JPH1152453A - カメラ用シャッタ - Google Patents

カメラ用シャッタ

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Publication number
JPH1152453A
JPH1152453A JP20811597A JP20811597A JPH1152453A JP H1152453 A JPH1152453 A JP H1152453A JP 20811597 A JP20811597 A JP 20811597A JP 20811597 A JP20811597 A JP 20811597A JP H1152453 A JPH1152453 A JP H1152453A
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JP
Japan
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shutter
opening
blade
blade group
link member
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Application number
JP20811597A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Toma
清 當摩
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Nidec Precision Corp
Original Assignee
Nidec Copal Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環状又は円弧状の二つのリンク部材を、光軸を
横切る方向へ所定のタイミングで夫々往復作動させ、開
き用羽根群と閉じ用羽根群を往復回動させる形式のシャ
ッタであって、ズームリング等の動きに連動して開口量
が規制されるようにしたカメラ用シャッタを提供するこ
と。 【解決手段】リンク部材4は、作動ピン12aにより上
下に作動されることによって、シャッタ羽根5,6,7
に往復回動を行わせる。また、リンク部材14は、作動
ピン22aにより上下に作動されることによって、シャ
ッタ羽根15,16,17に往復回動を行わせる。ま
た、リンク部材14の下方への作動量は、ズームリング
26に連動する開口規制部材24のピン24bの位置に
よって規制される。そして、露光作動時には、シャッタ
羽根5,6,7が露光用開口部の開き作動を行い、シャ
ッタ羽根15,16,17が閉じ作動を行うようになっ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムの露光作
動に際して、複数枚のシャッタ羽根が、円形をした露光
用の開口部を開閉するようにしたカメラ用シャッタに関
する。
【0002】
【従来の技術】この種のシャッタは、レンズシャッタと
言われているものであって、露光作動に際して、複数の
シャッタ羽根が、露光用の開口部を、光軸中心から開い
て行き、その後、光軸中心に向けて閉じて行くようにし
たものである。そして、その作動中は、複数のシャッタ
羽根によって、常に円形に近い開口形状を保てるように
するのが理想とされている。そのため、古くは、複数の
シャッタ羽根を露光用の開口部の周辺位置に等間隔に配
置し、それらを、光軸を中心にして往復回転する駆動リ
ングによって作動させていた。しかも、駆動リングの回
転は、ばね力のみによって行われていた。しかしなが
ら、このようなシャッタは、駆動リングが、シャッタ地
板面に対して略全周にわたって形成された溝の中に配置
されるようにしていたため、加工コストが高く、また、
平面摩擦抵抗はともかくとして、極めて大きな周面摩擦
抵抗が生じ、高速化には自ずと限界があった。
【0003】その後、フィルム技術やレンズ技術の進歩
と共に、上記した作動中の開口形状については、多少で
あれば崩れた形状でも許されるようになり、むしろ低コ
スト化の方が重視されるようになってきた。そのため、
駆動リングを用いるものはプロ用のカメラに採用される
大型シャッタを除いては少なくなり、それに代わって、
相対的に往復作動を行う2枚羽根のシャッタが主流にな
ってきた。しかしながら、作動中の開口形状を大きく崩
すわけにはいかないので、2枚羽根シャッタとしての可
能な範囲において、理想に少しでも近い形状が得られる
ように設計され、個々の羽根の形状も、それに沿って決
められていた。しかし、その後、IX240カートリッ
ジフィルム(APSフィルム)の出現もあって、低コス
ト化は勿論であるが、小型化,電動化についての要請が
大きくなり、中でも特に小型化についての要請が大きく
なってきた。
【0004】言うまでもなく、レンズシャッタの内径
は、レンズの口径によって決まってしまう。従って、レ
ンズシャッタを小型化するということは、全体の寸法を
単純に小さくするということではない。機構配置部分を
如何にしてコンパクト化するかということである。この
ことは、露光用の開口部を全開にした場合におけるシャ
ッタ羽根の平面的な収容スペースを如何に小さくするか
ということにほかならない。しかしながら、上記した2
枚羽根構成のシャッタにおいては、既に可能な限りの小
型化が行われており、これ以上小型化しようとすると、
上記した作動中における開口形状を、許せる範囲内に維
持できなくなってしまう。
【0005】そこで、更に小型化するためには、シャッ
タ羽根を3枚以上にし、1枚当たりの平面積を小さくす
ると共に、それらを、光軸を中心にして、略等間隔に配
置することが必要になるが、上記した理由によって、ま
たコストの面からも、従来のような駆動リングを用いる
ことができない。そのため、周面摩擦抵抗力が生じない
薄い板材で製作した環状又は円弧状のリンク部材と称す
る作動部材を設け、それに3枚以上のシャッタ羽根を連
結させて、該リンク部材を光軸を横切る方向へ往復作動
させることによって、シャッタ羽根に露光用開口部の開
閉作動を行わせるようにしたシャッタが本出願人から提
案され、実開平7−5131号公報,特開平7−132
18号公報等で知られている。
【0006】ところで、通常の場合、レンズシャッタ
は、一組のシャッタ羽根が往復作動することによってフ
ィルムの露光を行うが、シャッタ羽根の開き作動から閉
じ作動に移るときには一時的に停止する瞬間が必ずあ
り、直ちには急速に閉じ作動を行えない。そのため、通
常のレンズシャッタは、基本的には、高速の露光時間が
得にくいとされている。上記の公報に記載されたシャッ
タも、当然のことながら、そのような問題点を有してい
る。そこで、夫々、専用のリンク部材によって作動させ
られる3枚以上のシャッタ羽根を二組備え、一方の羽根
群がフィルム露光のための開き作動を行い、他方の羽根
群が閉じ作動を行うようにすることによって、高速化と
作動の安定化を可能にしたカメラ用シャッタが、特願平
9−141642号によって本出願人から提案されてい
る。
【0007】他方、シャッタの駆動源としては、古くか
らコイルばねが使用されており、現在でもそれが主流に
なっている。しかし、最近では、撮影ごとにシャッタの
駆動機構をセットしなくて済むという観点から、駆動源
にモータを使用するものが増えてきた。上記の二つの公
報に記載されたシャッタは、いずれもモータを駆動源と
している。そして、モータの種類としては、大きな駆動
力が得られることから、当初はステッピングモータを使
用することが考えられていたが、ステッピングモータ
は、小型化が容易でなく、また小型化すると高価になる
という問題点があった。そこで、現在では、ステッピン
グモータより低コストであって、小型化に対応し易いム
ービングマグネット型モータと称されているモータの使
用が注目されている。
【0008】このムービングマグネット型モータは、コ
イルへの通電方向によって永久磁石(通常、2極)の回
転子を所定の角度範囲で往復作動させるのが特徴であっ
て、上記の二つの公報のうち、特開平7−13218号
公報に記載されたシャッタには、そのムービングマグネ
ット型モータが使用されている。しかし、ムービングマ
グネット型モータは、ステッピングモータと比較した場
合、上記したように低コストであり且つ小型化に対応し
易い反面、駆動力が大きいとは言えず、特に、起動性に
難がある。そのため、通電してから所定の駆動力が得ら
れるまでの時間が長く掛かり且つ駆動力が負荷の僅かな
バラツキや供給電圧(バッテリー電圧とは限らない)の
変化によって左右され易く、安定して高速を得るのが難
しい。そのため、上記の特願平9−141642号で提
案されたシャッタにおいては、リンク部材にばねを掛
け、該リンク部材を、露光時の開き作動方向に付勢し、
開き速度が早く且つ安定して得られるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の特願
平9−141642号で提案されたシャッタのように、
専用のリンク部材によって作動させられる3枚以上のシ
ャッタ羽根を二組備え、一方の羽根群がフィルム露光の
ための開き作動を行い、他方の羽根群が閉じ作動を行う
ようにしたカメラ用シャッタに関するものであるが、こ
の種のタイプのシャッタは、上記したように、作動中の
開口形状を、光軸を中心にして好適な形状に維持するこ
とができることと、シャッタ速度の高速化及び安定化が
容易であることから、レンズ口径の大きな比較的高級な
カメラに採用されることが期待されている。
【0010】ところで、最近では、レンズシャッタ付き
のカメラであっても高級なカメラになると、連続的な変
倍機能を有する所謂ズームレンズを備えたものが多くな
ってきた。そして、そのようなカメラにおいては、レン
ズの性能上、変倍比(ズーム比)が大きくなると透過光
量が減少してしまうため、変倍比に連動させて絞り口径
を制御し、常に所定の光量が得られるようにしたものが
ある。また、ズームレンズを備えていなくても、近接撮
影を行う場合には、レンズの球面収差の影響で特に周辺
部において像がぼけてしまう傾向があるために、比較的
高級なカメラにおいては、そのような場合、距離調節装
置に連動して絞り口径を小さくするようにしたものがあ
る。従って、上記のタイプのシャッタにおいても、比較
的高級なカメラに採用されることを期待する以上、これ
らの機能を備えていることが要求される。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、夫
々3枚以上のシャッタ羽根で構成された二組の羽根群
が、環状又は円弧状をしており光軸を横切る方向へ往復
作動する二つのリンク部材に別々に取り付けられてい
て、一方の羽根群がフィルム露光のための開き作動を行
い、他方の羽根群が閉じ作動を行うように構成したシャ
ッタであって、露光作動開始前に上記の他方の羽根群を
所定の開口制御位置で待機させることができるようにし
たカメラ用シャッタを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明におけるカメラ用シャッタは、両者の間を
隔壁板で仕切って二つの羽根室を形成し該隔壁板との三
者のいずれかによって円形の露光用開口部を規制するよ
うにした二つのシャッタ地板と、各々が3枚以上のシャ
ッタ羽根で構成されていて前記各羽根室内に別々に配置
されており各シャッタ羽根は前記開口部の開き位置と閉
じ位置との間を往復回動し得るようにされていて露光作
動時においては一方の羽根群が前記開口部の開き方向へ
作動し他方の羽根群が前記開口部の閉じ方向へ作動する
ようにした二つの羽根群と、各々が前記開口部を囲んだ
環状又は円弧状をしていて前記各羽根室内において前記
各羽根群に連結されており光軸を横切る方向へ往復作動
することによって前記各シャッタ羽根を往復回動させる
二つのリンク部材と、各々が別の駆動手段によって往復
作動させられ前記各リンク部材に往復作動を行わせる二
つの作動部材と、前記他方の羽根群に連結したリンク部
材に当接される被当接部を有していて該被当接部を該リ
ンク部材の作動軌跡内で変位させることにより前記他方
の羽根群の閉じ方向への作動開始位置を規制し露光作動
前に前記他方の羽根群を該作動開始位置に待機させるこ
とができるようにした開口規制部材とを備えているよう
にする。また、本発明におけるカメラ用シャッタは、好
ましくは、前記二つの駆動手段のうち前記作動部材及び
前記リンク部材の各一方を介して前記一方の羽根群を作
動させる駆動手段が永久磁石製の回転子を有するムービ
ングマグネット型モータであって、該リンク部材は前記
一方の羽根群を開かせる方向へばねによって付勢されて
いるようにする。その場合、好ましくは、前記ムービン
グマグネット型モータの固定子には、前記回転子の周面
に対向する所定の位置に磁性体部材が設けられていて、
カメラの不使用時には、該磁性体部材と前記回転子との
間に作用する吸引力が前記ばねの力よりも大きくなるよ
うに設定されているようにする。その場合、更に好まし
くは、前記作動部材の一方が、前記ムービングマグネッ
ト型モータの回転子と一体に構成されているようにす
る。更に、本発明におけるカメラ用シャッタは、好まし
くは、前記開口規制部材が、変倍装置又は距離調節装置
に連動して前記被当接部を変位させるようにする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示した二
つの実施例で説明する。尚、図1〜図6は本発明の第1
実施例を示したものであって、図1は第1実施例の全体
像を理解するのに必要な断面図であり、図2(a),図
2(b)は開き用羽根群を駆動するムービングマグネッ
ト型モータの要部の機能を説明するための説明図であ
る。また、図3〜図6は第1実施例の作動状態を説明す
るのに必要な平面図であって、図3はカメラの不使用時
の状態を示し、図4は露光作動開始直前の状態を示し、
図5は所定の開口位置に開いた状態を示し、図6は露光
作動終了直後の状態を示している。そして、図3〜図6
の各図において、図(a)は図1における隔壁板を境に
して左方向を視た開き用羽根群の作動状態を示し、図
(b)は図1における隔壁板を境にして右方向を視た閉
じ用羽根群の作動状態を示している。更に、図7及び図
8は本発明の第2実施例の要部のみを示した平面図であ
って、図7はカメラの不使用時における開き用羽根群を
示し、図8はカメラの不使用時における閉じ用羽根群を
示している。
【0014】最初に、本発明の第1実施例の構成を、主
に図1〜図3を用いて説明する。図1に示すように、本
実施例においては、二つのシャッタ地板1,2の間を隔
壁板3で仕切ることによって二つの羽根室を形成してい
る。図3(a)は隔壁板3から左側の羽根室を視た図で
あって、そこには開き用羽根群の開閉機構が示されてお
り、また、図3(b)は隔壁板3から右側の羽根室を視
た図であって、そこには閉じ用羽根群の開閉機構が示さ
れている。シャッタ地板1,2と隔壁板3は、共に合成
樹脂製であって、夫々、光軸を中心にした円形の開口部
1a,2a,3aを形成している。これらのうち、開口
部2a,3aは、いずれもシャッタ地板1の開口部1a
よりも直径が僅かに大きいため、シャッタとしての露光
用開口部は開口部1aによって規制されるようになって
いる。
【0015】シャッタ地板1の外周縁には、図の手前側
に張り出した壁1bが形成されており、また外周縁近傍
位置の3箇所に、ねじ孔を有する台座1c,1c,1c
が形成されている。同様にして、シャッタ地板2の外周
縁にも壁2bが形成されており、上記の台座1c,1
c,1cに対応する3箇所に、ねじ孔を有する台座2
c,2c,2cが形成されている。図示していないが、
隔壁板3にもそれらに対応する3箇所に孔が形成されて
いて、シャッタ地板1,2と隔壁板3の取り付けは、そ
れらの孔に図示していないビスを螺合させることによっ
て行われている。実際には、このほかにもカメラ本体へ
の取り付け孔が形成されているが、図示を省略してあ
る。
【0016】図3(a)において、開き用羽根群の羽根
室内には、環状をしたリンク部材4と、3枚のシャッタ
羽根5,6,7が配置されているが、その配置順序は、
紙面から手前側に向けてリンク部材4,シャッタ羽根
5,シャッタ羽根6,シャッタ羽根7となっている。そ
して、組立状態においては、シャッタ羽根7は、実際に
は隔壁板3に面接触しておらず、隔壁板3から羽根室側
に突き出るように形成された図示していないガイド部に
摺接するようになっていて、摩擦抵抗力が少なくなるよ
うにしてある。また、リンク部材4には横長の長孔4
a、係接部4b、三つの張出部4c,4d,4e、縦長
の三つの長孔4f,4g,4hが形成されて、シャッタ
羽根7には先端に突起部7aが形成されている。
【0017】リンク部材4に形成されている張出部4
c,4d,4eは、夫々、シャッタ地板1に形成されて
いる棚状の受け部1d,1e,1fに載置されている。
更に、長孔4f,4g,4hは、夫々、シャッタ地板1
に立設された軸1g,1h,1iに緩く嵌合され、それ
らの軸によってリンク部材4の作動が制限されないよう
になっている。尚、本実施例においては、作動中におい
て、リンク部材4がシャッタ地板1に対して面接触して
摺動するのは受け部1d,1e,1fに対してだけであ
るため、極めて摩擦抵抗力が小さく、リンク部材4はス
ムーズに作動させられるようになっている。しかし、本
発明は、この構成に限定されるものではなく、リンク部
材4が摺接する支承面をシャッタ地板1に必要に応じて
設けることを妨げるものではない。
【0018】また、シャッタ羽根5,6,7は、夫々、
それらに形成された孔を軸1g,1h,1iに回転可能
に嵌合させ、その嵌合部を支点にして開口部1aの開閉
作動を行い得るようになっている。更に、各シャッタ羽
根5,6,7は、夫々、連結軸8,9,10によってリ
ンク部材4に取り付けられている。各連結軸8,9,1
0はリベット部品であって、リンク部材4の背面側から
挿入され、各シャッタ羽根5,6,7の表面側にかしめ
られている。そのため、リンク部材4と各連結軸8,
9,10との間は可動になっており、連結軸8,9,1
0が各シャッタ羽根5,6,7の動点部となっている。
また、シャッタ羽根7に形成された突起部7aは、羽根
室外に取り付けられているフォトリフレクタから羽根室
内へ出射されている光路を、作動開始の初期段階におい
て遮断するためのものであるが、そのような羽根位置の
検出機構は、レンズシャッタにおいては周知であるた
め、それに関係する構成の図示は省略されている。
【0019】シャッタ地板1の背面側にはムービングマ
グネット型モータM1が取り付けられており、その具体
的な構成は後述するが、図3(a)には、その回転子1
1のみが示されている。また、この回転子11には作動
部材12が一体的に構成されていて、その作動ピン12
aが、シャッタ地板1に形成された円弧状の長孔1jを
貫通し、羽根室内においてリンク部材4の長孔4aに嵌
合している。更に、シャッタ地板1の背面側には、ばね
13を巻回する軸1kとばね掛け部1mが形成されてい
る。そして、上記のばね13は、一端が該ばね掛け部1
mに掛けられ、他端が折り曲げられて窓部1nから羽根
室内に挿入され、リンク部材4の係接部4bに掛けられ
ている。従って、図3(a)においてリンク部材4は、
ばね13によって上方へ作動するように付勢されてい
る。
【0020】他方、図3(b)には、閉じ用羽根群の羽
根室内の構成が示されている。しかし、その構成は、図
3(a)に示した開き用羽根群の羽根室内の構成と略同
じであるから、重複する点は出来るだけ簡略に説明す
る。羽根室内には、図3(b)の紙面から手前側に向け
て順に、リンク部材14,シャッタ羽根15,シャッタ
羽根16,シャッタ羽根17が配置されている。また、
シャッタ羽根17は、隔壁板3から羽根室側に突き出た
図示していないガイド部に摺接するようになっていて、
摩擦抵抗力が少なくなるようにしてある。
【0021】リンク部材14には、横長の二つの長孔1
4a,14b、三つの張出部14c,14d,14e、
縦長の三つの長孔14f,14g,14h、当接部14
iが形成されていて、張出部14c,14d,14e
は、シャッタ地板2に形成された受け部2d,2e,2
fに載置されている。また、長孔14f,14g,14
hは、シャッタ地板2に立設された軸2g,2h,2i
に緩く嵌合され、それらの軸によってリンク部材14の
作動が制限されないようになっている。
【0022】シャッタ羽根15,16,17は、夫々、
それらの孔を軸2g,2h,2iに回転可能に嵌合さ
せ、それらの嵌合部を支点にして往復回動が可能になっ
ている。また、各シャッタ羽根15,16,17は、夫
々、リベット部品である連結軸18,19,20によっ
てリンク部材14に取り付けられている。そのため、連
結軸18,19,20が各シャッタ羽根15,16,1
7の動点部となっている。尚、シャッタ羽根17の先端
に突起部17aが形成されているが、これはシャッタ羽
根7との共通部品化を図っているだけであり、機能的な
意味はない。
【0023】また、シャッタ地板2の背面側にはムービ
ングマグネット型モータM2が取り付けられている。こ
のモータの構成については、ムービングマグネット型モ
ータM1の構成と一緒に後述するが、図3(b)におい
ては回転子21のみが示されている。この回転子21に
は作動部材22が一体的に構成されていて、その作動ピ
ン22aが、シャッタ地板2に形成された円弧状の長孔
2jを貫通し、羽根室内でリンク部材14の長孔14a
に嵌合している。更に、シャッタ地板2の背面側には、
ばね23を巻回する軸2kとばね掛け部2mが形成され
ている。そして、ばね23は、一端が該ばね掛け部2m
に掛けられ、他端が折り曲げられて窓部2nから羽根室
内に挿入され、リンク部材14の長孔14bに掛けられ
ている。従って、図3(b)においてリンク部材14
は、ばね23によって上方へ作動するように付勢されて
いる。
【0024】シャッタ地板2の背面側には、更に軸2p
が立設されており、そこに開口規制部材24が回転可能
に嵌合されている。この開口規制部材24には、シャッ
タ地板2の背面に向けて二つのピン24a,24bが形
成されているが、ピン24aは短くて、その先端がシャ
ッタ地板2の背面に達していないのに対して、ピン24
bは長く、シャッタ地板2の長孔2qを貫通して、羽根
室内において、リンク部材14の当接部14iの作動軌
跡内に臨んでいる。また、開口規制部材24は、簡略化
して示したばね25によって時計方向へ回転するように
付勢されているが、その時計方向への回転は、シャッタ
地板2に設けられたストッパ2rによって制限されるよ
うになっている。
【0025】更に、周知のズームリング26が、シャッ
タ地板1,2に対して、光軸を中心にして回転可能に配
置されている。そして、このズームリング26には、図
1においては右方向に向け、図3(b)においては背後
方向へ向けて突出部26aが形成されており、図3
(b)から分かるように、突出部26aの側面がピン2
4aに接触している。従って、ズームリング26が反時
計方向へ回転されると、突出部26aによってピン24
aが押され、ばね25の付勢力に抗して開口規制部材2
4が反時計方向へ回転され、逆に、ズームリング26が
時計方向へ回転されると、ピン24aが突出部26aに
追従し、開口規制部材24が時計方向へ回転するように
なっている。尚、本実施例においては、ズームリング2
6は、望遠撮影の場合には時計方向へ回転され、広角撮
影の場合には反時計方向へ回転されるようになってい
る。
【0026】ところで、既に述べたようにムービングマ
グネット型モータの構成は周知であるが、主に、図1及
び図2を用いて簡単に説明しておく。本実施例において
は、開き用羽根群を駆動するムービングマグネット型モ
ータM1と閉じ用羽根群を駆動するムービングマグネッ
ト型モータM2とは全く同じ構成をしている。回転子1
1,21は永久磁石製であって2極に着磁されている。
その磁極配置については、回転子11を示した図2の説
明図から理解することができる。この回転子11,21
の回転軸は合成樹脂製であり、作動部材12,22と一
体成形されている。従って、作動部材12,22の先端
に設けられている作動ピン12a,22aも合成樹脂製
である。しかし、これらの回転子11,21と作動部材
12,22の両方を、予め磁性体材料の粉末を混入した
樹脂材料によって一体成形することも知られている。
【0027】このような回転子11,21は、夫々、上
枠27,28と下枠29,30によって軸受けされてお
り、それらを束ねるようにしてコイル31,32が巻か
れている。また、コップ状をした上枠27,28とコイ
ル31,32を囲むようにして、円筒形をしたヨーク3
3,34が取り付けられている。そして、これらのモー
タM1,M2は、夫々、二つのビス35,35,36,
36によって各シャッタ地板1,2に取り付けられてい
る。また、固定子を構成する上枠27,28の一部に
は、周知のように、棒状の磁性体部材が、回転子11,
21の周面に対向するようにして、回転子11,21の
回転軸に対し平行に配置されている。図2においては、
上枠27に取り付けられたそのような磁性体部材37
と、回転子11との配置関係が理解できるように示され
ている。
【0028】次に、本実施例の作動を説明する。図3
(a),図3(b)は、カメラが使用されていない状態
における各羽根室内の状態を示している。このとき、ム
ービングマグネット型モータM1,M2のコイル31,
32は、いずれも非通電状態である。しかし、回転子1
1,21は、上記したように、モータM1,M2の上枠
27,28に設けられた磁性体部材との間に作用してい
る磁力により、この状態を確実に維持されている。
【0029】即ち、このとき、一方の回転子11の磁極
と磁性体部材37との位置関係は、図2(a)に示され
たようになっている。そのため、磁性体部材37と、回
転子11のN極との間には引力として働く磁力が発生
し、この磁力が、磁性体部材37と回転子11のS極と
の間に働く磁力よりも大きいため、回転子11には矢印
Aのような時計方向へ回転する力が働いている。そし
て、その回転力が、ばね13の付勢力よりも充分に大き
いため、図3(a)に示すように、作動ピン12aが円
弧状の長孔1jの下端部に接触させられ、その状態が維
持されているわけである。
【0030】他方、回転子21については、磁性体部材
との位置関係を図示していないが、それらの相対位置関
係は、図2(b)に示されている、磁性体部材37と回
転子11との関係と同じ関係になっている。そのため、
磁性体部材と回転子21との間には、N極との間の引力
として働く磁力よりもS極との間の磁力が大きく働いて
おり、回転子21は矢印Bのような反時計方向への回転
力が付与されている。更に、それだけではなく、ばね2
3の付勢力も加わるため、図3(b)に示すように、作
動ピン22aが円弧状の長孔2jの上端部に確実に接触
させられ、その状態が維持されている。
【0031】このように、本実施例においては、カメラ
の不使用時には、開き用羽根群のシャッタ羽根5,6,
7と閉じ用羽根群のシャッタ羽根15,16,17の両
者が露光用開口部(開口部1a)を覆っているので、一
方の羽根群のシャッタ羽根(例えばシャッタ羽根5,
6,7)のみによって覆っている場合に比較し、フィル
ム面に対する漏光が確実に防止されている。尚、ばね2
3の付勢力のみによって、シャッタ羽根15,16,1
7の閉じ状態を確実に維持できるのであれば、モータM
2の上枠28には、敢えて磁性体部材を設ける必要はな
い。また、逆に、磁性体部材を設けることによって、シ
ャッタ羽根15,16,17の閉じ状態を確実に維持で
きるのであれば、ばね23は不要である。しかし、ばね
23を設けておくと、後述するように、シャッタ羽根1
5,16,17の閉じ作動の起動が速くなり、且つモー
タM2に対する供給電圧の変動等に対して安定した作動
が行われるようになる。
【0032】撮影に先立って、先ず、ズームリング26
を回転させ、変倍比を決定する。本実施例の場合には、
ズームリング26の回転によって変倍範囲の略中間位置
にセットされているため、開口規制部材24のピン24
bが長孔2qの長さ方向に対して略中央部に位置してい
るが、仮に、望遠位置にセットされた場合には、開口規
制部材24は、ばね25によって更に時計方向へ回転さ
れていて、ピン24bは長孔2qの下方部に位置してい
ることになる。
【0033】この状態においてシャッタボタンが押され
ると、先ず電源スイッチが閉じ、シャッタ地板1に取り
付けられている図示していないフォトリフレクタが通電
状態となる。それによって、フォトリフレクタの発光部
から羽根室内に出射された光は、隔壁板3に取り付けら
れた図示していない反射シートで反射され、受光部に入
射していることになるが、露光時間制御回路はこのH信
号によっては始動しない。このようなフォトリフレクタ
への通電と並行して、ムービングマグネット型モータM
2のコイル32に、一方方向への通電が行われると、回
転子21が図3(b)において時計方向へ回転し、作動
ピン22aが、ばね23の力に抗してリンク部材14を
下方へ作動させる。
【0034】それによって、シャッタ羽根15,16,
17は、軸2g,2h,2iを支点にして時計方向へ回
転され、露光用開口部(開口部1a)から退いていく
が、シャッタ羽根15,16,17が露光用開口部から
完全に退避する前に、リンク部材14の当接部14iが
開口規制部材24のピン24bに当接することによっ
て、閉じ用羽根群の開き作動が停止される。そのときに
おける開き用羽根群と閉じ用羽根群の状態が、夫々、図
4(a),図4(b)に示されている。そして、この状
態になっても、コイル32に対しては、上記した一方方
向への電流が流し続けられているため、この状態が維持
される。
【0035】次に、図4の状態において、ムービングマ
グネット型モータM1のコイル31に対し、一方方向へ
の通電が行われる。その結果、図2(a)に示した回転
子11のN極と磁性体部材37との間に働いていた矢印
A方向の回転力が失われ、且つ同時に回転子11は反時
計方向へ所定の角度だけ回転されることになる。そのた
め、作動ピン12aは、リンク部材4を伴って、図4
(a)の状態から上方へ作動していく。既に述べたよう
に、ムービングマグネット型モータの場合には、当初、
この作動は緩慢であり且つ負荷条件や供給電圧に影響を
受け易い。しかしながら、本実施例の場合には、コイル
31への通電に伴い、ばね13の付勢力がリンク部材4
に作用して上方へ押すので、作動開始当初においては、
リンク部材4は、回転子11の力のみによって作動する
場合よりも早く作動し且つ安定して作動することにな
る。
【0036】このようにして、リンク部材4が上方へ作
動を開始すると、開き用羽根群のシャッタ羽根5,6,
7も、夫々、軸1g,1i,1hを中心にして反時計方
向へ回転を開始する。そして、ピンホール状態になる前
にシャッタ羽根7の突起部7aが図示していないフォト
リフレクタの光路を遮断するとL信号が出力され、その
出力信号によって露光時間制御回路が始動する。その
後、シャッタ羽根5,6,7は、開口部1aをピンホー
ル状態とし、光軸を中心にして該開口部を開きながらフ
ィルムを露光していく。そして、この開き作動は、シャ
ッタ羽根15,16,17によって形成されている開口
位置を通過し、開口部1aを全開にした後、作動ピン1
2aが円弧状の長孔1jの上端に当接することによって
停止する。そのときの開き用羽根群と閉じ用羽根群の状
態が図5(a),図5(b)に示されている。
【0037】本実施例においては、このようにして停止
したシャッタ羽根5,6,7の開き状態は、コイル31
に対する上記した一方方向への通電を続けることによっ
て維持される。しかしながら、本実施例の構成は、長時
間露光を行う場合やバルブ撮影を行う場合において、コ
イル31に対する通電を断ったとしても、リンク部材4
は、この状態を維持できるようになっている。
【0038】即ち、この状態における回転子11の磁極
と固定子側の磁性体部材37との位置関係は、図2
(b)に示されたようになっている。そのため、コイル
31に上記した一方方向への通電が行われていなくて
も、回転子11には、そのS極と磁性体部材37との間
に引力として働く磁力によって、矢印Bのような反時計
方向への回転力が付与されており、更にその上に、ばね
13の付勢力も加わっているからである。従って、その
場合、もしも、特別な電気的制御手段を用いることによ
って、回転子11の回転が好適に得られ、それによって
シャッタ羽根5,6,7の開き作動が早く且つ安定して
得られるようにした場合には、ばね13を設けていなく
てもても、コイル31に対する通電を断つだけで、その
停止状態を維持することが可能である。
【0039】その後、所定の時間が経過すると、露光時
間制御回路の出力信号に応じて、他方のムービングマグ
ネット型モータM2のコイル32に対する上記した一方
方向への通電が断たれ、直ちに逆方向への通電が行われ
る。それによって、回転子21と一体の作動部材22
は、図5(b)において反時計方向へ回転し、作動ピン
22aと長孔14aとの連結関係によって、リンク部材
14が上方へ作動することになるが、既に説明したよう
に、回転子21の回転力のみによって行う作動は、その
初期段階においては比較的緩慢である。しかし、本実施
例においては、コイル32に対する上記した一方方向へ
の通電が断たれたときから、ばね23の付勢力が、リン
ク部材14を上方へ作動させるように働くので、リンク
部材14の上方への作動は速やかに行われることにな
る。
【0040】このようなリンク部材14の上方への作動
によって、閉じ用羽根群のシャッタ羽根15,16,1
7は、軸2g,2i,2hを中心にして反時計方向へ回
転する。そして、露光用開口部(開口部1a)を閉じた
後、即ちフィルムの露光が終了した後、作動ピン22a
が円弧状の長孔2jの上端に当接することによって停止
する。そのような、露光作動終了直後における、開き用
羽根群と閉じ用羽根群の状態が、図6(a),図6
(b)に示されている。このようにして、閉じ用羽根群
のシャッタ羽根15,16,17が閉じ作動を終了する
と、ムービングマグネット型モータM2のコイル32に
対する逆方向への通電が断たれるが、その状態は、図3
(b)の状態と同じであるから、既に述べたように、回
転子21と図示していない磁性体部材との間に働く磁力
と、ばね23の付勢力とによって、この状態が維持され
る。
【0041】その後、ムービングマグネット型モータM
1のコイル31に対する上記した一方方向への通電が断
たれ、直ちに逆方向への通電が行われる。それによって
回転子11と作動部材12は、図6(a)において時計
方向へ回転し、作動ピン12aによって長孔4aの端面
を押し、ばね13の付勢力に抗してリンク部材4を下方
へ作動させる。そのため、シャッタ羽根5,6,7は時
計方向へ回転し、開口部1aを閉じて行くが、その閉じ
作動は、作動ピン12aが長孔1jの下端に当接するこ
とによって停止する。そして、コイル31に対する逆方
向への通電が断たれると、図3(a)の状態となり、以
後は、既に図2(a)を用いて説明したように、回転子
11と磁性体部材37との間に働く磁力によって、次の
撮影までこの状態が維持されることになる。従って、露
光用開口部(開口部1a)は、二組の羽根群によって覆
われており、漏光防止が確実に行われることになる。
【0042】尚、上記の作動説明においては、シャッタ
羽根15,16,17に閉じ作動を行わせるために、コ
イル32に対して逆方向への通電を行っているが、回転
子21の周面に対向する位置に磁性体部材を配置しない
ようにした場合には、コイル32に対する上記した一方
方向への通電を断つだけでも、ばね23の付勢力のみに
よって、その閉じ作動を行わせることが可能である。ま
た、上記の作動説明においては、閉じ用羽根群が閉じ作
動を終了してから、開き用羽根群が閉じ作動を開始する
場合で説明したが、開き用羽根群の閉じ作動は、上記し
た所定時間後における閉じ用羽根群が閉じ作動を開始し
た後であれば、いつ開始するようにしても差し支えな
い。
【0043】更に、上記の作動説明にいおいては、開き
用羽根群が開き作動を停止してから、閉じ用羽根群が閉
じ作動を開始する場合で説明したが、本実施例によれ
ば、開き用羽根群が露光用開口部(開口部1a)を全開
する前に、閉じ用羽根群に閉じ作動を開始させるように
することが可能である。それによって、露光用開口部
(開口部1a)が全開になるのと殆ど同時に閉じさせる
ようにすることも、また、全開になる前に閉じていくよ
うにすることも可能になる。但し、後者の場合には、開
き用羽根群によって形成される開口が、閉じ用羽根群に
よって形成されている開口よりも大きくなった段階で、
閉じ用羽根群に閉じ作動を行わせるようにする必要があ
ことは言うまでもない。
【0044】次に、図7及び図8を用いて本発明の第2
実施例を説明する。本実施例と第1実施例との相違点
は、第1実施例におけるリンク部材4,14の形状が一
部異なるだけである。従って、図7及び図8は、その異
なる点だけが分かるように拡大して示しており、第1実
施例と同じ部材,同じ部位には同じ符号を付けてある。
そして、図7は、図3(a)と同じようにして、カメラ
の不使用時における開き用羽根群の羽根室を視た図であ
る。また、図8は、図3(b)と同じようにして、カメ
ラの不使用時における閉じ用羽根群の羽根室を視た図で
ある。
【0045】これらの図から分かるように、リンク部材
4,14には、第1実施例のような長孔4a,14aが
形成されていない。それらに代わって凹部4i,14j
が形成されていて、上記したばね13,23の付勢力に
より、それらの底部の端面を作動ピン12a,22aに
接触させているだけである。但し、このような構成は、
ばね13,23を設けた場合にのみ可能となることは言
うまでもない。また、このような形状に構成した場合に
は、組立後の調整時又は修理時において、ムービングマ
グネット型モータの付け替えを行うに際し、作動ピン1
2a,22aとリンク部材4,14との連結作業が容易
になる。尚、撮影時における本実施例の作動について
は、第1実施例の場合と実質的に同じであるので、その
説明を省略する。
【0046】尚、上記の各実施例においては、ズームリ
ング26の回転位置に応じて直接開口規制部材24が作
動され、ピン24bの位置を決定するようにしている
が、それらの間に仲介部材を介するようにしても差し支
えない。その場合、仲介部材を光軸と平行に作動させ、
その仲介部材に形成されたカム面によって開口規制部材
24のピン24aを押すようにすることが可能であり、
また、そのように構成した場合には、カム面の形状によ
って、開口の大きさを連続的にではなく、段階的に変え
るようにすることも可能である。また、上記の各実施例
においては、変倍装置のズームリング26の回転位置に
応じて開口の大きさを制御しているが、開口規制部材2
4を距離調節装置の距離調節リングに連動させ、撮影距
離に対応した大きさの開口が得られるようにしても差し
支えない。更に、変倍比や距離とは連動せず、所望の開
口を任意に選択して撮影できるようにすることも可能で
ある。
【0047】また、上記の各実施例においては、シャッ
タ羽根の駆動源にムービングマグネット型モータを使用
しているが、本発明は、ばねのみによってシャッタ羽根
を駆動するものにも適用することが可能である。また、
駆動源にモータを使用する場合であっても、ムービング
マグネット型モータではなく、ステッピングモータを用
いてもよいし、一方をムービングマグネット型モータに
し、他方をステッピングモータにしてもよい。また、上
記の各実施例においては、作動部材が回転子と一体に構
成されているが、周知のようにして別体に構成しても差
し支えない。
【0048】更に、上記の各実施例においては、リンク
部材4,14が環状をしているが、本発明はこのような
形状に限定されるものではない。例えば、第1実施例に
おいてシャッタ羽根5との連結部とシャッタ羽根6との
連結部を残し、それらの間を欠落させた円弧状としても
構わない。その場合には、開口部1aを約240°にわ
たって囲むようにした形状となる。更にまた、上記の各
実施例においては、シャッタ羽根群を3枚で構成してい
るが、必要に応じて4枚以上にしても差し支えない。仮
に、第1実施例において開き用羽根群を4枚にした場合
には、リンク部材4は、開口部1aを約270°にわた
って囲む形状にしてもよいことになる。但し、このこと
は、各シャッタ羽根を開口部の周りに等間隔に配置した
場合のことであって、シャッタ羽根を3枚構成にした場
合であっても、コンパクト化することを多少犠牲にすれ
ば、240°以下の形状にすることが可能になる。
【0049】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、環状又
は円弧状の二つのリンク部材を、光軸を横切る方向へ所
定のタイミングで夫々往復作動させ、夫々3枚以上で構
成された開き用羽根群と閉じ用羽根群とによって露光作
動を行うようにしたカメラ用シャッタにおいて、変倍装
置,距離調節装置等に連動して変位可能な開口規制部材
を、閉じ用羽根群を作動させるためのリンク部材の作動
軌跡内に臨ませていることにより、レリーズ時に露光作
動に先立って行う該リンク部材の開き作動量を規制する
ようにしたから、極めて好適な撮影結果を得ることが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の全体像を理解するのに必要な断面
図である。
【図2】第1実施例における開き用羽根群の駆動源に用
いられているムービングマグネット型モータの機能を説
明するための図であって、図2(a)はシャッタ羽根を
閉じさせている状態を示し、図2(b)はシャッタ羽根
を開かせている状態を示したものである。
【図3】第1実施例におけるカメラの不使用状態を示す
平面図であって、図3(a)は開き用羽根群の羽根室内
を、図3(b)は閉じ用羽根群の羽根室内を示したもの
である。
【図4】第1実施例における露光作動開始直前の状態を
示す平面図であって、図4(a)は開き用羽根群の羽根
室内を、図4(b)は閉じ用羽根群の羽根室内を示した
ものである。
【図5】第1実施例において露光用開口部が所定の開口
に開かれた状態を示した平面図であって、図5(a)は
開き用羽根群の羽根室内を、図5(b)は閉じ用羽根群
の羽根室内を示したものである。
【図6】第1実施例における露光作動終了直後の状態を
示した平面図であって、図6(a)は開き用羽根群の羽
根室内を、図6(b)は閉じ用羽根群の羽根室内を示し
たものである。
【図7】第2実施例の要部平面図であって、カメラの不
使用時における開き用羽根群の羽根室内を一部だけ示し
たものである。
【図8】第2実施例の要部平面図であって、カメラの不
使用時における閉じ用羽根群の羽根室内を一部だけ示し
たものである。
【符号の説明】
1,2 シャッタ地板 1a,2a,3a 開口部 1b,2b 壁 1c,2c 台座 1d,1e,1f,2d,2e,2f 受け部 1g,1h,1i,1k,2g,2h,2i,2k,2
p 軸 1j,2j,2q,4a,4f,4g,4h,14a,
14b,14f,14g,14h 長孔 1m,2m ばね掛け部 1n,2n 窓部 2r ストッパ 3 隔壁板 4,14 リンク部材 4b 係接部 4c,4d,4e,14c,14d,14e 張出部 4i,14j 凹部 5,6,7,15,16,17 シャッタ羽根 7a,17a 突起部 8,9,10,18,19,20 連結軸 11,21 回転子 12,22 作動部材 12a,22a 作動ピン 13,23,25 ばね 14i 当接部 M1,M2 ムービングマグネット型
モータ 24 開口規制部材 24a,24b ピン 26 ズームリング 26a 突出部 27,28 上枠 29,30 下枠 31,32 コイル 33,34 ヨーク 35,36 ビス 37 磁性体部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両者の間を隔壁板で仕切って二つの羽根
    室を形成し該隔壁板との三者のいずれかによって円形の
    露光用開口部を規制するようにした二つのシャッタ地板
    と、各々が3枚以上のシャッタ羽根で構成されていて前
    記各羽根室内に別々に配置されており各シャッタ羽根は
    前記開口部の開き位置と閉じ位置との間を往復回動し得
    るようにされていて露光作動時においては一方の羽根群
    が前記開口部の開き方向へ作動し他方の羽根群が前記開
    口部の閉じ方向へ作動するようにした二つの羽根群と、
    各々が前記開口部を囲んだ環状又は円弧状をしていて前
    記各羽根室内において前記各羽根群に連結されており光
    軸を横切る方向へ往復作動することによって前記各シャ
    ッタ羽根を往復回動させる二つのリンク部材と、各々が
    別の駆動手段によって往復作動させられ前記各リンク部
    材に往復作動を行わせる二つの作動部材と、前記他方の
    羽根群に連結したリンク部材に当接される被当接部を有
    していて該被当接部を該リンク部材の作動軌跡内で変位
    させることにより前記他方の羽根群の閉じ方向への作動
    開始位置を規制し露光作動前に前記他方の羽根群を該作
    動開始位置に待機させることができるようにした開口規
    制部材とを備えていることを特徴とするカメラ用シャッ
    タ。
  2. 【請求項2】 前記二つの駆動手段のうち前記作動部材
    及び前記リンク部材の各一方を介して前記一方の羽根群
    を作動させる駆動手段が永久磁石製の回転子を有するム
    ービングマグネット型モータであって、該リンク部材は
    前記一方の羽根群を開かせる方向へばねによって付勢さ
    れているようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
    カメラ用シャッタ。
  3. 【請求項3】 前記ムービングマグネット型モータの固
    定子には、前記回転子の周面に対向する所定の位置に磁
    性体部材が設けられていて、カメラの不使用時には、該
    磁性体部材と前記回転子との間に作用する吸引力が前記
    ばねの力よりも大きくなるように設定されていることを
    特徴とする請求項2に記載のカメラ用シャッタ。
  4. 【請求項4】 前記作動部材の一方が、前記ムービング
    マグネット型モータの回転子と一体に構成されているこ
    とを特徴とする請求項2又は3に記載のカメラ用シャッ
    タ。
  5. 【請求項5】 前記開口規制部材が、変倍装置又は距離
    調節装置に連動して前記被当接部を変位させるようにし
    たことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のカ
    メラ用シャッタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100629689B1 (ko) * 2004-04-20 2006-09-29 가시오게산키 가부시키가이샤 촬상장치 및 렌즈유닛제어방법

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KR100629689B1 (ko) * 2004-04-20 2006-09-29 가시오게산키 가부시키가이샤 촬상장치 및 렌즈유닛제어방법

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