JP2002098790A - 原子炉新燃料輸送容器 - Google Patents

原子炉新燃料輸送容器

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JP2002098790A
JP2002098790A JP2000288044A JP2000288044A JP2002098790A JP 2002098790 A JP2002098790 A JP 2002098790A JP 2000288044 A JP2000288044 A JP 2000288044A JP 2000288044 A JP2000288044 A JP 2000288044A JP 2002098790 A JP2002098790 A JP 2002098790A
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Atsuya Hirano
敦也 平野
Yusuke Isobe
裕介 磯辺
Junichiro Nakajima
潤一郎 中島
Satoshi Sugano
智 菅野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料保護容器を固定するための機構を非常に
コンパクトにし、輸送容器への燃料体収納効率を高くす
ることにある。 【解決手段】 燃料保護容器2を収納する収納筒4を所
定間隔に複数体束ねたバスケットを輸送容器本体内部に
設置した原子炉新燃料輸送容器において、収納筒の隣り
合う2面に燃料体の軸方向全長にわたって伸びる駆動シ
ャフト40と、駆動シャフトの前記軸方向への移動もし
くは前記軸方向への駆動力により、連動して前記軸方向
に移動するコイルばね21、ばね台座22、ばね受け2
3を有する第1移動体20と、隣接する収納筒の間隔外
で燃料体の径方向に移動するパッド(第2移動体)30
と、第1移動体の前記軸方向への移動を第2移動体の前
記径方向への移動に変換するリンク部11、12、1
3、15(変換機構10)を備え、第2移動体を介して
燃料保護容器を前記径方向に押し、対面する収納筒壁に
押付けて燃料保護容器を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉燃料集合体
(以下、燃料体という。)を収納して輸送するための原
子炉新燃料輸送容器に係り、特に、原子炉装荷前の混合
酸化物燃料の新燃料体を燃料加工施設等から原子力発電
所に輸送するための原子炉新燃料輸送容器に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉用の新燃料体や使用済み燃料体等
の放射性物質は、しゃへいや密封などの機能を有した輸
送容器に収納されて安全に輸送される。特に、新燃料体
は、燃料加工施設から原子力発電所への輸送後、原子炉
に装荷して使用するため、輸送に際しては燃料体の機械
的健全性に悪影響を及ぼさないように細心の注意を払う
必要がある。輸送中の振動や衝撃が燃料体に伝わると、
燃料体の変形や金属接触部の擦れによる摩耗が生じる可
能性があるため、新燃料輸送容器では、輸送容器構造物
と燃料体をしっかりと固定する、あるいは輸送容器内部
で燃料体を軟質の緩衝材で保護する、といった措置を講
じる必要がある。新燃料体のうち、プルトニウムとウラ
ンの混合酸化物燃料(MOX燃料)では、プルトニウム
の崩壊熱により輸送中に燃料体表面の温度が上昇するた
め、前述の措置のうち軟質緩衝材で燃料体を保護すると
いうのは、高温に耐え得る適切な材質がなく、適用が困
難である。このため従来は、例えば特開平11−520
92号公報に示されるように、輸送容器中で燃料体を収
納するバスケット孔の外側壁に、動力伝達手段としての
回転軸を有したリンク機構付駆動機構や動力伝達手段を
備えた固定装置を設置した輸送容器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−5209
2号公報に示される輸送容器では、駆動シャフトの回転
をねじ溝を介してリンク連結箇所の軸方向移動に変換し
ているため、MOX燃料輸送中の高温環境下においては
ねじのかじりつきが生じる可能性があった。また、バス
ケット孔の外側に配置する固定装置が燃料体径方向に場
所をとるため、輸送容器内で固定装置が占める空間の割
合が大きくなり、輸送容器に収納できる燃料体の体数が
少ない、という課題があった。また、輸送容器に燃料体
を収納する場合及び輸送容器から燃料体を取出す場合に
固定装置の固定、解除作業が必要であり、作業が煩雑に
なる、という課題があった。更に、従来の技術には以下
の課題もあった。一般に燃料体輸送容器は全長4.5m
程度の燃料体を収納する円筒形の形状であり、その頂部
の端面に蓋が取付けられ、燃料体の収納、取出しを行う
構造になっている。このため輸送容器内部に設置された
固定装置の保守、点検作業においては、特に容器の底部
に近い固定装置は作業員が直接アクセスできない状態と
なるため、作業は容易ではなかった。
【0004】本発明の課題は、燃料保護容器を固定する
ための機構を非常にコンパクトにし、輸送容器への燃料
体収納効率が高い原子炉新燃料輸送容器を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、燃料体の軸方向への移動時にその厚みが実質的に同
じである第1移動体を隣接する収納筒の間隙内に有し、
第1移動体の前記軸方向への変位もしくは第1移動体に
伝達される前記軸方向の力を燃料体の径方向への変位も
しくは力に変換する変換機構を設けた。また、実質的に
燃料体の軸方向に限定して移動する第1移動体を隣接す
る収納筒の間隙内に有し、第1移動体の前記軸方向への
変位もしくは第1移動体に伝達される前記軸方向の力を
燃料体の径方向の変位もしくは力に変換する変換機構を
設けた。また、収納筒の壁とこれに収納される燃料保護
容器との間に第1移動体を有し、第1移動体の燃料体の
軸方向への変位もしくは第1移動体に伝達される前記軸
方向の力を燃料体の径方向の変位もしくは力に変換する
変換機構を設けた。ここで、第1移動体は、燃料体の軸
方向の力を伝達する複数のコイルばねを有し、複数のコ
イルばねを燃料体の周方向に並列して連結した。また、
収納筒の隣り合う2面に燃料体の軸方向のほぼ全長にわ
たって伸びる駆動シャフトと、駆動シャフトの前記軸方
向への移動もしくは前記軸方向への駆動力により、これ
に連動して前記軸方向に移動するもしくは前記軸方向に
力を伝達する第1移動体と、隣接する収納筒の間隙外で
燃料体の径方向に移動するもしくは前記径方向に力を伝
達する第2移動体と、第1移動体の前記軸方向への変位
もしくは力を第2移動体の前記径方向への変位もしくは
力に変換する変換機構とを備え、第2移動体を介して燃
料保護容器を前記径方向に押付けることにより、燃料保
護容器が収納筒に固定される。また、収納筒の隣り合う
2面に燃料体の軸方向のほぼ全長にわたって伸びる駆動
シャフトと、コイルばねを有し、駆動シャフトの前記軸
方向への移動もしくは前記軸方向への駆動力により、こ
れに連動して前記軸方向に移動するもしくは前記軸方向
に力を伝達する第1移動体と、隣接する収納筒の間隙外
で燃料体の径方向に移動するもしくは前記径方向に力を
伝達する第2移動体と、第1移動体の前記軸方向への変
位もしくは力を第2移動体の前記径方向への変位もしく
は力に変換する変換機構とを備え、コイルばねの反力が
第1移動体に伝達され、変換機構を介して第2移動体に
よって燃料保護容器を前記径方向に押付けることによ
り、燃料保護容器が収納筒に固定され、一方、駆動シャ
フトに付与され、コイルばねに対抗する駆動力によっ
て、コイルばねの反力に逆らって第1移動体が移動され
ることにより、変換機構を介して第2移動体が前記径方
向に移動され、燃料保護容器の固定が解除される。ここ
で、駆動シャフトの上部端に駆動レバーが連結され、駆
動レバーの上げ下げによって駆動シャフトが前記軸方向
に移動される。ここで、バスケット上面に落とし蓋を備
え、バスケット上面に配置した複数の駆動レバーを落と
し蓋によって押さえつけ、落とし蓋が上下に移動するこ
とによって複数の駆動レバーを一括して上げ下げさせ、
固定動作させる。ここで、駆動シャフトの上部端に形状
記憶合金(SMA)製のSMAばねを内蔵したSMAア
クチュエータを備え、SMAばねに電気を通電及び解除
することによってSMAアクチュエータに連動して駆動
シャフトを前記軸方向に移動させる。また、原子炉用の
新燃料体1体を収納するための横断面が四角形状の燃料
保護容器1体を収納し、横断面が四角形状の収納筒を所
定間隔に複数体束ねた横断面がほぼ円形のバスケットを
輸送容器本体内部に設置した原子炉新燃料輸送容器にお
いて、バスケット内に収納筒を密に配置し、バスケット
の中央部に前記収納筒の無い領域を設ける。ここで、収
納筒を5行5列の格子状に配置し、収納筒を20体配置
する。また、収納筒を5行5列の格子状配列の角部4体
分が存在しない形状に密接して配置し、収納筒を21体
配置する。また、燃料保護容器の外面の複数箇所に該燃
料保護容器を固縛するためのばねを用いた固定手段を設
けると共に、燃料保護容器を収納筒に収納完了した時
に、固定手段に対面する収納筒の内壁の位置に突起部を
設ける。また、収納筒の内壁の複数箇所に燃料保護容器
を固縛するためのばねを用いた固定手段を設けると共
に、燃料保護容器を収納筒に収納完了した時に、固定手
段に対面する燃料保護容器の外面の位置に突起部を設け
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図2に、輸送容器の構造の概要を示
す。輸送容器は、遮蔽や密封の機能を持った円筒形状の
輸送容器本体200の内部空間に円筒形状のバスケット
3が設置される。バスケット3は、燃料体を収納した燃
料保護容器の収納室となり、角筒形状の燃料保護容器を
収納した収納筒4を複数体配置し、これらを互いに結合
して組み立てられる。輸送容器の上端面には、図示しな
い蓋部があり、輸送容器への燃料保護容器の装荷、取出
しは、輸送容器を垂直に立てた状態で収納筒4から燃料
保護容器を吊り降ろす、あるいは吊り出すことにより行
われる。輸送中は、輸送容器を横倒しにし、中心軸が概
ね水平となる状態に保持される。
【0007】図1は、本発明の第1の実施形態として原
子炉新燃料輸送容器の固定手段に関する構成を示す。
(a)は燃料保護容器2を収納筒4内に装荷完了し、固
定した状態を示す斜視図であり、固定手段1及び燃料保
護容器2について示し、収納筒4は省いてある。(b)
は(a)のA−A断面図であり、収納筒4も示す。
(c)は変換機構であるリンク部10の周辺拡大図であ
り、説明の便宜上、一部構成部品を省いてある。燃料保
護容器2は、横断面がほぼ正方形の角筒形状であり、図
示しないMOX新燃料体が一体収納される。固定手段1
は、収納筒4の隣り合う2面に配され、駆動シャフト4
0と、軸方向に複数個配置された変換機構であるリンク
部10と、リンク部10と駆動シャフト40とを連結す
るばね部を有する第1移動体20と、リンク部10に連
結する第2移動体であるパッド30と、駆動シャフト4
0の上端に連結する駆動レバー部50とで構成される。
駆動シャフト40はリンク部10を挟むように周方向に
2本並列に配置される。隣り合うリンク部10の間に収
納筒4の外壁に固定されたシャフトガイド41が配置さ
れ、その中を駆動シャフト40が貫通し、駆動シャフト
40の軸方向以外の動きを制限する。並走する2本の駆
動シャフト40は、上端の連結部44で1本にまとめら
れ、その上のバスケット上部蓋6を貫通し、その先でレ
バーピン52に連結される。レバーピン52には回転自
由に駆動する駆動レバー51を備える。さらに同図には
図示してないが、駆動レバー51に上部から接触してい
る落とし蓋53を備える。なお、駆動レバー部50の詳
細な説明については、図5を用いて後述する。ばね部を
有する第1移動体20は、駆動シャフト40上に備えら
れたばね台座22と、リンク部10に連結するばね受け
23と、両端で両者に接触し、その中を駆動シャフト4
0が通るコイルばね21とで構成される。
【0008】続いて、変換機構であるリンク部10の詳
細な構成を図1(b)及び(c)を用いて説明する。リ
ンク部10は、長い一個のリンクA11の両側面中央を
挾むように短いリンクB12の一端をピンB17で連結
したy字型をなし、リンクA11の一端にはリンクC1
3が連結ピン14で連結され(図7に図示)、他の一端
には2個の(1個は図示せず)ばね受け23がピンA1
6で連結され、リンクC13にはパッド30がピンC1
8で連結される。リンクB12の一端にはリンクE15
がピンE19で連結され、リンクE15は収納筒4に固
定され、動かないようになっている。また、リンクB1
2はリンクA11を挾む2本のリンクの一端を1つにま
とめたコの字型をなし、部品点数を減じると共に、リン
クA11のねじれを抑え、動きを安定させている。各リ
ンクを連結するピンはリンクA11とリンクC13の連
結ピン14を除いて燃料保護容器2の周方向に伸び、ピ
ン軸周りに回転可能である。本リンク構造により、第1
移動体であるばね受け23の軸方向の動きにより、ピン
A16が軸方向に動き、ピンA16とピンE19との間
隔が狭まったり、広がったりする。これに対応して、リ
ンクA11とリンクB12が互いの角度を狭めながら起
ち上げられたり、逆に互いの角度を広げるように倒し込
められたりして、その結果、第2移動体であるパッド3
0が径方向に動かされる。各リンクが干渉せずピン軸周
りに回転するので、リンクA11とリンクB12を垂直
に近い状態まで倒すことが可能である。リンクB12及
びパッド30はリンクA11の長手方向に伸びる連結ピ
ン16の周りに回転可能であり、燃料保護容器2と収納
筒4との製造公差により生じる相対的なねじれに対応し
てパッド面が傾き、片当たりせずに安定して燃料保護容
器2に固定力を加えることが可能である。ばね受け23
は軸方向に貫通孔を有し、貫通孔の中を駆動シャフト4
0が通り、駆動シャフト40の移動が直接伝わらないよ
うになっている。駆動シャフト40上には、ばね受け2
3を挟んでコイルばね21と反対側にストッパー47を
備え、コイルばね21の伸びを制限し、駆動シャフト4
0が無負荷の状態で所定のばね反力F0がばね受け23
とばね台座22との間にかかるようになっている。
【0009】図3は、本実施形態の固定手段1の動作を
説明する図であり、図1(b)のB−B断面から見た側
面図である。(a)は固定動作開始前のパッド30が収
納筒壁5内に収納されている状態、(b)は固定動作完
了時の状態である。パッド30の収納時には、リンクA
11及びリンクB12が他の部品に干渉せずに、垂直に
近い状態まで倒し込めるため、収納性が良く、板厚10
mm程度の収納筒壁5の内面より駆動シャフト40寄り
に収納することが可能であり、加えて、収納筒間隔をば
ね部を有する第1移動体20と同程度まで縮めることが
可能である。(a)の状態から図中左方に駆動シャフト
40を軸方向に移動させると、ばね台座22が連動し、
コイルばね21を介してばね受け23が左方向に移動
し、変換機構であるリンク部10を経てパッド30が径
方向に移動し、燃料保護容器2を移動させ、対面する収
納筒壁5に片寄せる。さらに駆動シャフト40を左に移
動させると、ばね受け23の位置はそのままでばね台座
22が左に移動し、コイルばね21が収縮し、(b)の
状態になる。収縮開始前のコイルばね21は上述のよう
に既にばね反力F0がかかっており、ばね長はS0であ
る。収縮後のばね長をS1、ばね定数をkとすると、コ
イルばね21の収縮反力Fは、F=k(S0−S1)+
F0である。収縮反力Fは、変換機構であるリンク部1
0で径方向の力に変換されて固定力Wとなり、燃料保護
容器2を固定する。製造公差により燃料保護容器2と収
納筒壁5との間隔がばらつくが、コイルばね21の収縮
後のばね長S1の変動により、ばらつきを吸収して全て
のパッド30において必要範囲内の固定力Wを発生させ
る。本実施形態の固定手段1によれば、パッド30の径
方向の移動と力の伝達が駆動シャフト40の軸方向の移
動と駆動力の負荷をもとにしているため、特開平11−
52092号公報に記載の駆動シャフトの回転をもとに
した固定手段に比べて、ねじのかじりなどがなく、MO
X燃料輸送中の高温環境下においてもスムーズで安定し
た固定動作が可能となる。さらに、十分なばね定数と許
容荷重を得るためにコイルばね1本でまかなうと外径が
大きくなるところを、外径の小さなばねを2個並列して
同等の性能を持たせ、収納筒周方向に並べて径方向の寸
法を小外径のばねと同じに抑えることにより、隣接する
収納筒間隔を20mm程度に小さく抑えたスペースに納
めることが可能となる。
【0010】図4は、本実施形態の固定手段1を用いた
MOX新燃料輸送容器中のバスケット断面図である。収
納筒4は、複数個のスペーサ71を用いて所定の収納筒
間隔を保って隣同士が連結、固定され、さらに外周を囲
む収納筒固定枠70にも固定される。収納筒固定枠70
はバスケット3の円筒軸方向に複数個層状に積み重ねら
れ、積み上げられた最上部から最下部までを貫通してい
るタイロッド72を締め上げることによって一つに束ね
られる。発電プラント内部への搬入口寸法からMOX新
燃料輸送容器の最外周は直径2500mm程度が上限と
なる。その容器に放熱フィンや炭素鋼製の中性子遮蔽層
を設けると、容器内部に収納できるバスケット直径は約
1200mmが上限となる。一方、燃料集合体を内包す
る燃料保護容器2の外幅は160mm程度であり、燃料
保護容器2を内包する収納筒4の外幅は、約10mmの
収納筒肉厚と収納性を考慮すると、190mm程度とな
る。図4のように、バスケット3内に収納筒4を5×5
の四隅を除いて配置した場合、収納筒間隔は20mm程
度となる。したがって、本実施形態で収納筒間隔を20
mm程度に抑えることにより、図4のように収納筒4を
効率よく配置することが可能となり、従来12体だった
燃料体を20体にまで高めることが可能となる。なお、
要求される固定力Wがさらに大きい場合は、ばねの個数
をさらに増やして並列に配置すれば、収納筒間隔を拡げ
ることなく、高い収納効率を維持することが可能であ
る。
【0011】図5は、本実施形態の駆動レバー部50の
構成を示すバスケット最上部の縦断面図である。(a)
は駆動シャフト引き上げ前、(b)は引き上げ後であ
る。落とし蓋53の中央はねじ孔54であり、ねじ孔5
4を貫通してバスケット中心軸上にボルトシャフト55
が配される。ボルトシャフト55は、放熱性確保のため
空けてある中央の空孔部分を通り、軸方向の移動が固定
され、軸周りに回転可能である。各駆動レバーの位置に
合わせて溝56が付けられる。(a)の状態からボルト
シャフト55を回転させると、落とし蓋53が下がり、
各駆動レバーの上端部が上から押さえつけられて同時に
下がり、逆にてこの原理で連結した駆動シャフト40が
引き上げられ、(b)の状態になる。本構造により、1
回の操作で全ての駆動シャフト40を引き上げることが
可能となり、燃料体の固定動作を迅速にかつ簡便に行う
ことが可能となる。なお、落とし蓋53が無い場合、各
駆動レバー51を個別に下げて固定操作を行うことにな
るが、個別に確認しながらより確実に行うことが可能と
なり、一方、従来のように、駆動シャフト先端のねじの
締め上げにより引き上げる方式に比べると、作業がワン
タッチで迅速である。また、駆動レバー51の代わりに
形状記憶合金(SMA)ばねを内蔵したSMAアクチュ
エータや、電導モーターを付けて駆動シャフト40を電
気的に遠隔操作することも可能であり、放射線から隔離
された安全な環境下で固定操作を行うことが可能とな
る。
【0012】図6は、図1(c)に代わるリンク部10
の構成を示す斜視図である。(a)は、リンクA11の
先端を伸ばして直接パッド30に連結させ、燃料保護容
器2の相対的なねじれに対応できるようにパッド30の
底面を部分円柱面にしてある。本構成では、パッド30
と燃料保護容器2とは線接触であるものの、リンクの連
結部を減じることにより、リンク部10の強度信頼性を
上げ、機構の製作を容易にすることが可能となる。さら
に、パッド自体を削除してしまい、リンクA11先端に
よる点接触での固定にすれば、固定箇所に過大な荷重が
かかる懸念があるが、さらに簡潔なリンク構成で強度信
頼性を上げ、機構の製作を容易にすることが可能とな
る。(b)は、リンクA11の長さをリンクB12と同
じにしてv字型にする。本構成は、パッド30が斜めに
せり出して燃料保護容器2との接触後に摺動したり、ば
ね受け23に固定力の反力が作用して摩擦力により軸方
向の動きが悪くなる可能性があるが、収納性に優れてい
る。(c)は、パッド30の両側にそれぞれy字型のリ
ンク17を連結させる。本構成は、両側のリンク17が
独立して動くため、場合によっては機構がねじれる可能
性があるが、リンク17とパッド30が干渉しないた
め、収納性が高く、その分ばね部20の厚みを大きくと
ることが可能となる。
【0013】図7は、本発明の第2の実施形態として原
子炉新燃料輸送容器の固定手段に関する構成を示す。図
1に示す第1の実施形態では、固定手段1は収納筒4の
外面に配したが、本実施形態では収納筒4の内部に配す
る。この場合、収納筒間隔を空ける必要はなく、格子状
に板を組んだ構造で良い。図7に、格子状に組んだ収納
筒4の内面に固定手段1を配した断面図を示す。固定手
段1は、リンクE15を軸方向に伸びる基板7に固定
し、基板7は収納筒4内面に配されたツメ8で内面に固
定する。リンクA11とリンクC13は連結ピン14に
よって連結する。本実施形態では、固定手段1を基板7
ごと軸方向に引抜いて外部に取出すことが可能であり、
メンテナンスを容易に行うことが可能である。なお、燃
料保護容器2の外面にツメ8を配し、同様にして燃料保
護容器2側に固定手段1を備えることも可能である。
【0014】図8は、図3に代わる固定手段1の動作を
説明する図であり、図1(b)のB−B断面から見た側
面図である。図3に示す固定手段1は、駆動シャフト4
0に力を加えて引き上げることにより燃料保護容器2を
固定していたが、図8に示す固定手段1は、駆動シャフ
ト40に無負荷の状態で固定が完了し、引き上げた時に
固定が解除され、燃料保護容器の出し入れ可能となる機
構である。(a)は固定解除の状態を示し、駆動シャフ
ト40は右方に引き上げられ、ストッパー47を介して
ばね受け23が右に移動し、固定されたばね台座22と
の間でコイルばね21が収縮している。駆動シャフト4
0には、コイルばね21からの収縮反力が働いている。
駆動シャフト40を引き上げる力を解放すると、(b)
のように、駆動シャフト40は左方に移動し、第1移動
体であるばね受け23がばね反力を受けて左方に移動
し、ばね受け23に連結した変換機構であるリンク部1
0により径方向に変換されて第2移動体であるパッド3
0が径方向に動き、燃料保護容器2を収納筒4に押さえ
つけ固定する。この時、コイルばね21はまだ十分な収
縮反力Fを有し、燃料保護容器2に必要範囲内の固定力
Wを生じさせている。本機構によれば、固定完了状態よ
りさらにコイルばね21が収縮するため、コイルばねの
強度を確保するのが難しくなるが、固定完了し、輸送中
においては駆動シャフト40の引き上げ力を保持する必
要がないので、駆動シャフト40の故障に関係なく、よ
り確実に燃料体の固定を保証することが可能となる。以
上が第1移動体、変換機構及び第2移動体を備えた固定
手段に関する説明である。
【0015】次に、図9から図11は、本発明の第3か
ら第5の実施形態として原子炉新燃料輸送容器の固定手
段に関する構成を示す。これらの実施形態は、ばねと突
起部を備えた固定手段であることを特徴とする。図9
に、本発明の第3の実施形態を示す。(a)は燃料保護
容器2を収納筒4に装荷完了し、固縛された状態、ま
た、(b)は収納筒4への燃料保護容器2の装荷、取出
し作業途中の状態を示す。燃料保護容器2は、図示しな
いMOX新燃料体を1体収納し、横断面がほぼ正方形の
角筒形状である。燃料保護容器2の隣合う2外面には、
板ばねを用いた固定手段101が複数箇所に設置され
る。収納筒4の内壁には、(a)に示すように、燃料保
護容器2を収納筒4に装荷完了した時点で固定手段10
1に対面する位置に突起部104が設けられる。固定手
段101は、突起部104に接触した時点で圧縮され、
所定の反力を発生することにより、燃料保護容器2を収
納筒4の内壁に押付けて固縛する。本実施形態では、固
定手段101は燃料保護容器2の外面幅方向の異なる位
置に取付けられる。このため収納筒4への燃料保護容器
2の装荷、取出し作業途中では、(b)に示すように、
固定手段101が突起部104に接触しないため、固定
手段101は圧縮されることがない。従って装荷、取出
し作業中に燃料保護容器2が収納筒4の内壁に押付けら
れて摩擦力が発生しないため、容易に燃料保護容器2を
収納筒4に挿入または引抜くことができる。仮に、突起
部104を設けず、燃料保護容器2を収納筒4に挿入開
始した時点で、固定手段101が収納筒4の内壁に接触
して圧縮され、押付力を発生するような設計とすると、
装荷、取出し作業中に燃料保護容器2と収納筒4の内壁
の間に摩擦力が発生し、燃料保護容器2を収納筒4に押
し込む、あるいは引抜くための大きな力が必要となるば
かりではなく、燃料保護容器2と収納筒4の内壁が摺動
することにより、部材が摩耗する等の問題が発生する恐
れがある。
【0016】図10に、本発明の第4の実施形態を示
す。本実施形態は、固定手段101を燃料保護容器2の
長手方向に異なる間隔で設置する。収納筒4の内壁に設
けた突起部104も固定手段101の位置に対応して長
手方向に異なる間隔で設ける。本実施形態では、固定手
段101の取付け間隔が異なるため、収納筒4への燃料
保護容器2の装荷、取出し作業途中において、固定手段
101と突起部104が接触することはあっても、同時
に全固定手段101と突起部104が接触し、押付力を
発生することはない。このため装荷、取出し作業中に多
少摩擦力は発生するが、その程度は小さく、また、摩擦
力の発生は固定手段101と突起部104が接触してい
る時に限られるため、大きな問題とはならない。
【0017】図11に、本発明の第5の実施形態を示
す。(a)は燃料保護容器2をバスケット1に装荷完了
し、固縛した状態、また、(b)は収納筒4への燃料保
護容器2の装荷、取出し作業途中の状態を示す。本実施
形態は、燃料保護容器2の固定手段101が設置されて
いない2面に回転ローラーである摺動手段105が複数
箇所に設置される。また、(a)に示すように、燃料保
護容器2を収納筒4に装荷完了した時点で、摺動手段1
05に対面する位置にある収納筒4の内壁には凹部10
6が設けられる。本実施形態では、燃料保護容器2に摺
動手段105が設けられるため、(b)に示すように、
燃料保護容器2の装荷、取出し作業途中に固定手段10
1と突起部104が接触し、押付力が発生した時点にお
いても、燃料保護容器2の外面と収納筒4の内壁は直接
摺動せず、ローラーを介した転がり摩擦となるため、作
業はよりスムーズとなり、部材摩耗などの問題も発生し
ない。燃料保護容器2を装荷完了後も、燃料保護容器2
を収納筒4の内壁に押付ける力を摺動手段105で受け
ても良いが、(a)に示すように、収納筒4に凹部10
6を設け、押付力は燃料保護容器2と収納筒4の壁面同
士の接触により受けた方がより安定した固縛となり、好
ましい。
【0018】以上第3から第5の3つの実施形態による
と、燃料保護容器2を収納筒4に固縛するための固定手
段101は、全て燃料保護容器2と収納筒4の間隙に設
置されるため、非常にコンパクトであり、輸送容器への
燃料体収納効率の向上を図ることができる。また、燃料
保護容器2と収納筒4を固縛/解縛するための特別な操
作を必要としないため、取扱い作業が容易となる。ま
た、固定手段101や摺動手段105は燃料保護容器2
に設置されているため、燃料保護容器2を輸送容器から
取出して容易にこれらの保守、点検を実施することがで
きる。以上3つの実施形態以外にも、燃料保護容器2の
外面と収納筒4の内壁における固定手段101、摺動手
段105、突起部104及び凹部106の配置を入替え
て、収納筒4の内壁に固定手段101や摺動手段105
を、また、燃料保護容器2の外面に突起部104や凹部
106を設けても良い。この場合、輸送容器から取出し
て取り扱う燃料保護容器の重量が軽減され、取扱いが容
易になるという利点がある。
【0019】図12を用いて、本発明の第6の実施形態
として原子炉新燃料輸送容器の収納筒の配置について説
明する。図12は、収納筒の配置を示すバスケット横断
面図であり、(a)に本発明に係わる配置、(b)にそ
の他の配置を示す。実線の円形はバスケット3、実線の
四角形は収納筒4、また、点線の四角形は収納筒4の非
配置の位置111を示す。(a)、(b)ともバスケッ
ト3内に収納筒4が格子状に密接して配置され、(a)
では21体、(b)では24体の収納筒4が配置され
る。収納筒4を格子状に配置することにより、角筒形状
の収納筒4を1体ずつ製作して結合せずとも、板材を十
字形に組み合わせた部材を配置することにより、収納筒
4が形成されるため、バスケット3の製作が容易になる
という利点がある。また、輸送容器を安定して取り扱う
ためには、収納筒4の配置はバスケット3の中心に対し
て対称とし、バスケット3の重心をその中心に一致させ
る必要があるが、格子状に収納筒4を配置することによ
り、それが容易に実現できる。各収納筒4内に装荷され
た燃料保護容器は、上述の3つの実施形態、あるいはそ
の他の手段により固縛される。格子状に配置された収納
筒4をバスケット3の断面内に効率よく配置するには、
基本的には収納筒4を正方格子状に配置し、これに外接
する大きさのバスケット断面とすれば良い。しかし、こ
の際、正方格子の角部までバスケット3内に含めると、
収納筒4が配置されていない無駄なスペースが増えるた
め、角部の収納筒4の位置はバスケット3内に含まない
のが良い。(a)では各角部1体、計4体分の位置が収
納筒4の非配置の位置111となり、(b)では各角部
3体、計12体分の位置が収納筒4の非配置の位置11
1となる。
【0020】図13は、燃料収納体数と収納効率の関係
を示す。横軸に収納筒の正方格子配列の行列数を変えた
際の燃料体収納体数を、縦軸に燃料体の収納効率(収納
筒面積の合計/バスケット面積)をプロットする。一般
に輸送容器のサイズの制約や輸送容器への燃料体装荷、
取出し作業の効率を考慮すると、輸送容器の燃料収納体
数は30体程度以下が適当であるが、図13によると、
この範囲内では、図12(a)に示すような収納筒4を
5行5列の格子状配列の角部4体分が存在しない形状に
配置すると、最も収納効率が良好であることがわかる。
【0021】図14を用いて、本発明の第7の実施形態
として原子炉新燃料輸送容器の収納筒の配置について説
明する。図14は、収納筒の配置を示すバスケット横断
面図であり、(a)に本発明に係わる配置、(b)にそ
の他の配置を示す。本実施形態は、バスケット3の中央
部に収納筒4の非配置の位置112が存在し、(a)、
(b)とも20体の収納筒4がバスケット3に配置され
る点に特徴がある。前述のように、MOX新燃料体は発
熱するため、バスケット3の横断面中央部に装荷された
燃料では燃料体温度が上昇し、燃料体の健全性に影響を
及ぼす可能性が大きくなる。このためバスケット3の横
断面中央部には燃料体を装荷しないことが望ましいが、
輸送容器を安定して取り扱うためには、バスケット横断
面の中心に対して対称な位置を収納筒の非配置とし、輸
送容器の重心をその中心に一致させておく必要がある。
(a)に示す配置では、バスケット3の中心と中央部に
ある収納筒4の中心が一致しているため、この位置を収
納筒4の非配置の位置112とすることにより、全体の
対称性を保つことができる。これに対して(b)の配置
では、中央部4体分の位置を収納筒4の非配置の位置1
12としなければならないため、燃料体の収納効率は低
下する。
【0022】図15は、図13と同様、燃料収納体数と
収納効率の関係を示す。配置の対称性を考慮してバスケ
ット3の中央部に収納筒4の非配置の位置を設けた場合
の収納体数を横軸に示す。図15によると、収納体数3
0体以下の範囲では、収納筒4の非配置の位置を設けた
場合においても、(a)に示す配置の場合が収納効率が
最高であることがわかる。以上述べた収納筒の配置に関
する2つの実施形態において、熱的に厳しくなるバスケ
ット横断面中央部の環境を緩和するため、バスケット中
央部から外周部に向かっての熱伝導を促進し、バスケッ
ト横断面中心部に装荷された燃料体の温度を低下させる
ことが望ましい。このためには、図16に示すように、
バスケット中央部と外周部を連結したアルミ、銅合金等
から成る伝熱部材201を隣接するバスケット孔4の間
に設置すると良い。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、燃
料保護容器を収納筒に固定するための機構(固定手段)
が非常にコンパクトであり、この機構を用いた収納筒を
格子状に密接して配置することにより、輸送容器への燃
料体収納効率を高くすることができる。また、本発明に
よれば、隣接する収納筒の間隔を燃料体の軸方向に移動
する移動体の厚み程度にまで抑えることができ、加え
て、収納筒を格子状に無駄なく配置することができるた
め、従来技術と比較して同一寸法の輸送容器に多数の燃
料体を収納することが可能となる。また、本発明によれ
ば、燃料保護容器を収納筒に固定するための機構(固定
手段)を燃料保護容器に取付けることにより、燃料保護
容器を収納筒から取出してその固定するための機構の保
守、点検することができるため、作業が非常に容易にな
る。また、本発明によれば、十分なばね定数と許容荷重
を得るためにコイルばね1本でまかなうと外径が大きく
なるところを、外径の小さなばねを複数個並列して同等
の性能を持たせ、収納筒の周方向に並べて径方向の寸法
を小外径のばねと同じに抑えることにより、隣接する収
納筒の間隔を小さく抑えることができる。また、本発明
によれば、直交する2方向から軸方向に伸びる燃料保護
容器を複数箇所で径方向に押し、収納筒の1角に押付け
て固定し、コイルばねの伸縮により燃料保護容器と収納
筒の間隔の寸法公差分を吸収することができるため、安
定した固定が可能である。さらに、1本の駆動シャフト
に連動して軸方向に並ぶ燃料保護容器を収納筒に固定す
るための機構(固定手段)を同時に動かすことができる
ので、良好な操作性による固定が可能である。また、安
定性及び操作性を燃料体の多収納条件で実現可能なこと
に加え、駆動シャフトをコイルばねを介さずに直接第1
移動体に連結させることにより、駆動シャフトに駆動力
を加えない状態で燃料体の固定がなされ、一方、コイル
ばねの反力に逆らって駆動シャフトに軸方向の駆動力を
加えることにより、燃料体の固定が解除されるため、輸
送中は駆動シャフトの駆動力を保持する必要がなくな
り、駆動シャフトの故障に関係なく、より確実に燃料体
の固定を保証することが可能となる。また、本発明によ
れば、駆動レバーを1回上げ下げさせるだけで固定もし
くは解除操作が完了するため、従来と比較して操作を容
易に迅速に行うことが可能となる。さらに、バスケット
上面に配置させた落とし蓋の上下動で各駆動レバーを同
時に一括操作させることも可能であり、その場合、固定
もしくは解除操作をさらに容易に迅速に行うことが可能
となる。また、本発明によれば、リモートスイッチのO
N−OFFだけで駆動シャフトを移動させ、固定もしく
は解除操作が完了するので、従来技術と比較して操作を
容易に行うことが可能となる。また、MOX新燃料体は
発熱するため、バスケットの横断面中央部に装荷された
燃料では燃料体温度が上昇し、燃料体の健全性に影響を
及ぼす可能性が大きくなるため、本発明では、バスケッ
トの横断面中央部には燃料体を装荷しないことにより、
輸送容器を安定して取り扱い、輸送することができる。
また、本発明によれば、収納筒を5行5列の格子状配列
の角部4体分が存在しない形状に密接して配置し、バス
ケット横断面の中心位置に1体分の収納筒を配置せず、
非装荷位置とすることにより、燃料体の収納効率を最良
にすることができる。また、本発明では、ばねを用いた
固定手段を燃料保護容器と収納筒との空間に設置するた
め、コンパクトであり、従来技術と比較して同一寸法の
輸送容器に多数の燃料体を収納することが可能となる。
また、本発明では、燃料保護容器の外面または収納筒内
面に設けたばねを用いた固定手段が対面位置にある突起
部に接触し、ばねが圧縮されて発生する力により、燃料
保護容器を収納筒内面に押付けて固定するため、特別な
操作を行うことなく、燃料保護容器を収納筒に挿入また
は引抜くだけで固定、解縛が実施でき、輸送容器への燃
料体装荷、取出し作業が容易になる。さらに、固定手段
が突起部に接触した場合にのみ固定手段のばねが圧縮さ
れて押付力が発生するため、収納筒への燃料保護容器の
装荷、取出し作業途中の固定手段が突起部に接触してい
ない状態では、燃料保護容器が収納筒内面に押付けられ
て摩擦が発生することがなく、スムーズに作業を進める
ことができる。また、本発明では、固定手段が単純な構
造であるため、その保守、点検が容易であり、特に、固
定手段を燃料保護容器の外面に取付けた場合は、燃料保
護容器を収納筒から取出して固定手段の保守、点検が行
えるため、作業は非常に容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態として原子炉新燃料輸
送容器の固定手段に関する構成を示す。
【図2】輸送容器の構成を示す概要図である。
【図3】本発明の固定手段の動作を説明する図1(b)
のB−B断面から見た側面図である。
【図4】本発明の固定手段を用いたバスケット断面図で
ある。
【図5】本発明の駆動レバー部の構成を示すバスケット
最上部の縦断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に代わるリンク部の構
成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態として原子炉新燃料輸
送容器の固定手段に関する構成を示す。
【図8】本発明の第1の実施形態に代わる固定手段の動
作を説明する図1(b)のB−B断面から見た側面図で
ある。
【図9】本発明の第3の実施形態として原子炉新燃料輸
送容器の固定手段に関する構成を示す収納筒の縦断面図
である。
【図10】本発明の第4の実施形態として原子炉新燃料
輸送容器の固定手段に関する構成を示す収納筒の縦断面
図である。
【図11】本発明の第5の実施形態として原子炉新燃料
輸送容器の固定手段に関する構成を示す収納筒の縦断面
図である。
【図12】本発明の第6の実施形態として原子炉新燃料
輸送容器の収納筒の配置について説明するバスケット横
断面図である。
【図13】本発明の燃料収納体数と収納効率の関係の説
明図である。
【図14】本発明の第7の実施形態として原子炉新燃料
輸送容器の収納筒の配置について説明するバスケット横
断面図である。
【図15】本発明の燃料収納体数と収納効率の関係の説
明図である。
【図16】本発明の伝熱部材の配置を示す収納筒の横断
面図である。
【符号の説明】
1…固定手段、2…燃料保護容器、3…バスケット、4
…収納筒、5…収納筒壁、6…バスケット上部蓋、7…
基板、8…ツメ、10…リンク部、11…リンクA、1
2…リンクB、13…リンクC、14…連結ピン、15
…リンクE、16…ピンA、17…ピンB、18…ピン
C、19…ピンE、20…第1移動体、21…コイルば
ね、22…ばね台座、23…ばね受け、30…パッド
(第2移動体)、40…駆動シャフト、41…シャフト
ガイド、47…ストッパー、51…駆動レバー、52…
駆動ピン、53…落とし蓋、54…ねじ孔、55…ボル
トシャフト、56…溝、70…収納筒固定枠、71…ス
ペーサ、72…タイロッド、101…固定手段、104
…突起部、105…摺動手段、106…凹部、200…
容器本体、201…断熱部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 潤一郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 菅野 智 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉用の新燃料体1体を収納するため
    の横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横断
    面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断面
    がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置した
    原子炉新燃料輸送容器において、前記燃料体の軸方向へ
    の移動時にその厚みが実質的に同じである第1移動体を
    隣接する前記収納筒の間隙内に有し、前記第1移動体の
    前記軸方向への変位もしくは前記第1移動体に伝達され
    る前記軸方向の力を前記燃料体の径方向への変位もしく
    は力に変換する変換機構を設けたことを特徴とする原子
    炉新燃料輸送容器。
  2. 【請求項2】 原子炉用の新燃料体1体を収納するため
    の横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横断
    面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断面
    がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置した
    原子炉新燃料輸送容器において、実質的に前記燃料体の
    軸方向に限定して移動する第1移動体を隣接する前記収
    納筒の間隙内に有し、前記第1移動体の前記軸方向への
    変位もしくは前記第1移動体に伝達される前記軸方向の
    力を前記燃料体の径方向の変位もしくは力に変換する変
    換機構を設けたことを特徴とする原子炉新燃料輸送容
    器。
  3. 【請求項3】 原子炉用の新燃料体1体を収納するため
    の横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横断
    面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断面
    がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置した
    原子炉新燃料輸送容器において、前記収納筒の壁とこれ
    に収納される前記燃料保護容器との間に第1移動体を有
    し、前記第1移動体の前記燃料体の軸方向への変位もし
    くは前記第1移動体に伝達される前記軸方向の力を前記
    燃料体の径方向の変位もしくは力に変換する変換機構を
    設けたことを特徴とする原子炉新燃料輸送容器。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかにおい
    て、前記第1移動体は、前記燃料体の軸方向の力を伝達
    する複数のコイルばねを有し、前記複数のコイルばねを
    前記燃料体の周方向に並列して連結したことを特徴とす
    る原子炉新燃料輸送容器。
  5. 【請求項5】 原子炉用の新燃料体1体を収納するため
    の横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横断
    面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断面
    がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置した
    原子炉新燃料輸送容器において、前記収納筒の隣り合う
    2面に前記燃料体の軸方向のほぼ全長にわたって伸びる
    駆動シャフトと、前記駆動シャフトの前記軸方向への移
    動もしくは前記軸方向への駆動力により、これに連動し
    て前記軸方向に移動するもしくは前記軸方向に力を伝達
    する第1移動体と、隣接する前記収納筒の間隙外で前記
    燃料体の径方向に移動するもしくは前記径方向に力を伝
    達する第2移動体と、前記第1移動体の前記軸方向への
    変位もしくは力を前記第2移動体の前記径方向への変位
    もしくは力に変換する変換機構とを備え、前記第2移動
    体を介して前記燃料保護容器を前記径方向に押付けるこ
    とにより、前記燃料保護容器が前記収納筒に固定される
    ことを特徴とする原子炉新燃料輸送容器。
  6. 【請求項6】 原子炉用の新燃料体1体を収納するため
    の横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横断
    面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断面
    がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置した
    原子炉新燃料輸送容器において、前記収納筒の隣り合う
    2面に前記燃料体の軸方向のほぼ全長にわたって伸びる
    駆動シャフトと、コイルばねを有し、前記駆動シャフト
    の前記軸方向への移動もしくは前記軸方向への駆動力に
    より、これに連動して前記軸方向に移動するもしくは前
    記軸方向に力を伝達する第1移動体と、隣接する前記収
    納筒の間隙外で前記燃料体の径方向に移動するもしくは
    前記径方向に力を伝達する第2移動体と、前記第1移動
    体の前記軸方向への変位もしくは力を前記第2移動体の
    前記径方向への変位もしくは力に変換する変換機構とを
    備え、前記コイルばねの反力が前記第1移動体に伝達さ
    れ、前記変換機構を介して前記第2移動体によって前記
    燃料保護容器を前記径方向に押付けることにより、前記
    燃料保護容器が前記収納筒に固定され、一方、前記駆動
    シャフトに付与され、前記コイルばねに対抗する駆動力
    によって、前記コイルばねの反力に逆らって前記第1移
    動体が移動されることにより、前記変換機構を介して前
    記第2移動体が前記径方向に移動され、前記燃料保護容
    器の固定が解除されることを特徴とする原子炉新燃料輸
    送容器。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6において、前記
    駆動シャフトの上部端に駆動レバーが連結され、前記駆
    動レバーの上げ下げによって前記駆動シャフトが前記軸
    方向に移動されることを特徴とする原子炉新燃料輸送容
    器。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記バスケット上面
    に落とし蓋を備え、前記バスケット上面に配置した複数
    の駆動レバーを前記落とし蓋によって押さえつけ、前記
    落とし蓋が上下に移動することによって前記複数の駆動
    レバーを一括して上げ下げさせ、固定動作させることを
    特徴とする原子炉新燃料輸送容器。
  9. 【請求項9】 請求項5または請求項6において、前記
    駆動シャフトの上部端に形状記憶合金(SMA)製のS
    MAばねを内蔵したSMAアクチュエータを備え、前記
    SMAばねに電気を通電及び解除することによって前記
    SMAアクチュエータに連動して前記駆動シャフトを前
    記軸方向に移動させることを特徴とする原子炉新燃料輸
    送容器。
  10. 【請求項10】 原子炉用の新燃料体1体を収納するた
    めの横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横
    断面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断
    面がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置し
    た原子炉新燃料輸送容器において、前記バスケット内に
    前記収納筒を密に配置し、前記バスケットの中央部に前
    記収納筒の無い領域を設けることを特徴とする原子炉新
    燃料輸送容器。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記収納筒を5
    行5列の格子状に配置し、前記収納筒を20体配置する
    ことを特徴とする原子炉新燃料輸送容器。
  12. 【請求項12】 原子炉用の新燃料体1体を収納するた
    めの横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横
    断面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断
    面がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置し
    た原子炉新燃料輸送容器において、前記収納筒を5行5
    列の格子状配列の角部4体分が存在しない形状に密接し
    て配置し、前記収納筒を21体配置することを特徴とす
    る原子炉新燃料輸送容器。
  13. 【請求項13】 原子炉用の新燃料体1体を収納するた
    めの横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横
    断面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断
    面がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置し
    た原子炉新燃料輸送容器において、前記燃料保護容器の
    外面の複数箇所に該燃料保護容器を固縛するためのばね
    を用いた固定手段を設けると共に、前記燃料保護容器を
    前記収納筒に収納完了した時に、前記固定手段に対面す
    る前記収納筒の内壁の位置に突起部を設けることを特徴
    とする原子炉新燃料輸送容器。
  14. 【請求項14】 原子炉用の新燃料体1体を収納するた
    めの横断面が四角形状の燃料保護容器1体を収納し、横
    断面が四角形状の収納筒を所定間隔に複数体束ねた横断
    面がほぼ円形のバスケットを輸送容器本体内部に設置し
    た原子炉新燃料輸送容器において、前記収納筒の内壁の
    複数箇所に前記燃料保護容器を固縛するためのばねを用
    いた固定手段を設けると共に、前記燃料保護容器を前記
    収納筒に収納完了した時に、前記固定手段に対面する前
    記燃料保護容器の外面の位置に突起部を設けることを特
    徴とする原子炉新燃料輸送容器。
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