱の工程を通して多結晶化する方法がある。
結晶シリコン薄膜太陽電池である。多結晶シリコン薄膜
を得るための方法としては、ガラスなどを基板として用
い、その上に堆積したアモルファスシリコンから、固相
成長法、ゾーンメルト法、レーザアニール法などの再加
熱の工程を通して多結晶化する方法がある。
【0005】ところで、多結晶シリコン薄膜を太陽電池
に応用する場合、その膜の品質を決する要因の一つは、
結晶粒の大きさで、大きい方が望ましい。例えば基板と
してガラスを用いた場合、ガラスはアモルファスである
ために、結晶成長のための核がランダムにできる。ラン
ダムにできる核の密度が高いと、それだけ多くの結晶粒
ができるので、1つ1つの結晶粒が小さいものとなって
しまう。ゾーンメルト法以外の方法では、この核生成の
制御方法として決定的なものは確立されておらず、した
がって、多結晶の粒界で生じる少数キャリアの再結合を
最小限に抑えることができないという問題がある。一
方、ゾーンメルト法では、大型結晶粒を得る点では他の
手法よりも優れているが、シリコンの融点以上でアニー
ルする必要があるため、ガラス基板を使用することがで
きず、シリコン基板を用いている。なお、シリコン基板
上に多結晶シリコン薄膜を形成した後、別のガラス基板
等に該多結晶シリコン薄膜を接着し、このシリコン基板
を剥離してシリコン基板を再利用しているが、歩留まり
とスループットに問題が残されている。
に応用する場合、その膜の品質を決する要因の一つは、
結晶粒の大きさで、大きい方が望ましい。例えば基板と
してガラスを用いた場合、ガラスはアモルファスである
ために、結晶成長のための核がランダムにできる。ラン
ダムにできる核の密度が高いと、それだけ多くの結晶粒
ができるので、1つ1つの結晶粒が小さいものとなって
しまう。ゾーンメルト法以外の方法では、この核生成の
制御方法として決定的なものは確立されておらず、した
がって、多結晶の粒界で生じる少数キャリアの再結合を
最小限に抑えることができないという問題がある。一
方、ゾーンメルト法では、大型結晶粒を得る点では他の
手法よりも優れているが、シリコンの融点以上でアニー
ルする必要があるため、ガラス基板を使用することがで
きず、シリコン基板を用いている。なお、シリコン基板
上に多結晶シリコン薄膜を形成した後、別のガラス基板
等に該多結晶シリコン薄膜を接着し、このシリコン基板
を剥離してシリコン基板を再利用しているが、歩留まり
とスループットに問題が残されている。
【0006】上記以外に直接多結晶シリコンを析出させ
る方法として溶液成長法がある。この方法は、溶媒とな
る融解した金属にシリコンを溶かし、シリコンの過飽和
状態から基板上にシリコンを析出させることにより、多
結晶シリコンを形成する方法である。溶液成長の特徴
は、比較的低温での成長方法にもかかわらず大粒径結晶
が得られることである。この方法でシリコンを析出させ
る方法としては、2種類の手法が試みられている。
る方法として溶液成長法がある。この方法は、溶媒とな
る融解した金属にシリコンを溶かし、シリコンの過飽和
状態から基板上にシリコンを析出させることにより、多
結晶シリコンを形成する方法である。溶液成長の特徴
は、比較的低温での成長方法にもかかわらず大粒径結晶
が得られることである。この方法でシリコンを析出させ
る方法としては、2種類の手法が試みられている。
【0007】第1の方法では、基板上に形成された融解
金属のシリコン溶液を基板ごとに徐冷する方法である。
この方法は、基板を冷やすに伴い、溶液中にシリコンの
過飽和状態が実現し、基板側の界面に多結晶シリコン薄
膜が形成されるというものである。
金属のシリコン溶液を基板ごとに徐冷する方法である。
この方法は、基板を冷やすに伴い、溶液中にシリコンの
過飽和状態が実現し、基板側の界面に多結晶シリコン薄
膜が形成されるというものである。
【0008】この方法に関する参考文献として、例え
ば、ゼット シ(Z.Shi)著 ジャーナルオブ マテリアルズ
サイエンス:マテリアルズ イン エレクトロニクス(Jou
rnalof Materials Science:Materials in Electronics)
5(1994)305-309、「グロウスオブ ポリクリスタリン シ
リコン シン フィルムズ オン グラス(“Growth ofpoly
crystalline-silicon thin films on glass")がある。
なお、この方法に使用される堆積装置は、化合物半導体
の成長方法の一つであるLPE(リキッドフェイズ エ
ピタキシ(Liquid Phase Epitaxy))装置に類似してい
る。
ば、ゼット シ(Z.Shi)著 ジャーナルオブ マテリアルズ
サイエンス:マテリアルズ イン エレクトロニクス(Jou
rnalof Materials Science:Materials in Electronics)
5(1994)305-309、「グロウスオブ ポリクリスタリン シ
リコン シン フィルムズ オン グラス(“Growth ofpoly
crystalline-silicon thin films on glass")がある。
なお、この方法に使用される堆積装置は、化合物半導体
の成長方法の一つであるLPE(リキッドフェイズ エ
ピタキシ(Liquid Phase Epitaxy))装置に類似してい
る。
【0009】第2の方法では、金属薄膜を基板上に形成
し、基板温度を金属が融解している温度に保持し、該融
解金属に、例えばスパッタ法などでシリコンを供給して
過飽和状態を実現し、基板側の界面に多結晶シリコンが
析出されるものである。
し、基板温度を金属が融解している温度に保持し、該融
解金属に、例えばスパッタ法などでシリコンを供給して
過飽和状態を実現し、基板側の界面に多結晶シリコンが
析出されるものである。
【0010】この方法に関する参考文献としては、例え
ば、アール エル ワラス(R.L.Wallace)他著、1994 アイ
イーイーイー ファースト ワールド コンファレンス オ
ンフォトボルテイイック エナジー コンバーション(IEE
E first world conferenceon Photovoltaic Energy Con
version)、Dec.5-9、1994、ハワイ(Hawaii)、予稿集p.1
379-1382がある。
ば、アール エル ワラス(R.L.Wallace)他著、1994 アイ
イーイーイー ファースト ワールド コンファレンス オ
ンフォトボルテイイック エナジー コンバーション(IEE
E first world conferenceon Photovoltaic Energy Con
version)、Dec.5-9、1994、ハワイ(Hawaii)、予稿集p.1
379-1382がある。
【0011】上記2つの方法では、シリコンの溶媒とな
る融解金属として、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ム、スズ、アンチモン、亜鉛、あるいはそれらの合金が
用いられている。また、いずれの方法においても、多結
晶シリコン薄膜を析出した後、上層の金属−シリコン合
金部分はエッチングなどにより取り除かれる。
る融解金属として、アルミニウム、ガリウム、インジウ
ム、スズ、アンチモン、亜鉛、あるいはそれらの合金が
用いられている。また、いずれの方法においても、多結
晶シリコン薄膜を析出した後、上層の金属−シリコン合
金部分はエッチングなどにより取り除かれる。
【0012】前記溶液成長によって得られた多結晶シリ
コン薄膜は、結晶粒径が数ミクロン以上と大きいことが
特徴である。しかしながら、溶媒として用いた金属がシ
リコン中に残留不純物として高濃度で取り込まれるた
め、低抵抗の膜しか得られず、太陽電池の作製法として
はこれだけでは不十分である。そのため、溶液成長法に
よって得られる大粒径の多結晶シリコン膜を下地種結晶
として用い、その上に固相成長やブラズマCVD法等で
活性層を作製する方法が提案されている。この方法によ
る太陽電池の作製では、上部金属−シリコン合金層の除
去と、それに引き続いて活性層の作製の工程がさらに必
要である。
コン薄膜は、結晶粒径が数ミクロン以上と大きいことが
特徴である。しかしながら、溶媒として用いた金属がシ
リコン中に残留不純物として高濃度で取り込まれるた
め、低抵抗の膜しか得られず、太陽電池の作製法として
はこれだけでは不十分である。そのため、溶液成長法に
よって得られる大粒径の多結晶シリコン膜を下地種結晶
として用い、その上に固相成長やブラズマCVD法等で
活性層を作製する方法が提案されている。この方法によ
る太陽電池の作製では、上部金属−シリコン合金層の除
去と、それに引き続いて活性層の作製の工程がさらに必
要である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術で説明した溶液成長法を含む太陽電池の作製法におい
て、溶液成長後の上部金属−シリコン合金層の除去と、
それに続く活性層の作製の工程を省くためになされたも
ので、その目的とするところは、工程数削減による歩留
まりおよびスループットの増加と、コストの削減を図る
ことができるシリコン薄膜太陽電池の作製方法を提供す
ることにある。
術で説明した溶液成長法を含む太陽電池の作製法におい
て、溶液成長後の上部金属−シリコン合金層の除去と、
それに続く活性層の作製の工程を省くためになされたも
ので、その目的とするところは、工程数削減による歩留
まりおよびスループットの増加と、コストの削減を図る
ことができるシリコン薄膜太陽電池の作製方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、下記の構成からなる
ことを特徴としている。
するために提案されたものであり、下記の構成からなる
ことを特徴としている。
【0015】すなわち、本発明によれば、基板上に金属
を供給して金属薄膜を形成する工程と、加熱された前記
金属薄膜上にシリコンを供給してシリコン多結晶薄膜を
形成する工程とを有する、シリコン薄膜太陽電池の作製
方法において、前記供給する金属の原子数の総量が、前
記供給するシリコンの原子数の総量の1/2000以上
1/100以下であることを特徴とするシリコン薄膜太
陽電池の作製方法が提供される。なお、これは、形成す
る金属薄膜の膜厚を、その上に形成するシリコン多結晶
薄膜の膜厚の1/2000以上1/100以下にするこ
ととほぼ等価である。
を供給して金属薄膜を形成する工程と、加熱された前記
金属薄膜上にシリコンを供給してシリコン多結晶薄膜を
形成する工程とを有する、シリコン薄膜太陽電池の作製
方法において、前記供給する金属の原子数の総量が、前
記供給するシリコンの原子数の総量の1/2000以上
1/100以下であることを特徴とするシリコン薄膜太
陽電池の作製方法が提供される。なお、これは、形成す
る金属薄膜の膜厚を、その上に形成するシリコン多結晶
薄膜の膜厚の1/2000以上1/100以下にするこ
ととほぼ等価である。
【0016】
【発明の実施の形態】溶液成長による多結晶薄膜の作製
法は、基板上に製膜したAl、In、Sn等のメタルを
加熱した状態にSiを供給して溶かし込み、Siの過飽
和状態を実現し析出させる手法である。
法は、基板上に製膜したAl、In、Sn等のメタルを
加熱した状態にSiを供給して溶かし込み、Siの過飽
和状態を実現し析出させる手法である。
【0017】従来の溶液成長では、膜厚の十分厚い加熱
されたメタル層にSiを供給していることから、多結晶
シリコン製膜後もメタルが残留するため、これを除去す
る工程が必要であった。また、メタルが多結晶シリコン
中の残留不純物としての高濃度(例えばAlの場合は1
019〜1020cm-3)で混入することが避けられず、発
電に寄与する活性層には用いることができないため、種
結晶としての使い道しかなかった。
されたメタル層にSiを供給していることから、多結晶
シリコン製膜後もメタルが残留するため、これを除去す
る工程が必要であった。また、メタルが多結晶シリコン
中の残留不純物としての高濃度(例えばAlの場合は1
019〜1020cm-3)で混入することが避けられず、発
電に寄与する活性層には用いることができないため、種
結晶としての使い道しかなかった。
【0018】しかしながら、本発明においては、融解メ
タルの膜厚を極力薄いものとし、製膜中にメタルを使い
きることによって、不純物濃度の深さ方向の分布(プロ
ファイル)が次第に上部にいくにしたがって減少する手
法を提供する。この手法では、従来法での残留メタル層
の除去工程が不要となるばかりではなく、一つの工程で
大粒径の種結晶となる土台層と、その結晶性を引き継い
だ純度の良い活性層を作製することが可能となる。
タルの膜厚を極力薄いものとし、製膜中にメタルを使い
きることによって、不純物濃度の深さ方向の分布(プロ
ファイル)が次第に上部にいくにしたがって減少する手
法を提供する。この手法では、従来法での残留メタル層
の除去工程が不要となるばかりではなく、一つの工程で
大粒径の種結晶となる土台層と、その結晶性を引き継い
だ純度の良い活性層を作製することが可能となる。
【0019】例えば、安価なガラス基板やステンレス基
板等にメタルを堆積する。このときの膜厚が重要であ
り、目的とする多結晶シリコンの膜厚に比べ1/200
0以上1/100以下であることが特徴で、本発明者等
の実験によりほぼ1/2000以上1/100程度以下
の場合に、前記目的を達成できることが明らかとなっ
た。
板等にメタルを堆積する。このときの膜厚が重要であ
り、目的とする多結晶シリコンの膜厚に比べ1/200
0以上1/100以下であることが特徴で、本発明者等
の実験によりほぼ1/2000以上1/100程度以下
の場合に、前記目的を達成できることが明らかとなっ
た。
【0020】このメタルとシリコンの膜厚比が1/10
0以上の場合、シリコン中にメタルが1020cm-3程度
の高濃度で混入しても、まだメタルは使いきっておら
ず、残留している。
0以上の場合、シリコン中にメタルが1020cm-3程度
の高濃度で混入しても、まだメタルは使いきっておら
ず、残留している。
【0021】しかしながら、膜厚比を1/100より小
さくした場合、ガラス界面では高濃度で混入していたメ
タル原子も、堆積が進むにつれて枯渇し、次第にメタル
原子の含有量が減少し、多結晶シリコンの純度は良くな
っていく。このとき、堆積の初期においては、溶液成長
の原理にしたがって、シリコンの析出が起こることか
ら、大粒径の多結晶シリコンが得られる。さらに連続し
てシリコンを供給することにより、溶液成長から種結晶
上のシリコン製膜へと、製膜原理はなだらかに自然に変
化していく。ここで、シリコンの供給方法は、スパッタ
法、ブラズマCVD法、電子ビーム蒸着法など現在得ら
れる方法のいずれでも構わない。このようにして得られ
た膜は、基板界面付近では、不純物濃度の高い大粒径多
結晶シリコンであり、上部にいくにしたがって粒径は保
持しつつ不純物濃度は下がっていく膜構造を持つ特徴を
有する。なお、膜厚比が1/2000より小さいと、金
属薄膜が薄過ぎて、良好なシリコン多結晶薄膜を形成す
ることができない。
さくした場合、ガラス界面では高濃度で混入していたメ
タル原子も、堆積が進むにつれて枯渇し、次第にメタル
原子の含有量が減少し、多結晶シリコンの純度は良くな
っていく。このとき、堆積の初期においては、溶液成長
の原理にしたがって、シリコンの析出が起こることか
ら、大粒径の多結晶シリコンが得られる。さらに連続し
てシリコンを供給することにより、溶液成長から種結晶
上のシリコン製膜へと、製膜原理はなだらかに自然に変
化していく。ここで、シリコンの供給方法は、スパッタ
法、ブラズマCVD法、電子ビーム蒸着法など現在得ら
れる方法のいずれでも構わない。このようにして得られ
た膜は、基板界面付近では、不純物濃度の高い大粒径多
結晶シリコンであり、上部にいくにしたがって粒径は保
持しつつ不純物濃度は下がっていく膜構造を持つ特徴を
有する。なお、膜厚比が1/2000より小さいと、金
属薄膜が薄過ぎて、良好なシリコン多結晶薄膜を形成す
ることができない。
【0022】なお、金属薄膜およびシリコン多結晶薄膜
の膜厚比と、供給する金属およびシリコンの原子数の総
量比とは、ほぼ一致する。
の膜厚比と、供給する金属およびシリコンの原子数の総
量比とは、ほぼ一致する。
【0023】
【実施例】以下に実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、以下の各実施例1〜4では、供給する金属
の原子数の総量が、供給するシリコンの原子数の総量の
1/2000以上1/100以下であり、つまり、形成
する金属薄膜の膜厚が、その上に形成するシリコン多結
晶薄膜の膜厚の1/2000以上1/100以下である
ことはいうまでもない。
する。なお、以下の各実施例1〜4では、供給する金属
の原子数の総量が、供給するシリコンの原子数の総量の
1/2000以上1/100以下であり、つまり、形成
する金属薄膜の膜厚が、その上に形成するシリコン多結
晶薄膜の膜厚の1/2000以上1/100以下である
ことはいうまでもない。
【0024】「実施例1」ガラス基板上にAl膜を10
0オングストローム堆積する。Alの堆積方法はスパッ
タ法、蒸着法など何でも構わない。
0オングストローム堆積する。Alの堆積方法はスパッ
タ法、蒸着法など何でも構わない。
【0025】このAl膜付き基板をAlの融点660℃
まで昇温し、基板温度が安定したところで、Siの供給
を開始する。このSiの供給方法はスパッタ法、ブラズ
マCVD法、蒸着法のいずれでも構わない。ここでSi
を、Si膜としての膜厚10μm分供給する。
まで昇温し、基板温度が安定したところで、Siの供給
を開始する。このSiの供給方法はスパッタ法、ブラズ
マCVD法、蒸着法のいずれでも構わない。ここでSi
を、Si膜としての膜厚10μm分供給する。
【0026】その後、30℃/分の冷却速度で室温まで
下げる。
下げる。
【0027】図1は、本実施例による方法によってSi
多結晶薄膜が形成された構造の概略断面図である。図に
おいて、1はガラス基板、11はAlの濃度分布がある
Si多結晶薄膜である。なお、Si多結晶薄膜11中の
網掛けの濃さはAlの濃度変化を示す。また、Si多結
晶薄膜11中の区分は、柱状のSi多結晶グレインを示
す。
多結晶薄膜が形成された構造の概略断面図である。図に
おいて、1はガラス基板、11はAlの濃度分布がある
Si多結晶薄膜である。なお、Si多結晶薄膜11中の
網掛けの濃さはAlの濃度変化を示す。また、Si多結
晶薄膜11中の区分は、柱状のSi多結晶グレインを示
す。
【0028】このときのSi多結晶薄膜11の構造は、
図1に示すように、ガラス基板1側から、Alの濃度の
高い層から低い層へ変化する。ガラス基板1界面の正孔
濃度は1020〜1019cm-3と十分高く、太陽電池の裏
面電極兼BSF(バック サーフェス フィールド(Back
Surface Field))構造として使用することができる。S
EM(走査型電子顕微鏡)によるグレインサイズの観察
では、平均の直径が10μm程度のものが得られてい
る。一方、基板界面から遠ざかるにつれてAlの濃度は
低下するが、最表面での残留Alの濃度は1016cm-3
以下であった。この濃度であれば、活性層として十分機
能する。
図1に示すように、ガラス基板1側から、Alの濃度の
高い層から低い層へ変化する。ガラス基板1界面の正孔
濃度は1020〜1019cm-3と十分高く、太陽電池の裏
面電極兼BSF(バック サーフェス フィールド(Back
Surface Field))構造として使用することができる。S
EM(走査型電子顕微鏡)によるグレインサイズの観察
では、平均の直径が10μm程度のものが得られてい
る。一方、基板界面から遠ざかるにつれてAlの濃度は
低下するが、最表面での残留Alの濃度は1016cm-3
以下であった。この濃度であれば、活性層として十分機
能する。
【0029】この膜の上に、プラズマCVD法によって
n型シリコン微結晶を堆積し、太陽電池構造とした。変
換効率は15%を示した。
n型シリコン微結晶を堆積し、太陽電池構造とした。変
換効率は15%を示した。
【0030】「実施例2」ガラス基板にAl膜を100
オングストローム堆積する。Alの堆積方法自体は何で
も構わないがここではスパッタ法で行った。
オングストローム堆積する。Alの堆積方法自体は何で
も構わないがここではスパッタ法で行った。
【0031】このAl膜付き基板をAlの融点より低い
580℃まで昇温し、基板温度が安定したところで、S
iの供給を開始する。
580℃まで昇温し、基板温度が安定したところで、S
iの供給を開始する。
【0032】580℃において、シリコンとアルミニウ
ムは相互に固相拡散し、合金を形成する。シリコン12
%を含有するシリコンとアルミニウムの合金の共融点は
577℃であるため、アルミニウムの融点である660
℃よりも低い580℃においても、アルミニウムに溶融
した過飽和状態のシリコンから多結晶シリコンの析出が
生じる。
ムは相互に固相拡散し、合金を形成する。シリコン12
%を含有するシリコンとアルミニウムの合金の共融点は
577℃であるため、アルミニウムの融点である660
℃よりも低い580℃においても、アルミニウムに溶融
した過飽和状態のシリコンから多結晶シリコンの析出が
生じる。
【0033】このSiの供給方法もスパッタ法、プラズ
マCVD法、蒸着法のいずれでも構わない。ここでSi
を、Si膜としての膜厚10μm分供給する。
マCVD法、蒸着法のいずれでも構わない。ここでSi
を、Si膜としての膜厚10μm分供給する。
【0034】その後、30℃/分の冷却速度で室温まで
下げる。このときの膜構造は、「実施例1」と同様に、
図1のようになるが、低温のためAlの分布は「実施例
1」より急峻となっており、基板付近で1020〜1019
cm-3、表面で1016cm-3であった。グレインサイズ
は平均が10μm程度であった。この膜上にプラズマC
VD法でn型シリコン微結晶膜を堆積し、太陽電池構造
としたところ、変換効率は15%であった。
下げる。このときの膜構造は、「実施例1」と同様に、
図1のようになるが、低温のためAlの分布は「実施例
1」より急峻となっており、基板付近で1020〜1019
cm-3、表面で1016cm-3であった。グレインサイズ
は平均が10μm程度であった。この膜上にプラズマC
VD法でn型シリコン微結晶膜を堆積し、太陽電池構造
としたところ、変換効率は15%であった。
【0035】「実施例3」ガラス基板上にAl膜を80
オングストローム堆積する。Alの堆積法自体は何でも
構わないがここではスパッタ法で行った。
オングストローム堆積する。Alの堆積法自体は何でも
構わないがここではスパッタ法で行った。
【0036】このAl膜付き基板をAlの融点より低い
580℃まで昇温し、基板温度が安定したところで、S
iをスパッタ法でSi膜としての膜厚1μm分供給す
る。
580℃まで昇温し、基板温度が安定したところで、S
iをスパッタ法でSi膜としての膜厚1μm分供給す
る。
【0037】その後、同一チャンバ内もしくは別チャン
バに移して、プラズマCVD法により、基板温度250
℃で膜厚10μmの多結晶シリコン膜を堆積する。な
お、最初の膜厚1μmは高濃度のAlを含んだ大粒径の
土台層であり、その土台の大粒径を維持しながらプラズ
マCVD法により10μmの活性層を堆積することがで
きた。活性層中の結晶粒は柱状で断面の直径は平均10
μm程度であった。この膜上に、プラズマCVD法でn
型シリコン微結晶膜を堆積し、太陽電池構造としたとこ
ろ、変換効率は18%であった。
バに移して、プラズマCVD法により、基板温度250
℃で膜厚10μmの多結晶シリコン膜を堆積する。な
お、最初の膜厚1μmは高濃度のAlを含んだ大粒径の
土台層であり、その土台の大粒径を維持しながらプラズ
マCVD法により10μmの活性層を堆積することがで
きた。活性層中の結晶粒は柱状で断面の直径は平均10
μm程度であった。この膜上に、プラズマCVD法でn
型シリコン微結晶膜を堆積し、太陽電池構造としたとこ
ろ、変換効率は18%であった。
【0038】「実施例4」ガラス基板上にInもしくは
In−Al合金の膜を80オングストローム堆積する。
In−Al合金の膜を80オングストローム堆積する。
【0039】このメタル膜付き基板を、基板温度450
℃まで昇温する。基板温度が安定したところでシリコン
を供給し、前記「実施例1」から「実施例3」に準ずる
方法で太陽電池構造を作製する。ここで、Inに代えて
Sn、Ga、Au、Znもしくはそれらの合金でも構わ
ない。
℃まで昇温する。基板温度が安定したところでシリコン
を供給し、前記「実施例1」から「実施例3」に準ずる
方法で太陽電池構造を作製する。ここで、Inに代えて
Sn、Ga、Au、Znもしくはそれらの合金でも構わ
ない。
【0040】太陽電池は変換効率13%を示した。
【0041】以上本発明を実施の形態および実施例に基
づいて具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態お
よび実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
づいて具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態お
よび実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大型結晶粒径を保持しつつ不純物濃度の低い活性層を形
成するシリコン薄膜太陽電池の作製方法を提供できる。
また、溶液成長後の上部金属−シリコン合金層の除去
と、それに続く活性層の作製の工程を省くことができ、
工程数削減による歩留まりおよびスループットの増加
と、コストを削減できる。さらに、基板として安価なガ
ラス基板や金属基板を用いることができ、シリコン基板
を用いる必要がないので、歩留まりやスループットに悪
影響を与えることがないという効果がある。
大型結晶粒径を保持しつつ不純物濃度の低い活性層を形
成するシリコン薄膜太陽電池の作製方法を提供できる。
また、溶液成長後の上部金属−シリコン合金層の除去
と、それに続く活性層の作製の工程を省くことができ、
工程数削減による歩留まりおよびスループットの増加
と、コストを削減できる。さらに、基板として安価なガ
ラス基板や金属基板を用いることができ、シリコン基板
を用いる必要がないので、歩留まりやスループットに悪
影響を与えることがないという効果がある。
【図1】本発明の一実施例による方法によってシリコン
多結晶薄膜が形成された構造の概略断面図である。
多結晶薄膜が形成された構造の概略断面図である。
1…ガラス基板、11…メタルの濃度分布があるSi多
結晶薄膜。
結晶薄膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 剛司 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】基板上に金属を供給して金属薄膜を形成す
る工程と、 加熱された前記金属薄膜上にシリコンを供給してシリコ
ン多結晶薄膜を形成する工程とを有する、シリコン薄膜
太陽電池の作製方法において、 前記供給する金属の原子数の総量が、前記供給するシリ
コンの原子数の総量の1/2000以上1/100以下
であることを特徴とするシリコン薄膜太陽電池の作製方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9214277A JPH1154775A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | シリコン薄膜太陽電池の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9214277A JPH1154775A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | シリコン薄膜太陽電池の作製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1154775A true JPH1154775A (ja) | 1999-02-26 |
Family
ID=16653076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9214277A Pending JPH1154775A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | シリコン薄膜太陽電池の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1154775A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001274084A (ja) * | 2000-03-24 | 2001-10-05 | Hiroshi Komiyama | 結晶性シリコン薄膜の製造方法及びその結晶性シリコン薄膜を使用した太陽電池 |
JP2008503101A (ja) * | 2004-06-10 | 2008-01-31 | アールジーエス デベロップメント ビー.ブイ. | 結晶シリコン薄膜の製造方法 |
-
1997
- 1997-08-08 JP JP9214277A patent/JPH1154775A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001274084A (ja) * | 2000-03-24 | 2001-10-05 | Hiroshi Komiyama | 結晶性シリコン薄膜の製造方法及びその結晶性シリコン薄膜を使用した太陽電池 |
JP2008503101A (ja) * | 2004-06-10 | 2008-01-31 | アールジーエス デベロップメント ビー.ブイ. | 結晶シリコン薄膜の製造方法 |
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