JPH1154059A - イオン源 - Google Patents

イオン源

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Publication number
JPH1154059A
JPH1154059A JP9130358A JP13035897A JPH1154059A JP H1154059 A JPH1154059 A JP H1154059A JP 9130358 A JP9130358 A JP 9130358A JP 13035897 A JP13035897 A JP 13035897A JP H1154059 A JPH1154059 A JP H1154059A
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JP
Japan
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filament
repeller
shield plate
housing
insulator
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Pending
Application number
JP9130358A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Nishibashi
勉 西橋
Hidekazu Yokoo
秀和 横尾
Kenichi Kihara
健一 木原
Yojiro Hanano
要次郎 花野
Takahisa Gunyasu
貴久 郡安
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Toshiba Corp
Ulvac Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Ulvac Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長寿命のイオン源を提供する。 【解決手段】 金属製の筺体18に設けられた貫通孔に
絶縁碍子141、142を設け、その絶縁碍子141、1
2にフィラメント固定ピン161、162をはめ込んで
フィラメント12の両端を固定する。絶縁碍子141
142とフィラメント12との間に第1のシールド板1
5aを配置し、その周囲を筺体18の内壁に密着固定す
る。フィラメント固定ピン161、162の先端を第1の
シールド板15aの貫通孔から非接触の状態で突き出さ
せる。励起ガスイオン粒子は第1のシールド板15aで
遮られ、絶縁碍子141、142が汚染されないようにな
る。リペラ固定ピン261、262と第2のシールド板1
5bとの間の隙間を狭くすれば、リペラ固定ピン261
262が取り付けられている絶縁碍子241、242も汚
染されないようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン源を長寿命化
させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置やイオン加速装置には、
導入されたドーピング用ガスをイオン化するイオン源が
設けられている。従来技術のイオン源を図3(a)、(b)
の符号102に示して説明する。図3(a)は、イオン源
102の内部を上方から見た概略構成図であり、同図
(b)は、側方から見た概略構成図である。
【0003】このイオン源102は、金属製の筺体(ア
ークチャンバーボディ)118、第1、第2のシールド
板115a、115b、フィラメント112、フィラメン
ト固定ピン1161、1162、リペラ113、リペラ固
定ピン1261、1262を有しており、また、セラミッ
ク製のフィラメント固定用の絶縁碍子1141、11
2、リペラ固定用の絶縁碍子1241、1242を有し
ている。
【0004】筺体118の相対向する二壁面には、貫通
孔が二個ずつ設けられており、一方の壁面の貫通孔には
フィラメント固定用の絶縁碍子1141、1142がそれ
ぞれはめ込まれ、他方の壁面の貫通孔には、リペラ固定
用の絶縁碍子1241、1242がそれぞれはめ込まれて
いる。
【0005】各絶縁碍子1141、1142、1241
1242は貫通孔を有しており、フィラメント固定用の
絶縁碍子1141、1142の貫通孔にはフィラメント固
定ピン1161、1162がそれぞれ挿入され、リペラ固
定用の絶縁碍子1241、242の貫通孔にはリペラ固定
ピン1261、1262がそれぞれ挿入されている。
【0006】フィラメント固定用の絶縁碍子1141
1142のうち、一方の絶縁碍子1141は他方の絶縁碍
子1142よりも長さが大きく成形されており、その筺
体118内の先端部分は他の部分よりもやや細くされて
いる。第1のシールド板115aには、絶縁碍子1141
の細くされた部分と同径の貫通孔と、フィラメント固定
ピン1161の筺体内部に位置する部分と同径の貫通孔
とが並んで設けられており、それら貫通孔内には、絶縁
碍子1141の先端とフィラメント固定ピン1161とが
それぞれ挿入され、密着固定されている。
【0007】そのフィラメント固定ピン1161、11
2の筺体118内に位置する先端部分は、符号11
1、1172で示すように、それぞれフランジ形状に成
形されており、第1のシールド板115aは、そのフラ
ンジ部分1171、1172の裏面に位置している。その
第1のシールド板115aは、筺体118の壁面とは接
触せず、隙間119を存するように配置されている。
【0008】フランジ部分1171、1172付近にはフ
ィラメント112が配置されており、その両端は、フィ
ラメント固定ピン1161、1162に設けられた貫通孔
内に挿入され、筺体118外部に導出されている。
【0009】他方、第2のシールド板115bは筺体1
18内部に配置され、外周が筺体18内壁に密着固定さ
れている。この第2のシールド板115bには、リペラ
固定ピン1261、1262の径よりも大きめの貫通孔が
2個設けられており、それら貫通孔内にリペラ固定ピン
1261、1262の一端が非接触の状態で挿入され、第
2のシールド板115bの貫通孔内で、第2のシールド
板115bとリペラ固定ピン1261、1262の間に
は、隙間129存するように構成されている。
【0010】その一端は、更に絶縁碍子1241、12
2内に挿入され、筺体118外部に導出されており、
他端には、筺体118の壁面や第2のシールド板115
bとは非接触の状態でリペラ113が取り付けられてい
る。
【0011】筺体118の外部には、加熱電源131と
バイアス電源132とが配置されており、フィラメント
112の両端は、加熱電源131の低電位側の端子と高
電位側の端子に接続されており、フィラメント112に
通電できるように構成されている。
【0012】また、バイアス電源132の低電位側の端
子は加熱電源131の高電位側の端子に接続されてお
り、バイアス電源132の高電位側の端子は筺体108
に接続されている。リペラ113は、リペラ固定ピン1
241、1242を介して加熱電源131の低電位側の端
子に接続されている。
【0013】加熱電源131の出力電圧は数ボルトであ
り、バイアス電源132の出力電圧に比べて小さいた
め、無視すると、第1のシールド板115aとフィラメ
ント112とリペラ113とは同電位(低電位側)にあ
り、他方、第2のシールド板115bと筺体108とは
同電位(高電位側)にある。
【0014】このようなイオン源102において、加熱
電源131を起動してフィラメント112に通電して発
熱させると、フィラメント112からリペラ113へ向
けて熱電子が放出される。
【0015】そのとき、バイアス電源132を起動し、
筺体118とフィラメント112との間に電圧を印加す
るとともに、筺体118内に、フィラメント112とリ
ペラ113とを結ぶ軸と平行な方向に磁場を形成してお
くと、放出された熱電子はフィラメント112と筺体1
18の間の電位差によって加速され、磁場に巻き付きな
がらリペラ113方向に移動する。このような熱電子
は、リペラ113で跳ね返され、フィラメント側112
へ戻ると、第1のシールド板115aで再度リペラ11
3側に跳ね返されるので、磁場と平行な方向に往復運動
し、筺体118内に導入されたガスがプラズマ化し、イ
オンが筺体118に設けられたイオン引出口111から
イオン源102の外部へ引き出される。
【0016】ところで、筺体118とフィラメント11
2との間や、筺体118とリペラ固定ピン1261、1
262との間には絶縁碍子1141、1142、1241
1242が設けられており、絶縁性が確保されている
が、筺体118内で発生した励起ガスイオンは、隙間1
19や隙間129から第1、第2のシールド板115
a、115bの裏側に侵入し、絶縁碍子1141、11
2、1241、1242に付着してしまう。イオン源1
02を使用するに従い、励起ガスイオンの付着によって
絶縁耐圧が低下し、それがイオン源102の寿命を決定
していた。
【0017】特に、第1のシールド板115aと筺体1
18とは電位が異なるため、密着させることができず、
また、隙間119を絶縁物で充填すると沿面距離が短く
なり、かえって絶縁耐圧が低下しやすくなるという問題
があるため、第1のシールド板裏側への励起ガスイオン
の侵入を防止できず、フィラメント固定用の絶縁碍子1
141、1142側の絶縁耐圧の低下によりイオン源10
2の寿命が決まっているため、その解決が望まれてい
た。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたもので、その目的
は、イオン源の絶縁耐圧を向上させ、寿命を長くするこ
とにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、金属製の筺体と、フィラメ
ントと、フィラメント固定ピンと、セラミック製のフィ
ラメント固定用の絶縁碍子とを有し、前記フィラメント
固定用の絶縁碍子は前記筺体にはめ込まれ、前記フィラ
メント固定ピンは前記フィラメント固定用の絶縁碍子に
はめ込まれ、前記フィラメントは前記筺体内に配置さ
れ、前記フィラメント固定ピンに固定され、通電できる
ように構成されたイオン源であって、前記フィラメント
と前記フィラメント固定用の絶縁碍子との間には、外周
が前記筺体の内壁に密着固定された第1のシールド板が
設けられ、前記フィラメント固定ピンの先端は前記第1
のシールド板に設けられた貫通孔から第1のシールド板
とは非接触の状態でフィラメント側に突き出されている
ことを特徴とする。
【0020】この場合、請求項2記載の発明のように、
前記第1のシールド板の貫通孔内では、前記フィラメン
ト固定ピンと前記第1のシールド板とができるだけ近接
するように構成することが望ましい。
【0021】また、請求項3記載の発明は、金属製のリ
ペラと、リペラ固定ピンと、第2のシールド板と、セラ
ミック製のリペラ固定用の絶縁碍子とを有し、前記リペ
ラ固定用の絶縁碍子は前記筺体にはめ込まれ、前記第2
のシールド板は前記筺体内部に配置され、外周が前記筺
体の壁面に密着固定され、前記リペラ固定ピンは、前記
第2のシールド板に設けられた貫通孔に前記第2のシー
ルド板とは非接触の状態で挿入され、一端は前記リペラ
固定用の絶縁碍子にはめ込まれ、他端は前記リペラが固
定され、前記筺体外部に配置された電源によって、前記
リペラ固定ピンを介して前記リペラと前記筺体との間に
電圧を印加できるように構成された請求項1又は請求項
2のいずれか1項記載のイオン源であって、前記第2の
シールド板の貫通孔内で、前記第2のシールド板と前記
リペラ固定ピンとはできるだけ近接するように構成され
たことを特徴とする。
【0022】上述の本発明の構成によれば、金属製の筺
体にセラミック製のフィラメント固定用の絶縁碍子と金
属製のフィラメント固定ピンとがこの順ではめ込まれ、
筺体内に配置されたフィラメントがフィラメント固定ピ
ンで固定され、通電できるように構成されているので、
筺体内部にガスを導入し、フィラメントから熱電子を放
出させると導入されたガスをプラズマ化することができ
る。
【0023】そのようなフィラメントとフィラメント固
定用の絶縁碍子との間には、外周が筺体の内壁に密着固
定された第1のシールド板が設けられ、フィラメント固
定ピンの先端が第1のシールド板に設けられた貫通孔か
ら、第1のシールド板とは非接触の状態でフィラメント
側に突き出されているので、第1のシールド板を正電位
に置き、励起ガスイオンに反発力を及ぼし、第1のシー
ルド板から励起ガスイオンを遠ざけることが可能となっ
ている。
【0024】特に、第1のシールド板の貫通孔内では、
フィラメント固定ピンと第1のシールド板とができるだ
け近接するように構成されているので、フィラメント固
定ピンと第1のシールド板との間の隙間に侵入した励起
ガスイオンに対し、フィラメント固定ピンからは吸着
力、第1のシールド板からは反発力を強く及ぼせるた
め、侵入した励起ガスイオンは、その隙間内でフィラメ
ント固定ピンに吸着されてしまい、フィラメント固定用
の絶縁碍子には到達しないようになる。また、隙間が狭
いため、イオン化していないガスも通過しずらくなる。
【0025】このようなイオン源が、金属製のリペラ
と、リペラ固定ピンと、第2のシールド板と、セラミッ
ク製のリペラ固定用の絶縁碍子とを有し、リペラ固定用
の絶縁碍子が筺体にはめ込まれ、また、第2のシールド
板が筺体内部に配置され、その外周が筺体の壁面に密着
固定され、更に、リペラ固定ピンが、第2のシールド板
に設けられた貫通孔に、非接触の状態で挿入され、一端
が前記リペラ固定用の絶縁碍子にはめ込まれ、他端にリ
ペラが固定されている場合には、筺体外部に配置された
電源によって、リペラ固定ピンを介してリペラと筺体と
の間に電圧を印加できるので、フィラメントから放出さ
れた熱電子がフィラメントとリペラとの間で往復運動を
し、効率よくプラズマが生成される。
【0026】この場合、第2のシールド板の貫通孔内
で、第2のシールド板とリペラ固定ピンとをできるだけ
近接配置しておくと、隙間を通過しようとする励起ガス
イオンが第2のシールド板とリペラ固定ピンとの間を通
過する間に反発力と吸着力を強く受け、リペラ固定ピン
に吸着されてしまうため、リペラ固定用の絶縁碍子が汚
染されなくなる。この場合も隙間が狭いため、イオン化
していないガスが通過しずらくなってる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。図1(a)は、本発明の一例のイオン源2の
内部を上方から見た概略構成図であり、同図(b)は、側
方から見た概略構成図である。
【0028】このイオン源2は、金属製の筺体18、第
1、第2のシールド板15a、15b、フィラメント1
2、フィラメント固定ピン161、162、リペラ13、
リペラ固定ピン261、262を有しており、また、セラ
ミック製で電気絶縁性のあるフィラメント固定用の絶縁
碍子141、142、リペラ固定用の絶縁碍子241、2
2を有している。
【0029】筺体18の相対向する二壁面には、貫通孔
が二個ずつ設けられており、一方の壁面の貫通孔にはフ
ィラメント固定用の絶縁碍子141、142がそれぞれは
め込まれ、他方の壁面の貫通孔には、リペラ固定用の絶
縁碍子241、242がそれぞれはめ込まれている。筺体
18の壁面のうち、各絶縁碍子141、142、241
242が設けられていない一壁面にはイオン引出口11
が設けられている。
【0030】第1のシールド板15aには、フィラメン
ト固定ピン161、162の径よりも僅かに大きめの貫通
孔が2個設けられており、また、第2のシールド板15
bには、リペラ固定ピン261、262の径よりも僅かに
大きめの貫通孔が2個設けられている。
【0031】第1、第2のシールド板15a、15bは、
筺体18内部に配置され、外周を筺体18の内壁とそれ
ぞれ密着固定されており、フィラメント固定ピン1
1、162は、一端を第1のシールド板15aの貫通孔
内に非接触の状態で挿入され、更にその一端は、絶縁碍
子141、142に設けられた貫通孔内にはめ込まれてい
る。
【0032】フィラメント固定ピン161、162の他端
は、符号171、172で示すように、それぞれフランジ
形状に成形されており、そのフランジ部分171、172
がシールド板15aを挟んで絶縁碍子141、142とは
反対側に位置するようにされている。このフランジ部分
171、172は第1のシールド板15aとは非接触の状
態にされている。
【0033】そのフィラメント固定ピン161、162
は、貫通孔が設けられており、フィラメント12はフラ
ンジ部171、172の付近に位置するようにして、その
両端がフィラメント固定ピン161、162の貫通孔内に
挿入されて固定されており、フィラメント12の両端
は、フィラメント固定ピン16l、162の内部を通っ
て、絶縁碍子141、142によって、筺体18とは電気
的に絶縁された状態で、筺体18外部に導出されてい
る。
【0034】筺体18の外部には加熱電源31が配置さ
れており、フィラメント12の両端のうち、フィラメン
ト固定ピン161から導出された方が、その加熱電源3
1の高電位側に接続され、フィラメント固定ピン162
から導出された方が低電位側に接続されており、加熱電
源31を起動するとフィラメント12に通電できるよう
に構成されている。
【0035】他方、リペラ固定ピン261、262は、一
端が第2のシールド板15bの貫通孔内に非接触の状態
で挿入され、更にその一端が絶縁碍子241、242に設
けられた貫通孔内にはめ込まれており、他端は、第2の
シールド板15bを挟んで絶縁碍子241、242とは反
対側に位置するように構成されている。その他端には、
リペラ13が、筺体18内部でその壁面とは非接触の状
態で位置するようにして固定されている。そのリペラ1
3は、絶縁碍子241、242によって、筺体18との絶
縁性が確保されている。
【0036】リペラ固定ピン261、262は、加熱電源
31の低電位側に接続されており、加熱電源31の電圧
を無視すれば、リペラ13は、リペラ固定ピン261
262を介してフィラメント12やフィラメント固定ピ
ン161、162と同電位になるように構成されている。
【0037】他方、第1、第2のシールド板15a、1
5bは、筺体18の内壁に密着固定されているので、筺
体18とは同電位になるように構成されている。筺体1
8の外部には、前述の加熱電源31の他、バイアス電源
32も配置されており、バイアス電源32の低電位側の
端子は加熱電源31の高電位側の端子に接続され、バイ
アス電源32の高電位側の端子は筺体18に接続されて
おり、バイアス電源32を起動すると、第1、第2のシ
ールド板15a、15b及び筺体18と、リペラ固定ピン
261、262及びリペラ13との間には約100Vの電
圧が印加されるように構成されている。
【0038】また、筺体18外部には、図示しない磁場
形成装置が設けられており、筺体18の内部には、フィ
ラメント12とリペラ13とを結ぶ軸に平行な方向の磁
場を形成できるように構成されており、磁場形成装置を
動作させ、そのような磁場を形成すると共に、バイアス
電源32を起動し、筺体18(及び第1、第2のシール
ド板15a、15b)を正電位、フィラメント12とリペ
ラ13とを負電位に置き、加熱電源31でフィラメント
12に通電して発熱させると、フィラメント12から熱
電子が放出される。
【0039】その熱電子は、フィラメント12と筺体1
8との間の電位差で加速され、磁場に巻き付きながらリ
ペラ13方向に移動するが、フィラメント12とリペラ
13とは、同電位なので、リペラ13に到達した熱電子
はフィラメント12側へ跳ね返される。跳ね返された熱
電子は、リペラ13と筺体18との間の電位差で再び加
速され、磁場に巻き付きながらフィラメント12方向に
移動するが、今度はフィラメント固定ピン161、162
のフランジ部171、172やフィラメント12自身によ
って再び跳ね返され、再度リペラ13方向に加速移動す
る。
【0040】このような運動を繰り返すことで、熱電子
はフィラメント12とリペラ13との間に閉じ込めら
れ、そして、フィラメント12とリペラ13との間にア
ーク放電が誘起されると、筺体18内に導入されたBF
3等のガスに解離や電離等の反応が生じ、筺体18内部
はプラズマ状態となる。プラズマ化したガスは、筺体1
8外部に配置されたイオン引出装置によって、イオン引
出口11から、イオンビームとして引き出される。
【0041】このとき、筺体18内の反応で生成された
正電荷の励起ガスイオンは、正電位にある筺体18とは
反発し、負電位にあるフィラメント固定ピン161、1
2やリペラ13に引きつけられるが、正電位にある第
1、第2のシールド板15a、15bに遮られ、筺体18
の中央へ押しやられる。
【0042】第1、第2のシールド板15a、15bには
貫通孔が設けられており、その貫通孔内にフィラメント
固定ピン161、162やリペラ固定ピン261、262
非接触の状態で挿入されているため、第1のシールド板
15aとフィラメント固定ピン161、162の間には隙
間19が生じ、第2のシールド板15bとリペラ固定ピ
ン261、262の間には隙間29が生じてしまう。図2
(a)に、隙間19部分の拡大図を示す。
【0043】隙間19付近にある励起ガスイオンや、隙
間19に侵入しようとした励起ガスイオンは、第1のシ
ールド板15aとは反発し、逆にフィラメント固定ピン
161、162側に吸引されるので、隙間19に侵入しず
らい。また、隙間19は、第1のシールド板15aとフ
ィラメント固定ピン161、162との間で放電が生じな
い範囲で、できるだけ狭く形成されている(一例として
約0.6mm)ので、隙間19内に侵入できる励起ガス
イオンはごく少量であり、更に、隙間19内に侵入でき
た少量の励起ガスイオンは、隙間19を通過する途中
で、第1のシールド板15aからは強い反発力を、フィ
ラメント固定ピン161、162からは強い吸引力を受け
るので、フィラメント固定ピン161、162に吸着され
てしまい、第1のシールド板15aの裏側までは到達で
きない。
【0044】第2のシールド板15bとリペラ固定ピン
261、262の間でも同様の電位関係にあり、隙間29
が狭くされている(一例として約0.6mm)ので、隙間
29に侵入できた励起ガスイオンであっても通過の途中
にリペラ固定ピン261、262に吸着されてしまい、絶
縁碍子241、242が汚染されない。
【0045】このように、励起ガスイオンは絶縁碍子1
1、142や絶縁碍子241、242には到達できないた
め、絶縁碍子が汚染されないようになり、イオン源2が
長寿命化した。特に、隙間19、29を狭くしたため、
電離していないガスも通過しずらくなり、絶縁碍子14
1、142の汚染が一層減った。従来は、絶縁耐圧の低下
のため、一月に6〜8回のイオン源交換を行っていたイ
オン注入装置では、イオン源内のフィラメント切れに起
因する2回〜4回の交換で済むようになった。
【0046】他方、従来技術のイオン源102では、第
1のシールド板115aは負電位であるため、励起ガス
イオンを引きつけてしまう。また、第1、第2のシール
ド板115a、115bと筺体118との間の隙間11
9、129が大きいため、励起ガスイオンに及ぼされる
反発力や吸引力は弱く、隙間119、129を通り抜け
てしまい、絶縁碍子1041、1042の表面が汚染され
やすい。
【0047】上述の隙間19、29は、0.6mmに限
定されるものではないが、望ましくは0.1mm以上、
1.0mm以下の範囲であることが望ましい。
【0048】なお、本発明のイオン源は、新材料開発に
重要な技術である表面改質装置にも用いることができる
他、電位差や磁場によってイオンを閉じ込める装置に広
く用いることができる。
【0049】
【発明の効果】耐圧が低下しなくなり、寿命が長くなっ
た。絶縁耐圧の低下で寿命が決定されなくなったので、
フィラメントの径を太くする等の対策により、更に長寿
命化を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の一例のイオン源内部を上方から
見た概略構成図 (b):そのイオン源内部を側方から見た概略構成図
【図2】 シールド板とフィラメント固定ピン付近の拡
大図 (a):本発明の場合 (b):従来技術の場合
【図3】(a):従来技術のイオン源内部を上方から見た
概略構成図 (b):そのイオン源内部を側方から見た概略構成図
【符号の説明】
2……イオン源 12……フィラメント 13……
リペラ 141、142……フィラメント固定用の絶縁
碍子 15a……第1のシールド板 15b……第2
のシールド板 161、162……フィラメント固定ピ
ン 18……筺体 19、29……隙間 2
1、242……リペラ固定用の絶縁碍子 261、2
2……リペラ固定ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木原 健一 神奈川県茅ヶ崎市萩園2500 日本真空技術 株式会社内 (72)発明者 花野 要次郎 兵庫県姫路市余部区上余部50番地 株式会 社東芝姫路半導体工場内 (72)発明者 郡安 貴久 兵庫県姫路市余部区上余部50番地 株式会 社東芝姫路半導体工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の筺体と、フィラメントと、フィ
    ラメント固定ピンと、セラミック製のフィラメント固定
    用絶縁碍子とを有し、 前記フィラメント固定用絶縁碍子は前記筺体にはめ込ま
    れ、 前記フィラメント固定ピンは前記フィラメント固定用の
    絶縁碍子にはめ込まれ、 前記フィラメントは前記筺体内に配置され、前記フィラ
    メント固定ピンに固定され、通電できるように構成され
    たイオン源であって、 前記フィラメントと前記フィラメント固定用の絶縁碍子
    との間には、外周が前記筺体の内壁に密着固定された第
    1のシールド板が設けられ、 前記フィラメント固定ピンの先端は前記第1のシールド
    板に設けられた貫通孔から第1のシールド板とは非接触
    の状態でフィラメント側に突き出されていることを特徴
    とするイオン源。
  2. 【請求項2】 前記第1のシールド板の貫通孔内で、前
    記フィラメント固定ピンと前記第1のシールド板とがで
    きるだけ近接するように構成されたことを特徴とする請
    求項1記載のイオン源。
  3. 【請求項3】 金属製のリペラと、リペラ固定ピンと、
    第2のシールド板と、セラミック製のリペラ固定用の絶
    縁碍子とを有し、 前記リペラ固定用の絶縁碍子は前記筺体にはめ込まれ、 前記第2のシールド板は前記筺体内部に配置され、外周
    が前記筺体の壁面に密着固定され、 前記リペラ固定ピンは、前記第2のシールド板に設けら
    れた貫通孔に前記第2のシールド板とは非接触の状態で
    挿入され、一端は前記リペラ固定用の絶縁碍子にはめ込
    まれ、他端は前記リペラが固定され、 前記筺体外部に配置された電源によって、前記リペラ固
    定ピンを介して前記リペラと前記筺体との間に電圧を印
    加できるように構成されたイオン源であって、 前記第2のシールド板の貫通孔内で、前記第2のシール
    ド板と前記リペラ固定ピンとはできるだけ近接するよう
    に構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2の
    いずれか1項記載のイオン源。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030070992A (ko) * 2002-02-27 2003-09-03 삼성전자주식회사 반도체 임플랜터 설비의 필라멘트 절연 장치
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WO2023091267A1 (en) * 2021-11-22 2023-05-25 Applied Materials, Inc. Shield for filament in an ion source

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