JPH1152434A - シート状表示媒体、シート状表示装置、およびシート状表示媒体の製造方法 - Google Patents
シート状表示媒体、シート状表示装置、およびシート状表示媒体の製造方法Info
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- JPH1152434A JPH1152434A JP9213316A JP21331697A JPH1152434A JP H1152434 A JPH1152434 A JP H1152434A JP 9213316 A JP9213316 A JP 9213316A JP 21331697 A JP21331697 A JP 21331697A JP H1152434 A JPH1152434 A JP H1152434A
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Abstract
機械的振動に対しても十分に安定な無電源画像保持性を
備え、紙の代替特性の高いシート状表示媒体、シート状
表示装置、およびシート状表示媒体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 両電極群31,32に表示側Aから非表
示側Bに向かう電界を印加すると、表示素子20は、キ
ャビティ21aの壁に付着する。電界を除去しても、表
示素子20は静電力等の付着力によってキャビティ21
aの壁に付着し、さらに、表示素子20の比重を周囲の
液体24と略同一としたので、安定して白表示状態を保
持する。
Description
用したシート状表示媒体、シート状表示装置、およびシ
ート状表示媒体の製造方法に関し、特に、紙の代替特性
の高いシート状表示媒体、シート状表示装置、およびシ
ート状表示媒体の製造方法に関する。
の業務の生産性を大きく向上させた一方、情報用紙の消
費の大幅な増加も招いた。これは、地球環境保護の観点
から好ましいものとは言えない。これに対して、紙のリ
サイクル、非木材紙、書き換え可能なシート状表示媒体
の開発等が鋭意進められている。それぞれが用途に応じ
た目的を持つが、中でも書き換え可能なシート状表示媒
体は、一度製造されてユーザまで届けば、以後は流通/
再生といったプロセスを必要とすることなく、紙の代
替、または新しいツールとしての価値をもたらすものと
して期待されている。
て、例えば、USP4,126,854号に示されるも
のがある。図12(a) ,(b) は、そのシート状表示装置
を示す。このシート状表示装置100は、図12(a) に
示すように、2色粒子回転型のものであり、表示体11
0と、この表示体110を駆動する駆動装置120とか
ら構成されている。表示体110は、複数の2色粒子1
11を2次元状に配置して支持する透明の支持体112
を備えている。この支持体112は、図12(b) に示す
ように、各2色粒子111の周囲にキャビティ112a
を形成し、キャビティ112aを透明の液体113で満
たして2色粒子111を液体113中に浮遊させてい
る。2色粒子111は、半球毎に黒色表示領域111a
と白色表示領域111bが形成され、液体113中で表
面が異なる電荷を有し、かつ、粒子111全体として一
定の正味電荷を有するように構成されている。同図の場
合は、黒色表示領域111aは正の電荷、白色表示領域
113bは負の電荷をそれぞれ有し、正の正味電荷を有
している。駆動装置120は、表示体110の表示側A
に配置された縦方向線状電極群121、およびこの電極
群121を支持する第1の基板122と、表示体110
の表示側Aと反対側Bに配置された横方向線状電極群1
23、およびこの電極群123を支持する第2の基板1
24と、両電極群121,123に画像信号に応じて電
圧を印加する電源125を備えている。
て、電源125から画像信号に応じて両電極群121,
123に電圧を印加し、外側から表示体110に電界を
印加すると、2色粒子111はその双極子状の表面電荷
分布から電界方向に対して安定な姿勢をとるように必要
に応じて回転運動を起こす。この結果、表示側Aの画像
観察者に対して画像信号に応じた半球を向けることがで
き、白および黒からなる画像を表示できる。さらに、2
色粒子111は、粒子111全体として一定の正味電荷
を有するため、回転運動と同時に並進運動を起こし、キ
ャビティ112aの壁に付着する。一旦キャビティ11
2aの壁に付着すると、電界が除去されても2色粒子1
11は静電力やファンデルワールス力等の付着力によっ
てキャビティ112aの壁に留まろうとし、これが無電
源画像保持性を与えている。また、電界制御のみで画像
の書き込みが可能なため、二次元駆動等によって高速な
表示が可能となり、色素の添加によって高いコントラス
トが得易いという特長がある。
状表示装置100によると、電界が除去された後、外部
からハンドリング中の摩擦帯電等の静電的なノイズが入
ると、その電界方向に2色粒子111が回転したり、機
械的な振動や衝撃が加わると2色粒子111と液体11
3の比重差によってキャビティ112aの壁から2色粒
子111が離れて、無電源画像保持性が損なわれる場合
があった。例えば、2色粒子111の比重は1.1〜
1.3であり、その周囲の液体113に用いられるイソ
パラフィン系炭化水素やシリコーンオイルの比重は0.
8〜1.0であり、両者には0.25前後の比重差があ
る。
答性を有し、静電的ノイズや機械的振動に対しても十分
に安定な無電源画像保持性を備え、紙の代替特性の高い
シート状表示媒体、シート状表示装置、およびシート状
表示媒体の製造方法を提供することにある。
成するため、表示された画像を保持するシート状表示媒
体において、表面が相対的に正負に帯電し、かつ、全体
として正あるいは負の正味電荷を有し、前記表面に複数
の色を表示する複数の表示領域が形成された複数の表示
素子と、前記複数の表示素子を透光性液体中に浮遊させ
て二次元状に配列した透明のシート状支持体を備え、前
記複数の表示素子は、前記透光性液体と略同一の比重を
有するように構成されたことを特徴とするシート状表示
媒体を提供する。
め、画像を表示して保持するシート状表示装置におい
て、表面が相対的に正負に帯電し、かつ、全体として正
あるいは負の正味電荷を有し、前記表面に複数の色を表
示する複数の表示領域が形成された複数の表示素子と、
一方の面に画像表示面を有し、前記複数の表示素子を透
光性液体中に浮遊させて二次元状に配列した透明のシー
ト状支持体と、前記複数の表示素子に画像信号に応じた
方向の電界を印加して前記複数の表示領域の1つを前記
画像表示面に向ける電界印加手段を備え、前記複数の表
示素子は、前記透光性液体と略同一の比重を有するよう
に構成されたことを特徴とするシート状表示装置を提供
する。
め、表示された画像を保持するシート状表示媒体の製造
方法において、表面が相対的に正負に帯電し、かつ、全
体として正あるいは負の正味電荷を有し、前記表面に複
数の色を表示する複数の表示領域が形成された複数の表
示素子を作製し、前記複数の表示素子を透明のシート状
ゴム部材の内部に二次元状に配列して支持し、前記シー
ト状ゴム部材を透光性液体中に浸漬して前記シート状ゴ
ム部材を膨潤させ、これによって前記複数の表示素子を
前記透光性液体中に浮遊させて支持し、前記複数の表示
素子の作製は、前記透光性液体と略同一の比重を有する
ように構成することを特徴とするシート状表示媒体の製
造方法を提供する。
の形態に係るシート状表示装置の装着状態を示し、同図
(b) は、その分離状態を示す。このシート状表示装置1
は、シート状表示媒体2と、シート状表示媒体2を駆動
する駆動装置3とから構成され、シート状表示媒体2
は、駆動装置3に対し同図矢印X方向へ挿入および引出
し可能になっている。
0を二次元状に配列して支持する透明の支持体21と、
支持体21の表面を覆う透明の保護層23とから構成さ
れている。支持体21は、各表示素子20の周囲にキャ
ビティ21aを形成し、キャビティ21aを透明の液体
24で満たして表示素子20を液体24中に浮遊させて
いる。
等の透明エラストマーを用いることができる。保護層2
3には、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム
等の透明のプラスチックフィルムを用いることができ
る。
なるケース30を有している。このケース30は、シー
ト状表示媒体2が装着される装着口30aと、シート状
表示媒体2を位置決めする当接部30bとを備えてい
る。装着口30aの表示側Aの内面には、透明の縦方向
線状電極群31を配置し、装着口30aの非表示側Bの
内面には、横方向線状電極群32を配置している。ま
た、駆動装置3は、ケース30内にシート状表示媒体2
を駆動する駆動回路33を備えている。
31aを介してインジウム錫酸化物(ITO)等の透明
導電膜からなる複数の縦方向線状電極31bをストライ
プ状に形成したものである。横方向線状電極群32は、
絶縁領域を介して複数の縦方向線状電極31bと直交す
る方向に複数の横方向線状電極をストライプ状に形成し
たものである。縦方向線状電極群31および横方向線状
電極群32は、同一基板あるいは別基板上に設けられた
薄膜トランジスタ等のスイッチング素子によって駆動さ
れるようになっている。
ース30から導出し、この信号入力端子33aに入力さ
れる画像信号Sに応じて両電極群31,32に直流電圧
を印加することで表示素子20に電界を印加するように
なっている。
0は、中空球状のシェル200を有し、シェル200内
に表示素子20が液体24と略同一の比重となるように
制御された液体202(例えば液体24と同一のもの)
を封入したもので、2色を表示するように構成されてい
る。また、シェル200は、外面が半球毎に異なる色、
例えば、黒色(K)と白色(W)に塗り分けられたK表
示領域200KおよびW表示領域200Wを備え、液体
24中で表面が相対的に正負に帯電し、かつ、表示素子
20全体として一定の正味電荷を有するように構成され
ている。ここでは、K表示領域200Kが正の電荷、W
表示領域200Wが負の電荷を有し、表示素子20全体
として正の正味電荷を有するものとする。なお、本実施
の形態では、1つの表示素子20で1画素を構成してい
るが、複数の表示素子20で1画素を構成してもよい。
これにより、駆動装置3(線状電極群31,32)に対
する表示媒体2の位置精度を低くすることが可能にな
り、また、多階調表示が容易となる。
示媒体2の一製造方法を説明する。まず、表示素子20
を一般的なマイクロカプセル製造法によって作製する。
すなわち、液体202として例えばシリコーンオイルを
ポリエチレンのシェル200で被覆した直径約100ミ
クロンのマイクロカプセル粒子を作製し、シェル200
表面を半球毎に白色塗料と黒色塗料でコーティングして
複数の表示素子20を作製する。なお、シェル200が
透明物質で、マイクロカプセル粒子内のシリコーンオイ
ルが黒色の場合には、シェル200の表面の半球のみを
白色塗料でコーティングして表示素子20を作製しても
よい。この場合は、例えば、マイクロカプセル粒子を平
面上に並べて軽く固定し、スプレーあるいは蒸着によっ
てシェル200の表面の半球のみを白色塗料で容易にコ
ーティングすることができる。
表示素子20を用いてシート状表示媒体2を作製するプ
ロセスについて述べる。半球毎に色分けされた複数の表
示素子20と硬化前のシリコーンゴムとを混合し、これ
を脱泡した後、表示素子20の1〜3層分の厚さにコー
ティングする。シリコーンゴムが硬化した後、これをイ
ソパラフィン系炭化水素やシリコーンオイルに浸漬す
る。するとシリコーンゴムが膨潤し、膨潤しない各表示
素子20の周囲には液体24で満たされたキャビティ2
1aが形成される。これで表示媒体2の基本機能はほぼ
作られたことになるが、紙の代替として使うために、こ
のシートを例えばポリエチレンテレフタレートフィルム
の保護層23でラミネートする。
お、表示素子20の表面は、コーティングされた半球と
されていない半球、あるいは半球毎に異なった塗料でコ
ーティングされることにより、自動的に液体24中での
界面電位に半球毎の差が現れ、例えば、黒半球表面が相
対的に正、白半球表面が相対的に負といった電荷を持
ち、これが回転の駆動力となる。
示装置1の動作を説明する。 (1) 1つの表示素子20の表示動作 図3(a) は、白表示動作を示す。縦方向線状電極群31
および横方向線状電極群32に表示側Aから非表示側B
に向かう電界を印加すると、表示素子20は、その双極
子状の表面電荷分布から電界方向に対して安定な姿勢を
とるように必要に応じて回転運動を起こす。この結果、
表示側Aの画像観察者に対して画像信号に応じた半球を
向け、白からなる画像を表示する。さらに、表示素子2
0は、表示素子20全体として一定の正味電荷を有する
ため、回転運動と同時に並進運動を起こし、キャビティ
21aの壁に付着する。図3(a) の場合は、表示素子2
0はキャビティ21aの非表示側Bの壁に付着する。こ
の状態で電界を除去すると、表示素子20は静電力やフ
ァンデルワールス力等の付着力によってキャビティ21
aの壁に付着し、さらに、表示素子20は周囲の液体2
4の比重と略同一となっているので、安定して白表示状
態を保持することができる。
状電極群31および横方向線状電極群32に白表示とは
逆の電界を印加すると、図3(b) に示すように、表示素
子20はキャビティ21aの表示側Aの壁に付いて停止
する。この状態で電界を除去しても白表示状態で説明し
たように、安定して黒表示状態を保持することができ
る。
表示されたシート状表示媒体2を装着し、図1(a) に示
される状態にセッティングする。駆動装置3の駆動回路
33は、信号入力端子33aから画像信号Sが入力され
ると、画像信号Sに応じて縦方向線状電極群31および
横方向線状電極群32に電圧を印加する。例えば、縦方
向線状電極群31に画像信号Sを供給し、横方向線状電
極群32にライン選択信号を所望のタイミングで供給す
ることによって2次元的に画像を表示することができ
る。
る電界の方向により図3(a) ,(b),に示されるいずれ
かの状態を取りながら、表示側Aに画像を表示する。こ
の表示媒体2を駆動装置3から分離すれば、紙の代替の
ように取り扱うことができる。そしてその画像が不要に
なれば再度駆動装置3に組み込むことによって繰り返し
使用することが可能である。
の効果が得られる。 (イ) 表示素子20の比重を周囲の液体24と略同一とし
ているので、慣性運動によって表示素子20と周囲の液
体24の位置が入れ替わり難くなり、静電的ノイズや機
械的振動に対しても十分に安定な無電源画像保持性を備
えることができる。この結果、画像情報が記録された表
示媒体2を駆動装置3から分離してもその安定な無電源
画像保持性により、従来、ハンドリング中に時として画
像の劣化が起こった問題が全く発生しなくなり、画像の
堅牢性が大きく向上し、長期に亘って紙のように取り扱
うことができ、また、繰り返し使用も可能になる。 (ロ) 電極の組合せを縦方向線状電極群31と横方向線状
電極群32との組合せとしているので、マトリクス状の
二次元駆動を行うことができ、電気的制御だけで表示媒
体2に高速で画像を書き込むことが可能になる。従っ
て、優れた高速応答性を備えることができる。 (ハ) 表示素子20の表面の色を適宜選択することで、鮮
明な表示を行えるので、品質の高い画像を得ることがで
きる。 (ニ) 表示媒体2を駆動装置3に装着した状態で画像表示
側Aから画像書き換え中にも画像を見ることができ、高
速で画像が次々に書き換わる動画も見ることができるの
で、ディスプレイとしても使用することができる。
シート状表示装置を示す。この第2の実施の形態は、第
1の実施の形態において、表示素子20を円柱状とし、
支持体21によって複数の表示素子20を単層状態で二
次元状に配列して支持し、装着口30aの内面に、対向
するようにマトリクス状の透明の個別電極群34,34
を配置し、1つの画素をn×m個(例えば、5×5)の
表示素子20から構成したものであり、他は第1の実施
の形態と同様に構成されている。
を介してインジウム錫酸化物(ITO)等の透明導電膜
からなる複数の個別電極34bがマトリックス状に形成
され、同一基板あるいは別基板上に設けられた薄膜トラ
ンジスタ等のスイッチング素子によって駆動されるよう
になっている。
0は、中空円柱状のシェル200を有し、シェル200
内に表示素子20の比重が周囲の液体24と略同一とな
るように制御された液体202(例えば液体24と同一
のもの)を封入したもので、4色を表示するように構成
されている。シェル200は、その周面に、周方向に等
分に異なる色で塗り分けられた複数の表示領域、例え
ば、イエロー(Y)が塗られたY表示領域200Y、マ
ゼンタ(M)が塗られたM表示領域200M、シアン
(C)が塗られたC表示領域200C、およびブラック
(K)が塗られたK表示領域200Kを備え、液体24
中で表面が相対的に正負に帯電し、かつ、表示素子20
全体として一定の正味電荷を有するように構成されてい
る。ここでは、上半円部の表面、すなわち、Y表示領域
200Y、M表示領域200Mの上半分、およびC表示
領域200Cの上半分が正の電荷を有し、下半円部の表
面、すなわち、K表示領域200K、M表示領域200
Mの下半分、およびC表示領域200Cの下半分が負の
電荷を有し、表示素子20全体として正の正味電荷を有
するものとする。
の位置関係を示す図であり、同図(a) は表示媒体2の厚
み方向から見た図、同図(b) は表示側Aから見た図であ
る。個別電極群34は、表示媒体2に接触するように配
置される。1つの画素4は、n×m個(例えば、5×
5)の表示素子20から構成される。また、1つの画素
4は、上下各2つの計4つの個別電極34bによって駆
動される。また、1つの画素4を駆動する4つの個別電
極34bに印加する直流電圧の+,−の組合せにより、
上向き、右向き、左向き、下向きの4つの向きの電界を
画素4を構成するn×m個の表示素子20に一律に印加
する。1つの画素4を複数(例えば25個程度)の表示
素子20で構成することにより、駆動装置3に対する表
示媒体2の位置精度を低くすることが可能になり、表示
媒体2の着脱が容易となる。
示媒体2の一製造方法を説明する。まず、表示素子20
を一般的なマイクロカプセル製造法によって作製する。
すなわち、液体202をポリエステルのシェル200で
被覆した円柱状のマイクロカプセル粒子を作製し、シェ
ル200表面を90°毎にY,M,C,Kの各色の塗料
でコーティングして複数の表示素子20を作製する。一
方、テフロンコーティングされて水平に置かれた金属基
板上に支持体21の下層側を構成するシリコーンゴムを
シート状に薄く塗布し、硬化させておく。
要数の表示素子20を円柱軸を水平にして置き、対向す
る電極との間で垂直方向の電界を印加するとともに、適
度な機械的振動と勾配を与える。表示素子20は、硬化
したシート状のシリコーンゴム面上で円筒が寝た形で円
柱軸が一方向に揃い、かつ、単層で密な状態に配列す
る。
ーンゴムの上に支持体21の上層側を構成する硬化前の
シリコーンゴムを塗布する。塗布したシリコーンゴムを
脱泡した後、常温あるいは加熱状態で硬化させる。硬化
終了後、その硬化したシートを金属基板から剥がす。
上のプロセスを行うことによって、透明のシリコーンゴ
ムからなる支持体21の厚さ方向のほぼ中央位置に円柱
状の表示素子20が不規則的に単層で配列されたシート
が作製される。この段階では、表示素子20の周囲にキ
ャビティ21aはまだ形成されていない。
シリコーオイル等の液体に浸漬する。支持体21のシリ
コーンゴムが膨潤してイソパラフィン系炭化水素やシリ
コーオイル等の液体24で満たされたキャビティ21a
が形成される。これは、シリコーンゴムは、有機溶媒に
浸されると、膨潤する性質があるため、これを利用して
キャビティ21aおよび液体24を形成したものであ
る。
21の表面を例えばポリエチレンテレフタレートフィル
ムの保護層23でラミネートする。このようにしてシー
ト状表示媒体2が完成する。
示装置1の動作を説明する。 (1) 1つの表示素子20の表示動作 図7は、1つの表示素子20の表示動作を説明するため
の模式図であり、同図(a) はY表示状態、同図(b) はM
表示状態、同図(c) はC表示状態、同図(d) はK表示状
態を示す。上向きの電界を印加すると、同図(a) に示す
ように、正の電荷を持つ半円部が上側に位置し、Y表示
領域200Yが上向きとなって、表示素子20が上方向
へ泳動し、Y表示状態となる。右向きの電界を印加する
と、同図(b) に示すように、正の電荷を持つ半円部が右
側に位置し、M表示領域200Mが上向きとなって、表
示素子20は右方向へ泳動し、M表示状態となる。左向
きの電界を印加すると、同図(c) に示すように、正の電
荷を持つ半円部が左側に位置し、C表示領域200Cが
上向きとなって、表示素子20は左方向へ泳動し、C表
示状態となる。下向きの電界を印加すると、同図(d) に
示すように、正の電荷を持つ半円部が下側に位置し、K
表示領域200Kが上向きとなって、表示素子20は下
方向へ泳動し、K表示状態となる。表示素子20が向き
を変えてキャビティ21a内面に一旦付着すると、電界
が除去されても、表示素子20の周面21Aとキャビテ
ィ21a内面との間に作用する静電力やファンデルワー
ルス力等の付着力によりその付着状態、すなわち表示状
態が保持される。また、静電ノイズや機械的振動等によ
って静電力等の付着力が失われた場合でも、表示素子2
0の比重を周囲の液体24と略同一としているので、安
定して画像表示状態を保持することができる。
示すように、入力された画像信号Sに応じて個別電極群
34に直流電圧を印加すると、1つの画素4を構成する
n×m個(5×5)の表示素子20は、同じ方向の電界
が印加され、同一の表示領域200K,200Y,20
0M,200Cが上向きとなって、表示側Aに同一の色
を表示する。図8に示すように、下向きの電界が印加さ
れた画素4Aは、K表示状態となり、上向きの電界が印
加された画素4Bは、Y表示状態となり、右向きの電界
が印加された画素4Cは、M表示状態となり、左向きの
電界が印加された画素4Dは、C表示状態となる。
の実施の形態と同様に安定した無電画像保持性および優
れた高速応答性を備えることができる。また、周面が4
色で塗り分けられた表示素子20を用いているので4色
の表示を行うことができる。また、各色の表示面積率を
変化させることにより、中間調の混色を容易に表示する
ことができる。従って、優れたカラー化および多色化対
応性を備えることができる。また、表示素子20の周面
の色を適宜選択することで、鮮明な多色表示を行え、品
質の高い画像を得ることができる。
ート状表示装置を説明する。図5は、第3の実施の形態
に係る表示素子20を示す。この表示素子20は、第2
の実施の形態において、3色を表示するように構成した
ものである。すなわち、シェル200は、その周面に、
周方向に等分に異なる色で塗り分けられた複数の表示領
域、例えば、イエロー(Y)が塗られたY表示領域20
0Y、マゼンタ(M)が塗られたM表示領域200M、
およびシアン(C)が塗られたC表示領域200Cを備
え、液体24中で表面が相対的に正負に帯電し、かつ、
表示素子20全体として一定の正味電荷を有するように
構成されている。ここでは、上半円部の表面、すなわ
ち、Y表示領域200Yを中心とする上半分が正の電荷
を有し、下半円部の表面、すなわち、M表示領域200
MおよびC表示領域200Cからなる下半分が負の電荷
を有し、表示素子20全体として正の正味電荷を有する
ものとする。
めの図、同図(b) は表示素子20と個別電極群34との
位置関係を示す図である。1の画素4は、1つの表示素
子20から構成され、図10(a) に示すように、1つの
表示素子20を正三角形の頂点に位置する3つの個別電
極34bによって駆動される。すなわち、3つの個別電
極34bのうち2つの個別電極34bを同電位にし、残
りの1つの個別電極34bを他電位とすることによっ
て、図10(a) の6つの電界の方向のうち画像信号に応
じた方向の電界を選択し印加する。従って、表示媒体2
における表示素子20と個別電極34bの位置関係は、
図10(b) に示す位置関係となり、左側の表示素子20
は、(イ) で示す3つの個別電極34bで駆動し、中央の
表示素子20は、(ロ) で示す3つの個別電極34bで駆
動し、右側の表示素子20は、(ハ) で示す3つの個別電
極34bで駆動する。
きの電界が印加された画素4Eは、正の電荷を持つ半円
部が右下側に位置し、M表示領域200Mが上向きとな
って、表示素子20が右下方向へ泳動し、M表示状態と
なる。また、上向きの電界が印加された画素4Fは、正
の電荷を持つ半円部が上側に位置し、Y表示領域200
Yが上向きとなって、表示素子20は上方向へ泳動し、
Y表示状態となる。また、左下向きの電界が印加された
画素4Gは、正の電荷を持つ半円部が左下側に位置し、
C表示領域200Cが上向きとなって、表示素子20は
左下方向へ泳動し、C表示状態となる。電界を除去した
動作は、第1および第2の実施の形態で説明したよう
に、安定して画像表示状態を保持することができる。
によれば、周面が3色で塗り分けられた表示素子20を
用いているので3色の表示を行うことができ、第2の実
施の形態と同様の効果を奏する。
る表示素子を示す。この表示素子20は、中空球状のシ
ェル200を有し、シェル200内に表示素子20が液
体24と略同一の比重となるように制御された多孔質体
203を配置したもので、2色を表示するように構成さ
れている。また、シェル200は、外面が半球毎に異な
る色、例えば、黒色(K)と白色(W)に塗り分けられ
たK表示領域200KおよびW表示領域200Wを備
え、液体24中で表面が相対的に正負に帯電し、かつ、
表示素子20全体として一定の正味電荷を有するように
構成されている。
れずに種々な実施の形態が可能である。例えば、上記実
施の形態では、表示媒体2を駆動装置3にセットする
際、表示媒体2を駆動装置3にスライドさせるようにし
たが、表示媒体2を内側に縦方向線状電極と横方向線状
電極が形成された一対の部材で挾み込むようにしてもよ
い。また、上記実施の形態では、電極の組合せとして縦
方向線状電極と横方向線状電極の場合について説明した
が、面状電極とマトリクス電極群との組合せとしてもよ
い。
表示素子の表面の色を適宜選択することで、鮮明な表示
を行えるので、品質の高い画像を得ることができる。ま
た、表示媒体に電界を印加する一対の電極に、縦方向線
状電極群と横方向線状電極群との組合せ、面状電極とマ
トリクス状の個別電極群との組合せ、あるいはマトリク
ス状の個別電極群同士の組合せを用いることで、マトリ
クス状の二次元駆動を行うことができるので、シート状
表示媒体に高速で画像を書き込むことが可能になり、優
れた高速応答性を備えることができる。また、表示素子
の比重を周囲の透光性液体と略同一としているので、静
電的ノイズや機械的振動に対しても十分に安定な無電源
画像保持性を備えることができる。
状表示装置の装着状態を示す断面図、(b) はその分離状
態を示す断面図である。
る。
示態様を示す図であり、(a) は白表示状態を示す断面
図、(b) は黒表示状態を示す断面図である。
装置の断面図である。
る。
群との位置関係を示す図であり、(a) は表示媒体の厚み
方向から見た図、(b) は表示側から見た図である。
示動作を説明するための模式図であり、(a) はY表示状
態、(b) はM表示状態、(c) はC表示状態、(d) はK表
示状態を示す図である。
動作を示す図である。
る。
めの図であり、(a) は電界印加方向を説明するための
図、(b) は表示素子と個別電極群との位置関係を示す図
である。
ある。
図、(b) はその要部断面図である。
Claims (14)
- 【請求項1】表示された画像を保持するシート状表示媒
体において、 表面が相対的に正負に帯電し、かつ、全体として正ある
いは負の正味電荷を有し、前記表面に複数の色を表示す
る複数の表示領域が形成された複数の表示素子と、 前記複数の表示素子を透光性液体中に浮遊させて二次元
状に配列した透明のシート状支持体を備え、 前記複数の表示素子は、前記透光性液体と略同一の比重
を有するように構成されたことを特徴とするシート状表
示媒体。 - 【請求項2】前記複数の表示素子は、中空部を有する殻
と、前記中空部に封入され、前記透光性液体と略同一の
比重を有するように制御された液体を備えた構成の請求
項1記載のシート状表示媒体。 - 【請求項3】前記複数の表示素子は、中空部を有する透
明の殻と、前記中空部に封入され、前記透光性液体と略
同一の比重を有するように制御された特定の色を有する
液体を備え、 前記複数の表示領域は、そのうちの1つの前記表示領域
が前記透明の殻を通して前記液体の前記特定の色を表示
する構成の請求項1記載のシート状表示媒体。 - 【請求項4】前記複数の表示素子は、球状を有し、 前記複数の表示領域は、前記球状の表面に半球毎に形成
され、2色を表示する構成の請求項1記載のシート状表
示媒体。 - 【請求項5】前記複数の表示素子は、円柱,角柱等の柱
状を有し、 前記複数の表示領域は、前記柱状の周面に均等に形成さ
れた構成の請求項1記載のシート状表示媒体。 - 【請求項6】画像を表示して保持するシート状表示装置
において、 表面が相対的に正負に帯電し、かつ、全体として正ある
いは負の正味電荷を有し、前記表面に複数の色を表示す
る複数の表示領域が形成された複数の表示素子と、 一方の面に画像表示面を有し、前記複数の表示素子を透
光性液体中に浮遊させて二次元状に配列した透明のシー
ト状支持体と、 前記複数の表示素子に画像信号に応じた方向の電界を印
加して前記複数の表示領域の1つを前記画像表示面に向
ける電界印加手段を備え、 前記複数の表示素子は、前記透光性液体と略同一の比重
を有するように構成されたことを特徴とするシート状表
示装置。 - 【請求項7】前記複数の表示素子は、中空部を有する殻
と、前記中空部に封入され、前記透光性液体と略同一の
比重を有するように制御された液体を備えた構成の請求
項6記載のシート状表示装置。 - 【請求項8】前記複数の表示素子は、中空部を有する透
明の殻と、前記中空部に封入され、前記透光性液体と略
同一の比重を有するように制御された特定の色を有する
液体を備え、 前記複数の表示領域は、そのうちの1つの前記表示領域
が前記透明の殻を通して前記液体の前記特定の色を表示
する構成の請求項6記載のシート状表示装置。 - 【請求項9】前記複数の表示素子は、球状を有し、 前記複数の表示領域は、前記球状の表面に半球毎に形成
され、2色を表示する構成の請求項6記載のシート状表
示装置。 - 【請求項10】前記複数の表示素子は、円柱,角柱等の
柱状を有し、 前記複数の表示領域は、前記柱状の周面に均等に形成さ
れた構成の請求項6記載のシート状表示装置。 - 【請求項11】前記電圧印加手段は、シート状支持体の
前記画像表示面と前記画像表示面と反対の面に接触する
一対の電極によって構成された請求項6記載のシート状
表示装置。 - 【請求項12】前記一対の電極は、縦方向線状電極群と
横方向線状電極群との組合せ、面状電極とマトリクス状
の個別電極群との組合せ、あるいはマトリクス状の個別
電極群同士の組合せから構成された請求項11記載のシ
ート状表示装置。 - 【請求項13】前記シート状支持体は、前記一対の電極
に対し着脱可能とした構成の請求項11記載のシート状
表示装置。 - 【請求項14】表示された画像を保持するシート状表示
媒体の製造方法において、 表面が相対的に正負に帯電し、かつ、全体として正ある
いは負の正味電荷を有し、前記表面に複数の色を表示す
る複数の表示領域が形成された複数の表示素子を作製
し、 前記複数の表示素子を透明のシート状ゴム部材の内部に
二次元状に配列して支持し、 前記シート状ゴム部材を透光性液体中に浸漬して前記シ
ート状ゴム部材を膨潤させ、これによって前記複数の表
示素子を前記透光性液体中に浮遊させて支持し、 前記複数の表示素子の作製は、前記透光性液体と略同一
の比重を有するように構成することを特徴とするシート
状表示媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21331697A JP3721728B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | シート状表示媒体、シート状表示装置、およびシート状表示媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21331697A JP3721728B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | シート状表示媒体、シート状表示装置、およびシート状表示媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1152434A true JPH1152434A (ja) | 1999-02-26 |
JP3721728B2 JP3721728B2 (ja) | 2005-11-30 |
Family
ID=16637136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21331697A Expired - Fee Related JP3721728B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | シート状表示媒体、シート状表示装置、およびシート状表示媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3721728B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001242804A (ja) * | 2000-02-28 | 2001-09-07 | Tokai Univ | 球体回転表示装置 |
JP2007322824A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像表示媒体 |
JP2010262254A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-18 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | 表示素子及び電子ペーパー |
-
1997
- 1997-08-07 JP JP21331697A patent/JP3721728B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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---|---|
JP3721728B2 (ja) | 2005-11-30 |
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