JPH1151791A - 油圧アクチュエータにおける作動油圧算出方法 - Google Patents

油圧アクチュエータにおける作動油圧算出方法

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JPH1151791A
JPH1151791A JP9204906A JP20490697A JPH1151791A JP H1151791 A JPH1151791 A JP H1151791A JP 9204906 A JP9204906 A JP 9204906A JP 20490697 A JP20490697 A JP 20490697A JP H1151791 A JPH1151791 A JP H1151791A
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hydraulic
pressure
oil
port
clutch
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JP9204906A
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Inventor
Eiji Hanai
英二 花井
Takeji Shino
武次 篠
Takayuki Yakou
孝行 矢古宇
Tetsuo Hamada
哲郎 浜田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧アクチュエータの作動油圧室に供給され
る油圧の大きさを、油圧検出手段を用いずに確認する。 【解決手段】 油圧クラッチを作動させるアクチュエー
タは、ケーシング45と、ケーシング45に形成したシ
リンダ46と、シリンダ46に摺動自在に嵌合するピス
トン47と、第1油圧ポンプPfおよび第2油圧ポンプ
Prから油圧が供給される作動油圧室16とを備える。
作動油圧室16に供給された油圧で駆動されるピストン
47の推力を荷重検出手段Sで検出し、その荷重をピス
トン47の受圧面積で除算することにより前記油圧を算
出する。作動油圧室16を油圧検出手段に接続するため
の油路やポートをケーシング45から廃止することがで
き、これによりケーシング45の加工工数や加工コスト
の削減が可能になるだけでなく、前記油路内に混入した
空気による作動油圧室16の油圧の立ち上がりの遅れを
防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダとピスト
ンと作動油圧室とを有する油圧アクチュエータにおい
て、前記作動油圧室に供給される油圧の大きさを算出す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車両の動力伝達装置の一形式と
して、前輪の車軸をエンジンに直接的に接続するととも
に、この前輪の車軸に油圧クラッチを介して後輪の車軸
を接続し、油圧ポンプが前記両車軸の回転数差に応じて
発生する吐出油を油圧クラッチの作動油圧室に供給して
該油圧クラッチを係合させることにより、前輪と後輪と
の間の駆動連結を達成するものが知られている(例え
ば、特開平7−108839号公報参照)。組立が完了
した前記動力伝達装置の油圧系統の機能を確認すべく、
従来は油圧ポンプを所定の回転数で回転させて油圧を発
生させた状態で、油圧クラッチの作動油圧室に供給され
る油圧の大きさを直接検出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の方法では、作動油圧室を油圧検出手段に接続すべく、
ケーシングに油路および油圧検出ポートを設ける必要が
あるために、ケーシングの加工工数が増加してコストア
ップの要因になる問題があった。また油路内に空気が混
入している場合には、その油路内で空気が圧縮される分
だけ作動油圧室の油圧の立ち上がりが遅れる不具合があ
った。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、油圧アクチュエータの作動油圧室に供給される油圧
の大きさを、ケーシングに油圧測定用の油路やポートを
設けることなく確認することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、ケーシングに形成し
たシリンダにピストンを摺動自在に支持し、シリンダお
よびピストンにより区画された作動油圧室に油圧を供給
することにより該ピストンを駆動する油圧アクチュエー
タにおいて、作動油圧室に供給される油圧で作動するピ
ストンの推力を測定し、測定した推力に基づいて前記油
圧の大きさを算出することを特徴とする。
【0006】上記構成によれば、作動油圧室に供給され
る油圧を油圧検出手段で直接検出する必要がないので、
作動油圧室を油圧検出手段に接続するための油路やポー
トをケーシングから廃止することができ、これによりケ
ーシングの加工工数や加工コストの削減が可能になるだ
けでなく、前記油路内に混入した空気による作動油圧室
の油圧の立ち上がりの遅れを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0008】図1〜図3は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は4輪駆動車両の動力伝達装置の概略図、図2
はその油圧回路図、図3は作動油圧室の油圧を算出する
作用説明図である。
【0009】図1に示すように、4輪駆動車両の前部に
搭載されたエンジンEの出力は変速機1を介して前輪側
の差動装置2に入力され、その差動装置2の出力はドラ
イブシャフト3を介して左右の前輪Wfに伝達される。
差動装置2に入力されたエンジンEの出力は傘歯車装置
4を介して後述の動力伝達装置に入力され、その動力伝
達装置の出力は傘歯車装置5を介して後輪側の差動装置
6に伝達され、更に差動装置6の出力はドライブシャフ
ト7を介して左右の後輪Wrに伝達される。
【0010】動力伝達装置は、前輪側の傘歯車装置4か
ら延びる入力軸8により駆動される第1油圧ポンプPf
と、後輪側の傘歯車装置5に接続する出力軸9により駆
動される第2油圧ポンプPrと、前記入力軸8と出力軸
9との間の駆動力の伝達・遮断を司る湿式多板型の油圧
クラッチCと、該油圧クラッチCを制御する後述の油圧
回路とから構成される。
【0011】次に、図2を参照して前記油圧回路の構成
を説明する。第1油圧ポンプPfはトロコイドポンプか
らなり、車両の前進時には吐出ポートとなり後進時には
吸入ポートとなる第1ポート10と、前進時には吸入ポ
ートとなり後進時には吐出ポートとなる第2ポート11
とを有している。第2油圧ポンプPrは同じくトロコイ
ドポンプからなり、車両の前進時には吸入ポートとなり
後進時には吐出ポートとなる第3ポート12と、前進時
には吐出ポートとなり後進時には吸入ポートとなる第4
ポート13とを有している。両油圧ポンプPf,Prの
1回転あたりの吐出量は、第2油圧ポンプPrの方が第
1油圧ポンプPfよりも僅かに(例えば2.5%)大き
くなるように設定される。そして、第1ポート10と第
3ポート12とが第1連結油路14を介して接続され、
第2ポート11と第4ポート13とが第2連結油路15
を介して接続される。尚、トロコイドポンプよりなる両
油圧ポンプPf,Prの吐出方向はその回転方向により
決定されるため、車両の前進時と後進時とでは前記吐出
方向が逆転する。図2における両油圧ポンプPf,Pr
の矢印は、それぞれ前進時の吐出方向を示している。
【0012】前記油圧クラッチCは、入力軸8に固着さ
れたクラッチアウタ41と、入力軸8の後端に同軸かつ
相対回転可能に嵌合する出力軸9に固着されたクラッチ
インナ42とを備えており、クラッチアウタ41の内周
に形成したスプラインに摺動自在に支持された複数枚の
クラッチ板43と、クラッチインナ42の外周に形成し
たスプラインに摺動自在に支持された複数枚のクラッチ
板44とが、相互に当接可能に重ね合わされる。
【0013】ケーシング45に形成されたクラッチシリ
ンダ46にはクラッチピストン47が摺動自在に嵌合し
ており、このクラッチピストン47の右側面には該クラ
ッチピストン47を駆動するための圧油が供給される作
動油圧室16が形成される。また、クラッチピストン4
7の左側面には、該クラッチピストン47によって押圧
されて前記両クラッチ板43,44を相互に当接させる
プレッシャプレート48が摺動自在に支持される。
【0014】油圧クラッチCの作動油圧室16と前記第
1連結油路14とは第3連結油路17を介して接続さ
れ、また作動油圧室16と前記第2連結油路15とは第
4連結油路18を介して接続される。第3連結油路17
には第1連結油路14から作動油圧室16への油の流れ
のみを許容する第1一方向弁19が介設されるととも
に、第4連結油路18には第2連結油路15から作動油
圧室16への油の流れのみを許容する第2一方向弁20
が介設される。また、オイルタンク21と第1連結油路
14および第2連結油路15との間には、オイルタンク
21から第1連結油路14への油の流れのみを許容する
第3一方向弁22と、オイルタンク21から第2連結油
路15への油の流れのみを許容する第4一方向弁23が
それぞれ設けられる。
【0015】前記油圧クラッチCの作動油圧室16の上
流位置にはチョーク型絞り24が介設される。また作動
油圧室16の下流位置にはオリフィス型絞り25および
第1リリーフ弁26が直列に設けられ、それらオリフィ
ス型絞り25および第1リリーフ弁26の下流側は出力
軸9の内部に形成した油通路91 に接続される。油通路
1 は出力軸9を半径方向に貫通する複数の油孔92
介して油圧クラッチCの潤滑部27、すなわちクラッチ
板43,44が収納されたクラッチアウタ41の内部空
間に連通する。入力軸8の後端には外周に複数の油孔5
1 を備えた有底円筒状の油ガイド50が一体に形成さ
れており、この油ガイド50は出力軸9の油孔92 の外
周を所定の隙間を存して覆うように配設される。
【0016】前記第1リリーフ弁26は、入力軸8およ
び出力軸9の偏心回転により油圧クラッチCのクラッチ
ピストン47が揺動したときに、油圧クラッチCの潤滑
部27から作動油圧室16にエアが逆流するのを防止す
る機能を有する。
【0017】チョーク型絞り24の上流位置とオリフィ
ス型絞り25の下流位置との間には、作動油圧室16に
伝達される油圧の上限値を規制する第2リリーフ弁28
が介設される。この第2リリーフ弁28には油温の上昇
時に該第2リリーフ弁28を強制的に開弁させるサーモ
スイッチ51が付設される。
【0018】前記第2連結油路15には、ハウジングの
内部にスプリング30で右方向に付勢されたスプール3
1を収納してなるスプール弁32が介設される。スプー
ル31が図示した右位置にあるとき、そのスプール31
によってポート333 とポート334 との連通が遮断さ
れるとともにポート331 とポート332 とが連通し、
スプール31がスプリング30に抗して左位置に移動し
たとき、そのスプール31によってポート331 とポー
ト332 との連通が遮断されるとともにポート333
ポート334 とが連通する。前記ポート331 とポート
334 との間には、ポート334 からポート331 への
油の流れのみを許容する第5一方向弁34が設けられる
とともに、前記ポート332 とポート333 との間に
は、ポート332 からポート333 への油の流れのみを
許容する第6一方向弁35が設けられる。
【0019】したがって、車両の前進時すなわち第2油
圧ポンプPrの第4ポート13が油を吐出している時に
は、スプール31は左位置に移動して第2連結油路15
と第1連結油路14とはポート333 とポート334
の連通により接続される。また、車両の後進時すなわち
第1油圧ポンプPfの第2ポート11が油を吐出してい
る時には、スプール31は図示した右位置にあり、第2
連結油路15と第1連結油路14とはポート331 とポ
ート332 との連通により接続される。
【0020】スプール弁32のスプール31が右位置に
あるとき、該スプール31によってポート333 との連
通が遮断される第5ポート335 は第7一方向弁52を
介装した潤滑油路53を介して出力軸9の油通路91
連通する。
【0021】次に、前述した動力伝達装置の作用を説明
する。
【0022】前進発進時には、エンジンEの駆動力が変
速機1、差動装置2およびドライブシャフト3を介して
前輪Wfに伝達されるとともに、その駆動力は差動装置
2から傘歯車装置4および入力軸8を介して第1油圧ポ
ンプPfに伝達され、この第1油圧ポンプPfを駆動す
る。このとき油圧クラッチCは非係合状態にあり、出力
軸9に接続した第2油圧ポンプPrは停止した状態にあ
る。したがって、オイルタンク21から第5一方向弁3
4を介して第1油圧ポンプPfの第2ポート11に吸入
された油は、第1ポート10から第1連結油路14へ吐
出される。このとき、第5連結油路36の第3一方向弁
22が閉じているため、第1連結油路14に吐出された
油の全量が第3連結油路17に流入し、そこで第2一方
向弁20に阻止されて第1一方向弁19およびチョーク
型オリフィス24を介して油圧クラッチCの作動油圧室
16に供給される。
【0023】上述のようにして油圧クラッチCが係合す
ると、出力軸9、傘歯車装置5、差動装置6およびドラ
イブシャフト7を介して後輪Wrが駆動され、前記出力
軸9に接続された第2油圧ポンプPrが回転する。その
結果、後輪Wrの回転速度の増大に応じて第1油圧ポン
プPfの吐出油が第1連結油路14を介して第2油圧ポ
ンプPrに吸入され、第2油圧ポンプPrの吐出油がス
プール弁32のスプール31をスプリング30に抗して
左動させながらポート333 ,334 および第5一方向
弁34を介して第1油圧ポンプPfに吸入されるように
なる。そして第1油圧ポンプPfの吐出量と第2油圧ポ
ンプPrの吸入量との差に応じて油圧クラッチCの作動
油圧室16に作用する油圧、すなわち油圧クラッチCの
係合力が自動的に変化し、前後輪間の回転速度差が実質
的に0になる例えば前進定速走行状態に達すると、油圧
クラッチCの作動油圧室16に油圧が作用しなくなって
後輪Wrへのトルク分配が断たれる。尚、前進定速走行
状態において、前述のように第2油圧ポンプPrの吐出
量は第1油圧ポンプPfの吐出量を僅かに上回っている
が、第2油圧ポンプPrの吐出油はスプール弁32のス
プール31をスプリング30に抗して左動させ、第2油
圧ポンプPrの余剰の吐出油はポート333,334
よび第5連結油路36の第3一方向弁22を介して第2
油圧ポンプPrの第3ポート12に還流する。
【0024】上述した前進定速走行状態において、第1
油圧ポンプPfおよび第2油圧ポンプPrの吐出油が第
1連結油路14および第2連結油路15を循環すると
き、第2油圧ポンプPrの吐出油がスプール弁32のス
プール31をスプリング30に抗して左動させることに
より、第4ポート13とポート333 との間の第2連結
油路15にスプリング30の付勢力に応じた油圧が発生
する。その結果、両油圧ポンプPf,Prのロータのサ
イドクリアランスから循環する油の中に吸入されるエア
は、この油圧により圧縮されて第2油圧ポンプPrの第
4ポート13寄りのサイドクリアランスから逐次排出さ
れるため、循環する油の中にエアが滞留することがな
い。これにより、その後に前輪Wfおよび後輪Wrに回
転数差が発生し、第1、第2油圧ポンプPf,Prの吐
出量(吸入量)差が生じた時に、滞留するエアにより油
圧の立ち上がりが遅れ、結果として油圧クラッチCの応
答性に遅れが生じるという不都合が確実に防止される。
【0025】さて、第1、第2油圧ポンプPf,Prの
吐出量(吸入量)差が生じると、油圧クラッチCの作動
油圧室16には第1リリーフ弁26のセット荷重に対応
する油圧が直ちに作用する。前記第1リリーフ弁26が
開いた後は、第1、第2油圧ポンプPf,Prの吐出量
差、オリフィス型絞り25およびチョーク型絞り24の
圧力降下特性、あるいは油の粘度等により決定される油
圧が油圧クラッチCの作動油圧室16に作用する。そし
て、その油圧の上限値は第2リリーフ弁28のセット荷
重により制限されるため、前記第2リリーフ弁28のセ
ット荷重を適宜設定することにより油圧クラッチCの伝
達トルクの上限値を調整することができる。
【0026】ところで、前記チョーク型絞り24を通過
する油量は油の粘度による影響を受け、低温状態で油の
粘度が増加するとチョーク型絞り24を流れる油量が減
少するため、油圧クラッチCの作動油圧室16とオリフ
ィス型絞り25を通過する油量も減少する。このとき、
オリフィス型絞り25の前後に発生する圧力降下量は該
オリフィス型絞り25を通過する油量の2乗に比例する
ため、通過する油量が減少するとオリフィス型絞り25
における圧力降下量が小さくなり、その分だけ上流のチ
ョーク型絞り24における圧力降下量が増加することに
なる。これにより、低温状態で作動油圧室16に作用す
る油圧、すなわち第2リリーフ弁28で設定された圧力
から前記チョーク型絞り24による圧力降下量を差し引
いた圧力が小さくなる。したがって、油の粘度上昇によ
り摩擦係数が増加しても、その分だけ油圧によるクラッ
チディスクの押し付け力が減少するため、全体として低
温時における油圧クラッチCの係合力の増大が防止され
る。一方、高温状態では油の粘度が低下して摩擦係数が
低下するが、この場合にはチョーク型絞り24による圧
力降下量が逆に減少して油圧クラッチCの作動油圧室1
6に作用する油圧が増加するため、その分だけクラッチ
ディスクの押し付け力が増加して油圧クラッチCの係合
力の低下が防止される。
【0027】而して、車両の前進発進時および前進急加
速時に油圧クラッチCの作動油圧室16からオリフィス
型絞り25および第1リリーフ弁26を介して排出され
た油と、作動油圧室16の上流位置から第2リリーフ弁
28を介して排出された油とは、出力軸9の油通路91
および油孔92 から油圧クラッチCの潤滑部27に供給
され、そこで出力軸9に対して相対回転する油ガイド5
0の油孔501 から遠心力で半径方向外側に飛散し、ク
ラッチインナ42の周面に軸方向に形成した複数の油溝
421 を通って各クラッチ板43,44を均等に潤滑す
る。クラッチ板43,44を潤滑した油は、図示せぬ油
路を通ってオイルタンク21に還流する。
【0028】ところで、前述したように車両の前進定速
走行時には油圧クラッチCの作動油圧室16に圧油が供
給されないため、作動油圧室16を経由して油圧クラッ
チCの潤滑部27に潤滑油が供給されなくなる。しかし
ながら、車両の前進定速走行時に第2油圧ポンプPrの
第4ポート13からの吐出油がスプール弁32のスプー
ル31をスプリング30に抗して左動させる際に所定の
油圧が発生し、しかも両油圧ポンプPf,Prの1回転
あたりの吐出量差によって第2連結油路15に過剰の油
が吐出されるため、その余剰の油の一部が前記スプール
弁32を開弁させる際に発生した圧力で潤滑油路53か
ら出力軸9の油通路91 に供給され、そこから油孔92
を介して油圧クラッチCの潤滑部27に供給される。こ
のようにして、油圧クラッチCが非係合状態にある前進
定速走行時においても、油圧クラッチCの潤滑部27に
潤滑油を供給してクラッチ板43,44を効果的に潤滑
することが可能となり、これにより油圧クラッチCの過
熱を防止することができる。
【0029】尚、潤滑油路53に設けた第7一方向弁5
2は以下のような機能を発揮する。すなわち、車両の前
進発進時や前進急加速時に第2連結油路15に負圧が発
生したとき、油圧クラッチCの潤滑部27から吸引され
たエアーが潤滑油路53、第5ポート335 、第4ポー
ト334 、第5一方向弁34および第2連結油路15を
介して第1油圧ポンプPfに吸入されるのを防止するこ
とができる。
【0030】前進定速走行時に前輪Wfのみが摩擦係数
の低い路面を踏んだ場合、あるいは急加速せんとした時
には、前輪Wfが過渡的にスリップ状態になることがあ
る。このような状態においては、入力軸8に接続された
第1油圧ポンプPfの吐出量が出力軸9に接続された第
2油圧ポンプPrの吸入量を上回り、且つ第3一方向弁
22が閉じて第5連結油路36を介しての第1連結油路
14と第2連結油路15の連通が阻止されるため、前述
と同様に油圧クラッチCが係合して後輪Wrに対して駆
動トルクが分配される。
【0031】車輪に制動力が作用すると、前後輪の制動
力配分は一般に前輪Wf側が後輪Wr側より高く設定さ
れているので、急制動時等において前輪Wfが後輪Wr
よりも先にロックする。また、定速走行からのエンジン
ブレーキは前輪Wfのみ作用するので、この場合も過渡
的には前輪Wfの回転速度が後輪Wrのそれよりも低く
なる。このような場合には、第2油圧ポンプPrの吐出
量が第1油圧ポンプPfの吸入量を上回り、第2連結油
路15に過剰なオイルが吐出される。更に、前輪Wfが
完全にロックした場合には、第1油圧ポンプPfが停止
して第2油圧ポンプPrのみが回転するため、この第2
油圧ポンプPrの吐出油の全量が過剰となる。しかしな
がら、この過剰な吐出油はスプール弁32のポート33
3 、ポート334 および第5連結油路36の第3一方向
弁22を介して第2油圧ポンプPrの第3ポート12に
還流する。このようにして、後輪Wrの回転速度が前輪
Wfの回転速度を上回っても油圧クラッチCの作動油圧
室16に第1、第2油圧ポンプPf,Prの吐出量差に
基づく油圧が作用しないため、該油圧クラッチCは非係
合状態に保持されて前輪Wfから後輪Wrへの制動力の
伝達が阻止され、これにより前後輪の制動力配分に変化
が生じることない。
【0032】尚、前述した車両の前進制動時には油圧ク
ラッチCが係合しないため、第1リリーフ弁26を通過
した油による油圧クラッチCの潤滑は行われない。しか
しながら、前述した車両の前進定速走行時と同様に、第
2油圧ポンプPrの吐出油の一部がスプール弁32およ
び潤滑油路53を介して油圧クラッチCに供給され、潤
滑部27の潤滑は支障なく行われる。
【0033】車両の後進時には、第1、第2油圧ポンプ
Pf,Prの回転方向が共に逆になり、吐出ポートと吸
入ポートとの関係が上記とは逆の関係になる。
【0034】すなわち、後進発進時あるいは後進急加速
時等に前輪Wfの回転速度が後輪Wrの回転速度より大
きくなると、第1油圧ポンプPfの吐出量が第2油圧ポ
ンプPrの吸入量を上回るため、第2連結油路15に油
圧が発生する。このとき、スプール弁32のスプール3
1はスプリング30によって図示位置に保持されてお
り、第1油圧ポンプPfの第2ポート11からの吐出量
と第2油圧ポンプPrの第4ポート13からの吸入量と
の差によって第2連結油路15に吐出された油は、前述
のように第4一方向弁23と第5一方向弁34とによっ
て第5連結油路36への流入が阻止されて第4連結油路
18に流入し、そこで第2一方向弁20を通過し且つ第
1一方向弁19により阻止されて油圧クラッチCの作動
油圧室16に供給され、後輪Wrに駆動トルクを分配す
べく油圧クラッチCが係合される。後輪Wrの回転速度
が増大して後進定速走行状態になると第1油圧ポンプP
fと第2油圧ポンプPrとの回転速度は同一になるが、
第2油圧ポンプPrの1回転あたりの吐出量が第1油圧
ポンプPfの1回転あたりの吐出量よりも大きいため、
その差に相当する油が第1連結油路14に供給される。
その結果、後進時には定速走行状態においても、前輪W
f側から後輪Wr側へトルクが分配されることになる。
【0035】この後進定速走行状態では、第1連結油路
14および第2連結油路15よりなる循環油路を循環す
る油に、スプール弁32のスプリング30による負荷は
作用しない。しかしながら、一般に後進定速走行状態が
長時間継続することはないため、両油圧ポンプPf,P
rのロータのサイドクリアランスからのエア吸入と、油
圧クラッチCへの潤滑油の供給停止とは、実質的に問題
とならない。
【0036】また、後進制動時には第1油圧ポンプPf
の回転速度が第2油圧ポンプPrのそれを下回るため、
第2油圧ポンプPrの第3ポート12からの吐出量と第
1油圧ポンプPfの第1ポート10からの吸入量との差
によって第1連結油路14に油圧が発生する。このと
き、第3一方向弁22が閉じるために第3連結油路17
の第1一方向弁19を介して油圧クラッチCが係合し、
前輪Wfの制動力が後輪Wrに伝達される。
【0037】以上説明した車両の後進時において、第1
油圧ポンプPfの第2ポート11は吐出ポートとなり第
2油圧ポンプPrの第4ポート13は吸入ポートとなる
ため、スプール弁32のスプール31は常に図示の右位
置に保持される。このとき、何らかの原因でスプール3
1が左位置にロックしたとしても、第1油圧ポンプPf
の第2ポート11からの吐出圧が第5一方向弁34に阻
止されてスプール弁32のポート331 に作用し、前記
ロックしたスプール31は正常位置である右位置に押し
戻される。このときスプール31のロックが解消されな
い場合であっても、第2連結油路15に発生した油圧は
第4連結油路18を介して第2リリーフ弁28から逃が
されるため、第1油圧ポンプPfに過剰な負荷が加わる
ことが無い。
【0038】さて、工場において動力伝達装置の組立が
完了したとき、運転状態に応じた適正な油圧が作動油圧
室16に供給されているか否を確認することにより、そ
の動力伝達装置の機能が正常に発揮されるか否かを確認
することができる。作動油圧室16に供給される油圧の
大きさは、クラッチシリンダ46に摺動自在に嵌合する
クラッチピストン47の推力に基づいて算出される。
【0039】すなわち、図3に示すように、油圧クラッ
チCからクラッチアウタ41、クラッチインナ42、ク
ラッチ板43,44およびプレッシャプレート48を取
り外した状態で、クラッチピストン47の前面に荷重検
出手段Sの検出子を当接させる。この状態で第1油圧ポ
ンプPfおよび第2油圧ポンプPrをそれぞれ所定の回
転数で回転駆動すると、発生した油圧が油圧クラッチC
の作動油圧室16に供給されてクラッチピストン47が
駆動され、そのクラッチピストン47の推力が荷重検出
手段Sによって検出される。したがって、荷重検出手段
Sによって検出された推力をクラッチピストン47の受
圧面積で除算することにより、作動油圧室16に供給さ
れる油圧の大きさを算出することができる。そして、算
出された油圧の大きさを、第1油圧ポンプPfおよび第
2油圧ポンプPrの回転数に応じて予め設定された値と
比較することにより、動力伝達装置の機能が正常に発揮
されるか否かを確認することができる。
【0040】以上のように、油圧検出手段を用いること
なく作動油圧室16に供給される油圧の大きさを算出す
ることができるので、作動油圧室16に作用する油圧を
油圧検出手段に導くための油路やポートをケーシング4
5に設ける必要がなくなる。その結果、ケーシング45
に前記油路やポートを形成する加工工数や加工コストを
削減することができ、しかも前記油路内に混入した空気
による作動油圧室16の油圧の立ち上がりの遅れを防止
することができる。
【0041】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0042】例えば、実施例では4輪駆動車両の動力伝
達装置の油圧クラッチCを作動させるアクチュエータを
例示したが、本発明は他の任意の用途のアクチュエータ
に対して適用することができる。また、荷重検出手段S
を1個だけ用いるとクラッチピストン47にこじりが発
生する場合には、クラッチピストン47の円周方向に複
数個の荷重検出手段Sを配置し、それら荷重検出手段S
の検出値の和としてクラッチピストン47の推力を検出
しても良い。
【0043】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、作動油圧室に供給される油圧を油圧検出手段
で直接検出する必要がないので、作動油圧室を油圧検出
手段に接続するための油路やポートをケーシングから廃
止することができ、これによりケーシングの加工工数や
加工コストの削減が可能になるだけでなく、前記油路内
に混入した空気による作動油圧室の油圧の立ち上がりの
遅れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4輪駆動車両の動力伝達装置の概略図
【図2】動力伝達装置の油圧回路図
【図3】作動油圧室の油圧を算出する作用説明図
【符号の説明】
16 作動油圧室 45 ケーシング 46 クラッチシリンダ(シリンダ) 47 クラッチピストン(ピストン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 哲郎 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(45)に形成したシリンダ
    (46)にピストン(47)を摺動自在に支持し、シリ
    ンダ(46)およびピストン(47)により区画された
    作動油圧室(16)に油圧を供給することにより該ピス
    トン(47)を駆動する油圧アクチュエータにおいて、 作動油圧室(16)に供給される油圧で作動するピスト
    ン(47)の推力を測定し、測定した推力に基づいて前
    記油圧の大きさを算出することを特徴とする、油圧アク
    チュエータにおける作動油圧算出方法。
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