JPH11515106A - モジュラー形試薬カートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明はモジュラー式試薬カートリッジ（１０）に関し、該試薬カートリッジは、一体に成形された連結装置（２２）によって直接互いに結合された複数の試薬容器（１２〜１８）を有している。結合は形状結合によるレールガイドによって行われる。

Description

【発明の詳細な説明】 モジュラー形試薬カートリッジ 本発明は、即時使用可能な生化学試薬を流動形で貯蔵するための試薬カートリ ッジに関し、該試薬カートリッジは完全自動式分析装置での簡単な装着と使用と を可能にするものである。 試薬カートリッジは基本的には従来技術から公知である。例えばヨーロッパ特 許第０５６９７０号（ＥＰ０５６９７０Ａ３）にはいわゆる試薬キットが記載さ れ、試薬キットでは３つの試薬容器が方形のフレーム内に保持されている。ここ ではケーシングは底部と蓋に開口を有し、開口は、試薬容器の均一な冷却を保証 するためにケーシングの内室の空気循環を可能にする。 ヨーロッパ特許第０４３５４８１号（ＥＰ０４３５４８１Ａ２）には回転ディ スクを備えた分析装置が記載され、回転ディスク上に試薬容器が配置される。こ の場合ケーキ片形（kuchenstueckfoermig）の容器が２つずつスナップ嵌め可能 な蓋を介して互いに結合されて二重パックとされている。製作を簡単にするため にこの二重パックは一体に構成されていてもよい。 最後にヨーロッパ特許第０５０２６３８号（ＥＰ０５０２６３８Ａ２）に複数 の縦長の試薬容器を備えた 分析装置が記載されている。試薬容器は自動取扱いシステムによって搬送される 。これらの試薬容器の搬送を可能にするために容器は側方のフランジ並びに突出 部を備える。 本発明の基礎をなす課題は、種々の試薬チャージにおいても柔軟な取扱いを可 能にする試薬取扱い手段を見出すことである。 この課題の解決は請求項１の特徴によって行われる。本発明によればモジュラ ー形試薬カートリッジが提供され、これは複数の試薬容器が一体に成形された連 結装置によって直接互いに結合されることによって形成される。 本発明は第１に試薬容器から成るモジュラー形のシステムを製作し、個別の容 器を一体に成形された連結装置によって結合しれて試薬カートリッジにすること ができる。次いでこのようなカートリッジはハンドグリップのみを用いて分析装 置内へ挿入することができる。更に試薬カートリッジのモジュラー構造によって 試薬容器は充填過程で個別に作業され、かつ製造実施後にこれらの試薬容器は唯 一の製作工程で組立てて試薬カートリッジにすることができる。その他の連結部 材または類似のものは不要である。逆に個別の試薬容器は付加的な結合部材の介 在なしに直接結合される。これによって異なる試薬チャージの自由な組合せ可能 性が常に保証される。本発明による試薬カートリッジ によってこれまでになかった取扱い上の利点が得られ、これは特に製造過程の途 中における時間を節約する、なぜならば試薬容器の充填が組立前の状態で実施で き、かつカートリッジの製作後カートリッジはユニットとして取扱い可能である からである。それと共に場合により破損した容器を問題なく新規の容器と交換す ることができ、カートリッジ全体を交換する必要がない。さらに異なる寸法もし くは容積の試薬容器を互いに組み合わせてカートリッジにすることが可能であり 、しかもこの組合せは任意に行うことができる。このことは同時に多数の異なる 試薬カートリッジを用意する必要がないことを意味する。むしろ所望の容器組合 せを持つ各カートリッジを個別に組み立てることができる。 本発明の有利な実施形が請求項２〜１４に記載されている。 第１の実施形によれば、試薬カートリッジと分析装置との間に摩擦結合を形成 するために少なくとも１つの試薬容器が有利には係止式の結合装置を備えていて よい。このような試薬容器はいわばモジュラーシステムの基本部材を成すことが でき、試薬カートリッジと分析装置との間の摩擦結合を可能にし、この摩擦結合 は特殊な係止機構に基づいて任意の頻度で形成、かつ容易に再解除することがで きる。係止結合も同様に試薬容器に一体に成形されていると有利である。 本発明のもう１つの構成によれば、試薬容器が保持フレームと少なくとも１つ の、試薬容器よりも小さな容積を持つ容器とを備えている。この実施形は小容積 の試薬容器の使用も可能にし、これらの容器もまたシステムのモジュールを形成 する。これにより同時に、小さな容積の容器複数個を唯一の保持フレーム内に受 容し得るという利点も得られ、この場合同一の保持フレームが異なる容積を持つ 複数の容器にも適する。 少なくとも１つの容器が回転可能に保持フレーム内に受容され、その際に有利 には成形されたギアリングを備えていると特に有利である。回転可能な受容によ って、容器は、容器内に含まれた懸濁液を十分に混合するために有利には成形さ れたギアリングを用いて鉛直の自軸線を中心にして回転運動を行うことができる 。この場合保持フレームが、容器の片側または下側へのアクセスが可能であるよ うに一部開いた構成にされていると特に有利である。これにより駆動装置を容器 に連結することができ、容器は回転せしめられる。このような駆動は例えばギア またはラックによって行うことができる。複数の容器にギアリング等を備えるこ ともでき、したがって駆動装置は単に容器の１つに作用すればよい。この場合に は回転運動の伝達によって保持フレーム内に受容された複数の容器を回転させる ことができる。 本発明のもう１つの構成によれば、保持フレーム内 に受容された容器が固定される。これによって、容器が間違って保持フレームか ら落下しないこと、かつ回転運動を負荷する際に容器が常にフレーム内の同一の 箇所にとどまることが保証される。有利に固定は弾性的にばね作用する（wegfed ernd）係止突起によって行うことができ、これはきわめて迅速で簡単な取扱いを 保証する。 さらに本発明による試薬カートリッジが一体に成形された連結装置を持つグリ ップを備えていると有利である。このようなグリップは試薬容器の場合と同じよ うに試薬カートリッジへも取り付けることができ、そのため特に複数の試薬カー トリッジが並置される場合に試薬カートリッジの良好な取扱いが保証される。こ の場合グリップが指差し込み口を有していると特に有利である、それというのも その場合には指だけで分析装置からカートリッジを引き抜くことが可能であるか らである。モジュラー式試薬カートリッジの柔軟性を高めるために、グリップが 有利には一体に成形された延長部分を有していてよく、延長部分は少なくとも１ つの試薬容器の長さに等しい。これによって連結された容器の数が少なくてもそ の都度一定の長さの試薬カートリッジが保証される、それというのもグリップが 欠けた容器の長さを補償するからである。 本発明によって設けられる連結装置は有利に形状結合によるレールガイドによ って構成することができ、 レールガイドは連結状態で自動締め付けを行う。これにより個々の試薬容器は単 にレールガイドに沿って“互いに嵌込まれる”だけでよく、これはきわめて迅速 な取扱いを可能にする。レールガイドの横断面はそれぞれ適切な形状、例えば方 形または鳩尾形であってよい。しかしレールガイドがストッパを備えていると特 に有利である。これによって試薬カートリッジの製造では、すべての試薬容器が 上縁で揃うように注意しなくてもよい、それというのもこれは用意されたストッ パによって保証されるからである。 本発明のもう１つの構成によれば、試薬容器は同一の長さおよび幅を持つ、す なわち容器の１次元内の寸法は同じ大きさである。これによって統一的な形状、 すなわち一定の幅を持つカートリッジが得られる。 容器を保護するために試薬カートリッジは装着可能な蓋を備えていてよく、蓋 はカートリッジの上面上へ被せられる。 最後に、試薬カートリッジが少なくとも部分的にその外面にきわめて平らな、 まとまった面を形成しており、この面が試薬容器にわたって延びていると特に有 利である。これにより試薬カートリッジが複数の試薬容器から構成されているに もかかわらず、関連するテストに具体的なすべてのデータをコードの形状で含む ラベルをこの試薬カートリッジの外面上へ滑らかに取り付けることができる。 以下本発明の有利な実施形が純然たる例として図面を参照しながら説明される 。 第１図はモジュラー形試薬カートリッジの側面図、第２図は第１図の試薬カー トリッジの横断面図、第３図は第１図の試薬カートリッジの平面図、かつ第４図 は第３図のＩＶ−ＩＶ線に沿った横断面図である。 第１図に示されたモジュラー形試薬カートリッジ１０は、複数の試薬容器１２ ，１４，１６，１８が一体に成形された連結装置によって直接互いに結合される ことによって形成されている。試薬容器１２，１４，１６，１８は同一に構成さ れ、ほぼ直方体の容器から成り、容器はシリコーン製のゴム円形部材（Gummiron de）２１で閉鎖されている。ゴム円形部材はスリットを設けられており、かつ特 別な製作工程における試薬容器の充填および分析装置における試薬位置でのアリ コートの自動分取を可能にする。スリットの形式および形状（十字、星または直 線形であってよい）は、充填機械の充填マンドレル（Abfuelldorn）または分析 装置のピペットニードルが引き抜かれた後にスリットが再び密封閉鎖するように 構成される。 第２図に示されているように、試薬容器に一体に成形された連結装置は方形横 断面を持つ形状結合式のレールガイド２２から成り、レールガイドは互いに嵌込 まれ、その際に個々の試薬容器が図示の試薬カートリッジを形成する。レールガ イド２２の上端では試薬容 器１２〜１８の上縁がレールガイド２２の領域内へ延びていて、そのためにスト ッパ２４が形成され、ストッパは試薬容器の整列嵌込みを保証する。レールガイ ド２２は、試薬容器の各片側に横断面で見てＵ字形のレール対が配置され、“Ｕ ”の開口が互いに向き合うように構成されている。相互距離を置いたこれらの平 行のレールによってほぼ方形の横断面が形成され、この中へ連結すべき試薬容器 のレールを挿入することができる。これらのレールは試薬容器のそれぞれ他方の 側にあり、かつ横断面で見てＬ字形に構成され、２つの容器を互いに連結する際 には“Ｌ”の１脚がそれぞれ横断面Ｕ字形のレールの１つに沿って滑動する。試 薬容器の自動締め付けをストッパ２４に到達時に達成するためには、横断面Ｕ字 形のレールの脚が軽くくさび形に構成されており、その結果連結すべき試薬容器 の挿入時に弱い締め付け作用が生じる。作用はストッパ２４に到達した時に最大 である。最後にＵ字形のレールは端部にそれぞれ延長部を有し、延長部は“挿入 Einfaedeln）”を軽減するために走入斜面を持つ。 図示の試薬容器１８は保持フレーム２６から形成されており、保持フレームは 全部で４つの容器２８，３０，３２，３４を受容し、容器は試薬容器１２，１４ ，１６よりも小さな容積を持つ。容器２８〜３４はほぼ円筒形の形状を有し、か つ上面で同様に保護されたゴム 円形部材２１で閉鎖されている。ここでは容器２８〜３４は保持フレーム２６内 の対応する室内に挿入されている。 全容器２８〜３４が回転可能に保持フレーム２６内に受容され、容器３４は下 面に成形されたギアリング３６を備える。保持フレーム２６は後方領域、すなわ ちギアリング３６の領域内で開いた構成にされており、そのため第１図から第３ 図で見て右側からギアリング３６へのアクセスが可能になっている。これによっ て容器３４内に含有された懸濁液の混合のためにラックまたはギアを介して駆動 を実施することができる。この駆動によって容器３４は自縦軸線を中心にして各 １８０度回転せしめられる。懸濁液を均質な懸濁液として得るためには容器３４ の内壁面に縦方向に延びる内リブ３８（第３図）が成形されており、内リブは軸 平行に整列せしめられている。これによって鉛直軸線を中心にした回転運動の間 混合物質は容器の周面近傍の環状のゾーンから渦流形成下に軸中央の取り出しゾ ーンの方向へ押しやられる。 第４図に示されているように、容器３４は容器の縁上へ係合した２つの係止突 起３７，３８によって保持フレーム２６内に固定されている。係止突起の柔軟な 構成に基づき容器３４は第４図に示された位置へ押込む、またはここから取り出 すことができる。しかし第２図のもっとも右側に示された室には容器３４の代わ りに容器２８〜３２を挿入してもよい。 保持フレーム２６の第１図〜第３図で見て右の側、すなわち試薬カートリッジ の後方端部には２つの柔軟な係止湾曲部材４０，４１の形状の結合装置が成形さ れており、結合装置は試薬カートリッジ１０と分析装置との間に摩擦結合を形成 する。第２図に分析装置の取り付け壁４２が略示されている。取り付け壁は適切 な開口を持ち、この開口内へ係止湾曲部材４０，４１が係止することができる。 ほぼＵ字形の係止湾曲部材の柔軟な構成および係止湾曲部材の自由端に設けられ た係止突起によって試薬カートリッジは任意の回数で容易に取り付け壁４２の相 応する開口内へ挿入することができ、これによって分析装置と摩擦結合によって 結合される。係止湾曲部材の下方に設けられた部材４４（これも同様に一体に成 形される）は、分析装置内への試薬カートリッジの適正な挿入を分析装置へ通知 するためセンサ装置、例えば光バリヤを動作させるのに使用される。 第１図から第３図で見て試薬カートリッジの左側、すなわちその前方側にはグ リップ４６があり、グリップは同様に一体に成形されたレールガイドを備え、レ ールガイドでもって試薬容器１２へ連結されている。グリップはＬ字形に構成さ れ、短い方の脚には指差し入れ口４８を有し、この開口内へ指を係合させること ができる。 例えば容器１２〜１６の内の２つしか設けられていない試薬カートリッジを組 み立てる場合には、欠けた試薬容器の長さに等しい成形延長部分を備える水平の 脚を持つグリップを使用することができる。これにより試薬カートリッジの長さ を一定に保持することができる。 第１図が示すように、すべての試薬容器１２〜１８の側面は容器の高さのほぼ 半分よりも上方において試薬カートリッジの外面に試薬容器１２〜１８にわたっ て延びる、平らなまとまった面が形成されるように構成されている。そのために 容器は横断面で見ると丸みのある角部を持つが、上方の領域、すなわちレールガ イド２２の領域内では、試薬容器が互いに連結された後にまとまった面が形成さ れるように構成されている。この場合この面上には必要なデータを含むラベル５ ０を滑らかに貼り付けることができる。 すべての試薬容器の上縁は、液密な閉鎖部材、例えばヒートシールシートを取 り付けるための十分な面積を持つ縁が得られるように構成される。さらにこのヒ ートシールシートが問題なく再び取り外すことができることが保証され、これは 、オリジナリティ閉鎖部材（Originalitaetsverschluss）がヒートシールシート との接着結合によって結合されることによって達成され、この場合オリジナリテ ィ閉鎖部材を取り除く時にヒートシールシートも同様に取り除かれる。オリジナ リティ閉鎖部材が１作業工程で試薬カートリッジ全体の上に施され、その時に連 結装置の係止湾曲部材４０，４１も覆う。これによって分析装置へ挿入する前に オリジナリティ閉鎖部材は使用者によって試薬カートリッジから簡単に引き抜く ことによって取り除けば済むことが保証される。 上記の記載により、本発明が図示の容器の寸法およびタイプに限定されないこ とは明らかであり、異なる数の容器を試薬カートリッジ内に使用することができ る。試薬容器すべておよびグリップも有利には免疫学的に不活性のプラスティッ ク、例えばポリプロピレンから製作される。しかし容器の容積は必要に応じて変 更することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター シュテルク ドイツ連邦共和国 ゼーリゲンシュタット プフォルテンガッセ ６

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．モジュラー式試薬カートリッジ（１０）において複数の試薬容器（１２，１ ４，１６，１８）が一体に成形された連結装置（２２）によって直接互いに結合 されていることによって形成されていることを特徴とするモジュラー式試薬カー トリッジ。 ２．試薬カートリッジ（１０）と分析装置との間に摩擦結合を形成するために、 少なくとも１つの試薬容器（１８）が有利に係止式の結合装置（４０，４１）を を備えている、請求項１記載の試薬カートリッジ。 ３．試薬容器（１８）が、保持フレーム（２６）と試薬容器（１２，１４，１６ ）よりも容積の小さな容器（２８，３０，３２，３４）少なくとも１つとを備え る、請求項１または２記載の試薬カートリッジ。 ４．少なくとも１つの容器（２８，３０，３２，３４）が回転可能に保持フレー ム（２６）内に受容されており、かつ有利には成形されたギアリング（３６）を 有している、請求項３記載の試薬カートリッジ。 ５．保持フレーム（２６）が、容器（３４）の片側または下側へのアクセスが可 能であるように一部開放した構成を有している、請求項４記載の試薬カート リッジ。 ６．容器（３４）が有利には係止突起（３７，３９）によって保持フレーム（２ ６）内で固定されている、請求項３から５までのいずれか１項記載の試薬カート リッジ。 ７．一体に成形された連結装置（２２）を持つグリップ（４６）を備えている、 請求項１から６までのいずれか１項記載の試薬カートリッジ。 ８．グリップが少なくとも１試薬容器の長さに等しい延長部分を有している、請 求項７記載の試薬カートリッジ。 ９．グリップ（４６）が指差し入れ口（４８）を有している、請求項７または８ 記載の試薬カートリッジ。 １０．連結装置が形状結合によるレールガイド（２２）によって形成されており 、レールガイドが連結された状態で自動的な締め付けを行う、請求項１から９ま でのいずれか１項記載の試薬カートリッジ。 １１．レールガイド（２２）がストッパ（２４）を有している、請求項１０記載 の試薬カートリッジ。 １２．試薬容器（１２，１４，１６，１８）が同一の長さおよびまたは幅を有し ている、請求項１から１１までのいずれか１項記載の試薬カートリッジ。 １３．装着可能な蓋を有している、請求項１から１２までのいずれか１項記載の 試薬カートリッジ。 １４．外面にきわめて平らな、まとまった面を形成しており、この面が試薬容器 （１２，１４，１６，１８）にわたって延びている、請求項１から１３までのい ずれか１項記載の試薬カートリッジ。