JPH115310A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH115310A
JPH115310A JP17759897A JP17759897A JPH115310A JP H115310 A JPH115310 A JP H115310A JP 17759897 A JP17759897 A JP 17759897A JP 17759897 A JP17759897 A JP 17759897A JP H115310 A JPH115310 A JP H115310A
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base plate
collet
recording head
adhesive
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JP17759897A
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English (en)
Inventor
Koji Yamakawa
浩二 山川
Takeshi Origasa
剛 折笠
Hiroyuki Kigami
博之 木上
Kimiyuki Hayashizaki
公之 林崎
Hisashi Fukai
恒 深井
Noriyuki Ono
敬之 小野
Satoshi Kudo
諭 工藤
Masayoshi Okawa
雅由 大川
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベースプレートと素子基板の位置決めの際
に、コレットの加工精度や素子基板の切断精度のバラツ
キ等の影響を受けることなく高精度の位置補正を可能と
し、効率良い位置合わせを可能とする液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法。 【解決手段】 液体噴射記録ヘッドの実装組立基準とな
るベースプレート1の上面に接着剤3を塗布した後に、
吐出エネルギー発生素子列を有する素子基板2を搬送用
コレット7によりベースプレート1上に供給し、次に切
欠き8aを設けた位置補正用コレット8で素子基板2を
把持した状態で素子基板の両コーナー部2aの位置検出
を行ない、目標とする位置からのズレ量を位置補正用コ
レット8で素子基板2を把持したままベースプレート1
側の移動手段10〜12を移動させて微調補正して位置
合わせを行ない、その後に接着剤3を硬化させる。高精
度の位置合わせと安定した実装を効率良く実現でき、実
装タクトを短縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録装置
等に使用される液体噴射記録ヘッドの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置等に使用される液体噴
射記録ヘッドは、複数の吐出エネルギー発生素子(例え
ば、電気熱変換素子)を所定の間隔をおいて形成した素
子基板と、インク等の液体を吐出する複数の吐出口およ
び各吐出口にそれぞれ連通する複数の液流路溝が形成さ
れた天板とからなり、吐出エネルギー発生素子と吐出口
および液流路溝を正確に位置合わせした状態で素子基板
と天板とを組み合わせて接合し、吐出エネルギー発生素
子により液流路溝内の液体に吐出エネルギーを付与する
ことによって吐出口から液体を液滴として噴射させて印
字記録を行なうように構成されている。
【0003】この種の液体噴射記録ヘッドにおいて、図
3に図示するように、ベースプレート1に接着剤3によ
り接着固定される素子基板(ヒーターボード)2は、超
精密エッチング技術を用いて形成される複数の吐出エネ
ルギー発生素子(電気熱変換素子)2aが所定の間隔を
おいて配列され、この素子基板2に接合される天板4
は、複数の吐出口5aが所定の精度で形成された吐出口
プレート5を有し、複数の吐出口5aにそれぞれ対応す
る複数の液流路溝4aおよび図示しない共通液室や液受
け口4bが形成されている。そして、液体噴射記録ヘッ
ドの組立て製造方法は、記録ヘッドの組立基準となるベ
ースプレート1の上面に接着剤3を塗布し、その位置へ
複数の吐出エネルギー発生素子2aを有する素子基板2
を位置決めして貼り合わせ、熱キュアして接着剤3を硬
化させ、次に、複数の吐出口5aを形成した吐出口プレ
ート5と液流路溝4aを有する天板4を素子基板2の上
に載せ、素子基板2の吐出エネルギー発生素子2aと天
板4の液流路溝4aとを画像処理で位置合わせした後に
接合し、ばねまたは接着剤等により固定する各工程から
構成されている。
【0004】そして、液体噴射記録ヘッドの組立て工程
の一工程であるダイボン(DB)実装工程においては、
次のように行なわれている。 (1)ベースプレート1を装置基準の突き当てブロック
にメカクランプ固定し、ベースプレート1の上面の貼り
合わせ位置に接着剤3を塗布する。 (2)角錐コレットで素子基板2を仮置き台から吸着搬
送し、ベースプレート1の上面の貼り合わせ位置へ押し
付け、位置決めする。 (3)その後、角錐コレットを素子基板2から離し、ベ
ースプレート1と素子基板2を貼り合わせたまま位置認
識位置へ移動させ、素子基板2上面のアライメントマー
クによってベースプレート1と素子基板2のズレ量を位
置検出する。 (4)再度、素子基板2を角錐コレットで吸着して、位
置検出した位置ズレ量を素子基板2側を固定してベース
プレート1側の移動によって補正する。この時に、貼り
合わせ精度が規定内に入るまで補正動作を繰り返し行な
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では次のような種々の問題点があった。
【0006】現行のダイボン貼り合わせでは位置精度の
バラツキが問題になっており、その要因として、先ず第
1に、角錐コレットの加工精度誤差と、素子基板の切断
精度のバラツキとが合わさった形で、素子基板が角錐コ
レット内でガタを生じ、位置精度のバラツキとなり、そ
して、第2に、現行の実装方式においては、素子基板の
位置検出後の角錐コレットの再度の吸着動作が素子基板
の位置ズレをさらに生じさせている。
【0007】これらの要因から貼り合わせ位置精度が不
安定になり、また補正回数の増加にもなってタクトオー
バーの問題になっている。
【0008】また、装置基準の突き当てブロックにメカ
クランプされたベースプレートに対して、素子基板の
X、Y、θ方向の補正機構を備えていないために、平行
度を出すにはコレットの取り付け調整による精度に依存
している。また、その条件出しの時間が大幅にかかって
しまうために段取りロスが大きい。
【0009】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決な課題に鑑みてなされたものであって、液体噴射
記録ヘッドの製造方法において、ベースプレート上に素
子基板を位置決めして貼り合わせる際に、素子基板を吸
着把持するコレットの加工精度の誤差や素子基板の切断
精度のバラツキ等の影響を受けることなく高精度の位置
補正を可能とし、位置精度を向上させかつ効率良く位置
合わせすることができる液体噴射記録ヘッドの製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、液体噴
射記録ヘッドの実装組立基準となるベースプレートに吐
出エネルギー発生素子列を有する素子基板を位置決め貼
り合わせ、前記素子基板上の吐出エネルギー発生素子列
に対応する液流路溝列を有する天板を前記素子基板に接
合して形成する液体噴射記録ヘッドの製造方法におい
て、素子基板をベースプレートに位置決めして貼り合わ
せる際に、ベースプレート上面に接着剤を塗布した後
に、素子基板を第1のコレットにより前記ベースプレー
ト上に供給し、次に第2のコレットを用いて前記素子基
板を把持した状態で素子基板の位置検出を行ない、目標
とする位置からのズレ量を前記第2のコレットで前記素
子基板を把持したまま前記ベースプレート側を移動させ
て位置合わせを行ない、その後に、接着剤を仮硬化さ
せ、前記第2のコレットの把持を解除することを特徴と
する。
【0011】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、素子基板の位置検出は、素子基板の
上部から前記素子基板の上面の両サイドコーナー部にて
行なうことが好ましく、また、ベースプレートと素子基
板との位置合わせは、第2のコレットで素子基板を把持
したまま、X、Y、θの各方向の補正量をベースプレー
ト側の移動手段で微調補正することが好ましい。
【0012】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、ベースプレート上面に少なくとも2
種類以上の接着剤を塗布し、素子基板を位置決めした後
に固定する際に、少なくとも1種類の接着剤を先行硬化
させ、その後に他の接着剤を硬化させることが好まし
く、そして、ベースプレート上面に塗布する少なくとも
2種類以上の接着剤のうち先行して硬化させる接着剤
は、後に硬化させる他の接着剤よりも硬化時間が短いこ
とが好ましい。
【0013】
【作用】本発明によれば、液体噴射記録ヘッドの実装組
立基準となるベースプレートに吐出エネルギー発生素子
列を有する素子基板を位置決めして貼り合わせる際に、
ベースプレート上面に接着剤を塗布した後に、素子基板
を第1のコレットによりベースプレート上に供給し、次
に先端両角部に切欠きを設けた第2のコレットを用いて
素子基板を把持した状態で素子基板の両サイドコーナー
部の位置検出を行ない、目標とする位置からのズレ量を
第2のコレットで素子基板を把持したままベースプレー
ト側の移動手段を移動させて微調補正して位置合わせを
行ない、その後に、接着剤を硬化させるようにしてお
り、第2のコレットで素子基板を把持したまま素子基板
外形の位置認識ができることにより、コレットの加工精
度誤差や素子基板の切断精度のバラツキ量をキャンセル
した位置補正がかけられ、高精度の位置合わせと安定し
た実装が実現でき、また、素子基板外形の位置認識が可
能になるので、1回の位置補正で精度の良い位置合わせ
を行なうことができ、実装タクトを短縮することができ
る。
【0014】さらに、ベースプレートに塗布する接着剤
として少なくとも2種類の接着剤を用いて、少なくとも
1種類の接着剤を先行硬化させることにより、位置合わ
せ後の次工程への搬送時におけるベースプレートと素子
基板間の位置ズレをなくすることできる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0016】図1の(a)は本発明に係る液体噴射記録
ヘッドの製造方法の第1の実施例が適用される装置の概
略的な斜視図であり、図1の(b)は位置補正用コレッ
ト、素子基板およびベースプレートの位置関係を示す図
である。
【0017】図1において、1は液体噴射記録ヘッドの
実装組立基準となるベースプレートであり、2はインク
等の液体に吐出エネルギーを付与して液体を吐出させる
ための吐出エネルギー発生素子列を有する素子基板であ
り、ベースプレート1の上面に接着剤3を介して位置決
めされて貼り合わされる。7は搬送用コレットであり、
素子基板2を吸着把持して、図示しない仮位置決め台か
らベースプレート1の上面まで搬送供給するためのコレ
ットであり、8は素子基板1を吸着把持してその位置を
補正するための位置補正用コレットであり、素子基板2
を吸着把持したときにその素子基板2の両サイドコーナ
ー部を露出させるように、先端両角部に切欠き8a、8
aを設けてある。9は画像処理光学系であり、素子基板
2の両サイドコーナー部を観察し画像処理することがで
きるように配置されている。そして、θステージ10、
Xステージ11、Yステージ12からなるベースプレー
ト保持部は、その上面にベースプレート位置決め用の基
準ブロック6が配設され、さらに、ベースプレート1を
XおよびY方向にクランプするクランプ手段(図示しな
い)とベースプレート1の裏面を吸着して保持する吸着
手段(図示しない)を備えている。
【0018】次に、本発明の第1の実施例に基づく素子
基板の実装手順について説明すると、先ず、ベースプレ
ート1をベースプレート保持部のベースプレート位置決
め用の基準ブロック6に当接させて位置決めし、Xおよ
びY方向のクランプ手段およびZ方向の吸着手段によっ
てベースプレート1を位置決め固定する。そして、ベー
スプレート1上面の所定の素子基板貼り合わせ位置に接
着剤3を塗布する。
【0019】予め仮位置決め台(図示しない)において
仮位置決めされている素子基板2を、搬送用コレット7
により吸着把持して搬送し、ベースプレート1の上面の
所定の貼り合わせ位置に供給して貼り合わせる。その後
に、搬送用コレット7は、素子基板2の吸着を解除し上
昇して退避する。
【0020】次に、位置補正用コレット8を素子基板2
の上部に移動させて素子基板2を吸着把持させる。そし
て、位置補正用コレット8の両角部に設けられている切
欠き8aおよび8aを通して観察できる素子基板2の前
端面側の両サイドコーナー部2a、2a(図1の(b)
参照)を上方から画像処理光学系9で観察し画像処理を
行ない、素子基板2のサイドコーナー部2aおよび2a
のX、Y、θ方向の各位置を認識し、目標位置に対する
位置ズレすなわち位置補正量を算出する。そして、その
算出結果に基づいて、ベースプレート1側のXステージ
11、Yステージ12およびθステージ10により位置
補正量を移動させる。
【0021】位置補正が終了した後に、位置補正用コレ
ット8は素子基板2の吸着把持を解除して、上方へ移動
し、そして、ベースプレート1のクランプを解除する。
その後に、位置決めされ貼り合わされたベースプレート
1と素子基板2は熱キュア処理等の次工程へ搬送され
る。
【0022】上述した本実施例においては、素子基板2
の位置決めのために、吸着搬送用と位置補正用の2種類
のコレット7、8を採用しており、先端両角部に切欠き
8a、8aを設けた位置補正用コレット8を用いること
によって、素子基板の外形を直接画像認識することが可
能となり、コレット製作加工精度の誤差やガタ量に影響
を受けることなく素子基板の位置補正ができ、高精度な
位置決めを行なうことができ、さらに、位置補正用コレ
ット8で素子基板を把持したまま素子基板の外形を直接
画像認識することができ、素子基板の切断精度のバラツ
キに影響されない高精度な位置補正が可能となる。
【0023】また、ベースプレートをベースプレート保
持部の装置突き当て基準にクランプ固定し、位置補正用
コレット8で素子基板2を把持したまま素子基板2の外
形の両サイドコーナー部を位置検出することができ、素
子基板2側を基準にして、ベースプレート1側の移動機
構によってX、Y、θ方向の微調補正が可能になる。
【0024】さらに、素子基板の外形の直接位置認識が
可能であるので、1回の位置補正で高精度の位置合わせ
を行なうことができるために、実装タクトが短縮され
る。
【0025】次に、本発明に係る液体噴射記録ヘッドの
製造方法の第2の実施例について説明するに、図2の
(a)は本発明に係る液体噴射記録ヘッドの製造方法の
第2の実施例が適用される装置の概略的な斜視図であ
り、図2の(b)は位置補正用コレット、素子基板およ
びベースプレートの位置関係を示し、さらに接着剤硬化
機器により第2の接着剤を硬化させる態様を示す図であ
る。
【0026】前記第1の実施例においては、ベースプレ
ート1と素子基板2とを貼り合わせて位置決めするため
の接着剤として熱および自然硬化タイプの接着剤を用い
ているために、ベースプレート1と素子基板2の位置決
め後に熱キュア処理等の次の工程までその状態を接着剤
の粘性で保持した形で搬送しなければならない。そのた
めに、搬送時においてベースプレート1と素子基板2間
で位置ズレが生じることがある。そこで、本実施例で
は、接着剤として少なくとも2種類の接着剤を用いるこ
とによって、位置合わせ後の次工程への搬送時における
ベースプレート1と素子基板2間の位置ズレをなくする
ことを課題とするものである。
【0027】そこで、本実施例においては、図2の
(b)に示すように、ベースプレート1上面の素子基板
2の貼り合わせ位置に塗布する複数種類の接着剤3a、
3b…の内の少なくとも一種類の接着剤を加熱または光
の照射で硬化させるための接着剤硬化機器13を貼り合
わせ位置に対応するように設置する。なお、図2におい
て、前記第1の実施例と同様の部材には同一符号を付し
て説明する。
【0028】本発明の第2の実施例に基づく素子基板の
実装手順について説明すると、先ず、ベースプレート1
をベースプレート保持部のベースプレート位置決め用の
基準ブロック6に当接させて位置決めし、XおよびY方
向のクランプ手段およびZ方向の吸着手段によってベー
スプレート1を位置決め固定する。そして、ベースプレ
ート1上面の所定の素子基板貼り合わせ位置に第1の接
着剤3aを塗布し、さらに第1の接着剤3aの両側に第
2の接着剤3b、3bを塗布する。なお、第2の接着剤
3b、3bは、素子基板2を貼り合わせた際に素子基板
2の両側縁からややはみだす程度に塗布することが好ま
しい。
【0029】その後のベースプレート1に対する素子基
板2の供給、位置検出および各ステージによる位置補正
の手順は、第1の実施例と同様の作動により行なう。そ
の後に、位置補正用コレット8が素子基板2の吸着把持
を解除する前に、接着剤硬化機器13により、素子基板
2の両側縁からはみだした第2の接着剤3b、3bを加
熱または光の照射で仮硬化させる。
【0030】そしてその後、位置補正用コレット8を素
子基板2の吸着把持を解除させて上昇させ、ベースプレ
ート1のクランプを解除する。
【0031】このようにすることによって、本実施例に
おいては、前記第1の実施例と同様の作用効果を奏する
とともに、さらに、ベースプレート1および素子基板2
を次工程へ搬送する際にも接着剤の一部が確実に仮硬化
されているためにベースプレート1および素子基板2間
に位置ズレ等が発生することがない。
【0032】また、本発明は、特に液体噴射記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッ
ド、記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0033】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0034】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0035】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0036】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0037】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0038】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0039】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0040】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0041】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0042】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成されている
ので、位置補正用コレットで素子基板を把持したまま素
子基板外形の位置認識ができることにより、コレットの
加工精度誤差や素子基板の切断精度のバラツキ量等の影
響を受けることなく位置補正がかけられ、高精度の位置
合わせと安定した実装を効率良く実現することができ
る。
【0044】また、素子基板を把持した状態で直接素子
基板の外形の位置認識を行ない、素子基板の位置を基準
として固定させ、ベースプレート側の移動機構によっ
て、X、Y、θ方向の微調補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る液体噴射記録ヘッドの製
造方法の第1の実施例が適用される装置の概略的な斜視
図であり、(b)は位置補正用コレット、素子基板およ
びベースプレートの位置関係を示す図である。
【図2】(a)は本発明に係る液体噴射記録ヘッドの製
造方法の第2の実施例が適用される装置の概略的な斜視
図であり、(b)は位置補正用コレット、素子基板およ
びベースプレートの位置関係を示し、さらに接着剤硬化
機器により第2の接着剤を硬化させる態様を示す図であ
る。
【図3】(a)は液体噴射記録ヘッドの構成を分解して
示す斜視図であり、(b)はその一部を破断して示す拡
大斜視図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート 2 素子基板 2a サイドコーナー部 3 接着剤 3a、3b 接着剤 4 天板 6 基準ブロック 7 搬送用(第1の)コレット 8 位置補正用(第2の)コレット 8a 切欠き 9 画像処理光学系 10 θステージ 11 Xステージ 12 Yステージ 13 接着剤硬化機器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林崎 公之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 深井 恒 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小野 敬之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 工藤 諭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大川 雅由 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体噴射記録ヘッドの実装組立基準とな
    るベースプレートに吐出エネルギー発生素子列を有する
    素子基板を位置決め貼り合わせ、前記素子基板上の吐出
    エネルギー発生素子列に対応する液流路溝列を有する天
    板を前記素子基板に接合して形成する液体噴射記録ヘッ
    ドの製造方法において、 素子基板をベースプレートに位置決めして貼り合わせる
    際に、ベースプレート上面に接着剤を塗布した後に、素
    子基板を第1のコレットにより前記ベースプレート上に
    供給し、次に第2のコレットを用いて前記素子基板を把
    持した状態で素子基板の位置検出を行ない、目標とする
    位置からのズレ量を前記第2のコレットで前記素子基板
    を把持したまま前記ベースプレート側を移動させて位置
    合わせを行ない、その後に、接着剤を仮硬化させ、前記
    第2のコレットの把持を解除することを特徴とする液体
    噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 素子基板の位置検出は、素子基板の上部
    から前記素子基板の上面の両サイドコーナー部にて行な
    うことを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッド
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 ベースプレートと素子基板との位置合わ
    せは、第2のコレットで素子基板を把持したまま、X、
    Y、θの各方向の補正量をベースプレート側の移動手段
    で微調補正することを特徴とする請求項1または2記載
    の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 ベースプレート上面に少なくとも2種類
    以上の接着剤を塗布し、素子基板を位置決めした後に固
    定する際に、少なくとも1種類の接着剤を先行硬化さ
    せ、その後に他の接着剤を硬化させることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1項記載の液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 ベースプレート上面に塗布する少なくと
    も2種類以上の接着剤のうち先行して硬化させる接着剤
    は、後に硬化させる他の接着剤よりも硬化時間が短いこ
    とを特徴とする請求項4記載の液体噴射記録ヘッドの製
    造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6848209B2 (en) 2000-12-08 2005-02-01 Fuji Kogyo Co., Ltd. Reel seat for fishing rod and fishing rod incorporating the reel seat

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