JPH11514871A - 乾癬に罹患した皮膚からの2種類の新規遺伝子:プソリアスタチン▲i▼型およびプソリアスタチン▲ii▼型 - Google Patents

乾癬に罹患した皮膚からの2種類の新規遺伝子:プソリアスタチン▲i▼型およびプソリアスタチン▲ii▼型

Info

Publication number
JPH11514871A
JPH11514871A JP9515972A JP51597297A JPH11514871A JP H11514871 A JPH11514871 A JP H11514871A JP 9515972 A JP9515972 A JP 9515972A JP 51597297 A JP51597297 A JP 51597297A JP H11514871 A JPH11514871 A JP H11514871A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
psoriastatin
type
polypeptide
activity
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9515972A
Other languages
English (en)
Inventor
ヒビノ,トシコ
タカハシ,タダヒト
シー. バシウ,ピーター
エフ. ゲーティンク,ポール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Publication of JPH11514871A publication Critical patent/JPH11514871A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/55Protease inhibitors
    • A61K38/57Protease inhibitors from animals; from humans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/06Antipsoriatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/05Animals comprising random inserted nucleic acids (transgenic)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
    • A01K2217/00Genetically modified animals
    • A01K2217/07Animals genetically altered by homologous recombination
    • A01K2217/075Animals genetically altered by homologous recombination inducing loss of function, i.e. knock out

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 プソリアスタチン活性を調節する段階を含む、細胞増殖またはアポトーシスを調整する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 乾癬に罹患した皮膚からの2種類の新規遺伝子:プソリアスタチン I型およびプソリアスタチンII型 [発明の分野] 本発明は、プソリアスタチンI型およびII型遺伝子、プソリアスタチンI型お よびII型ポリペプチド、ならびにプソリアスタチンの核酸およびポリペプチドを 用いる方法に関する。 [発明の背景] 乾癬は、ケラチン細胞の異常な増殖と、関連する皮膚の炎症とによって特徴付 けられる。そのような皮膚には、正常な表皮には見出されない様々なプロテイナ ーゼが出現することが報告されている。 [発明の要約] 一般的には、本発明は、プソリアスタチンI型ポリペプチド、例えば、その配 列が、SEQ ID NO:2に示した配列の全部または一部を含むか、またはそれである ポリペプチドを特徴とする。好適実施態様は、好ましくはプソリアスタチンI型 ポリペプチドの少なくとも1種類の生物学的活性を有する、SEQ ID NO:2の断片 および類似体を包含する。 好適実施態様では、該ポリペプチドは、プソリアスタチンI型ポリペプチドの 組換えによるか、または実質的に純粋である調製物である。 好適実施態様では、357 位の残基(本明細書に用いられる番号付け体系による )が:アラニン以外であり;アラニンの側鎖からの、より大きい分子量の側鎖基 を有する残基であり;塩基性の残基であり;酸性の残基であり;トレオニンであ る。 好適実施態様では:該ポリペプチドは、少なくとも1種類の生物学的活性を有 し、例えば、プソリアスタチンI型に特異的な抗体または抗体断片と反応し;該 ポリペプチドは、SEQ ID NO:2からのアミノ酸配列と少なくとも60、80、90、95 、98または99%相同なアミノ酸配列を含み;該ポリペプチドは、長さが少なくと も5、10、20、50、100 、150 、200 または250 アミノ酸長であり;該ポリペプ チドは、SEQ ID NO:2からの少なくとも5個、好ましくは少なくとも10個、より 好ましくは少なくとも20個、最も好ましくは少なくとも50、100 、150 、200 ま たは250 個の隣接アミノ酸を含み;該ポリペプチドは、長さが、好ましくは少な くとも10個、しかし100 個を越えないアミノ酸長であり;プソリアスタチンI型 ポリペプチドは、天然に産するプソリアスタチンI型ポリペプチドの生物学的活 性の作用薬または拮抗薬のいずれかである。 好適実施態様では:プソリアスタチンI型ポリペプチドは、SEQ ID NO:1の核 酸配列によってか;またはSEQ ID NO:1の核酸との少なくとも60、70、80、90、 95、98または99%の相同性を有する核酸によってコードされている。例えば、プ ソリアスタチンI型ポリペプチドは、遺伝暗号の縮重のために、SEQ ID NO:1の 核酸配列と異なる核酸配列によってコードされることができる。 好適実施態様では、該プソリアスタチンI型ポリペプチドは、天然に産する突 然変異体または野生型のプソリアスタチンI型ポリペプチド(例えば、SEQ ID N O:2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド)の作用薬である。もう一つの 好適実施態様では、例えば、天然に産するプソリアスタチンI型ポリペプチド( 例えば突然変異ポリペプチド)の望ましくない活性を阻害する拮抗薬である。 好適実施態様では、該プソリアスタチンI型ポリペプチドは、SEQ ID NO:2の 配列とは1、2、3、5、10個またはそれ以上の残基のアミノ酸配列が異なる。 しかし、その差は、該プソリアスタチンI型ポリペプチドが、プソリアスタチン I型ポリペプチドの少なくとも1種類の生物学的活性を示すような、例えば、該 プソリアスタチンI型ポリペプチドが、天然に産するプソリアスタチンI型ポリ ペプチドの生物学的活性を保持するような差である。 好適実施態様では、該プソリアスタチンI型ポリペプチドは、本明細書に記載 のプソリアスタチンI型ポリペプチド配列はもとより、他のN末端および/また はC末端アミノ酸配列も含む。 好適実施態様では、該ポリペプチドは、追加のアミノ酸残基、好ましくは、ゲ ノムDNAの5’から、SEQ ID NO:2からの配列をコードするゲノムDNAまで によってコードされる残基と読み枠が融合した、SEQ ID NO:2からのアミノ酸配 列の全部または断片を含む。 更に別の好適実施態様では、該プソリアスタチンI型ポリペプチドは、第一の プソリアスタチンI型ポリペプチド部分と、プソリアスタチンI型ポリペプチド とは無関係のアミノ酸配列を有する第二のポリペプチド部分とを有する組換え融 合タンパク質である。第二のポリペプチド部分は、例えば、グルタチオンS移転 酵素、DNA結合ドメインまたはポリメラーゼ活性化ドメインのいずれであるこ ともできる。好適実施態様では、該融合タンパク質は、二ハイブリッドアッセイ に用いることができる。 好適実施態様では、該プソリアスタチンI型ポリペプチドは、天然に産するプ ソリアスタチンI型ポリペプチドに特異的な抗体またはF(ab')2断片との反応性 を阻害する、天然に産するプソリアスタチンI型ポリペプチドの断片または類似 体である。 好適実施態様では、該プソリアスタチンI型ポリペプチドは、成熟タンパク質 に存在しない配列を含む。 好適実施態様では、該プソリアスタチンI型ポリペプチドは、約43kDの分子量 を有する。 好適実施態様では、該プソリアスタチンI型ポリペプチドは、下記の特性のう ち一つまたはそれ以上を有する:357 位の残基は、アラニン以外であり;約43kD の分子量を有し;乾癬の組織から単離することができ;乾癬の組織、例えば乾癬 の表皮では、正常組織より少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5または10倍 も豊富に発現され;交差分類群阻害剤である(例えば、システインプロテイナー ゼ、例えばカテプシンLを阻害するが、セリンプロテイナーゼは阻害しない); カテプシンLを、扁平上皮癌抗原(SCC−A)より少なくとも2倍、より好ま しくは少なくとも2、5、10または100 倍低い効率で阻害し;カテプシンLを阻 害するが、カテプシンBまたはカテプシンHは阻害せず;pH5.0 で活性であり; 分泌される。 本発明のポリペプチドは、複数の遺伝子の存在、交互転写の事象、交互RNA スプライシングの事象、並びに交互翻訳および翻訳後の事象の結果として生じる ものを包含する。 本発明は、免疫原調製物中の活性もしくは不活性のプソリアスタチンI型ポリ ペプチドまたはその類似体もしくは断片を含む免疫原であって、プソリアスタチ ンI型ポリペプチドに特異的である免疫応答、例えば体液性応答、抗体応答また は細胞性応答を誘発することができる免疫原を包含する。好適実施態様では、該 免疫原は、SEQ ID NO:2によって表わされるタンパク質からの抗原決定基、例え ば独自決定基を含む。 本発明は、該プソリアスタチンI型免疫原、または、一般的には、あるプソリ アスタチンI型ポリペプチドのエピトープと特異的に反応する抗体調製物、好ま しくはモノクローナル抗体調製物も包含する。 もう一つの態様では、本発明は、そのアミノ酸配列が、プソリアスタチンI型 ポリペプチドまたはその類似体もしくは断片の配列を含むか、またはそれである ポリペプチドをコードする核酸配列を保有もしくは含有する、実質的に純粋な核 酸を提供する。 好適実施態様では、この核酸は、下記の特徴のうち一つまたはそれ以上を有す るポリペプチドをコードする:プソリアスタチンI型ポリペプチドの少なくとも 1種類の生物学的活性、例えば、プソリアスタチンI型に仕向けた抗体または抗 体断片と特異的に反応するポリペプチド;SEQ ID NO:2からのアミノ酸配列と少 なくとも60、80、90、95、98または99%相同なアミノ酸配列;SEQ ID NO:2のア ミノ酸配列と本質的に同じアミノ酸配列、このポリペプチドは、長さが少なくと も5、10、20、50、100 、150 、200 または250 アミノ酸長である;SEQ ID NO: 2からの少なくとも5個、好ましくは少なくとも10個、より好ましくは少なくと も20個、最も好ましくは少なくとも50、100 、150 、200 または250 個の隣接ア ミノ酸;長さが、好ましくは少なくとも10個、しかし100 個を越えないアミノ酸 長;天然に産するプソリアスタチンI型ポリペプチドの生物学的活性の作用薬ま たは拮抗薬として作用できる能力。 好適実施態様では:該核酸は、SEQ ID NO:1の核酸配列であるか、またはそれ を含み;該核酸は、SEQ ID NO:1の核酸配列と少なくとも60、70、80、90、95、 98または99%相同であり;該核酸は、長さが少なくとも25、50、100 、200 、30 0 、400 、500 または1,000 塩基長である、SEQ ID NO:1の断片を含み;該核酸 は、遺伝暗号の縮重のために、SEQ ID NO:1の核酸配列と異なる。 好適実施態様では:161 位のヌクレオチド残基が、アデニンヌクレオチド以外 である、例えばグアニンヌクレオチドであり;259 位のヌクレオチド残基が、ア デニンヌクレオチド以外である、例えばグアニンヌクレオチドであり;788 位の ヌクレオチド残基が、アデニンヌクレオチド以外である、例えばグアニンヌクレ オチドであり;799 位のヌクレオチド残基が、アデニンヌクレオチド以外である 、例えばグアニンヌクレオチドであり;1,008 位のヌクレオチド残基が、アデニ ンヌクレオチド以外である、例えばグアニンヌクレオチドであり;1,090 位のヌ クレオチド残基が、グアニンヌクレオチド以外である、例えばアデニンヌクレオ チドである。 好適実施態様では、該核酸によってコードされるポリペプチドは、例えば、天 然に産する突然変異体または野生型のプソリアスタチンI型ポリペプチドの活性 を増強できる作用薬である。もう一つの好適実施態様では、コードされるポリペ プチドは、例えば、天然に産するプソリアスタチンI型ポリペプチド(例えばSE Q ID NO:2に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド)の望ましくない活性を 阻害する拮抗薬である。 好適実施態様では、コードされるプソリアスタチンI型ポリペプチドは、1、 2、3、5、10個またはそれ以上の残基でのアミノ酸配列がSEQ ID NO:2の配列 と異なる。しかし、その差は、コードされるプソリアスタチンI型ポリペプチド が、天然に産するプソリアスタチンI型ポリペプチド(例えばSEQ ID NO:2のプ ソリアスタチンI型ポリペプチド)の少なくとも1種類の生物学的活性を示すよ うなそれである。 好適実施態様では、該核酸は、本明細書に記載のプソリアスタチンI型ポリペ プチドの配列はもとより、他のN末端および/またはC末端アミノ酸配列も含む プソリアスタチンI型ポリペプチドをコードする。 好適実施態様では、該核酸は、追加のアミノ酸残基、好ましくは、ゲノムDN Aの5’から、SEQ ID NO:2からの配列をコードするゲノムDNAまでによって コードされる残基と読み枠が融合した、SEQ ID NO:2に示したアミノ酸配列の全 部または一部を含むポリペプチドをコードしている。 好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、第一プソリアスタチンI型 ポリペプチド部分と、プソリアスタチンI型ポリペプチドとは無関係のアミノ酸 配列を有する第二ポリペプチド部分とを有する組換え融合タンパク質である。該 第二ポリペプチド部分は、例えば、グルタチオンS移転酵素、DNA結合ドメイ ンまたはポリメラーゼ活性化ドメインのいずれであることもできる。好適実施態 様では、該融合タンパク質は、二ハイブリッドアッセイに用いることができる。 好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、天然に産するプソリアスタ チンI型ポリペプチドに特異的な抗体またはF(ab')2断片との反応性を阻害する 、天然に産するプソリアスタチンI型ポリペプチドの断片または類似体である。 好適実施態様では、該核酸は、転写調節配列、例えば、プソリアスタチンI型 遺伝子配列と機能的に結合した転写プロモーターまたは転写エンハンサー配列の うち少なくとも一つを含んで、例えば、該プソリアスタチンI型遺伝子配列を発 現ベクターとしての使用に適するようにさせることになる。 更にもう一つの好適実施態様では、本発明の核酸は、SEQ ID NO:1からの少な くとも12個の連続するヌクレオチド、より好ましくはSEQ ID NO:1からの少なく とも20個の連続ヌクレオチド、更に好ましくはSEQ ID NO:1からの少なくとも40 個の連続ヌクレオチドに相当する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形 成する。 好適実施態様では、該核酸は、約43kDの分子量を有する成熟ポリペプチドをコ ードする。 好適実施態様では、該核酸は、該成熟タンパク質中に存在しない配列を有する プソリアスタチンI型ポリペプチドをコードする。 好適実施態様では、該核酸は、下記の特性の一つまたはそれ以上を有するプソ リアスタチンI型ポリペプチドをコードする:357 位の残基は、アラニン以外で あり;約43kDの分子量を有し;乾癬の組織から単離することができ;乾癬の組織 、例えば乾癬の表皮では、正常組織より少なくとも2倍、好ましくは少なくとも 5または10倍も豊富に発現され;交差分類群阻害剤である(例えば、システイン プロテイナーゼ、例えばカテプシンLを阻害するが、セリンプロテイナーゼは阻 害しない);カテプシンLを、扁平上皮癌抗原(SCC−A)より少なくとも2 倍、より好ましくは少なくとも2、5、10または100倍低い効率で阻害し;カテ プシンLを阻害するが、カテプシンBまたはカテプシンHは阻害せず;pH5.0 で 活性であり;分泌される。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンI型ポリペプチド、例えば プソリアスタチンI型ポリペプチドをコードする核酸を有するベクター;該ベク ターを移入された宿主細胞;および、例えば細胞培養液中で、細胞を培養し、例 えば該細胞または該細胞培養液から、プソリアスタチンI型様のポリペプチド、 例えばプソリアスタチンI型ポリペプチドを単離することを包含する、組換えプ ソリアスタチンI型様ポリペプチド、例えばプソリアスタチンI型ポリペプチド を製造する方法を包含する。 もう一つの態様では、本発明は、SEQ ID NO:1に示したヌクレオチド配列との 少なくとも50、60、70、80、90、95、98または99%の相同性を有する、精製され た組換え核酸を特徴とする。 本発明は、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを保有もしくは含有するプ ローブまたはプライマーも提供する。該オリゴヌクレオチドは、SEQ ID NO:1、 またはその天然に産する突然変異体からのセンスもしくはアンチセンス配列の少 なくとも10個の連続ヌクレオチドと緊縮条件下でハイブリッド形成する、ヌクレ オチド配列の領域を有する。好適実施態様では、該プローブまたはプライマーは 、それに結合した標識基を更に有する。該標識基は、例えば、放射性同位元素、 蛍光化合物、酵素、および/または酵素の補因子であることができる。好ましく は、該オリゴヌクレオチドは、長さが10ヌクレオチド以上、かつ20、30、50、10 0 または150 ヌクレオチド未満である。 本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸、例えばRNAまたはDN Aを含む。これには、二本鎖核酸ばかりでなく、コーディングおよびアンチセン ス一本鎖も含まれる。 一般的には、本発明は、プソリアスタチンII型ポリペプチド、例えば、その配 列が、SEQ ID NO:4に示される配列の全部または一部を含むか、またはそれらで あるポリペプチドを特徴とする。好適実施態様は、好ましくはプソリアスタチン II型ポリペプチドの少なくとも1種類の生物学的活性を有する、SEQ ID NO:4の 断片および類似体を包含する。 好適実施態様では、該ポリペプチドは、プソリアスタチンII型ポリペプチドの 組換えによるか、または実質的に純粋である調製物である。 好適実施態様では、プソリアスタチンII型ポリペプチドの反応性部位、例えば 第351 〜357 アミノ酸残基(本明細書に用いられる番号付け体系による)は、S CC−Aの対応する残基とは、相同性が皆無であるか、または約25%未満、より 好ましくは約42、57、71もしくは85%相同であり;第351 〜357 残基は、GFGSSP A(SEQ ID NO:5)以外であり;第351 〜357 残基は、VVELSSP(SEQ ID NO:6) であるか;またはそれとの少なくとも約14、28、42、57、71もしくは85%の相同 性を有する配列である。 好適実施態様では:該ポリペプチドは、少なくとも1種類の生物学的活性を有 し、例えばプソリアスタチンII型ポリペプチドに特異的な抗体または抗体断片と 反応し;該ポリペプチドは、SEQ ID NO:4からのアミノ酸配列と少なくとも60、 80、90、95、98または99%相同なアミノ酸配列を有し;該ポリペプチドは、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列と本質的に同じであるアミノ酸配列を有し;該ポリペプ チドは、長さが少なくとも5、10、20、50、100 、150 、200 または250 アミノ 酸長であり;該ポリペプチドは、SEQ ID NO:4からの少なくとも5個、好ましく は少なくとも10個、より好ましくは少なくとも20個、最も好ましくは少なくとも 50、100 、150 、200 または250 個の隣接アミノ酸を含み;該ポリペプチドは、 長さが、好ましくは少なくとも10個、しかし100 個を越えないアミノ酸長であり ;プソリアスタチンII型ポリペプチドは、天然に産するプソリアスタチンII型ポ リペプチドの生物学的活性の作用薬または拮抗薬のいずれかである。 好適実施態様では:プソリアスタチンII型ポリペプチドは、SEQ ID NO:3の核 酸配列によってか、またはSEQ ID NO:3の核酸との少なくとも60、70、80、90、 95、98または99%の相同性を有する核酸によってコードされる。例えば、プソリ アスタチンII型ポリペプチドは、遺伝暗号の縮重のために、SEQ ID NO:3の核酸 配列とは異なる核酸配列によってコードされることができる。 好適実施態様では、該プソリアスタチンII型ポリペプチドは、天然に産する突 然変異体または野生型のプソリアスタチンII型ポリペプチド(例えば、SEQ ID N O:4に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド)の作用薬である。もう一つの 好適実施態様では、該ポリペプチドは、例えば、天然に産するプソリアスタチン II型ポリペプチド(例えば突然変異ポリペプチド)の望ましくない活性を阻害す る拮抗薬である。 好適実施態様では、該プソリアスタチンII型ポリペプチドは、SEQ ID NO:4の 配列とは1、2、3、5、10個またはそれ以上の残基でアミノ酸配列が異なる。 しかし、その差は、該プソリアスタチンII型ポリペプチドが、プソリアスタチン II型ポリペプチドの少なくとも1種類の生物学的活性を示すような、例えば、該 プソリアスタチンII型ポリペプチドが、天然に産するプソリアスタチンII型ポリ ペプチドの生物学的活性を保持するような差である。 好適実施態様では、該プソリアスタチンII型ポリペプチドは、本明細書に記載 のプソリアスタチンII型ポリペプチド配列はもとより、他のN末端および/また はC末端アミノ酸配列も含む。 好適実施態様では、該ポリペプチドは、追加のアミノ酸残基、好ましくは、ゲ ノムDNAの5’から、SEQ ID NO:4からの配列をコードするゲノムDNAまで によってコードされる残基と読み枠が融合した、SEQ ID NO:4からのアミノ酸配 列の全部または断片を含む。 更に別の好適実施態様では、該プソリアスタチンII型ポリペプチドは、第一の プソリアスタチンII型ポリペプチド部分と、プソリアスタチンII型ポリペプチド とは無関係のアミノ酸配列を有する第二のポリペプチド部分とを有する組換え融 合タンパク質である。第二のポリペプチド部分は、例えば、グルタチオンS移転 酵素、DNA結合ドメインまたはポリメラーゼ活性化ドメインのいずれであるこ ともできる。好適実施態様では、該融合タンパク質は、二ハイブリッドアッセイ に用いることができる。 好適実施態様では、該プソリアスタチンII型ポリペプチドは、天然に産するプ ソリアスタチンII型ポリペプチドに特異的な抗体またはF(ab')2断片との反応性 を阻害する、天然に産するプソリアスタチンII型ポリペプチドの断片または類似 体である。 好適実施態様では、該プソリアスタチンII型ポリペプチドは、成熟タンパク質 に存在しない配列を含む。 好適実施態様では、該プソリアスタチンII型ポリペプチドは、約43kDの分子量 を有する。 本発明のポリペプチドは、複数の遺伝子の存在、交互転写の事象、交互RNA スプライシングの事象、並びに交互翻訳および翻訳後の事象の結果として生じる ものを包含する。 好適実施態様では、プソリアスタチンII型ポリペプチドは、約43kDの分子量を 有し;乾癬の組織から単離することができ;乾癬の組織、例えば乾癬の表皮では 、正常組織より少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5または10倍も豊富に発 現され;乾癬組織の細胞の核に局在する。 本発明は、免疫原調製物中の活性もしくは不活性のプソリアスタチンII型ポリ ペプチドまたはその類似体もしくは断片を含む免疫原であって、プソリアスタチ ンII型ポリペプチドに特異的である免疫応答、例えば体液性応答、抗体応答また は細胞性応答を誘発することができる免疫原を包含する。好適実施態様では、該 免疫原は、SEQ ID NO:4によって表わされるタンパク質からの抗原決定基、例え ば独自決定基を含む。 本発明は、該プソリアスタチンII型免疫原、または、一般的には、あるプソリ アスタチンII型ポリペプチドのエピトープと特異的に反応する抗体調製物、好ま しくはモノクローナル抗体調製物も包含する。 もう一つの態様では、本発明は、そのアミノ酸配列が、プソリアスタチンII型 ポリペプチドまたはその類似体もしくは断片の配列を含むか、またはそれである ポリペプチドをコードする核酸配列を保有もしくは含有する、実質的に純粋な核 酸を提供する。 好適実施態様では、該核酸は、プソリアスタチンII型ポリペプチドの反応性部 位、例えば第351 〜357 アミノ酸残基(本明細書に用いられる番号付け体系によ る)は、SCC−Aの対応する残基とは、相同性が皆無であるか、または約25% 未満、より好ましくは約42、57、71もしくは85%相同であり;第351 〜357 残基 は、GFGSSPA(SEQ ID NO:5)以外であり;第351 〜357 残基は、VVELSSP(SEQ ID NO:6)であるか;またはそれとの少なくとも約14、28、42、57、71もしくは 85%の相同性を有する配列である。 好適実施態様では:該核酸は、下記の特徴のうち一つまたはそれ以上を有する ポリペプチドをコードする:プソリアスタチンII型ポリペプチド、例えば、プソ リアスタチンII型ポリペプチドに仕向けた抗体または抗体断片と特異的に反応す るポリペプチドの、少なくとも1種類の生物学的活性;SEQ ID NO:4からのアミ ノ酸配列と少なくとも60、80、90、95、98または99%相同なアミノ酸配列;SEQ ID NO:4のアミノ酸配列と本質的に同じであるアミノ酸配列;該ポリペプチドは 、長さが少なくとも5、10、20、50、100 、150 、200 または250 アミノ酸長で あり;SEQ ID NO:4からの少なくとも5個、好ましくは少なくとも10個、より好 ましくは少なくとも20個、最も好ましくは少なくとも50、100 、150 、200 また は250 個の隣接アミノ酸;長さが、好ましくは少なくとも10個、しかし100 個を 越えないアミノ酸長であるアミノ酸配列;天然に産するプソリアスタチンII型ポ リペプチドの生物学的活性の作用薬または拮抗薬のいずれかとして作用できる能 力。 好適実施態様では:該核酸は、SEQ ID NO:3のヌクレオチド配列であるか、ま たはそれを有し;該核酸は、SEQ ID NO:3の核酸配列と少なくとも60、70、80、 90、95、98または99%相同であり;該核酸は、長さが少なくとも25、50、100 、 200 、300 、400 、500 または1,000 塩基長である、SEQ ID NO:3の断片を含み ;該核酸は、遺伝暗号の縮重のために、SEQ ID NO:3のヌクレオチド配列と異な る。 好適実施態様では、該核酸によってコードされるポリペプチドは、例えば、天 然に産する突然変異体または野生型のプソリアスタチンII型ポリペプチドの活性 を増強できる作用薬である。もう一つの好適実施態様では、コードされるポリペ プチドは、例えば、天然に産するプソリアスタチンII型ポリペプチド(例えばSE Q ID NO:4に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド)の望ましくない活性を 阻害する拮抗薬である。 好適実施態様では、コードされるプソリアスタチンII型ポリペプチドは、1、 4、3、5、10個またはそれ以上の残基でのアミノ酸配列がSEQ ID NO:4の配列 と異なる。しかし、その差は、コードされるプソリアスタチンII型ポリペプチド が、天然に産するプソリアスタチンII型ポリペプチド(例えばSEQ ID NO:4のプ ソリアスタチンII型ポリペプチド)の少なくとも1種類の生物学的活性を示すよ うなそれである。 好適実施態様では、該核酸は、本明細書に記載のプソリアスタチンII型ポリペ プチドの配列はもとより、他のN末端および/またはC末端アミノ酸配列も含む プソリアスタチンII型ポリペプチドをコードする。 好適実施態様では、該核酸は、追加のアミノ酸残基、好ましくは、ゲノムDN Aの5’から、SEQ ID NO:4からの配列をコードするゲノムDNAまでによって コードされる残基と読み枠が融合した、SEQ ID NO:4に示したアミノ酸配列の全 部または一部を含むポリペプチドをコードしている。 好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、第一プソリアスタチンII型 ポリペプチド部分と、プソリアスタチンII型ポリペプチドとは無関係のアミノ酸 配列を有する第二ポリペプチド部分とを有する組換え融合タンパク質である。該 第二ポリペプチド部分は、例えば、グルタチオンS移転酵素、DNA結合ドメイ ンまたはポリメラーゼ活性化ドメインのいずれであることもできる。好適実施態 様では、該融合タンパク質は、二ハイブリッドアッセイに用いることができる。 好適実施態様では、コードされるポリペプチドは、天然に産するプソリアスタ チンII型ポリペプチドに特異的な抗体またはF(ab')2断片との反応性を阻害する 、天然に産するプソリアスタチンII型ポリペプチドの断片または類似体である。 好適実施態様では、該核酸は、転写調節配列、例えば、プソリアスタチンII型 遺伝子配列と機能的に結合した転写プロモーターまたは転写エンハンサー配列の うち少なくとも一つを含んで、例えば、該プソリアスタチンII型遺伝子配列を発 現ベクターとしての使用に適するようにさせることになる。 更にもう一つの好適実施態様では、本発明の核酸は、SEQ ID NO:3からの少な くとも12個の連続するヌクレオチド、より好ましくはSEQ ID NO:3からの少なく とも20個の連続ヌクレオチド、更に好ましくはSEQ ID NO:3からの少なくとも40 個の連続ヌクレオチドに相当する核酸プローブと、緊縮条件下でハイブリッド形 成する。 好適実施態様では、該核酸は、約43kDの分子量を有する成熟ポリペプチドをコ ードする。 好適実施態様では、該核酸は、該成熟タンパク質中に存在しない配列を有する プソリアスタチンII型ポリペプチドをコードする。 好適実施態様では、該核酸は、約43kDの分子量を有し;乾癬の組織から単離す ることができ;乾癬の組織、例えば乾癬の表皮では、正常組織より少なくとも2 倍、好ましくは少なくとも5または10倍も豊富に発現され;乾癬組織の細胞の核 に局在する、プソリアスタチンII型ポリペプチドをコードする。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンII型ポリペプチド、例えば プソリアスタチンII型ポリペプチドをコードする核酸を有するベクター;該ベク ターを移入された宿主細胞;および、例えば細胞培養液中で、細胞を培養し、例 えば該細胞または該細胞培養液から、プソリアスタチンII型様のポリペプチド、 例えばプソリアスタチンII型ポリペプチドを単離することを包含する、組換えプ ソリアスタチンII型様ポリペプチド、例えばプソリアスタチンII型ポリペプチド を製造する方法を包含する。 もう一つの態様では、本発明は、SEQ ID NO:3に示したヌクレオチド配列との 少なくとも50、60、70、80、90、95、98または99%の相同性を有する、精製され た組換え核酸を特徴とする。 本発明は、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを保有もしくは含有するプ ローブまたはプライマーも提供する。該オリゴヌクレオチドは、SEQ ID NO:3、 または天然に産するその突然変異体からのセンスもしくはアンチセンス配列の少 なくとも10個の連続ヌクレオチドと緊縮条件下でハイブリッド形成する、ヌクレ オチド配列の領域を有する。好適実施態様では、該プローブまたはプライマーは 、それに結合した標識基を更に有する。該標識基は、例えば、放射性同位元素、 蛍光化合物、酵素、および/または酵素の補因子であることができる。好ましく は、該オリゴヌクレオチドは、長さが10ヌクレオチド長以上、かつ20、30、50、 100 または150 ヌクレオチド長未満である。 本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸、例えばRNAまたはDN Aを含む。これには、二本鎖核酸ばかりでなく、コーディングおよびアンチセン ス一本鎖も含まれる。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンポリペプチド、例えばプソ リアスタチンI型またはプソリアスタチンII型のポリペプチドと、作用し合える 、例えば結合できるか、またはその活性を調整、例えば阻害もしくは促進できる 能力について、ある化合物を評価する方法を特徴とする。該方法は、該化合物を プソリアスタチンポリペプチドと接触させ、該化合物が該プソリアスタチンポリ ペプチドと作用し合えるか、または複合体を形成できる能力を評価することを包 含する。該方法は、in vitroで、例えば無細胞系でか、またはin vivoで、例え ば二ハイブリッド相互作用捕捉アッセイで実施することができる。該方法は、プ ソリアスタチンポリペプチド、例えばプソリアスタチンI型またはプソリアスタ チンII型ポリペプチドと作用し合う、天然に産する分子を特定するのに用いるこ とができる。また、突然変異体または野生型プソリアスタチンポリペプチド、例 えばプソリアスタチンI型もしくはプソリアスタチンII型ポリペプチドの、自然 または合成阻害剤を発見するのに用いることができる。該化合物は、様々な官能 基で装飾された芳香族スカホールド、例えばビスアミドフェノールを有する、ペ プチドまたは非ペプチド分子、例えば、好ましくは500 〜5,000 の分子量、より 好ましくは500 〜1,000 の分子量の小分子であることができる。 略述すると、二ハイブリッドアッセイ系[例えば、Bartel et al.(1993)Cel lular Interaction in Development: A practical Approach,D.A.Harley,ed. ,Oxford University Press,Oxford,pp.153-179 を参照されたい]は、酵母細 胞でのタンパク質−タンパク質相互作用の検出を許す。公知のタンパク質、例え ばプソリアスタチンポリペプチドは、しばしば、「ベイト」タンパク質と呼ばれ る。ベイトタンパク質との結合について試験されるタンパク質は、しばしば、「 フィッシュ」タンパク質と呼ばれる。「ベイト」タンパク質、例えばプソリアス タチンポリペプチドは、GAL4というDNA結合ドメインと融合させる。「フィッ シュ」となり得るタンパク質は、GAL4活性化ドメインと融合させる。「ベイト」 タンパク質と「フィッシュ」タンパク質とが作用し合うならば、二つのGAL4ドメ インは、密接に近付けられ、こうして、宿主の酵母細胞が、特定の増殖選別に生 存できるようにする。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンポリペプチド、例えばプソ リアスタチンI型またはプソリアスタチンII型ポリペプチドの活性を有する断片 もしくは類似体を特定する方法を特徴とする。該方法は、初めに、プソリアスタ チンポリペプチドと作用し合う化合物、例えばカテプシンLを特定し、該化合物 が該断片または類似体を結合できるのを決定することを含む。上記の二ハイブリ ッドアッセイは、断片結合化合物を得るのに用いることができる。次いで、これ らの化合物を「ベイト」として用いて、これらの化合物と作用し合うか、結合す るか、または複合体を形成するプソリアスタチンポリペプチドの断片を釣り上げ 、かつ特定することができる。 もう一つの態様では、本発明は、非野生型アミノ酸配列を有するプソリアスタ チンポリペプチド、例えばプソリアスタチンI型またはプソリアスタチンII型ポ リペプチド、例えば、天然に産するプソリアスタチンポリペプチド、例えばプソ リアスタチンI型もしくはプソリアスタチンII型ポリペプチドの拮抗薬、作用薬 または超作用薬を製造する方法を特徴とする。該方法は、例えば、保存領域もし くは非保存領域の1個またはそれ以上の残基の置換または欠失によって、プソリ アスタチンポリペプチドの配列(例えばSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4)を変 更し、望みの活性、例えば、アポトーシスまたは細胞増殖を調整、例えば阻害も しくは促進できる能力について、該変更されたポリペプチドを試験する。 もう一つの態様では、本発明は、非野生型活性を有するプソリアスタチンペプ チド、例えばプソリアスタチンI型またはプソリアスタチンII型ポリペプチド、 例えば、天然に産するプソリアスタチンポリペプチド、例えばプソリアスタチン I型もしくはプソリアスタチンII型ポリペプチドの拮抗薬、作用薬または超作用 薬を製造する方法を特徴とする。該方法は、例えば、保存領域もしくは非保存領 域の1個またはそれ以上の残基の置換または欠失によって、プソリアスタチンポ リペプチドの配列(例えばSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4)を変更し、望みの 活性、例えば、アポトーシスまたは細胞増殖を調整、例えば阻害もしくは促進で きる能力について、該変更されたポリペプチドを試験する。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンポリペプチド、例えばプソ リアスタチンI型もしくはプソリアスタチンII型ポリペプチドの断片または類似 体、例えば、天然に産するプソリアスタチンポリペプチドの少なくとも1種類の 生物学的活性を有するプソリアスタチンポリペプチドを製造する方法を特徴とす る。該方法は、例えば、プソリアスタチンポリペプチドの、好ましくは保存残基 もしくは非保存残基である1個またはそれ以上の残基の置換または欠失によって 、該配列を変更し、望みの活性、例えば、アポトーシスまたは細胞増殖を調整、 例えば阻害もしくは促進できる能力について、該変更されたポリペプチドを試験 する。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンポリペプチド、例えばプソ リアスタチンI型またはプソリアスタチンII型ポリペプチドに仲介されるカテプ シンLの調節を調整できる能力について、化合物を評価する方法を特徴とする。 該方法は、該化合物をプソリアスタチンポリペプチドおよびカテプシンLのいず れか、または双方と接触させ、プソリアスタチンがカテプシンLを阻害できる能 力に対する該化合物の効果を決定することを包含する。 もう一つの態様では、本発明は、カテプシンL活性を調整できる能力について 、化合物を評価する方法を特徴とする。該方法は、該化合物をプソリアスタチン ポリペプチド(例えばプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチド)およびカ テプシンLのいずれか、または双方と接触させ、カテプシンLの活性に対する該 化合物の効果を決定することを包含する。 もう一つの態様では、本発明は、哺乳動物、例えばヒトを治療する方法を特徴 とする。該方法は、プソリアスタチンI型またはプソリアスタチンII型の活性を 調整する治療上有効な量の物質を該哺乳動物に投与することを包含する。 もう一つの態様では、本発明は、望ましくない細胞増殖、または野生型レベル 未満のアポトーシスによって特徴付けられる疾患、例えば癌または乾癬の危機に ある哺乳動物、例えばヒトを治療する方法を特徴とする。該方法は、プソリアス タチンI型またはプソリアスタチンII型の活性を調整する、例えば阻害する処置 を該哺乳動物に与えること、例えば、プソリアスタチンポリペプチド、例えばプ ソリアスタチンI型またはプソリアスタチンII型ポリペプチドの拮抗薬をコード する、治療上有効な量の核酸を投与することを包含する。 もう一つの態様では、本発明は、望ましくない細胞増殖、または野生型レベル 未満のアポトーシスによって特徴付けられる疾患、例えば癌または乾癬の危機に ある哺乳動物、例えばヒトを治療する方法を特徴とする。該方法は、プソリアス タチンI型またはプソリアスタチンII型の活性を調整する、例えば阻害する処置 を該哺乳動物に与えること、例えば、治療上有効な量のプソリアスタチンポリペ プチドの拮抗薬、例えばプソリアスタチンI型またはプソリアスタチンII型ポリ ペプチドの拮抗薬を投与することを包含する。 好適実施態様では、該プソリアスタチンポリペプチドの拮抗薬は、プソリアス タチンのアンチセンス核酸、または抗プソリアスタチン抗体である。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチン、例えばプソリアスタチン I型またはII型の遺伝子調節配列をコードする核酸を結合できる能力について、 化合物を評価する方法を特徴とする。該方法は、該化合物を該核酸と接触させ; 該化合物が該核酸との複合体を形成できる能力を評価することを包含する。好適 実施態様エンハンサー、プソリアスタチン遺伝子調節配列を、異種遺伝子、例え ばリポーター遺伝子に機能的に結合させる。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンポリペプチド、例えばプソ リアスタチンI型またはプソリアスタチンII型ポリペプチドをコードする核酸で 形質転換した、ヒトの細胞、例えば線維芽細胞または皮膚細胞、例えばケラチン 細胞を特徴とする。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンポリペプチド(SEQ ID NO: 2またはSEQ ID NO:4)をコードする核酸、またはその類似体もしくは断片を含 む発現ベクター;プソリアスタチンポリペプチド(SEQ ID NO:2またはSEQ ID N O:4)をコードする核酸、またはその類似体もしくは断片を含む発現ベクターで 形質転換した細胞;およびプソリアスタチンポリペプチド(SEQ ID NO:2または SEQ ID NO:4)をコードする核酸、またはその類似体もしくは断片を含む発現ベ クターで形質転換した細胞を培養することによって製造したプソリアスタチンポ リペプチドを包含する。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチンI型またはプソリアスタチ ンII型トランス遺伝子、例えば、野生型のプソリアスタチンI型もしくはプソリ アスタチンII型遺伝子の全部または一部の欠失を有する、プソリアスタチンI型 またはプソリアスタチンII型遺伝子を有するトランスジェニックな動物、好まし くは哺乳動物、例えばマウス、ラット、ブタまたはヤギを包含する。 そのようなトランスジェニックな動物は、突然変異したか、もしくは誤発現さ れたプソリアスタチンI型またはII型遺伝子の対立遺伝子に関連する疾患を研究 するためのモデルとしてか、あるいは薬物ふるい分けでの使用に役立つことがで きる。例えば、本発明は、細胞増殖またはアポトーシスの調整、例えば刺激また は阻害に関連するパラメーターに対する、プソリアスタチンI型もしくはII型遺 伝子の発現または誤発現の効果を評価する方法を包含する。該方法は、プソリア スタチン、例えばプソリアスタチンI型またはII型のトランス遺伝子を有するか 、さもなければプソリアスタチン、例えばプソリアスタチンI型および/または II型の遺伝子を誤発現するトランスジェニック動物を与えることと;該動物を作 用因と接触させることと;細胞増殖またはアポトーシスの調整、例えば刺激また は阻害に関連するパラメーターに対する該トランス遺伝子の効果を評価すること とを包含する。 もう一つの態様では、本発明は、細胞増殖またはアポトーシスを調整する、例 えば細胞増殖もしくはアポトーシスを阻害または促進する方法であって、プソリ アスタチン活性、例えばプソリアスタチンI型またはII型活性を、例えばプソリ アスタチン活性を阻害または促進する化合物を投与することによって調整するこ とを包含する方法を特徴とする。 もう一つの態様では、本発明は、細胞増殖を阻害するか、またはアポトーシス を促進する方法であって、プソリアスタチン活性、例えばプソリアスタチンI型 またはプソリアスタチンII型活性を、例えばプソリアスタチン活性を阻害する有 効量の化合物を投与することによって、阻害することを包含する方法を特徴とす る。 好適実施態様では、プソリアスタチン活性を、細胞、例えば皮膚細胞、例えば ケラチン細胞を、プソリアスタチンポリペプチド、例えばプソリアスタチンI型 および/またはプソリアスタチンII型ポリペプチドの拮抗薬、アンチセンスプソ リアスタチン、または抗プソリアスタチン抗体と接触させることによって、阻害 する。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチン活性、例えばプソリアスタ チンI型またはプソリアスタチンII型活性を促進することを包含する、細胞増殖 を促進するか、またはアポトーシスを阻害する方法を特徴とする。 好適実施態様では、プソリアスタチン活性を、細胞、例えば皮膚細胞、例えば ケラチン細胞を、プソリアスタチンポリペプチド、例えばプソリアスタチンI型 および/またはプソリアスタチンII型ポリペプチド、またはプソリアスタチンポ リペプチド作用薬と接触させることによって、促進する。 もう一つの態様では、本発明は、細胞を有効量のプソリアスタチン、例えばプ ソリアスタチンI型および/またはII型ポリペプチドと接触させることを包含す る、カテプシンL活性を調整、例えば促進または阻害する方法を特徴とする。 もう一つの態様では、本発明は、プソリアスタチン、例えばプソリアスタチン I型および/またはII型活性を阻害する、治療上有効な量の化合物を患者に投与 することを包含する、皮膚疾患、例えば乾癬の治療法を特徴とする。 好適実施態様では、プソリアスタチン活性を阻害する化合物は、ペプチド拮抗 薬、抗体またはアンチセンス分子のいずれでもある。 好適実施態様では、患者は、哺乳動物、例えば齧歯類、例えばマウスもしくは ラット、または霊長類、例えばヒトである。 本明細書で用いられる限りで、「異種プロモーター」は、天然にはプソリアス タチン、例えばプソリアスタチンI型またはII型の遺伝子に付随しないプロモー ターである。 本明細書で用いられる限りで、プソリアスタチンI型ポリペプチドまたはその 断片もしくは類似体の「精製調製物」または「実質的に純粋な調製物」は、天然 にはプソリアスタチンI型ポリペプチドがそれとともに産する、プソリアスタチ ンII型タンパク質を包含する1種類またはそれ以上のその他のタンパク質、脂質 および核酸を含まない、プソリアスタチンI型ポリペプチドまたはその断片もし くは類似体を意味する。好ましくは、該ポリペプチドまたはその断片もしくは類 似体は、それを精製するのに用いられる物質、例えば抗体またはゲルマトリック ス、例えばポリアクリルアミドからも分離される。好ましくは、該ポリペプチド またはその断片もしくは類似体は、精製調製物の乾燥重量の少なくとも10、20、 50、70、80または95%を構成する。好ましくは、該調製物は、少なくとも1、10 または100 mgの該ポリペプチドでのタンパク質配列決定を許すのに充分なポリペ プチドを、少なくとも1、10または100 mgの該ポリペプチドで含有する。 本明細書で用いられる限りで、プソリアスタチンII型ポリペプチドまたはその 断片もしくは類似体の「精製調製物」または「実質的に純粋な調製物」は、天然 にはプソリアスタチンII型ポリペプチドがそれとともに産する、プソリアスタチ ンI型タンパク質を包含する1種類またはそれ以上のその他のタンパク質、脂質 および核酸を含まない、プソリアスタチンII型ポリペプチドまたはその断片もし くは類似体を意味する。好ましくは、該ポリペプチドまたはその断片もしくは類 似体は、それを精製するのに用いられる物質、例えば抗体またはゲルマトリック ス、例えばポリアクリルアミドからも分離される。好ましくは、該ポリペプチド またはその断片もしくは類似体は、精製調製物の乾燥重量の少なくとも10、20、 50、70、80または95%を構成する。好ましくは、該調製物は、少なくとも1、10 または100 mgの該ポリペプチドでのタンパク質配列決定を許すのに充分なポリペ プチドを、少なくとも1、10または100 mgの該ポリペプチドで含有する。 本明細書で用いられる限りで、「細胞の精製調製物」は、植物または動物細胞 の場合、細胞のin vitro調製物を意味し、健全な植物または動物全体を意味しな い。培養細胞または微生物細胞の場合は、対象細胞の少なくとも10%、より好ま しくは50%の調製物よりなる。 本明細書で用いられる限りで、「処置」は、いかなる治療処置、例えば治療的 作用因または物質、例えば薬物の投与も包含する。 プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドをコードする「実質的に純粋な 核酸」、例えば実質的に純粋なDNAは、該核酸が由来する生物の天然に産する ゲノム中の直接隣接するコーティング配列の一方または双方(すなわち、5’末 端のそれ、および3’末端のそれ)に直接隣接しないか;あるいは該核酸が由来 する生物にそれとともに出現する核酸配列を実質的に含まないかの一方または双 方である核酸である。この用語は、例えば、ベクターに、例えば自動的に複製す るプラスミドもしくはウイルスに、または原核もしくは真核生物のゲノムDNA に組み込まれるか、あるいは他のDNA配列とは無関係の別個の分子(例えば、 PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって生成されたcDNAもしくは ゲノムDNAの断片)として存在する、組換えDNAを包含する。実質的に純粋 なDNAは、追加のプソリアスタチンI型またはII型配列をコードする雑種遺伝 子の一部である、組換えDNAも包含する。 本明細書で用いられる限りで、「相同である」とは、2ポリペプチド分子間ま たは2核酸分子間での配列の相似性を意味する。比較される2配列の双方中のあ る位置が、同じ塩基またはアミノ酸の単量体単位によって占められるとき、例え ば、二つのDNA分子のそれぞれの位置がアデニンによって占められるならば、 該分子は、その位置で相同である。2配列間の相同性の百分率は、2配列が共有 する一致するか、または相同である位置の数を、比較した位置の数で除して100 倍した関数である。例えば、2配列中の位置10ケ所のうち6ケ所が、一致するか 、または相同であるならば、2配列は、60%相同である。例として、DNA配列 ATTGCCとTATGGCとは、50%の相同性を共有する。一般に、比較は、2配列を最高 の相同性を与えるように整合させたときに、なされる。 用語「ペプチド」、「タンパク質」および「ポリペプチド」は、本明細書では 相互可換的に用いられる。 本明細書で用いられる限りで、用語「トランス遺伝子」は、それを導入したト ランスジェニックな動物または細胞に対して部分的もしくは全体的に異種、すな わち異質であるか、あるいはそれを導入したトランスジェニックな動物または細 胞の固有の遺伝子と相同であるが、該動物のゲノムに、それを挿入した細胞のゲ ノムを変えるように挿入されるよう設計されるか、または挿入される(例えば、 天然の遺伝子のとは異なる位置に挿入されるか、またはその挿入がノックアウト を招く)、核酸配列(例えば1種類またはそれ以上のプソリアスタチンI型およ び/またはII型ポリペプチドをコードする)を意味する。トランス遺伝子は、選 ばれた核酸にすべて機能的に結合された、一つまたはそれ以上の転写調節配列と 、選ばれた核酸の最適の発現に必要であり得るその他のいかなる核酸、例えばイ ントロンとを有することができ、エンハンサー配列を有してよい。 本明細書で用いられる限りで、用語「トランスジェニック細胞」は、トランス 遺伝子を含有する細胞を意味する。 本明細書で用いられる限りで、「トランスジェニック動物」は、該動物の細胞 の1個またはそれ以上、好ましくは本質的にすべてがトランス遺伝子を含有する いかなる動物も意味する。トランス遺伝子は、計画的な遺伝子操作、例えば微量 注入、または組換えウイルスの感染を用いた細胞の前駆体への導入によって、直 接または間接的に細胞に導入することができる。この分子は、染色体に組み込ん でも、DNAを染色体外で複製してもよい。 本明細書で用いられる限りで、用語「組織特異的プロモーター」は、選ばれた DNA配列、例えば、該プロモーターに機能的に結合したプソリアスタチン、例 えばプソリアスタチンI型またはII型の遺伝子のプロモーターとして役立つ、す なわち発現を調節し、組織、例えばニューロンの特異的な細胞での該選ばれたD NA配列の発現を作用させるDNA配列を意味する。この用語は、専ら一組織で の選ばれたDNAの発現を調節するが、他の組織での発現も生起する、いわゆる 「漏出」プロモーターも網羅する。 ポリペプチドは、下記の特性の一つまたはそれ以上を有するならば、「プソリ アスタチンI型ポリペプチドの少なくとも1種類の生物学的活性」を有する:( 1)(a)野生型プソリアスタチンI型ポリペプチド、(b)天然に産する突然 変異体プソリアスタチンI型ポリペプチド、または(c)(a)もしくは(b) のいずれかの断片に特異的な抗体または抗体断片と反応できる能力;(2)カテ プシンL活性を特異的に阻害できる能力;(3)細胞増殖を促進できるか、また はアポトーシスを阻害できる能力;あるいは(4)(1)、(2)または(3) に列挙した活性の拮抗薬もしくは作用薬として作用できる能力。 ポリペプチドは、下記の特性の一つまたはそれ以上を有するならば、「プソリ アスタチンII型ポリペプチドの少なくとも1種類の生物学的活性」を有する:( 1)(a)野生型プソリアスタチンII型ポリペプチド、(b)天然に産する突然 変異体プソリアスタチンII型ポリペプチド、または(c)(a)もしくは(b) のいずれかの断片に特異的な抗体または抗体断片と反応できる能力;(2)細胞 増殖を促進できるか、またばアポトーシスを阻害できる能力;(3)核に局在で きる能力;あるいは(4)(1)、(2)または(3)に列挙した活性の拮抗薬 もしくは作用薬として作用できる能力。 本明細書で用いられる限りで、「誤発現」は、プソリアスタチンI型またはプ ソリアスタチンII型遺伝子発現の非野生型パターンを意味する。それは、非野生 型レベルでの発現、すなわち過剰または過少な発現;遺伝子が発現される時点ま たは段階という形での、野生型と異なる発現のパターン、例えば、所定の時期ま たは段階での(野生型と比較しての)増大もしくは減少した発現;所定の細胞型 または組織型での(野生型と比較しての)減少した発現という形での、野生型と 異なる発現のパターン;発現されたプソリアスタチンI型もしくはプソリアスタ チンII型ポリペプチドのスプライシング、大きさ、アミノ酸配列、転写後の変更 、安定性または生物学的活性という形での、野生型と異なる発現パターン;プソ リアスタチンI型もしくはプソリアスタチンII型遺伝子の発現に対する、環境の 刺激または細胞外の刺激の効果という形での、野生型と異なる発現のパターン、 例えばその刺激の強さの増大または減少の存在下での(野生型と比較しての)増 大または減少した発現のパターンを包含する。 本明細書に記載される限りで、本発明の一態様は、プソリアスタチンI型もし くはプソリアスタチンII型ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、および /またはそのような核酸の等価物を有する純粋な(もしくは組換えによる)核酸 を特徴とする。用語「等価物」は、機能的に等価であるポリペプチド、または、 例えば、プソリアスタチンI型もしくはプソリアスタチンII型ポリペプチドに特 異的な抗体と反応できる能力を保持する、機能的に等価であるポリペプチドを意 味する。等価のヌクレオチド配列は、1個またはそれ以上のヌクレオチドの置換 、付加または欠失によって異なる配列、例えば対立遺伝子の変異型を包含するこ とになり、そのため、遺伝暗号の縮重のために、SEQ ID NO:1に示したプソリア スタチンのヌクレオチド配列とは異なる配列も包含する。 本発明の実施は、別途指示されない限り、細胞生物学、細胞培養、分子生物学 、トランス遺伝子生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学の、当技術の技 量の範囲内にある慣用の手法を用いることになる。そのような手法は、文献に記 載されている。例えば、Molecular Cloning,A Laboratory Mannual,2nd ed., by Sambrook,Fritsch and Maniatis(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989);DNA Cloning,vol.I and II(D.N.Glovered.,1985);Oligonucleot ide Synthesis(M.J.Gait ed.,1984);Mullis et al.,米国特許第4,683,195 号明細書;Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins eds.198 4);Transcription And Translation(B.D.Hames & S.J.Higgins eds.1984 );Culture Of Animal Cells(R.I.Freshney,Alan R.Liss,Inc.,1987); Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press,1986);B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984);the treatise,Methods In Enzymology (Academic Press,Inc.,N.Y.);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cell s(J.H.Miller and M.P.Calos eds.,1987,Cold Spring Harbor Laboratory );Methods In Enzymology,Vols.154 and 155(Wu et al.eds.),Immunoch emical Methods in Cell And Molecular Biology(Mayer and Walker,eds.,Ac ademic Press,London,1987);Handbook Of Experimental Immunology,Vols .I-IV(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1986);Manipulating the Mou se Embryo,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N. Y.,1986)を参照されたい。 本発明のプソリアスタチンI型およびプソリアスタチンII型遺伝子並びにポリ ペプチドは、望ましくない細胞増殖、または望ましいレベル未満のアポトーシス に付随する疾病、例えば乾癬を研究、診断および/または治療するのに役立つ。 該遺伝子(またはその断片)は、望ましくない機能を有するポリペプチドをコー ドする、突然変異体もしくは野生型プソリアスタチンI型またはII型遺伝子の発 現を阻害できるアンチセンス構成体を調製するのに用いることができる。これに 代えて、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドは、乾癬に付随するタン パク質またはタンパク質レベルを検出できる抗体を誘導するのに用いることがで きる。プソリアスタチンI型またはII型の拮抗薬を乾癬に罹患した患者に投与し て、野生型プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの活性を阻害すること ができる。その上、プソリアスタチンI型もしくはII型ペプチド、抗体または核 酸は、乾癬組織の特定に用いることができる。プソリアスタチンペプチドは、核 に局在することから、化合物を核に送達するのに用いることができる。抗プソリ アスタチン抗体は、核を特定するのに用いることができる。 本発明のその他の特徴および利点は、下記の詳細な説明、およびクレームから 明らかになると思われる。 [図面の簡単な説明] 図1は、システインプロテイナーゼに対するプソリアスタチン調製物の阻害状 況を表わすグラフである。図1A:リソソームのシステインプロテイナーゼであ るカテプシB(−s−)、カテプシンH(−n−)およびカテプシンL(−1− )に対する効果。図1B:植物のシステインプロテイナーゼであるパパイン(− m−)、フィシン(−o−)およびブロメライン(−_−)に対する効果。プソ リアスタチンと酵素間のモル比([I]/[E])を横軸に示す。残留酵素活性 は、プソリアスタチンとの前温置の後に測定した。 図2は、セリンプロテイナーゼに対するプソリアスタチン調製物の効果を描く グラフである。ウロキナーゼ(o)、プラスミン(s)、トロンビン(_)、キ モトリプシン(n)またはトリプシン(l)をプソリアスタチン(20倍過剰なモ ルまで)とともに温置し、残留酵素活性を測定した。パパインに対する阻害(− m−)も示した。 図3は、プソリアスタチンIの核酸配列である。 図4は、プソリアスタチンIのアミノ酸配列である。 図5は、プソリアスタチンIIの核酸配列である。 図6は、プソリアスタチンIIのアミノ酸配列である。 [発明の詳細な説明] プソリアスタチンの精製 Superose 12 によるゲルクロマトグラフィーから得られた最終調製物は、SD S−PAGEによる還元および非還元条件の双方で、相対質量が43,000の単一タ ンパク質バンドを示した。プソリアスタチンの分子量は、表皮シスタチンおよび 低分子量キニノーゲンと明確に識別された。精製段階を表1に要約する。比活性 は80倍に上昇し、収率は3.9 %であった。しかし、未精製抽出物中のシスタチン 含有量のために、比活性の上昇と収率とは比較的低かった。Sephacryl S-200 に よるゲルクロマトグラフィーは、シスタチンからプソリアスタチンを明確に分離 した。未精製抽出物中の総パパイン阻害剤活性のうち、阻害の約40%はプソリア スタチンから、そして60%はシスタチンから生じたと算出された。 精製プロトコルは、基本的には下記のとおりであった。プソリアスタチンは、 Sephacryl S-200 、DEAEセファロース、高性能陽イオン交換Mono S、クロマ トフォーカシングMono P、およびSuperose 12 によるゲルクロマトグラフィーに よって乾癬の鱗屑から精製した。 この精製プロトコルは、プソリアスタチンI型とII型との混合物を生じ得る。 プソリアスタチンI型およびII型の純粋調製物は、組換えによるか、またはプソ リアスタチンI型とII型とを区別できる抗体を用いる免疫親和法によって製造す ることができる。 カテプシンの精製 Doleneらの方法[Biol.Chem.Hoppe-Seyler 373: 407-412(1992)]を用いて 、新鮮なウシ腎臓からウシカテプシンB、HおよびLを精製した。 抗体の製造 プソリアスタチン調製物に対する抗体は、フロイント完全アジュバントへの精 製プソリアスタチン0.5 mgの注射の後、3回の不完全アジュバントでの促進注射 によって、ラットに誘導した。IgG分画は、プロテインA−セファロースクロ マトグラフィーによって精製した。 阻害アッセイ:システインプロテイナーゼおよびセリンプロテイナーゼに対する 効果 図1Aは、リソソームシステインプロテイナーゼに対するプソリアスタチン調 製物の効果を立証している。プソリアスタチン調製物は、カテプシンLを用量依 存性の様式で阻害した。カテプシンBまたはHに対しては、この阻害剤の20倍の 過剰モルの濃度でさえ、いかなる阻害効果も示さなかった。プソリアスタチンは 、特異的なカテプシンL阻害剤であると結論された。植物システインプロテイナ ーゼに対する阻害状況を図1Bに示す。プソリアスタチンは、パパイン、フィシ ンおよびブロメラインを不活性化したが、ブロメラインの阻害は、パパインおよ びフィシンのそれと比較して多少弱かった。カテプシンLおよびパパインに対す るプソリアスタチンのKi値は、それぞれ、1.9nM および1.68nMと算出された。 これらの値は、これらの酵素と緊密に結合した複合体の形成を明らかにする。 相同性検索が、セルピン類とのプソリアスタチンの類似性を明確に立証したた め、セリンプロテイナーゼに対するその阻害効果を試験した。図2に示したとお り、プソリアスタチンは、ウロキナーゼ、プラスミン、トロンビン、キモトリプ シンまたはトリプシンに対していかなる阻害効果も示さず、プソリアスタチンは 、セルピン類との強力な相同性を示すものの、システインプロテイナーゼ阻害剤 の新成員と見なすべきであることが確認された。 阻害アッセイは、基本的には下記のとおり実施した。Z-Phe-Arg-MCA を基質と して用いて[Barrett and Kirschke(1981)Methods Enzymol.80:535-561 ]、 カテプシンL活性を決定した。プソリアスタチンがカテプシンLを阻害できるこ とは、該阻害剤を基質の添加の前にカテプシンLとともに10分間温置することに よって決定した。カテプシンLおよびパパインについてのKi値は、異なる基質 濃度で得られたディクソンプロット([I]とl/Vとの間の相関関係)の交差 から算出した。パパイン、フィシンおよびブロメラインに対する阻害のための基 質としては、BANAを用いた[Ito et al.(1984)J.Invest.Dermatol.83 ,265-269]。セリンプロテイナーゼに対する阻害は、色素原性基質を用いて検 定した[Hibino et al.(1986)FEBS Lett.208:273-277 ]。 電気泳動および免疫ブロッティング プソリアスタチン調製物の均質性および分子量を、SDS−ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動(PAGE)によって決定した[U.K.Laemmli(1970)Nature 2 27: 680-685 ]。異なるpHでのプソリアスタチンとカテプシンLとの相互作用も 、SDS−PAGE、次いで免疫ブロット分析を用いて調べた。pH5.0 および6. 5 での阻害剤とカテプシンLとの等モル混合物を、150 分まで室温に保った。0. 25容のSDS−PAGE試料緩衝液の添加[Hibino et al.(1986)FEBS Lett .208: 273-277]、および3分間の煮沸によって反応を終結させた。SDS−P AGEによって分離したタンパク質を、PVDF膜(Millipore,MA )上に電気 的に移転した。膜をウサギ抗プソリアスタチンIgGとともに温置し、次いで、 アルカリホスファターゼを複合させた抗ウサギIgG(Promega,Madison,WI) と反応させた。展色には、ニトロブルーテトラゾリウムおよびリン酸5−ブロモ −4−クロロ−3−インドリル(Promega )を用いた。 トリプシン性断片のアミノ酸配列解析 配列データは、プソリアスタチンのトリプシン性ペプチドから得た。186 残基 を首尾よく配列決定したが、それらは、プソリアスタチンの分子量のほぼ半分を 網羅する。 配列決定実験は、基本的には下記のとおり実施した。精製プソリアスタチン約 100 mgを、トリプシン1mgによって37℃で6時間消化し、生成された断片を、T SKフェニル5PW RPカラム(Toso,日本)を用いる逆相HPLCによって分離し た。単離された36の主ピークのうち、19ペプチドをApplied Biosystem 470 A の 気相シークエネーターで配列決定した。 プソリアスタチンI型およびプソリアスタチンII型のクローニングおよび特徴付 け ポリA+RNA約4mgを、削剃生検を通じて乾癬の皮膚から単離した。プソリ アスタチンcDNAライブラリーは、IZAP Express cDNA 合成キット(Stratage ne)を用いて構成した。2,000 塩基対前後のcDNAをZAP Express ベクターに 挿入し、Gigapack II Goldのパッケージング抽出物(Stratagene)でパッケージ ングした。ライブラリーは、トリプシン性ペプチドの配列に基づくプライマーを 用いたPCRによって得られたcDNA断片でふるい分けした。三次ふるい分け の後、25の陽性クローンを単離し、解析した。5’末端の配列を有するクローン は皆無であった。完全な長さのクローンは、5’RACE系(GIBCO )を用いて 得た。PstI消化を用いたこれらのクローンの制限酵素分析は、プソリアスタチン cDNAの別個の2群を立証した。クローンの一方を配列決定し、第896 〜1,71 1 ヌクレオチドがSCC−Aと高度に相同であるが、第1,130 ヌクレオチドのG がプソリアスタチンI型遺伝子のAに置き換えられた配列を有することを見出し た。1,130 位でのGからAへの置換は、他の5ケ所の置換(SCC−Aと比較し た限りでの)とともに、異なる源泉から構成したTAクローンの配列決定によっ て確認した。1,130 位でのGからAへの置換は、357 位でのAla からThr へのア ミノ酸の変化を生起し、相同セルピン類の反応性部位のP’2またはP’3の位 置に対応し得る。この新規遺伝子であるプソリアスタチンI型の読み取り枠は、 長さが390 アミノ酸長である。プソリアスタチン調製物(5.9nM )とSCC−A (0.067nM )との間のカテプシンLのKi値の差は、このアミノ酸置換によって 説明できると思われる。 配列決定されたクローンのうちいくつかは、プソリアスタチンI型遺伝子とは 別個の配列を有した。この配列は、プソリアスタチンエ型遺伝子とのその高い相 同性のために、プソリアスタチンII型遺伝子と名付けた。この新規遺伝子、すな わちプソリアスタチンII型の読み取り枠は、長さが390 アミノ酸長である。この クローンは、第351 〜357 アミノ酸残基(SCC−Aの第351 〜357 アミノ酸残 基に対応する)で、相同セルピンの反応性部位から大きく逸脱している。このク ローンは、アポトーシスの調節に関与するICE様酵素の阻害に関与することが 公知であるcrmA遺伝子と約40%相同である。 予測されるタンパク質の、GCGプログラムを用いた整合分析は、プソリアス タチンI型およびII型がSCC−Aと、それぞれ、98および91%相同であること を明らかにした。両型とも、pGEX-4T-2 のベクターにサブクローニングし、GS T融合タンパク質として発現させた。プソリアスタチンI型のみが、カテプシン Lに対する阻害剤活性を示し、I型とII型とのプソリアスタチン間の機能的相違 を立証した。 プソリアスタチン発現の研究 予備研究は、上記のプソリアスタチン混合物に対して誘導した抗体を用いた、 プソリアスタチンの重染色が、調べた乾癬の全症例で常に見出された(10/10) のに対し、扁平細胞癌(SCC)の少数(2/8)で弱くのみ陽性であったにす ぎないことを明らかにした。したがって、この分子の存在は、明らかに、乾癬に 対する指標であって、SCCに対してではない。プソリアスタチンの名称は、こ の阻害剤が、正常表皮抽出物中には見出されず、試験したすべての乾癬患者(n =15)が、この特定の阻害剤の存在を立証したことから、この阻害剤に与えられ たのである。 免疫電子顕微鏡測定 上記のプソリアスタチン混合物に対して誘導した抗体を用いて、乾癬の表皮に おけるプソリアスタチンの所在を電子顕微鏡測定を用いて突きとめた。結果は、 プソリアスタチンは、細胞の核ばかりでなく、細胞質、および細胞−細胞接触部 域にも局在することを示す。プソリアスタチンI型に対して誘導した抗体は、こ のタンパク質の所在を核に求めることができなかった。 発明を実施するのに用い得るその他の手順 遺伝子療法 本発明の遺伝子構成体は、プソリアスタチンI型もしくはII型ポリペプチドの 作用薬または拮抗薬の形態のいずれかをコードする核酸を送達するための、遺伝 子療法のプロトコルの一部として用いることもできる。本発明は、in vivo での 遺伝子注入と、特定の細胞型(例えば皮膚の細胞)での、ポリペプチドが発現も しくは誤発現される細胞でのプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの機 能を再構成し、機能を増強し、またはこれに代えて、機能を打ち消すような、プ ソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの発現とのための発現ベクターを特 徴とする。 プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの発現構成体は、プソリアスタ チンI型またはII型をin vivo で細胞に効果的に送達できる、生物学的に有効な いかなる担体としても、例えば、いかなる配合物もしくは組成物としても投与し てよい。取り組み方は、組換えレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウ イルス、および単純ヘルペスウイルス1を包含する、ウイルス性ベクター、また は組換え細菌性もしくは真核性プラスミドへの対象遺伝子の挿入を包含する。ウ イルス性ベクターは、細胞に直接遺伝子注入し;プラスミドDNAは、例えば、 陽イオン性リポソーム(リポフェクチン)、または誘導体化した(例えば抗体と 複合させた)ポリリシン複合体、グラミシジンS、人工ウイルスエンベロープそ の他のそのような細胞内担体はもとより、遺伝子構成体の直接注入、またはin v ivo で実施されるCaPO4沈降を援用して送達することができる。 細胞への核酸のin vivo での導入のための好適な取り組み方は、プソリアスタ チンI型またはII型ポリペプチドをコードする核酸、例えばcDNAを含有する ウイルス性ベクターの使用による。細胞へのウイルス性ベクターの感染は、標的 細胞の大きな比率が核酸を受容できるという利点を有する。加えて、例えばウイ ルス性ベクターに含まれるcDNAによって、ウイルス性ベクター内にコードさ れた分子は、ウイルス性ベクターを取り込んだ細胞で効率的に発現される。 レトロウイルスベクター、およびアデノ関連ウイルスベクターは、in vivo で の、特にヒトへの、外来遺伝子の移転のための組換え遺伝子送達系として用いる ことができる。これらのベクターは、細胞への遺伝子の効率的な送達を与え、移 転された核酸は、宿主の染色体DNAに安定的に組み込まれる。複製欠陥レトロ ウイルスのみを生産するにすぎない特殊化された細胞系(「パッケージング細胞 」と呼ぶ)の開発は、遺伝子療法のためのレトロウイルスの効用を高め、欠陥レ トロウイルスは、遺伝子療法を目的とする遺伝子移転での用途に向けて特徴付け られている[総説については、A.D.Miller(1990)Blood 76:271 を参照された い]。複製欠陥レトロウイルスは、ビリオンにパッケージされるが、これは、標 準的手法によって、ヘルパーウイルスの使用を通じて標的細胞を感染させるのに 用いることができる。組換えレトロウイルスを生産し、そのようなウイルスで細 胞をin vitroまたはin vivo で感染させるためのプロトコルは、Current Protoc ols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.(eds.)Greene Publishing Associates,(1989),Sections 9.10-9.14 その他の標準的研究室マニュアルに 見出すことができる。適切なレトロウイルスの例は、pLJ 、pZIP、pWE およびpE Mを包含し、当業者には公知である。エコトロピックおよび両種性レトロウイル ス系の双方を調製するのに適したパッケージングウイルス系の例は、ΨCrip、Ψ Cre 、Ψ2 およびΨAmを包含する。レトロウイルスは、様々な遺伝子を、上皮細 胞を包含する異なる多くの細胞型にin vitroおよび/またはin vivo で導入する のに用いられている[例えば、Eglitis,et al.(1985)Science 230:1395-139 8;Danos and Mulligan(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460-6464; Wil son et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:3014-3018; Armentano et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6141-6145; Huber et al.(199 1)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8039-8043; Ferry et al.(1991)Proc.N atl.Acad.Sci.USA 88:8377-8381; Chowdhury et al.(1991)Science 254:1 802-1805; van Beusechem et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:764 0-7644; Key et al.(1992)Human Gene Therapy 3:641-647; Dai et al.(19 92)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10892-10895; Hwu et al.(1993)J.Imm unol.150:4104-4115; 米国特許第4,868,116 号明細書;米国特許第4,980,286 号明細書;PCT出願第W/O89/07136 号公報;PCT出願第WO89/02468号公報; PCT出願第WO/05345号公報;およびPCT出願第WO92/ 07573 号公報を参照さ れたい]。 本発明に役立つもう一つのウイルス遺伝子送達系は、アデノウイルス由来ベク ターを利用する。アデノウイルスのゲノムは、問題の遺伝子産物をコードかつ発 現するが、正常な溶菌ウイルスの生活環で複製できるその能力の形では不活性化 されるように操作できる。例えば、Berkner et al.(1988)BioTechniques 6:6 16; Rosenfeld et al.(1991)Science 252:431-434; およびRosenfeld et al .(1992)Cell 68:143-155 を参照されたい。Ad株5型dl324 のアデノウイルス その他のアデノウイルスの株(例えばAd2 、Ad3 、Ad7 等々)に由来する適切な アデノウイルスベクターが、当業者に公知である。組換えアデノウイルスは、一 定の状況で、分裂しない細胞に感染できず、上皮細胞を包含する非常に多様な細 胞型に感染させるのに用い得ることが好都合であり得る[Rosenfeld et al.(1 992) 前掲]。更に、ウイルス粒子は、比較的安定であり、精製および濃縮に応じ易く 、上記のとおり、感染性のスペクトルに影響するように修飾できる。加えて、導 入されたアデノウイルスDNA(およびそれに含まれる外来DNA)は、宿主細 胞のゲノムに組み込まれないが、エピソーム的に残留し、それによって、導入さ れたDNAが宿主ゲノムに組み込まれる状況(例えばレトロウイルスDNA)で の挿入的突然変異形成の結果として生じ得る潜在的な問題を回避する。更に、ア デノウイルスのゲノムが外来DNAを担持する容量は、他の遺伝子送達ベクター に比して大きい(8キロベースまで)[Berker et al.前掲; Haj-Ahmand and G raham(1986)J.Virol.57:267 ]。 対象となるプソリアスタチンI型またはII型遺伝子の送達に役立つ更にもう一 つのウイルスベクター系は、アデノ関連ウイルス(AAV)である。アデノ関連 ウイルスは、天然に産する欠陥ウイルスであって、もう一つのウイルス、例えば アデノウイルスまたはヘルペスウイルスを、効率的な複製および生産的な生活環 のためのヘルパーウイルスとして必要とする[概観には、Muzycyzka et al.Cur r.Topics in Micro.and Immunol.(1992)158:97-129を参照されたい]。そ のDNAを分裂しない細胞に組み込んでよく、高頻度の安定的な統合を示す少数 のウイルスの一つでもある。[例えば、Flotte et al.(1992)Am.J.Respir .Cell.Mol.Biol.7: 349-356; Samulski et al.(1989)J.Virol.63:3822 -3828;およびMcLaughlin et al.(1989)J.Virol.62:1963-1973 を参照され たい]。AAVの僅か300 の塩基対を有するベクターは、パッケージし、組み込 むことができる。外因性DNAのためのスペースは、約4.5 kbに限られている。 Tratschin ら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3251-3261に記載されたようなAAV ベクターは、DNAを細胞に導入するのに用いることができる。様々な核酸が、 AAVを用いて異なる細胞型に導入されている[例えば、Hermonat et al.(19 84)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6466-6470; Tratschin et al.(1985)Mo l.Cell.Biol.4:2072-2081; Wondisford et al.(1988)Mol.Endocrinol.2 :32-39; Tratschin et al.(1984)J.Virol.51:611-619;およびFlotte et al .(1993)J.Biol.Chem.268:3781-3790 を参照されたい]。 上に例示したようなウイルス移転法に加えて、非ウイルス法も、哺乳動物、例 えばヒトの組織でのプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの発現を生起 するのに用いることができる。遺伝子移転のほとんどの非ウイルス法は、高分子 の取り込みおよび細胞内輸送に哺乳動物細胞が用いられる正常な機序に頼ってい る。好適実施態様では、本発明の非ウイルス遺伝子送達系は、標的細胞による対 象プソリアスタチンI型またはII型遺伝子の取り込みのために、飲食作用の経路 に頼る。この種の例示的な遺伝子送達系は、リポソームに由来する系、ポリリシ ン複合体、および人工ウイルスエンベロープを包含する。 代表的な実施態様では、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドをコー ドする遺伝子は、その表面に正電荷を有し(例えばリポフェクチン)、(任意に は)標的組織の細胞表面抗原に対する抗体によるタグが付けられたリポソームに 捕捉されることができる[Mizuno et al.(1992)脳神経外科20:547-551;PC T公開第WOO91/06309 号公報;日本国特許第1,047,381 号公報;およびヨーロッ パ公開特許第43075 号公報]。 臨床的設定では、治療的プソリアスタチンI型またはII型遺伝子に対する遺伝 子送達系は、それぞれ当技術に周知である多数の方法のいずれによっても、患者 に導入することができる。例えば、該遺伝子送達系の製剤調製物は、例えば静脈 内注射によって、全身的に導入でき、標的細胞でのタンパク質の特異的な形質導 入は、遺伝子送達伝達体、受容体遺伝子の発現を制御する転写調節配列に起因す る細胞型もしくは組織型の発現、またはそれらの組合せによって与えられた、遺 伝子注入の特異性から主として生じる。その他の実施態様では、組換え遺伝子の 最初の送達は、より限定的であり、動物への導入は、極めて局限される。例えば 、遺伝子送達伝達体は、カテーテルによって(米国特許第5,328,470 号明細書を 参照されたい)か、または立体定位による注射によって[例えば、Chen et al. (1994)PNAS 91:3054-3057]導入できる。本発明の好適実施態様では、プソリ アスタチンI型またはII型遺伝子は、皮膚細胞を標的とする。 遺伝子療法構成体の製剤調製物は、基本的に、許容され得る希釈物中の遺伝子 送達系よりなることができるか、または遺伝子送達伝達体を包埋した徐放性マト リックスを含むことができる。これに代えて、完全な遺伝子送達系が、組換え細 胞、例えばレトロウイルスベクターから完全に形成される場合は、製剤調製物は 、遺伝子送達系を形成する1個またはそれ以上の細胞を含むことができる。 アンチセンス療法 本発明のもう一つの態様は、「アンチセンス」療法での単離核酸の使用に関す る。本明細書で用いられる限りで、「アンチセンス」療法は、プソリアスタチン I型もしくはII型ポリペプチドをコードする細胞mRNAおよび/またはゲノム DNA、またはそれらの突然変異体と、細胞の条件下で特異的にハイブリダイズ (例えば結合)して、例えば転写および/または翻訳を阻害することによって、 コードタンパク質の発現を阻害する、オリゴヌクレオチドもしくはその誘導体の 投与、またはin situ での生成を忌みする。結合は、慣用の塩基対の相補性によ るか、または、DNA二重らせんとの結合の場合は、二重らせんの主溝内での特 異的な相互作用によってもよい。一般に、「アンチセンス」療法は、当技術に一 般的に用いられる手法の範囲を意味し、オリゴヌクレオチド配列との特異的結合 に頼るいかなる療法を包含する。 一実施態様では、アンチセンス構成体は、プソリアスタチンI型またはII型遺 伝子の天然に産する配列と結合し、例えば遺伝子の発現に関与する。これらの配 列は、例えば、開始コドン、終止コドン、およびRNAプライマー結合部位を有 する。 もう一つの実施態様では、アンチセンス構成体は、野生型遺伝子には存在しな いヌクレオチド配列と結合する。例えば、アンチセンス構成体は、プソリアスタ チンI型またはII型遺伝子の、外因性の非野生型配列の挿入を有する領域と結合 できる。これに代えて、アンチセンス構成体は、プソリアスタチンI型またはII 型遺伝子の、欠失を生じた領域と結合して、そのために、通常はともに位置せず 、協動して非野生型配列を生成する遺伝子の2領域を結合することができる。 in vivo で患者に投与したとき、野生型配列に結合するアンチセンス構成体は 、いかなる野生型プソリアスタチンI型またはII型遺伝子の発現も阻害すること なく、突然変異体プソリアスタチンI型またはII型遺伝子の発現を阻害するとい う利点を与える。 本発明のアンチセンス構成体は、例えば、細胞内で転写されたときに、プソリ アスタチンI型またはII型ポリペプチドをコードする細胞mRNAの少なくとも 独自の部分に相補的であるRNAを生産する、発現プラスミドとして送達するこ とができる。これに代えて、該アンチセンス構成体は、ex vivo で生成され、細 胞に導入されたときに、該mRNA、および/またはプソリアスタチンI型もし くはII型のゲノム配列とハイブリッド形成することによって発現の阻害を生じる オリゴヌクレオチドプローブである。そのようなオリゴヌクレオチドプローブは 、好ましくは、内在性ヌクレアーゼ、例えばエキソヌクレアーゼおよび/または エンドヌクレアーゼに耐性であり、そのためin vivo で安定である修飾されたオ リゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いるための 例示的な核酸分子は、DNAのホスホルアミデート、ホスホチオエートおよびメ チルホスホネート類似体である(米国特許第5,176,996 号;第5,264,564 号;お よび第5,256,775 号明細書も参照されたい)。加えて、アンチセンス療法に役立 つオリゴマーを構成する一般的取り組み方が、例えばVan der Krolら[(1988)Bi otechniques 6:958-976];およびSteinら[(1988)Cancer Res 48:2659-2668] によって概観されている。 したがって、本発明の修飾されたオリゴマーは、治療、診断および研究関係に 役立つ。治療の用途では、該オリゴマーは、一般的なアンチセンス療法に適した 様式で利用される。そのような治療法に対して、本発明のオリゴマーは、全身的 および局所的または局在的投与を包含する、投与の様々な責務に向けて処方する ことができる。全身投与には、注射が好適であり、注射のための筋内、静脈内、 腹腔内および皮下を包含し、本発明のオリゴマーは、液体の溶液として、好まし くはハンク液またはリンゲル液のような生理的に適合できる緩衝液として処方で きる。加えて、該オリゴマーは、固体形態で処方し、使用直前に再溶解または懸 濁させてもよい。凍結乾燥形態も、本発明に包含される。 該化合物は、経口的にか、または経粘膜もしくは経皮的手段を用いて投与する ことができる。経粘膜または経皮投与には、透過させようとする障壁に適した浸 透剤を処方中に用いる。そのような浸透剤は、当技術に公知であり、例えば経粘 膜投与には、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体、並びに洗剤を包含する。経粘膜 投与は、経鼻スプレーによるか、または坐薬を用いてであってもよい。経口投与 には、該オリゴマーを、カプセル、錠剤および強壮剤のような慣用の経口投与形 態へと処方する。局所投与には、本発明のオリゴマーを、当技術に公知の軟膏、 膏薬、ゲルまたはクリームへと処方する。 治療法での用途に加え、本発明のオリゴマーは、それらが特異的に結合する標 的DNAまたはRNA配列の存否を検出するための、診断用試薬として用いても よい。 本発明のアンチセンス構成体は、プソリアスタチンI型またはII型遺伝子の発 現に拮抗することによって、in vivo とex vivo との双方の組織培養で、組織の 操作に用いることができる。 トランスジェニック動物 本発明は、プソリアスタチンI型および/またはII型トランス遺伝子を有し、 好ましくは(任意ではあるが)、動物の1個もしくはそれ以上の細胞で内在性ま たは外来性プソリアスタチンI型および/またはII型遺伝子を発現(または誤発 現)する、(該動物の)細胞を包含するトランスジェニック動物を包含する。 プソリアスタチンI型および/またはII型トランス遺伝子は、突然変異体プソ リアスタチンI型および/またはII型ポリペプチドをコードすることができる。 そのような動物は、疾病モデルとして用い得るか、またはプソリアスタチンI型 および/またはII型の誤発現を矯正する際に効果的である作用因をふるい分けす るのに用いることができる。これに代えて、プソリアスタチンI型および/また はII型トランス遺伝子は、作用薬と拮抗薬の双方、並びにアンチセンス構成体を 包含する、該タンパク質の野生型形態をコードできるか、またはその相同体をコ ードできる。好適実施態様では、該トランス遺伝子の発現は、例えば、発現を望 みのパターンに制御するシス作用配列を利用して、細胞または組織の特異的サブ セットに制限される。組織特異的な調節配列、および条件的な調節配列を、トラ ンス遺伝子の発現を一定の空間的パターンに制御するのに用いることができる。 発現の時間的パターンは、例えば、条件的組換え系、または原核生物の転写調節 配列によって与えることができる。好適実施態様では、トランスジェニック動物 は、「ノックアウト」プソリアスタチンI型および/またはII型、すなわちいず れかもしくは双方の遺伝子(二重ノックアウト)の全部または一部の欠失を有す る。部位特異的な遺伝学的操作を介してin vivo で調節される、トランス遺伝子 の発現を許す遺伝学的操作は、当業者に公知である。例えば、標的配列の遺伝的 組換えを触媒するリコンビナーゼの、調節された発現を許す遺伝学的反応系が利 用できる。本明細書で用いられる限りで、語句「標的配列」は、リコンビナーゼ によって遺伝的に組換えられるヌクレオチド配列を意味する。標的配列は、リコ ンビナーゼ認識配列に挟まれ、一般に、リコンビナーゼ活性を発現する細胞内で 除去または転位のいずれかがなされる。リコンビナーゼが触媒する組換え事象は 、標的配列の組換えが、対象となるプソリアスタチンI型および/またはII型遺 伝子の発現の活性化もしくは抑制を招くように設定できる。例えば、組換えプソ リアスタチンI型および/またはII型遺伝子、例えば作用薬性の相同体をコード するそれの発現に干渉する標的配列の除去は、その遺伝子の発現を活性化するよ う設定できる。タンパク質の発現へのこの干渉は、様々な機序、例えばプロモー ター要素もしくは内部終止コドンからのプソリアスタチンI型および/またはII 型遺伝子の空間的分離に起因し得る。 その上、トランス遺伝子は、該遺伝子のコーディング配列が、リコンビナーゼ 認識配列に挟まれ、初めは、プロモーター要素に対して3’〜5’の方向に細胞 内に遺伝子注入されるようにすることができる。そのような場合、標的配列の転 位は、コーディング配列の5’末端を、プロモーター要素に対して、プロモータ ーに駆動される転写活性化を許す方向に位置させることによって、対象遺伝子を 再配向させることになる。例えば、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビ ナーゼ系[Lakso et al.(1992)PNAS 89:6232-6236; Orban et al.(1992)P NAS 89:6861-6865]またはサッカロミセス・セレビシエSaccharomyces cerevisi aeのFLPリコンビナーゼ系[O'Gorman et al.(1991)Science 251:1351-135 5;PCT第WO92/15694号公報]の説明を参照されたい。標的配列の遺伝的組換え は、Cre リコンビナーゼの発現に依存する。該リコンビナーゼの発現は、調節性 制御、例えば組織特異的な、発生段階特異的な、外部から加えた作用因で誘導も しくは抑制できるそれに依存するプロモーター要素によって調節できる。この調 節された制御は、プロモーター要素によってリコンビナーゼの発現が仲介される 細胞でのみ、標的配列の遺伝的組換えを招くにすぎない。したがって、組換えプ ソリアスタチンI型および/またはII型遺伝子の活性化発現は、リコンビナーゼ 発 現の制御を介して調節できる。 トランス遺伝子の発現を容易にするために、原核生物のタンパク質を同時に発 現することを要する原核生物のプロモーター配列を用いて、同様の条件的トラン ス遺伝子を与えることができる。例示的なプロモーター、および対応するトラン ス活性化原核生物タンパク質が、米国特許第4,833,080 号明細書に与えられてい る。その上、条件的トランス遺伝子の発現は、遺伝子療法様の方法によって誘導 することができ、ここでは、トランス活性化タンパク質をコードする遺伝子、例 えばリコンビナーゼまたは原核生物タンパク質を、例えば細胞型特異的な様式で 、組織に送達し、発現させる。この方法によって、プソリアスタチンI型および /またはII型トランス遺伝子は、トランス活性化因子の導入によって「賦活され る」まで、沈黙したまま成体期へと経過することができる。 断片および類似体の生産 本発明は、プソリアスタチンI型およびプソリアスタチンII型ポリペプチドの 一次アミノ酸構造を提供する。この中核的構造の例が与えられたならば、当業者 は、断片または類似体を生産し、新たに生産された構造を活性について試験する ことによって、間示された構造を変更することができる。断片および類似体の生 産および試験を許す先行技術の例を、下記に考察する。これら、または類似の方 法は、少なくとも1種類の生物学的活性を有する、例えば、プソリアスタチンI 型またはII型ポリペプチドに特異的な抗体(例えばモノクローナル抗体)と反応 する、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの断片および類似体を製造 かつふるい分けするのに用いることができる。 断片の生成 タンパク質の断片は、いくつかの方法で、例えば、組換え、タンパク質分解性 の消化、または化学的合成によって、生産することができる。ポリペプチドの内 部または末端断片は、該ポリペプチドをコードする核酸の1個もしくはそれ以上 のヌクレオチドを一端(末端断片のために)または両端(内部断片のために)か ら除去することによって生成できる。突然変異化したDNAの発現は、ポリペプ チド断片を生産する。こうして、「末端蚕食性」エンドヌクレアーゼによる消化 は、一連の断片をコードするDNAを生成することができる。タンパク質の断片 をコードするDNAは、無作為剪断、制限消化、または上記に考察した方法の組 合せによっても生成できる。 断片は、慣用のメリフィールド固相f-Moc またはt-Boc 化学のような、当技術 に公知の手法を用いて、化学的に合成することもできる。例えば、本発明のペプ チドは、断片が重複しない望みの長さの断片へと随意に分割するか、または望み の長さの重複する断片へと分割してよい。 変更したDNAおよびペプチド配列の生産:無作為法 タンパク質のアミノ酸配列の変異体は、タンパク質、またはタンパク質の特定 のドメインもしくは領域をコードするDNAの無作為突然変異誘発によって調製 できる。役立つ方法は、PCR突然変異誘発または飽和突然変異誘発を包含する 。ランダムなアミノ酸配列変異体のライブラリーは、一ト組の縮重オリゴヌクレ オチド配列の合成によっても生成できる(変異体のライブラリーのタンパク質を ふるい分けする方法は、本明細書の他の箇所にある) PCR突然変異誘発 PCR突然変異誘発では、Taq ポリメラーゼの低下した忠実度を用いて、無作 為突然変異をDNAのクローニングされた断片に導入する[Leung et al.,1989 ,Technique 1: 11-15]。これは、無作為突然変異を導入する非常に強力で、比 較的迅速な方法である。突然変異を誘発しようとするDNAの領域を、ポリメラ ーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、例えば5というdGTP/dATP比を用い 、PCRにMn2+を加えることによって、Taq ポリメラーゼによるDNA合成の 忠実度を下げる条件下で増幅する。増幅されたDNA断片のプールを、適切なク ローニングベクターに挿入して、無作為突然変異体ライブラリーを与える。 飽和突然変異誘発 飽和突然変異誘発は、クローニングされたDNA断片への非常に多数の一塩基 置換の迅速な導入を許す[Mayers et al.,1985,Science 229: 242 ]。この手 法は、例えば一本鎖DNAのin vitroでの化学的処理または照射、および相補的 DNA鎖の合成による、突然変異の発生を包含する。突然変異の頻度は、処理の 過酷度を調整することによって調整でき、基本的には、可能なすべての塩基置換 が達成できる。この手順は、突然変異体断片についての遺伝学的選別を必要とし ないため、中立的置換はもとより、機能を変えるそれの双方が達成される。点突 然変異の分布が、保存された配列要素に偏ることはない。 縮重オリゴヌクレオチド 相同体のライブラリーは、一ト組の縮重配列からも生成できる。縮重配列の化 学的合成は、自動DNA合成装置で実施でき、ついで、合成遺伝子を適切な発現 ベクターへと結合する。縮重オリゴヌクレオチドの合成は、当技術に公知である [例えば、S.A.Narang(1983)Tetrahedron 39:3; Itakura et al.(1981)Re combinant DNA,Proc.3rd Cleveland Sympos.Macromolecules,ed.A.G.Walt on,Amsterdam: Elsevier pp273-289; Itakura et al.(1984)Annu.Rev.Bio chem.53:323; Itakura et al.(1984)Science 198:1056; Ike et al.(1983 )Nucleic Acid Res.11:477を参照されたい]。そのような手法は、他のタンパ ク質の指向性進化にも用いられている[例えば、Scott et al.(1990)Science 249:386-390; Roberts et al.(1992)PNAS 89:2429-2433; Devlin et al.( 1990)Science 249:404-406; Cwirla et al.(1990)PNAS 87:6378-6382; また 米国特許第5,223,409 号、第5,198,346 号および第5,096,815 号明細書を参照さ れたい]。 変更したDNAおよびペプチド配列の生産:指向性突然変異誘発の方法 非無作為的、または指向された突然変異誘発の手法は、特定の領域に特定の配 列または突然変異を与えるのに用いることができる。これらの手法は、タンパク 質の公知のアミノ酸配列の残基の、例えば欠失、挿入または置換を有する変異体 を形成するのに用いることができる。突然変異のための部位は、例えば、(1) 初めに、保存されるアミノ酸で、次いで、達成される結果に応じて、より根本的 な選択肢で置換すること、(2)標的残基を削除すること、または(3)定位さ れた部位に隣接する同じか、または異なる群の残基を挿入すること、あるいは選 択肢1〜3の組合せによって、個別にか、または系統的に修飾できる。 アラニン走査突然変異誘発 アラニン走査突然変異誘発は、望みのタンパク質の、突然変異誘発に好ましい 位置またはドメインである一定の残基もしくは領域の特定に役立つ方法である[ Cunningham and Wells Science 244:1081-1085,1989]。アラニン走査では、標 的残基の残基または群を特定し(例えば、Arg 、Asp 、His 、Lys およびGlu の ような帯電残基)、中性のか、または負に帯電したアミノ酸(最も好ましくはア ラニンまたはポリアラニン)で置き換える。アミノ酸の置換は、細胞内外の周囲 の水性環境とのアミノ酸の相互作用を働かせることができる。次いで、置換に対 する機能的感受性を示すドメインを、置換の部位でか、または部位に対してそれ 以上のか、もしくはその他の変異体を導入することによって精製する。したがっ て、アミノ酸配列の変異を導入する部位は、予め決定されるが、突然変異自体の 性質は、予め決定する必要がない。例えば、与えられた部位での突然変異の挙動 を最適化するには、アラニン走査または無作為突然変異誘発を、標的コドンまた は領域で実施し、発現された望みのタンパク質サブユニットの変異体を、望みの 活性の最適の組合せについてふるい分けする。 オリゴヌクレオチド介在突然変異誘発 オリゴヌクレオチド仲介突然変異誘発は、DNAの置換、欠失および挿入によ る変異体を調製するのに役立つ方法である。[例えば、Adelman et al.,DNA 2: 183,1983 を参照されたい]。略述すると、望みのDNAを、DNA鋳型に対す る突然変異をコードするオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成することによっ て、変えるが、ここで、該鋳型は、望みのタンパク質の変更されないか、または 未変性であるDNA配列を有するプラスミドもしくはバクテリオファージの一本 鎖形態である。ハイブリッド形成の後、DNAポリメラーゼを用いて、鋳型の第 二の相補鎖全体を合成し、こうして、オリゴヌクレオチドプライマーを組み込み 、望みのタンパク質DNAの選ばれた変更をコードすることになる。一般的には 、長さが少なくとも25ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを用いる。最適のオ リゴヌクレオチドは、突然変異をコードするヌクレオチドのいずれの側でも、鋳 型に完全に相補的である12〜15ヌクレオチド長を有すると思われる。これは、該 オリゴヌクレオチドが、一本鎖のDNA鋳型分子と適正にハイブリッド形成する のを確実にする。オリゴヌクレオチドは、Creaらが記載したそれ[Proc.Natl. Acad.Sci.USA,75:5765(1978)]のような、当技術に公知の手法を用いて、容 易に合成される。本発明の目的には、好適なオリゴヌクレオチドプライマーは、 SEQ ID NO:3〜15に示した核酸配列を有する。 カセット突然変異誘発 変異体を調製するもう一つの方法は、Wells らが記載した[Gene,34: 315(19 85)]手法に基づく。出発材料は、突然変異させようとするタンパク質サブユニ ットを有するプラスミド(または他のベクター)である。突然変異させようとす るタンパク質サブユニットDNA中のコドンを特定する。特定される突然変異の 部位のそれぞれの側に独自の制限エンドヌクレアーゼ部位が存在しなければなら ない。そのような制限部位が存在しないならば、上記のオリゴヌクレオチド仲介 突然変異形成法を用いてそれらを形成して、望みのタンパク質サブユニットDN Aの適切な位置でそれらを導入してよい。制限部位をプラスミドに導入した後、 プラスミドをこれらの部位で切断して、それを直線化する。制限部位の間のDN Aの配列をコードするが、望みの突然変異を含有する二本鎖オリゴヌクレオチド は、標準的手順を用いて合成する。二本の鎖を別個に合成し、次いで、標準的手 法を用いてハイブリッド形成する。この二本鎖オリゴヌクレオチドは、カセット と呼ばれる。このカセットは、直線化したプラスミドの末端に匹敵する3’およ び5’末端を有するよう設定される結果、プラスミドに直接結合することができ る。ここで、このプラスミドは、突然変異させた望みのタンパク質サブユニット DNA配列を有する。 組合せ突然変異誘発 組合せ突然変異誘発も、突然変異体、例えば、核酸レベルでの組合せ突然変異 誘発によって生成され、変化に富む遺伝子ライブラリーによってコードされる変 異体のライブラリーを作り出すのに用いることができる。例えば、合成オリゴヌ クレオチドの混合物を、可能な配列の縮重した一揃いが、個々のペプチドとして か、これに代えて、縮重した配列の一揃いを含む、より大きい融合タンパク質の 一揃いとして発現できるように、遺伝子配列へと酵素によって結合できる。 ペプチドの断片または相同体のライブラリーをふるい分けするための、一次高処 理量法 生成された突然変異遺伝子産物をふるい分けするための様々な手法が、当技術 に公知である。大規模な遺伝子ライブラリーをふるい分けする手法は、しばしば 、複製できる発現ベクターへと遺伝子ライブラリーをクローニングし、得られた ベクターのライブラリーで適切な細胞を形質転換し、望みの活性、例えばこの場 合、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドに特異的な抗体との結合の検 出を許す条件下で、遺伝子を発現することを包含する。下記の手法は、それぞれ 、作り出された大量の配列を、例えば無作為突然変異誘発の手法によって、ふる い分けするための高処理量解析に応じ得る。 表示ライブラリー ふるい分けアッセイに対する一つの取り組み方では、候補ペプチドを細胞また はウイルス粒子の表面に表示し、特定の細胞またはウイルス粒子が、表示された 産物を通じて適切な受容体タンパク質を結合できる能力を、「パニング(砂金さ らい)アッセイ」で検出する。例えば、遺伝子ライブラリーを細菌細胞の表面膜 タンパク質の遺伝子へとクローニングし、得られた融合タンパク質をパニングア ッセイによって検出することができる[Ladner et al.,WO88/06630; Fuchs et al.(1991)Bio/Technology 9:1370-1371;およびGoward etal.(1992)TIBS 1 8:136-140]。同様にして、検出できるよう標識したリガンドを用いて、潜在的 な機能性ペプチド相同体について採点することができる。蛍光で標識したリガン ド、例えば受容体を用いて、リガンド結合活性を保持する相同体が検出できる。 蛍光で標識したリガンドの使用は、細胞が、視覚的に検査され、蛍光顕微鏡下で 分離されるか、または、細胞の形態が許す場合には、蛍光で活性化される細胞選 別機によって分離されるのを許す。 遺伝子ライブラリーは、ウイルス粒子の表面で融合タンパク質として発現させ ることができる。例えば、繊維状ファージ系では、外来ペプチド配列を感染性フ ァージの表面で発現させて、それによって二つの重要な利点を与えることができ る。第一に、これらのファージは、1mlあたり1013のファージを充分上回る濃度 で親和性マトリックスに加えることができるため、非常に多数のファージを一度 にふるい分けすることができる。第二に、感染性ファージは、それぞれ、その表 面に遺伝子産物を表示するため、特定のファージが低収率で親和性マトリックス から回収されるならば、ファージは、感染のもう一つの周期によって増幅するこ とができる。ほとんど同一の大腸菌繊維状ファージM13 、fdおよびflの群は、フ ァージ表示ライブラリーに最も多く使われる。ファージgIIIまたはgVIII コート タンパク質は、いずれも、ウイルス粒子の最終的なパッケージングを破裂させる ことなく、融合タンパク質を生成するのに用いることができる。外来エピトープ は、pIII、およびこのエピトープを欠く大過剰のファージから回収されたそのよ うなエピトープを有するファージのNH2末端で発現させることができる[Ladne r et al.,PCT第WO90/02909号公報; Garrard et al.,PCT第WO92/09690号 公報; Marks et al.(1992)J.Biol.Chem.267:16007-16010; Griffiths et al.(1993)EMBO J.12:725-734; Clackson et al.(1991)Nature 352:624-6 28:およびBarbas et al.(1992)PNAS 89:4457-44461 ]。 一般的な取り組み方は、大腸菌のマルトース受容体(外膜タンパク質、LamB) をペプチド融合の相手として用いる[Charbit et al.(1986)EMBO 5,3029-30 37]。LamB遺伝子をコードするプラスミドにオリゴヌクレオチドを挿入して、タ ンパク質の細胞外ループの一つに融合したペプチドを生成する。これらのペプチ ドは、リガンド、例えば抗体に結合するのに利用でき、細胞を動物に投与したと き、免疫応答を誘発できる。他の細胞表面タンパク質、例えばOmpA[Schorr et al.(1991)Vaccines 91,pp.387-392]、PhoE[Agterberg et al.(1990)Ge ne 88,37-45]およびPAL[Fuchs et al.(1991)Bio/Tech 9,1369-1372 ]は もとより、大きい細菌表面構造も、ペプチドの表示のための伝達体として役立つ 。ペプチドは、重合して遺伝情報の細菌間交換のための線毛という導管を形成す るタンパク質である、ピリンと融合できる[Thiry et al.(1989)Appl.Envir on.Microbiol.55,984-993 ]。他の細胞と作用し合うその役割のため、線毛 は、細胞外環境へのペプチドの提示に役立つ支援を与える。ペプチドの表示に用 いられるもう一つの大きい表面構造は、細菌の運動器官の鞭毛である。サブユニ ットタンパク質のフラジェリンとのペプチドの融合は、宿主細胞に濃密な配置の 多くのペプチドのコピーを与える[Kuwajima et al.(1988)Bio/Tech.6,108 0-1083 ]。他の細菌種の表面タンパク質も、ペプチドの融合相手として役立っ ている。その例は、ブドウ球菌のプロテインA、およびナイセリアの外膜プロテ アーゼIgAを包含する[Hansson et al.(1992)J.Bacteriol.174,4239-4 245およびKlauser et al.(1990)EMBO J.9,1991-1999]。 上記の繊維状ファージ系およびLamB系では、ペプチドと、そのコーディングD NAとの間の物理的結合は、該ペプチドをその表面に担持する粒子(細胞または ファージ)内にDNAを含有することによって生じる。ペプチドの捕捉は、粒子 およびその内部のDNAを捕捉する。代替的図式は、DNA結合タンパク質のLa cIを用いて、ペプチドとDNAとの間の結合を形成する[Cull et al.(1992) PNAS USA 89:1865-1869]。この系は、その3’末端にオリゴヌクレオチドクロ ーニング部位を有するLacI遺伝子を含有するプラスミドを用いる。アラビノース による制御された誘導下で、LacI−ペプチド融合タンパク質が生産される。この 融合は、LacOオペレーターとして公知の短いDNA配列(LacO)と結合できるLa cIの天然の能力を保持する。LacOの2コピーを発現プラスミドに取り付けること によって、LacI−ペプチド融合は、それをコードしたプラスミドと緊密に結合す る。各細胞中のプラスミドは、唯一のオリゴヌクレオチド配列を含むにすぎず、 各細胞は、唯一のペプチド配列を発現するにすぎないため、該ペプチドは、その 合成を指揮したDNA配列に特異的かつ安定的に付随するようになる。ライブラ リーの細胞を静かに溶解させ、ペプチド−DNA複合体を固定化受容体のマトリ ックスに接触させて、活性ペプチドを含有する複合体を回収する。次いで、付随 するプラスミドDNAを、増幅およびDNA配列決定のために細胞に再導入して 、ペプチドリガンドの正体を決定する。方法の実際的効用の証明として、ドデカ ペプチドの大規模無作為ライブラリーを作成し、オピオイドペプチドのダイノル フィンBに対して誘導したモノクローナル抗体で選別した。ペプチドのコーホー トを回収し、ダイノルフィンBの6残基部分に対応する共通配列によって、すべ てを関係付けた[Cull et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:186 9]。 この図式は、ペプチド担持プラスミドと呼ばれることもあるが、二つの重要な 方式で、ファージ表示法とは異なる。第一に、ペプチドを、融合タンパク質のC 末端に結合させ、自由なカルボキシル末端を有するペプチドとして、ライブラリ ーの膜の表示を招く。繊維状ファージのコートタンパク質pIIIおよびpVIII は、 双方とも、それらのC末端を通じてファージに固着させ、ゲストペプチドは、外 向きに張り出すN末端ドメインに位置させる。いくつかの設定では、ファージが 表示するペプチドは、融合タンパク質のまさにアミノ末端に表示される[Cwirla et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.87,6378-6382]。第二の相 違は、ライブラリーに実際にソンザイスルペプチドの集団に影響する一ト組の生 物学的偏りである。LacI融合分子は、宿主細胞の細胞質に局限される。ファージ コートの融合は、翻訳の際に細胞質に短時間接触させられるが、内膜からペリプ ラズムの区画に急速に分泌されて、それらのC末端疎水性ドメインによって、膜 に固着されたまま残り、ペリプラズムに突出するが、ファージ粒子へと組立られ るのを待つ。LacIおよびファージライブラリーのペプチドは、異なるタンパク質 分解活性との接触の結果として、著しく異なってもよい。ファージのコートタン パク質は、内膜を横切る輸送と、ファージへの組み込みへの前奏曲としてのシグ ナルペプチダーゼプロセシングを必要としている。一定のペプチドは、これらの 過程に対して有害な効果を発揮し、ライブラリーでは過少に表示される[Gallop et al.(1994)J.Med.Chem.37(9):1233-1251]。これらの特定の偏りは、L acI表示系では因子とはならない。 組換え無作為ライブラリーで入手できる小さいペプチドの数は、膨大である。 107〜109の独立したクローンからなるライブラリーは、定型的に調製される。1011 の組換え体という大規模なライブラリーが形成されているが、この大きさは、 クローンライブラリーに対する実際的限界に近づいている。ライブラリーの大き さのこの限界は、ランダム化されたセグメントを含むDNAを宿主の細菌細胞に 形質転換する段階で生じる。この限界を克服するために、ポリソーム複合体で形 成されつつあるペプチドの表示に基づくin vitro系が、最近開発されている。こ の表示ライブラリー法は、現在利用できるファージ/ファージェミドまたはプラ スミドライブラリーより3〜6桁大規模のライブラリーを形成する可能性がある 。更に、ライブラリーの構成、ペプチドの発現、およびふるい分けは、完全に無 細胞の様式でなされる。 本方法の一つの応用では[Gallop et al.(1994)J.Med.Chem.37(9):1233 -1251]、1012のデカペプチドをコードする分子DNAライブラリーを構成し、 このライブラリーは、大腸菌S3O中に、結合した転写/翻訳系をin vitroで発 現した。リボソームをmRNAで停止させて、ポリソームでの実質的比率のRN A の蓄積を生起し、それらのコーディングRNAに依然として結合している形成中 のペプチドを含む複合体を形成するように、条件を選択した。ポリソームは、よ り慣用的な組換えペプチドの表示ライブラリーをふるい分けするのと大体同じ方 式で、固定化受容体上で親和性で精製されるのに充分なだけ強固である。結合複 合体からのRNAを回収し、cDNAに転換し、PCRによって増幅して、次回 の合成およびふるい分けのための鋳型を製造する。ポリソーム表示法は、ファー ジ表示系と結合することができる。数回のふるい分けに続いて、ポリソームの富 裕化したプールからのcDNAをファージェミドベクターにクローニングした。 このベクターは、コートタンパク質に融合したペプチドを表示するペプチド発現 ベクターと、ペプチド特定のためのDNA配列決定ベクターとの双方として役立 つ。ポリソーム由来ペプチドをファージで発現することによって、この様式で親 和性選別の手順を継続すること、あるいはファージELISAでの結合活性につ いてか、または完結ファージELISAでの結合特異性について、個々のクロー ンでペプチドを検定することのいずれかができる[Barret et al.(1992)Anal .Biochem.204,357-364]。活性ペプチドの配列を特定するには、ファージェ ミドの宿主が生産するDNAを配列決定する。 二次ふるい分け 上記の高処理量アッセイは、例えば当業者が拮抗薬から作用薬を弁別するのを 許すと思われる、追加の生物学的活性を特定するために、二次ふるい分けを後続 させることができる。用いる二次ふるい分けの形式は、試験する必要がある望み の活性に依存することになる。例えば、問題のタンパク質とそのそれぞれのリガ ンドとの相互作用を阻害できる能力を用いて、上記の一次ふるい分けの一つを通 じて単離した一群のペプチド断片から拮抗薬を特定できる、アッセイを開発する ことができる。 したがって、断片および類似体を生成し、活性についてそれらを試験する方法 は、当技術に公知である。問題のタンパク質の中心的配列、例えば、本明細書に 開示のプソリアスタチンI型およびII型ポリペプチドの一次アミノ酸配列が特定 されたならば、当業者が断片および類似体を得るのを実施することは、定型的で ある。 抗体 本発明は、主題のプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドと特異的に反 応する抗体も包含する。抗タンパク質/抗ペプチド抗血清またはモノクローナル 抗体は、標準的プロトコルによって製造できる[例えば、Antibodies: A Labora tory Manual 、Harlow and Lane 編(Cold Spring Harbor Press: 1988)を参照 されたい]。マウス、ハムスターまたはウサギのような哺乳動物は、該ペプチド の免疫原形態で感作することができる。タンパク質またはペプチドに免疫原性を 付与する手法は、担体との結合その他の、当技術に周知の手法を包含する。主題 のプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの免疫原部分は、アジュバント の存在下で投与できる。免疫感作の進行は、血漿または血清中の抗体力価の検知 によって監視できる。標準的ELISAその他の免疫アッセイを、抗原としての 免疫原とともに用いて、抗体のレベルを査定することができる。好適実施態様で は、主題の抗体は、本発明のプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの抗 原決定基、例えばSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4のポリペプチドの抗原決定基 に免疫特異的である。 本明細書で用いられる限りで、用語「抗体」は、やはりプソリアスタチンI型 またはII型ポリペプチドと特異的に反応する、その断片を包含するものとする。 抗体は、慣用の手法を用いて断片化することができ、断片は、全抗体について上 記したのと同じ様式で、効用についてふるい分けできる。例えば、抗体をペプシ ンで処理することによって、F(ab')2断片が生成できる。得られるF(ab')2断片 は、ジスルフィド結合を還元するよう処理して、Fab'断片を生成することがで きる。 プソリアスタチンI型もしくはII型ポリペプチド、またはその断片もしくは類 似体に対して仕向けたモノクローナルおよびポリクローナル抗体(Ab)の双方 、並びにFab'およびF(ab')2のような抗体断片は、プソリアスタチンI型また はII型ポリペプチドの作用を遮断し、本発明のプソリアスタチンI型またはII型 ポリペプチドの役割の研究を許すのに用いることができる。 プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドのエピトープを特異的に結合す る抗体は、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの発現の多量性および パターンを評価するために、組織試料の免疫組織化学的染色に用いることもでき る。抗プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチド抗体は、診断用の免疫沈降 法および免疫ブロット法に用いて、臨床試験の手順の一部として、組織または体 液中の野生型または突然変異プソリアスタチンI型もしくはII型ポリペプチドの レベルを検知かつ評価することができる。同様に、個体でのプソリアスタチンI 型またはII型ポリペプチドのレベルを監視できることは、アポトーシスの調整に 付随する疾患、例えば乾癬に罹患した個体に対する与えられた治療方式の効率の 決定を許すことができる。プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドのレベ ルは、組織中で、例えば生検によって生成されたそれを測定できる。 本発明の抗プソリアスタチンI型またはII型抗体のもう一つの応用は、lgt11 、lgt18-23、lZAP、lORF8のような発現ベクター中に構成したcDNAライブラ リーの免疫学的ふるい分けにおいてである。この形式のメッセンジャーライブラ リーは、正しい読み枠および配向で挿入されたコーディング配列を有し、融合タ ンパク質を生成できる。例えば、lgt11は、そのアミノ末端がβ−ガラクトシダ ーゼのアミノ酸配列からなり、そのカルボキシル末端が外来ポリペプチドからな る融合タンパク質を生成することになる。そうして、主題のプソリアスタチンI 型またはII型ポリペプチドの抗原性エピトープは、例えば、感染したプレートか ら採取したニトロセルロースフィルターを抗プソリアスタチンI型またはII型ポ リペプチド抗体と反応させる際に、抗体によって検出できる。次いで、このアッ セイによって採点したファージは、感染したプレートから単離できる。こうして 、プソリアスタチンI型またはII型相同体の存在が検出でき、他の動物からクロ ーニングすることができ、交互イソ型(スプライシング変異体を包含する)が、 検出でき、ヒトという源泉からクローニングすることができる。 薬物ふるい分けアッセイ 精製および組換えプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドを入手可能に することによって、本発明は、この場合は主題のプソリアスタチンI型またはII 型ポリペプチドの、正常な細胞性機能の作用薬もしくは拮抗薬のいずれかである 薬物についてふるい分けするのに用い得るアッセイを提供する。一実施態様では 、該アッセイは、化合物が、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドと、 天然に産するリガンド、例えばプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドに 特異的な抗体との結合を調整できる能力を評価する。様々なアッセイ様式が充分 であり、本発明に照らして、習熟した技量者によって理解されると思われる。 化合物および天然抽出物のライブラリーを試験する多くの薬物ふるい分けプロ グラムでは、与えられた期間内に検査される化合物の数を最大化するために、高 処理量アッセイが望ましい。無細胞系、例えば精製または半精製タンパク質で推 理されてよいそれで実施されるアッセイは、しばしば、迅速な開発と、試験化合 物に仲介される分子標的における変更の比較的容易な検出とを許すよう生成され る点で、「一次」ふるい分けとして好ましい。その上、試験化合物の細胞毒性お よび/または生体利用能の効果は、概して、in vitroの系では無視することがで き、代わりに、アッセイを、他のタンパク質との結合親和性の変化、または分子 標的の酵素特性の変化で明らかにされてよいような、分子標的に対する薬物の効 果に専ら集中させる。 その他の実施態様 本発明に包含されるのは:対立遺伝子の変異体;天然の突然変異体;誘発され た突然変異体;SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:4のポリペプチドをコードする核 酸と、高い、または低い緊縮条件下でハイブリッド形成するDNAによってコー ドされるタンパク質[高い、および低い緊縮度の定義については、Current Prot ocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,1989,6.3.1-6.3 .6を参照されたい。これらは、参照によって本明細書に組み込まれる];および プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドに対する抗血清によって特異的に 結合されるポリペプチドである。 本発明は、プソリアスタチンI型およびII型ポリペプチドの断片、好ましくは 生物学的に活性である断片、または類似体も包含する。生物学的に活性である断 片または類似体は、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4に示したプソリアスタチン I型またはII型ポリペプチド、あるいは他の天然に産するプソリアスタチンI型 またはII型ポリペプチドに特徴的である、あらゆるin vivo もしくはin vitroの 活性、例えば、上記の生物学的活性の1種類またはそれ以上を有するそれである 。特に好ましいのは、in vivo に存在する断片、例えば転写後プロセシングから 生じるか、または代替的に切断されたRNAの翻訳から生じる断片である。断片 は、本来の、または内在性の細胞で、例えば転写後プロセシングの結果として、 例えばアミノ末端シグナル配列の除去の結果として発現されたものはもとより、 例えばCHO細胞の、発現系で製造されたものも包含する。ペプチド、例えばプ ソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドは、しばしば、ある範囲の生理学的 特性を示すため、またそのような特性は、分子の異なる部分に帰因させ得るため に、役立つプソリアスタチンI型もしくはII型ポリペプチドの断片、またはプソ リアスタチンI型もしくはII型ポリペプチドの類似体は、プソリアスタチンI型 またはII型ポリペプチドの活性についてのいかなる生物学的アッセイでも、生物 学的活性を示すそれである。最も好ましくは、該断片または類似体は、いかなる in vivo もしくはin vitroでのプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチド活 性のアッセイで、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチド(SEQ ID NO:2 またはSEQ ID NO:4)の活性の10%、好ましくは40%、または少なくとも90%を 有する。 類似体は、天然に産するプソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドとは、 アミノ酸配列、または配列が関与しない面、あるいはその双方が異なることがで きる。非配列性修飾は、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドのin viv o もしくはin vitroでの化学的誘導体化を包含する。非配列性修飾は、アセチル 化、メチル化、リン酸化、カルボキシル化またはグリコシル化での変化を包含す る。 好適な類似体は、その配列が、1個もしくはそれ以上の保存性アミノ酸置換に よってか、あるいはプソリアスタチンI型もしくはII型ポリペプチドの生物学的 活性を破壊しない、1個もしくはそれ以上の非保存性アミノ酸置換、欠失または 挿入によって野生型配列とは異なる、プソリアスタチンI型もしくはII型ポリペ プチド(または生物学的に活性であるその断片)を包含する。保存性置換は、代 表的には、一つのアミノ酸の、類似の特徴性を有するもう一つとの置換、例えば 、下記の群内での置換を包含する:バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バ リン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン 、グルタミン;セリン、トレオニン;リシン、アルギニン;およびフェニルアラ ニン、チロシン。その他の保存性置換は、下記の表から採用できる。 本発明の範囲内のその他の類似体は、ペプチドの安定性を上昇させる修飾を有 するものであり;そのような類似体は、例えば、ペプチド配列中に一つまたはそ れ以上の非ペプチド結合(ペプチド結合に置き換わる)を有してよい。やはり包 含されるのは、天然に産するL−アミノ酸以外の残基、例えばD−アミノ酸、ま たは天然に産しないか、もしくは合成によるアミノ酸、例えばβまたはγアミノ 酸;および環状類似体。 本明細書で用いられる限りで、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチド 類似体に適用されるような用語「断片」は、本来は、長さが少なくとも約20残基 、より代表的には少なくとも約40残基、好ましくは少なくとも約60残基長である と思われる。プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドの断片は、当業者に は公知の方法によって生成できる。候補の断片がプソリアスタチンI型またはII 型ポリペプチドの生物学的活性を示し得る能力は、本明細書に記載されたとおり 、当業者には公知の方法によって査定できる。やはり包含されるのは、該ペプチ ドの生物学的活性に必要とされないか、または代替的なmRNAスプライシング もしくは代替的なタンパク質プロセシングの事象から生じた残基を有するプソリ アスタチンI型およびII型ポリペプチドである。 プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドを得るには、先行技術の方法に よって、プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチドをコードするDNAを、 発現ベクターに導入し、該ベクターを、望みのタンパク質の発現に適した細胞に 導入し、そしてペプチドを回収かつ精製することができる。該ペプチドおよびタ ンパク質に対する抗体は、先行技術の方法を用いて、動物、例えばウサギまたは マウスを免疫感作し、抗プソリアスタチンI型またはII型ポリペプチド抗体を回 収することによって、製造できる。 等価物 当業者は、定型的実験を越えないものを用いて、本明細書に記載した特定の手 順に対する無数の等価物を認識することができるか、または確認することができ ると思われる。そのような等価物は、本発明の対象範囲内にあると見なされ、下 記のクレームに網羅される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 45/00 A61K 45/00 48/00 48/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 C12N 5/10 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP (72)発明者 タカハシ,タダヒト アメリカ合衆国 02129 マサチューセッ ツ,チャールズタウン,サーティーンスス トリート,ビルディング 149,シービー アールシー (72)発明者 バシウ,ピーター シー. アメリカ合衆国 02129 マサチューセッ ツ,チャールズタウン,サーティーンスス トリート,ビルディング 149,シービー アールシー (72)発明者 ゲーティンク,ポール エフ. アメリカ合衆国 02126 マサチューセッ ツ,ボストン,マールボロ ストリート 282,アパートメント ナンバー2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.プソリアスタチン活性を調整する段階を含む、細胞増殖またはアポトーシス を調整する方法。 2.アポトーシスを阻害する請求項1記載の方法。 3.アポトーシスを促進する請求項1記載の方法。 4.プソリアスタチン活性を阻害することによって、アポトーシスを促進する請 求項3記載の方法。 5.プソリアスタチン拮抗薬を投与することによって、プソリアスタチン活性を 阻害する請求項4記載の方法。 6.アンチセンスのプソリアスタチン核酸を投与することによって、プソリアス タチン活性を阻害する請求項4記載の方法。 7.抗プソリアスタチン抗体を投与することによって、プソリアスタチン活性を 阻害する請求項4記載の方法。 8.望ましくない細胞増殖、または野生型レベル未満のアポトーシスを特徴とす る疾患の危機にある哺乳動物を治療する方法であって、プソリアスタチンI型ま たはII型タンパク質の活性を阻害する処置を該哺乳動物に施す段階を含む方法。 9.プソリアスタチンポリペプチドの拮抗薬をコードする治療上有効な量の核酸 を投与することによって、プソリアスタチンI型またはプソリアスタチンII型タ ンパク質の活性を阻害する請求項8記載の方法。 10.治療上有効な量のアンチセンスのプソリアスタチン核酸を投与することによ って、プソリアスタチンI型またはプソリアスタチンII型タンパク質の活性を阻 害する請求項8記載の方法。 11.治療上有効な量の抗プソリアスタチン抗体を投与することによって、プソリ アスタチンI型またはプソリアスタチンII型タンパク質の活性を阻害する請求項 8記載の方法。 12.該疾患が癌である請求項8記載の方法。 13.該疾患が乾癬である請求項8記載の方法。 14.プソリアスタチンI型またはプソリアスタチンII型ポリペプチドと作用し合 える能力について化合物を評価する方法であって、該化合物をプソリアスタチン ポリペプチドと接触させる段階と、該化合物がプソリアスタチンポリペプチドと 作用し合えるか、または複合体を形成できる能力を評価する段階とを含む方法。 15.アポトーシスに対する該化合物の効果を評価する段階を更に含む請求項14記 載の方法。 16.非野生型アミノ酸配列を有するプソリアスタチンポリペプチドを製造する方 法であって、プソリアスタチンポリペプチドの配列を変える段階と、変化したポ リペプチドを、アポトーシスまたは細胞増殖を調整できる能力について試験する 段階とを含む方法。 17.該変化が、保存性のアミノ酸変化を生じる請求項16記載の方法。 18.該片かが、非保存性のアミノ酸変化を生じる請求項16記載の方法。 19.カテプシンLのプソリアスタチンポリペプチドを介する調節を調整できる能 力について化合物を評価する方法であって、該化合物を、プソリアスタチンポリ ペプチドおよびカテプシンLのいずれかまたは双方に接触させる段階と、プソリ アスタチンがカテプシンLを阻害できる能力に対する効果を決定する段階とを含 む方法。 20.プソリアスタチンポリペプチドをコードする核酸で形質転換したヒトの細胞 。 21.プソリアスタチンを阻害する治療上有効な量の化合物を患者に投与する段階 を含む、皮膚疾患を治療する方法。 22.プソリアスタチンポリペプチドの活性断片または類似体を特定する方法であ って、プソリアスタチンポリペプチドと作用し合う化合物を特定する段階と、該 化合物が断片または類似体と結合できる能力を決定する段階とを含む方法。
JP9515972A 1995-10-17 1996-10-16 乾癬に罹患した皮膚からの2種類の新規遺伝子:プソリアスタチン▲i▼型およびプソリアスタチン▲ii▼型 Pending JPH11514871A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US567995P 1995-10-17 1995-10-17
US60/005,679 1995-10-17
US1375596P 1996-03-20 1996-03-20
US60/013,755 1996-03-20
PCT/US1996/016599 WO1997014425A1 (en) 1995-10-17 1996-10-16 Two novel genes from psoriatic epidermis: psoriastatin type i and psoriastatin type ii

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11514871A true JPH11514871A (ja) 1999-12-21

Family

ID=26674635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9515972A Pending JPH11514871A (ja) 1995-10-17 1996-10-16 乾癬に罹患した皮膚からの2種類の新規遺伝子:プソリアスタチン▲i▼型およびプソリアスタチン▲ii▼型

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6818214B2 (ja)
JP (1) JPH11514871A (ja)
AU (1) AU7447996A (ja)
WO (1) WO1997014425A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU3418499A (en) * 1999-03-29 2000-10-16 Harry Frank Abts Nucleic acid encoding a serine protease inhibitor
US9137480B2 (en) * 2006-06-30 2015-09-15 Cisco Technology, Inc. Secure escrow and recovery of media device content keys
CA2852536A1 (en) * 2011-10-24 2013-05-02 Mannkind Corporation Methods and compositions for treating pain

Also Published As

Publication number Publication date
US20030072752A1 (en) 2003-04-17
AU7447996A (en) 1997-05-07
US6818214B2 (en) 2004-11-16
WO1997014425A1 (en) 1997-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0871463B1 (en) Regulation of eating behavior
JPH09512424A (ja) 細胞周期調節蛋白質およびそれに関する使用
JP2024063082A (ja) 皮膚疾患の治療のための組成物及び方法
JP2000517179A (ja) Don―1遺伝子およびポリペプチド、ならびにそれらの使用
JP2002523029A (ja) ヒトヒストンデアセチラーゼ遺伝子hd4
JPH1142092A (ja) ヒト心臓/脳トロイド様タンパク質
JPH11514871A (ja) 乾癬に罹患した皮膚からの2種類の新規遺伝子:プソリアスタチン▲i▼型およびプソリアスタチン▲ii▼型
US20050009141A1 (en) Epidermal differentiation factor
US5641748A (en) Caip-like gene family
US5656438A (en) CAIP-like gene family
US5837844A (en) CAIP-like gene family
JPH11253183A (ja) Frizzled−3ポリペプチドおよびポリヌクレオチド
US6682911B1 (en) Laminins and uses thereof
WO1997008308A1 (en) Batten disease gene
WO1997008308A9 (en) Batten disease gene
EP0856005A1 (en) The aiolos gene
US6171800B1 (en) Method of making and binding CAIP polypeptides
US6423824B1 (en) CAIP-like gene family
AU751632B2 (en) Laminins and uses thereof
US6656705B1 (en) Sciellin and uses thereof
WO1997049808A1 (en) The caip-like gene family
JP2000060575A (ja) Wnt―6ポリペプチドおよびWnt―6ポリヌクレオチド
WO1998044088A2 (en) Modulating the rad-nm23 interaction
JP2002504357A (ja) Helios遺伝子
JP2001025389A (ja) Tsa7005遺伝子