JPH11512821A - 磁石付き水準器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 水準器は中空形材からなる本体（１）、本体（１）の中に保持された少なくとも１個の気泡管（２）及び測定面に付着するための少なくとも１個の磁石（４）を有し、少なくとも１個の磁石（４）が本体（１）の内部に保持されている。その場合少なくとも１個の磁石（４）が本体（１）の内側に配設され、本体（１）の一方の側面（１２）によって測定面から隔離される。水準器は磁石ホルダー（５）として使用される少なくとも１個の挿入部材を有し、挿入部材に少なくとも１個の磁石（４）が配設されており、挿入部材は本体（１）の中に挿入することができ、組立状態で本体（１）の中に保持されている。本体（１）に穴あけし、磁石（４）を埋め込むための時間のかかる作業段階がこうして不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】 磁石付き水準器 本発明は請求項１の上位概念による水準器に関する。 水準器は正確な水平及び垂直位置の調整と検査及び傾き及び高低差の測定のた めに使用される。水準器の精度は、一方ではセンサ及び表示器の役割をする取付 けられた気泡管の感度に依存する。他方では精度は水準器の表面の性状にも依存 し、その場合表面は完全に平坦でなければならない。そこで公知の実施形態では 水準器はおおむね長方形横断面のそりのない中空成形棒材からなり、これに単数 個又は複数個の気泡管が保持されている。 金属面に付着することができるので取扱いが簡単な磁気付着式水準器が知られ ている。そのために水準器の本体の側壁に磁石が埋設されている。製造の時に各 磁石ごとに中空成形棒材の側壁にスロットをフライス削りし、そこに磁石の支承 のためのプラスチックホルダーを緊定する。磁石と両側に配設された強磁性板片 がプラスチックホルダーに挿着され、磁石と磁石ホルダーを固定するために、ホ ルダーの残りの空洞は硬化性材料例えば樹脂で埋められる。中空成形棒材の側壁 の表面は、水準器の精度を阻害する恐れのある凹凸を除去するために続いて平面 研削される。 磁石をこうして挿設することは時間がかかり、多数の手作業及び機械作業段階 を必要とする。それによってこのような磁石付き水準器の製造コストが割高にな る。後続の平面研削によって所望の精度を守ることができない危険が増大する。 また一方の広幅側をカバーで閉じた中空体からなる磁石付き水準器がドイツ特 許出願公開第３３１４５０５号により知られている。付着用磁石のための保持ケ ースが中空体の中に一体に突設され、その際中空体の細幅側に貫通孔があり、付 着用磁石がこの貫通孔を貫いて水準器の底面まで突出する。その場合外側の表面 は細幅側の外側表面と同一面をなす。 欧州特許出願公開第０２８１９３３号は気泡管ホルダーを有する中空形材から なる水準器を記述する。中空形材の窓に気泡管が見えるようになるまで、気泡管 を予備組立てした挿入部材の形の気泡管ホルダーを中空形材に軸方向に差し込む ことができる。 そこで本発明の課題は、簡単に製造することができる磁石付き水準器を提供す ることである。 この課題は請求項１の特徴を有する磁石付き水準器が解決する。 磁石は本体の内部に固定されているから、本体の事後の加工は不要である。磁 石のための開口部を穿設しないでよい。磁石の取付けのために必要な部材はすべ て事前製造し、続いて単一の作業場所で機械による挿着を行わずに水準器に取付 けることができる。それによって製造が容易になり、製造コストが大幅に引き下 げられる。 水準器本体の表面は無傷であり、寸法精度が保証されるから、製造の不良品率 も減少する。 水準器本体の側壁を貫いて作用することができる十分に強力な磁石が得られる ことが判明した。常磁性軽金属例えばアルミニウムからなる本体を使用する場合 でも、付着は十分である。磁石が水準器本体の内側に接することが好ましい。し かし十分に強力な磁石又は薄い側壁の場合は、磁石と内壁の間に小さな空隙があ ってもよい。 磁石は水準器本体に挿入することができる磁石ホルダーに固定されており、そ の際磁石が本体の中に弾力的に保持され又は本体に接着される。磁石ホルダーは 一体に又は組立式に成形することができ、単数個又は複数個の磁石を収容するこ とができる。同様に水準器本体ごとに複数個の磁石ホルダーを設けることができ る。 添付の図面に発明の主題の実施例を示し、以下の説明で明らかにする。 図１は本発明に基づく水準器の一部断面図で示した上から見た図、 図２は図１による水準器の一部断面図で示した側面図、 図３は本発明に係る磁石ホルダーの断面図、 図４は本発明に係る磁石ホルダーの第３実施形態の図を示す。 本発明に係る水準器はおおむね本体１、少なくとも１個の気泡管２、２’、少 なくとも１個の磁石４及び単数個又は複数個の挿入部材からなる。挿入部材は気 泡管ホルダー３及び磁石ホルダー５として使用される。気泡管ホルダー３と磁石 ホルダー５が同一に成形された一体又は絹立式の挿入部材からなるならば、製造 が簡素化される。 図１に示す水準器本体１は長方形横断面の中空成形棒材で作られている。その 広幅の側面は本体１の上面１０と下面１１をなす。細幅の長い側面は側壁１２を なし、短い側面は端面１３をなす。 側壁１２の１つはスロット１４を有する。上面及び下面１０、１１の適当な場 所に空欠部がある。この場所に主気泡管２が、三方から見えるように本体１には め込まれている。この側壁１２に沿って本体１の上面１０に目盛を記すことがで きる。 この実施形態では本体１の上面及び下面１０、１１は互いに一線に並ぶ各々１ 個の丸穴１５を有する。この場所に横気泡管２’があり、この場合見えない横気 泡管ホルダーによって固定されている。 主気泡管２はこの場合気泡管ホルダー３として使用される挿入部材に固定され ている。気泡管ホルダー３はプラスチック製であることが好ましい。その形状は 下記で磁石ホルダー５に基づいて説明する。気泡管ホルダー３はスロット１４を 経て水準器本体１に導入され、その際傾倒運動を行わなければならない。続いて 主気泡管２は、本体１の中に固定して保持された気泡管ホルダー３にねじ又は接 着継手によって固定される。 本発明に係る水準器は、任意の強磁性測定面に水準器を付着するために少なく とも１個の磁石４を有し、磁石４は水準器本体１の内部に配設され、無傷の側壁 の背後にあり、こうして側壁によって測定点から隔離されてこの測定点に作用す る。 ここに示す実施形態では主気泡管２の両側に各々１個の磁石４があり、２つの 磁石４は水準器の同じ側壁１２に差し向けられている。別の配列が可能である。 各磁石４は磁石ホルダー５として使用されるプラスチック製挿入部材に配設さ れている。磁石ホルダー５は、一方の側に２個の対称の、互いに間隔をおいた取 付け面５１を、他方の側に２個の対称の弾性支脚５３を有する挿入体５０からな る。挿入体５０は、対称の取付け面５１の間に受け穴５２が形成されるように成 形されている。中央に配設され、挿入体５０と結合された弾性押圧板５４がこの 受け穴５２に突出する。挿入部材の横断面形状はＷに似ているが、外側の側辺部 は互いに平行に走る。 受け穴５２の中に磁石４が固定され、その際磁石４は更に強磁性板片によって 補強される。そのために磁石４は押圧板５４に固定した保持部材５２’によって 保持される。保持部材５２’は挿入部材の一体の構成部分であるか又は磁石４と 一緒に固定することもできる。磁石４と保持部材５２’は慣用の手段によって固 定され、例えば締付け又は接着することができる。磁石４の厚さは、磁石４が磁 石ホルダー５、特に取付け面５１及び保持部材５２’から僅かに張出し、組立状 態で水準器本体１の内側側面１０に弾力的に押圧されるように設計されている。 挿入部材を気泡管ホルダー３として使用する場合は、気泡管２のための僅かに 異なる形状の保持部材５２”が押圧板５４に配設される。この保持部材５２”は 気泡管２を完全に取り囲む。更に気泡管は挿入体５０、特に取付け面５１から突 出する。 組立のために磁石４は磁石保持部材５２’及び磁石ホルダー５に固定される。 続いて磁石ホルダー５が水準器本体１の開放した端面１３を経て本体１の中に差 し込まれる。そのために組立用ゲージを使用することができ、それによって水準 器本体１の内部の所望の位置を定めることができる。その場合弾性支脚５４とな るべく小さな取付け面５１とにより磁石ホルダー５の移動が可能になる。これら の部材は組立状態で水準器本体１の中空形材の２つの相対する側壁１２に接して いる。 よりよい固定のために磁石ホルダーに接着剤を付けて、本体の内壁に接着する ことができる。また中空成形棒材に磁石ホルダー用の固定又は調整部材を取付け ることができる。磁石ホルダー５を導入した後、本体１の端面１１を閉鎖キャッ プ６で閉じる。 図３に挿入部材の別の実施形態を示す。挿入部材はこの場合磁石ホルダー５’ として使用される。対称に形成された挿入体５０’の横断面はＨに似ており、そ の少なくとも近似的に互いに平行に走る側辺部は支脚５３をなし、支脚の両側は 取付け面５１’に移行する。Ｈの横棒にＴ形の押圧板５４’が配設されている。 磁石４は本例では押圧板５４’に直接固定されている。押圧板５４’は取付け面 ５１’に対して後退して配設され、一方組立てられた磁石４は取付け面から僅か に張り出すから、磁石４を本体１の内壁に押圧することができる。 図３に示した磁石ホルダー５’は対称に形成されているので、両側に押圧板５ ４’と磁石４を配設することができる。磁石ホルダーに複数個の磁石を設けた別 の実施形態も可能である。 図４に本発明に係る磁石ホルダー５’の第３の実施形態を示す。その横断面は やはり近似的にＨに似ており、その横棒に近似的にＴ形の押圧板５４’が配設さ れている。押圧板はやはり磁石ホルダー５’の取付け面５１’に対して後退して 突設され、磁石４の支承のために使用される。磁石のための支持面をなす２つの 側辺部５５は互いに外側へ僅かに傾斜しているから、ばね効果が高められ、磁石 が本体１の側壁１２に強く押圧される。 図３に示す実施例と対照的に、この磁石ホルダーは遥かに薄い肉厚を有するか ら、できるだけ材料を節約して製造することができ、個々の部材のばね効果が強 化される。押圧板５４’の側辺部５５に突子が突設され、余分の高さを生じるか ら、組立てられた磁石が本体１の内壁に密接する。Ｈ形挿入体５０’の横棒は、 間隔をおいて平行に走る２個のウエブ５６からなり、その上に各々１個の押圧板 ５４’が突設されている。 また挿入体５０の支脚は異なる形状になっている。２つの支脚は挿入体５０か ら遠のく外向きの端部を有する。この端部は本体１の内壁に支えるための取付け 面５１’をなす。挿入方向前側の支脚５３０は取付け面５１’として丸く湾曲し た端部を有する。挿入方向に後続の他方の支脚５３１は取付け面５１’を有する 。取付け面５１’は近似的に直角をなすが、僅かに本体１の側壁１２の方に向い ている。本例ではこの角は９３°である。 前側の湾曲した支脚５３０は磁石ホルダーの導入を容易にする。後側の直角の 支脚５３１は本体の中に磁石ホルダーを係着するから、別に固定手段がなくても 磁石ホルダーを所望の位置に保持することができる。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 中空形材からなる本体（１）と、本体の中に保持された少なくとも１個 の気泡管（２）と、測定面に付着するための少なくとも１個の磁石（４）とを有 し、少なくとも１個の磁石（４）が本体（１）の内部に保持されている水準器に おいて、少なくとも１個の磁石（４）が本体（１）の内側に配設され、本体（１ ）の一方の側面（１２）によって測定面から隔離され、水準器が磁石ホルダー（ ５）として使用される少なくとも１個の挿入部材を有し、この挿入部材に少なく とも１個の磁石（４）が配設され、挿入部材が本体（１）に挿入可能であり、組 立てた状態で本体（１）の中に保持されていることを特徴とする水準器。 ２． 磁石（４）が本体（１）の内壁に接することを特徴とする請求項１に記 載の水準器。 ３． 本体（１）が長方形横断面の中空成形棒材からなり、磁石ホルダー（５ ）が端面（１３）を経て挿入可能であり、組立状態で磁石ホルダー（５）が本体 （１）の２つの相対する側壁（１２）に接することを特徴とする請求項２に記載 の水準器。 ４． 磁石ホルダー（５）が本体（１）の中に弾性的強制拘束的に取付けるた めのばね部材（５３、５４、５４’）を有することを特徴とする請求項１ないし ３のいずれか１つに記載の水準器。 ５． 磁石ホルダー（５）が細幅側の少なくとも一方に、本体（１）の側壁（ １２）に接するための２つの互いに間隔をおいた取付け面（５１、５１’）を有 し、磁石（４）が取付け面（５１、５１’）の間で弾性押圧板（５４）に保持さ れており、組立状態で本体（１）の内壁に弾性的に押圧されることを特徴とする 請求項１ないし３のいずれか１つに記載の水準器。 ６． 磁石（４）を有する複数個の磁石ホルダー（５）が設けられていること を特徴とする請求項１に記載の水準器。 ７． 磁石ホルダー（５）に複数個の磁石（４）を固定することができること を特徴とする請求項１ないし６のいずれか１つに記載の水準器。 ８． 磁石ホルダー（５）と同じ形状を有する気泡管ホルダー（３）に少なく とも１個の気泡管（２）が固定されていることを特徴とする請求項１に記載の水 準器。 ９． 磁石ホルダー（５）の導入を容易にするために挿入方向前側の取付け面 （５１’）が湾曲しており、磁石ホルダー（５）の締付け保持のために、他方の 取付け面（５１’）が近似的に直角をなすことを特徴とする請求項５に記載の水 準器。 １０． 磁石ホルダー（５）が、Ｈ形に設計されており、横棒で互いに連結さ れた２個の支脚（５３）を有し、支脚の両側が取付け面（５１、５１’）で終わ っており、横棒の両側に配設された２個の押圧板（５４）を有していることを特 徴とする請求項５ないし９のいずれか１つに記載の水準器。