JPH11512617A - ペプチド核酸プローブを用いるハイブリダイゼーション分析のための方法、装置及びキット - Google Patents

ペプチド核酸プローブを用いるハイブリダイゼーション分析のための方法、装置及びキット

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JPH11512617A JP9514448A JP51444897A JPH11512617A JP H11512617 A JPH11512617 A JP H11512617A JP 9514448 A JP9514448 A JP 9514448A JP 51444897 A JP51444897 A JP 51444897A JP H11512617 A JPH11512617 A JP H11512617A
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パーセプテイブ・バイオシステムズ・インコーポレイテツド
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Abstract

(57)【要約】 一本鎖核酸の試料を標的配列に相補的な配列を有する検出可能なPNAプローブと接触させ、それにより標的配列が存在する場合にはそれが検出可能なプローブとハイブリダイズして検出可能な二重鎖を形成し、次いでその二重鎖を変性媒体中において未結合試料成分から電気泳動によって分離することにより、試料中の所望の標的配列を有する分子をハイブリダイズ及び分離するための方法、組成物及び装置。また、本発明は、試料を検出可能なPNAプローブと接触させることによる、一本鎖核酸及びそれらの相補鎖の混合試料中の所望の標的配列を有する分子をハイブリダイズ及び分離するための方法、組成物及び装置にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】ペプチド核酸プローブを用いるハイブリダイゼーション分析のための方法、装置 及びキット 発明の分野 本発明は、一般にはハイブリダイゼーション分析の分野に関し、より具体的に は、ペプチド核酸をDNA又はRNA標的配列のプローブとして用いるハイブリ ダイゼーション分析に関する。発明の背景 混合物の分離及び分析のための十分に確立されている技術である電気泳動は、 電場における分子の移動及び移動度の差に基づくそれらの分離を含む。多くの異 なる形態の電気泳動が開発されており、これにはフリーゾーン電気泳動、ゲル電 気泳動、等電点電気泳動及び等速電気泳動が含まれる。伝統的に、電気泳動は、 ポリアクリルアミド又はアガロースから板又は棒状に成型されたゲル中にて行わ れている。DNA又はRNAのようなポリヌクレオチドの分離及び分析には板状 ゲルが広く用いられている。 関心のあるポリヌクレオチド標的におけるヌクレオチドの配列を決定するため 、電気泳動を他の分析技術と組み合わせることができる。サザンブロッティング として知られる技術においては、DNA試料が関心のある“標的”ヌクレオチド 配列について分析される。DNA試料を典型的には加熱することにより変性させ 、変性された一本鎖DNAを板状ゲルにおいて電気泳動により分離する。電気泳 動分離の後、DNAを断片化し、ゲルからニトロセルロース膜のような膜に移し 、もしくはブロットする。次に、この一本鎖断片化DNAを、関心のある標的ヌ クレオチド配列と相補的な配列を有する標識DNA又はRNAオリゴマーで探索 する。このDNAもしくはRNAオリゴマー、すなわち、標的配列に相補的なプ ローブは、標的配列が存在する場合、それとハイブリダイズする。その後、あら ゆる未結合DNA断片及び過剰のプローブを厳密に洗浄することにより除去する 。洗浄後、特異的に結合したオリゴヌクレオチドプローブの標識が膜上に止まり 、これを検出する。標的配列の有無及びその大きさを容易に決定することができ る。ノーザンブロッティングと呼ばれる類似の技術が、RNAもしくはDNAプ ローブのいずれかを用いるRNA試料の分析に用いられる。 信頼がおける再現性のある結果を得るには、しばしば、個々の系の各々につい て実験上の最適化が必要となる。加えて、最も重要な工程は、しばしば、測定に 必要な特異的に結合したプローブを除去することなく(背景カウントの増大につ ながり得る)あらゆる非特異的に結合したプローブを有効に脱着させることを必 要とする厳密な洗浄の工程である。さらに、ブロッティング技術は、電気泳動の 前に関心のある標的ヌクレオチド配列を変性させ、ブロッティングが行われるま でプローブを添加しないことを必要とする複雑な手順である。したがって、上述 のブロッティング技術は、4時間ないし数日を要する手順全体の各々が複雑で、 時間がかかり、かつ労働集約的なものである。 ペプチド核酸、すなわちPNAは、通常のノーザン及びサザンブロット分析に おける有用なプローブ代替物であることが決定されている。Pluskal, M.ら, Peptide Nucleic Acid Probes and Their Application in DNA and RNA Bl ot Hybridization Analysis,The FASEB Journal Poster #35(1994年)を参照のこと。PNAは 、核酸塩基アデニン、 シトシン、グアニン、チミン及びウラシルが結合しているアミノ酸の繰り返し単 位を含んでなる合成オリゴアミドである。Egholmら, Nature(1 993) 365, 566−568;Oerumら, Nucl.Acid Res.(1993年) 235332−36;Practical PNA: Identifying Point Mutations by PNA D irected PCR Clamping(1995年) PerSepti ve Biosystems Vol.1, Issue1を参照のこと。PN Aシントン及びオリゴマーはPerSeptive Biosystems,I nc.、フラミンガム、MAから購入することができ、当該技術分野において公 知の方法によって作製することが可能である。例えば、PCT出願PCT/EP 92/01219号、PCT/EP92/01220号、PCT/US92/1 0921号を参照のこと。 多くの用途において、PNAプローブは核酸プローブよりも好ましい。これは 、低塩の条件下で不安定化する核酸/核酸二重鎖とは異なり、非常に低い塩の条 件下でPNA/核酸二重鎖が形成され、安定のままであるためである。Egho lmら,Nature(1993年) 365, 566−568; Practical PNA:PNA Oligomers as Hybri dization Probes(1995年) PerSeptive Bi osystems, Vol.1,Issue2を参照のこと。加えて、PNA /DNA複合体は類似の核酸/核酸複合体よりも熱溶融点が高いため、PNAプ ローブを使用することによりブロッティング検定の再現性を改善することができ る。Pluskal M.らを参照のこと。しかしながら、PNAプローブを用 いても、これらの検定は複雑で、時間がかかり、かつ労働集約的なままである。 ゲル充填毛管における非標識PNA/DNAオリゴヌクレオチド複合体の電気 分離が記述されている。Rose,D.J.,Anal.Chem.(1993 年) 65:3545−3549。この技術はPNA/DNAハイブリッドの安 定性故に有利ではあるが、このPNA/DNAハイブリッドは、PNA/DNA 複合体の形成においてPNAと競合する相補的DNA鎖がない非競合環境におい て形成される。この実験は、二本鎖DNAを用いて開始して、PNA/DNA複 合体を形成させることが可能であるのかどうかを示さなかった。 このような二本鎖核酸試料は、ハイブリダイゼーション分析 を行う際、特定の問題を呈する。二本鎖試料の各々の鎖がその相補鎖に対して非 常に高い親和性を有するため、低塩の条件下でさえ、関心のある標的DNA鎖に 相補的なDNA鎖の存在下における結合に、オリゴヌクレオチドプローブが効率 的に競合することができない。したがって、二本鎖DNAの分析は、典型的には 、相補鎖が存在しない条件下において一本鎖核酸試料を探査することを必要とし 、さもなければプローブとの競合に利用することはできない。例えば、伝統的な ブロッティング技術においては、断片をゲルから膜にブロットして競合する相補 的断片を固定化する。したがって、このような技術は、さらなる複雑性及びDN A配列を分析するための時間を付け加える。 二本鎖DNAはゲノム試料中の核酸の最も普通の形態であるため、これらの利 用可能な技術は完全に満足できるものではない。核酸を検出及び分析するための 、迅速で、再現性があり、容易で、かつコストの上で効果的な方法に対する需要 が存在する。本発明はこれらの需要に取り組む。発明の要約 したがって、本発明は、関心のある標的配列を有するポリヌクレオチド試料を 分離及び検出するためのものであって、従来 技術の制限及び不都合による1以上の問題を実質的に排除する方法、組成物、装 置、及びキットを指向する。 一態様において、本発明は、一本鎖ポリヌクレオチド配列及びそれらの相補鎖 の混合試料溶液の成分を分離し、かつそこに選択された標的配列を検出するため の方法に関する。この方法を実施するためには、まず、二本鎖ポリヌクレオチド を、典型的には加熱により、相補的な一本鎖ポリヌクレオチド対に変性させる。 次に、一本鎖ポリヌクレオチド対の試料を選択された標的配列の少なくとも一部 と相補的な配列を有するPNAプローブと混合し、それにより一本鎖ポリヌクレ オチド配列をPNAとハイブリダイズさせて検出可能なPNA/ポリヌクレオチ ド二重鎖を形成する。その後、試料中の様々なポリヌクレオチド及びポリヌクレ オチド/PNA種を電気泳動によって分離し、検出可能なPNA/ポリヌクレオ チド二重鎖を検出する。PNAプローブは、酵素、蛍光体、ビオチン、発色基、 放射性同位体、着色粒子、電気化学もしくは化学発光基のような検出可能な基で 標識することができる。様々な態様において、様々な種が、篩分け媒体中に電気 泳動、より具体的には毛管電気泳動によって分離される。篩分け媒体は、それが 用いられる場合 には、ポリアクリルアミド、アガロース、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピ ロリジン及びメチルセルロースからなる群より選択することができる。別の態様 においては、篩分け媒体は用いられない。 別の態様において、請求される発明は、選択された標的配列を含むポリヌクレ オチドの試料における検出のための装置に関する。本発明の装置は、試料注入区 域、該注入区域と連通する電気泳動篩分け媒体、及び該注入区域に導入される試 料と混合するように配置されるPNAプローブを有する。このPNAプローブは 選択される標的配列の少なくとも一部と相補的な配列を有し、標的配列が存在す る場合にはそれとハイブリダイズして検出可能な複合体を形成する。このプロー ブは標識することが可能であり、あらゆる適切な篩分け媒体を用いることができ る。好ましい態様において、本発明の装置は少なくとも1つの毛管又は通路を有 する。別の態様においては、この装置は複数の通路を有する。さらに別の好まし い態様においては、この装置は多通路マイクロチップである。 さらに別の態様において、請求される発明は、少なくとも2種類のPNAプロ ーブが標識され、その各々が、存在するので あれば異なる標的配列とハイブリダイズして検出可能な複合体を形成する、上記 方法、組成物及び装置に関する。標的配列は同じDNAセグメントにあっても別 々のDNAセグメントにあってもよく、同じ遺伝子の異なる座位から生じるもの であっても異なる遺伝子から生じるものであってもよい。 前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両者は例示的かつ説明的なもので あり、請求される発明のさらなる説明を提供することを目的とするものであるこ とが理解される。添付の図面は本発明のさらなる理解を提供するために含まれる ものであって、本明細書に組込まれ、かつその一部を構成するものであり、本発 明の幾つかの態様を説明し、本明細書の記述と共に本発明の原理を説明する役目 を果たす。図面の説明 図1は、本発明の“ブロット無し”法の一態様の流れ図を伴う、伝統的なサザ ンブロッティング技術の流れ図である。 図2A及び2Bは、化学発光によって発色させた、様々な温度及び濃度でのD NA/DNA及びDNA/PNAハイブリダイゼーション実験の結果を、アガロ ースゲルの2つのセグメントで示す。 図3A、3B及び3Cは、pBR322の2種類の制限消化物と3種類の異な る電気泳動ゲル系:非変性4−20%アクリルアミド(3A);7M尿素6%ア クリルアミド(3B);及び1%アガロース(3C)で分離された標識PNAと のハイブリダイゼーション実験の結果を示す。 図4は、二本鎖DNApBR322と標識PNAプローブとのハイブリダイゼ ーション実験における温度の効果を示す。 図4A及び4Bは、影響を受けていない個人(H)、レーン1、2及び5、並 びにキャリア(C)、レーン3及び4、によって提供された嚢胞性線維症遺伝子 W1282と野性型(WT)遺伝子、レーン1及び3、又は変異体(M)遺伝子 、レーン2及び4、の標識PNAプローブ及び過剰の変異体プローブ(レーン5 )との1.5%TBEアガロースゲル:DNAでの予備ゲルハイブリダイゼーシ ョン検定の結果を示す。 図5は、変性媒体中における様々な温度での相補的(曲線A:◆)、1塩基ミス マッチ(曲線B:■)及び2塩基ミスマッチ(曲線C:●)PNA/DNA二重 鎖の安定性を比較するプロットである。 図6は、様々な温度での相補的(曲線A:■)及び2塩基ミ スマッチ(曲線B:■)PNA/DNA二重鎖の安定性を比較するプロットであ る。 図7は、pBR322のBstNI及びMspI消化に由来するDNA断片の 毛管ゲル電気泳動の電気泳動図である。 図8は、毛管電気泳動によるpBR322の消化断片のサイズ分離のためのサ イズ較正曲線である。 図9は、標識PNAプローブ及びpBR322のBstNI消化の断片を含む 、ハイブリダイゼーション検定の構成要素の電気泳動分離の電気泳動図である。 図10は、標識PNAプローブ及びpBR322のMspI消化の断片を含む 、ハイブリダイゼーション検定の構成要素の電気泳動分離の電気泳動図である。 図11は、標識PNAプローブ並びにpBR322のBstNI消化及びpB R322のMspI消化の両者の断片を含む、ハイブリダイゼーション検定の構 成要素の電気泳動分離の電気泳動図である。 図12は、本発明の装置の態様の毛管の面での断面透視図を模式的に示すもの である。 図13Aは、食違いはさみインジェクタを用いる試料導入プ ロセスを模式的に示すものである。 図13Bは、食違いはさみインジェクタを用いる電気泳動分離プロセスを模式 的に示すものである。 図14は、多通路毛管マイクロチップウェハの毛管の面での断面透視図を模式 的に示すものである。 図15は、毛管ゲル電気泳動を用いるハイブリダイゼーション分析のための一 体型装置を模式的に示すものである。 図16は、標識PNAプローブ(フレーム600の影像)並びにpBR322 のBstNI及びMspI消化の両者の断片(フレーム300−400の影像) を含む、ハイブリダイゼーション検定の電気泳動分離の電気泳動図である。 図17Aは、野性型嚢胞性線維症F508遺伝子の標識PNAプローブを(a )影響を受けていない個人;(b)キャリア;及び(c)影響を受けている患者 から提供されたDNA試料と共に含む、ハイブリダイゼーション検定の構成要素 の電気泳動分離の電気泳動図を示す。 図17Bは、変異嚢胞性線維症F508遺伝子(ΔF508)の標識PNAプ ローブを(a)影響を受けていない個人;(b)キャリア;及び(c)影響を受 けている患者から提供された DNA試料と共に含む、ハイブリダイゼーション検定の構成要素の電気泳動分離 の電気泳動図を示す。 図18Aは、影響を受けていない個人から提供された野性型DNA試料の野性 型嚢胞性線維症W1282遺伝子についてのハイブリダイゼーション検定の構成 要素の電気泳動分離の電気泳動図を示す:(a)野性型標識PNAプローブ;( b)変異標識PNAプローブ;及び(c)DNA試料は含まないが変異プローブ は含む対照。 図18Bは、健常キャリアから提供されたDNA試料の変異嚢胞性線維症W1 282X遺伝子についてのハイブリダイゼーションの構成要素の電気泳動分離の 電気泳動図を示す:(a)野性型標識PNAプローブ;(b)変異標識PNAプ ローブ。 図19は、野性型嚢胞性線維症W1282及びF508遺伝子の2種類の標識 PNAプローブを含む、多ハイブリダイゼーション検定の構成要素の電気泳動分 離の電気泳動図である。発明の詳細な説明 本発明者らは、DNA/DNA、RNA/DNA又はRNA/RNAハイブリ ッドにとって通常の変性条件下において、PNAが標的DNA又はRNA配列と ハイブリダイズしたままで あることを見出している。したがって、実施者は、試料成分を篩分け媒体で電気 泳動により分離することに加えて、プローブとハイブリダイズして複合体を形成 することに基づいて標的配列の存在を同時に検出することが可能である。ここで 用いられる“プローブ”は、標的配列内の核酸塩基の少なくとも一部と相補的な ヌクレオチド塩基の配列を指す。従来、相補的DNA標的とDNAプローブとの 競合を防ぐため、プローブとハイブリダイズさせる前に、相補的核酸鎖をそのパ ートナーとの結合に利用できないようにする必要があった。このため、標的ヌク レオチド配列とPNAプローブとのハイブリダイゼーションは、DNA/DNA プローブがハイブリダイズしない条件下で行うことができる。ここで用いられる “標的配列”という用語は、DNA又はRNA配列のような、技術者が検出する ことを望み、PNAプローブとハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド塩 基のあらゆる配列を指す。付け加えられる利点として、PNAは従来のヌクレオ チドプローブとは異なって電荷を持たず、したがって、過剰のプローブからのハ イブリッドの電気泳動分離を簡素化する。これらのPNAプローブを用いる検定 は少なくとも通常用いられるオリゴヌクレオチドプローブと同程 度の感度及び識別能力を有するものであり、それらの標的とより迅速にハイブリ ダイズする。さらに、本発明の検定は迅速な1工程ハイブリダイゼーションとそ れに続くサイズ分離を提供し、したがって、当該技術分野において公知の方法よ り時間の消費、複雑性及び労働集約性が少ない。 ここで用いられるPNA(ペプチド核酸)という用語は、中性ポリアミド主鎖 を有するDNA模倣体であって、この中性ポリアミド主鎖には核酸塩基がDNA のリン酸主鎖に結合するのと同じ様式で結合するDNA模倣体を指す。 PNAは、標準的なペプチド化学により定型的に合成することが可能であり、固 相合成のいずれかの一部として、又は樹脂からの開裂に続いて、ビオチン又は様 々な他の標識で標識することができる。例えば、Cholletら, Nucl eic Acids Research, Vol.13, No.5,pp. 1529−1541(1985年)を参照のこと。単量体シントンからPNAを 作製する方法は当該技術分野で公知である。 ここで用いられる“検出可能な基”は請求される発明における使用に適する基 であり、これには酵素、蛍光体、ビオチン、発色基、放射性同位体、電気化学基 及び化学発光基が含まれるがこれらに限定されるものではない。このような基は 、当該技術分野において認知されている技術を用いて、容易にプローブに結合さ せることができる。 請求される発明の全ての側面を十分に理解するため、本発明の組成物、キット 及び方法をもたらすPNA/核酸二重鎖の2つの重要な特性を出願人が発見して いることが認められるべきである。第1に、出願人は、驚くべきことに、標的配 列に相補的な配列を有する標識PNAプローブを変性されている二本鎖 核酸試料に添加すると、PNAプローブが標的配列と迅速にハイブリダイズし、 それにより相補的核酸鎖の存在下において二重鎖を形成することを観察している 。より長い相補的核酸鎖は低塩の条件下であっても非常に短いPNAプローブと 競合するため、PNAプローブが容易にもしくは迅速に置換して、より安定な二 本鎖核酸出発物質を形成することがないことは驚くべきことである。これは、5 0ヌクレオチドサブユニットを超える長さの二本鎖区域を有する試料のような長 い核酸断片を含む試料にとって非常に驚くべきことである。 第2に、PNA/核酸二重鎖は、DNA二次構造が崩壊する変性条件下におい て安定である。したがって、試料の成分を変性条件下において分離し、それによ り二次構造の形成及び相補的断片の結合を防ぐことが可能である。このようなこ とは、伝統的なDNA又はRNAプローブを用いては、変性条件が所望の断片化 、すなわち二次構造の形成に影響を及ぼすだけではなく、プローブとの所望のハ イブリダイゼーションをも崩壊させるため、不可能である。ホルムアミドのよう な変性剤の存在は、標的に対するプローブ配列の単一の塩基対の区別の達成に必 要な温度を低下させる。このため、ハイブリダイゼーション検定 のアニーリング工程を周囲温度もしくはその近辺で行うことができる。その結果 、本発明のハイブリダイゼーション検定は、関連技術の検定よりも高い識別能力 を持つことが可能である。 従来技術の用途において、DNAの2つの独立の鎖を分離する前にはプローブ のハイブリダイゼーションは行われない。伝統的な技術においては、標識プロー ブが電場の中を移動し、これが大過剰で用いられる。したがって、過剰のプロー ブが非常に強い信号として現れ、これが幾つかの標的の正確な検出を妨げる可能 性がある。加えて、ポリヌクレオチド/プローブ複合体が容易に解離するため、 解離の程度に応じて、検出に利用することができる信号はほとんど、もしくは全 くない。分離媒体が変性剤を含んでいた場合、全ての複合体は急速に解離して何 も検出されない。 標識DNA及びRNAプローブとは異なり、本発明の標識PNAプローブは、 相補的ヌクレオチド鎖の存在下においてさえ、ヌクレオチド試料中の標的配列と ハイブリダイズしたままであり得る。形成されるPNA/核酸複合体は低塩の条 件下において非常に安定であり、変性剤の存在下において分離及び検出を可能と するのに十分な程度に安定である。加えて、PNA は荷電しておらず、かつ電気泳動分離において実質的に移動しないため、成分の より良好な分離が得られる。 一本鎖核酸はいかなる天然もしくは合成源からも得ることができる。例えば、 所望の配列を検出しようと望むDNA又はRNAのいかなる試料をも、当該技術 分野において公知のいかなる方法によっても断片化及び変性させることができる 。したがって、例えば、特定の診断用途において、少なくともヒトゲノムの一部 を消化し、それを変性させ、それを本発明の方法における試料として用いること により、特定の配列の存在を検出することができる。 一態様において、低イオン強度緩衝剤を用い、温度を約65℃以上に約5分間 上昇させることにより、二本鎖ヌクレオチドの断片を変性させ、それらのヌクレ オチド断片が再アニールする前にそれらのうちの1つにPNAプローブをハイブ リダイズさせることが可能である。この態様において、変性したヌクレオチド断 片及びPNAプローブを含む試料をゲルに直接導入し、電場に置く。PNAプロ ーブ及び相補的DNAもしくはRNA配列を含むハイブリダイズした複合体は、 未結合プローブ及び一本鎖ヌクレオチドとは異なる電気泳動移動度を示す。PN A プローブは中性であるため、ハイブリダイズしていないプローブは電場の下では ゲル中を移動することはない。時には、プローブに結合している標識がプローブ に幾らかの電荷を付け加えることもあるが、その標識プローブの電気泳動移動度 は一般に小さく、迅速で完全な分離を可能にするのに十分な程度ハイブリダイズ したPNA/ヌクレオチド二重鎖とは異なる。このため、一本鎖核酸断片及びハ イブリダイズした複合体だけがゲル中に侵入して移動する。したがって、標的配 列を含む断片を、その断片とハイブリダイズしているプローブ上の標識を検出す ることにより検出することが可能である。この技術に関しては、PNAプローブ との競合を防ぐための相補的ヌクレオチド鎖を分離するさらなる工程は必要ない ことに注目されたい。 簡単な概要において、本発明の方法は、まず関心のある標的配列の少なくとも 一部と相補的であり、かつそれとハイブリダイズすることが可能なPNAプロー ブを設計することにより実施することができる。標的配列は、試料中に検出しよ うとする核酸配列のあらゆる既知の配列である。標的配列は、様々な態様におい て、関心のある遺伝子をコードする配列であり得る。標的配列の例には、プロモ ーター配列、遺伝子座、病原体に特 異的な配列、癌遺伝子に特異的な配列、遺伝的に変更された植物及び生物に特異 的な配列、遺伝的欠損に特異的な配列、PCRのような方法で増幅された配列、 及びZnフィンガーのような共通構造モチーフをコードする配列が含まれるがこ れらに限定されるものではない。 より詳細には、PNAはペプチドの合成に用いられるものに類似する方法によ って合成することが可能である。単量体シントンからPNAを作製する方法は当 該技術分野において公知である。本発明のPNAプローブは、好ましくは、標的 配列とのハイブリダイゼーションの際に標識PNA/核酸複合体を形成するよう に、検出可能な基で標識される。フルオレセイン又はビオチン標識PNAプロー ブは、Per Septive Biosystems(Framingham 、MA、USA)のExpedite Nucleic Acid Synth esis Systemで合成することができる。ビオチン(Bio)又はフル オレセイン(Flu)の活性化エステル、例えば1−(4’−ニトロフェニル)ピラ ゾリン−5−オン(DMTr−Bio−HPP)のジメトキシトリチルビオチン エステル又は5,6−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミ ド を反応させる前に、8−アミノ−3,6−ジオキサオクタノン酸(−oo−)のス ペーサー単位を樹脂結合PNAに添加する。その後、標識PNAを樹脂から切り 離し、保護基を除去して本発明において用いられる標識PNAプローブを得る。 PNAを蛍光染料で標識する方法も当該技術分野における熟練者に公知である。 次に、関心のある標的配列に対応するPNAプローブを試験しようとするポリ ヌクレオチドの試料中に導入する。この試料はDNAを含んでいてもRNAを含 んでいてもよく、二本鎖であっても一本鎖であってもよい。試料が当初二本鎖で ある場合、PNAプローブを添加する前に変性させると、試料は一本鎖ポリヌク レオチドとそれらの相補鎖の溶液を含む。プローブはDNAの相補鎖と競合し、 標的配列が存在する場合には少なくともその一部と優先的に結合して検出可能な 二重鎖を形成する。 PNA及びDNAプローブの性能の差は分子のオン及びオフ速度の差によるも のであることが部分的には信じられる。PNAのより速いオン速度はそのハイブ リダイゼーション時間をより短いものにする。PNAのより遅いオフ速度は、D NAプローブで使用可能なものよりも広範な温度範囲全体にわたってハイ ブリダイズし、かつ洗浄に耐えるPNAの能力により、ミスマッチをより容易に 識別することを可能にする。加えて、DNAプローブとPNAプローブとのオフ 速度の差は、プローブの長さが減少するにしたがって大きくなる。実際、従来技 術において13残基未満の長さのオリゴヌクレオチドはプローブとして使用する ことができず、これに対してPNAは10残基という短さでも検出に十分な信号 を出す。このため、本発明に従って、僅かに4残基のタンパク質配列の情報に基 づいてPNAプローブを設計することができる。したがって、PNAは様々なハ イブリダイゼーションベースのDNA/RNA用途に有用であり、この用途には 点変異の直接検出、固相親和性捕獲及び反復配列を含むDNAのPCRの改善が 含まれるがこれらに限定されるものではない。 DNA及びRNAへのPNAの結合の塩依存性は請求される発明のとりわけ魅 力的な特徴である。PNAは低塩条件下、例えば約10mM未満の濃度で、緊密 に結合することが可能である。これらの条件の下では、DNA/DNA、DNA /RNA又はRNA/RNA二重鎖の形成(すなわち、二次及び三次構造)は非 常に不首尾になり、又は妨げられる。したがって、低 イオン強度の条件下で核酸試料をPNAプローブと混合することが好ましいこと がある。これらの条件は、塩濃度によって比較的影響を受けることがないPNA プローブ/核酸のハイブリダイゼーションに好都合であり、これに対して核酸/ 核酸相互作用は高イオン強度の条件において好都合である。好ましくは、混合物 のイオン強度は約1ないし約50ミリモル濃度の範囲である。 特定の態様においては、篩分け媒体に導入する前に、試料及びプローブを特定 の期間、すなわち約1分ないし30分間インキュベートし、成分が相互作用して 複合体を形成するためのより長期間の機会を与えることが好ましいことがある。 熟練技術者は、定型の実験を用いるインキュベート工程を含めるのに適切であり 、及び/又はそれが必要である時期を決定することができる。 標識プローブをヌクレオチド試料と混合した後、ハイブリダイズしたPNA/ 核酸二重鎖を過剰の標識プローブから分離しなければならない。好ましくは、こ れらの二重鎖を、標的配列を含まない相補的ヌクレオチド鎖及び他の未結合成分 のような試料中の他の種からも分離する。多くの分離技術が当該技術分 野において公知であり、本発明の方法において有用である。例えば、電気泳動、 クロマトグラフィ、質量分析及び他の方法により試料中の種を分離することがで きる。好ましくは、篩分け媒体を用い、もしくは用いない電気泳動により成分を 分離する。しかしながら、クロマトグラフィ媒体、例えば灌流クロマトグラフィ 媒体、すなわちPer Septive Biosystems, 好ましいものであり得る。 特定の態様においては、篩分け媒体はポリアクリルアミド又はアガロースを含 むスラブゲルに形成する。ここで用いられる場合、篩分け媒体は試料中の種をサ イズに基づいて分離することが可能ないかなる媒体であってもよい。当該技術分 野における熟練者は、所望する特定のサイズ分離に基づいて適切な媒体を容易に 選択することができる。篩分け媒体は、例えば、ポリアクリルアミド、アガロー ス、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリジン及びメチルセルロースからな る群より選択することができる。媒体は溶液であってもよく、液状であってもゲ ル状であってもよく、かつ板状形態であっても毛管の形態であってもよい。化学 成分の電気泳動速度は電場におけるその電気 泳動移動度及び電気浸透流によって決定される。成分の電気移動度は電気泳動媒 体の性質、例えば、pH、イオン強度及び粘度の影響を受け得る。電気泳動媒体 は、その系の特定の成分の電気泳動移動度を選択的に妨げる物理的特性について 選択することが可能である。例えば、媒体に添加される篩分け剤の量によって種 の分子移動を変更し、したがって、電気泳動移動度を変更することが可能である 。特定の態様においては、篩分け媒体は必要ではなく、緩衝剤が成分の分離に十 分な電気泳動媒体である。別の態様においては、媒体は変性性であっていてもよ い。当業者は、当該技術分野において公知のあらゆる手段、例えば温度の上昇又 は変性剤の添加、によって媒体を変性性にさせることができることを理解するで あろう。 電気泳動での移動を付与するのに必要な電位は、典型的には、一般にセンチメ ートル当り100ボルトないしセンチメートル当り数千ボルトの範囲の電場強度 で作動する高電圧源によって媒体を横切って印加される。好ましくは、電場はセ ンチメートル当り約100ないし500ボルトである。例えば、米国特許第4, 865,706号及び第4,865,707号を参照のこと。PNAはポリアミ ド主鎖を有するため、これらは本質的 に荷電していない。したがって、過剰のプローブからのPNA/DNAハイブリ ッドの分離は、高度に荷電したハイブリッドが電場の中を迅速に移動し、これに 対して本質的に中性のプローブはゆっくりと移動するか、もしくは全く移動しな いため、比較的容易である。上述のように、標識が小電荷をプローブに付与する ことがあるが、DNAもしくはRNAプローブと同様に、PNA/ヌクレオチド 複合体の分離に大きく影響することはない。 一態様において、篩分け媒体は電気分離通路内に配置され、そこに試料及びプ ローブが添加される。電気泳動は、毛管又は通路における毛管電気泳動により、 篩分け媒体を用いて、もしくは用いずに、有利に行うことができる。毛管又は通 路はいかなるサイズであってもよいが、毛管又は通路の断面積を小さくすること により高速及び高解像度のために用いられる非常に高い電場が可能となる。通路 は、好ましくは、深さが約0.1μmないし約1000μmであり、幅が約10 μmないし1000μmである。毛管は、好ましくは、約25μmないし100 μm径である。このような形態により、蛍光又はUV吸収による標識の定量的検 出が容易になる。これは自動化に非常に都合 が良い。特定の態様においては、複数の検定を平行して行うことによる高い処理 量を可能にするために多通路マイクロチップを用いることができる。マイクロチ ップは100までの通路を有することが可能である。 次に、通路内に収容される電導性篩分け媒体に電位を印加し、ハイブリダイズ した二重鎖及び試料の他の成分を移動させる。電気浸透流、電気泳動移動度、電 気泳動媒体の化学、pH、温度、イオン強度、粘度、試料の容量、電位、毛管の 長さ、篩分け媒体の性質及び量、検出法等を含むがこれらに限定されるものでは ない、請求される発明の多くの実験パラメータは変動し得る。これらのパラメー タは実施される電気分離分析のいかなるものについても最適化することができる 。これらのパラメータの1つ以上を変更することにより、当業者が定型の実験を 用いて本発明を利用することが可能になり、請求される方法に万能性が付与され る。 分離工程の後、請求される方法はハイブリダイズした複合体の検出に備える。 検出は、紫外線の吸収、可視光線の吸収、蛍光、化学発光、屈折率、ラマン分光 分析、質量分析、電気化学及び伝導率を含むがこれらに限定されるものではない 方法によ って達成することができる。幾つかの態様においては、タンパク質、炭水化物及 び核酸の検出又は位置決定に利用されているビオチンでPNAプローブを標識す ることが好ましいことがある。Cholletら, Nucleic Acid s Res.,Vol.13, No.5, pp.1529−1541(19 85)を参照のこと。 熟練した実施者は、他の基を試料配列と組み合わせて用いて分離の解像度を増 大させることができる。例えば、電荷変更基を混合物に添加して、電場の下でP NA/核酸複合体が受ける力を増大させることが可能である。簡単に述べると、 そのような混合物を電気分離分析するそのような方法は、通路内で、(1)試料 ;(2)分析物の第1結合部位に結合する第1結合パートナー;及び(3)分析 物の第2結合部位に結合する第2結合パートナーを含む混合物を電気的に分離す る工程を包含する。第1結合パートナーは検出可能な基を含み、第2結合パート ナーは電荷変更基を含むことが可能であり、したがって、未結合試料及び成分と は異なる電気泳動移動度を有するものと考えられる。 特定の態様においては、特定の試料中の1を上回る標的配列 を探索することが有用であり得る。このような多元的分析は様々な方法で行うこ とができる。例えば、分離がサイズに基づくものである場合には、そのような検 定において検出される断片のパターンは独自のものであり、したがって分析の基 礎である可能性がある。同様に、電気泳動により分離する場合にはこのパターン は電気泳動図として現われ、別の態様においてはこのパターンは写真フィルム上 のスポットもしくはバンドとして現われ得る。当業者は、試料を1種類を上回る 標的配列に向けられた1種類を上回る標識PNAプローブと接触させることによ り、このような多元的検定を容易に行うことができる。様々なプローブ上の標識 は同じであっても異なっていてもよい。検出の際、信号のパターンを標的配列に ついて分析することができる。これらの多元的方法は、例えば、特定の遺伝子の 同定、遺伝子多形、親子鑑定、又は診断用途において有用であり得る。 好ましい態様においては、標識が独立に検出可能な異なる蛍光標識を有してい てもよい。例えば、Smith,L.M.ら,Nucleic Acids R esearch, 13:2399−2412(1985年);及びSmith ,L.M.ら,Nature, 321:674−679(1986年)を参 照のこと。特定の検定においては、複数の標識を用いることにより、標的配列が 特定の断片と会合しているかどうかの絶対的な同定を容易にすることができる。 加えて、単一の試料の分析の実施に用いられるプローブ(1種もしくは複数) が全て共通の標識を有するものの、その標識は異なる試料に対しては異なるもの である1回の分離で、複数の試料を処理することができる。このため、一態様に おいては、標識は蛍光標識であってもよく、分離は電気泳動により行うことがで きる。したがって、全ての試料をプールし、1回の分離で分離することが可能で ある。全ての試料の全ての情報をハイブリダイゼーションの際に利用することが 可能であり、異なる標識を識別することが可能な検出系を用いて獲得することが できる。適切なデータ解析ツールを用いて、個々の試料の各々のデータを所望の ときに個別に示して報告することが可能である。 このように、請求される発明は、標的配列を有する分子のハイブリダイゼーシ ョン、分離及び検出の方法を提供する。伝統的な技術とは異なり、ハイブリダイ ゼーションは分離及び検出と同時に、又はそれ以前に生じさせることが可能であ る。DNA又はRNAプローブを用いる通常のブロット法は時間がかkり、 かつ労働集約的である多工程手順を包含し、これは、(1)変性した試料の篩分 け媒体への導入;(2)電気泳動による分離;(3)膜への移行;(5)プローブ とのハイブリダイゼーション;(6)厳密な洗浄;及び、最後に、(7)検出の ための標識の発色を必要とする。対照的に、請求される方法は、プローブとのハ イブリダイゼーション、篩分け媒体又は毛管の注入区域への試料の導入、及び検 出に先立つ電気泳動による分離のみを必要とする。図1に関しては、従来技術の プロセスの流れ図及び本発明のプロセスの流れ図がそれらのそれぞれの工程を直 接比較するために示されている。結果として、請求される方法は当該技術分野に おいて公知の方法より迅速であり、かつ労働集約的なものではない。 以下の例は、PNAプローブ/ヌクレオチド分析の有用性を従来のDNAプロ ーブ/DNA分析と比較して明らかにする。実施例1 予備ゲルハイブリダイゼーション A.実験の設計: 表1A及び1Bに関して、5種類の異なる融解/アニーリング(ハイブリダイ ゼーション)温度をビオチンで標識したPNA 及びDNAプローブ(試料A−E)を用いて試験した。実験的対照は94℃での み加熱したDNA/PNA試料;及び55℃のみで加熱したDNA/PNA試料 を含んでいた(試料F1及びF2)。各温度で、標的DNAの連続希釈(すなわ ち、2ng、0.2ng及び0.02ng)を用いた(表1A)。全ての試料に は1ピコモル(pmol)のプローブを含めた。混合物の最終塩濃度は1mMト リス(7.5)、0.1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)であった。( TEはトリスとEDTAとの混合物を指す。)各反応の総容量は10μLであっ た。 ハイブリダイズした試料を1×TBE(0.134Mトリス、44.5mMホ ウ酸、2.7mM Na2EDTA)1%アガロースゲルに流した。ゲルに流し た直後に、非荷電ナイロン膜への毛管移行を開始した。移行緩衝剤は20×SS C(3M NaCl、300mMクエン酸ナトリウム)であった。翌日、その膜 を乾燥させてUV(紫外光、その源は総エネルギー33,000μジュール/c m2の露光をもたらす)で架橋した。これらの膜を加熱密封バッグに入れ、Ne w England Biolabsから購入した化学発光キット(#7006 )を用いてビオチン標識を検出した。この検出については製造者の 指示に従った。膜をX線フィルムに露出させ、画像を得るために現像した。 第1の温度は融解温度として、第2のものはアニーリング温度として働くように 設計された。 B.結果: 図2A及び2Bに関して、PはPNAオリゴマープローブがアニール(ハイブ リダイズ)していたことを示し、DはDNAオリゴマープローブが核酸二重鎖に アニール(ハイブリダイズ)していたことを示す。Mはマーカーのレーンを示す 。レー ンA1、B1、C1、D1及びE1は、ゲル内バンドを示し、ゲル内に移動し、 検出されているPNAプローブ/核酸二重鎖を表す。各試料はハイブリダイゼー ションの間に異なる温度条件に晒されていたため、この実験はアニーリング現象 がまさに温度依存性であることを示す。同一の条件下においては、レーンA2、 B2、C2、D2及びE2に示されるように、類似のDNAプローブ/核酸二重 鎖はほとんど検出されない。これらのレーンの各々において、標識DNAプロー ブは各レーンの底部の大きな環状の染みとして観察される。この染みは、過剰の DNAオリゴマーが荷電しており、したがってゲル中を移動するため視認可能で ある。この染みは、それが小さく(15ヌクレオチド)、ゲル内を非常に迅速に 移動するためゲルの底部に存在する。反対に、PNAプローブに関するレーンは 、これらのプローブが主に受動拡散によってゲル中を移動するため、導入ウェル 近辺にのみバックグラウンドを示す。全ての試料のうちのレーン3及び5におけ るPNA/核酸二重鎖の検出には、バンドを観察するためにより長いフィルムの 露光時間を要した。したがって、検出の限界が標的DNAの出発量及び標的配列 への結合に利用可能なプローブの量に依存する濃度依存性が存在 する。対照は、試料DNA/DNAが、DNA/PNA二重鎖の適切なアニーリ ング温度でもある55℃でさえ融解することを示す。さらに、対照F1で二重鎖 が形成されるため、アニーリング温度を得る必要はない。実施例2.異なるゲル系での予備ゲルハイブリダイゼーション実験 A.実験の設計: この実験においては、各々の試料を3つ調製した。二本鎖プラスミドDNAの 2種類の異なる制限消化物、1)制限酵素BstNIで消化したpBR322( 12ngを3つに分割)、及び2)制限酵素MspIで消化したpBR322、 をこの実験に用いるために購入した。2種類の別々の出発濃度を消化したプラス ミドの各々の試料に用いた(すなわち、50ng及び12ngの出発プラスミド )。プラスミド消化物の各々の試料をエッペンドルフ管に入れ、この管に4ピコ モル(pmol)のビオチニル化PNAプローブ(5’−Bio−oo−ATG CAGGAGT CGCAT−3’)、1/10容量のトリス−EDTA緩衝剤 及び脱イオン化濾過水(dH2O)を添加して容量を30mLとした。これらの 反応物を20分間 70℃にした。次に、それらを3つに分割して適切な装着染料を添加し、4−2 0%非変性アクリルアミドゲル(図3A)、7M尿素−6%アクリルアミドゲル (図3B)又は1%アガロースゲル(図3C)のいずれかで分離した。次いで、 各ゲル中の成分を毛管作用により非荷電ナイロン膜上に移行させた。この膜を乾 燥させ、UV(紫外光、その源は総エネルギー33,000μジュール/cm2 の露光をもたらす)で架橋させた。この膜を加熱密封バッグに入れ、New E ngland Biolobs.から購入した化学発光キット(#7006)を 用いてビオチン標識を検出した。この検出については製造者の指示に従った。膜 をX線フィルムに露出させ、画像を得るために現像した。 B.結果: 図3A、3B、及び3Cに関して、試料は数字1、2、又は3で指示された場 所にのみゲル上に導入した。すべての数字1はBstNIで消化したpBR32 2の4ngであった。全ての数字2は、16ngという高い濃度のMspIで消 化したpBR322を表す。同様に、全ての3という数字は4ngという濃度の 低い、MspIで消化されたpBR322を表す。文字Mは、そのレーンにサイ ズマーカーを流したことを示す。 予想通りに、異なるゲル条件に対して、成分の移動度はゲルからゲルで実質的に 変化する。図3Aに関して、レーン1は939塩基対(bp)の長さの一本鎖D NA断片を含む。同じバンドが図3Cのレーン1に出現する。しかしながら、こ れは図3Bには見られない。これは、この断片が6%アクリルアミドを通してう まく電気泳動させるには大きすぎるためである。図3A、3B、及び3Cのレー ン2に見出されるPNA/断片複合体に関して、目視可能である約97bpのバ ンドの1断片がある。もう一度述べるが、異なるゲルは、同じ長さの断片におい て、異なる移動度を付与することは明らかである。図3A、3B、及び3Cに見 出されるレーン3は、レーン2に見られる断片/PNA複合体のより薄い溶液で あるが、これはそれぞれのゲル系の各々の同じ部分を流れる。 この実験の組は、PNA/DNA複合体が7M尿素−6%アクリルアミドゲル 中及び装着染料に用いられるホルムアミド中で元のままに維持され/その状態を 保つことを示す。そうでなければ、PNAが坦持するビオチン標識に検出が依存 しているので、別個のバンドは目視できないはずである。6%アクリルアミドゲ ルで目視可能な唯一のバンドが約97bpのpBR3 22MspIバンドであることに注目されたい。このバンドはBstNI標的( 939bp)よりも非常に短い。このバンドは、6%アクリルアミドゲルが50 0bpよりも短い断片を分離するために、視認することができる。より大きな断 片はゲルに入ることも、実質的に膜に移行されることもない。実施例3.制限酵素消化/予備ゲルハイブリダイゼーション A.実験の設計: 6組の反応を2回行った。4ngの直線化二本鎖pBR322を反応の各々に 用いた。pBR322に2pmolのビオチニル化PNA、1/10容量のTE 緩衝液及びdH2Oを添加して反応容積を10μLにした。試料の組を指示され る温度で10分間インキュベートした後、徐々に(30分を超えて)室温に冷却 した。(試料2Bは最初に94℃に加熱し、試料3B及びDは85℃に加熱し、 試料4B及びDは−75℃に、試料5B及びDは−65℃に、試料6B及びDは −55℃に、及び試料7B及びDは室温に放置した。)全ての試料を徐々に室温 まで冷却した後、各試料にdH2O、1/10容量の中程度の塩(NEB2−1 0mMトリス−HCl、10mM MgCl2、50mM NaCl、1mMジ チオスレイトール)及び1ml のPstI制限酵素を添加した。これらを37℃で20分間インキュベートした 後、一晩周囲温度で放置した。翌日、各々の管にさらに0.5μLの制限酵素を 添加し、37℃で15分間インキュベートした。図4に関して、1組の試料(B )に装着染料を添加し、アガロースゲルに導入する用意を整えた。別の組(D) は94℃で10分間インキュベートした。次いで、装着染料をD組に添加して試 料を導入した。全ての試料を1%アガロースゲルを通して電気泳動させた。その 後、各ゲル中の成分を毛管作用により非荷電ナイロン膜上に移行させた。翌日、 この膜を乾燥させ、UV(紫外光、その源は総エネルギー33,000μジュー ル/cm2の露光をもたらす)で架橋させた。この膜を加熱密封バッグに入れ、 New England Biolabs.から購入した化学発光キット(#7 006)を用いてビオチン標識を検出した。この検出については製造者の指示に 従った。膜をX線フィルムに露出させ、画像を得るために現像した。 B.結果: 図4に関して、目視し得る消化されたDNA(すなわち、短い断片が目視可能 である)が存在する唯一のレーンが各試料 のDレーンに観察される。これは、DNAが消化されるためには、それが二本鎖 となるように最初に再アニールされなければならないことを示す。再アニールが 生じる際、PNAプローブは複合体から脱離する。Bレーンは消化されたDNA 断片を含む。そのDNA断片はPNAプローブが複合体から脱離するので、DN Aがもはや標識されないために検出されない。Dレーンは、消化の後94℃で1 0分の処理によって二本鎖DNAが融解し、それによりPNAがもう一度結合す ることが可能であったことから、PNAプローブに再アニールの機会があったた め、目視可能である。図4はPNAプローブ及び二本鎖DNAの幾つかの特徴を 示す。第1に、融解温度が増大するに従って再アニーリングが実質的に長期間と なるゆえに、DNAを高温で融解することが好ましい。第2に、PNAを一本鎖 DNAに再アニールさせる機会を得たDNAだけが消化されるように見える。6 5、75、85及び95℃については、PNAが結合したままの一本鎖DNAが 幾らか存在する。これは55℃又は室温のいずれかでは起こらない。第3に、P NAの存在下に消化の後に試料を再加熱することはしなかったため、我々は、切 断されたDNAは存在するものの、それは検出されないものと 結論付けた。我々の全体的な結論は、我々がこれらのゲル上に可視化されたDN Aは一本鎖であり、このDNAがゆっくりとしたプロセスで復元する際にPNA を置換するというものである。実施例4.嚢胞性線維症遺伝子W1282の予備ゲルハイブリダイゼーション A.実験の設計: 嚢胞性線維症キャリアにおけるW1282X変異を、毛管関連検定において1 塩基変異を検出する方法の臨床検査における有用性の試験に用いた。図4Aに関 して、2つの野性型対立遺伝子W1282を含む影響を受けていない個人から提 供されたDNA試料をレーン1及び2に、野性型対立遺伝子W1282及び変異 体対立遺伝子W1282Xを含むキャリアから提供されたDNA試料をレーン3 及び4に用い、野性型に対するフルオレセイン標識PNA、Flu−oo−CT TTCCTCCACTGTT−NH2、をレーン1及び3に、変異体に対するフ ルオレセイン標識PNA、Flu−oo−CTTTCCTCACTGTT−N H2、をレーン2及び4に用いる、4種類のハイブリダイゼーション検定を平行 して実施した。PCR反応か らの標的DNA試料の各々(0.5−1.0μL)をフルオレセイン化PNAプ ローブ(0.5−1.0pmol)及び1μLの250mMトリス(pH8.0 )と混合し、dH2Oで総容積を10μLとした。各混合物を95℃で10分間 加熱した後、10分間周囲温度に冷却した。装着染料を添加し、各混合物を1. 5%TBEアガロースゲルに導入して25分間電気泳動した。このゲルに対して ナイロン膜へのサザン移行の準備を整えた。検出の前に、膜を乾燥させて254 nmで架橋させた。架橋した膜をアルカリホスファターゼDAKO(#K046 、コペンハーゲン、デンマーク)に直接結合する抗フルオレセイン抗体と共に加 熱密封バッグに入れることにより、フルオレセイン化PNAプローブ及びPNA /DNAハイブリッドの化学発光の検出を行った。膜を5容量のTMS(10m Mトリス、pH9.5、10mM NaCl、1mM MgCl2)で2分間及 びルミゲン(Lumigen)(Prototpe#7006、New Eng land Biolabs.)溶液ですすいだ。この膜を富士RXフィルムに露 出した。 B.結果 図4Aに関して、制御された温度により緊密な条件が適用さ れなかったが、非常に効率的な識別が観察された。レーン3及び4のキャリアか ら提供された試料に由来するバンドの強度は、レーン1の野性型PNA/DNA プローブから生じるバンドの強度のほぼ半分であった。変異体PNAプローブは レーン2の野性型DNA試料とはハイブリダイズせず、これは試料DNAの1塩 基対の識別に適用された場合のこの方法の高い特異性を示す。全てのレーンにお いて過剰の標識PNAプローブが様々な強度で観察され、最も強度が高いのは、 変異体PNAプローブが検出可能な量の野性型DNA試料とのハイブリッドを形 成しなかったレーン2において観察されたものであった。観察された1塩基対の 識別の効率は、1)標識PNAプローブは本質的に非常に特異的であり、かつ2 )比較的長さが短いPNAプローブ、及び最も重要なことは小過剰のプローブの みが検定に用いられるという、2つの因子によるものである。これは、大過剰の (DNA)プローブが通常用いられる伝統的なサザンブロッティングとは対照的 である。過剰の変異体PNAプローブを野性型DNA試料と共に用いた場合、偽 陽性が観察された(図4Bのレーン5)。実施例5 毛管電気泳動によるサザンブロットデータの迅速な取得 A.毛管電気泳動(CE)装置 Laser Module488アルゴンイオンレーザーを備えるP/ACE 2050毛管電気泳動装置Beckman Instruments、フラート ン、CA、USA)を520ナノメートル(nm)バンドパスフィルターと共に 、レーザー誘発蛍光(LIF)検出に用いた。紫外(UV)吸収検出は260n mで行った。分離は、注入側のカソードを用いて陰極性モードで行った。毛管は 、長さ35センチメートル(cm)(検出器に28cm)、内径(i.d.)75 μmの未処理毛管(長さ35cmで検出器まで28cm)(P/N200001 7、Polymicro Technologies、フェニックス、AZ、U SA)であった。 B.材料 市販プラスミド(M13mp18DNA)並びにBstNI(P/N#303 −1S)及びMspI(P/N#303−2L)制限酵素消化プラスミドpBR 322をNew England Biolabsビバリー、MA、USAから 入手した。これら は、関心のある既知標的配列を有する核酸試料として役立った。トリス−ホウ酸 −エチレンジアミン四酢酸(TBE)緩衝剤粉末をSigma(セントルイス、 MO、USA)から入手し、1×TBE(pH8.3)を調製した。1%ポリ( エチレンオキシド)(PEO)(MW4,000,000ダルトン)ポリマー緩 衝液を1×TBE緩衝液を用いて調製した。 標的に対して完全に相補的な配列及び塩基対ミスマッチの両者を有するフルオ レセインもしくはビオチン標識PNAプローブを、Per Septive B iosystems(フラミンガム、MA、USA)からの促進核酸合成システ ムで合成した。ビオチン(Bio)又はフルオレセイン(Flu)の活性化エス テル(例えば1−(4’−ニトロフェニル)ピラゾリン−5−オン(DMTr− bio−HPP)のジメトキシトリチルビオチンエステル又は5,6−カルボキ シフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミド)を反応させる前に、8−ア ミノ−3,6−ジオキサオクタノン酸(−o−)のスペーサー単位を樹脂結合P NAに添加した。その後、標識PNAを樹脂から切り離し、TFMSA/TFA /m−クレゾール/チオアニソール(2:6:1:1)混合物を室温で2時間用 いて保護 基を除去した。この標識PNAを、無水エーテルを添加することにより濾液から 沈殿させた。この粗製PNA沈殿を、Deltapack C18カラム(Wa ters)でのHPLC及びSephadex G−25で蛍光性不純物を除去 することにより精製した。以下の実験において用いられる様々な標識PNAプロ ーブの配列を表2に列挙する。 C.実験の設計(プローブハイブリダイゼーション) 関心のあるDNA標的(10-7−10-8M核酸試料)を含む10マイクロリッ トル(μl)の溶液及び標識PNAプローブ(10-6−10-7M)を含む10μ lの試料をマイクロバイアルに加えた。この混合物を95℃で10分間加熱して DNAのあらゆる二本鎖伸展物(二次構造)を融解した後、周囲温度 に冷却した。次いで、この試料を毛管電気泳動装置に導入し、分離を実行した。 検出能力は上記の装置に組込まれている。 D.結果 実験1.PNA/DNAハイブリダイゼーションの温度制御 フルオレセイン標識PNAプローブと、M13mp18プラスミドに対して相 補的なFlu−oo−TTTTCCCAGTCACGA−NH2、1塩基ミスマ ッチのFlu−oo−TTTTCCCAG CACGA−NH2、及び2塩基 ミスマッチのFlu−oo−TTTTCCAG CACGA−NH2配列と のハイブリダイゼーションに対する温度制御実験を行った。上述の通りに試料を 調製し、上述の装置で分析した。この実験については、サーモスタットで調節さ れ、それにより分離の間の温度制御が容易なカートリッジ内に毛管を配置した。 一連のCE分離を、20キロボルト(KV)の電位の下、10℃ないし50℃の 範囲の温度で行った。分析は、1×TBE緩衝液(pH8.3)中の30%ホル ムアミドの存在下(図5)及び非存在下(図6)において行った。LIF検出は 、励起については488nm、発光については520nmで行った。一般的には 、塩基対ミスマッチの数が増加するに従ってハイブリッ ドの融解点が減少することが観察されたが、これは予想された結果である。 ホルムアミドの非存在下において得られたデータを図6に示す。図6に関して は、曲線Bが2塩基ミスマッチについて得られたデータを表し、曲線Aが相補的 PNAプローブについて得られたデータを表す。曲線Aが比較的平坦であり、相 補的プローブから形成される二重鎖が記録された全ての温度で安定であることを 示す。曲線BのS字形状は熱融解プロフィールに典型的なものであり、2塩基対 のミスマッチを有するプローブが30℃未満の温度で標的と実質的にアニールし 、かつPNA/DNA二重鎖の融解点が約33℃であることを示す。 ランニング緩衝液中30%のホルムアミド(変性剤)の存在下において得られ たデータを図5に示す。ここに示されるのは、相補的PNAプローブ(曲線A) 、1塩基ミスマッチPNAプローブ(曲線B)及び2塩基ミスマッチPNAプロ ーブ(曲線C)を含む試料についての温度制御曲線である。曲線Cの低い信号レ ベル及び勾配の欠如は、2塩基ミスマッチを有するプローブが実験で用いられた 温度範囲内では標的とアニールしないことを示す。曲線Bの勾配は、1塩基ミス マッチを有するプロ ーブが標的とアニールするものの、その複合体が25℃を上回る温度で完全に解 離することを示す。曲線Aは、これらの条件下で相補的PNAプローブで形成さ れた複合体の融解温度(Tm)が35ないし38℃であることを示す。これは、 蛍光信号が35℃で急激に低下し始めるためである。このPNAプローブ検定は 、検定の特異性を高めるため、より高い温度及び変性条件下で行なうことが可能 である。 実験2.DNAのサイズ分離のための毛管ゲル電気泳動 架橋していないポリマー(PEO)をDNA分離のための毛管ゲル電気泳動( CGE)における篩分け媒体として利用した。毛管電気泳動においては、未被覆 毛管表面上のシラノールのイオン化により緩衝剤陽イオンの電気的“二重層”が 表面を横切って形成されるという現象が起こる。毛管を横切って電圧を印加する と、陽イオンの二重層の移動が毛管内を陰極に向かうバルク流体の流れを生じる 。この流れは電気浸透の結果であり、電気浸透流(EOF)と呼ばれる。DNA 分離のための毛管電気泳動においてはEOFを最小にすることが望ましい。ポリ マーゲル充填未処理毛管の利点は、EOFが最小化され、低粘度ポリマー溶液を 圧力の下で毛管の外に押出して容易に置き換え ることができることである。 様々な分子量のPEOポリマーを試験した。0.5%PEO(MW8,000 ,000ダルトン)充填未被覆毛管で電気浸透流が非常に少なかった。結果とし て、このモデル系を用いて、BstNI及びMspI消化物をPEOゲル充填毛 管によって分離した(図7)。全ての分離について10KVの電位を用いた。試 料成分の検出は260nmでのUV検出により行った。 ピークを、同じ試料のアガローススラブゲル電気泳動分離から得られたバンド と比較した。これらの2つの分離の分析及び製造者から提供される既知の分子量 の基づいて既知のピークを割り当てた。図8はBstNI及びMspI消化試料 の較正曲線を表す。移動時間を核酸断片の長さに対してプロットした。このデー タは300塩基から1200塩基まで極めて直線状である。変動係数(CV)( 平均で割った標準偏差)は、MspI断片の分離の6回繰り返した実行について 、0.65%未満であった。このデータは、この毛管が断片の適切なサイズ分離 を行うことを示す。 実験3.プローブハイブリダイゼーション及びCE分析によるサイズ決定 pBR322DNA試料の標的配列に相補的な配列を有するフルオレセイン標 識PNA7.5 10-7Mプローブを上述の通り調製した。pBR322DNA (1000μg/mL)のMspI(1000μg/mL)及びBstNI消化 物の両者を標的として用いた。標的配列及びPNAプローブの配列を以下に示す 。 pBR322DNA: 5’−−−−−ATGCGACTCCTGCAT−−− −−3’ PNAプローブ: H2N−TACGCTGAGG ACGTA−oo− Flu フルオレセイン標識PNA(過剰)をpBR322DNA消化物と混合するこ とにより、均質溶液ハイブリダイゼーションを行った。次いで、この混合物を9 0℃に5分間加熱して二本鎖DNAを変性させた。次に、これらの試料を周囲温 度に冷却した。その後、この混合物を、上述の毛管及び装置を用いるLIF検出 を伴う毛管ゲル電気泳動により分離した。 図9に関して、標識PNAプローブ及び標的配列を有する BstNI消化の核酸断片(929塩基)から形成されたPNA/核酸二重鎖を 検出することができる(ピーク1)。標識PNAプローブのフルオレセイン標識 が負電荷を坦持するため、標識PNAプローブがゲル中に移動して同様に検出さ れる(ピーク2)。 図10に関して、標識PNAプローブ及び標的配列を有するMspI消化の核 酸断片(97塩基)から形成されたPNA/核酸二重鎖を検出することができる (ピーク1)。標識PNAプローブのフルオレセイン標識が負電荷を坦持するた め、標識PNAプローブがゲル中に移動して同様に検出される(ピーク2)。 図11に関して、図5及び7において引用の試料の比較分離が、標的配列を有 する断片の比較サイズ分離を行うことが可能であることを示す。したがって、ピ ーク1は標的配列を有するMspI断片(97塩基)と標識PNAプローブとか ら形成された二重鎖である。ピーク2は標的配列を有するBstNI断片(92 9塩基)と標識PNAプローブとから形成された二重鎖である。ピーク3は、再 び、過剰のフルオレセイン標識PNAプローブである。相補的配列を有する断片 は、CGE−LIF により、30分以内に分離されて特異的に検出される。その結果、30分の実験 1回で、試料についてのサイズ及び配列の両者の情報が得られる。分析を固体基 板に形成された通路において行われるマイクロチップの形態を用いて行うことに より、高処理量を達成することができる。このような装置は、多くの分析実験を 平行して行うことを可能にする複数の通路を設けて作製することが可能である。 Stu Borman,Developers of Novel DNA S equences Claim Major Performance Adv ances,Chemical & Engineering News,Ju ly 24, 1995, pp.37−39を参照のこと。 別の態様において、請求される発明は、試料中の分析物の存在、非存在又は濃 度を検出するための装置を提供する。この装置は、様々な態様において、例えば 、試料注入区域、該注入区域に導入された試料と混合するように配置されるPN Aプローブ、及び分離区域を具備するができる。幾つかの態様においては、この 装置は試料インキュベーション区域を具備していてもよい。図12に関して、特 定の態様において、装置10は試料 注入区域24を具備する。1以上のPNAプローブ28が、試料注入区域24内 に、試料が区域24に導入された際にプローブ28がこの試料と接触するように 、配置されている。標的が存在する場合、プローブは該標的とハイブリダイズす る。この装置は、その内部に分離媒体36が配置されている毛管又は通路20を さらに具備し、この通路は試料注入区域24、緩衝液貯留所16、注入物/廃棄 物貯留所26、及び廃棄物貯留所30と連通している。特定の態様において、試 料注入区域24と毛管20との合流点は注入物/廃棄物貯留所26と毛管20と の合流点より上流である。この食違い設計は注入容積をより大きくすることを可 能にする。 その操作について、図13Aに関して、試料を注入区域24に添加し、標的が 存在する場合にはそれがプローブ28とハイブリダイズする。区域26に適用さ れているグランド(GND)に対して高電圧(HV)を区域16、24及び30に 印加し、流動する試料の流れをはさむように制御し、サンプリング時間の影響を 受けない注入容積を与える、分離通路20への試料22の拡散を妨げる。その後 、区域16、24、30と26との間の電位を遮断し、区域16と区域30との 間に電位を付与 してサイズ及び電気泳動移動度により試料の成分、例えば図13Bに示される成 分34及び38を分離する。 好ましい態様においては、この装置を温度制御手段32(図12)と接触させ て配置することができる。温度制御手段32は、分離媒体32を変性させること に加えて、注入区域内の二本鎖試料を融解もしくは変性させるように活性化させ ることが可能である。幾つかの態様においては、試料を試料区域24に添加し、 その試料を変性させるように温度制御手段を調整し、かつプローブ28とのハイ ブリダイゼーションが生じ得るように再度温度制御手段32を調整することがで きる。幾つかの場合には、分離媒体36を変性させるように再度温度制御手段3 2を調整することが望ましいことがある。 別の態様においては、この装置は固体基板に形成された複数の平行な通路を有 するマイクロチップである。このような装置は多くの別々の分析を平行して行う ことを可能にし、それにより高処理量を達成する。簡単な概要において、図14 に関して、装置11は、各々が注入区域24、緩衝剤貯留所16、注入物/廃棄 物貯留所26、及び廃棄物貯留所30を有する複数の毛管通路20を具備する。 好ましい態様においては、この装置は 温度制御手段32と接触して配置される。あらゆる検出手段を本発明の装置にお いて利用することが可能であり、それは当業者が容易に選択することができる。 本発明の方法及び組成物に従って用いられる場合、この装置は試料中の分析物の 定性的及び定量的検出を許容する。このようなマイクロチップ分離装置は、溶融 シリカウェハに通路構造を作製するのに写真平板術及び化学エッチング剤を用い ることにより、製造する。アクセス孔は、通路の末端に、エッチングしたウェハ を通してレーザー穿孔する。第2の溶融シリカウェハをエッチングしたウェハに 接着させて取り囲まれた通路を作製する。接着の後、ウェハを個々の分離チップ に切断する。 より詳細には、この微小作製を行うため、クロムのフィルム(400Å)を溶 融シリカ基板(75mm径×0.4mm;ホヤ、東京、日本)上にスパッタリン グする。Photoresist(Shipley 1811、ニュートン、M A)をウェハ11上にスピンコートし、90℃で25分間焼付ける。この樹脂を 、密着整列Photomask(Advanced Reproduction s、ウィルミントン、MA)を通してUV(365nm)照射に晒し、Micr oposit現像液 (シップレー)で現像することによりパターン形成する。K3Fe(CN)6/N aOH(Chrome Etch、シップレー)を用いてクロムを除去する。ウ ェハ11をNH4F/HF(1:1)エッチング剤に50℃で浸漬することによ り、得られたマスクパターンを溶融シリカにエッチングする。エッチングの深さ はエッチング時間を監視することにより制御し、プロフィロメーター(ミツトヨ )で測定する。この研究で利用されるマイクロチップは28μmの深さにエッチ ングされ、これは等方性エッチング条件のために通路の上部で66μmの通路幅 20を生じる。通路20の断面積は内径44μmの円筒状毛管と同等である。P hotoresistをアセトンで除去し、残留クロムをK3Fe(CN)6/N aOHを用いて溶解する。 通路の末端へのアクセス手段はエッチングしたウェハ11を貫通するレーザー 穿孔による孔によって与えられる。第2の溶融シリカウェハをエッチングしたウ ェハに接着させて通路を取り囲む。両ウェハを50℃のNH4OH/H2Oに浸漬 し、H2Oですすぐ。その後、それらを接触させた状態で置き、熱的に接着した 。最初の接着を200℃(2時間)で行った後、100 0℃(一晩)で最終的な接着を形成させた。ガラス管から切り出した個々の貯留 所16、24、26及び30をシリコーン接着剤(Dow Corning)で 取り付ける。 図15に関して、そのような溶融シリカマイクロチップを電源及びチップベー スの検定のための蛍光光学系に連結する。高電圧をSpellman CZE1 000R電源(プレインビュー、NY)又は他の適切な電源によりスイッチング 回路又はレジスタネットワークを介して加える。焦点距離10cmのレンズを用 いて53°の入射角で通路に焦点が合わされている、488nmでの〜3mWの 励起で作動するOmnichrome(チノ、CA)アルゴンイオンレーザー又 は他の適切な装置を用いて、レーザー誘導蛍光検出を行う。20×顕微鏡対物レ ンズ(Edmund Scientific)、バーリントン、NJ)により蛍 光放射が集められる。集められた光はイメージプレーンの内径2mmの開口によ って空間的に濾過され、2つの520nmバンドパスフィルター(520DF3 0)Omega Optical(バトルボロ、VT)によって光学的に濾過さ れる。電位計(例えばKeithley614、クリーブランド、OH)に接続 された光電子増倍管(例えば、Hamamatsu R928、ブリッジウォーター、NJ)が蛍光信号を検出する。この信号をPC 制御20ビットデータ取得システム(例えば、Data Translatio n2804、マールバロー、MA)でデジタル化し、適切なソフトウェア(例え ば、ADI、アラメダ、CAからのCaesarソフトウェア)を用いて分析す る。 従来のいかなる検出方法をも本発明の装置において用いることが可能であり、 これにはより一般的な電気泳動法において用いられるものが含まれる。特定の種 のいかなる適切に検出可能な物理的特性の検出をも可能にする検出方法が選択さ れる。これらの検出システムには、紫外線又は可視光の吸収、蛍光、屈折率、ラ マン、質量分析、化学発光、電気化学、及び伝導率が含まれるが、これらに限定 されるものではない。 さらに別の側面においては、請求される発明は、電気分離分析を用いて標的配 列の存在、非存在又は濃度を検出するためのキットを提供する。キットの好まし い態様は、様々な試料に含まれる予め選択された標的配列を検出するように構成 されている。詳細には、本発明のキットは、予め選択された変性篩分け媒体及び 本発明のPNAプローブを収容する容器ハウジングを 含むことができる。本発明のキットは、幾つかの態様においては、核酸試料中の 関心のある遺伝的特徴に独特の1種以上の異なる標的配列にアニールすることが 可能な2種以上の標識プローブを含んでいてもよい。プローブ上の標識は同じで あっても異なっていてもよく、独立に検出することができるものであってもよい 。特定の態様においては、本発明のキットは、1つの通路もしくは複数の通路を 具備する電気分離装置をさらに提供する。本発明のキットは、ここで定義される 1つの毛管もしくは複数の毛管を具備する使い捨て装置を任意に提供することが 意図されている。このような微小通路装置の利点は以下の実験から理解される。実施例6 マイクロチップでのPNA/DNA検定 A.実験の設計 フルオレセイン標識PNAプローブを上述の通り調製した。標識PNAプロー ブはpBR322DNAに相補的な配列を有する15量体(質量分析による測定 でMW4774)である。pBR322DNAの2種類の制限酵素消化物、Bs tNI及びMspI、の混合物を標的として用いた。 pBR322DNA: 5’−−−−−ATGCGACTCCTGCAT−− −−−3’ PNAプローブ: H2N−TACGCTGAGGACGTA−oo−F lu フルオレセイン標識PNA(過剰)をpBR322DNA消化物と混合し、9 0℃で5分間加熱して二本鎖DNAを変性させ、室温に冷却することにより均質 溶液ハイブリダイゼーションを行った。この実験手順は上記実施例4の第3小区 分に説明されている。この混合物を、LIF検出を備えるマイクロチップゲル電 気泳動により、704v/cmの電圧を印加して分離した。通路の幅は22mm であり、通路の断面は約100μm×50μmであった。 B.結果 図16に関して、フルオレセイン標識PNAと標的DNA断片とのハイブリッ ドのサイズを検出することができる。PNAがフルオレセインで標識されている ため、PNAプローブは負に荷電するフルオレセインに由来する負電荷を坦持す る。結果として、フルオレセイン標識PNAは、それが陰極から注入された場合 、電場の中を陽極に向かって毛管内を移動するが、 DNA又はPNA/DNAハイブリッドほどは速くはない。図16は、pBR3 22DNA MspI及びBstNI消化物のPNAプローブハイブリダイゼー ション測定の電気泳動図を示す。ハイブリッドPNA/MspI及びPNA/B stNI並びにPNAプローブは、704V/cmの下、検出器まで22mmの 距離で分離する。PNA/MspI断片(97塩基)ハイブリッド二重鎖及びPN A/BstNI断片(929塩基)ハイブリッド二重鎖の形成は30秒以内に検 出される。過剰のPNAは40秒後に検出される。30秒以内に相補的配列を有 する断片が分離し、LIFにより特異的に検出された。実施例7 嚢胞性線維症F508遺伝子 A.実験の設計 嚢胞性線維症(CF)は一般的で致死的なリセッシブ(ressessive )障害である。この疾患を引き起こす主な変異(ΔF508)がCF染色体の7 0%で見出されている。実験手順は上記実施例5に説明されている。このΔF5 08変異は3塩基の欠失である。野性型(F508)及び変異体遺伝子(ΔF5 08)に対する以下のプローブを調製した。 F508 Flu−oo−AAACACCAAA GAT−NH2 ΔF508 Flu−oo−ACACCAATGA TAT−NH2 B.結果 野性型嚢胞性線維症F508遺伝子に対する標識PNAプローブを用いるハイ ブリダイゼーション検定を、(a)影響を受けていない個人;(b)影響を受けて いないキャリア;及び(c)影響を受けている患者から提供された3種類のDNA 試料を用いる毛管電気泳動により行った。これらの結果を図17Aに示す。図1 7Aは、全てのものを等しくし、3つの検定を同時に平行して実行したものであ るが、以下の事項を示している。最大の信号が影響を受けていない個人によって 提供された試料から集められ、これは両遺伝子が野性型標識PNAプローブにア ニールすることを示し;これより強度の劣る信号が健常キャリアによって提供さ れた試料から集められ、これは2種類の遺伝子のうちの一方、野性型のもののみ が野性型標識PNAプローブとアニールして変異体ΔF508遺伝子がアニール しないことを示し、かつ影響を受けている患者によって提供された試料 からは有意の信号は検出されず、これはその試料から利用可能な野性型遺伝子が 存在しないことを示す。 第2ハイブリダイゼーション検定においては、変異体ΔF508に対する標識 PNAプローブを用いて変異体遺伝子ΔF508の直接検出及び同定を可能にし た。この検定は、(a)影響を受けていない個人;(b)影響を受けていないΔ F508変異体のキャリア;及び(c)影響を受けているΔF508変異を有す る患者から提供された3種類のDNA試料を用いて毛管電気泳動により行った。 これらの結果を図17Bに示す。図17Bは、全てのものを等しくし、3つの検 定を同時に平行して実行したものであるが、以下の事項を示す。今回は、最大の 信号が影響を受けている患者によって提供された試料から集められ、これは両D NA遺伝子がΔF508標識PNAプローブとアニールして患者の試料から変異 ΔF508の存在の肯定的な同定を許容することを示し;これより強度の劣る信 号が影響を受けていないキャリアによって提供された試料から集められ、これは 遺伝子のうちの一方がΔF508標識PNAプローブにアニールし、これに対し て第2の遺伝子はアニールせず、同様に変異ΔF508遺伝子の存在の肯定的な 同定を許容することを示 し;影響を受けていない個人によって提供された試料からは有意の信号は集めら れず、これはΔF508標識PNAプローブとのアニールに利用可能な試料から の変異ΔF508遺伝子が存在しないことを示す。 これらの2つの検定の結果を表3に示す。この表は、2種類の型のPNAプロ ーブを用いた様々なDNA試料からの信号応答のパターンを示すものである。 実施例8 嚢胞性線維症W1282遺伝子 A.実験の設計 上記と類似の実験を嚢胞性線維症遺伝子W1282について行った。嚢胞性線 維症遺伝子W1282は点変異を1つ有する。 実験手順は上記実施例5に説明されている。以下の野性型(W1282)及び変 異体遺伝子(1282X)に対するPNAプローブを調製した。 W1282(WTプローブ) Flu−oo−CTTTCCTCCA CT GTT−NH2 W1282X(Mプローブ) Flu−oo−CTTTCCTCA CT GTT−NH2 B.結果 野性型嚢胞性線維症W1282遺伝子に対するハイブリダイゼーション検定を 、毛管電気泳動によって2種類の標識PNAプローブを用いて行った:(a)W Tプローブ及び(b)Mプローブ(c)DNA試料を含まずにMプローブのみを 含む対照。これらの結果を図18Aに示す。図18Aは、全てのものを等しくし 、3つの検定を同時に平行して実行したものであるが、以下の事項を示す。ライ ン(a)において、WTプローブを用いた場合に強い信号が検出され、これは両 遺伝子が野性型標識PNAプローブにアニールしたことを示し;僅かに1塩基の ミスマッチで、毛管電気泳動条件下で行うライン(b)において、Mプローブを 用いた場合には有意の信号は検出されず、これは Mプローブが野性型遺伝子にアニールしなかったことを示し、かつ対照実行(c )においては有意の信号は検出されなかった。 野性型嚢胞性線維症W1282遺伝子に対する第2のハイブリダイゼーション 実験を、毛管電気泳動により、2種類の標識PNAプローブ:(a)WTプロー ブ及び(b)Mプローブを用いて行った。これらの結果を図18Bに示す。図1 8Bは、全てのものを等しくし、3つの検定を同時に平行して実行したものであ るが、以下の事項を示す。今回は、WTもしくはMプローブのいずれかを用いた 場合、比較的強度は劣るがそれでも強い信号が集められ、これは両プローブがキ ャリアから提供された試料DNAにアニールし、試料中の変異W1282X遺伝 子の存在の肯定的な同定を許容することを示す。これらの2つの検定の結果を表 4に示す。この表は、2種類の型のPNAプローブを用いた様々なDNA試料か らの信号応答のパターンを示すものである。 実施例9 多遺伝子検出のための多PNAプローブ A.実験の設計 CF w1282遺伝子(野性型PCR産物)及びCF F508遺伝子(野 性型PCR産物)をモデル系として用いた。この2つの遺伝子の混合物に、正常 w1282遺伝子及び正常F508遺伝子に対するフルオレセイン標識正常PN Aプローブを添加した。ハイブリダイゼーションの後、この混合物をHEC(ヒ ドロキシエチルセルロース)ゲル充填毛管に注入した。この毛管の長さは合計で 27cmであり、検出器に対する20cmの分離長さを有していた。この未被覆 毛管の内径は75μmであった。TBS(トリス−ホウ酸−EDTA)緩衝液中 で2M尿素の存在下において分離を行った。これらの2つの遺伝子はサイズが異 なるため(CF w1282については197bp、 CF F508については384bp)、ハイブリッドの分離は5分で完了した 。 B.結果 図19に関しては、より短い遺伝子との二重鎖CF W1282/PNAが最 初に検出されてピーク1として示され、より長い遺伝子との二重鎖F508/P NAが次に検出されてピーク2として示される。 この実験は、CEにおける多遺伝子探索のための多PNAプローブを多遺伝子 探索のための多PNAプローブに拡張できることを示す。さらに、異なる色もし くは酵素標識でタグが付けられたPNAプローブを、同じ遺伝子の異なる変異又 は異なる遺伝子の複数の変異を同じ分析において同時に検出するのに用いること ができる。 本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本発明の方法、キット及び装置 に様々な修正及び変形を加えることができることは当業者には明らかであろう。 したがって、本発明は、本発明の修正および変形を、それらが添付の請求の範囲 及びそれらの等価物の範囲内に入るという条件の下で、その範囲内に含めること が意図されている。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年8月8日 【補正内容】 信頼がおける再現性のある結果を得るには、しばしば、個々の系の各々につい て実験上の最適化が必要となる。加えて、最も重要な工程は、しばしば、測定に 必要な特異的に結合したプローブを除去することなく(背景カウントの増大につ ながり得る)あらゆる非特異的に結合したプローブを有効に脱着させることを必 要とする厳密な洗浄の工程である。さらに、ブロッティング技術は、電気泳動の 前に関心のある標的ヌクレオチド配列を変性させ、ブロッティングが行われるま でプローブを添加しないことを必要とする複雑な手順である。したがって、上述 のブロッティング技術は、4時間ないし数日を要する手順全体の各々が複雑で、 時間がかかり、かつ労働集約的なものである。 ペプチド核酸、すなわちPNAは、通常のノーザン及びサザンブロット分析に おける有用なプローブ代替物であることが決定されている。Pluskal, M.ら, Peptide Nucleic Acid Probes and Their Application in DNA and RNA Bl ot Hybridization Analysis,The FASEB Journal Poster #35(1994年)を参照のこと。PNAは 、核酸塩基アデニン、 シトシン、グアニン、チミン及びウラシルが結合しているアミノ酸の繰り返し単 位を含んでなる合成オリゴアミドである。Egholmら, Nature(1 993年) 365, 566−568;Oerumら, Nucl.Acid Res.(1993年)23 5332−36;Practical PNA :Identifying Point Mutations by PNA Directed PCR Clamping(1995年) PerSept ive Biosystems Vol.1, Issue1を参照のこと。P NAシントン及びオリゴマーはPerSeptive Biosystems, Inc.、フラミンガム、MAから購入することができ、当該技術分野において 公知の方法によって作製することが可能である。例えば、PCT出願WO95/ 01370号、WO92/20703号、WO93/12129号を参照のこと 。 多くの用途において、PNAプローブは核酸プローブよりも好ましい。これは 、低塩の条件下で不安定化する核酸/核酸二重鎖とは異なり、非常に低い塩の条 件下でPNA/核酸二重鎖が形成され、安定のままであるためである。Egho lmら,Nature(1993年) 365, 566−568; Practical PNA:PNA Oligomers as Hybri dization Probes(1995年)PerSeptive Bio systems, Vol.1,Issue2を参照のこと。加えて、PNA/ DNA複合体は類似の核酸/核酸複合体よりも熱溶融点が高いため、PNAプロ ーブを使用することによりブロッティング検定の再現性を改善することができる 。Pluskal M.らを参照のこと。しかしながら、PNAプローブを用い ても、これらの検定は複雑で、時間がかかり、かつ労働集約的なままである。 ゲル充填毛管における非標識PNA/DNAオリゴヌクレオチド複合体の電気 分離が記述されている。Rose,D.J.,Anal.Chem.(1993 年)65:3545−3549。この技術はPNA/DNAハイブリッドの安定 性故に有利ではあるが、 請求の範囲 1. ポリヌクレオチドにおける選択された標的配列を検出する方法であって、 a)少なくとも1つの核酸鎖及びその相補鎖を含み、該核酸の1つの鎖及びそ の相補鎖の一方が該選択された標的配列を有することが疑われる試料を提供する 工程; b)該試料を、検出可能な基で標識されている、該選択された標的配列の少な くとも一部と相補的な配列を有するPNAプローブと、該選択された標的配列が 存在する場合にPNA/核酸複合体の形成を許容する少なくとも1つの核酸/核 酸変性剤の存在下において混合する工程であって、該形成が該少なくとも1つの 核酸/核酸変性剤の存在下において生じる工程; c)該PNA/核酸複合体を工程b)から得られる混合物の他の成分から分離 する工程;及び d)該PNA/核酸複合体を検出する工程、 を包含する方法。 2. 削除 3. 検出可能な基が、酵素、着色粒子、蛍光体、ビオチン、 発色基、放射性同位体、電気化学及び化学発光基からなる群より選択される、請 求の範囲第1項の方法。 4. 工程c)を篩分け媒体中で行う、請求の範囲第1項の方法。 5. 篩分け媒体が、ポリアクリルアミド、アガロース、ポリエチレンオキシド 、ポリビニルピロリジン及びメチルセルロースからなる群より選択される、請求 の範囲第4項の方法。 6. 工程c)を電気泳動によって行う、請求の範囲第1項の方法。 7. 工程c)を毛管電気泳動によって行う、請求の範囲第6項の方法。 8. 削除。 9. 削除。 10. 削除。 11. 変性剤が尿素、ホルムアミド、及び有機溶媒からなる群より選択される 化合物を含む、請求の範囲第1項の方法。 12. 工程bから得られる混合物の温度を該混合物が変性性になるように調整 する、請求の範囲第1項の方法。 13. 削除。 14. 削除。 15. 削除。 16. 削除。 17. 削除。 18. 削除。 19. 削除。 20. 削除。 21. 削除。 22. 削除。 23. 少なくとも1つのポリヌクレオチドにおいて少なくとも1つの選択され た標的配列を検出するための装置であって、 a)試料導入区域; b)該導入区域に導入される、少なくとも1つの二本鎖ポリヌクレオチドを含 む試料と混合するように配置され、該少なくとも1つの二本鎖ポリヌクレオチド に存在することが疑われる該選択された標的配列に相補的な配列を有する少なく とも1つのPNAプローブ; c)該選択された標的配列が存在する場合にPNA/核酸複合体の形成を許容 するように配置される核酸/核酸変性剤であ って、該形成は該少なくとも1つの核酸/核酸変性剤の存在下において生じる核 酸/核酸変性剤;及び d)該導入区域と連通する分離区域であって、該PNA/核酸複合体を該導入 区域及び該分離区域に存在する他の成分から分離する分離区域、 を具備する装置。 24. 分離区域が篩分け媒体を含む、請求の範囲第23項の装置。 25. 削除。 26. 削除。 27. 削除。 28. 削除。 29. 試料導入区域及び分離区域と連通して配置される試料インキュベーショ ン区域を具備する、請求の範囲第23項の装置。 30. 分離区域が毛管通路である、請求の範囲第23項の装置。 31. 複数の毛管通路を具備するマイクロチップ装置であって、該毛管通路の 各々がさらに a)試料導入区域; b)該導入区域の各々に導入される試料と混合するように配置される少なくと も1つのPNAプローブであって、該試料は少なくとも1つの二本鎖ポリヌクレ オチドを含み、かつ該少なくとも1つのPNAプローブは該少なくとも1つの二 本鎖ポリヌクレオチドに存在することが疑われる選択された標的配列に相補的な 配列を有する少なくとも1つのPNAプローブ; c)該選択された標的配列が存在する場合にPNA/核酸複合体の形成を許容 する核酸/核酸変性剤であって、該形成は該少なくとも1つの核酸/核酸変性剤 の存在下において生じる核酸/核酸変性剤; d)検出区域;及び e)該導入区域及び該検出区域と連通する分離区域、 を具備するマイクロチップ装置。 32. 前記核酸がDNAである、請求の範囲第1項の方法。 33. 前記変性剤が、工程b)から得られる混合物を低塩濃度に調製すること を許容する低イオン強度緩衝剤を含む、請求の範囲第1項の方法。 34. PNAプローブが粒子と会合する、請求の範囲第1項 の方法。 35. PNAプローブが電荷変更基を含む、請求の範囲第1項の方法。 36. 工程b)が、 前記試料を、各々が前記少なくとも1つの核酸鎖及びその相補鎖のうちの1つ のそれぞれの選択された標的配列の少なくとも一部に相補的な配列を有する複数 のPNAプローブと、該それぞれの選択された標的配列が存在する場合に少なく とも1つのPNA/核酸複合体の形成を許容する条件下において混合すること、 を包含する、請求の範囲第1項の方法。 37. ポリヌクレオチド中の複数の選択された標的配列を検出するための方法 であって、 a)少なくとも1つの一本鎖核酸配列及びその相補鎖を含み、該少なくとも1 つの一本鎖核酸配列及びその相補鎖が複数の選択された標的配列を有することが 疑われる試料を提供する工程; b)該試料を、各々が該少なくとも1つの一本鎖核酸配列及びその相補鎖の該 選択された標的配列のそれぞれのうちの1つ の少なくとも一部と相補的な配列を有する複数のPNAプローブと、該選択され た標的配列のそれぞれのうちの1つが存在する場合に少なくとも1つのPNA/ 核酸複合体の形成を許容する条件下において混合する工程であって、該形成が該 少なくとも1つの核酸/核酸変性剤の存在下において生じる工程; c)該少なくとも1つのPNA/核酸複合体を工程b)からの混合物の他の成 分から分離する工程;及び d)該少なくとも1つのPNA/核酸複合体を検出する工程、 を包含する方法。 38. 篩分け媒体がポリアクリルアミド、アガロース、ポリエチレンオキシド 、ポリビニルピロリジン及びメチルセルロースからなる群より選択される、請求 の範囲第24項の装置。 39. 前記変性剤が尿素、ホルムアミド、及び有機溶媒からなる群より選択さ れる、請求の範囲第23項の装置。 40. 前記変性剤が、工程c)から得られる混合物を低塩濃度に調整すること を許容する低イオン強度緩衝液を含む、請求の範囲第39項の装置。 41. 前記少なくとも1つのPNAプローブのうちの少なくとも1つが検出可 能な基で標識されている、請求の範囲第23 項の装置。 42. 検出可能な基が酵素、着色粒子、蛍光体、ビオチン、発色基、放射性同 位体、電気化学及び化学発光基からなる群より選択される、請求の範囲第41項 の装置。 43. 前記少なくとも1つのPNAプローブのうちの少なくとも1つが粒子と 会合している、請求の範囲第23項の装置。 44. 前記少なくとも1つのPNAプローブのうちの少なくとも1つが電荷変 更基を有する、請求の範囲第23項の装置。 45. 前記分離区域と連通する検出区域をさらに具備する、請求の範囲第23 項の装置。 46. 前記毛管通路のうちの少なくとも1つの分離区域が篩分け媒体を具備す る、請求の範囲第31項のマイクロチップ装置。 47. 篩分け媒体がポリアクリルアミド、アガロース、ポリエチレンオキシド 、ポリビニルピロリジン及びメチルセルロースからなる群より選択される、請求 の範囲第46項のマイクロチップ装置。 48. 前記変性剤が尿素、ホルムアミド、及び有機溶媒からなる群より選択さ れる、請求の範囲第31項のマイクロチップ 装置。 49. 前記変性剤が、工程c)から得られる混合物を低塩濃度に調整すること を許容する低イオン強度緩衝液を含む、請求の範囲第31項のマイクロチップ装 置。 50. 前記少なくとも1つのPNAプローブのうちの少なくとも1つが検出可 能な基で標識されている、請求の範囲第31項のマイクロチップ装置。 51. 前記少なくとも1つのPNAプローブのうちの少なくとも1つが電荷変 更基を有する、請求の範囲第31項のマイクロチップ装置。 52. 検出可能な基が酵素、着色粒子、蛍光体、ビオチン、発色基、放射性同 位体、電気化学及び化学発光基からなる群より選択される、請求の範囲第31項 のマイクロチップ装置。 53. 前記少なくとも1つのPNAプローブが粒子と会合している、請求の範 囲第31項のマイクロチップ装置。 54. 前記毛管通路の各々が前記試料注入区域及び前記分離区域と連通して配 置される試料インキュベーション区域をさらに具備する、請求の範囲第31項の マイクロチップ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エゴルム,マイケル アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・ 02173、レキシントン、レキシントン・リ ツジ・ドライブ・1231 (72)発明者 オキーフ,ヘザー アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・ 02173、レキシントン・マレツト・ロー ド・248 (72)発明者 ヤオ,シアン・ダブリユー アメリカ合衆国、マサチユーセツツ・ 01701、フラミンガム、エドマンズ・ロー ド・11、アパートメント・76

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 一本鎖核酸及びそれらの相補的鎖の混合試料溶液の成分を分離し、かつそ れらの中に選択された標的配列を検出するための方法であって、 a)試料を該標的配列の少なくとも一部と相補的な配列を有するPNAプロー ブと混合し、それにより検出可能なPNA/核酸二重鎖を形成させる工程; 及び、その後、 b)試料中の種を分離する工程;及び c)該検出可能な二重鎖を検出する工程 を包含する方法。 2. PNAプローブが検出可能な基で標識されている、請求の範囲第1項の方 法。 3. 検出可能な基が、酵素、着色粒子、蛍光体、ビオチン、発色基、放射性同 位体、電気化学及び化学発光基からなる群より選択される、請求の範囲第2項の 方法。 4. 種を篩分け媒体中で分離する、請求の範囲第6項の方法。 5. 篩分け媒体が、ポリアクリルアミド、アガロース、ポリ エチレンオキシド、ポリビニルピロリジン及びメチルセルロースからなる群より 選択される、請求の範囲第4項の方法。 6. 種を電気泳動により分離する、請求の範囲第1項の方法。 7. 種を毛管電気泳動により分離する、請求の範囲第6項の方法。 8. 工程(b)を核酸/核酸ハイブリッドの変性に適する条件下で行う、請求 の範囲第1項の方法。 9. 核酸試料が50ヌクレオチドを上回る長さの鎖を含む、請求の範囲第1項 の方法。 10. 工程b)を変性媒体中で行う、請求の範囲第1項の方法。 11. 変性媒体試薬が尿素、ホルムアミド、及び有機溶媒からなる群より選択 されるものを含む、請求の範囲第10項の方法。 12. 媒体の温度を該媒体が変性性になるように調整する、請求の範囲第10 項の方法。 13. 一本鎖核酸の混合試料溶液の成分を分離し、かつそれらの中に選択され た標的配列を検出するための方法であって、 a)試料を該標的配列の少なくとも一部に相補的な配列を有 するPNAプローブと混合し、それが存在する場合には、それにより検出可能な PNA/核酸二重鎖を形成する工程; b)工程a)の後、試料中の成分を分離する工程; c)該二重鎖を検出する工程、 を包含する方法。 14. 工程b)を変性媒体中で行う、請求の範囲第13項の方法。 15. 変性媒体が篩分け媒体である、請求の範囲第15項の方法。 16. PNAプローブが標識されている、請求の範囲第14項の方法。 17. 篩分け媒体が、ポリアクリルアミド、アガロース、ポリエチレンオキシ ド、ポリビニルピロリジン及びメチルセルロースからなる群より選択される、請 求の範囲第16項の方法。 18. 標識が、酵素、蛍光体、ビオチン、発色基、放射性同位体、着色粒子、 電気化学及び化学発光基からなる群より選択される、請求の範囲第17項の方法 。 19. 種を電気泳動により分離する、請求の範囲第14項の方法。 20. 種を毛管電気泳動により分離する、請求の範囲第19項の方法。 21. 変性培地が変性剤を含む、請求の範囲第14項の方法。 22. 媒体が、該媒体の温度を調整することにより変性性にされている、請求 の範囲第14項の方法。 23. 選択された標的配列を含むポリ核酸の試料における検出のための装置で あって、 a)試料注入区域; b)該注入区域に導入される試料と混合するように配置され、該選択された標 的配列に相補的な配列を有し、かつ該標的配列が存在する場合にはそれとハイブ リダイズして検出可能な複合体を形成するPNAプローブ;及び c)該注入区域と連通する分離区域 を具備する装置。 24. 分離区域が篩分け媒体を含む、請求の範囲第23項の装置。 25. 一本鎖核酸及びそれらの相補鎖の混合試料溶液の成分を分離し、かつそ れらの中に選択された標的配列を検出するためのキットであって、 a)電気泳動媒体中の、該標的配列の少なくとも一部に相補的な配列を有する 検出可能なPNAプローブ、及び; b)変性篩分け媒体、 を具備するキット。 26. 電気泳動媒体が毛管又は通路内に配置される、請求の範囲第25項のキ ット。 27. 少なくとも2種類のPNAプローブを含み、その各々が異なる該標的配 列に相補的な配列を有する、請求の範囲第26項のキット。 28. 温度を制御するための手段をさらに具備する、請求の範囲第23項の装 置。 29. 試料注入手段と関連付けて配置される試料インキュベーション手段を具 備する、請求の範囲第23項の装置。 30. 分離区域が毛管通路である、請求の範囲第23項の装置。 31. 100までの毛管通路を具備し、その各々がさらに a)試料注入区域; b)検出区域; c)該注入区域及び該検出区域と連通し、かつ接続する分離 区域、 を具備するマイクロチップ装置。
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