JPH115407A - タイヤ装置及び分割タイヤ要素 - Google Patents

タイヤ装置及び分割タイヤ要素

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JPH115407A
JPH115407A JP9173133A JP17313397A JPH115407A JP H115407 A JPH115407 A JP H115407A JP 9173133 A JP9173133 A JP 9173133A JP 17313397 A JP17313397 A JP 17313397A JP H115407 A JPH115407 A JP H115407A
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tire
wheel rim
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tire element
rim portion
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English (en)
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Toyoharu Maeda
豊春 前田
Hiromi Maeda
ひろみ 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着脱が簡単で、取付け強度が高く、乗り心地
及び操縦性能等の低下を防止し、さらに意匠的効果を発
揮させることができる分割タイヤを備えるタイヤ装置を
提供する。 【解決手段】 周方向に配列されるとともにホイールリ
ム部3を跨ぐようにして取付けられる複数のタイヤ要素
5a,5b……によってタイヤ10を構成し、各タイヤ
要素をホイールリム部の外周部に着脱可能に取付けるタ
イヤ要素取付け手段19と、隣り合う各タイヤ要素を互
いに連結するタイヤ要素接続手段13,16とを、上記
各タイヤ要素又は/及びホイールリム部に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本願発明は、タイヤ装置に関
する。詳しくは、複数のタイヤ要素を備えて構成される
タイヤ装置及びこのタイヤ装置のタイヤを構成する分割
タイヤ要素に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、自転車等に採用されているタ
イヤ装置は、車軸に回転可能に支持されるハブ部と、ハ
ブ部を囲むように配置される円環状のホイールリム部
と、このホイールリム部に装着される弾性タイヤとを備
えている。上記タイヤは、通常、中空環状に形成された
ゴム等の弾性材料から一体成形されており、この中空内
部に、ゴムチューブを介してあるいは直接的に圧縮空気
が充填されて弾力が付与されている。
【0003】上記タイヤは、内周縁部をホイールリム部
の外周部の凹部に嵌入するようにして取付けられるた
め、タイヤの取付け及び取り外しが面倒である。しか
も、タイヤの交換や修理に、専用工具や専門的技術が必
要となり、使用者が自らタイヤ交換やタイヤ修理を行う
ことは少ない。
【0004】一方、従来のタイヤは、一つの空気室内に
圧縮空気を充填してタイヤに弾性を付与しているため、
一箇所に孔があくだけで走行することができなくなり、
修理が必要となる。
【0005】上記問題を解決するため、たとえば、実開
平5−12202号公報に記載されているもののよう
に、複数のタイヤ要素をホイールリム部に装着してなる
タイヤ装置が考案されている。上記公報に記載されてい
るタイヤ装置は、複数のボール状タイヤ要素をホイール
リム部の周囲に着脱可能に配列固定して構成されてお
り、一つのタイヤ要素がパンクしても、このタイヤ要素
のみを交換するだけでパンク修理を行えるように構成し
たものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載されて
いるタイヤ装置は、複数のタイヤ要素をホイールリム部
の外周部に螺子手段等を用いて取り付けることにより構
成されている。
【0007】ところが、上記公報に記載されている各タ
イヤ要素は、従来のタイヤ装置と同様にホイールリム部
にタイヤ要素の底部の形状に対応した凹部を形成し、こ
の凹部に各タイヤ要素を埋め込むようにして装着し、各
タイヤ要素を螺子手段によって各々独立して固定したも
のである。
【0008】上記公報に記載されているタイヤ装置にお
いては、接地した際に作用する全ての力、すなわち車両
の重量及び走行時に作用する全ての力が、接地している
一つのタイヤ要素にのみ作用する。このため、衝撃緩和
性能、操縦性能、ブレーキ特性等が低下する恐れがあ
る。また、各タイヤ要素が独立的に取付けられているた
め、地面を転がる場合に弾性特性が不連続となり、乗り
心地が低下することは明らかである。
【0009】また、一つのタイヤ要素のみによって接地
の際に作用する力を支持するように構成しているため、
各タイヤ要素の耐久性も問題となる。
【0010】しかも、各タイヤ要素に作用する力の支持
を確実なものとするため、ホイールリム部に各タイヤ要
素の底部の形状に対応した凹部を形成しているが、ホイ
ールリム部の構造が複雑になって、製造コストが高くつ
くといった問題が生じ、現実に採用することは困難であ
る。
【0011】さらに、ホイールリム及び各タイヤ要素の
強度を確保するために、意匠性が犠牲になり、特殊な車
両にしか適用できない恐れもある。
【0012】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、上記従来の問題を解決し、各タイヤ
要素を簡単に着脱できるとともに、ホイールリム部に対
する取付け強度を高めることができ、また、接地する各
タイヤ要素に作用する力を分散して乗り心地及び操縦性
能等の低下を防止し、さらに、意匠的効果を発揮させる
ことができ、さらにまた種々の車両に適用することので
きるタイヤ装置及び分割タイヤ要素を提供することをそ
の課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0014】本願の請求項1に記載した発明は、車軸に
回転可能に支持されるハブ部と、このハブ部の周囲に配
置される環状のホイールリム部とを備えるとともに、こ
のホイールリム部に弾性タイヤを装着して構成されるタ
イヤ装置であって、周方向に配列されるとともにホイー
ルリム部を跨ぐようにして取付けられる複数のタイヤ要
素によって上記タイヤを構成し、各タイヤ要素をホイー
ルリム部の外周部に着脱可能に取付けるタイヤ要素取付
け手段と、隣り合う各タイヤ要素を互いに連結するタイ
ヤ要素接続手段とを、上記各タイヤ要素又は/及びホイ
ールリム部に設けたことを特徴とする。
【0015】本願発明に係るタイヤ装置が適用できる車
両は特に限定されることはない。一般の自動車はもとよ
り、自動二輪車、自転車、産業用車両等に広く適用でき
る。特に、自転車、車椅子、フオークリフト等の低速走
行する車両のタイヤ装置に好適である。
【0016】ハブ部は、車両の車軸に連結される部分で
あり、形状構造等は特に限定されることはない。
【0017】ホイールリム部は、上記ハブ部の周囲を囲
むようにして配置されるとともに、その外縁部に各タイ
ヤ要素が固定される。ホイールリム部とハブ部との連結
構造は特に限定されることはなく、自転車のようにスポ
ークを用いて連結することもできるし、円盤状のディス
クを介してハブ部とホイールリム部とを連結してもよ
い。さらに、上記ホイールリム部、スポーク部、ハブ部
を一体的に形成することもできる。
【0018】本願発明に係る各タイヤ要素は、上記ホイ
ールリム部を跨ぐようにして取付けられる。すなわち、
従来のタイヤのように、ホイールリム部の外周部に凹部
を形成してこの凹部にタイヤの底部を嵌め込むのではな
く、ホイールリム部を中心としてその周りをタイヤが覆
う形態で、各タイヤ要素がホイールリム部に対して取付
けられる。
【0019】各タイヤ要素をホイールリム部を跨ぐよう
にして取付けることにより、以下に述べる効果がある。
【0020】まず、各タイヤ要素とホイールリム部との
取付け強度を高めることができる。すなわち、各タイヤ
要素をホイールリム部の両側で固定できるため、タイヤ
の回転面に交差する方向から作用する力に対する支持能
力を格段に高めることができる。
【0021】また、各タイヤ要素の底部がホイールリム
部の表面に接してさえいればよく、ホイールリム部がタ
イヤ要素の底部の形状によって制限を受けることはなく
なる。このため、ホイールリム部の外周部の輪郭形状が
単純化され、ホイールリム部の製造コストを低く抑える
ことができる。さらに、荷重支持特性に最適な形状にホ
イールリム部を形成することもできる。
【0022】また、ホイールリム部の両側をタイヤ要素
が覆うことになるため、転倒した場合等にホイールリム
部の側部が損傷を受けるのを防止することができる。
【0023】しかも、各タイヤ要素をタイヤ装置の回転
面と直交する方向に設けた螺子手段等によってホイール
リム部に固定することができる。このため、各タイヤ要
素の着脱作業を容易に行うことができる。
【0024】しかも、ホイールリム部の両側をタイヤ要
素が覆う形態となるため、従来にない意匠性を発揮させ
ることができる。たとえば、上記各タイヤ要素の側面に
意匠性のある模様や形態を付加することも可能となる。
【0025】ホイールリム部の形状は特に限定されるこ
とはなく、タイヤ要素を跨がせて固定できるものであれ
ば種々の形態を採用できる。
【0026】たとえば、請求項2に記載した発明のよう
に、上記ホイールリム部の側部ないし半径方向外面に凸
部を設けるとともに、タイヤ要素をこの凸部を跨ぐよう
にして取付けることができる。上記凸部は、各タイヤ要
素に対応して各々形成することもできるし、また、ホイ
ールリム部の外周部に連続する環状の凸条を形成しても
よい。
【0027】上記凸部を設けることにより、タイヤ要素
に作用する力を効率よくホイールリム部に伝達すること
が可能となり、操縦性能等を向上させることができる。
【0028】各タイヤ要素の基本的構造も特に限定され
ることはない。たとえば、請求項3に記載した発明のよ
うに、圧縮空気が充填された中空状の弾性材料によって
構成することもできるし、請求項4に記載した発明のよ
うに中実状の弾性材料から形成することもできる。
【0029】各タイヤ要素をホイールリム部の外周部に
着脱可能に取付けるタイヤ要素取付け手段として種々の
手段を採用できる。
【0030】たとえば、ホイールリム部に両側に貫通す
る貫通孔を形成するとともに、タイヤ要素にも上記貫通
孔に対応する取付け孔を形成し、これら貫通孔及び取付
け孔に連通挿される螺子手段によって各タイヤ要素をホ
イールリム部に対して挟圧固定することができる。
【0031】また、ホイールリム部の両側面に螺子穴を
形成して、この螺子穴に螺合させる螺子手段によってタ
イヤ要素をホイールリムに直接固定することもできる。
【0032】また、ホイールリム部の側面形状に対応し
た環状の取付け部材を形成し、この取付け部材を用いて
タイヤ要素の基端部をホイールリム部に対して挟圧し、
すべてのタイヤ要素をこの環状取付け部材によって一度
に固定するように構成することもできる。
【0033】本願発明に係るタイヤ要素接続手段は、隣
り合う各タイヤ要素を互いに連結することにより、各タ
イヤ要素に作用する力を隣接するタイヤ要素に分散させ
てタイヤ要素の荷重支持能力を高めるとともに、各タイ
ヤ要素が独立して変形するのを防止する。これにより、
乗り心地、操縦安定性、耐久性等を向上させることがで
きる。
【0034】また、タイヤ要素接続手段によって、配列
されるタイヤ要素の取付け精度を向上させることもでき
る。
【0035】タイヤ要素接続手段として、請求項6に記
載した発明のように、各タイヤ要素の周方向端部に形成
した互いに係合しあう嵌合構造を採用することができ
る。上記嵌合構造は、タイヤ要素をホイールリム部に取
付けると互いに嵌合し、各タイヤ要素をホイールリム上
で一体的に連結する。
【0036】たとえば、タイヤ要素の周方向一端部に、
対向するタイヤ要素に向かって突出する凸部を形成する
一方、周方向他端部に、上記凸部が係入できる凹部を形
成することにより構成することができる。
【0037】なお、上記タイヤ要素接続手段は、各タイ
ヤ要素を着脱する際に邪魔にならない構造にすることが
望ましい。
【0038】さらに、請求項7又は請求項8に記載した
発明のように、上記タイヤ要素接続手段に、従来の分割
タイヤを備えるタイヤ装置の問題を解決できる機能を付
加することができる。
【0039】すなわち、従来の分割タイヤは、各タイヤ
要素の中央部と各タイヤ要素の境界部分との弾性特性を
一定にすることが困難であり、タイヤの転動にともなっ
て弾性等が変化して乗り心地等が低下するといった問題
が生じやすかった。一般に、境界部分は各タイヤ要素の
壁部が二重に重なるため、中央部よりも弾性係数が高く
なる傾向があった。
【0040】本願の請求項7に記載した発明は、上記問
題を解決するものであり、上記タイヤ要素接続手段によ
って、隣接するタイヤ要素に跨がった部分が接地すると
き、すなわち各タイヤ要素の境界部が最下端に位置する
とき、タイヤ弾性を各タイヤ要素の中央部とほぼ同じに
保つように構成したものである。
【0041】たとえば、タイヤ要素接続手段の幅方向の
厚さを小さくすると接続手段の弾性が低下して、タイヤ
要素中央部の弾性に近づく。また、上述した接続手段を
ホイールリム部から浮かせた構造にすることによって
も、上記の効果と同様の効果を期待することができる。
【0042】周方向に均一な弾性を持たせることによっ
て、車両の乗り心地、操縦安定性等が向上するばかりで
なく、高速走行性能を高めることができる。
【0043】一方、本願の請求項8に記載した発明は、
各タイヤ要素の境界部が接地するとき、タイヤ弾性をタ
イヤ要素の中央部から変化させるように構成したもので
ある。
【0044】変化の態様として、境界部分の弾性を各タ
イヤ要素の中央部の弾性より大きくする場合と、逆に小
さくする場合とが考えられる。境界部分の弾性を、各タ
イヤ要素中央部の弾性から変化させることにより、接地
する部分によって変形量を異ならせることが可能とな
る。
【0045】上記特性のタイヤを、車椅子のタイヤ装置
に採用すると、段部を乗り越える際に、弾性係数の低い
部分が大きく変形して段部に引っ掛かって滑りを防止す
るため、段部を容易に乗り越えることが可能となる。こ
の結果、車椅子に階段を昇降させることも可能となる。
【0046】本願の請求項9に記載した発明は、各タイ
ヤ要素のホイールリム部を跨ぐ部分に補強部材を設けた
ものである。上記補強部材を設けることにより、ホイー
ルリム部に対する固定強度を格段に高めることができ
る。また、各タイヤ要素自体の強度、耐久性を向上させ
ることもできる。さらに、上記補強補強部材を介して各
タイヤ要素をホールリム部に取り付けることにより、取
付け作業性を向上させることもできる。
【0047】上記補強部材は、金属、樹脂等の種々の材
料で形成することができる。また、インサート成形法等
を利用して、各タイヤ要素に一体的に設けることができ
る。
【0048】本願の請求項10に記載した発明は、タイ
ヤを構成する一部のタイヤ要素に、滑り止め機能を付加
したものである。
【0049】たとえば、自転車、オートバイで雪道を走
行するのは非常に困難である。これは、タイヤが滑りや
すく操縦性が低下するとともに、地面(雪面)に駆動力
が伝達されないためである。また、自動車におけるよう
なチェーンを取り付けると人力では走行不可能となる。
【0050】本願発明は、一部のタイヤ要素を滑り止め
機能のあるものに交換するだけで、上記のような場合で
も走行を可能にすることができる。
【0051】すなわち、一つおきあるいは二つおきに滑
り止め機能のあるタイヤ要素を取り付けると、チエーン
を装着したと同様の効果を発揮させることができる。し
かも、タイヤ装置の重量はほとんど変化することがない
ため、自転車でも容易に走行することが可能となる。
【0052】しかも、各タイヤ要素を容易に携帯できる
ため、雪が降り出した後に、滑り止め機能のあるタイヤ
要素に交換することができ、雪道における走行安全性を
高めることができる。
【0053】上記滑り止め機能は、種々の手法を用いて
付加することができる。たとえば、通常のタイヤ要素よ
り大きな凹凸形状を付加することによって容易に達成で
きる。
【0054】本願の請求項11に記載した発明は、タイ
ヤ装置を弾性特性、変形特性の異なるタイヤ要素を配列
して構成したものである。
【0055】弾性特性の異なるタイヤ要素を組み合わせ
てタイヤ装置を構成することにより、タイヤに実質的に
凹凸を付加したのと同様の効果を期待することができ
る。
【0056】また、弾性特性をタイヤの周方向各部で異
ならせることにより、請求項8に記載した発明と同様の
効果を発揮させることができ、車椅子等に好適なタイヤ
装置を得ることができる。
【0057】本願の請求項12に記載した発明は、各タ
イヤ要素に異なる色彩を付加したものである。
【0058】異なる色彩を付加したタイヤ要素からタイ
ヤを構成することによって意匠性が高まる。また、乗者
自らがタイヤ要素を容易に交換することができるため、
乗者の好みに応じた色彩を備えるタイヤを構成すること
ができる。また、他の自転車から容易に識別することが
できるため、盗難防止効果を期待することもできる。さ
らに、一部のタイヤ要素に蛍光性を付与することによ
り、夜間の走行安全性を向上させることもできる。
【0059】本願の請求項13に記載した発明は、タイ
ヤ要素自体の発明に関するものである。本願発明に係る
タイヤ要素は、携帯が容易で、一つのタイヤ要素がパン
クした場合にも一般的な工具によって容易に取り替える
ことができる。また、小型であるため、コンビニエンス
ストア等でも販売することが可能であり、従来では考え
られなかった販売ルートに乗せることも可能となり、新
たな需要を期待することもできる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本願発明に係る実施の形態
を図に基づいて具体的に説明する。なお、本実施の形態
は、本願発明を自転車用タイヤ装置に適用したものであ
る。
【0061】図1は、本願発明に係るタイヤ装置の全体
を表す斜視図である。
【0062】この図に示すように、タイヤ装置1は、回
転可能に支持されるハブ部2と、このハブ部2の周囲に
配置される環状のホイールリム部3とを備える。この実
施の形態においては、上記ハブ部2とホイールリム部3
との間に円盤状のディスク部4を設けるとともに、ホイ
ールリム部3の外縁部に複数のタイヤ要素5a,5b,
5c,5d……が取付けられている。
【0063】図2は、図1に示すタイヤ装置1からタイ
ヤ要素5a………を取り外した状態を示す図である。ま
た、図3は、図2の要部拡大図である。
【0064】これらの図に示すように、本実施の形態に
係るハブ部2、ホイールリム部3、ディスク部4はアル
ミ合金で一体形成されている。なお、上記ハブ部2及び
ディスク部4は、従来の一般的構造と同様であるので、
説明は省略する。
【0065】本実施の形態に係るホイールリム部3は、
断面が矩形をしたドーナツ円盤状の形態を有しており、
内周部がディスク部4を介してハブ部2に連結される一
方、外周部に各タイヤ要素5a………を確実に固定する
ための凸部6が一体形成されている。
【0066】本実施の形態に係る上記凸部6は、図2及
び図3に示すように、球面をした頭部7がホイールリム
部3の半径方向外面から突出しているとともに、上記頭
部7に連続する円柱外面状の側部8がホイールリム部3
の両側面から膨出した形態を呈している。
【0067】一方、上記凸部6の下方には、ホイールリ
ム部の両側に貫通する貫通孔9が形成されており、上記
貫通孔9に通挿される螺子手段によって、各タイヤ要素
5a………がホイールリム部3に対して固定される。
【0068】図4に、上記ホイールリム部3にタイヤ要
素5a……を装着した状態の断面を示す。また、図5
は、一部のタイヤ要素の断面を示した取付け側面図であ
る。
【0069】本実施の形態に示すタイヤ要素は、雄要素
5a,5cと雌要素5b,5dとを交互に組み合わせて
ホイールリム部3の周りに配列固定することによりタイ
ヤ10を構成している。なお、実施の形態においては、
各タイヤ要素5a,5c,5b,5dに異なる色彩を付
加してある。
【0070】上記雄要素5a,5cは、図6及び図7に
示すように、略円盤状の本体11と、この本体11から
ホイールリム部3を挟むようにして延出する一対の取付
け部12,12と、上記本体11からホイールリム部3
の外縁部に沿って周方向両側に伸びる雄側接続手段1
3,13とをゴムで一体成形することにより形成されて
いる。
【0071】一方、上記雌要素5b,5dは、図8及び
図9に示すように、上記雄要素5a,5cとほぼ同一形
状の本体14及び取付け部15を備えるとともに、上記
雄要素5a,5cの雄側接続手段13,13の端部が係
入できる嵌合穴からなる雌側接続手段16が周方向両側
部に形成されている。
【0072】雄要素5a,5c……及び雌要素5b,5
d……の本体11,14の内部には、図4に示すよう
に、上記ホイールリム部3に形成した上記凸部6を収容
する凹部17が形成されており、タイヤ要素5aをホイ
ールリム部3ないし凸部17を跨がせるようにして装着
すると、上記凸部6が上記凹部17に嵌入して、各タイ
ヤ要素5a……がホイールリム部3の所定の装着位置に
位置決めされる。
【0073】上記隣り合う各タイヤ要素5a,5b,5
c,5d……は、上記雄側接続手段13と上記雌側接続
手段16とによって連結されて一体化される。
【0074】さらに、各タイヤ要素5a……の取付け部
12,15には、ホイールリム部3の側部に貫通形成さ
れた貫通孔9に対応する取付け孔18が形成されてお
り、これら貫通孔9及び取付け孔18に連通挿されるボ
ルト及びこのボルトに螺合されるナットからなる螺子手
段19によって、各タイヤ要素5a……がホイールリム
部3に対して強固に固定される。
【0075】本実施の形態に係るタイヤ装置1において
は、ホイールリム部3にタイヤ要素5a……を位置決め
する凸部6を一体形成し、この凸部6に対して各タイヤ
要素5a……を各々套嵌するとともに、側部から螺子手
段19によって各タイヤ要素をホイールリム部3に対し
て挟圧固定するように構成している。このため、六角レ
ンチ等を用いて各タイヤ要素5a……を容易に着脱する
ことができる。
【0076】また、各タイヤ要素5a……の内部に球面
状の頭部7を備える凸部6が内蔵されるため、各タイヤ
要素5aに作用する力をホイールリム部3に効率よく伝
達して支持させることができる。この結果、各タイヤ要
素5a……の変形が規制され、操縦性能、走行安定性等
が向上する。
【0077】しかも、本実施の形態においては、隣り合
う各タイヤ要素が、接続手段13,16によって連結さ
れる。このため、各タイヤ要素5aに作用する力を隣接
するタイヤ要素に分散支持させることが可能となる。
【0078】さらに、上記雄側接続手段13には、図5
及び図6に示すように、外縁部が本体11とほぼ同じ円
弧形状をした接地部20が一体形成されている。上記接
地部20は、配列される各タイヤ要素5a……の配列中
間部に位置するとともに、各タイヤ要素5a……の本体
中央部と同様の弾性特性を備えるように形成されてい
る。このため、各タイヤ要素の配列中間部が設置する場
合においても、本体11,14の中央部と同様の弾性特
性をもたせることが可能となり、操縦安定性、乗り心地
等が格段に向上する。
【0079】本実施の形態に係るタイヤ要素5a……の
両側部には、図7及び図9に示すように、平坦面状の意
匠形成部21が設けられている。実施の形態において
は、この意匠形成部21に文字あるいは数字を描いてい
る。上記タイヤ要素5a……を組み合わせて所有者のイ
ニシャル等を構成するようにタイヤ要素を配列すること
により、盗難防止効果を期待することができる。
【0080】さらに、上記意匠形成部21に、広告、電
話番号、所有者の氏名等を記載することもできる。ま
た、数字を記載したタイヤ要素を電話番号を示すように
配列してもよい。
【0081】また、図1に示す実施の形態においては、
各タイヤ要素5a,5b,5c,5dに異なる色彩を付
与している。これら各タイヤ要素を所望の配列で取付け
ることにより、タイヤ装置自体の意匠性を高めることが
できるとともに、盗難防止効果を発揮させることができ
る。
【0082】また、上記色彩として蛍光色を採用するこ
とにより、夜間の走行安全性を高めることができる。
【0083】図10ないし図12に本願発明に係る第2
の実施の形態を示す。
【0084】これらの図には、滑り止めを形成したタイ
ヤ要素5eを示している。図に示すように、本体22に
自転車の進行方向に沿う溝26を、接続手段23の外縁
部に上記溝26と直交する方向の溝24をそれぞれ形成
し、滑り止め効果の高いタイヤ要素5eを形成してい
る。
【0085】特に、接続手段23に形成した溝24は進
行方向と直交する方向に形成されているため、駆動力を
地面に伝達する効率が向上する。一方、本体22に形成
した溝26によって横滑りが規制される。
【0086】図1に示すタイヤ要素の一部を上記タイヤ
要素5eに交換すると、滑り止め効果が格段に向上し、
雪道における走行安定性、操縦安定性を確保することが
可能となる。しかも、上記タイヤ要素5eは携帯及び交
換が容易である。このため、天候が急変した場合等にも
短時間で交換することが可能となり、自転車の使用可能
場面が従来に比べて格段に拡大する。
【0087】図13に本願発明の第3の実施の形態を示
す。
【0088】この実施の形態に係るタイヤ要素5fは、
ホイールリム部3を跨ぐ部分に、補強部材25を設けた
ものである。上記補強部材25は、タイヤ要素5fの内
部ににインサート成形によって一体的に設けられてい
る。
【0089】上記補強部材25を設けることにより、ホ
イールリム部3に対する取付け強度、タイヤの耐久性、
及び取付け精度が高まる。また、図3に示す凸部6を形
成したのと同様の効果を期待することが可能となり、ホ
イールリム部の形状を単純化して、ホイールリム部3の
製造コストを逓減することもできる。
【0090】本願発明の範囲は、上述した実施の形態に
限定されることはない。実施の形態は、本願発明を自転
車のタイヤ装置に適用したが、車椅子用のタイヤ装置、
オートバイ用のタイヤ装置、産業用車両に用いられるタ
イヤ装置、さらに通常の乗用車等のタイヤ装置にも適用
することができる。
【0091】また、実施の形態においては、各タイヤ要
素を中実状に形成したが、圧縮空気を充填した中空状に
形成することもできる。
【0092】また、実施の形態においては、タイヤ要素
を雄要素と雌要素とから構成したが、一種類のタイヤ要
素を用いてタイヤを構成することもできる。
【0093】また、各タイヤ要素に接続手段を設けた
が、ホイールリム部を介して接続手段を設けることもで
きる。
【0094】さらに、各タイヤ要素を螺子手段によって
ホイールリム部に固定してが、例えば環状の治具を用い
て全てのタイヤを一体的に固定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るタイヤ装置の全体斜視図であ
る。
【図2】図1に示すタイヤ装置からタイヤを取り外した
状態を示す斜視図である。
【図3】図2の要部の拡大図である。
【図4】タイヤ要素の装着状態を示す図であり、図1に
おけるIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】タイヤ要素の装着状態を示す側面図であり、タ
イヤ要素の一部の断面を示す図である。
【図6】タイヤ要素の雄部材の一例を示す全体斜視図で
ある。
【図7】図6に示すタイヤ要素の側面図である。
【図8】タイヤ要素の雌部材の一例を示す全体斜視図で
ある。
【図9】図8に示すタイヤ要素の側面図である。
【図10】滑り止めを設けたタイヤ要素の全体斜視図で
ある。
【図11】図10に示すタイヤ要素の平面図である。
【図12】図10に示すタイヤ要素の側面図である。
【図13】補強部材を備えるタイヤ要素の断面を示す図
であり、図4に相当する断面を示す断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ装置 2 ハブ部 3 ホイールリム部 5a タイヤ要素(雄要素) 5b タイヤ要素(雌要素) 5c タイヤ要素(雄要素) 5d タイヤ要素(雌要素) 5e タイヤ要素(雄要素) 5f タイヤ要素 6 凸部 10 タイヤ 12 取付け部 13 接続手段(雄側) 16 接続手段(雌側) 17 凹部 19 螺子手段 21 意匠形成部 23 接続手段 24 滑り止め(溝) 25 補強部材 26 滑り止め(溝)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸に回転可能に支持されるハブ部と、
    このハブ部の周囲に配置される環状のホイールリム部と
    を備えるとともに、このホイールリム部に弾性タイヤを
    装着して構成されるタイヤ装置であって、 周方向に配列されるとともにホイールリム部を跨ぐよう
    にして取付けられる複数のタイヤ要素によって上記タイ
    ヤを構成し、 各タイヤ要素をホイールリム部の外周部に着脱可能に取
    付けるタイヤ要素取付け手段と、隣り合う各タイヤ要素
    を互いに連結するタイヤ要素接続手段とを、上記各タイ
    ヤ要素又は/及びホイールリム部に設けたことを特徴と
    する、タイヤ装置。
  2. 【請求項2】 上記ホイールリム部の側部ないし半径方
    向外面に凸部を設けるとともに、タイヤ要素をこの凸部
    を跨ぐようにして取付けたことを特徴とする、請求項1
    に記載のタイヤ装置。
  3. 【請求項3】 上記各タイヤ要素が中空状の弾性材料か
    ら形成されているとともに、内部に圧縮空気が充填され
    ている、請求項1又は請求項2に記載のタイヤ装置。
  4. 【請求項4】 上記各タイヤ要素が中実状の弾性材料か
    ら形成されている、請求項1又は請求項2に記載のタイ
    ヤ装置。
  5. 【請求項5】 上記各タイヤ要素の外側面に意匠形成部
    を設けた、請求項1から請求項4のいずれかに記載のタ
    イヤ装置。
  6. 【請求項6】 上記接続手段は、各タイヤ要素の周方向
    端部に形成された互いに係合しあう嵌合構造である、請
    求項1から請求項5のいずれかに記載のタイヤ装置。
  7. 【請求項7】 上記接続手段は、各タイヤ要素の境界部
    が接地するとき、タイヤの弾性特性をタイヤ要素の中央
    部とほぼ同じに保つように構成されている、請求項1か
    ら請求項6のいずれかに記載のタイヤ装置。
  8. 【請求項8】 上記接続手段は、各タイヤ要素の境界部
    が接地するとき、タイヤ弾性をタイヤ要素の中央部から
    変化させるように構成されている、請求項1から請求項
    6のいずれかに記載のタイヤ装置。
  9. 【請求項9】 各タイヤ要素のホイールリム部又は凸部
    を跨ぐ部分に、補強部材を設けた、請求項1から請求項
    8のいずれかに記載のタイヤ装置。
  10. 【請求項10】 タイヤを構成する一部のタイヤ要素
    に、滑り止め機能を付加した、請求項1から請求項9に
    記載のタイヤ装置。
  11. 【請求項11】 タイヤが弾性特性、変形特性の異なる
    タイヤ要素を配列して構成されている、請求項1から請
    求項6に記載のタイヤ装置。
  12. 【請求項12】 各タイヤ要素に異なる色彩を付加した
    ことを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか
    に記載のタイヤ装置。
  13. 【請求項13】 ホイールリム部の周囲に列状に配列固
    定されることによってタイヤを構成する分割タイヤ要素
    であって、 上記ホイールリム部の外周縁を跨ぐようにしてホイール
    リム部に套嵌される取付け部と、この取付け部をホイー
    ルリム部に対して固定するタイヤ要素取付け手段と、隣
    り合う各タイヤ要素を互いに連結する接続手段とを備え
    る分割タイヤ要素。
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