JPH1154362A - 金属化ポリエステルフィルム - Google Patents
金属化ポリエステルフィルムInfo
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- JPH1154362A JPH1154362A JP21990497A JP21990497A JPH1154362A JP H1154362 A JPH1154362 A JP H1154362A JP 21990497 A JP21990497 A JP 21990497A JP 21990497 A JP21990497 A JP 21990497A JP H1154362 A JPH1154362 A JP H1154362A
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Abstract
の形態保持力、コンデンサの絶縁特性を両立可能な金属
化ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの片面若しくは両
面に、金属蒸着を施したコンデンサ用蒸着フィルムであ
って、30%の伸びを得るときの強度(F30)が13〜
24kg/mm2 の範囲にあることを特徴とするコンデ
ンサ用金属化ポリエステルフィルム。
Description
ルフィルムコンデンサに用いられるコンデンサ用金属化
ポリエステルフィルムに関する。
ムは、例えば特公昭57−154823号公報に記載さ
れているように、ベースとなるポリエステルフィルムに
アルミニウム、亜鉛、若しくは亜鉛とアルミニウムの合
金を片面または両面に真空蒸着して作られる。また、真
空蒸着の際には、マージンと呼ばれる非蒸着部を作成
し、金属化ポリエステルフィルムの端に非蒸着部を備え
ている。
サに加工すると、自己回復性、良好な絶縁特性を示し、
また小型化が可能な点からコンデンサに広く使用されて
いる。
ンデンサは、一般に次のような工程で生産される。リー
ル状に巻き上げられた金属化フィルムを、素子巻し、そ
れをプレスする。このプレス体にメタリコンを施した
後、リード線を付け、油含浸槽内に浸漬して油を含浸さ
せ、ケースに入れて検査工程に送る。このうちのプレス
工程では、ヒートプレスと呼ばれる90〜150℃に加
熱された熱板に10〜100kg/cm2 の圧力で素子
巻されたコンデンサ用蒸着フィルムを1〜15分間程度
挟む方法が従来より一般的に行われている。
より追求し、コールドプレスと呼ばれる常温で500〜
1500kg/cm2 の圧力で0.1〜2秒間程度の瞬
間的なプレス方法が採用されつつある。このようなコー
ルドプレス方式ではプレス時間が短いため、コンデンサ
用金属化ポリエステルフィルムの密着性が悪く、プレス
されたコンデンサ素子の形態保持力が弱く十分な容量が
出ない、高い圧力でプレスされるためコンデンサ用蒸着
フィルムがダメージを受け、コンデンサとしての絶縁特
性が悪い等の問題が時々発生する。
ールドプレスにおいても、コンデンサ素子の形態保持力
が十分で且つコンデンサでの絶縁特性が良好なコンデン
サ用金属化ポリエステルフィルムを提供することにあ
る。
プレスにおいてもコンデンサ素子の形態保持力が十分
で、且つ、コンデンサでの絶縁特性が良好なコンデンサ
用金属化ポリエステルフィルムについて検討した結果、
コンデンサ用金属化ポリエステルフィルムの長手方向の
伸びと強度を適正に選択することで、コンデンサ素子の
形態保持力、コンデンサでの絶縁特性が良好な金属化フ
ィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
化ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの片
面若しくは両面に、金属蒸着を施したコンデンサ用蒸着
フィルムであって、30%の伸びを得るときの強度(F
30)が13〜24kg/mm2 の範囲にあることを特徴
とするものからなる。
エステルフィルムに用いる蒸着金属は、導電性を有する
ものであれば特に限定されるものではないが、通常、フ
ィルムコンデンサに使用されるアルミニウム、亜鉛、
銅、金、銀、錫、またはこれらの合金が好ましく、特に
アルミニウムは他の金属に比べ同一抵抗値でも厚みが薄
く、自己回復性が良好である点から一層好ましい。
ムの種類も特に限定はされないが、フィルムを30%伸
ばした時の応力F30値が13〜24kg/mm2 の範囲
に限定されることが必要である。F30値が13kg/m
m2 未満では、コンデンサ素子の形態保持力は良好であ
るが、コンデンサでの絶縁特性が低下し好ましくない。
24kg/mm2 を超えると、コンデンサでの絶縁特性
は良好だが、コンデンサ素子の形態保持力が不足とな
り、コンデンサの容量が出ない。
ンサ用金属化ポリエステルフィルムのガラス転移にまつ
わる吸熱ピーク(Tg)が85〜105℃で、吸熱量
(Uw)が0.2〜0.8mj/mgを示す場合、コン
デンサの絶縁性は一層好ましいものとなる。
ィルムの滑り値がフィルム幅当たり3〜15g/mmで
あると、コンデンサの絶縁特性、コンデンサ素子の形態
保持力は極めて良好である。滑り値は、金属化ポリエス
テルフィルムの持つ静電気とベースフィルムの表面粗さ
(中心線平均表面粗さRa)とで決められるが、滑り値
をフィルム幅当たり3〜15g/mmとするには、Ra
を20〜40nmとし、好ましくはリール表層で測定し
た表面電位を20〜40Vとすることで得られる。
ステルフィルムの製造方法について説明する。まずベー
スとなるポリエステルチップを溶融し、フィルムの表面
粗さを所望の粗さ状態に形成する外粒を含むチップを溶
融した溶融液を、濃度が均一になるように十分攪拌す
る。この溶融したゲル状の液をキャスティングロールと
呼ばれる冷却ロール上に厚さが均一になるように押し出
し、キャスティングロールより引き出した厚いフィルム
(シート)を二軸延伸により配向せしめる。延伸方法と
しては同時二軸延伸、逐次二軸延伸などを用いることが
できる。延伸の倍率を適度に調整することでフィルム長
手方向のF30値が13〜24kg/mm2 のポリエステ
ルフィルムが得られる。
にて電極となる金属を設ける。尚、真空蒸着時にオイル
マージン法、あるいはテープマージン法にてマージンと
呼ばれる非蒸着部分を設ける。
については、上述のベースフィルム製造中の温度条件に
ても得られるが、一定期間の加熱処理等によっても目的
の値に調節することが可能である。一定期間の加熱処理
は蒸着の前後いずれでも可能であるが、特に蒸着後の蒸
着フィルムの一定期間の加熱処理はその後の加熱工程が
無いことからTg及びUwの調整が容易である。
ール状のフィルムの滑り値は、上述のベースフィルムに
加える外粒の大きさと量で決定される中心線平均表面粗
さRaによって決められるが、さらに蒸着フィルムをリ
ール状にスリットする直前に電圧を印加し静電気を付与
することによっても調整することが可能である。
ムのF30値、Ra、Tg、及びUwを適度に調整し、蒸
着品リール状態の表面電位を適当な値とすることで、コ
ールドプレスの際に金属化ポリエステルフィルムが受け
るダメージを最小限にとどめ、コンデンサの絶縁抵抗と
素子の形態保持性の両立を可能にしたものである。
法] (1)フィルム長手方向の強度(F30) フィルムを10mm幅に切断し、長手方向に100mm
の長さで引張強度試験機(島津製作所社製:IM−10
0)を用いて測定した。フィルムの厚さをtmmとし、
引張速度100mm/minで測定し、フィルムの長さ
が130%となったときの強力W130 から次式によって
F30を算出した。 F30=W130 /(t×10mm)
(Tg)及び吸熱量(Uw) SEIKOinstruments社製DSC(示差走
査熱量計:ROC220)を用いて測定した。測定は試
料5mgをDSCにセットし、−50℃まで冷却し、そ
の後40℃/minの速度で170℃まで昇温したとき
の等速昇温に必要な熱量の変化を測定し、コンデンサ用
金属化ポリエステルフィルムでの熱量変化を調べた。ガ
ラス転移にまつわる吸熱ピーク(Tg)及び吸熱量(U
w)は、図1に示すようなDSCで得られる等速熱量変
化の変極点のピーク温度をTgとし、変極開始点温度か
ら変極終了温度までの熱量をUwとした。図1におい
て、特性Aは、等速昇温に必要な熱量を示しており、途
中のC部で変化している。また、特性Bは、サンプルフ
ィルムが受けている熱量の変化を示しており、DSCで
フィルムの吸発熱の際のエネルギ量(UW)を測定した
ものである。このエネルギ量の+側は発熱、−側は吸熱
を示している。そして、特性Bの変化量(図の斜線部D
の面積)を熱量Uwとして求めた。
した。測定はフィルムの長手方向に10000倍、幅方
向に200倍で測定し、平均粗さ(SRa)を測定し
た。
外径を170mmとしたときに、リールから金属化フィ
ルムを約1m巻き戻し、図2に示すように金属化フィル
ム11を約50cmを弛ませた状態でリール12にフィ
ルムを重ね、フィルムの先端にプッシュプルゲージ
((株)イマダ社製DPS−2)13を付け、該プッシ
ュプルゲージ13を引っ張った。この状態でフィルムリ
ール上ですべり始めた荷重をすべり値とした。尚、リー
ル上でフィルムを引っ張る際の方向は図2に示すように
水平方向とした。
を、皆藤製作所製素子巻機KHW−2HCにて約70回
転/分の速度でφ9mmの巻芯に巻き取りながら表面電
位計を用いて測定した。表面電位計はSSV−40(K
AWAGUTIELECTRIC WORKS製)を使
用し、表面電位計の検出部とフィルムの距離は6mmと
した。
のコンデンサ用金属化フィルムでコンデンサ素子を作成
し、超絶縁計(東亜電波製:SM−8210)を用いて
測定した。測定条件は、コンデンサに30秒間充電し、
測定モードに切換えて30秒後に測定した。コンデンサ
素子は以下の条件で作成した。 素子巻:KAW−U2B40/78(皆藤製作所製)
を用いφ5mmの巻芯に金属化ポリエステルフィルム2
枚を重ね500回転巻き取った。 プレス:1000kg/cm2 の圧力で、常温で行っ
た。 メタリコン:メタリコン剤は帝国メタル製アルミメタ
ルTM−105を用い、溶射時の空気圧を5kg/cm
2 の圧力で行った。 リード線付け:リード線は錫メッキ軟導線を用い、電
気溶接にてメタリコン剤と溶接した。 含浸:含浸剤はマイクロクリスタリンワックス180
°F(日本石油製)を用い、コンデンサ素子を真空乾燥
の後、105℃にて3時間の真空含浸を行った。 ケース外装:含浸が完了したコンデンサ素子を常温に
戻してから、PBT(ポリブチレンテレフタレート)の
樹脂ケースに入れ、常温硬化型エポキシ樹脂(サンユレ
ジン製 EX−664)を充填し、40℃で硬化した。 尚、絶縁性の判定はコンデンサ25個を測定し、絶縁抵
抗の平均値(X) 及び標準偏差(σ)を求め、Xが10
00MΩ未満を不良、X−3σが1000を超え、Xが
1000〜2000MΩを良、X−3σが1000を超
え、Xが2000MΩを超えるものを優とした。
素子21を定盤22の上に置き、素子21のR部分に当
て板23a、23bを当ててプッシュプルゲージ24で
押し、R部分から荷重をかけた。この荷重を徐々に増や
し、図3(a)、(b)に示すように変化してコンデン
サ素子の巻芯部分が開いた時のプッシュプルゲージ24
の示す値で読みとり、荷重の大小でフィルム層間密着性
を判定した。尚、各水準の荷重は、プレス後のコンデン
サ素子10個で測定し、その平均値で判定し、荷重の平
均値が12kg以上のものを○(良好)、10〜7kg
のものを△(使用可)、7kg未満のものを×(使用不
可)とした。
9を表1に示す。表1に示したF30の異なるいくつかの
種類の4μmの厚さのポリエステルフィルムにアルミニ
ウムを真空蒸着し、フィルムのもつ表面平均粗さ(R
a)と金属化フィルムをスリットする際に電圧を印加
し、すべり値を調整して試料を作成した。尚、吸熱ピー
ク(Tg)及び吸熱量(Ug)は、蒸着前のフィルムの
保管状態、真空蒸着の蒸着条件、蒸着後の金属化フィル
ムの保管状態等で種々の値に調節が可能だが、本実施例
では蒸着後に蒸着フィルムを加熱処理して調節した。
尚、本実施例では蒸着金属をアルミニウムに、フィルム
の厚みを4μmとしたが、これらに限定されるものでは
ない。各試料のパラメータ値は、表1に示した通りであ
るが、各パラメータの値が本発明の範囲内であれば、コ
ールドプレスにおいてもコンデンサ素子の形態保持力が
十分で、且つコンデンサでの絶縁特性が良好であるが、
そうでない場合は目的を達し得ないことがわかる。
着フィルムの強度を特定範囲にコントロールすることに
より、さらに加えてすべり値を適切に調整することによ
り、コールドプレスにおけるコンデンサ素子の形態保持
力、コンデンサでの絶縁特性を両立させることが可能に
なる。
ートである。
図であり、(a)、(b)はコンデンサ素子の巻芯が開
く際の状態変化を示し、(c)は測定方法を示してい
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリエステルフィルムの片面若しくは両
面に、金属蒸着を施したコンデンサ用蒸着フィルムであ
って、30%の伸びを得るときの強度(F30)が13〜
24kg/mm2 の範囲にあることを特徴とするコンデ
ンサ用金属化ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 示差走査熱量計によるガラス転移にまつ
わる吸熱ピーク(Tg)が85〜105℃の範囲にあ
り、且つ、吸熱量(Uw)が0.2〜0.8mj/mg
の範囲にある、請求項1に記載のコンデンサ用金属化ポ
リエステルフィルム。 - 【請求項3】 中心線平均表面粗さ(Ra)が20〜4
0nmの範囲にあり、リール状に巻き上げられた状態で
の滑り値がフィルムの幅当たり3〜15g/mmの範囲
にある、請求項1または2に記載のコンデンサ用金属化
ポリエステルフィルム。 - 【請求項4】 リール状に巻き上げられたフィルムの表
層で測定した表面電位が20〜40Vの範囲にある、請
求項1ないし3のいずれかに記載のコンデンサ用金属化
ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のコ
ンデンサ用金属化ポリエステルフィルムを巻回、または
積層してなるコンデンサ。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載のコ
ンデンサ用金属化ポリエステルフィルムを用いて巻回後
コールドプレス法にて成形したことを特徴とするコンデ
ンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21990497A JP3865161B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 金属化ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21990497A JP3865161B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 金属化ポリエステルフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1154362A true JPH1154362A (ja) | 1999-02-26 |
JP3865161B2 JP3865161B2 (ja) | 2007-01-10 |
Family
ID=16742861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21990497A Expired - Fee Related JP3865161B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | 金属化ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3865161B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9499322B2 (en) | 2013-01-25 | 2016-11-22 | Toppan Printing Co., Ltd. | Flexible package |
-
1997
- 1997-07-31 JP JP21990497A patent/JP3865161B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9499322B2 (en) | 2013-01-25 | 2016-11-22 | Toppan Printing Co., Ltd. | Flexible package |
US9540161B2 (en) | 2013-01-25 | 2017-01-10 | Toppan Printing Co., Ltd. | Flexible package |
US9598215B2 (en) | 2013-01-25 | 2017-03-21 | Toppan Printing Co., Ltd. | Flexible package |
US10287079B2 (en) | 2013-01-25 | 2019-05-14 | Toppan Printing Co., Ltd. | Flexible package |
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JP3865161B2 (ja) | 2007-01-10 |
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