JPH1152346A - 反射型液晶パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄光性蛍光体を粘着剤層に含有させること
で、従来別体で設けていた蓄光性蛍光体層の形成工程を
省略すると共に、液晶パネルの薄型化を実現する。 【解決手段】 液晶基板Ａと、この液晶基板Ａを両側か
ら挟み込む上下一対の偏光板Ｂ，Ｃと、下側偏光板Ｃの
下面に配設される反射板Ｄとで構成された反射型液晶パ
ネルにおいて、前記液晶基板Ａと下側偏光板Ｃとを接合
するための粘着剤層１９ｂおよび下側偏光板Ｃと反射板
Ｄとを接合するための粘着剤層２０の少なくとも一方
に、蓄光性蛍光体を含有させたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶基板と、この
液晶基板を両側から挟み込む一対の偏光板と、下側偏光
板の下面に配設される反射板とで構成される反射型液晶
パネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】液晶パネルは、一般的に図３に示したよ
うに液晶基板Ａを上側偏光板Ｂと下側偏光板Ｃとで上下
方向から挟み込んだ構成をしている。そして、特にバッ
クライトを持たない反射型の液晶パネルにおいては、下
側偏光板Ｃの下面に反射膜等からなる反射板Ｄを設け、
入射した光を反射することにより液晶パネル面を照明す
る方法が多く用いられているが、偏光板を通すことによ
る光損失によって外部光が十分に当たらない屋内等で
は、反射する光が弱く十分な明るさが得られていない場
合がある。そこで、本件出願人は、反射光のみならず蓄
積光を利用して発光効率を高めるものとして、下側偏光
板Ｃと反射板Ｄとの間に蓄光性蛍光層を設けた反射型液
晶パネルを提案している（特願平７−３４６６７５
号）。

【０００３】この反射型液晶パネルは、図４に示したよ
うに、下側偏光板Ｃと反射板Ｄとの間に蓄光性蛍光膜３
を設けたものであり、偏光膜１を両側から挟み込む保護
フィルム２ａ，２ｂの下側保護フィルム２ｂに蓄光性蛍
光膜３を印刷で所定の厚みに形成するか、もしくは図５
に示すように、反射板Ｄの上に蓄光性蛍光膜３と粘着剤
６を設けておき、剥離シート７を剥がすことで前記下側
偏光板Ｃの下面に貼り付けるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
場合、蓄光性蛍光膜３を形成するための工程が別途必要
となっていた。また、蓄光性蛍光膜３の厚み分が加わっ
て液晶パネルを厚くしてしまうといった問題があった。

【０００５】そこで本発明は、液晶基板と下側偏光板と
を接合する粘着剤層および下側偏光板と反射板とを接合
する粘着剤層の少なくとも一方の粘着剤層自体に、蓄光
性蛍光体を含有させることで、従来は別体で設けられて
いた蓄光性蛍光体層を省略して、製造工程を減らすと共
に液晶パネルの薄型化を実現することのできる反射型液
晶パネルを提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る反射型液晶パネルは、前記液晶基板と
下側偏光板とを接合する粘着剤層および下側偏光板と反
射板とを接合する粘着剤層の少なくとも一方に、蓄光性
蛍光体を含有させたことを特徴とする。

【０００７】また、本発明に係る反射型液晶パネルは、
前記粘着剤層が、アクリル系あるいはポリウレタン系の
粘着剤を原料とし、その中に蓄光性蛍光体を５〜３０重
量％配合したことを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下添付図面に基づいて本発明に
係る反射型液晶パネルの実施の形態を詳細に説明する。
図１及び図２は本発明に係る反射型液晶パネルの断面構
成を示したものであり、液晶基板Ａと、その上下を両方
から挟み込む上側偏光板Ｂ及び下側偏光板Ｃと、下側偏
光板Ｃの下面側に配設される反射板Ｄとで構成される。
また、これらの構成要素は粘着剤層１９ａ、１９ｂ、２
０によって接合されている。

【０００９】上記液晶基板Ａは、上下に配設された一対
の透明ガラス基板８，１０を備え、この透明ガラス基板
８，１０は、ファイバーガラス、ガラス粉等で形成され
たスペーサ１３によって所定の間隔、例えば５〜１５μ
ｍの間隔を空けて平行に配置されている。また、透明ガ
ラス基板８，１０の各対向する内面上には、セグメント
電極９とコモン電極１１がそれぞれ形成されており、さ
らにその上に封入する液晶の分子を所望の一定方向に配
列させるための配向膜１２がそれぞれ形成されている。
このように構成された液晶基板Ａの透明ガラス基板８，
１０の間には液晶物質１４が注入され、透明ガラス基板
８，１０の周囲がフリットガラス、有機接着剤等からな
る封着部材で封止されている。

【００１０】上側偏光板Ｂは、上記透明ガラス基板８の
上面側に配置され、入射する自然光を直線偏光に変換し
て出射する偏光膜１６と、この偏光膜１６を上下方向か
ら被覆する一対の透明性の保護フィルム１５ａ，１５ｂ
との３層構造で構成され、粘着剤層１９ａを介して透明
ガラス基板８に接合される。一方、透明ガラス基板１０
の下面側に配置される下側偏光板Ｃも、上側偏光板Ｂと
同様、偏光膜１６と、その上下面を被覆する透明性の保
護フィルム１７ａ，１７ｂとで構成され、粘着剤層１９
ｂを介して透明ガラス基板１０に接合される。尚、保護
フィルム１５ａ，１５ｂ，１７ａ，１７ｂは、耐熱性お
よび耐熱水性がより優れているトリアセチルセルロース
を主原料としており、フィルム状に形成したものであ
る。

【００１１】前記構成からなる下側偏光板Ｃの下面には
反射板Ｄが配設される。この反射板Ｄは、粘着剤層２０
を介して下側偏光板Ｃの保護フィルム１７ｂの下面に接
合される。この反射板Ｄは、基体となるフィルム上にチ
タン酸バリウム含有の白色系塗料インクを印刷又は塗布
することにより形成されるが、反射効果の高いものであ
れば、特にチタン酸バリウムに限定されるものでなく、
例えば以外としては、ＳｉＯ、ＳｉＯ2、Ｚｒ2Ｏ3、Ｍ
ｇＦ2等も適している。また、蒸着あるいはスパッタリ
ング法等で反射率の高い金属膜を形成しても良いし、ま
た反射率の高い金属箔膜を接着形成してもよい。

【００１２】この実施例では、前記液晶基板Ａと下側偏
光板Ｃとを接合するための粘着剤層１９ｂ又は下側偏光
板Ｃと反射板Ｄとを接合するための粘着剤層２０のいず
れか一方、又は両方に蓄光性蛍光体を含有させてある。
粘性を有する液状の粘着剤の中に所定量の粉末状蓄光性
蛍光体を混合し、これを一般の粘着剤と同様、印刷また
は塗布したものである。下側偏光板Ｃの上側に位置する
粘着剤層１９ｂに蓄光性蛍光体を含有させても、下側偏
光板Ｃの偏光性能が損なわれることはなく、また含有さ
せたことによる透過率の低下も問題となるほどのもので
はない。このように、粘着剤層１９ｂ、又は粘着剤層２
０の中に蓄光性蛍光体を含有させたことで、粘着剤とし
ての機能を持つ他に蓄光材としての機能も併せ持つこと
ができ、従来のように蓄光性蛍光膜を別途設ける必要が
ない。蓄光性蛍光体の含有量は、約５〜３０重量％が適
当である。これは発光輝度と粘着剤層の粘着強度との均
衡を保つためであり、蓄光性蛍光体の含有量が３０重量
％を越えると粘着強度が低下するおそれがあり、また含
有量が５重量％以下になると発光輝度及び残光時間が低
下して好ましくない。

【００１３】また、蓄光性蛍光体を含有する粘着剤層１
９ｂあるいは粘着剤層２０の層厚は、３０〜１８０μｍ
位が適当である。これは、３０μｍより薄くなると発光
輝度が低下するおそれがあり、また、逆に１８０μｍよ
り厚くなると発光輝度は上がるものの、厚みを確保する
ために印刷回数が増えてしまう他、液晶パネル全体が厚
くなってしまうからである。なお、粘着剤層１９ｂ，２
０の両方が蓄光性蛍光体を含有する場合には、各粘着剤
層１９ｂ，２０はやや薄めに形成し、粘着剤層１９ｂ，
２０のいずれか一方のみが蓄光性蛍光体を含有する場合
にはやや厚めに形成する。

【００１４】蓄光性蛍光体の材料としては、長残光型の
蛍光体が好ましく、例えば既に公知となっている酸化ア
ルミニウムストロンチウム、酸化アルミニウムカルシウ
ム等の蛍光基体やユウロピウムの付活剤を焼成して得ら
れた蛍光体が最適である。なお、上記上側偏光板Ｂ及び
下側偏光板Ｃに用いられている偏光膜１６は公知の方法
で製造され、ポリビニルアルコールの薄い膜を加熱しな
がら延伸し、ヨウ素を大量に含有するＨインキと呼ばれ
る溶液に接触させると、ポリビニルアルコールの膜はＨ
インキ中のヨウ素を吸収し、偏光能を持つ上述の偏光膜
１６を得ることができる。

【００１５】本実施例において使用される粘着剤は、一
般的なアクリル系あるいはポリウレタン系のものであ
る。アクリル系粘着剤としてはブチルアクリレート、２
−エチルヘキシルアクリレートを主体として、他のアク
リルモノマーとの共重合体で生成したものである。ま
た、アクリル系やポリウレタン系以外として、ゴム系、
シリコン系、ポリビニールエーテル系も使用可能であ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る反射
型液晶パネルによれば、液晶基板に下側偏光板を接合す
るための粘着剤層および下側偏光板に反射板を接合する
ための接着剤層の少なくとも一方に蓄光性蛍光体を含有
させたので、従来のように別途蓄光性蛍光膜を形成する
必要がなく、その分製造工程を減らすことができるとと
もに、液晶パネル全体を薄型化することができる。

【００１７】また、粘着剤層における蓄光性蛍光体の配
合率を５〜３０重量％としたことで、接合強度を損なう
ことなく、蓄光及び発光効果を持続することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る反射型液晶パネルの実施例を示す
断面図である。

【図２】本発明に係る反射型液晶パネルの拡大断面図で
ある。

【図３】液晶パネルの基本構成図である。

【図４】蓄光性蛍光膜を有する従来の反射型液晶パネル
の一部を示す断面図である。

【図５】上記反射型液晶パネルの他の従来例を示す断面
図である。

【符号の説明】

Ａ 液晶基板 Ｂ 上側偏光板 Ｃ 下側偏光板 Ｄ 反射板 １５ａ 保護フィルム １５ｂ 保護フィルム １６ 偏光膜 １７ａ 保護フィルム １７ｂ 保護フィルム １９ａ 粘着剤層 １９ｂ 蓄光性蛍光体含有の粘着剤層 ２０ 蓄光性蛍光体含有の粘着剤層

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶基板と、この液晶基板を両側から挟
   み込む上下一対の偏光板と、下側偏光板の下面に配設さ
   れる反射板とで構成された反射型液晶パネルにおいて、 前記液晶基板と下側偏光板とを接合するための粘着剤層
   および下側偏光板と反射板とを接合するための粘着剤層
   の少なくとも一方に、蓄光性蛍光体を含有させたことを
   特徴とする反射型液晶パネル。
2. 【請求項２】 前記粘着剤層は、アクリル系あるいはポ
   リウレタン系の粘着剤を原料とし、その中に蓄光性蛍光
   体を５〜３０重量％配合したことを特徴とする反射型液
   晶パネル。