JPH1152557A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JPH1152557A
JPH1152557A JP21220497A JP21220497A JPH1152557A JP H1152557 A JPH1152557 A JP H1152557A JP 21220497 A JP21220497 A JP 21220497A JP 21220497 A JP21220497 A JP 21220497A JP H1152557 A JPH1152557 A JP H1152557A
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JP
Japan
Prior art keywords
acid
photosensitive
printing plate
plate
weight
Prior art date
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Pending
Application number
JP21220497A
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English (en)
Inventor
Koichiro Aono
小一郎 青野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication of JPH1152557A publication Critical patent/JPH1152557A/ja
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 端部に汚れが発生せず、かつ合紙をはさまず
に版を積み重ね、長時間経過した後でも版と版が張りつ
かずに良好な給版性を示し、露光部の定盤にアルミの粉
が発生しない感光性平版印刷版を提供すること。 【解決手段】 親水性表面を有するアルミニウム支持体
に感光層が設けられている感光製平版印刷版において、
該アルミニウム支持体の対向する少なくとも2辺の端部
の上面が上に凸の湾曲面であり、該端部下面に、高さが
5〜40μm 、面積が20〜1000μm2であるバリ部
が突出し、該支持体下面に1g/m2 以上の陽極酸化処
理が施されていることを特徴とする感光性平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版に
関し、更に詳しくは、端部に汚れが発生することがな
く、かつ良好な給版性を示し、露光部の定盤にアルミの
粉が発生しない感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板を支持体とする感光性平
版印刷版は、市販され広く用いられている。かかる感光
性平版印刷版を製造する方法としては、一般にシート状
あるいはコイル状のアルミニウム板に砂目立て、陽極酸
化、化成処理などの種々の表面処理を単独又は適宜組み
合わせて施し、次いで感光液を塗布、乾燥してから所望
のサイズに裁断する方法が採られている。このような感
光性平版印刷版を画像露光及び現像等の処理をして得ら
れた印刷版を用いて印刷する場合、通常の枚葉印刷機に
より印刷版のサイズよりも小さい紙に印刷するときのよ
うに印刷版の端部に相当する部分が印刷面とならない場
合には問題はないが、新聞印刷のような輪転機を用いて
ロール状の紙に連続して印刷する場合には、印刷版の端
部となる部分が印刷面となってしまう為、端部に付着し
たインクも紙に印刷されて汚れとなり、印刷物の商品価
値を著しく損ねていた。かかる印刷版の端部の汚れを防
止する方法として、例えば特公昭57−46754号公
報には、アルミニウム支持体の端面を、アルミニウム表
面に対してなす角θが10〜45°となるように切削す
る方法が開示されているが、1万枚以上印刷すると端部
にインキが蓄積され汚れが発生してくる。また、特開平
9−52466号公報には、印刷版の端部の汚れを防止
する方法として、アルミニウム支持体の端面の角部が屈
曲部を有さない凸曲面で構成されるように裁断されたこ
とを特徴とする平版印刷版が開示されているが、係る平
版印刷版の裏面角部にバリと呼ばれる突出が生じやす
く、自動製版機において露光部に搬送される際にアルミ
ニウム板の裏面のバリ部と定盤とが擦れてアルミの粉が
発生したり、定盤上でのセンサー光等による位置決めの
際に位置不良等の問題が生じる。しかし、室温以上の温
度において、合紙をはさまずに版を積み重ねた状態で長
時間経過すると、従来の端部形状を有する平版印刷版で
は、版と版とが張りついてしまい、著しく作業性が損な
われるという問題があったが、このようなバリが生じる
と、室温以上の温度で合紙を挟まずに版を積み重ね、圧
力のかかった状態で長時間置いた場合、感光層とこれに
接しているその上に積み重ねられたプレートの裏面とが
張りつかず、自動製版機による搬送が向上していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、端部に汚れ
が発生せず、かつ合紙をはさまずに版を積み重ね、長時
間経過した後でも版と版が張りつかずに良好な給版性を
示し、露光部の定盤にアルミの粉が発生せず、かつ定盤
上での位置不良も生じない感光性平版印刷版を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、親
水性表面を有するアルミニウム支持体に感光層が設けら
れている感光製平版印刷版において、該アルミニウム支
持体の対向する少なくとも2辺の端部の上面が上に凸の
湾曲面であり、該端部下面に、高さが5〜40μm 、面
積が20〜1000μm2であるバリ部が突出し、該支持
体下面に1g/m2 以上の陽極酸化処理が施されている
ことを特徴とする感光性平版印刷版により達成できる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳細に説明する。
シート状あるいはコイル状のアルミニウム板の感光層面
(印刷面)を種々の方法で脱脂洗浄し、種々の方法で砂
目立てし、次いで必要に応じ残渣を除去した後、感光層
面及び裏面を1g/m2 以上の陽極酸化処理、さらに親
水化処理を行なう。その後、印刷面上に感光液を塗布
し、乾燥する。該アルミニウム支持体を所望の印刷機に
合ったサイズにスリットする際に、該アルミニウム支持
体の対向する2辺もしくは4辺の端部上面が感光層面か
ら離れる方向に曲げられて形成された湾曲面を有し、端
部裏面に高さが10〜40μm 、面積が20〜1000
μm2であるバリ部を有する形状となるように裁断して本
発明の感光性平版印刷版を作製する。また、シート状あ
るいはコイル状のアルミニウム板を、支持体の対向する
2辺もしくは4辺の端部に沿って、感光層面から離れる
方向に曲げられて形成された湾曲面を有し、下端部裏面
にバリを有する形状となるように裁断した後、感光層面
及び裏面に陽極酸化処理、さらに親水化処理を行って本
発明の感光性平版印刷版を作製してもよい。このように
作製された本発明の感光性平版印刷版を使用することに
より、驚くべきことに印刷時の端部の汚れが大幅に改善
され、かつ合紙をはさまずに版を積み重ね、長時間経過
した後でも版と版が張りつかずに良好な給版性を示し、
露光部の定盤にアルミの粉が発生せず、また定盤上での
位置不良も生じなかった。
【0006】シート状あるいはコイル状のアルミニウム
板の粗面化処理及びスマット除去を行った後、アルミニ
ウム板の上面(印刷面)及び下面(裏面)に陽極酸化皮
膜が設けられる。陽極酸化法は、従来よりよく知られて
いる方法を用いることが出来るが、硫酸が最も有用な電
解液として用いられる。それに次いで、リン酸もまた有
用な電解液である。さらに特開昭55−28400号公
報に開示されている硫酸とリン酸の混酸もまた有用であ
る。硫酸法は通常直流電流で処理が行われるが、交流を
用いることも可能である。硫酸の濃度5〜30重量%、
20〜60℃の温度範囲で5〜250秒間電解処理され
て、表面に1g/m2 以上、好ましくは1〜10g/m
2 の酸化皮膜が設けられる。裏面の酸化皮膜量が1g/
2 より少ない場合には、裏面のバリ部と定盤とが擦れ
てアルミの粉が発生する。また、この電解液には、アル
ミニウムイオンが含まれていることが好ましい。さらに
このとき電流密度は1〜20A/dm2 が好ましい。リン
酸法の場合には、5〜50重量%のリン酸濃度、30〜
60℃の温度で、10〜300秒間、1〜15A/dm2
の電流密度で処理される。
【0007】また、更に必要に応じて米国特許第2,71
4,066号明細書や米国特許第3,181,461号明細書
に記載されている珪酸塩(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カ
リウム)処理、米国特許第2,946,638号明細書に記
載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特
許第3,201,247号明細書に記載されているホスホモ
リブデート処理、英国特許第1,108,559号明細書に
記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,
091,433号明細書に記載されているポリアクリル酸
処理、独国特許第1,134,093号明細書や英国特許第
1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホ
スホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載され
ているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明
細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−1
6893号や特開昭58−18291号の各公報に記載
されている親水性有機高分子化合物と2価の金属との塩
による処理、特開昭59−101651号公報に記載さ
れているスルホン酸基を有する水溶性重合体の下塗りに
よって親水化処理を行ったもの、特開昭60−6435
2号公報に記載されている酸性染料による着色を行った
ものは、特に好ましい。その他の親水化処理方法として
は米国特許第3,658,662号明細書に記載されている
シリケート電着をも挙げることが出来る。また、砂目立
て処理及び陽極酸化後、封孔処理を施したものが好まし
い。かかる封孔処理は熱水及び無機塩または有機塩を含
む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸気浴などによって行わ
れる。
【0008】上部表面及び裏面に陽極酸化皮膜を設けた
アルミニウム板を、図1のスリッタ装置の裁断部、図2
および3の裁断刃を用いて裁断し、図4に示すような端
部形状を形成させる。図1は、スリッタ装置の裁断部を
示す断面図である。スリッタ装置には、上下一対の裁断
刃10、20が左右に配置されている。これらの裁断刃
10、20は円板上の丸刃からなり、上側裁断刃10a
および10bは回転軸11に、下側裁断刃20aおよび
20bは回転軸21に、それぞれ同軸上に支持されてい
る。そして、上側裁断刃10aおよび10bと下側裁断
刃20aおよび20bとは、相反する方向に回転され
る。アルミニウムのシート30は、上側裁断刃10a、
10bと下側裁断刃20a、20bとの間を通されて所
定の幅に裁断される。更に具体的には、図1のスリッタ
装置の裁断部の上側裁断刃10aと下側裁断刃20aと
の隙間および上側裁断刃10bと下側裁断刃20bとの
隙間を、30〜100 μm に設定して図4に示すような端部
の形状を形成させる。図2は、本発明の上側裁断刃10
aと下側裁断刃20aの形状を示すものである。また、
図3は、図2のA部の拡大図であって、上側裁断刃10
aの先端形状と下側裁断刃20aの先端形状および上側
裁断刃と下側裁断刃の隙間を示す。
【0009】図4は、図1のスリッタ装置、図2の裁断
刃を用いて上側裁断刃と下側裁断刃の隙間を50μm の
裁断を行った実施例1のアルミニウムシートの端部の形
状を示す。図4の切欠部の形状は凸型に湾曲しているこ
とが好ましく、より好ましくは屈曲部を有さない凸型湾
曲である。屈曲部を有する場合には屈曲部にインキが付
着して汚れが発生する。図4のダレ高さ(X)の好まし
い範囲は30〜100μm 、より好ましい範囲は40〜
80μm である。図4の切欠部の面積の好ましい範囲は
500〜20000μm2、より好ましい範囲は2000
〜15000μm2である。図4のバリ高さ(Y)の好ま
しい範囲は5〜40μm 、バリ部面積(S2)の好まし
い範囲は20〜1000μm2である。図4のバリ高さ
(Y)が5μm 未満の場合は、給版不良が生じる。ま
た、バリ高さ(Y)が40μm より大きい場合には、切
り粉の発生及び定盤での位置不良が生じる。図4のバリ
部面積(S2)の面積が20μm2より小さい場合には、
端部に汚れが発生し、また給版不良が生じる。また、図
4のバリ部面積(S2)が1000μm2より大きい場合
には、切り粉の発生が生じる。また、センサー感度が悪
くなるため、定盤での位置不良も生じる。
【0010】本発明に使用する支持体としては、アルミ
ニウム及びアルミニウム被覆された複合支持体が好まし
く、さらに鉄を0.1〜0.5重量%、ケイ素を0.03〜0.
3重量%、銅を0.001〜0.03重量%、更にチタンを
0.002〜0.1重量%含有する1Sアルミニウム板が好
ましい。
【0011】アルミニウム材の表面は、保水性を高め、
感光層との密着性を向上させる目的で表面処理されてい
ることが望ましい。アルカリ好ましくは、1〜30重量
%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、珪酸ナトリウム等の水溶液に、20〜80℃の温度
で5秒〜250秒間浸漬してエッチングするのもよい。
エッチング浴には、アルミニウムイオンをアルカリの5
分の1程度加えても良い。ついで、10〜30重量%硝
酸または硫酸水溶液に20〜70℃の温度で5秒〜25
秒間浸漬して、アルカリエッチング後の中和及びスマッ
ト除去を行う。例えば、粗面化方法として、一般に公知
のブラシ研磨法、ボール研磨法、電解エッチング、化学
的エッチング、液体ホーニング、サンドブラスト等の方
法およびこれらの組合せが挙げられ、好ましくはブラシ
研磨法、電解エッチング、化学的エッチングおよび液体
ホーニングが挙げられ、これらのうちで、特に電解エッ
チングの使用を含む粗面化方法が好ましい。さらに、特
開昭54−63902号公報に記載されているようにブ
ラシ研磨した後、電解エッチングする方法も好ましい。
【0012】また、電解エッチングの際に用いられる電
解浴としては、酸、アルカリまたはそれらの塩を含む水
溶液あるいは有機溶剤を含む水性溶液が用いられ、これ
らのうちで、特に塩酸、硝酸またはそれらの塩を含む電
解液が好ましい。ブラシ研磨はパミストン−水懸濁液と
ナイロンブラシとを用いるのが好ましく、平均表面粗さ
を0.25〜0.9μmとすることが好ましい。電解エッチ
ング処理に使用される電解液は塩酸、または硝酸の水溶
液であり、濃度は0.01〜3重量%の範囲で使用するこ
とが好ましく、0.05〜2.5重量%であれば更に好まし
い。また、この電解液には必要に応じて硝酸塩、塩化
物、モノアミン類、ジアミン類、アルデヒド類、リン
酸、クロム酸、ホウ酸、シュウ酸アンモニウム塩等の腐
蝕抑制材(または安定化剤)、砂目の均一化剤などを加
えることが出来る。また電解液中には、適当量(1〜1
0g/リットル)のアルミニウムイオンを含んでいても
よい。
【0013】電解エッチング処理は、通常10〜60℃
の電解液の温度で行なわれる。この際に使用される交流
電流は、正負の極性が交互に交換されたものであれば、
矩形波、台形波、正弦波いずれのものも用いることがで
き、通常の商用交流の単相及び三相交流電流を用いるこ
とができる。また電流密度は、5〜100A/dm2 で、
10〜300秒間処理することが望ましい。本発明にお
けるアルミニウム合金支持体の表面粗さは、電気量によ
って調整し、0.2〜0.8μmとする。
【0014】さらに、粗面化処理の施されたアルミニウ
ム板は、必要に応じて酸またはアルカリの水溶液にてデ
スマット処理される。このように砂目立てされたアルミ
ニウム合金は、10〜50重量%の熱硫酸(40〜60
℃)や希薄なアルカリ(水酸化ナトリウム等)により、
表面に付着したスマットの除去及びエッチング(好まし
くは0.01〜2.0g/m2 の範囲で)されるのが好まし
い。アルカリでスマットの除去及びエッチングした場合
は、引き続いて洗浄のため酸(硝酸または硫酸)に浸漬
して中和する。
【0015】さらに、アルミニウム支持体には下塗りを
施してもよい。下塗りに用いられる化合物としては例え
ば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラ
ビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基
を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニル
ホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン
酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸および
エチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を
有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキ
ルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換
基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホス
フィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフ
ィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニ
ンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩
酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩、特
開昭59−101651号公報に記載されているスルホ
ン酸基を有する水溶性重合体、および特開昭60−64
352号公報に記載されている酸性染料等が好ましく用
いられる。この下塗層は、水、メタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどもしくはそれらの混合溶剤
に上記の化合物を溶解させ、支持体上に塗布、乾燥して
設けることができる。また、感光性平版印刷版の調子再
現性改良のために黄色染料を添加することもできる。下
塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2 が適当で
あり、好ましくは5〜100mg/m2 である。このよう
に粗面化処理及びデスマット処理されたアルミニウム板
の印刷面及び裏面は上述したように陽極酸化処理及び親
水化処理が施され、印刷面に感光層が塗布される。
【0016】本発明が適用できる感光性平版印刷版の感
光層には種々のものが含まれ、ジアゾ樹脂と疎水性樹脂
からなるネガ型感光性組成物、o−キノンジアジド化合
物とノボラック樹脂からなるポジ型感光性組成物、付加
重合性不飽和モノマー、光重合開始剤及びバインダーと
しての有機高分子化合物からなる光重合性組成物又は分
子中に−CH=CH−CO−結合を有し、光架橋反応を
起こす感光性樹脂を設けたものなどを挙げることができ
る。ネガ型感光性組成物の代表的なものとしては、ジア
ゾ樹脂と結合剤を含有するものが挙げられる。ジアゾ樹
脂は、芳香族ジアゾニウム塩と活性カルボニル基含有化
合物、例えばホルムアルデヒドとの縮合物で代表される
ジアゾ樹脂である。上記ジアゾ樹脂としては、例えば、
p−ジアゾジフェニルアミン類とホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒドなどのアルデヒドとの縮合物とヘキサフ
ルオロ燐酸塩またはテトラフルオロ硼酸塩との反応生成
物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩や、特公昭4
7−1167号公報に記載されているような前記縮合物
とのスルホン酸塩類、例えばp−トルエンスルホン酸ま
たはその塩、プロピルナフタレンスルホン酸またはその
塩、ブチルナフタレンスルホン酸またはその塩、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸またはその塩、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸またはそ
の塩との反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂有
機塩が挙げられる。特に、特開昭59−78340号公
報記載の6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子
量ジアゾ化合物が好ましい。
【0017】また、特開昭58−27141号公報に示
されているような3−メトキシ−4−ジアゾ−ジフェニ
ルアミンを4,4′−ビス−メトキシ−メチル−ジフェ
ニルエーテルで縮合させメシチレンスルホン酸塩とした
ものなども適当である。さらに、カルボキシル基、スル
ホン酸基、スルフィン酸基、リンの酸素酸基およびヒド
ロキシル基のうち少なくとも一つの基を有する芳香族化
合物と、ジアゾニウム化合物、好ましくは芳香族ジアゾ
ニウム化合物とを構造単位として含む共縮合体が望まし
い。結合剤として好ましいものは、酸含量0.1〜3.0 m
eq/g、好ましくは0.2〜2.0 meq/gであり、実質的
に水不溶性(すなわち、中性または酸性水溶液に不溶
性)で、皮膜形成性を有する有機高分子化合物である
が、アルカリ水溶液系現像液に溶解または膨潤すること
ができかつ前記の感光性ジアゾ樹脂の共存下で光硬化し
て上記現像液に不溶化または非膨潤化するものが好まし
い。尚、酸含量0.1 meq/g未満では現像が困難であ
り、3.0 meq/gを越えると現像時の画像強度が著しく
弱くなる。
【0018】特に好適な結合剤としてはアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分と
して含む共重合体、例えば特開昭50−118802号
公報に記載されている様な2−ヒドロキシエチルアクリ
レートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ア
クリロニトリルまたはメタクリロニトリル、アクリル酸
またはメタクリル酸および必要に応じて他の共重合可能
なモノマーとの多元共重合体、特開昭53−12090
3号公報に記載されている様な末端がヒドロキシ基であ
り、かつジカルボン酸エステル残基を含む基でエステル
化されたアクリル酸またはメタクリル酸、アクリル酸、
またはメタクリル酸および必要に応じて他の共重合可能
なモノマーとの多元共重合体、特開昭54−98614
号公報に記載されている様な芳香族性水酸基を末端に有
する単量体(例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)メ
タクリルアミドなど)、アクリル酸またはメタクリル酸
および必要に応じて他の共重合可能なモノマーとの多元
共重合体、特開昭56−4144号公報に記載されてい
る様なアルキルアクリレート、アクリロニトリルまたは
メタクリロニトリルおよび不飽和カルボン酸よりなる多
元共重合体をあげることが出来る。この他、酸性ポリビ
ニルアルコール誘導体や酸性セルロース誘導体も有用で
ある。またポリビニルアセタールやポリウレタンをアル
カリ可溶化した特公昭54−19773号、特開昭57
−94747号、同60−182437号、同62−5
8242号、同62−123453号記載の結合剤も有
用である。さらに、特公平5−2227号公報に記載の
マレイミド基を側鎖に有する光網状化可能な重合体も有
用である。
【0019】感光性平版印刷版の感光層におけるこれら
のジアゾ樹脂と結合剤の含有量は、これら両者の総量を
基準にしてジアゾ樹脂3〜30重量%、結合剤は97〜
70重量%が適当である。ジアゾ樹脂の含有量は少ない
方が感度は高いが3重量%より低下すると結合剤を光硬
化させるためには不十分となり現像時に光硬化膜が現像
液によって膨潤し膜が弱くなる。逆にジアゾ樹脂の含有
量が30重量%より多くなると感度が低くなり実用上難
点が出てくる。従って、より好ましい範囲はジアゾ樹脂
5〜25重量%で結合剤95〜75重量%である。
【0020】ポジ型感光性組成物の感光性化合物として
は、o−キノンジアジド化合物が挙げられ、その代表と
してo−ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。o
−ナフトキノンジアジド化合物としては、特公昭43−
28403号公報に記載されている1,2−ジアゾナフ
トキノンスルホン酸クロライドとピロガロール−アセト
ン樹脂とのエステルであるものが好ましい。その他の好
適なオルトキノンジアジド化合物としては、米国特許第
3,046,120号および同第3,188,210号明細書中
に記載されている1,2−ジアゾナフトキノン−5−ス
ルホン酸クロリドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂
とのエステルがあり、特開平2−96163号公報、特
開平2−96165号公報、特開平2−96761号公
報に記載されている1,2−ジアゾナフトキノン−4−
スルホン酸クロリドとフェノール−ホルムアルデヒド樹
脂とのエステルがある。その他の有用なo−ナフトキノ
ンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され、
知られているものが挙げられる。たとえば、特開昭47
−5303号、同48−63802号、同48−638
03号、同48−96575号、同49−38701
号、同48−13354号、特公昭37−18015
号、同41−11222号、同45−9610号、同4
9−17481号公報、米国特許第2,797,213号、
同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,
573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,
825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,
345号、同第1,267,005号、第1,329,888
号、第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号
などの各明細書中に記載されているものをあげることが
できる。
【0021】またo−ナフトキノンジアジド化合物を用
いずにポジ型に作用する感光性化合物として、例えば特
公昭56−2696号に記載されているオルトニトロカ
ルビノールエステル基を有するポリマー化合物も本発明
に使用することができる。更に、光分解により酸を発生
する化合物と、酸により解離する−C−O−C基又は−
C−O−Si 基を有する化合物との組合せ系も本発明に
使用することができる。
【0022】例えば光分解により酸を発生する化合物と
アセタール又はO,N−アセタール化合物との組合せ
(特開昭48−89003号)、オルトエステル又はア
ミドアセタール化合物との組合せ(特開昭51−120
714号)、主鎖にアセタール又はケタール基を有する
ポリマーとの組合せ(特開昭53−133429号)、
エノールエーテル化合物との組合せ(特開昭55−12
995号)、N−アシルイミノ炭素化合物との組合せ
(特開昭55−126236号公報)、主鎖にオルトエ
ステル基を有するポリマーとの組合せ(特開昭56−1
7345号)、シリルエステル化合物との組合せ(特開
昭60−10247号)及びシリルエーテル化合物との
組合せ(特開昭60−37549号、特開昭60−12
1446号)などが挙げられる。
【0023】本発明に於ける感光性組成物に使用する感
光性物質としては、重合体主鎖又は側鎖に感光基として
−CH=CH−CO−を含むポリエステル類、ポリアミ
ド類、ポリカーボネート類のような感光性重合体を主成
分とするものも適している。例えば、特開昭55−40
415号に記載されているような、フェニレンジエチル
アクリレートと水素添加したビスフェノールA及びトリ
エチレングリコールとの縮合で得られる感光性ポリエス
テル、米国特許第2,956,878号に記載されているよ
うな、シンナミリデンマロン酸等の(2−プロペニリデ
ン)マロン酸化合物及び二官能性グリコール類から誘導
される感光性ポリエステル類等が挙げられる。
【0024】さらに本発明における感光性組成物に使用
する感光性物質としては、アジド基が直接又はカルボニ
ル基又はスルホニル基を介して芳香環に結合している芳
香族アジド化合物も挙げられる。例えば、米国特許第3,
096,311号に記載されているようなポリアジドスチ
レン、ポリビニル−p−アジドベンゾアート、ポリビニ
ル−p−アジドベンザール、特公昭45−9613号に
記載のアジドアリールスルファニルクロリドと不飽和炭
化水素系ポリマーとの反応生成物、又特公昭43−21
067号、同44−229号、同44−22954号お
よび同45−24915号に記載されているような、ス
ルホニルアジドやカルボニルアジドを持つポリマー等が
挙げられる。さらにまた、本発明における感光性組成物
に使用する感光性物質としては、付加重合性不飽和化合
物からなる光重合性組成物も使用することができる。ま
た電子写真方式の印刷版に用いられる感光性組成物も本
発明を適用できる。例えば、特開昭55−161250
号に記載の電子写真を利用した印刷用原板に用いられる
電子供与性化合物、フタロシアニン系顔料およびフェノ
ール樹脂からなる感光性組成物が挙げられる。
【0025】感光性組成物は上記塗布溶剤に溶解し、親
水性表面を有するアルミニウム支持体上に乾燥塗布重量
が0.3〜5.0g/m2 となる様に、好ましくは0.5〜3.
5g/m2 となる様に塗布し乾燥して、感光性平版印刷
版を得ることができる。塗布する際の感光性組成物の固
形分濃度は1.0〜50重量%が適当であり、好ましくは
2.0〜30重量%が適当である。支持体上に感光性組成
物を塗布する方法としては従来公知の方法、たとえばロ
ールコーティング、バーコーティング、スプレーコーテ
ィング、カーテンコーティング、回転塗布等の方法を用
いることができる。塗布された感光性組成物溶液は50
〜150℃で乾燥させるのが好ましい。乾燥方法は、始
め温度を低くして予備乾燥した後、高温で乾燥させても
良いし、直接高温度で乾燥させても良い。
【0026】感光層上には相互に独立して設けられた突
起物により構成されるマット層を設けることが好まし
い。マット層の目的は密着露光におけるネガ画像フィル
ムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良することに
より、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良による露
光時の微小網点のつぶれを防止することである。マット
層の塗布方法としては、特開昭55−12974号公報
に記載されているパウダリングされた固体粉末を熱融着
する方法、特開昭58−182636号公報に記載され
ているポリマー含有水をスプレーし乾燥させる方法など
があり、いずれの方法をも用いうる。マット層は実質的
に有機溶剤を含まない水性現像液に溶解するか、あるい
はこれにより除去可能な物質から構成されることが望ま
しい。粗面化されたアルミニウム板上に塗布され乾燥さ
れた感光性組成物層を有する感光性平版印刷版は、画像
露光後アルカリ水溶液系現像液で現像することによりレ
リーフ像が得られる。露光に好適な光源としては、カー
ボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライ
ドランプ、ストロボ、紫外線、レーザ光線などが挙げら
れる。
【0027】ネガ感光性平版印刷版の現像に使用される
アルカリ水溶液系現像液としては、特開昭51−774
01号、同51−80228号、同53−44202号
や同55−52054号の各公報に記載されているよう
な現像液であって、 pH=8〜13、水が75重量%以
上含まれるものが好ましい。必要により水に対する溶解
度が常温で10重量%以下の有機溶媒(ベンジルアルコ
ール、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、ア
ルカリ剤(トリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、モノエタノールアミン、リン酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム)、アニオン界面活性剤(芳香族スルホン酸
塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレン
スルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩)、
ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリ
マー)、汚れ防止剤(亜硫酸ナトリウム、スルホピラゾ
ロンのナトリウム塩)や硬水軟化剤(エチレンジアミン
テトラ酢酸四ナトリウム塩、ニトロ三酢酸三ナトリウム
塩)を加えることができる。しかし、有機溶媒等を含有
すると、作業時の毒性、臭気等の衛生上の問題、火災、
ガス爆発等の安全性の問題、泡の発生等の作業性の問
題、廃液による公害等の問題、コストの問題等が発生す
るため、実質上有機溶媒を含まないものが更に好まし
い。このような、実質上有機溶媒を含まない水性アルカ
リ現像液として、例えば特開昭59−84241号、特
開昭57−192952号及び特開昭62−24263
号公報等に記載されている、ポジ型平版印刷版を画像露
光後、現像する際に用いられる現像液組成物を使用する
ことが出来る。
【0028】本発明の感光性平版印刷版は、特開昭54
−8002号、同55−115045号、同59−58
431号の各公報に記載されている方法で製版処理して
も良い。即ち、現像処理後、水洗してから不感脂化処
理、またはそのまま不感脂化処理、または酸を含む水溶
液での処理、または酸を含む水溶液で処理後、不感脂化
処理を施してもよい。さらに、この種の感光性平版印刷
版の現像工程では処理量に応じてアルカリ水溶液が消費
されアルカリ濃度が減少したり、あるいは、自動現像機
の長時間運転により空気によってアルカリ濃度が減少す
るため処理能力が低下するが、その際、特開昭54−6
2004号公報に記載のように補充液を用いて処理能力
を回復させてもよい。この場合、米国特許第4,882,2
46号に記載されている方法で補充することが好まし
い。また、上記のような製版処理は、特開平2−705
4号、同2−32357号の各公報に記載されているよ
うな自動現像機で行うことが好ましい。なお製版工程の
最終工程で所望により塗布される不感脂化ガムとしては
特公昭62−16834号、同62−25118号、同
63−52600号、特開昭62−7595号、同62
−11693号、同62−83194号の各公報に記載
されているものが好ましい。なお現像液処理後、必要で
あれば画像部の不要部分を市販のネガ用消去液で消去す
るか石棒で擦りとることもできる。
【0029】ポジ型感光性平版印刷版の現像に使用され
る現像液は、実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性の
水溶液が好ましく、具体的には珪酸ナトリウム、珪酸カ
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウ
ム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウ
ム、メタ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、アンモニア水
などのような水溶液が適当であり、それらの濃度が0.1
〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるように
添加される。これらの中でもケイ酸カリウム、ケイ酸リ
チウム、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリを含有す
る現像液は、印刷時の汚れが生じにくいため好ましく、
ケイ酸アルカリの組成がモル比で [SiO2] /〔M〕=0.
5〜2.5(ここに [SiO2] 、〔M〕はそれぞれ、SiO2
モル濃度と総アルカリ金属のモル濃度を示す。)であ
り、かつSiO2を0.8〜8重量%含有する現像液が好まし
く用いられる。また該現像液中には、例えば亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウムなどの水
溶性亜硫酸塩や、レゾルシン、メチルレゾルシン、ハイ
ドロキノン、チオサリチル酸等を添加することができ
る。これらの化合物の現像液中における好ましい含有量
は0.002〜4重量%で、好ましくは、0.01〜1重量
%である。
【0030】また現像液中に、特開昭50−51324
号公報、同59−84241号公報に記載されているよ
うなアニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤、特開
昭59−75255号公報、同60−111246号公
報及び同60−213943号公報等に記載されている
ような非イオン性界面活性剤のうち少なくとも一種を含
有させることにより、または特開昭55−95946号
公報、同56−142528号公報に記載されているよ
うに高分子電解質を含有させることにより、感光性組成
物への濡れ性を高めたり、現像の安定性(現像ラチチュ
ード)を高めたりすることができ、好ましく用いられ
る。かかる界面活性剤の添加量は0.001〜2重量%が
好ましく、特に0.003〜0.5重量%が好ましい。さら
に該ケイ酸アルカリのアルカリ金属として、全アルカリ
金属中、カリウムを20モル%以上含むことが現像液中
で不溶物発生が少ないため好ましく、より好ましくは9
0モル%以上、最も好ましくはカリウムが100モル%
の場合である。
【0031】更に本発明に使用される現像液には、若干
のアルコール等の有機溶媒や特開昭58−190952
号公報に記載されているキレート剤、特公平1−301
39号公報に記載されているような金属塩、有機シラン
化合物などの消泡剤を添加することができる。本発明の
感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55
−115045号、特開昭59−58431号の各公報
に記載されている方法で製版処理してもよいことは言う
までもない。即ち、現像処理後、水洗してから不感脂化
処理、またはそのまま不感脂化処理、または酸を含む水
溶液での処理、または酸を含む水溶液で処理後不感脂化
処理を施してもよい。さらに、この種の感光性平版印刷
版の現像工程では、処理量に応じてアルカリ水溶液が消
費されアルカリ濃度が減少したり、あるいは、自動現像
液の長時間運転により空気によってアルカリ濃度が減少
するため処理能力が低下するが、その際、特開昭54−
62004号に記載のように補充液を用いて処理能力を
回復させてもよい。この場合、米国特許第4,882,24
6号に記載されている方法で補充することが好ましい。
また、上記のような製版処理は、特開平2−7054
号、同2−32357号に記載されているような自動現
像機で行うことが好ましい。
【0032】また、本発明の感光性平版印刷版を画像露
光し、現像し、水洗又はリンスしたのちに、不必要な画
像部の消去を行なう場合には、特公平2−13293号
公報に記載されているような消去液を用いることが好ま
しい。更に製版工程の最終工程で所望により塗布される
不感脂化ガムとしては、特公昭62−16834号、同
62−25118号、同63−52600号、特開昭6
2−7595号、同62−11693号、同62−83
194号の各公報に記載されているものが好ましい。更
にまた、本発明の感光性平版印刷版を画像露光し、現像
し、水洗又はリンスし、所望により消去作業をし、水洗
したのちにバーニングする場合には、バーニング前に特
公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭
62−31859号、同61−159655号の各公報
に記載されているような整面液で処理することが好まし
い。
【0033】合成例1 4−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩(純度99.5%)2
9.4gを25℃にて、96%硫酸70mlに徐々に添加
し、かつ20分間攪拌した。パラホルムアルデヒド(純
度92%)3.26gを約10分かけて徐々に添加し、該
混合物を30℃にて、4時間攪拌し、縮合反応を進行さ
せた。なお、上記ジアゾ化合物とホルムアルデヒドとの
縮合モル比は1:1である。反応生成物は攪拌しつつ、
氷水2l中に注ぎ込み、塩化ナトリウム130gを溶解
した冷濃厚水溶液で処理した。沈澱を吸引濾過により、
回収し、部分的に乾燥した固体を1lの水に溶解し、濾
過し、氷で冷却し、かつ、ヘキサフルオロリン酸カリ2
3gを溶解した水溶液で処理した。沈澱を濾過して回収
し、かつ風乾して高分子量ジアゾ化合物(1)30.3g
を得た。得られたジアゾ化合物(1)をメチルセロソル
ブ中で1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロンとカ
ップリングさせて、色素を得た。この色素の重量平均分
子量(低角度測定光散乱光度計を使用)は、16,500
であり、これは約45量体に相当した。又、この色素を
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
て分子量分布の測定をしたところ、10量体以上が約3
0モル%含まれていた。
【0034】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。 実施例1 99.5重量%アルミニウムに、銅を0.01重量%、チタ
ンを0.03重量%、鉄を0.3重量%、ケイ素を0.1重量
%含有する、厚さ0.3mm、幅800mmのコイル状のJI
SA1050アルミニウム板を400メッシュのパミス
トン(共立窯業製)の20重量%水性懸濁液と、回転ナ
イロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表
面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15重
量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5重量%
含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2
なるようにエッチングした後、流水で水洗した。さら
に、1重量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液
(アルミニウム0.5重量%含有)中で、陽極時電圧10.
5ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧
(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施
例に記載されている電流波形)を用いて160クーロン
/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗
後、35℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸
漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2 になるように
エッチングした後、水洗した。次に、50℃30重量%
の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗し
た。
【0035】さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、アルミニウム支持体の印刷面及び裏面に多孔性陽極
酸化皮膜形成処理を行った。電流密度13A/dm2 で電
解を行い、電解時間の調節により陽極酸化皮膜重量1.2
g/m2 とした。ジアゾ樹脂と結合剤を用いたネガ型感
光性平版印刷版を作成する為に、この支持体を水洗後、
70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間
浸漬処理し、水洗乾燥した。以上のようにして得られた
アルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計
で測定した反射濃度は0.30で、中心線平均粗さは0.5
8μmであった。次に上記支持体にメチルメタクリレー
ト/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体(平均分子
量約6万)(モル比50/30/20)の1.0重量%水
溶液をロールコーターにより乾燥後の塗布量が0.05g
/m2 になるように塗布した。さらに、下記感光液−1
をバーコーターを用いて塗布し、110℃で45秒間乾
燥させた。乾燥塗布量は2.0g/m2 であった。
【0036】 感光液−1 合成例1のジアゾ樹脂 0.50g 結合剤−1 5.00g スチライトHS−2(大同工業(株)製) 0.10g ビクトリアピュアブル−BOH 0.15g トリクレジルホスフェート 0.50g ジピコリン酸 0.20g FC−430(3M社製界面活性剤) 0.05g 溶剤 1−メトキシ−2−プロパノール 25.00g 乳酸メチル 12.00g メタノール 30.00g メチルエチルケトン 30.00g 水 3.00g
【0037】結合剤−1は、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(重量比50/20/26/
4、平均分子量75,000、酸含量0.4meq/g ) の
水不溶性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子であ
る。スチライトHS−2(大同工業(株)製)は、結合
剤よりも感脂性の高い高分子化合物であって、スチレン
/マレイン酸モノ−4−メチル−2−ペンチルエステル
=50/50(モル比)の共重合体であり、平均分子量
は約100,000であった。
【0038】このようにして得られた幅800mmのコイ
ル状のアルミニウム支持体の端部を幅796mmに、図1
のスリッタ装置と図2の裁断刃を用いて、上側裁断刃と
下側裁断刃との隙間(D)を50μm に設定し、上側裁
断刃と下側裁断刃のかみ込み量(K)を300μm に設
定して、図4に示したような裁断ダレ高さ(X)が60
μm となるような形状に連続してスリットした。裁断さ
れたプレートの切欠部の面積(S1)は4000μm2
あり、下端部裏面のバリ高さ(Y)は10μm、バリ部
の面積(S2)は80μm2であった。1週間後、カット
したシート状の感光性平版印刷版を画像露光し、800
H(富士写真フイルム(株)製自動現像機)でDN−3
C(富士写真フイルム(株)製アルカリ水溶液系現像
液)を水で1:1に希釈した液にて現像し、直ちにFN
−2(富士写真フイルム(株)製ガム液)を水で1:1
に希釈した液を塗り、乾燥した。この印刷版を翌日、オ
フセット輪転印刷機にて、阪田インキ(株)の新聞用イ
ンキと東洋インキ(株)の東洋アルキー湿し水を用い
て、100,000枚/時のスピードで20,000枚
印刷した。印刷版の端部に対応する印刷紙面に汚れは発
生していなかった。また、自動製版機の給紙部で1枚ず
つ正確に搬送でき、露光部の定盤にアルミの粉は発生し
なかった。
【0039】実施例2〜7 実施例1と同様にして、印刷面及び裏面に陽極酸化処理
および親水化処理を行い、印刷面に感光層の塗布を行
い、得られた幅800mmのコイル状のアルミニウム支持
体を幅796mmに、図1のスリッタ装置と図2の裁断刃
を用いてスリットした。上側裁断刃と下側裁断刃との隙
間(D)は30〜100μm の間で変更して、噛み込み
量(K)は200〜800μm の間で変更して、図4に
示したような裁断ダレ高さ(X)が30〜100μm の
間になるような形状にスリットした。表1中に各実施例
の番号と裁断条件を示す。また、これらのプレートの切
欠部の面積(S1)、バリ部の高さ(Y)及びバリ部の
面積(S2)を表1中に示す。その後、実施例1と同様
に製版し、印刷した。いずれの印刷版の端部に対応する
印刷紙面にも汚れは発生していなかった。また、いずれ
の印刷版も自動製版機の給紙部で1枚ずつ正確に搬送で
き、露光部の定盤にアルミの粉は発生しなかった。
【0040】
【表1】実施例 2 3 4 5 6 7 刃と刃の隙間(D)μm 30 70 100 50 50 50 噛み込み量(K)μm 300 300 300 200 500 800 ダレ高さ(X)μm 30 70 100 60 60 60 切欠部面積(S1)μm 2 600 8000 18000 3000 5000 6000 バリ高さ(Y)μm 5 20 35 10 12 12 バリ部面積(S2)μm2 25 300 850 90 85 90 裏面陽極酸化皮膜量 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 (AD) g/m2 線状汚れ 無し 無し 無し 無し 無し 無し 給版不良 無し 無し 無し 無し 無し 無しアルミ粉の発生 無し 無し 無し 無し 無し 無し
【0041】比較例1〜4 実施例1と同様にして、印刷面及び裏面に陽極酸化処理
を行い、感光層塗布を行って得られたコイル状の感光性
平版印刷版を、上側裁断刃と下側裁断刃の隙間及び噛み
込み量を表2に示すように設定して、連続してスリット
し、表2に示す各形状の平版印刷版を得た。これらの平
版印刷版を比較例1〜4とし、その後、実施例1と同様
に製版し、印刷した。比較例1〜3に示される形状の印
刷版の端部に対応する印刷紙面には濃い線状の汚れが発
生し、給版不良を起こした。比較例4の形状の印刷版で
は印刷紙面に汚れは発生せず、給版性も良好であった
が、定盤上にアルミの粉が発生した。また、定盤上で、
センサー光が反射せず、位置不良が生じた。
【0042】比較例5及び6 裏面への陽極酸化皮膜量を0.8g/m2とするか、または裏
面への陽極酸化を全く行わない点を除いて、実施例1と
同様にしてコイル状の感光性平版印刷版を得、実施例1
と同様の端部形状となるように連続してスリットして得
られた感光性平版印刷版を、比較例5及び6とした。そ
の後、実施例1と同様に製版し、印刷した。比較例5及
び6に示される印刷版では、印刷紙面に汚れは発生せ
ず、給版性も良好であったが、定盤上にアルミの粉が発
生した。
【0043】
【表2】比較例 1 2 3 4 5 6 刃と刃の隙間(D)μm 0 0 10 120 50 50 噛み込み量(K)μm 300 200 300 300 300 300 ダレ高さ(X)μm 0 0 10 120 60 60 切欠部面積(S1)μm 2 0 0 200 25000 4000 4000 バリ高さ(Y)μm 0 0 3 50 10 10 バリ部面積(S2)μm2 0 0 15 1200 80 80 裏面陽極酸化皮膜量 1.2 1.2 1.2 1.2 0.8 0 (AD) g/m2 線状汚れ 有り 有り 有り 無し 無し 無し 給版不良 有り 有り 有り 無し 無し 無しアルミ粉の発生 無し 無し 無し 有り 有り 有り
【0044】
【発明の効果】以上の実施例から明らかな様に、本発明
の感光性平版印刷版から製造された印刷版では、その端
部に対応する印刷紙面に汚れが発生せず、定盤上にアル
ミの粉が発生せず、かつ室温以上の温度で合紙を挟まず
に積み重ね、加圧状態で長時間保存しても、版と版とが
張りつくことがなく、従って自動製版が可能で、作業性
及び取り扱い性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】スリッタ装置の裁断部を示す断面図である。
【図2】本発明の下側裁断刃の先端部形状の実施例を示
す。
【図3】図2のA部の拡大図を示す。
【図4】実施例1の端部の形状を示す。
【符号の説明】
10a、10b……上側裁断刃 11……回転軸 20(20a、20b)……下側裁断刃 21……回転軸 25……下側裁断刃 30……アルミニウムシート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性表面を有するアルミニウム支持体
    に感光層が設けられている感光製平版印刷版において、
    該アルミニウム支持体の対向する少なくとも2辺の端部
    の上面が上に凸の湾曲面であり、該端部下面に、高さが
    5〜40μm、面積が20〜1000μm2であるバリ部
    が突出し、該支持体下面に1g/m2以上の陽極酸化処
    理が施されていることを特徴とする感光性平版印刷版。
JP21220497A 1997-08-06 1997-08-06 感光性平版印刷版 Pending JPH1152557A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007093941A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Fujifilm Corp 赤外線感光性平版印刷版原版

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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