JPH1152092A - 原子炉燃料の輸送容器および輸送方法 - Google Patents

原子炉燃料の輸送容器および輸送方法

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JPH1152092A
JPH1152092A JP9213453A JP21345397A JPH1152092A JP H1152092 A JPH1152092 A JP H1152092A JP 9213453 A JP9213453 A JP 9213453A JP 21345397 A JP21345397 A JP 21345397A JP H1152092 A JPH1152092 A JP H1152092A
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basket
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reactor
storage chamber
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Hiroyasu Yoshizawa
弘泰 吉沢
Tamotsu Ozawa
保 尾沢
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉燃料の燃料体を同時に多数移送でき、燃
料輸送の健全性や信頼性を向上させた大容量でコンパク
トな原子炉燃料の輸送容器およびその輸送方法を提供す
る。 【解決手段】原子炉燃料の輸送容器は、燃料輸送容器1
0にバスケット11を備える。このバスケット11は複
数のバスケット孔要素12を束ねて構成され、各バスケ
ット孔要素の隣接する2外側壁に固縛装置21が設置さ
れる。固縛装置付バスケット孔要素12を4体組み合せ
て横断面四角形状の4体接触型配列バスケット孔要素組
立体16を構成し、このバスケット孔要素組立体16を
周方向に沿って複数組配列しほぼ円柱形状のバスケット
11が形成される。4体接触型配列バスケット孔要素組
立体16は固縛装置21不存在の2外壁面同士を互いに
接触させて組をなすように四角形配列したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉燃料を収納
して輸送する原子炉燃料の輸送容器およびその輸送方法
に係り、特に混合酸化物燃料体を燃料処理施設等の一方
の施設から原子力発電所等の他方の施設へ移送するのに
適した原子炉燃料の輸送容器およびその輸送方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉や加圧水型原子炉等の軽
水炉に用いられる原子炉燃料は、燃料保護容器内に収容
されて保護され、この燃料保護容器を燃料輸送容器に装
荷されて安全性が担保され、燃料輸送に供される。原子
炉燃料として混合酸化物燃料(以下、MOX燃料とい
う。)の新燃料体は、燃料輸送後に燃料として使用され
るために、燃料輸送に健全性や信頼性の維持が要求され
る。
【0003】原子炉燃料の燃料体を輸送する際に振動が
加わると、金属接触部の摩耗の原因となることがある。
原子炉燃料の中でも使用済燃料を輸送する場合には、燃
料輸送中に多少の金属摩耗が生じても問題とならない。
使用済燃料の場合には、廃棄対象燃料であるため、燃料
輸送中の特別な振動防止対策を施す必要はなく、構造的
にも比較的簡易で多数の燃料体を収納できる大容量でコ
ンパクトな燃料輸送容器が開発され、使用されている。
この燃料輸送容器には、図11に示すような科学技術庁
の刊行物(パンフレット)“核燃料サイクルと輸送”に
記載の輸送容器がある。
【0004】これに対し、MOX燃料の新燃料体の輸送
においては、移送後に燃料として使用されるため、健全
性や信頼性維持の観点から輸送中の振動防止対策が必要
である。MOX燃料の新燃料体あるいはこの新燃料体を
収納した燃料保護容器は、燃料輸送容器のバスケットに
収納され、燃料輸送に供される。この燃料輸送時にはバ
スケット内に新燃料体あるいは燃料保護容器を固縛装置
により拘束して固定し、金属接触部の摩耗が生じないよ
うな振動防止対策を施すことが必要である。
【0005】しかしながら、バスケット内で新燃料体あ
るいは燃料保護容器を締め付け、拘束させる固縛装置を
取り付けると、固縛装置自体が占有する空間の割合が大
きくなり、大容量でコンパクトな燃料輸送容器の開発の
阻害要因となっている。このため、新燃料体を取り扱う
燃料輸送容器は、使用済燃料を取り扱う燃料輸送容器に
匹敵するような大容量でコンパクトな輸送容器が開発さ
れていない。
【0006】また、原子炉燃料としてのMOX燃料体は
発熱性を有することから、燃料体の高温化を少しでも避
け得る配列が望まれるが、この発熱対策を施した大容量
でコンパクトな燃料輸送容器の開発、ならびに同時に多
数の新燃料体を移送できる燃料輸送方法が模索されてい
る。
【0007】バスケットタイプの燃料輸送容器では、バ
スケットの各バスケット孔頂部より燃料体を挿入して収
納させる必要がある。原子炉燃料の燃料体をバスケット
孔に挿入する際、燃料体がバスケット孔壁と接触し燃料
体構成部品の位置ずれが発生するのを避けるために、燃
料体を燃料保護容器に入れて収納させるのが一般的であ
る。バスケットタイプの燃料輸送容器は、バスケットを
製造し易く、大容量化に適しているが、燃料保護容器を
バスケット孔に格納させるために、燃料保護容器への燃
料体の挿入・収納工程が加わることになる。
【0008】一方、燃料輸送条件によっては、燃料輸送
容量は数体から十数体程度と中規模でよいが、個々の燃
料体を燃料保護容器に収納させることなく、直接燃料輸
送容器に収納させて燃料輸送を行なう燃料輸送方法が望
まれることもある。この場合の燃料輸送方法の1つとし
て、燃料輸送容器を外容器とその外容器に収納される内
容器とから構成する。内容器は燃料体保護機能を有する
多数の保護容器を一体化して構成したもので、内容器に
側方蓋を開閉させて燃料体を収容し、燃料体を収容した
内容器を外容器に収納して燃料輸送を行なうものであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】バスケットタイプの燃
料輸送容器では、燃料体収納用バスケット孔を各々独立
した固縛装置付バスケット孔要素で構成し、各バスケッ
ト孔要素を束ねてバスケットを構成する際、固縛装置付
きのバスケット孔要素を効率よく配列し、多容量でコン
パクトな円柱形状のバスケットを構成するには燃料輸送
容器を如何に構成したらよいか課題となっている。
【0010】また、燃料輸送容量は十数体以上の大容量
の燃料体を同時に移送可能である必要がなく、数体から
十数体程度の中規模でもよいが、個々の燃料体を燃料保
護容器に入れないで燃料輸送を行なう燃料輸送容器およ
びその輸送方法の開発も強く望まれている。
【0011】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、原子炉燃料の燃料体を同時に多数移送でき、燃
料輸送の健全性や信頼性を向上させた大容量でコンパク
トな原子炉燃料の輸送容器およびその輸送方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】本発明の他の目的は、発熱性を有するMO
X燃料の輸送に適し、同時に多数の燃料体を輸送でき、
輸送コストの低減が図れる原子炉燃料の輸送容器および
その輸送方法を提供するにある。
【0013】本発明の別の目的は、燃料輸送容量は中規
模であるが、個々の燃料体を燃料保護容器に入れないで
燃料輸送でき、燃料輸送の簡素化、輸送コストの低減が
図れる原子炉燃料の輸送容器およびその輸送方法を提供
するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原子炉燃料
の輸送容器は、上述した課題を解決するために、請求項
1に記載したように、バスケット孔要素を複数体束ねて
バスケットを構成し、上記各バスケット孔要素に原子炉
燃料の燃料体収納室を構成するバスケット孔をそれぞれ
形成し、上記各バスケット孔要素の隣接する2外側壁に
固縛装置を設置した燃料輸送容器において、上記固縛装
置付バスケット孔要素4体を、固縛装置不存在の2外壁
面同士を互いに接触させて組をなすように配列し、横断
面四角形状の4体接触型配列バスケット孔要素組立体を
構成し、上記バスケット孔要素組立体を複数組組み合せ
てほぼ円柱形状のバスケットを構成したものである。
【0015】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉燃料の輸送容器は、請求項2に記載し
たように、4体接触型配列バスケット孔要素組立体を少
なくとも周方向に沿って複数組配設し、中央領域に燃料
体収納室が存在しない収納室不形成領域を設けた、ほぼ
円柱形状のバスケットを構成したり、また、請求項3に
記載したように、4体接触型配列バスケット孔要素組立
体に単独のバスケット孔要素を組み合せてほぼ円柱形状
のバスケットを構成したものである。
【0016】さらに、本発明に係る原子炉燃料の輸送容
器は、上述した課題を解決するために、請求項4に記載
したように、原子炉燃料の燃料体収納室を形成したバス
ケット孔要素は、4つのバスケット孔を四角形配列して
横断面が四角形状の4体一体型バスケット孔要素で構成
し、上記4体一体型バスケット要素を複数個周方向に沿
って配設してほぼ円柱形状のバスケットを構成し、この
バスケットは中央領域に燃料体収納室が存在しない収納
室不形成領域を形成したものである。
【0017】さらにまた、本発明に係る原子炉燃料の輸
送容器は、上述した課題を解決するために、請求項5に
記載したように、原子炉燃料の燃料体収納室を形成した
バスケット孔要素を複数種類備え、上記各バスケット孔
要素の隣接する少なくとも2つの外側壁に固縛装置をそ
れぞれ設置する一方、前記複数種類のバスケット孔要素
の少なくとも一方は、4つのバスケット孔を四角形配列
して横断面が四角形状の4体一体型バスケット孔要素
を、また残りの他方は角筒状あるいは長箱状の単独バス
ケット孔要素をそれぞれ構成し、複数個の4体一体型バ
スケット孔要素と複数個の単独バスケット孔要素を組み
合せてほぼ円柱形状のバスケットを構成したものであ
る。
【0018】またさらに、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る原子炉燃料の輸送容器は、請求項6に
記載したように、バスケット孔要素の隣接する2つの外
側壁に沿って台形柱状の空間領域を形成し、この空間領
域は台形の1辺がバスケット孔要素の外側壁幅に、他の
1辺が外側壁面からの距離が外側壁幅の0.4倍以下の
値で外側壁面に平行な面に、残りの2辺が外側壁面から
ほぼ45度の角度で傾斜した傾斜面にそれぞれ形成し、
上記台形柱状の空間領域に固縛装置を設置したものであ
る。
【0019】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る原子炉燃料の輸送容器は、請求項7に記載
したように、バスケットを構成するバスケット孔要素
に、原子炉燃料の燃料体を収納可能なバスケット孔をそ
れぞれ形成し、上記各バスケット孔に原子炉燃料の燃料
体を16体あるいは20体収納可能に構成したものであ
る。
【0020】また、本発明に係る原子炉燃料の輸送方法
は、上述した課題を解決するために、請求項8に記載し
たように、原子炉燃料の燃料体を燃料保護容器に収納す
る工程と、燃料体を収納した燃料保護容器を燃料輸送容
器に装荷する工程と、この燃料輸送容器を各燃料加工施
設等の一方の施設から原子力発電所等の他方の施設に移
送する工程とを有し、前記装荷工程では1基当り16体
あるいは20体収納できる燃料輸送容器に、燃料体を収
納した燃料保護容器を挿入して装荷し、移送工程では燃
料輸送容器1基当り16体あるいは20体の燃料体を移
送する方法である。
【0021】一方、本発明に係る原子炉燃料の輸送容器
は、上述した課題を解決するために、請求項9に記載し
たように、燃料輸送容器が外容器に固定されたバスケッ
トと、このバスケットに出し入れ可能に収容され、原子
炉燃料の燃料体を収納する内容器とを有し、上記内容器
は横断面四角形状の容器本体の各辺上にそれぞれ2個の
燃料体収納室を並設して合計8個燃料体収納室を配列
し、各燃料体収納室が側方蓋で開閉自在に構成され、前
記内容器の各燃料収納室に原子炉燃料の燃料体を収納さ
せたものである。
【0022】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る原子炉燃料の輸送容器は、請求項10に記
載したように、内容器は横断面四角形状の容器本体の中
央部に燃料体収納室要素を出し入れ可能に設け、上記燃
料体収納室要素にも側方蓋が開閉自在に設けられ、合計
9個の燃料体収納室を構成したものである。
【0023】また、本発明に係る原子炉燃料の輸送方法
は、上述した課題を解決するために、請求項11に記載
したように、燃料輸送容器の内容器に原子炉燃料の燃料
体を収納する工程と、燃料体を収納した内容器を外容器
に固定されたバスケットに挿入し、装荷する工程と、バ
スケットに内容器を装荷した燃料輸送容器を燃料取扱施
設等の一方の施設から原子力発電所等の他方の施設に移
送する工程とを有し、前記収納工程では内容器を外容器
から取り出し、燃料体収納室の側方蓋を開閉させて原子
炉燃料の燃料体を直接収納させ、合計8体の燃料体を内
容器に収納させる方法である。
【0024】さらに、本発明に係る原子炉燃料の輸送方
法は、上述した課題を解決するために、請求項12に記
載したように、燃料輸送容器の内容器に原子炉燃料の燃
料体を収納する工程と、燃料体を収納した内容器を外容
器に固定されたバスケットに挿入し、装荷する工程と、
バスケットに内容器を装荷した燃料輸送容器を燃料取扱
施設等の一方の施設から原子力発電所等の他方の施設に
移送する工程とを有し、前記収納工程では、内容器を外
容器から取り出す一方、内容器の燃料体収納室要素を取
り出し、前記各燃料体収納室の側方蓋を開閉させて原子
炉燃料の燃料体を直接収納させる一方、燃料体を収納し
た燃料体収納室要素を内容器の容器本体中央部に装荷さ
せる方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に係る原子炉燃料の輸送容
器およびその輸送方法の実施の形態について添付図面を
参照して説明する。
【0026】図1は本発明に係る原子炉燃料の輸送容器
の第1実施形態を示すもので、燃料輸送容器を構成する
バスケットの断面図である。原子炉燃料の燃料輸送容器
10は略円柱形状のバスケット11を備える。このバス
ケット11は角管状、角筒状あるいは長箱状構造体であ
るバスケット孔要素12を多数体束ねて構成される。実
線の正方形はバスケット孔要素12を、点線の台形はバ
スケット孔要素12に取り付けられる固縛装置の設置領
域13をそれぞれ示している。この設置領域13は、バ
スケット孔要素12の外側壁に沿って台形柱形状あるい
は三角柱形状の細長い空間領域を形成している。
【0027】バスケット孔要素12は角筒状あるいは角
管状の孔要素本体14内に横断面が四角形、望ましくは
正方形をなすバスケット孔15をそれぞれ備え、このバ
スケット孔15が原子炉燃料の燃料体収納室を構成して
いる。各バスケット孔要素12は4体ずつ組をなすよう
に相互に接触させて4体接触型配列バスケット孔要素組
立体16を構成している。このバスケット孔要素組立体
16は同一円周上の周方向に沿って複数組、例えば4組
順次配設され、中央領域にバスケット孔である燃料体収
納室が存在しない収納室不形成領域17が構成される。
この不形成領域17はバスケット11の中央部に、例え
ばバスケット半径の約25%以内の領域に位置し、最も
高温化し易い中央部に燃料体を配置せず、燃料体の高温
化防止対策を施している。
【0028】4体接触型配列バスケット孔要素組立体1
6間の外側に半径方向外方に拡開するほぼ三角柱形状の
スペース18がバスケット11の長手方向に沿って形成
され、このスペース18に独立した単体のバスケット孔
要素12がそれぞれ配設される。これらの単独バスケッ
ト孔要素12と4体接触型配列バスケット孔要素組立体
16を組み合せてほぼ円柱形状をなすバスケット11が
構成される。このバスケット11には原子炉燃料の燃料
体19(図2(A)参照)を大容量、例えば20体収納
可能に構成され、大容量であるにも拘らず、バスケット
孔要素12を有効的にかつ効率よく密に配列し、バスケ
ット11のコンパクト化を図っている。
【0029】燃料輸送容器10のバスケット11には、
4体接触型配列バスケット孔要素組立体16を周方向に
沿って例えば4組配設するだけでも大容量化を図ること
ができる。バスケット孔要素組立体16間に独立した単
体のバスケット孔要素12を組み込まなくても、ほぼ円
柱形状で原子炉燃料の燃料体19を16体機能可能な大
容量でコンパクトなバスケット11が構成される。
【0030】バスケット11を構成する各バスケット孔
要素12は、図2(A),(B)および(C)に示すよ
うに構成される。各バスケット孔要素12には、孔要素
本体14の隣り合う2つの外側壁に細長い原子炉燃料の
燃料体あるいはこの燃料体を収納した細長い燃料保護容
器20を拘束し、締め付けて固定される締付手段として
の固縛装置21がそれぞれ設けられる。固縛装置21
は、バスケット孔15内に設置される締付手段22を進
退可能に備える。
【0031】固縛装置21は、バスケット孔11の長手
方向に沿って設置される複数の締付板22と、各締付板
22をバスケット孔15内に進退自在に支持するリンク
機構付駆動機構23と、この駆動機構23を駆動させる
動力伝達手段としての回転軸24およびカップリング2
5と、回転軸24を回転させる締付力調整軸26とを有
する。しかして、締付力調整軸26を回転駆動させる
と、その回転駆動力が動力伝達手段(回転軸24および
カップリング25)を介して駆動機構23に伝達され、
この駆動機構23により締付板22をバスケット孔15
内へ進退させる。
【0032】駆動機構23により締付板22をバスケッ
ト孔15内に進出させて燃料保護容器20を押圧する
と、燃料保護容器20は締付板22とバスケット孔15
の内側壁面との間で締め付けられ、拘束される。締付板
22を燃料保護容器20から後退させることにより、燃
料保護容器20の拘束を解除し、バスケット孔15内で
解放することができる。図2に示された固縛装置21は
機械駆動式の例を示したが、駆動モータと組み合せたモ
ータ駆動式あるいは電動駆動式であってもよく、種々の
固縛装置が締付・拘束手段として考えられる。
【0033】バスケット孔要素12には隣接する2つの
外側壁に固縛装置21が取り付けられるが、固縛装置2
1が存在しない残りの外側壁は、4体接触型配列バスケ
ット孔要素組立体16を構成するために利用される。こ
のバスケット孔要素組立体16は固縛装置21付バスケ
ット孔要素12を4体ずつ組をなすように相互に束ねて
連結させたもので、固縛装置21が存在しない2つの外
壁面同士を互いに接触させ、横断面が四角形状になるよ
うに配列して4体接触型配列バスケット孔要素組立体1
6が組み立てられる。
【0034】しかして、バスケット11は、4体接触型
配列バスケット孔要素組立体16を同一円周上で周方向
に沿って複数組配列することで、バスケット11内に多
数のバスケット孔要素12を効率よく密に配列すること
ができ、大容量であってもコンパクト化を図ることがで
きる。
【0035】図3は、バスケット孔要素12と固縛装置
21との配置関係を示す図であり、図3(A)は実際の
バスケット孔要素12と固縛装置21の取付関係を示す
平面図、この取付関係を簡素化した表示が図3(B)で
ある。図3(B)は図1の表示方法に対応する図であ
る。
【0036】図1および図3(B)では、実線がバスケ
ット孔要素12の外寸法を表わし、燃料保護容器20や
固縛装置21の締付板22等は省略されている。点線
は、固縛装置21の設置領域13を示している。
【0037】次に、原子炉燃料の輸送容器の作用を説明
する。
【0038】原子炉燃料の輸送容器に備えられるバスケ
ット11は多数の独立したバスケット孔要素12に固縛
装置21を取り付け、この固縛装置付バスケット孔要素
12を多数体束ねて構成される。
【0039】初めに、固縛装置付バスケット孔要素12
を4体組み合せて4体接触型配列バスケット孔要素組立
体16を構成する。このバスケット孔要素組立体16
は、独立した固縛装置付バスケット孔要素12を4体用
意し、固縛装置21の存在しない2つの外側面同士を互
いに接触させ、横断面が四角形状になるように配列して
図示しない連結部材で組をなすように束ねて構成され
る。続いて、4体接触型配列バスケット孔要素組立体1
6を例えば4組同一円周上の周方向に沿って所要の間隔
をおいて順次配列し、さらに、4体接触型配列バスケッ
ト孔要素組立体16間に外側に独立した単独バスケット
孔要素12を組み込んで束ねる。しかして、4組の4体
接触型配列バスケット孔要素組立体16と4個の単独バ
スケット孔要素12とを組み合せ、図示しない連結手段
により束ねて一体化させ、円柱形状のバスケット11が
製造される。
【0040】このバスケット11はバスケット孔要素1
2を効率よく密に配列し、総数20体の原子炉燃料の燃
料体を収容でき、大容量でコンパクトなほぼ円柱形状の
燃料輸送容器10を提供できる。MOX燃料のように発
熱性の燃料体を収納した燃料輸送容器10では、バスケ
ット11の中心部ほど高温になり易いが、このバスケッ
ト11はバスケット中央部(中心部)に燃料体収納室を
構成しない収納室不形成領域17を形成した配置構造を
とることで、温度的にも有利となる。したがって、MO
X燃料体の輸送にも適した大容量でコンパクトな燃料輸
送容器10を提供できる。
【0041】この燃料輸送容器10を用いて、原子炉燃
料は燃料処理施設等の一方の施設から原子力発電所等の
他方の施設へ燃料輸送される。
【0042】この燃料輸送には、MOX燃料、ウラン燃
料等の原子炉燃料の燃料体を収納する燃料保護容器20
が用意され、この燃料保護容器20に原子炉燃料の燃料
体が収納される。燃料体を収納した燃料保護容器20は
続いて燃料輸送容器10に装荷される。
【0043】燃料輸送容器10のバスケット11は原子
炉燃料の燃料体を例えば20体収納できる大容量の燃料
体収納室を備えている。バスケット11のバスケット孔
15には、燃料体を収納した燃料保護容器20が順次挿
入される。挿入された燃料保護容器20は固縛装置21
でバスケット孔15内で締め付けられて拘束され、固定
される。このようにして、燃料輸送容器10のバスケッ
ト11の各バスケット孔15内に多数の燃料保護容器2
0が挿入され、装荷される。
【0044】燃料体を収納した燃料保護容器20を装荷
した燃料輸送容器10は続いて燃料輸送に供され、各燃
料加工施設等の一方の施設から原子力発電所や貯蔵施設
等の他方の施設に移送され、使用に供される。
【0045】この原子炉燃料の輸送方法によれば、燃料
輸送容器1基当り20体の燃料体を一度に収容でき、同
時に輸送させることができる。
【0046】図4は本発明に係る原子炉燃料の輸送容器
の第2実施形態を示すものである。
【0047】この実施形態に示された原子炉燃料の輸送
容器は、燃料輸送容器10のバスケット11を複数種
類、例えば2種類のバスケット孔要素12,30で構成
したものである。このバスケット11は4体一体型バス
ケット孔要素30と単独のバスケット孔要素12とを組
み合せて円柱形状に形成したものである。
【0048】4体一体型バスケット孔要素30は、四角
柱形状の構造体である孔要素本体31内に4個のバスケ
ット孔32a,32b,32c,32dを正方形状に配
列し、各バスケット孔32a,32b,32c,32d
の隣接する2つの外側壁面に長手方向に沿って固縛装置
21の設置領域13に構成し、各設置領域13に固縛装
置21を設けたものである。4体一体型バスケット孔要
素30は横断面がほぼ正方形をなす長方体形状の孔要素
本体31の外側壁に8個の固縛装置21が設けられる。
固縛装置21は図2に示すものと同様である。
【0049】4体一体型バスケット孔要素30は角筒状
構造体である孔要素本体31内に横断面十字形の細長い
仕切壁を長手方向に一体に介装させて4個のバスケット
孔32a〜32dを正方形状に配列させたものでもよ
い。この場合にも、固縛装置21は角筒状構造体である
孔要素本体の外側壁に設けられ、仕切壁には設置されな
い。
【0050】4体一体型バスケット孔要素30は同一円
周上を周方向に沿って所要の間隔をおいて順次配設され
る一方、4体一体型バスケット孔要素30間の外側に単
独バスケット孔要素12が組み込まれて円柱形状のバス
ケット11が構成される。このバスケット11も中央領
域には燃料体収納室が存在しない収納室不形成領域17
が形成される。
【0051】図4では4個の4体一体型バスケット孔要
素30と4個の単独バスケット孔要素12とを組み合
せ、図示しない連結手段で一体に連結して原子炉燃料の
燃料体を20体同時に収納可能な燃料輸送容器10を構
成している。
【0052】この燃料輸送容器10は、2種類のバスケ
ット孔要素12,30を束ねて円柱形状のバスケット1
1を構成する際のバスケット組立作業を、第1実施形態
に示された燃料輸送容器10に比較し、簡単かつ簡易に
なり、強度的にも安定した燃料輸送容器を提供できる。
その他の作用および効果は第1実施形態に説明したもの
と異ならないので説明を省略する。
【0053】なお、燃料輸送容器10は4体一体型バス
ケット孔要素30だけを周方向に3個以上配列し一体に
連結して組み立てられることでバスケット11を構成し
てもよい。この場合には、単独バスケット孔要素12の
組込みが不要となる。
【0054】図5ないし図7は本発明に係る原子炉燃料
の輸送容器の第3実施形態を示すものである。
【0055】この実施形態に示された原子炉燃料の輸送
容器は、各々独立した単独バスケット孔要素12を組み
合せて円柱形状のバスケット11を構成したもので、こ
の構成は、第1実施形態で示されたものと実質的に異な
らない。図5および図6に示された原子炉燃料の輸送容
器は、燃料輸送容器10のバスケット11を構成する単
独バスケット孔要素12において、固縛装置21が占有
する空間のスペースボリュームを一定値以下に制限し、
バスケット孔要素12の配列性をより一層向上させ、バ
スケット11をよりコンパクト化させたものである。
【0056】燃料輸送容器10のバスケット11は、単
独のバスケット孔要素12を4体組み合せた4体接触型
配列バスケット孔要素組立体16を4組同一円周上に周
方向に沿って配列し、各バスケット孔要素組立体16間
の外側スペースに単独バスケット孔要素12を組み込
み、図示しない連結手段で一体に連結し、全体としてほ
ぼ円柱形状に一体的に組み立てたものである。バスケッ
ト11の中央領域は燃料体収納室を形成しない収納室不
形成領域17に形成される。
【0057】バスケット11を構成するバスケット孔要
素12は、角筒状、角管状あるいは長箱状に形成され、
バスケット孔要素12の隣り合う2つの外側壁に固縛装
置の設置領域13が台形柱状の空間として形成され、こ
の台形柱状の空間に固縛装置21が設置される。
【0058】ここで、固縛装置21の設置領域13を形
成する台形柱形状は、台形の1辺(底辺)が図6に示す
ようにバスケット孔要素12の外側壁の幅aであり、他
の1辺(頂辺)が外側壁面から距離bだけ離れた外側壁
面に平行な面(線)PLであり、残りの2辺が外側壁面
と所要の角度θ(θは約45度)をなす傾斜線ILであ
る。距離bは外側壁幅aの0.4倍以下の値であること
が好ましい。
【0059】バスケット孔要素12に固縛装置21を設
け、バスケット孔内に収納された燃料保護容器20を、
固縛装置21の締付板22で締め付けた場合、締付反力
が図2(B)および(C)に示される駆動機構23やカ
ップリング25に伝達されるので、駆動機構23やカッ
プリング25は締付力に応じて強固な構造をとる必要が
ある。しかし、駆動機構23やカップリング25を必要
以上に強固な構造にすると、固縛装置21の占める空間
が大きくなり、バスケット孔要素12を多数組み合せた
バスケット11の直径も大径化する。
【0060】バスケット11が大径化すると、このバス
ケット11を内蔵する外容器も必然的に大型化して重く
なり、燃料取扱施設のクレーン等の取扱装置で取り扱え
ない場合も生じる。この燃料輸送容器10のバスケット
11は固縛装置21の占める台形柱状空間を一定値以下
に制限し、バスケット孔要素12の配列性を高めてコン
パクト化し、各燃料取扱施設の取扱装置で燃料輸送容器
10の取扱が可能としたものである。
【0061】図5は、バスケット孔要素12を用いて第
1実施形態と同様な配列で構成したバスケット12の断
面図である。バスケット孔要素12を図5に示す配列に
セットした場合、B点またはC点がバスケット11の中
心から最大距離の位置となる。バスケット11の中心か
らB点までの距離をRb、中心からC点までの距離をR
cとして、バスケット孔要素12の外側壁幅aと外側壁
面からの距離bの寸法比(b/a)の関係を図7に示
す。なお、Dはバスケット11の直径である。
【0062】図5に示すように燃料輸送容器10のバス
ケット11を構成するバスケット孔要素12に台形柱形
状の固縛装置21の設置領域13を形成し、固縛装置2
1の設置空間を台形柱状空間とすると、寸法比(b/
a)を小さくすれば、必要とするバスケット11の直径
Dが小さくなりコンパクト化が図れる。図7より、コン
パクト化に効果があるのは、寸法比(b/a)が0.4
以下の場合である。寸法比(b/a)が0.4以上の場
合には、距離Rcが距離Rbより大きくなるため、図5
に示すバスケット孔要素12の配列でのコンパクト化に
あまり効果的でない。
【0063】この燃料輸送容器10はバスケット11を
構成するバスケット孔要素12において、固縛装置21
の設置空間をバスケット孔外側壁面に沿った台形柱状空
間とし、かつ寸法比(b/a)を0.4以下としたた
め、必要なバスケット11の直径Dを小さくすることが
でき、バスケット11のコンパクト化が図れる。このバ
スケット11は原子炉燃料の燃料体を20体同時に収納
して搬送することができ、しかも各燃料取扱施設の取扱
装置で燃料輸送容器10の取扱いが可能となり、大容量
でコンパクトな燃料輸送容器10を提供できる。
【0064】次に、図5に示された燃料輸送容器10を
用いた原子炉燃料の輸送方法を説明する。
【0065】原子炉燃料の燃料輸送に、図5に示された
燃料輸送容器10のバスケット11を用いる場合には、
バスケット11の各バスケット孔15に燃料保護容器2
0を挿入する前に、燃料保護容器20にMOX燃料等の
原子炉燃料の燃料体19を挿入し、収納させる(図6参
照)。
【0066】原子炉燃料の燃料体19を収納した燃料保
護容器20を燃料輸送容器10のバスケット11に装荷
させる。燃料輸送容器10のバスケット11への燃料保
護容器20の装荷は、各バスケット孔15内に燃料保護
容器20を挿入し、挿入された燃料保護容器20を固縛
装置21の各締付板22で締め付け、拘束させることに
より、安定的に収納させることができる。バスケット1
1には20体もの燃料体が各バスケット孔15にそれぞ
れ収納され、装荷される。
【0067】燃料体を収納した燃料保護容器20が装荷
された燃料輸送容器10は続いて燃料輸送に供され、各
燃料加工施設等の一方の施設から原子力発電所や燃料貯
蔵施設等の他の施設に移送される。この移送工程では、
燃料輸送容器10は1基当り20体もの燃料体を同時に
移送させることができる。
【0068】図5ないし図7に示された実施形態では、
固縛装置21の占める空間を一定値以下に制限しバスケ
ット孔要素12の配列性をより高め、バスケット11を
コンパクトにしたことにより、燃料体収納容量が20体
という大容量でありながらコンパクトに構成でき、各燃
料取扱施設の取扱装置で燃料輸送容器10の取扱いが可
能である。また、最も高温化し易い燃料輸送容器中央部
に燃料体収納室を設けていない収納室不形成領域17を
形成したため熱的にも非常に優れた原子炉燃料の輸送容
器ならびにその輸送方法を提供することができる。
【0069】図8および図9は本発明に係る原子炉燃料
の輸送容器の第4実施形態を示す断面図である。
【0070】この実施形態に示された原子炉燃料の輸送
容器は、原子炉燃料の燃料体を例えば8体輸送するのに
適した中規模な燃料輸送容器35である。この燃料輸送
容器35は外容器に固定された円筒形状のバスケット3
6と、このバスケット36内に収納される内容器37と
から構成される。
【0071】内容器37は横断面四角形状の容器本体3
8と開閉自在な側方蓋39から構成され、容器本体38
は四角形状の周囲に合計8個の燃料体収納室40を配列
している。容器本体38は横断面がほぼ正方形をなす角
筒状あるいは角管状のボックスに細長いプレート状の仕
切壁41を放射状に一定に固着させて構成される。仕切
壁41は容器本体38のボックス外側壁の中央部にそれ
ぞれ壁面に垂直に設けられ、仕切壁41の頂部側に横断
面く字状の側方蓋39が開閉自在にヒンジ結合される。
内容器37の中央部には燃料体収納室40を形成しない
不形成領域43が構成される。
【0072】しかして、内容器37は容器本体38の各
辺上にそれぞれ2個の燃料体収納室40が並設され、燃
料体収納室40は容器本体38の四角形状の各辺廻りに
合計8個配列される。
【0073】内容器37は容器本体38と側方蓋39と
を一体的に組み立てたもので構造的に一体化されてお
り、この内容器37が外容器に固定されたバスケット3
6内に出し入れ可能に収納される。バスケット36は内
容器37の輪郭形状に補形をなす収納孔44を有し、こ
の収納孔44に内容器37が安定的に収納される。図8
は内容器37をバスケット36に収納させた状態を示す
断面図であり、図9は内容器37を取り出した状態を示
す断面図である。この燃料輸送容器35はバスケット3
6内に内容器37が出し入れ可能に収納され、内容器3
7は図9に示すように容器本体38の外周側に側方蓋3
9が開閉自在に取り付けられているために、図示しない
原子炉燃料の燃料体を横方向より収納でき、バスケット
孔に頂部から挿入する場合と異なり燃料体構成部品の位
置ずれ発生の心配が無いため、燃料保護容器を必要とし
ない。
【0074】この燃料輸送容器35の内容器37は、外
容器より取り出せるうえに側方蓋39が開閉自在に取り
付けられているため、燃料体収納室40に燃料体を保護
する保護材(図示せず)を内張りしたり、また、側方蓋
39に燃料体を拘束する締付装置を取り付けることがで
きる。したがって、内容器37の燃料体収納室40に通
常の燃料保護容器と同一の燃料体保護機能を持たせるこ
とができる。また、他に、独立した燃料保護容器を必要
としないので、燃料体収納室40の内寸法は、図1に示
された燃料輸送容器10の燃料体収納室(バスケット
孔)15の内寸法より小さくすることができる。この燃
料輸送容器35は1基当り8体の燃料体の輸送が可能で
ある。この燃料輸送容器35は容量的には例えば8体と
中規模であるが、コンパクトな燃料輸送容器を提供でき
る。
【0075】次に、この燃料輸送容器を用いた原子炉燃
料の輸送方法を説明する。
【0076】図8および図9に示された燃料輸送容器3
5においては、MOX燃料等の原子炉燃料の燃料体を内
容器37に直接収納させることができ、燃料体を収納す
る燃料保護容器が不要となる。内容器37への燃料体の
収納は、内容器37を燃料輸送容器35のバスケット3
6から取り出し、側方蓋39を開いて図示しない燃料体
をその収納室に順次収容させ、合計8体の燃料体を内容
器37に収納させる。
【0077】8体の燃料体を収納した内容器37は外容
器に固定されたバスケット36に挿入し、装荷される。
8体の燃料体を装荷したバスケット36は燃料輸送容器
35を構成して各燃料施設等の一方の燃料施設から原子
力発電所等の他方の燃料施設に移送される。
【0078】この原子炉燃料の輸送方法においては、燃
料保護容器と同一の機能を有する内容器37に燃料体を
直接収納させるために、個々の燃料体を収納する燃料保
護容器を必要としない。また、容量的には8体の燃料体
を一度に同時に輸送させることができる。この燃料輸送
容器35は、容量的には中規模であるが、燃料輸送容器
35の軽量化、コンパクト化が図れる一方、最も高温化
し易い燃料輸送容器35の中央部に燃料体を収納しない
収納室不形成領域43を形成したので、熱的にも優れて
おり、燃料輸送条件如何によっては大幅な輸送コストの
低減が図れる。
【0079】図10は本発明に係る原子炉燃料の輸送容
器の第5実施形態を示すもので、燃料輸送容器を構成す
る内容器の断面図である。
【0080】図10は、燃料輸送容器35のバスケット
36から内容器37を取り出した状態を示すもので、こ
の内容器37は図8に示される燃料輸送容器35と同
様、バスケット36に出し入れ可能に装荷される。
【0081】図10に示された内容器37は、容器本体
38の周囲に8個の燃料体収納室40を形成し、この収
納室40が側方蓋39で開閉自在に覆われることは、第
4実施形態で示した内容器37と異ならない。第4実施
形態の内容器37と異なる点は、容器本体38の中央部
に構造体としてもう1つの燃料体収納室要素46を出し
入れ可能に遊嵌状態で設置し、燃料体収納室要素46を
設置した状態で図示しない格納手段により、燃料体収納
室要素46は内容器37の容器本体38に挿入されて安
定的にかつ一体的に装荷される。燃料体収納室要素46
は、横断面く字状の要素本体部47と同じく横断面く字
状の側方蓋48で燃料体収納室49を形成しており、こ
の燃料体収納室49は内容器37の容器本体38外周部
に形成された燃料体収納室40と同一機能を有する。
【0082】この内容器37は図8に示された外容器に
固定されたバスケット36に出し入れ可能に収容されて
燃料輸送容器35が構成される。この燃料輸送容器35
においても、原子炉燃料の燃料体を内容器37の中央お
よび周辺の燃料体収納室40,49に合計9体直接収納
させることができ、燃料体を収納する燃料保護容器35
が不要となる。また、この燃料輸送容器35は、9体の
原子炉燃料の燃料体を直接収納して同時に移送させるこ
とができる。
【0083】次に、図10の燃料輸送容器を用いた原子
炉燃料の輸送方法を説明する。
【0084】図10に示された燃料輸送容器35はバス
ケット36から内容器37を取り出し、側方蓋39を開
いて図示しない8体の燃料体を周辺の燃料体収納室40
に、1体を中央の燃料体収納室49にそれぞれ収納さ
せ、合計9体の燃料体を内容器37に収納させる。
【0085】9体の燃料体を収納した内容器37は、続
いて図8に示された外容器に固定されたバスケット36
に挿入され、装荷される。合計9体の燃料体を装荷した
バスケット36は燃料輸送容器35を構成して各燃料施
設等の一方の施設から原子力発電所等の他方の施設に移
送される。
【0086】この原子炉燃料の輸送方法においては、燃
料保護容器と同一機能を有する内容器37に燃料体を収
納させるために、個々の燃料体を収納する燃料保護容器
を必要としない。また、容量的には9体の燃料体を一度
に同時に輸送させることができる。この燃料輸送容器3
5は、容量的には中規模であるが、燃料輸送容器35の
軽量化、コンパクト化が図れ、燃料輸送条件如何によっ
ては大幅な輸送コストの低減が図れる。
【0087】また、輸送容器の内部ほど高温化し易い。
したがって、発熱量の大きい燃料体を輸送する場合に
は、中央部の収納室29を使用せず8体輸送とし、発熱
量の小さい燃料体を輸送する場合にのみ9体輸送とし、
燃料体により使い分けることもできる。
【0088】なお、図9および図10に示される燃料輸
送容器の内容器に形成される燃料体収納室を画成する側
方蓋や仕切壁は種々の形状が考えられる。
【0089】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る原子炉
燃料の輸送容器およびその輸送方法においては、4体接
触型配列バスケット孔要素組立体あるいは4体一体型バ
スケット孔要素を周方向に沿って配列し、ほぼ円柱形状
のバスケットを構成したので、原子炉燃料の燃料体を同
時に多数移送させることができる一方、各燃料体はバス
ケット孔に安定的に収納させ、拘束されるので燃料輸送
の健全性や信頼性を向上させ、輸送コストの低減を図る
ことができ、大容量でコンパクトな原子炉燃料の輸送容
器およびその輸送方法を提供できる。
【0090】また、本発明に係る原子炉燃料の輸送容器
およびその輸送方法においては、燃料輸送容器の中央領
域に燃料体収納室を形成しない収納室不形成領域を設け
たので、高温になり易い中央領域の温度を緩和させるこ
とができ、発熱性を有するMOX燃料にも適した大容量
でコンパクトな原子炉燃料の輸送容器およびその輸送方
法を提供できる。
【0091】さらに、本発明に係る原子炉燃料の輸送容
器およびその輸送方法においては、燃料輸送容器のバス
ケットに内容器を出し入れ可能に収納し、この内容器の
容器本体の周りに合計8個の燃料体収納室を配列して各
燃料体収納室に原子炉燃料の燃料体を直接収納できるの
で、燃料体を個々に収納する燃料保護容器が不要とな
り、個々の燃料体を燃料保護容器に入れないで燃料輸送
でき、燃料輸送の簡素化、輸送コストの低減が図れる中
規模容量でコンパクトな原子炉燃料の輸送容器およびそ
の輸送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉燃料の輸送容器の第1実施
形態を示すもので、燃料輸送容器のバスケットを示す断
面図。
【図2】本発明に係る原子炉燃料の輸送容器に組み込ま
れるバスケット孔要素を示すもので、(A)はバスケッ
ト孔要素の断面図、(B)は図2(A)のB−B線に沿
う図、(C)は図2(A)のC−C線に沿う断面図。
【図3】(A)は本発明に係る原子炉燃料の輸送容器に
組み込まれる実際のバスケット孔要素と固縛装置の設置
関係を示す平面図、(B)は図3(A)の表示を図1の
表示方法に対応させて表示した図。
【図4】本発明に係る原子炉燃料の輸送容器の第2実施
形態を示すもので、燃料輸送容器のバスケットを示す断
面図。
【図5】本発明に係る原子炉燃料の輸送容器の第3実施
形態を示すもので、燃料輸送容器のバスケットを示す断
面図。
【図6】本発明の第3実施形態に用いられるバスケット
孔要素の断面図。
【図7】本発明の第3実施形態に用いられるバスケット
の直径とバスケット孔要素の外側壁に沿う台形柱状空間
の台形底辺と高さの寸法比(b/a)の関係を示す図。
【図8】本発明に係る原子炉燃料の輸送容器の第4実施
形態を示すもので、燃料輸送容器のバスケットを示す断
面図。
【図9】本発明の第4実施形態に用いられる燃料輸送容
器から取り出された内容器を示す断面図。
【図10】本発明に係る原子炉燃料の輸送容器の第5実
施形態を示すもので、燃料輸送容器から取り出された内
容器を示す断面図。
【図11】従来の原子炉燃料の輸送容器を一部破断して
示す斜視図。
【符号の説明】 10 燃料輸送容器 11 バスケット 12 バスケット孔要素 13 固縛装置の設置領域 14 孔要素本体 15 バスケット孔(燃料体収納室) 16 4体接触型配列バスケット孔要素組立体 17 収納室不形成領域 18 スペース 19 原子炉燃料の燃料体(MOX燃料体) 20 燃料保護容器 21 固縛装置 22 締付板 23 駆動機構 24 回転軸(動力伝達手段) 25 カップリング(動力伝達手段) 26 締付力調整軸 30 4体一体型バスケット孔要素 31 孔要素本体 32a,32b,32c,32d バスケット孔 35 燃料輸送容器 36 バスケット 37 内容器 38 容器本体 39 側方蓋 40 燃料体収納室 41 仕切壁 43 収納室不形成領域 44 収納孔 46 燃料体収納室要素 47 要素本体部 48 側方蓋 49 燃料体収納室

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バスケット孔要素を複数体束ねてバスケ
    ットを構成し、上記各バスケット孔要素に原子炉燃料の
    燃料体収納室を構成するバスケット孔をそれぞれ形成
    し、上記各バスケット孔要素の隣接する2外側壁に固縛
    装置を設置した燃料輸送容器において、上記固縛装置付
    バスケット孔要素4体を、固縛装置不存在の2外壁面同
    士を互いに接触させて組をなすように配列し、横断面四
    角形状の4体接触型配列バスケット孔要素組立体を構成
    し、上記バスケット孔要素組立体を複数組組み合せてほ
    ぼ円柱形状のバスケットを構成したことを特徴とする原
    子炉燃料の輸送容器。
  2. 【請求項2】 4体接触型配列バスケット孔要素組立体
    を少なくとも周方向に沿って複数組配設し、中央領域に
    燃料体収納室が存在しない収納室不形成領域を設けた、
    ほぼ円柱形状のバスケットを構成した請求項1記載の原
    子炉燃料の輸送容器。
  3. 【請求項3】 4体接触型配列バスケット孔要素組立体
    に単独のバスケット孔要素を組み合せてほぼ円柱形状の
    バスケットを構成した請求項1または2記載の原子炉燃
    料の輸送容器。
  4. 【請求項4】 原子炉燃料の燃料体収納室を形成したバ
    スケット孔要素は、4つのバスケット孔を四角形配列し
    て横断面が四角形状の4体一体型バスケット孔要素で構
    成し、上記4体一体型バスケット要素を複数個周方向に
    沿って配設してほぼ円柱形状のバスケットを構成し、こ
    のバスケットは中央領域に燃料体収納室が存在しない収
    納室不形成領域を形成したことを特徴とする原子炉燃料
    の輸送容器。
  5. 【請求項5】 原子炉燃料の燃料体収納室を形成したバ
    スケット孔要素を複数種類備え、上記各バスケット孔要
    素の隣接する少なくとも2つの外側壁に固縛装置をそれ
    ぞれ設置する一方、前記複数種類のバスケット孔要素の
    少なくとも一方は、4つのバスケット孔を四角形配列し
    て横断面が四角形状の4体一体型バスケット孔要素を、
    また残りの他方は角筒状あるいは長箱状の単独バスケッ
    ト孔要素をそれぞれ構成し、複数個の4体一体型バスケ
    ット孔要素と複数個の単独バスケット孔要素を組み合せ
    てほぼ円柱形状のバスケットを構成したことを特徴とす
    る原子炉燃料の輸送容器。
  6. 【請求項6】 バスケット孔要素の隣接する2つの外側
    壁に沿って台形柱状の空間領域を形成し、この空間領域
    は台形の1辺がバスケット孔要素の外側壁幅に、他の1
    辺が外側壁面からの距離が外側壁幅の0.4倍以下の値
    で外側壁面に平行な面に、残りの2辺が外側壁面からほ
    ぼ45度の角度で傾斜した傾斜面にそれぞれ形成し、上
    記台形柱状の空間領域に固縛装置を設置した請求項1ま
    たは5記載の原子炉燃料の輸送容器。
  7. 【請求項7】 バスケットを構成するバスケット孔要素
    に、原子炉燃料の燃料体を収納可能なバスケット孔をそ
    れぞれ形成し、上記各バスケット孔に原子炉燃料の燃料
    体を16体あるいは20体収納可能に構成した請求項
    1,4,5または6記載の原子炉燃料の輸送容器。
  8. 【請求項8】 原子炉燃料の燃料体を燃料保護容器に収
    納する工程と、燃料体を収納した燃料保護容器を燃料輸
    送容器に装荷する工程と、この燃料輸送容器を各燃料加
    工施設等の一方の施設から原子力発電所等の他方の施設
    に移送する工程とを有し、前記装荷工程では1基当り1
    6体あるいは20体収納できる燃料輸送容器に、燃料体
    を収納した燃料保護容器を挿入して装荷し、移送工程で
    は燃料輸送容器1基当り16体あるいは20体の燃料体
    を移送することを特徴とする原子炉燃料の輸送方法。
  9. 【請求項9】 燃料輸送容器が外容器に固定されたバス
    ケットと、このバスケットに出し入れ可能に収容され、
    原子炉燃料の燃料体を収納する内容器とを有し、上記内
    容器は横断面四角形状の容器本体の各辺上にそれぞれ2
    個の燃料体収納室を並設して合計8個燃料体収納室を配
    列し、各燃料体収納室が側方蓋で開閉自在に構成され、
    前記内容器の各燃料収納室に原子炉燃料の燃料体を収納
    させたことを特徴とする原子炉燃料の輸送容器。
  10. 【請求項10】 内容器は横断面四角形状の容器本体の
    中央部に燃料体収納室要素を出し入れ可能に設け、上記
    燃料体収納室要素にも側方蓋が開閉自在に設けられ、合
    計9個の燃料体収納室を構成した請求項9記載の原子炉
    燃料の輸送容器。
  11. 【請求項11】 燃料輸送容器の内容器に原子炉燃料の
    燃料体を収納する工程と、燃料体を収納した内容器を外
    容器に固定されたバスケットに挿入し、装荷する工程
    と、バスケットに内容器を装荷した燃料輸送容器を燃料
    取扱施設等の一方の施設から原子力発電所等の他方の施
    設に移送する工程とを有し、前記収納工程では内容器を
    外容器から取り出し、燃料体収納室の側方蓋を開閉させ
    て原子炉燃料の燃料体を直接収納させ、合計8体の燃料
    体を内容器に収納させることを特徴とする原子炉燃料の
    輸送方法。
  12. 【請求項12】 燃料輸送容器の内容器に原子炉燃料の
    燃料体を収納する工程と、燃料体を収納した内容器を外
    容器に固定されたバスケットに挿入し、装荷する工程
    と、バスケットに内容器を装荷した燃料輸送容器を燃料
    取扱施設等の一方の施設から原子力発電所等の他方の施
    設に移送する工程とを有し、前記収納工程では、内容器
    を外容器から取り出す一方、内容器の燃料体収納室要素
    を取り出し、前記各燃料体収納室の側方蓋を開閉させて
    原子炉燃料の燃料体を直接収納させる一方、燃料体を収
    納した燃料体収納室要素を内容器の容器本体中央部に装
    荷させることを特徴とする原子炉燃料の輸送方法。
JP9213453A 1997-08-07 1997-08-07 原子炉燃料の輸送容器および輸送方法 Withdrawn JPH1152092A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008545131A (ja) * 2005-06-30 2008-12-11 テーエン・アンテルナシオナル 格納筐体のハウジング内で核燃料を収納する組立体の位置を監視する装置
JP2018054558A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 三菱重工業株式会社 使用済燃料集合体の収納方法及び収納容器

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