JPH1154332A - ブッシング - Google Patents

ブッシング

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JPH1154332A
JPH1154332A JP22446697A JP22446697A JPH1154332A JP H1154332 A JPH1154332 A JP H1154332A JP 22446697 A JP22446697 A JP 22446697A JP 22446697 A JP22446697 A JP 22446697A JP H1154332 A JPH1154332 A JP H1154332A
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JP
Japan
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bushing
insulating layer
center conductor
outer peripheral
peripheral surface
Prior art date
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Pending
Application number
JP22446697A
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English (en)
Inventor
Kenichi Katagiri
賢一 片桐
Yoshimitsu Takei
快充 武井
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Toshiba Corp
Toshiba Substation Equipment Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Substation Equipment Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的に絶縁物中の水分を除去することがで
きると共に、ブッシングの大形化を抑制できるブッシン
グを提供することにある。 【解決手段】 ブッシングの絶縁導体13における中心
導体11には、その外周面の一方端部から他方端部まで
螺旋状に第1の螺旋状溝26aが形成され、中心導体1
1の他方端部で折り返して第1の螺旋状溝26aと交錯
しながら螺旋状に一方端に戻るように第2の螺旋状溝2
6bが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁導体の乾燥処
理の性能を改良したブッシングに関する。
【0002】
【従業の技術】一般に、ブッシングは、通電電流を流す
中心導体とこの中心導体を大地に対して絶縁する絶縁層
とから絶縁導体を形成し、この絶縁導体を絶縁媒体とと
もに外装品に収納して構成されている。
【0003】従来のブッシングの一例としてセンターク
ランプ構造のスタッドタイプについて、図6を参照して
説明する。中心導体11の外周に直接絶縁紙を巻回して
絶縁層12を形成し絶縁導体13を構成する。絶縁紙の
巻き始めは中心導体11との間でずれが生じないように
中心導体11と絶縁紙間は接着剤等で強固に固定されて
いる。また、絶縁層12の形成時は絶縁紙の含有水分を
少しでも除去するために中心導体11の近傍で絶縁紙を
100数十℃に加熱し、プリ乾燥しながら成形してい
る。
【0004】この絶縁導体13の軸方向中間部の外周に
は支持金具14が嵌装されている。この支持金具14の
上部側には上部碍管15が挿入され、その下端部が支持
金具14に当接される。この上部碍管15の上端部には
頭部キャップ16が設けられている。一方、支持金具1
4の下部側には下部碍管17が挿入され、この下部碍管
17の下端部には下部クランプ18が設けられ、この下
部クランプ18に中心導体11の一端が固定される。
【0005】そして、頭部キャップ16の底部との間に
圧縮バネ19を介してナット20が蝶合され、このナッ
トを締め付けることにより中心導体11を介して下部ク
ランプ18、下部碍管17、支持金具14、上部碍管1
5及び頭部キャップ16が締め付けられて外装品を構成
する。
【0006】この外装品は、各構成部品の各々の接合部
にガスケット21が介在されて密封容器を構成してお
り、内部にSF6ガスのような絶縁ガスや絶縁油などの
絶縁媒体22が充填される。また、絶縁層12には必要
に応じてイコライザ−電極23が設けられる。一方、頭
部キャップ16には高圧端子24が設けられ接続線25
を介して中心導体11と接続されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成のブッシングにおいては、絶縁導体13は、絶縁層
12を形成する絶縁紙が吸湿しているので、外装部品に
組込む前に乾燥して水分を除去する必要がある。
【0008】絶縁層12の含有水分量が多いと、ブッシ
ングの絶縁性能を決める誘電正接(tanδ)の値が大
きくなり、UHV用などの長大で高電圧のブッシングで
は誘電体損による絶縁劣化が問題となる。すなわち、絶
縁層12の誘電正接の値が大きいと誘電体損(2nfC
2tanδ、ここでfは周波数、Cはキャパシタン
ス、Vは電圧)によって絶縁層12の温度が上昇し、し
かも、温度上昇した絶縁層12は、さらに誘電正接の値
が大きくなって誘電体損が発生するという悪循環を繰り
返し、ついには絶縁層12の絶縁劣化を引き起こすこと
になる。従って、絶縁層12の誘電正接の値を小さくす
る必要がある。
【0009】そのため、絶縁導体13を乾燥して絶縁層
12の含有水分を1重量パーセント以下、望ましくは
0.5重量パーセント程度にする必要がある。その絶縁
導体12の乾燥処理技術として、中心導体12の外周面
に1条もしくは複数条の螺旋状溝を設けて、絶縁層12
を乾燥させるようにしたものがある。この場合にも、以
下の点に改良の余地がある。 (1)より効率的に絶縁物中の水分を除去したり、絶縁
媒体22を循環し冷却効果を高めるには1条当たりの溝
長さが短いほど有利であるが、UHVなどの高電圧ブッ
シングになると紙幅が数mにも及ぶことになる。一方、
1条当たりの溝長さを短かくすると螺旋条の弦巻角が大
きくなる。従って、より効果的に水分除去や冷却効果を
高めるには多数条の溝を加工する必要があった。多数条
の螺旋状溝は同一巻方向になるために溝間に挟まれた中
心導体11の外周面は刃状に近づき中心導体11の外周
面に巻回された薄状絶縁物を損傷する恐れがあった。 (2)多数条の螺旋状溝を加工するには、螺旋状溝の始
発端から終端までの加工後に、始発端までの戻り溝を設
けることが考えられる。その場合、終端から始発端まで
戻り次の溝を加工することになるので、長大な溝加工に
なると加工時間に長時間を要する。 (3)中心導体11の外周面に薄状絶縁物を複数回巻回
して中心導体11と同電位となる高圧シールド電極を挿
入することになるので、絶縁導体13の外径寸法が大き
くなる。すなわち、高圧シールド電極の挿入径から外側
に位置する絶縁体の厚さは、所定の絶縁を保つために所
定の厚さとする必要があるので、絶縁導体13の外径寸
法が大きくなり、ブッシングが大形化する場合もある。
【0010】そこで、本発明の目的は、効率的に絶縁物
中の水分を除去することができると共に、ブッシングの
大形化を抑制できるブッシングを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
ブッシングは、中心導体の外周面に設けられ中心導体の
一方端部から他方端部まで螺旋状に形成された第1の螺
旋状溝と、中心導体の他方端部で折り返して第1の螺旋
状溝と交錯しながら螺旋状に一方端に戻るように形成さ
れた第2の螺旋状溝とを備えたものである。
【0012】請求項2の発明に係わるブッシングは、請
求項1の発明において、中心導体の外周面と螺旋状溝の
幅方向の両端部が接する部分は、面取りまたはR加工し
て突起を除去したものである。
【0013】請求項3の発明に係わるブッシングは、中
心導体の外周面と絶縁層との間に金属製網を設けると共
にその金属製網の外周面に高圧シールド電極を設けたも
のである。
【0014】請求項4の発明に係わるブッシングは、請
求項3の発明において、金属製網は非磁性としたもので
ある。
【0015】請求項5の発明に係わるブッシングは、請
求項3の発明において、金属製網の取付長さは高圧シー
ルド電極より短くし、金属製網の両端は高圧シールド電
極より内側に入れたものである。
【0016】請求項6の発明に係わるブッシングは、中
心導体の外周面と絶縁層との間に非金属製網を設けたも
のである。
【0017】請求項7の発明に係わるブッシングは、請
求項6の発明において、非金属製網は化学繊維で構成さ
れたものである。
【0018】請求項8の発明に係わるブッシングは、請
求項6の発明において、非金属製網の取付長さは絶縁層
より長くし、非金属製網の両端は絶縁層より外に出るよ
うにしたものである。
【0019】請求項9の発明に係わるブッシングは、中
心導体の外周面の軸方向に複数個の帯状の電気絶縁体を
装着固定し、その電気絶縁体の外側に絶縁層を施したも
のである。
【0020】請求項10の発明に係わるブッシングは、
請求項9の発明において、電気絶縁体の断面は略矩形を
なし、長辺側の一面は中心導体の曲率半径にほぼ一致す
る曲面を有し、他の長辺側は曲率半径の中心と略一致す
る曲面を有するものである。
【0021】請求項11の発明に係わるブッシングは、
中心導体の外周面に帯状の電気絶縁体を螺旋状に複数回
にわたり巻回装着し、その電気絶縁体の外側に絶縁層を
施したものである。
【0022】請求項12の発明に係わるブッシングは、
請求項9乃至請求項11の発明において、電気絶縁体の
最内層および最外層表面に接着剤層を設けたものであ
る。
【0023】請求項13の発明に係わるブッシングは、
請求項9乃至請求項11の発明において、電気絶縁体は
耐熱温度がA種絶縁以上あり、圧縮強度の高い材料を用
いたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の第1の実施の形態におけるブッシ
ングの絶縁導体13の説明図である。図1(a)は絶縁
導体13の内部構成図、図1(b)は螺旋状溝の縁部を
面取りした場合の中心導体11の平面図、図1(c)は
螺旋状溝の縁部をR取りした場合の中心導体11の平面
図である。
【0025】図1(a)において、中心導体11の外周
面には複数条の螺旋状溝26が設けられている。これら
の螺旋状水26が形成された中心導体11の外側には、
絶縁紙が巻回されて絶縁層12が形成され、これにより
絶縁導体13が構成される。絶縁層12には必要に応じ
てイコライザー電極23が設けられている。
【0026】すなわち、絶縁導体13の中心導体11の
外周面には、軸方向に伸びる第1の螺旋状溝26aおよ
び第2の螺旋状溝26bが形成される。第1の螺旋状溝
26aはその始発端から終端まで伸びた後に、終端で折
り返して第2の螺旋状溝26bとなり始発端まで戻るよ
うに構成されている。このため、第1の螺旋状溝26a
および第2の螺旋状溝26bの溝同士は交錯するよう形
成されている。
【0027】そして、第1の螺旋状溝26aおよび第2
の螺旋状溝26bの両端部が絶縁層12の最内層の端部
より外側に位置しており、上部閉口部27および下部開
口部28を形成している。また、絶縁層12の内部には
イコライザー電極23が巻き込んで形成されている。
【0028】一般に、螺旋状溝26で絶縁層12の内側
の含有水分を除去したり、絶縁媒体22を循環させて冷
却効果を効率よくするには、螺旋状溝26の螺旋角θを
可能な限り大きくするのが有利である。螺旋角θを大き
くすると絶縁層12と螺旋状溝26の接触面積が十分確
保できないため含有水分除去や冷却効果を一層高めるに
は複数条の螺旋状溝26を設けることになる。UHVな
どの高電圧ブッシングになると絶縁紙幅が数mにもおよ
ぶことになる。
【0029】このように長大な範囲に螺旋状溝26を設
けるには、その螺旋状溝26の始発端から加工を始めて
総端まで行くと、再度、加エ端の近傍まで加工刃物(バ
イト)を戻して次の螺旋状溝26を加工することにな
る。この場合、螺旋状溝23が複数条になるとバイトを
何往復もさせて加工することになる。また、複数条の螺
旋状溝26の加工で隣合う螺旋状溝26の間が狭まり、
中心導体11の外周面の残存部分が徐々に刃状に近づき
絶縁層12の内側絶縁紙を損傷する可能性もある。
【0030】そこで、本発明の第1の実施の形態では、
螺旋状溝26を始発端から終端まで加工して第1の螺旋
状溝26aを形成し、その後に終端から始発端まで螺旋
状に戻して第2の螺旋状溝26bを形成する。その際
に、第1の螺旋状溝26aおよび第2の螺旋状溝26b
同士を交錯させる。
【0031】このように螺旋状溝26を構成すると、絶
縁層12と螺旋状溝26との接触面積は略2倍を確保す
ることができる。従って、絶縁層12と螺旋状溝26と
の必要接触面積を得るには、略半分の螺旋状溝26の条
数ですみ、加工時間の短縮と隣合う螺旋状溝26との間
隔も略2倍確保できる。このため、刃状に近づく中心導
体11となることを防止することが可能になり品質の安
定化が図れ、絶縁層12の内側の含有水分除去と絶縁媒
体22の循環による冷却効果を得ることができる。
【0032】ここで、上述のように、中心導体11に螺
旋状溝26を加工すると中心導体11の外周面と螺旋状
溝26の接する部分には鋭利な突起ができることがあ
る。運転中のブッシングは中心導体11に高電圧が掛か
っているので、この突起部分に電荷が集中して電界スト
レスが高まり、部分放電が発生して絶縁破壊事故に至る
恐れがある。
【0033】その対処方法としては、中心導体11の外
周面に薄状絶縁物を巻回した後、中心導体11と同電位
の高圧シールドを設けて部分放電の発生を防止する。そ
の場合、高電圧と大地との間の電気絶縁は高圧シールド
より外側に形成された絶縁導体13の絶縁厚さで保持す
ることになるので、自ずと絶縁導体13の外径寸法が増
大することになる。絶縁導体13の増大に伴い、支持金
具14、上部碍管15、下部碍管17の内径寸法も場合
によっては増大させてブッシング全体が大形化する場合
がある。
【0034】そこで、本発明の第1の実施の形態では、
図1(b)に示すように、中心導体11の外周面と螺旋
状溝26の接点部分に少なくとも0.5mmを越える面
取り29を施す。あるいは、図1(c)に示すように、
中心導体11の外周面と螺旋状溝26の接点部分に少な
くとも0.5mmを越えるR取り30を施す。
【0035】中心導体11の螺旋状溝の縁部に面取り2
9やR取り30を施して突起部分を排除することで、電
荷の集中を防いで電界ストレスを低減する。従って、高
圧シールドを省くことが可能になる。そのため、絶縁導
体13の外径寸法の増大化を防ぎ、ブッシングの大形化
を阻止することができるなどの効果がある。
【0036】なお、第1の実施の形態では、螺旋条溝2
6の断面形状を矩形で示しているが、V字溝や凹凸を付
けた溝とすることも可能である。凹凸を付けた溝の場合
には、絶縁媒体22との接触面積を増すことができる。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図2は本発明の第2の実施の形態におけるブッシン
グの絶縁導体13の説明図である。図2において、中心
導体11に対して絶縁層12を波線で示している。
【0038】中心導体11の外周面には、その全周にわ
たり非磁性の金属製網31を機械的および電気的に堅固
に取付けて、中心導体11と同電位にしている。金属製
網31としては、例えば、銅やアルミニュームやステン
レスなどを用いている。そして、この金属製網31の外
側には、絶縁紙のような薄状絶縁物を巻回して、中心導
体11と同電位の高圧シールド電極32を絶縁層12の
ほぼ全長にわたり挿入している。金属製網31の長さは
高圧シールド電極32の長さより短くし、金属製網31
の両端は高圧シールド電極32の端部とほぼ同じか、ま
たは内側になるように予め中心導体11に取付ておくも
のである。
【0039】なお、金属製網31を中心導体11に機械
的および電気的に固着させる方法としては銀ロー付けや
溶接などであるが、いずれも金属製網31の外周面に突
起がないことと、絶縁層12の内側の含有水分除去や絶
縁媒体22の循環に必要な網目を潰さないように取り付
けすることは言うまでもない。
【0040】この第2の実施の形態によれば、絶縁層1
2の内側の含有水分除去や絶縁媒体22の循環経路が金
属製網31の網目で確保できる。また、金属製網31の
材料として熱の良導体である金属を用い、表面積の大き
な網を使用することで、絶縁媒体22との接触面積が大
幅に増加できるので、冷却効果を著しく向上させること
ができる。なお、電界ストレスの低減化を図るために高
圧シールド電極32を設けているので、ブッシングは多
少大形化する。
【0041】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図3は、本発明の第3の実施の形態におけるブッシ
ングの絶縁導体の説明図である。図3において、中心導
体11に対して絶縁層12を波線で示している。
【0042】中心導体11の外周面に全周にわたり非金
属製網33を機械的に堅固に取付けて、その外側に絶縁
層12を構成する。非金属性網33の材料としては、ポ
リエチレンテレフタレートなどの化学繊維を用いる。
【0043】そして、非金属製網33の長さは絶縁層1
2の長さより長くし、非金属製網33の両端は絶縁層1
2の端部より外側になるように、予め中心導体11に取
付ておく。なお、非金属製網33を中心導体11に機械
的に固着させる方法としては接着剤などがあるが、絶縁
層12の内側の含有水分除去や絶縁媒体22の循環に必
要な網目を潰さないような取付方をすることは言うまで
もない。
【0044】この第3の実施の形態によれば、絶縁層1
2の内側の含有水分除去や絶縁媒体22の循環経路が網
目で確保できる。また、網33は電気絶縁物で構成して
いるので、電界ストレスの低減化を図るための高圧シー
ルド電極32を設ける必要がない。従って、ブッシング
の大形化を阻止することができる。
【0045】次に、本発明の第4の実施の形態を説明す
る。図4は、本発明の第4の実施の形態におけるブッシ
ングの絶縁導体の説明図である。図4(a)は絶縁導体
13の内部構成図、図4(b)は中心導体の平面図であ
る。図4(a)において、中心導体11に対して絶縁層
12を波線で示している。
【0046】中心導体11の軸方向の外周面には、複数
本の帯状の帯状の電気絶縁体34を機械的に堅固に取付
けて、その外側に絶縁層12を構成する。電気絶縁体3
4としては、例えば、FRP成形品や熱硬化性樹脂を含
浸したプリプレグ材を用いる。すなわち、耐熱温度がA
種絶縁以上あり、圧縮強度の高い材料、例えばワニスガ
ラスクロスなどを基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹
脂を含浸しコーティングしたプリプレグ材料を用いる。
電気絶縁体34の両端は、絶縁層12の長さより外側に
位置するように、予め中心導体11に取付ておく。
【0047】なお、電気絶縁体34がFRP成形品など
のように、予め硬化された物を使用する場合は、図4
(b)に示すように矩形断面の長辺の1辺は中心導体1
1の外径曲率半径にほぼ一致する曲率R1とし、他の長
辺は曲率R1の中心を通る曲率R2とするものである。
絶縁層12を構成している絶縁紙などの薄状絶縁物の巻
き始めは電気絶縁体34の外周面に塗布された接着剤で
保持固定されて絶縁層成形時や運転時の振動等による絶
縁層12のずれを防止している。
【0048】この第4の実施の形態によれば、絶縁層1
2の内側の含有水分除去や絶縁媒体22の循環経路が隣
合う電気絶縁体34の空隙に確保できる。また、中心導
体11に長大な直線溝の加エが不要になるので、安価な
ブッシングを提供することができる。
【0049】なお、この第4の実施の形態では、中心導
体11の軸方向に取り付けた電気絶縁体34は6本で示
しているが、電気絶縁体34の終端が絶縁層12の両端
より外側に取り付けば、分割にしたり、間引き(隙間を
空けながら)して取り付けたり、または隣合う電気絶縁
体34と千鳥配置で取り付けても同様の効果を得ること
ができる。
【0050】次に、本発明の第5の実施の形態を説明す
る。図5は、本発明の第5の実施の形態におけるブッシ
ングの絶縁導体の説明図である。図5において、中心導
体11に対して絶縁層12を波線で示している。
【0051】中心導体11の外周面には、1本または複
数本の薄い帯状の電気絶縁体34aを必要な厚さになる
まで幾重にも重ねて巻回し、その外側に絶縁層12を構
成する。電気絶縁体34aとしては、例えば、ワニスガ
ラスクロス基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含
浸したプリプレグ材を用いる。そして、電気絶縁体34
aの両端は絶縁層12の長さより外側に位置するよう
に、予め中心導体11に取り付けておく。
【0052】絶縁層12を構成している絶縁紙などの薄
状絶縁物の巻き始めは、電気絶縁体34aの外周面に塗
布された接着剤で保持固定されて絶縁層成形時や運転時
の振動等による絶縁層12のずれを防止している。
【0053】また、絶縁層12の成形時は絶縁紙などの
薄状絶縁物の含有水分を少しでも除去するために、中心
導体11の近傍で薄状絶縁物を100数十℃に加熱し、
プリ乾燥しながら成形している、このため、この温度に
より電気絶縁体34aを加熱硬化させて、より強固な電
気絶縁体34aを得ることができる。
【0054】この第5の実施の形態によれば、絶縁層1
2の内側の含有水分除去や絶縁媒体22の循環経路が隣
合う電気絶縁体61の空隙に確保できる。また、薄状の
電気絶縁体34aを使用するので、中心導体11に形成
される溝の螺旋角θを随時変えたり、隣合う電気絶縁体
34aとに挟まれた絶縁媒体22の通路幅を任意に変え
ることができる。このために、絶縁媒体22の温度が高
くなる循環路出口付近で流速を上げるなど、より繊密な
冷却効果を上げることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
ッシングが大形化する傾向を抑え、品質の安定した安価
なブッシングを提供できる。すなわち、中心導体に螺旋
状溝を形成する場合には、多数条溝の半分の条数溝加工
で溝と薄状絶縁物とが接する面積をほぼ同一にすること
ができ、溝加工時間の短縮が可能となる。また、螺旋状
溝の縁部には面取りやR取りを行うので、中心導体の外
周面を刃状にすることない。従って、高圧シールドをす
る必要がなくなりブッシングの大型を防止しつつ適正に
水分除去や絶縁媒体の循環を行うことができる。
【0056】また、中心導体の外周面に網を装着し、そ
の外側に絶縁層を設けた場合には、中心導体と絶縁層に
挟まれた網の目を通って絶縁層内側の含有水分を排除し
たり、運転中に絶縁媒体の循環経路に使用して中心導体
や絶縁層の冷却効果を図ることができる。
【0057】さらにまた、中心導体の外周面に熱硬化性
樹脂からなる電気絶縁体を装着し、その外側に絶縁層を
設けたので、中心導体と絶縁層に挟まれた電気絶縁体の
厚さに相当する空隙を絶縁層内部の含有水分を除去経路
にしたり、運転中に絶縁媒体の循環経路に使用して中心
導体や絶縁層の冷却効果を図ることができる。
【0058】一方、絶縁紙の巻き始めは、電気絶縁体の
外周面に設けた接着剤層で絶縁紙を固定し、絶縁紙を巻
回する時のプレ乾燥温度で電気絶縁体を硬化させて機械
的に行うので、より強固な電気絶縁体を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるブッシング
の絶縁導体の説明図。
【図2】本発明の第2の実施の形態におけるブッシング
の絶縁導体の説明図。
【図3】本発明の第3の実施の形態におけるブッシング
の絶縁導体の説明図。
【図4】本発明の第4の実施の形態におけるブッシング
の絶縁導体の説明図。
【図5】本発明の第5の実施の形態におけるブッシング
の絶縁導体の説明図。
【図6】従来のブッシングの説明図。
【符号の説明】
11 中心導体 12 絶縁層 13 絶縁導体 14 支持金具 15 上部碍管 16 頭部キャップ 17 下部碍管 18 下部クランプ 19 圧縮バネ 20 ナット 21 ガスケット 22 絶縁媒体 23 イコライザ電極 24 高圧端子 25 接続線 26a 第1の螺旋状溝 26b 第2の螺旋状溝 27 上部開口部 28 下部開口部 29 面取り 30 R取り 31 金属製網 32 高圧シールド電極 33 非金属製網 34 電気絶縁体

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電電流を流す中心導体の外周面に薄状
    絶縁物を巻回して絶縁層を形成してなる絶縁導体と、こ
    の絶縁導体を絶縁媒体と共に収納する外装品とからなる
    ブッシングにおいて、前記中心導体の外周面に設けられ
    前記中心導体の一方端部から他方端部まで螺旋状に形成
    された第1の螺旋状溝と、前記中心導体の前記他方端部
    で折り返して前記第1の螺旋状溝と交錯しながら螺旋状
    に前記一方端に戻るように形成された第2の螺旋状溝と
    を備えたことを特徴とするブッシング。
  2. 【請求項2】 前記中心導体の外周面と前記螺旋状溝の
    幅方向の両端部が接する部分は、面取りまたはR加工し
    て突起を除去したことを特徴とした請求項1に記載のブ
    ッシング。
  3. 【請求項3】 通電電流を流す中心導体の外周面に薄状
    絶縁物を巻回して絶縁層を形成してなる絶縁導体と、こ
    の絶縁導体を絶縁媒体と共に収納する外装品とからなる
    ブッシングにおいて、前記中心導体の外周面と前記絶縁
    層との間に金属製網を設けると共にその金属製網の外周
    面に高圧シールド電極を設けたことを特徴とするブッシ
    ング。
  4. 【請求項4】 前記金属製網は、非磁性であることを特
    徴とする請求項3に記載のブッシング。
  5. 【請求項5】 前記金属製網の取付長さは、前記高圧シ
    ールド電極より短くし、前記金属製網の両端は前記高圧
    シールド電極より内側に入っていることを特徴とする請
    求項3に記載のブッシング。
  6. 【請求項6】 通電電流を流す中心導体の外周面に薄状
    絶縁物を巻回して絶縁層を形成してなる絶縁導体と、こ
    の絶縁導体を絶縁媒体と共に収納する外装品とからなる
    ブッシングにおいて、前記中心導体の外周面と前記絶縁
    層との間に非金属製網を設けたことを特徴とするブッシ
    ング。
  7. 【請求項7】 前記非金属製網は、化学繊維で構成され
    たことを特徴とする請求項6に記載のブッシング。
  8. 【請求項8】 前記非金属製網の取付長さは、前記絶縁
    層より長くし、前記非金属製網の両端は前記絶縁層より
    外に出ていることを特徴とする請求項6に記載のブッシ
    ング。
  9. 【請求項9】 通電電流を流す中心導体の外周面に薄状
    絶縁物を巻回して絶縁層を形成してなる絶縁導体と、こ
    の絶縁導体を絶縁媒体と共に収納する外装品とからなる
    ブッシングにおいて、前記中心導体の外周面の軸方向に
    複数個の帯状の電気絶縁体を装着固定し、その電気絶縁
    体の外側に絶縁層を施したことを特徴とするブッシン
    グ。
  10. 【請求項10】 前記電気絶縁体の断面は略矩形をな
    し、長辺側の一面は前記中心導体の曲率半径にほぼ一致
    する曲面を有し、他の長辺側は前記曲率半径の中心と略
    一致する曲面を有することを特徴とする請求項9に記載
    のブッシング。
  11. 【請求項11】 通電電流を流す中心導体の外周面に薄
    状絶縁物を巻回して絶縁層を形成してなる絶縁導体と、
    この絶縁導体を絶縁媒体と共に収納する外装品とからな
    るブッシングにおいて、前記中心導体の外周面に帯状の
    電気絶縁体を螺旋状に複数回にわたり巻回装着し、その
    電気絶縁体の外側に絶縁層を施したことを特徴とするブ
    ッシング。
  12. 【請求項12】 前記電気絶縁体の最内層および最外層
    表面に接着剤層を設けたことを特徴とする請求項9乃至
    請求項11に記載のブッシング。
  13. 【請求項13】 前記電気絶縁体は、耐熱温度がA種絶
    縁以上あり、圧縮強度の高い材料を用いたことを特徴と
    する請求項9乃至請求項11に記載のブッシング。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130023130A (ko) * 2011-08-26 2013-03-07 쇼와 전선 케이블 시스템 주식회사 플러그인 부싱 및 내전압 시험 방법
JP2018517251A (ja) * 2015-05-26 2018-06-28 ヒョスン・コーポレーション コンデンサブッシング及びその製造方法

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