JPH11512322A - 患者移送システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、患者をあるプラットフォームから他のプラットフォームに一人の付き添い人によって簡単に移送するいくつかの装置を有している。患者の水平移送の第１システムは、既存の移送シートと適宜修正されたカートとを使用するようになっている。移送シートはクランプ装置に取り付けられ、該クランプ装置は解放可能な爪を有するとともに、該シートをキャビティに保持する。複数のストラップがクランプ装置に取り付けられている。ストラップの他端は、ウィンチの一部であるリールに取り付けらられている。ウィンチの駆動によりストラップがリールに巻き付けられる。本発明はさらに、改良されたベッドジャケットを有し、該ジャケットは患者を持ち上げて、ある面に再配置したり、移送したりするウィンチに取り付けられている。本発明はさらに、移送プロセスを援助するために、低摩擦表面を備えた装置を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 患者移送システム 関連出願の相互参照 この出願は１９９５年９月１３日に出願された米国出願第０８／５２７，５１ ９号、１９９６年８月１９日に出願された米国暫定出願第６０／０２３，５７２ 号、及び１９９６年８月３０日に出願された米国暫定出願第 号の一部 継続出願である。 発明の分野 本発明は部分的又は完全に無能にされた患者の移動を援助するシステムに関す る。さらに詳しくは、本発明は、一人のヘルスケアワーカに、患者をあるベッド から他のベッド、あるいはベッドとカート又はグルネイ（gurney）の間、座った 位置と立った位置の間、椅子又はベッドに前かがみになった位置とさらに起き上 がった位置との間を移動する能力を与えるシステムに関する。 発明の背景 病院や、擁護施設、ホームケアプログラムのヘルスケアワーカは、部分的又は 完全に無能にされた患者を移動するという仕事に直面している。典型的な患者は ４５から９０キログラムの重さがあり、その他にそれ以上の重さの患者もいる。 その結果、通常少なくとも２人から４人のヘルスケアワーカが患者を動かすのに 必要である。このような仕事は、患者の移送に使用されるヘルスケアワーカの数 に関わらず、容認できない障害の危険性を生むことがある。この危険性は、特に 十分な数のワーカが患者の移送を援助するのに利用できないときに高くなる。例 えば、ワーカの背中の障害は、米国のヘルスケア産業における職場障害のワーカ 補償コストの約５０％を占めており、悩ましい問題である。 患者の移送はいくつかの広範囲のカテゴリーにおくことができる。第１のカテ ゴリーは、ある平坦な面から他の面への患者の水平移動を含む。第２のカテゴリ ーは、患者を水平位置から車椅子、椅子又はトイレの垂直又は座った位置に移動 させる垂直移動や、垂直又は座った位置から水平位置に戻す移動が含まれる。移 送の第３のカテゴリーは、ベッドや椅子で患者の位置を変えるための患者の位置 決めや移動、例えばベッドで患者を引き上げたり、患者を端から端に転がしたり する移動に関する。患者移送システムの改良工夫する多くの試みがなされている が、それらのほとんど全ては相変わらず手作業で行われる。 現在のヘルスケアガイドラインによると、４人のヘルスケアワーカが患者の移 送に加わることが推奨されている。２人のワーカがベッド側で、他の２人のワー カがカート側である。各ワーカは、患者の下にある引き抜きシートの縁をつかむ 。次に、患者は持ち上げ、引き、押しの動作の組み合わせでベッドとカートの間 を移送される。摩擦すなわち引っ掛かりを減少するために、細長いプラスチック 製のシートがよく患者の下に置かれる。ヘルスケアワーカはこのような患者の移 送を達成するために腰を曲げなければならないので、ワーカにふりかかるストレ スは、約５０ポンドの最大推奨重量で予想されるストレスをはるかに超えて拡大 される。通常、この最大推奨重量はワーカの質量中心又はその近傍での持ち上げ に対して測定されている。ヘルスケアワーカの身長が極端で、平均よりも高いか 低い場合、又は腕又は脚の何れかが弱い場合には、このような危険性がさらに増 加する。 多くの病院はある患者の移送を援助するためにスイング型機械式リフト装置を 有している。しかしながら、これらの装置はセットアップと操作が面倒で時間が かかるので、広範囲に使用されていない。また、これらの装置は要求される持ち 上げ作業によっては不適切である。 垂直移動と位置決めのカテゴリーは、患者が協力できない場合には、同様の困 難性を与える。例えば、半直立状態にかがんた弱くて年とった患者は滑り落ちる 傾向にある。このような患者はベッドの頭に向かう位置に戻されなければならな い。このためには、ベッドが水平位置に降下した後、通常２人のヘルスケアワー カが上腕で患者を保持してベッドの頭に向かって持ち上げる。この人為的な移送 は、しばしばワーカの背中の上下に筋違いを引き起こしたり、接触により患者を 傷つけることがある。同様の困難性は垂直移動にも起こる。 このような恐るべき困難性にかんがみ、患者の移送プロセスを機械化する提案 がなされている。例えば、米国特許第２，６６５，４３２号（Butler）は広範な 引寄せユニットの接続されたマニュアルクランクを備えたカートを記載している 。引寄せユニットは、フックによって移送シートの縁に接続された多数の紐を有 している。クランクを回転させると引寄せユニットがローラ上に巻き上げられる 。引寄せユニットのサイズは、シートの多くの位置への取付け、ローラ上のそれ を巻くことの煩わしさ等、多くの困難性を与える。引寄せユニットは、通常患者 の下に保存しておけないので、移送直前に患者の下に置かれなければならない。 また、患者をカートから移送する手段が設けられていない。 米国特許第２，８２７，６４２号（Huff）は、ベッドの頭に取り付けられ、患 者をベッドの脚から頭まで移送するように設計された同様のシステムを開示して いる。この６４２号特許は、患者をある水平面から他の面に横方向に移送するプ ロセスは記載していない。 米国特許第４，９７０，７３８号（Cole）は、手動式クランクと自己ロックギ ヤシステムを利用した他の患者移送システムを開示している。このシステムは、 移送が可逆的であるという、４３２特許に記載されたシステムを超えた利点を有 している。クランクを回転させると、半剛体移送エプロン（apron）に取り付け られたベルトシステムが駆動する。これにより、エプロンは患者を支持している 間に水平に移送される。このシステムは、患者をベッドからカートに移送する前 にエプロンを最初に患者の下に位置決めしておかなければならないという欠点を 有している。他の欠点は、移送サポートのみでは患者又は移送システムに十分な 支持を与えないということである。そのデザインの複雑性のため、移送サポート をカートに搭載して患者を移送するために操作するのに、かなりのオペレータの 相互作用が要求される。 米国特許は第２，７３３，４５２号（Tanney）は、患者を金属補強移送シート に移送するモータ駆動プーリを使用する移送システムを記載している。この移送 シートは、ケーブルに接続するために、その角部に金属はとめ（グロメット）を 有している。ケーブルをリールに巻き付けてシートと患者を移送するにモータが 使用される。しかしながら、患者はベッドからカートに動かされる前に、最初に 移送シートに動かされなければならない。さらに、この発明は移送される患者の 下にサポートを備えていない。 米国特許第４，７４７，１７０号及び第４，８６８，９３８（共にKnouse）は 、モータ駆動ウィンチ型移送システムを開示している。この移送システムは、４ ５２特許の移送システムを超えた明らかな利点を有しており、さらに安全な移送 シート把持機構と、グロメット又は他の類似の器具を必要としない移送シートの 使用を含む。しかしながら、安全ではあるが、把持システムは使用が困難で煩わ しい。 米国特許第５，０３８，４２４号（Carterら）は、患者をベッドとカートの間 で往復移送するシステムを開示している。このシステムは、２つの着脱可能な円 筒型ローラの回りに巻き付けられた柔軟な移送ウェブと、ベッドとカートに搭載 された駆動モータとを利用する。使用時には、ベッドとカートは並べて配置され 、ウェブが患者の下に置かれる。患者が移送されるカート又はベッドの近傍のロ ーラが取り外される。そこに巻き付けられた十分な長さの移送ウェブを巻き戻し ている間、そのローラは患者が移送されるベッド又はカートの反対側に延ばされ 、駆動モータに接続される。次に、駆動モータが駆動され、移送ウェブがローラ に再び巻き付けられ、そこに位置する患者が移送される。このように往復移送が 可能となるが、４２４号特許のシステムは時間がかかり、セットアップが煩わし い。さらに、前述の発明のように、患者は移送される間に適切に支持されない。 患者水平移送システムの開発に相当な努力がなされたが、従来のシステムは全 て著しい欠点を有している。これらの欠点は、セットアップと操作にかかわる著 しい困難性に関係している。 前述した特許は主に患者をある水平面から他の水平面に移送するシステムに関 する。これに対し、米国特許第４，７００，４１５号と第４，８３７，８７３号 （共にDiMatteo）は、患者をリクラインド車椅子とベッドの間で移送するシステ ムを教示している。このベッドは、右側ローラと左側ローラの回りに巻き付けら れたシートを備え、このシートはそこにもたれかかる患者の下に配置される。右 側及び左側ローラは、ベッドの各側に横方向に、通常患者の面にやや下に配置さ れる。右側及び左側ローラの上で、かつ、ベッドの上面とほぽ同レベルに、２つ のコーナーローラが位置している。リクラインド車椅子は２つのかみ合いローラ を備えている。これらのローラの間にシートが延びており、これらのシートは３ つのバンドを有している。シートの横縁は接続されても分離されてもよい。横縁 が接続されているなら、シートは車椅子の上面の上方又は下方に延びる。横縁が 自由であるなら、車椅子の上面に延び、その両端は２つのローラに巻き付けられ る。このベッド又は車椅子の分離移送システムは、両シートが等速で回転するよ うに駆動されなければならない。使用時には、ベッドにもたれかかった患者はベ ッド移送システムによって横方向に移送される。車椅子移送システムに直面する と、その後患者は車椅子にさらに移送される。次に、車椅子はさらに調整され、 患者は座った位置をとることができる。 DiMatteoのシステムは、患者をリクラインド車椅子からあるいはリクラインド 車椅子に移送することができるとともに、車椅子を座った位置と寄りかかった位 置との間で調整することができるが、そのデザインの複雑性、ベッドにローラと シートをあとから取り付ける必要性があること、患者を挟む可能性、バンド間の 隙間に布を挟む可能性があるという欠点がある。 米国特許第３，５９７，７７４号（Warren）は、ベッドによりかかっている患 者を持ち上げるためのハーネスとウィンチ機構を記載している。ウィンチは、ベ ッドの頭に取り付けられたポストに搭載され、ハンドクランクによって操作され る。ハーネスは、患者の脇の下で輪になり、装置の作動中に過剰な応力がそこに 加えられるようになっている。 発明の概要 本発明は、大いに簡素化され、従来のいかなる装置よりも向上した万能の患者 移送装置を含む。これらの移送装置の採用により、ヘルスケアワーカの背中の障 害の広範囲の発生が減少する。患者の水平移送の第１システムは、既存の移送シ ートと適切に修正されたカートとを使用するようになっている。シートは患者の 近傍のクランプ装置に簡単に取り付けられる。クランプ装置はシートを保持する 解放可能な爪（catch）を有している。１又は２以上のストラップはクランプ装 置に取り付けられ、ストラップの他端はウィンチの一部であるリールに取り付け られる。ウィンチを駆動すると、ストラップがリールに巻き付けられる。この移 送装置の高度に携帯性のある実施例では、装置全体はわずかに約８−１５キログ ラムの重量であり、ベッドとカートレールに簡単に取り付け，取り外し可能であ る。 このポータブル移送装置を使用する時には、細長い矩形のクッションをベッド とカートの間に配置することができる。このクッションはベッドの長さを有し、 部分的に低摩擦表面で被覆することができる。クッションは、ベッド又はカート に取り付けるためのファスナーを有していてもよく、あるいは不使用時にファス ナーでベッド又はカートの縁からぶら下げるように形成されてもよい。クッショ ンは、ベッド又はカートに修正を必要としないため、本発明のポータブル移送装 置を用いて使用する時に、特に便利である。 水平移送装置の他の実施例は、患者に水平運動と上昇を与えることによって、 患者の移送を促進する。垂直及び水平移送機構は、シングルベッド又はカートフ レームに操作可能に取り付けられてもよい。本発明の範囲内の水平移送機構の一 つの実施例は、トラック内で移動する移送要素を有している。本発明の水平移送 システムの他の実施例は、患者をモジュール化されたクッションの上に移動する 。他の実施例では、リフトがハーネスの使用によって付加される。それは、ハー ネスの一部を患者の下に置くために患者を持ち上げる必要がなく、患者の重量を 分散するという著しい利点を与える。ハーネスは患者の上体を横切るサポートを 有している。ハーネスの他の部分は患者の腕の下に持って行かれる。ハーネスは 、リフト機構を患者の後頭部の近傍に取り付けるファスナーを有している。 改良された患者移送システムは、一人の付き添い人を使用して患者を移送する ことができる。この移送システムは、患者を移送する移送手段、移送シート、患 者移送手段に操作可能に接続された保持部材アセンブリ、及び接触要素アセンブ リを含む。 改良された移送システムは、さらに、高度に携帯性のある移送ユニットを有し ている。この携帯移送ユニットは、全体的に自給式（self−contained）であり 、 ベッド又はカートに装着可能であり、別個のクランプに接続可能である。携帯移 送ユニットは、複数の取り外し可能なスプールと、移送される患者の接近を検出 する手段と、その検出に応答して装置の接続を解除する（discontinuing）手段 を利用することができる。 改良された移送システムはさらに、患者がベッド又はカートにかかる（span） 時に移送される患者を支持する移送ブリッジサポート手段をさらに含む。移送ブ リッジサポート手段は折り畳み可能であってもよい。また、移送ブリッジサポー ト手段が患者移送中に移動するのを防止するために、スタビライザ、クロスセク ショナルキャンバー、リーディングエッジキャンバーを有していてもよく、また 改良された滑り抵抗の特徴を有していてもよい。 図面の簡単な説明 図１は、水平患者移送システムに係る第１実施形態の隣接カートを適用したベ ットの斜視図である。 図２は、水平患者移送システムに係る第１実施形態のカートのサイドレールを 下方に収納した状態の正面図である。 図３は、水平患者移送システムに係る第１実施形態のカートにおいて患者を移 動する際に上昇させるサイドレールの正面図である。 図４は、水平患者移送システムに係る第１実施形態のカートにおいて、患者を 移動する際に一方のサイドレールを上昇させるとともに、他方のサイドレールを 掛け渡した状態の正面図である。 図５は、サイドレールのヒンジ支持の一例を示す部分正面図である。 図６は、第１実施形態の水平患者移送システムのサイドレールの分解図である 。 図７は、サイドレールの２次駆動機構の断面図である。 図８は、水平患者移送システムに係る第１実施形態のクランプ装置におけるロ ッドに移送シートを巻き付けて止める状態と示す斜視図である。 図９は、第１実施形態のクランプの端面図である。 図１０は、第２実施形態のクランプの斜視図である。 図１１は、第２実施形態のクランプの端面図である。 図１２は、第３実施形態のクランプの斜視図である。 図１３は、第３実施形態のクランプの端面図である。 図１４は、一方の表面から他方に患者を水平移送する携帯水平患者移送装置を 取り付けた状態の斜視図である。 図１５は、携帯水平移送装置の斜視図である。 図１６は、携帯水平移送装置を展開した斜視図である。 図１７は、形態水平移送システムに係る患者をスムーズに移動させるための携 帯クッションを取り付けた状態を示す斜視図である。 図１８は、より良い実施形態の水平移送システムを示す斜視図である。 図１９は、水平移送システムに係るより良い実施形態の駆動システムを水平に 延ばした状態を示す一部を破断した斜視図である。 図２０は、水平移送システムに係るより良い実施形態によって収容した患者を 所定範囲上方に持ち上げた状態を示す斜視図である。 図２１は、水平移送システムに係るより良い実施形態の他の水平駆動を示す斜 視図である。 図２２は、上昇支持具と相対移動するとともに移送シートに取り付けるシート クランプを示す分解斜視図である。 図２３は、より良い実施形態の水平移動装置を備えたベットを上昇した状態の 斜視図である。 図２４は、図２１の一端から取り外し可能なパネルを矢印方向に分離した実施 形態を示す部分斜視図である。 図２５は、図２１の一端の取り外し可能なパネルを取り付けた状態を示す部分 斜視図である。 図２６は、コントロールユニットを水平移送システムの接続位置を示す部分斜 視図である。 図２７は、水平移送システムのより良い実施形態に使用する移送シートの平面 図である。 図２８は、図２７の移送シートに収容した状態を示す斜視図である。 図２９は、水平移送システムの他の実施形態を示す斜視図である。 図３０は、他の実施形態において図２９の状態から水平支持部を延ばした状態 を示す斜視図である。 図３１は、他の実施形態において、図２９の状態から患者が起きあがるのを補 助する状態を示す斜視図である。 図３２は、上昇部材によって図３１の状態から回転させた状態を示す斜視図で ある。 図３３は、水平移送装置に係る移送システムを示す斜視図である。 図３４は、連結装置の第１実施形態を示す一側断面図である。 図３５は、連結装置の第２実施形態を示す一側断面図である。 図３６は、図３３の移送システムにおけるベットとカートとの間に移送部材を 配置した状態を示す斜視図である。 図３７は、図３３の移送システムの移動板を示す斜視図である。 図３８は、図３７の移動板を掛け渡した状態を示す斜視図である。 図３９は、レバーとロッドとを移動板の掛け渡し状態に移動させた状態を示す 側面図である。 図４０は、レバーとロッドとを移動板の上昇させた状態を示す側面図である。 図４１は、２分した移動板の斜視図である。 図４２は、マットレス移送システムの斜視図である。 図４３は、図４２のマットレス移送システムに係る連結装置を示す斜視図であ る。 図４４は、マットレス移送システムのグリッピング機構の押した状態を示す示 す斜視図である。 図４５は、マットレス移送システムのグリッピング機構の引いた状態を示す示 す斜視図である。 図４６は、マットレス移送システムにおけるマットレスと固定クッション上下 の関係を示す斜視図である。 図４７は、マットレス移送システムに係る位置変更カートと敷き布団を保持し た状態を示す斜視図である。 図４８は、マットレス移送システムと位置変更カートに係るカートの保持位置 を示す斜視図である。 図４９は、方向回転させた位置変更カートの側面図である。 図５０は、人の一側にカニの爪型のベットジャケットを配置した状態を示す斜 視図である。 図５１は、人にベットジャケットを着せる状態を示す斜視図である。 図５２は、ベットジャケットを着せた人を巻き上げ装置によって引き上げる状 態を示す斜視図である。 図５３は、車椅子に吊り上げて取り付ける駆動機構を備えたベットジャケット の斜視図である。 図５４は、緩衝ベストの正面図である。 図５５は、人に緩衝ベストを着せるとともに綱を取り付け、隠れた部分のベス トを仮想線で記載した斜視図である。 図５６は、頭部の板の上方に駆動機構を備えたベットジャケットを取り付ける 状態を示す斜視図である。 図５７は、駆動機構を備えたベットジャケットを上方から見た斜視図である。 図５８は、駆動機構を備えたベットジャケットの駆動システムの部分断面図で ある。 図５９は、３方向コントロールシリンダを適用して天井に引き上げる装置をベ ットジャケットに取り付けた状態を示す斜視図である。 図６０は、３方向コントロールシリンダの斜視図である。 図６１は、３方向コントロールユニットの内部構成を示す概略図である。 図６２は、本発明の他のクランプの実施形態を示す右上方からの斜視図である 。 図６３は、図６２のクランプの開状態を示す側面図である。 図６４は、図６２のクランプを閉じたロック状態を示す側面図である。 図６５は、本発明の他のクランプの実施形態を示す上方から見た分解斜視図で ある。 図６６は、図６５のクランプを組み立てた状態を示す上方から見た斜視図であ る。 図６７は、本発明の他のクランプを上方から見た図である。 図６８は、図６７のクランプの実施形態を示す側面図である。 図６９は、本発明の移送システムの他の実施形態を示し、ここで、患者を他の ベットまたはカートに移すことなく、２方向に移送できる状態を示す斜視図であ る。 図７０は、図６９の実施形態において患者がベットから移動する状態を示す側 面図である。 図７１は、図６９の実施形態において、患者がベットの上にまたはカートの上 に移動する状態を示す側面図である。 図７２は、他の実施形態にリモートコントロールで使用した上方から見た斜視 図である。 図７３は、他の実施形態にリモートコントロールを適用した状態の上布から見 た図である。 図７４は、携帯移動装置と病院のベット上に取り付けたクランプの上方から見 た斜視図である。 図７５は、ドライブシャフトから取り外し可能なスプールまたはリールを備え た携帯移送装置の実施形態の斜視図である。 図７６は、ベルトを巻き込むリールを示す本発明の自動切り離し装置を備えた 携帯移動装置を示す側面図である。 図７７は、ベット上に配設してベルトを連結する携帯移動装置の他の実施形態 を示す斜視図である。 図７８は、本発明の他の携帯移動装置におけるブラケットと迅速に取り外し可 能なピンを示す側面図である。 図７９は、本発明の他の携帯移動装置を示す斜視図である。 図８０は、本発明の他の携帯移動装置のリモートコントロールの斜視図である 。 図８１は、本発明の携帯移動装置の口内を守るクリップを示す斜視図である。 図８２は、本発明の携帯移動装置における口への拘留装置を示す斜視図である 。 図８３は、本発明の携帯移動装置におけるクランプの下向きに口を開いた状態 を示す平面図である。 図８４は、本発明の携帯移動装置における上向きに口を開いた状態を示す側面 図である。 図８５は、本発明の好ましい他の移動装置のモータとウインチシステムを示す 斜視図である。 図８６は、図８５のモータとウインチの分解斜視図である。 図８７は、患者のベットと移送カートとの間に配置する移動板の長さを示す斜 視図である。 図８８は、図８７の移動板と異なる例を示す底面図である。 図８９は、図８７または図８８の移動板の平面図である。 図９０は、移動または保管する際に保持または用意する図８７の板の斜視図で ある。 図９１は、本発明のクランプの分解斜視図である。 図９２は、図９１のクランプを組み立てた状態の斜視図である。 図９３は、携帯移送ユニットの斜視図である。 図９４は、図９３の携帯移送ユニットの側面図である。 図９５は、携帯移送ユニットを移送する状態を示す概略図である。 これらの図は、単に実施形態を説明するためのもので、これに限られない。 発明の詳細な説明 本発明は、自分では移動できない患者等を移動させるための装置及び方法に関 する。患者は、病院、看護室及び他の居住地を含む種々の場所で、注意を払いな がら種々の方法で移動させなければならない。例えば、患者はベッドとカートの 間で水平に移送したり、ベッドやいすで位置を変えたり、あるいは、うつぶせ、 着座あるいは起立位置にさせたりする必要がある。本発明の種々の実施例に共通 する特徴は、ヘルスケアワーカー一人で、患者あるいはヘルスケアワーカーのい ずれにも殆ど危険のない方法で患者を移動させることができるということである 。 さらに、本発明に係る実施例では、患者の移送作業を、２０秒から２８秒の間、 好ましくは２４秒で行うことができる。 本発明に係る水平移送システムの特徴は、患者の下方の支持部と、この支持部 に水平方向の力を付与して移送可能とする機械的あるいは電気―機械的なシステ ムを備えることである。種々の実施例の設計により、この効果を達成するための 種々の特徴が含まれている。コストを削減するため、最も簡単なシステムは、現 在一般にヘルスケア施設で使用されているベッド、カート及び移送シートと共に 使用するのに適した設計となっている。他の実施例は、現在の装置への適合とは あまり関係なく、その設計の特徴を効果的にする。全ての場合において、各設計 は、一人のヘルスケアワーカーあるいは各移送作業に必要なヘルスケアワーカー の人数が非常に少ないときに、安全で効率的な患者の移送作業を達成することに 絞られている。 また、後述する本発明に係る実施例は、１９９６年８月１９日に出願された米 国特許出願６０／０２３５７２、１９９６年８月３０日に出願された米国特許出 願 及びここに参照された全内容と共に示されている。 図１に示すように、水平移送システム１００の第１実施例は、水平移送機構１ ０４を後付けした標準の患者用カート１０２を備える。一般に、カート１０２は 、４つの車輪１０８を有するベース１０６を備える。車輪１０８は、回転を阻止 するためのブレーキとして機能するロックレバー１１０を有するのが好ましい。 ベース１０６は、通常、必要ではないが、平坦部１１４を有するトップサーフェ イス１１２を備えていてもよい。 カート１０２は支持部材１１６を備える。支持部材１１６は１つ又はそれ以上 の垂直支持部１１８によってベースに装着されている。図１に示す実施例は２つ の垂直支持部１１８を備えている。幾つかの設計では、垂直支持部に直接取り付 けた車輪１０８を備え、ベース１０６には不要としてもよい。支持部は緩衝ダン パー１２０を備えているのが好ましい。カート１０２は、ベース１０６及び他の 特徴部分に対して支持部材１１６を上昇及び降下させる能力を備えることができ る。支持部１１６には、患者１２６を保持するクッションやマットレス１２４を 支持するための支持構造１２２が設けられている。 水平移送機構１０４は２つのサイドレール１２８を備えている。図５に示すよ うに、サイドレールはヒンジ１３０及び１３１を介してカート１０２に配設され ている。サイドレール１２８及びヒンジ１３０は、カート１０２に設けるように 変更するのが好ましい。ヒンジ１３０は、引っ張り位置あるいは下方保持位置の いずれにもサイドレール１２８を位置決め可能とする。ヒンジ１３１は、水平な ブリッジ位置にサイドレール１２８を位置させ、患者を移送するための支持部及 び滑らかな表面を提供できるように使用されるのが好ましい。異なる位置が図２ ―４に示されている。サイドレールのための他の設計により、サイドレールが下 方位置に向かってスライドできるようになると共に他の変更が可能となる。 各サイドレール１２８は、ハンドル１３２、コントロールパネル１３４、及び 、例えばウインチユニットのような動力源のための２つの開口部１３６を備える 。開口部の残りの部分はウインチユニットに接近するために使用することができ る。コントロールパネル１３４はウインチ１３８を操作するための多数のスイッ チを備えている。サイドレール１２８及びコントロールパネル１３４の個々の設 計は、それらの機能に影響を与えることなく変更可能である。 図３に示すように、サイドレール１２８に都合のよい構造は、フレーム１４２ 、ウインチ１３８、フロントカバー１４４及びバックカバー１４６を備えたもの である。フレーム１４２は、フレーム基部１５０をフレームヒンジ１５２に取り 付けるための伸長部１４８を備える。フレーム基部１５０はウインチ載置部１５ ４を備える。フレーム基部１５０は、金属、硬質ポリマーあるいは合金で形成す るのが好ましいが、適切な剛性、重量及びコスト面での特徴を示す他の材料が適 切であるかもしれない。バックカバー１４６は、ハンドル１３２及び開口部１３ ６と同様、伸長部１４８を挿通すると共にフレームヒンジ１５２を移動させるた めの開口部１５６を備える。バックカバー１４６の外表面１４７（図２）は、移 送工程を助けて怪我の危険を回避するために、非常に摩擦の小さい材料で形成す るのが好ましい。フロントカバー１４４は、ハンドル１３２及び開口部１３６と 、コントロールパネルの開口部１５８を備える。 ウインチ１３８は、ワイヤー１６０によってコントロールパネル１３４に連結 されている。また、適宜手動操作により、便利でもないが、過度な困難なく使用 できる。駆動システム１４２は、少なくとも１つのモータ１６２を備え、適宜、 種々の設計により使用可能であるのが好ましい。モーターは、図６に示すように 、直接ドライブシャフトを回転させる。図７に示すように、モータ１６２は第１ ギア１６６を備えたドライブシャフト１６４を回転する。第１ギア１６６は、第 １ギア１６６よりも大径の第２ギア１６８と噛合しているので、モータ１６２の 回転が抑制される。第２ギア１６８は第２ドライブシャフト１７０に連結されて いる。 ２つのベルト１７２はクリップ１７４をそれぞれ備え、開口部１３６に沿った 位置で第２ドライブシャフトに取り付けられている。ベルトは、屈曲及び伸長を 補助するスプール１７５で屈曲するのが好ましい。ベルト１７２は、非常に剛性 の高い合成材料、例えば自動車のシートベルトに使用される材料で形成するのが 好ましい。ウインチ１３８には、電力コード１７８を利用してバッテリーパック １７６によって電力を供給可能である。これに代えて、ウインチ１３８は電力コ ード（図示せず）を使用して交流電力を供給可能である。また、カート１０２、 あるいは本発明に係る他の実施例は、整列及び結合機構を備えてもよい。整列機 構は、電力及び操縦手段を含み、カート１０２の少なくとも２つの車輪が制御ス イッチ１４０の操作によって電力供給されて操縦される。また、結合手段は、制 御スイッチ１４０によって操作されるクランプ及び電磁石を含み、患者が移送さ れるべき水平面にカート１０２が固定されるように配設される。制御スイッチ１ ４０に加えて、電子あるいは電磁石手段によってカート１０２の制御機構に信号 を伝達するポケット大の遠隔制御ユニットが本発明の範囲に含まれる。また、音 声駆動制御も本発明の範囲に含まれ、付添人と同様、患者が移送作業を開始及び 終了することが可能である。 さらに、カート１０２、あるいは本発明に係る実施例は、移送機構の非同期的 な操作を感知するための手段を備える。そのような手段は、単一のベルトトルク あるいはベルト１７２が引き込まれている最中に経験される引っ張りを感知する ことと、これら感知手段の比較とを含む。予測比率の範囲よりも大きい又は小さ い予測値、あるいは、感知比率を越えるセンサ間の相違により、移送の開始ある いは自動停止が警告される。 図１のカート１０２は、標準的な患者の引っ張りシート１９０と共に使用する ために設計されている。標準的な患者の引っ張りシート１９０は十分に幅が広い ため、必要であれば、患者１２６に巻き付けることができるが、十分な長さでは ないので、患者の頭又は足の下方はそのままである。水平移送機構１０４は、患 者を引っ張りシート１９０と共に移動させるために数人使用する場合に相当する 働きをする。クリップ１７４は引っ張りシート１９０に直接取り付けられるよう に設計されているが、クランプ装置１９４がシート１９０の長さを越えて引っ張 り、患者のよりスムーズな動きを可能とするように使用されるが好ましい。特に 、背の高い患者にとって、引っ張りシート１９０は患者を付加的に支持するため に患者１２６の周囲に巻き付けることができ、シートの両端はクランプ装置１９ ４に取り付けられる。 これらクランプ装置１９４の３つの実施例は図８―１３に示されている。図８ 及び９の第１の実施例では、クランプ装置１９４は、引っ張りシート１９０をロ ッド１９２を使用してウインチ１３８に取り付けるのに使用可能である。Ｕ字部 １９６はキャビティ１９８を形成し、スプリングによって付勢したゲート２０に 覆われている。ロッド１９２は、ゲート２００に向かって押し込まれ、キャビテ ィ１９８に侵入可能である。キャビティ１９８内からゲート２００に向かってロ ッド１９２を押し込むと、ゲート２００はロッド１９２の退避を防止するように 閉鎖する。ゲート２００は上方伸長部２０２を備えている。クリップ１７４は、 Ｊ形状のフランジ２０４でクランプ装置１９４に適宜取り付けられる。ロッド１ ９２は、適宜、１箇所あるいはそれ以上の箇所でクランプ装置１９４に連結され 、ロッド１９２を保持用クランプ装置１９４に取り付けることができる。 第２及び第３実施例では、クランプ装置１９４はキャビティ２１２を形成する ためにヒンジ２１０に取り付けられた上方部２０６及び下方部２０８を備える。 キャビティ２１２の前方部はＬ形状のヒンジ閉鎖部２１４によって閉鎖される。 ２つの実施例には、クリップ１７４の取り付け用のＪ形状のフランジ２１６又は ２１８に設計上の違いがある。これら２つの実施例では、シート１９０はロッド １９２の周囲でシート１９０を巻き付ける必要なく、キャビティ２１２に直接配 置され、ロッド１９２は必要に応じて使用されるだけである。シートは、Ｌ形状 のヒンジ閉鎖部によって位置決め保持される。細くて剛性の高い巻付装置（図示 せず）がどのような長さであっても、必要であれば、シートをクランプ内に巻き 付けるのを補助するために使用可能である。 クランプ装置１９４の他の種々の設計は、示された一般的な概念の範囲内で可 能であることは明らかである。これら全実施例のために、シートの端部以外をど の位置にでも取り付けることができる。これは、移送機構１０４が第１水平面か ら第２水平面に患者を完全に移送可能とするために、クランプ装置が患者を可能 な限り近くに位置させることができるのが好ましい。 カート１０２は、操作中、図１に示すように患者のベッド２２０あるいは他の カートに上昇される。患者のベッド２２０に対向するサイドレール１２８は、上 方に向かう低摩擦面１４７を備えたブリッジ位置に配設される。引っ張りシート １９０はクランプ装置に取り付けられる。ベルト１６６はドライブシャフト１６ ４から巻き戻されるので、ベッド２２０の縁部でロッド１９２に届くのに十分な 長さである。ベルトは、モータを駆動して巻き戻されるか、あるいは、クラッチ を使用することにより、ドライブシャフトから自在に回収可能となっている。ベ ルト１６６の端部のクリップ装置１７４は、ロッド１９２及びシート１９０と協 働する。クランプ装置の他の実施例は、ロッドのあるなしに拘わらず使用可能で ある。 適切なスイッチ１４０の機構が駆動されると、ウインチ１３８がベルト１６６ をドライブシャフト１６４（図６）に巻き付け始める。モータ１６２は、引っ張 りや、他のいかなる不適切な力を提供することなく、ゆっくりとした確実な一定 の力で、患者１２６を移動させ、あるいは、ゆっくりとスタート及び停止し、移 動中、安全な安定した動作の種々の速度を提供するのに適した設計とされている 。引っ張りシート１９０は、患者の身体の重要な領域に力を配分することを補助 す る。患者１２６がカートのクッション１２４にいるとき、モータ１６２は停止中 か、そうでなければ回転自在である。この時点で、ベルト１７２はクランプ装置 １９４から離脱され、シート１９０はクランプ装置から取り除かれる。 患者をカートからベッドに移送させるため、ベッドはカート１０２に示される 同様なウインチを適用されている。このベッドに固定された移送装置は、適当な ベッドのサイドサイドレールに適用されるのが好ましい。これらサイドレールは 、ベッドの下方に保持されるというよりもむしろ上下に移動するようになってい る。ウインチは、ベッドの一方又は両側に簡単に適合でき、上述のようにカート として共通する形式でベッドに後から取り付けられる。 一方、ヘルスケアプロバイダーによって既に運ばれたポータブルウインチユニ ットは、ベッド、ベッド又はカートの両方のウインチを取り替えるために使用さ れるべきである。そのようなポータブルウインチユニット２５０の一実施例は図 １４―１６に示されている。ポータブルウインチユニット２５０はハウジング２ ５２、クランプ装置２５４及びウインチ２５６を備える。クランプ装置２５４は 、水平移送装置１００の第１実施例のクランプ装置１９４と同様な方法によって 移送シート１９０に保持されるように提供される。また、クランプ装置２５４は 、ポータブルウインチユニット２５０のためのフレームあるいはその一部として 提供される。ハウジング２５２は、頂部２５８及び基部２６０を備え、これらは クランプ装置及びウインチ２５６の周囲の重い樹脂製のシェルであるのが好まし いが、他の材料も使用可能である。 ウインチ２５６は、リール２６３に接続された駆動シャフト（図示せず）を回 転させ得るモータ２６２を含んでいる。ベルト２６４は、リール２６３の周りに 巻きついている。ベルト２６４は、実施形態１００ではベルト１６６に匹敵して いる。ベルト２６４の自由端は、ハンドル２６６を有している。ハンドル２６６ は、ベッド或いはカート（cart）の縁にリジッドに取り付けられたクランプ２６ ８についている。クランプ２６８は、不使用時に邪魔にならないように折りたた めるように形成されている。ベルト２６４は、ハウジング２５２から開口部２７ ０を通って進んでいる。ウインチ２５６の働きは、ワイヤ２７４によりモータ２ ６２に接続された回路盤２７２を介してコントロールされる。回路盤２７２は、 同様に、ポート２７６に接続され得る。 スイッチ２８０を備えたコントロールユニット２７８は、テザー（tether）２ ８２によりポート２７６に接続される。オペレータは、コントロールユニット２ ７８を使ってウインチ２５６を操作できる。代わりに、コントロールスイッチ２ ８０は、図１５に示すようにハウジング２５２と一体的に形成されるが、このこ とは、患者が移送されつつある間、オペレータがベッド或いはカート上に寄り掛 からなければならない故に、あまり望ましくない。コントロールユニット２７８ は、トランスミッター／レシーバー（図示せず）を使って、回路盤２７２と無線 で接続される。ウインチ２５６は、コード２８４を使って標準壁出口（standard wall outlet）により動力供給される。引っ込められる（retractable）コード アセンブリー２８６は、好ましくは、コードを不使用時には邪魔にならないよう にし、患者の移送の間、過剰なコードが邪魔になるのを防ぐように使用されるの がよい。代わりに、バッテリーは、好ましくは充電可能で、ウインチに動力供給 するために使用され得る。 図１４を参照すると、患者を第１ベッド／カート２８８から第２ベッド／カー ト２９０に移送するために、引っ張りシート（draw sheet）１９０が、第１実施 形態と同様に患者の下に使用されている。可搬式（portable）クッション２９２ が、図１７に示すように、患者を移送させるための比較的円滑かつ連続的な面の ために、第１ベッド／カート２８８と第２ベッド／カート２９０の間に置かれる 。 フックとループファスナを備えた紐（straps）２９４が、可搬式クッション２９ ２を、不使用時に、ベッド或いはカートに結び付けるために使用される。可搬式 クッション２９２は、人手で移動させる間、他の移送装置とともに、或いは補助 としてでも使用できる。可搬式クッション２９２は、好ましくはプラスチック材 からなる非常に低摩擦の上面を有するのがよい。 可搬式ウインチユニット２５０は、図１５および１６に示すように、クランプ 装置２５４を使って引っ張りシート１９０に取り付けられる。クランプ装置２５ ４の設計は、図８−１３におけるクランプ装置と同様なもの、或いは同様な概念 に基づく匹敵する設計であればよい。引っ張りシート１９０は、クランプ装置２ ５４への取り付けのためにロッド１９２（図８）上に巻きつけられる。図１４を 参照すると、ベルト２６４は、ハウジング２５２から引き出され、その結果ハン ドル２６６がクランプ２６８に取り付けられる。クランプ２６８は、第１ベッド ／カート２８８に近い側とは反対側で第２ベッド／カート２９０にリジッドに取 り付けられる。クランプ２６８は、随意的に、保管場所に可逆的に、取り外し可 能に、或いは低くさせ得るようにできる。オペレータは、モータ２６２を駆動す るためにコントロールユニット２７８を使用する。モータ２６２が、ベルト２６ ４を引っ込めると、可搬式ウインチユニット２５０および患者は、クランプ２６ ８に向けて引かれ、その結果、患者を第２ベッド／カート２９０上に移動させる ことになる。 図１４を参照すると、本発明の移送装置は、特にクランプは、患者があお向け に寝た状態にあるときに患者の重心に中心合わせされるように設計されている。 患者の重心は、通常、線ＮおよびＢでそれぞれ表わされた患者のへそと臀部との 間の略中ほどにある。したがって、患者を円滑かつ平等に動かす移送のために、 重力のクランプ中心（clamp center of gravity）（矢印Ｃで表わされている） は、患者の上の線ＮおよびＢの間の略中ほどに整列させられるべきである。 水平移送システム３００のさらなる実施形態は、図１８に示されているように 、特に設計された移送シート３０２と移送ユニット３０４を伴っている。移送ユ ニット３０４は、二つの方向のいずれかに患者を動かすことができる故に、水平 移送 システム３００は、カート或いはベッドのいずれかが移送ユニット３０４に与え られる必要があるだけで、両者ではないという利点がある。それ故に、移送ユニ ット３０４に適合させられていないカート或いはベッドは、在来のものであり得 る。 移送ユニットは、駆動システム３１０に取り付けられたヘッドフレーム３０６ およびフットフレーム３０８を有している。ヘッドフレーム３０６はベッド或い はカートのヘッドボードに代わるか取り付けられる一方、フットフレーム３０８ はベッド或いはカートのフットボード（foot board）に代わる、或いは取り付け られる。ヘッドフレーム３０６およびフットフレーム３０８は、少なくとも一つ の垂直支持部３１２を有し、その底部に車輪３１４を備えている。車輪３１４は 、ベッド／カートの幅により決められる方向に沿って転動するように方位付けさ れるべきである。車輪３１４は、フロアに接触していない車輪のシフトを許容す るように垂直支持部３１２に取り付けられ、その結果ベッド或いはカートは、車 輪３１４からの干渉なしに動かすことができる。垂直支持部３１２は、患者の重 量により生じる力に対する補償を助けるために二つの垂直支持部３１２間に延び る除去可能なブレース（brace）（図示せず）を有することができる。 図１９−２１を参照すると、ヘッドフレーム３０６およびフットフレーム３０ ８の各々は、垂直支持部３１２から延びる少なくとも一つの伸長可能な水平支持 部３１６を有している。この伸長可能な水平支持部３１６は、固定部３１８を有 し、これはヘッド（フット）フレーム３０６（３０８）のヘッド（フット）ボー ド或いはヘッド（フット）ボード部３２０に取り付けられている。伸長可能な水 平支持部３１６の固定部３１８は、典型的なものでは、少なくともベッド或いは カートの幅を横切って延びるであろう。伸長可能な水平支持部３１６のはめこみ 部３２２は、垂直支持部３１２に取り付けられ、対応する固定部３１８に摺動可 能に係合している。ある実施形態では、はめこみ部３２２は、対応する固定部３ １８内に摺動してゆくが、他のタイプの摺動可能な係合は可能である。 ヘッドフレーム３０６およびフットフレーム３０８の各々は、昇降支持部３２ ４を有している。この昇降支持部３２４は、それが垂直支持部３１２およびはめ こみ部３２２とともに動くように取り付けられる。各昇降支持部３２４は、グリ ップ部３２８および概して二つの昇降部３３０を有している。このグリップ部３ ２８は、開口部３３２を有し、図２２に示すように、そこにシートクランプ３２ ５がケーブル３２７を使って引っ込められる。シートクランプ３２５は、移送シ ート３０２を掴むことができる。図２３を参照すると、ケーブル３２７は、マッ トレス支持部３２９が移動範囲を通って進む間、シートクランプ３２５が移送シ ート３０２に取り付けられたままでいることを許容する。好ましい形態では、一 昇降部３３０は、スロット３３６にて垂直支持部３１２に係合している。もう一 つの昇降支持部３３０は、はめこみ部３２２に取り付けられた可動支持部３３８ に係合している。 昇降支持部３２４は、ある範囲の垂直運動が可能である。垂直運動のこの範囲 は、典型的なものでは、６インチと１２インチの間である。垂直運動のこの範囲 は、第１ベッド／カートから第２ベッド／カートまでの水平移送に対して十分な クリアランスを与えている。換言すれば、付属する移送ユニット３０４を備えた 後から取り付けたベッド／カート３２６は、これから、或いはこれに患者を移送 することができる。この垂直リフトはまた、下着（linens）を変えるのに便利で あるが、移送シートは別個に変えられる必要があるであろう。 図１９を参照すると、駆動システム３１０は、水平駆動システム３４０と垂直 駆動システム３４２とを含んでいる。この駆動システム３１０は、垂直支持部３ １２上に配置されたコントロールパネル３４４（図１８−２０）、或いはコネク タ３４８を介してヘッドフレーム３０６或いはフットフレーム３０８につながれ た可搬式コントローラ３４６（図２３）から操作される。駆動システム３１０の コントロールのための他の装置は可能である。昇降支持部の垂直運動のための駆 動部３４２は、動力付きウォーム駆動部３４３のような、なんらかの従来のモー タ或いは液圧システムにより操作されるようにすることができる。 二つの実施形態が、図１９および２０のそれぞれにおいて水平駆動システ３４ ０に対して示されている。第１のものは、ベッド／カートフレーム３５２の底部 に固定されたモータ３５０を伴っている。このモータは、駆動シャフト３５４を 回転させ、そしてこれはトランスミッション３５６に進み、そしてこれは駆動シ ャフトの回転を伸長可能な水平支持部３１６のはめこみ部３２２の横方向の運動 に変える。駆動システムの第２の実施形態は、ヘッドフレーム３０６或いはフッ トフレーム３０８のいずれかに装着されたモータ３５８を有している。モータ３ ５８は、ウォーム駆動部３６０を回転させ、そしてこれはモータ３５８の側部に 沿って水平に装着されている。このウォーム駆動３６０は、伸長可能な水平支持 部３１６のはめこみ部３２２に運動を伝える。随意的な取り外し可能なパネル３ ６２は、図２４に示すように取り外すことができ、フットフレーム３０８上に装 着され、そこでは、それは図２５に示す付加的な設備のための棚或いは心臓と肺 の蘇生（ＣＲＰ）ボードとして使用される。 水平移送ユニット３００のこの実施形態における使用のための適切な移送シー ト３０２は、図２７および２８により詳細に表現されている。この移送シート３ ０２は、フックおよびループを備えたウイング部３８０或いはこのウイング部３ ８０の縁部に匹敵するファスナ３８２を有している。このウイング部３８０は、 患者の上方に折りたたむことができ、そしてファスナ３８２で閉じることができ る。このウイング部の形状は、望むように選択できる。移送シート３０２の頂部 および底部は、補強孔、グロメット３３４、或いは他の改善されたアタッチメン ト手段で随意的にアタッチメント部３８４を補強されている。代わりに、このシ ートは、図８−１３に示されたクランプへのシートのアタッチメントと同様なシ ートクランプ３２５に取り付けることができる。シート上にグロメットを有する ことは、洗浄プロセスの間、不利益となる。このアタッチメント部３８４が、マ ットレスの端部に、或いはこれをほんの少し超えて概ね延在するであろう。他の 設計、例えば患者の上方に折りたたまない変形は、シートに対して可能である。 図１９および２０を参照すると、手術において、垂直支持部３１２および水平 支持部３１６のはめこみ部３２０は、もしも患者が後から取り付けたベッド／カ ート３２６から移動させられる場合は、その引っ込み位置に初めに配置され、も しも患者が別個のベッド／カート３２７から後から取り付けたベッド／カート３ ２６に移動させられる場合は、その伸長した位置に初めに配置される。移送シー ト３０２は、随意的に患者の上方に折りたたまれ、そしてファスナ３８２は締め 付けられる。アタッチメント部３８４は、開口部３３２内に配置され、そしてシ ートクランプ３２５は、補強孔３３４に係合する。この時点で、元は下方位置に ある垂直駆動システム３４２は患者を宙に浮かせた状態に持ち上げるために上方 位置に係合させられる。 水平移送システム３００は、それに応じて患者を元の位置から移送位置まで移 動するように係わり合わせられる。もしも、患者が初めに後から取り付けたベッ ド／カート３２６上にいる場合、垂直支持部３１２およびはめこみ部３２０はそ の伸長位置まで動き、そしてもしも患者が初めに後から取り付けたベッド／カー ト３２６に位置していない場合は、垂直支持部３１２およびはめこみ部３２０は 、その引っ込み位置に動く。一旦、水平移送が完了すると、垂直駆動システム３ ４２は下降し、移送シート３０２は、係わり合いから脱する。 患者移送装置４００のもう一つの実施形態は、図２９に示されている。ヘッド 部４０２およびフット部４０４は、ヘッド部４０２およびフット部４０４がはめ こみ部３２０に取り付けられた昇降支持部３２４を欠いていること、および上方 横支持部４０８を支持する代わりの頂部支持部４０６を有することを除いてヘッ ドフレーム３０４とフットフレーム３０６のそれぞれに構造上似ている。上部横 支持部４０８は、患者からの重量からの力に逆らうために支持を与えている。 上部横支持部４０８は、昇降エレメント４１２を支持する上部横支持部４０８ の両側に横方向路（transverse track）４１０を有している。昇降エレメント４ １２は、その横方向の運動を生じる横方向路内で回転するトラックホイール４１ ４を有している。昇降エレメント４１２は、引っ込みコード（retracting cords ）４１６のためのウインチ（図示せず）を含んでいる。コード４１６は、引っ張 りシート４２２のコーナにて補強孔、或いはグロメット４２０に取り付けるため の端部にファスナ４１８を有している。コード４１６の引っ込みは、シート４２ ２内に固定された患者を収容した引っ張りシート４２２を持ち上げる。 図３０に示すように、伸長可能な水平支持部４２４は、上部横支持部４０８お よび昇降エレメント４１２に沿ったホイール４２８上の垂直支持部４２６の横方 向運動を許容するために伸長可能な水平支持部３１４と同様に働く。前の実施形 態のシステム３００のように、代わりの実施形態の装置４００が患者を後から取 り付けたベット／カートから第２のベット／カートに、或いは第２のベット／カ ートから後から取り付けたベット／カートに動かすことができる。 一方、図３１、図３２を参照すると、リフトジャケット４３０と共に１つのリ フト部材４１２を使用できる。リフトジャケット４３０は患者の胴の周囲に装着 される。リフトジャケット４３０を付けたとき、コード４１６が引っ込んで患者 の胴をベッドから持ち上げ、患者のウエストが曲がった状態にする。それから、 リフト部材４１２は図３１，３２に示すように移動及び回転して、患者をベッド の側部に座った状態にする。患者の背中はこの位置で支持されている。このよう に水平移動装置３００は、ベッド上であおむけになった患者を座った状態にする のを補助するという第２の目的を果たす。 ベッド５０２及びカート５０４の両方を改装するように設計された移動装置５ ００が図３３に表してある。移動装置５００は、水平移動機構５０８と移動ブリ ッジ５１０を含む（図３７−４１）。水平移動機構は連結機構５０６を含む。図 ３４及び図３５は、連結機構５０６の２つの典型的な実施例を示す。最初の実施 例は、アーム５１４をもったクランプ５１２からなるスプリングを有する。アー ム５１４はベッド５０２の脚部板５１８の側方にある開口部５１６から突出して いる。クランプ５１２をもつスプリングは移動棒５２２に開口するキャビティ５ ２０に係合する。アーム５１４の角度をつけた前端部がキャビティ５２０に係合 するとき、先端５２６がフランジ５２８を通過するまでアーム５１４はスプリン グ（図示せず）に抗して互いに向かう方向に変形し、先端５２６がフランジ５２ ８に係合するとアームは外側に戻る。アーム５１４はベッドの脚部板５１８内に おいて連結サポート５３０上で回転する。頭部板（図示せず）は同様の連結機構 を有する。クランプ５１２が開口部５１６から突出するとき、アーム５１４を押 すことによってアームの係合を解除することができる。 図３５に示される連結機構５０６の第２の実施例では、連結サポート５４０で 支持されたギヤ５３８がベッドの脚部板５４４の側方にある開口部５４２から突 出している。突出したギヤ５３８は移動棒５２２内においてキャビティ５５２の 上面にある歯５４８とかみ合う。ギア５３８は歯５４８とかみ合うためにサポー ト５４０上で僅かに曲がることができる。移動棒５２２内のキャビティ５５２は その開口部にフランジを有しない。連結サポート５４０が開口部５４２から突出 しているとき、連結サポート５４０を下方に押すことによってギヤ５３８の係合 は解除される。ここでもまた、頭部板（図示せず）は同様の連結機構を有する。 連結機構５０６の２つの実施例は、カート及びベッドに関する特別の構成にお いて説明されている。この構成は突出ギヤ５３２又はクランプ５１２を保持する ベッドと共に変更できる。いずれの構成でも、連結を行っているときに、ウォー ムギヤドライブ５３２によって突出ギヤまたはクランプを引っ込めることができ る。 水平移動機構５０８は移動部材５５６及び駆動装置５５８を含む。移動部材５ ５６は、図２７，２８に示す移動シート３０２のような移動シートや移動棒５２ ２を把持するための把持機構５６０を有する。把持機構５６０は複数の支持棒５ ６４によって移動棒５２２に取り付けられる。把持機構５６０はシートクランプ ３２５と同じようにすることができる。移動棒５２２はカートチャンネル５６６ 及びベッドチャンネル５６８の内部を移動する。支持棒５６４は、カートチャン ネル５６６及びベッドチャンネル５６８内にそれぞれある溝５７０，５７２の内 部をスライドする。連結サポート５３０又は５４０はウォームギヤドライブ５３ ２を含む駆動装置５５８によって横方向に移動できる。ウォームギヤドライブ５ ３２はモータ５３４とウォーム５３６を有する。ウォーム５３６の回転により連 結サポート５３０又は５４０が移動する。連結サポート５３０又は５４０が移動 すると、移動棒５２２がチャンネル５６６及び５６８内を移動する。患者をいず れの方向へも移動できるようにウォームギヤドライブ５３２は移動棒５２２をい ずれの方向にも移動させることができる。 移動ブリッジ５１０はカート５０４の側部に取り付けらている。移動ブリッジ ５１０は、ブリッジ５７４、レバー５７６及び取付部分５７８を有する。移動シ ートの通過を容易にするために、ブリッジ５７４は例えばポリプロピレンのよう な低摩擦材料で成形されるのが好ましい。ただし、他の低摩擦材料も適当である ことが確認されている。取付部分５７８はロッド５８０によってカート５０４の 側部に取り付けられている。取付部分５７８はブリッジ５７４を支持するヒンジ ５８２を有する。レバー５７６は取付部分５７８を通って通過する。レバー５７ ６が回転するとヒンジ５８２の形状が変わり、それにより図３７−４０に示すよ うにブリッジ５１０が保持位置とブリッジ位置との間を移動する。ブリッジ位置 では、ブリッジ５７４がベッド５０２とカート５０４の間の隙間に位置する。保 持位置では、ブリッジは５７４がカート５０４の横木として機能する。図４１は 、分かれた移動ブリッジ５８４を有する移動ブリッジ５１０の少し異なる実施例 を示す。移動ブリッジのこれらの実施例は、従来の手動移動装置を含む他の移動 装置にも使用することができる。 ベッド５０２とカート５０４の間で患者を移動させるために、図１８の実施例 における移動シート３０２の取り付けと同様に、患者が横たわっている場所の頭 部と足のところにある把持機構５６０に移動シート３０２が取り付けられている 。図３６を参照すると、カート５０４とベッド５０２は、チャンネル５６６と５ ６８とが一直線に並ぶように配置されている。図３８を参照すると、移動ブリッ ジ５１０はベッド５０２とカート５０４の間の隙間をうめるように移動位置に置 かれている。図３６に示すように、駆動装置５５８は、患者が横たわっているベ ッド５０２又はカート５０４から患者が移されようとするベッド５０２又はカー ト５０４に移動部材５５６を移動させるために用いられる。患者が移されると、 カート５０４とベッド５０２との結合が解除され、移動シート３０２が把持機構 ５６０から外される。 上記移動装置では、移動の際に患者をいくつかのタイプのシートに載せるよう にしている。シートに載せることは、移動の力を与えているヘルスケア職員によ って現在よく行われている方法と同様であるが、シート上に患者を支持すること は傷を負った患者には不適当かもしれない。後述するように、患者にとってはマ ットレス又はクッションごと移動させる方がより安全であろう。 図４２はマットレス移動装置６０２を含むベッド６００を表している。ベッド ６００はモジュラーマットレスと固定クッションを支持している。図４２に示す ように、モジュラーマットレス６０４は、隙間なく滑らかな表面を形成するため に、固定クッションの周囲に巻かれる詰め物をした繊維からなるウィング６０８ を有する。ウィング６０８は使用しないときにはモジュラーマットレス６０４の 下にしまい込まれる。図４３を参照すると、マットレス６０４が移動されようと するときに、ベッド６００は連結機構６１２によってカート６１０に接続される 。連結機構６１２は突出部６１６を受け入れる１つ以上の孔６１４を有する。図 ４３はベッド６００の孔６１４とカート６１０の突出部６１６を表しているが、 反対側の構成もまた同様に機能するようになっている。モジュラーマットレス６ ０４を移動させようとするときのベッド６００及びカート６１０の相互の動きを 防止するために孔６１４内に突出部６１６を固定するロック機構（図示せず）を 設けることもできるが、カート６１０の車輪をロックすることによっても同様の 効果が得られる。 １つの実施例では、マットレス移動装置６０２は、複数の横棒６２０に接続さ れた横断棒６１８と、少なくとも１つの横駆動棒６２２とを有する。横棒６２０ は横トラック６２４に沿ってスライドするとともに、横駆動棒６２２は横駆動ト ラック６２６に係合している。横棒６２０及び横駆動棒６２２は横断棒６１８が ベッド６００の縁部を越えて延びるのを可能にする。横断棒６１８は複数の把持 機構６２８を有する。各把持機構６２８は、モジュラーマットレスを押したり引 いたりするために押し位置（図４４）と引き位置（図４５）とをそれぞれ有する 。 図４２と図４６を参照すると、把持機構６２８はモジュラーマットレス６０４ の縁部近傍のハンドル６３０を把持する。マットレス移動装置は、図４２に示さ れるように、脚部板６３４に取り付けられたコントロールパネル６３２で制御さ れる。マットレス移動装置６０２は横駆動棒６２２を動かすことによって横断棒 ６１８をカート６１０に向かう方向又はカート６１０から離れる方向のいずれか に移動させる。当然に、説明した実施例のほかに、マットレス移動装置について 種々の設計が可能である。 図４６を再度参照すると、モジュラーマットレス６０４は移動装置６０２を収 容するチャンネル装置６３６を有する。チャンネル装置は、横断棒６１８を収容 する横断空間６３８と、横トラック６２４及び横駆動トラック６２６を収容する 縦チャンネル６４０を含む。ハンドル６３０は横断空間６３８の上面に沿って配 置されている。必要に応じて広げるために、固定クッション６０６が適当なチャ ンネル６４２を有していてもよい。 モジュラーマットレス６０４を移動させるため、まず、カート６１０がベッド ６００に連結機構により連結される。モジュラーマットレスがカート６１０に移 動されようとするときには、患者はモジュラーマットレス６０４の中央に置かれ 、そして把持機構６２８がコントロールパネル６３２により押し位置にセットさ れる。マットレス移動装置６０２はカート６１０に向かって横断棒６１８を移動 させるように操作される。マットレスがカート６１０上に置かれたとき、連結機 構による連結が解除される。 モジュラーマットレス６０４がカート６１０からベッド６００に移動されよう とするときには、カート６１０とベッド６００とが適当に連結される。そして、 横断棒６１８が伸ばされた位置において横断空間６３８の内部に配置される。把 持機構６２８は引き位置に配置される。マットレス移動機構６０２は横断棒６１ ８をカート６１０から離れる方向に移動させるように操作される。モジュラーマ ットレス６０４がベッド６００上の位置に来たとき、マットレス移動装置６０２ が停止して、連結機構による連結が解除される。 マットレス移動装置６０２をもつベッド６００は、図４４−４７に示すように 、折り曲げマットレス６５２と共に使用されるとき、位置変えカート６５０を用 いた作業にも適用できる。位置変えカート６５０は、ベース６５４と複数（好ま しくは２つ）のアーム６５６を有する。ベース６５４は、カート６５０に比較的 広い支持基盤を与えているロックホイール６５８を有する。ベースは十分な重量 と比較的低い重心をもつべきであり、それによりカート６５０が安定する。ベー ス６５４の上部６６０は、カート６５０上にマットレス６５２が置かれたときに 、折り曲げマットレス６５２の中央部の支持部となる。 アーム６５６は支持部分６６２とレバー部分６６４を有する。支持部分６６２ はカート６５０の遠い縁部からベッド６００に向かって横方向に延びている。レ バー部分６６４はその一端が支持部分６６２に強固に取り付けられるとともに、 その他端がベース６５４のヒンジ機構６６６に取り付けられている。支持部分６ ６２は、マットレス６５２がカート６５０に載せられたとき、マットレス６５２ を支持する。ベース６５４内部の折り曲げ駆動部は、ベース６５４の側部のコン トロールパネル６６８から操作される。折り曲げ駆動部は、折り曲げマットレス ６５２の形状を平らな形状から座椅子形状へ、または、その逆へと変えるように ヒンジ機構６６６を回転させる。あおむけの形状から座椅子形状に変わるとき、 マットレス６５２の頭部側のレバー部分６６４は上方に回転し、ベッド６００の 足部側のレバー部分６６４は下方に回転する。折り曲げマットレス６５２は形状 の変化を容易にするための折り目６７０を有する。折り目マットレス６５２を位 置変えカート６５０に載せたり降ろしたりする動作は、モジュラーマットレス６ ０４をカート６１０に載せたり降ろしたりする動作と類似する。 次の装置は、ベッドまたは椅子から患者を持ち上げるために設計されたもので ある。これらの装置は、少なくとも１つのリフト装置と、少なくとも１つのウイ ンチ装置とから構成される。持ち上げ装置の第１の実施例では、図５９−６１に 示すように、リフト装置がロブスターのはさみの形状をしたベッドジャケット７ ０２である。ベッドジャケット７０２は、ジョイント部７０６でつながった２つ のはさみ部分７０４を有する。ある実施例では、はさみ部分７０４は繊維で包ま れた詰め物をしたものなどで作られている。ジョイント部７０６は、そのジョイ ント部７０６で十分な柔軟性を有するように織物でできた折り目を含む。ベッド ジャケット７０２は、患者の胴の下に当てられる部分がないので、患者への装着 が簡単である。しかしながら、持ち上げるときの力は患者の胸部を横切って分配 されるとともに、首ははさみ部分で支持される。 はさみ部分７０４は、ジョイント部７０６の反対側の端部にエッジ部７０８を 有する。対向するはさみ部分のエッジ部７０８は、クリップ（図示せず）をもつ フック及びループファスナ又は他の適当なファスナでつながれることができる。 エッジ部７０８は必ずしも接触してつながれる必要はない。使用の際、ジョイン ト部７０６が患者の胸を横切って配置され、はさみ部分が患者の腕の下に配置さ れる。必要であれば、エッジ部７０８は患者の首の後ろでつながれる。エッジ部 がつながれない場合には、それらはそれぞれの端部が同じウインチに取り付けら れることによって一緒に保持されることになる。 ベッドジャケット７０２はウインチ装置の少なくとも２つの実施例と共に使用 可能である。ウインチ装置７１２の第１の実施例では、図５２に示すように、ベ ッドジャケット７０２はつなぎ縄７１６を取り付けるためのループ７１４を有す る。つなぎ縄７１６は外部ウインチ７１８に取り付けられている。意図した使用 に応じて、外部ウインチ７１８をベッドの頭部板７２０に取り付けたり、ベッド または車椅子７２４（図５３）の上に立ち上がる支持部材７２２に配置したり、 または、天井（図５２）に取り付けたりすることができる。外部ウインチ７１８ はハンドクランク（図示せず）によって手動で、またはコントロールパネルによ り制御されるモータ（図示せず）によって操作できる。 さらに、パッドベスト７６２に使用できる７１２の外形が図５４および図５５ に示されている。パッドベスト７６２はカニはさみ型ベッドジャケット７０２と 同じ利点を有している。パッドベスト７６２は、使用者の胸に横にフイットする 形成部７６４を有している。２本の調整可能なストラップ７６６は前記形成部７ ６４から延在している。一方のストラップ７６６は、別体のヘッドサポータ７６ ８を有している。ヘッドサポータ７６８の自由端には、フックおよびループファ スナー７７０、あるいは、他方のストラップ７６６に類似のファスナーを取り付 けてある。ストラップ７７６の先端に取り付けたリング７７２は、ウインチ７１ ８との連結のためにつなぎ紐７１６にベスト７６４を取り付ける。 ウインチシステム７２６の第２実施形態は、図５３，図５６ないし５８に示す ように、ベッドジャケット７３０自身にウインチ機構７２６を有している。ウイ ンチ機構７２６は電動であることが好ましい。ウインチ機構７２８は、ウインチ は別のデザインのベッドジャケットに埋め込むこともできるが、ベッドジャケッ トのはさみのひとつに埋め込まれている。好ましいウインチ機構７２８は、スプ ール７３８に連結された駆動軸７３６を回転させるモータ７３４を有している。 つなぎ紐７４０はスプール７３８に取り付けられ、さらに、その端部にリング７ ４２を有している。 はさみ７３２に設けることができる制御は、リリーススイッチ７４４、リコイ ルスイッチ７４６、プルスイッチ７４８、および、ローアスイッチ７５０である 。リリーススイッチ７４４は、つなぎ紐７４０がベッドジャケット７３０を引っ 張ることができるようにスプール７３８を解除する。リコイルスイッチ７４６は 、つなぎ紐７４０にほとんど抵抗がないとすれば、ばね機構（図示せず）を利用 してスプール７３８につなぎ紐７４０を巻き取らせる。プルスイッチ７４８は、 スプール７３８につなぎ紐７４０を巻き取るためにモータ７３４を作動し、ロー アスイッチ７５０は、スプール７３８からつなぎ紐７４０を解放する反対方向に モータ７３４を動作させる。オプションとして、制御は遠隔制御ユニットのよう にベッドジャケットの外に配置してもよく、あるいは、ベッドに設けてもよい。 外部制御ユニットは、図１５および図１６における実施形態のための制御ユニッ ト と同様の無線（送信機／受信機）あるいは有線連結のいずれかを介し、ウインチ 機構７２８に連結してもよい。 リング７４２は、電動ベッドジャケット７３０を電動でない片われとして同じ 方法で使用できるように、車椅子あるいは天井台のヘッドボード、上昇サポート に取り付けできる。ウインチベッドジャケットコンビネーション７３０は、色々 なセパレートウインチを有する必要のない色々な方法を使用できるので、より一 層多目的に使用できる。さらに、制御は、患者の動作を補助するために患者に十 分に接近している間に健康管理士が制御できるように配置されていれば便利であ る。 最後に、ベッドジャケット７０２は、図５９および図６０に示すように、天井 に取り付けた３個のウインチ７５４に、３個の軸制御シリンダー７５２を介して 取り付けできる。制御シリンダー７５２は、ボールジョイント７５８内に嵌合す るボール７５６によってベッドジャケット７０２に連結する。制御シリンダー７ ５２は、３軸のひとつに沿って移動を制御する３つのスイッチ７６０を有してい る。図６１を参照し、スイッチ７５２は、ウインチ７５４の位置について予めプ ログラミングしたマイクロプロセッサー７５３に連結されている。このマイクロ プロセッサー７５３は、ワイヤ７５５でウインチ７５４に連結されている。この 多目的なシステムは、患者をベッド７６２から車椅子７６４に搬送したり、また は、患者をベッド７６２あるいは車椅子７６４から引き上げを含む色々な方法に 使用できる。また、パッドベスト７６４は３軸制御シリンダー７５２に使用でき る。 図６２ないし図９５は、携帯可能な患者搬送システムの特徴に関する。このシ ステムデザインおよび各構成部品は、患者の世話および健康管理の傷害を減少さ せる前述の目標に一致している。図６２ないし図６４を参照し、係合機構８００ が図示されている。係合機構８００は患者を保持するシートを固定し、あるいは 、係合するために設計されている。係合機構８００は、前方で開放する要素８０ ２、弓形係合要素８０４、ベルト係合要素８０６、および、円筒部材８０７を有 している。要素８０２，８０４は、少なくとも約６０ｃｍ以上の長さ、好ましく は少 なくとも約１００ｃｍの長さに延在していることが理想である。要素８０２は、 内側に配置した移動可能な伸長部８０８を有する。凸状エッジ８１０のように、 横に配置したエッジは伸長部８０８上に存在している。弓形係合要素８０４は、 外表面８１２および内表面８１４を有している。内表面８１４は凹所８１６を有 している。複数のベルト係合要素８０６は要素８０２に付着され、係合要素８０ ４を介して延在している。ベルト係合要素８０６の係合要素８０４の外部に配置 されているのは、少なくとも一つの係合スロット８１７である。要素８０２の各 端部に配置されているのは、ピボット手段８１８である。ピボット手段８１８を 中心にスライドあるいは回転するように付着されているのは、ピボット部材８２ ０である。ピボット部材８２０は、順次、円筒部材８０７の部分に堅く付着され ている。円筒部材８０７の外表面は滑らか、あるいは、グリッピングを高めるた めに梨地面であることが理想である。ゴム引きあるいはべとつく地を円筒部材８ ０７の表面に設けてもよく、あるいは、グリッピングを高めるいずれかの他の手 段としては、表面積の増大あるいは存在する表面のグリッピング形状を大きくす るかのいずれかの使用に提供してもよい。複数の付勢ばねあるいは他の付勢手段 （図示せず）は、オプションとして係合機構８００内に配置される。 機能的には、係合機構８００の要素８０２，８０４は、付勢ばね（図示せず） によって相互に付勢されている。ユーザが係合機構８００内に搬送シートを配置 することを希望する場合、最初に、円筒部材８０７の周囲に搬送シートの一部を 包む。その後、円筒部材８０７は凸状の内表面の軸心上に直接配置する。そのと き、要素８０２および８０４はユーザによって相互に押圧され、これにより、ベ ルト係合要素８０６の係合スロット８１７は要素８０４から延在している。要素 ８０２，８０４が閉鎖状態にある場合、円筒部材８０９および円筒部材８０９を 中心として包まれた搬送シートの一部は、クランプ８００内に全体が封入されて いる。最後に、係合スロット８１７は、ベルト係合要素８０６にしっかりと係止 するようにベルトバックル８２２のための要素８０４から十分に離れている。係 合要素８０６にしっかりと係止した場合、これにより、ベルトバックル８２２は 閉鎖状態の要素８０２および８０４を有し、同時に、その中に円筒部材８０９が 収納され、そして、封入した搬送シートの一部に把持力が作用する。患者を搬送 する場合、搬送力がベルト係合要素８０６に作用し、さらに要素８０２，８０４ が相互に押圧し、このため、その中に配置された搬送シートに対する把持力を高 め、あるいは、増大させて作用する。 図６５および図６６に示すように、クランプ８３０は本発明にかかる他の実施 形態をである。クランプ８３０は大きなＵ溝部材８３２、小さなＵ溝部材８３８ 、円筒部材８３６、複数のベルト係合要素８３８、および、複数のカム８４０を 含んでいる。大きなＵ溝部材８３０は、外表面８４２、内表面８４４、および、 複数のスロット８４６を有し、各スロット８４６オプションとして水平方向およ び垂直方向に形成されている。小さなＵ溝部材８３４は外表面８４８および内表 面８５０を有している。Ｕ溝部材８３２，８３４は、長さが少なくとも約６０ｃ ｍ、好ましくは約１００ｃｍ以上であることが好ましい。円筒部材８３６は、周 囲を搬送シートで包まれた内表面８４６の領域内で円筒部材８３６が接すること を可能にするのに十分な半径の円周を有している。好ましくは、円筒部材８３６ は、Ｕ溝部材８３２，８３４と実質的に同様な長さを有している。円筒部材８３ ６の外表面は滑らかでもよいが、前述のように、グリッピングを高めるために多 少粗いことが好ましい。ベルト係合要素８３８は、小さいＵ溝部材８３４にしっ かりと固定され、かつ、それから延在している。各ベルト係合要素８３８に配置 されているのは、カムアタッチメント要素８３８の一部としての係合手段８５２ である。 機能的に、搬送シート（図示せず）円筒部材８３６の周囲を包んでいる。円筒 部材８３６および包まれたシートは、ベルト係合要素８３８に隣接する小さなＵ 溝部材８３４の内表面に直接配置されている。そのとき、ベルト係合要素８３８ はスロット８４６を介して通過する。円筒部材８３６および包まれたシートが大 きなＵ溝部材８３２の内表面８４４に接触するまで、大きなＵ溝部材８３２およ び小さなＵ溝部材８３４は相互に押圧する。この点において、スロット８４６の 垂直ノッチ部品は、カムアタッチメント要素８５４のための通路として提供され る。そのとき、カム８４０が部材８３２および８３４が一緒にロックするように 形成されている。そして、ベルトバックルまたは同等の取付手段（図示せず）が ベルト係合要素８３８に固定されている。先の実施形態のように、搬送力がクラ ンプ８３０に作用する場合に、部材８３２および８３４はさらに共に押圧され、 これにより、その中に配置された搬送シートに増大、あるいは、補充した把持力 を作用させる。クランプ８００および８３０は、堅い材料よりも、柔らかい材料 で形成されていることが好ましい。適切な材料としては金属あるいは合成樹脂の 各種のゲージがある。自動車に一般的に使用されている同様なバックル機構は、 それらに付けられてベルトと同様、本発明の取付手段の一つの実施形態として使 用することが可能である。 図６７および図６８に描いたように、クランプ８６０は、ベース部材８６２、 回動可能な上方部材８６４、２本のロックレバー８６６、ロック機構８６８、お よび、複数のベルトアタッチメントサイト８７０を有している。ロック機構８６ ８に一致し、部材８６４のベースのピボットサイトで、回動する上方部材８６４ がベース部材８６２に軸支される。ゴムを引いた地８６９あるいはびょうを増や した他の材料は、ベース部材８６２の内表面および上方部材８６４のに設けられ ていることが好ましい。一対のロックレバー８６６がベース部材８６２の頂上、 および回動する上方部材の回動端部に直接設けられている。ロック機構８６８は ロック位置に回動する上方部材８６４を固定するためにロックレバー８６６に共 同する。理想的には、回動する上方部材８６４は、板あるいはコイルばねのよう な手段によって開放位置に付勢されている。理想として、２本のベルトアタッチ メントサイト８７０は、各ロックレバー８６６に隣接して配置されている。 実務において、搬送シート（図示せず）の一部は、ベース部材８６２および回 動する上方部材８６４の間に配置されている。搬送シートはそれぞれ、円筒要素 あるいは他の適切な部材の周囲を包むことができ、そして、ベース部材８６２お よび回動する上方部材８６４の間に配置できる。回動する上方部材８６４は、ロ ック機構８６８をロックするまで、ベース部材８６２側に押圧され、これにより 、閉鎖状態のベース部材８６２および回動する上方部材を固定し、その中に固く 把持された搬送シートでロックする。回動する上方部材８６４およびロックレバ ー ８６６はそれぞれ、ユーザによってロックレバー８６６が押し下げられる連結あ るいはレバーコンビネーションにより、機械的に連結でき、これにより、回動す る上方部材８６４は、ロック機構８６８がベース部材８６２に固くロックされ、 そして、閉鎖状態で回動部材８６４が接触するまで、下方側に押される。最後に 、ベルトあるいはストラップ８７２は、ベルトアタッチメントサイト８７０にス ロットが配置されている中にフック８７４が配置されることによってクランプ８ ６０に固着される。 図６８に示すように、移送シート８７６はクランプ８６０内に固定され、ベー ス部材８６２及び上部旋回部材８６４は閉じてロックされた位置にあって、ベル ト８７２は移送シート８７６から離されており、移送シート８７６には搬送力が 矢印８８０の方向に作用している。従って、ベルト取り付け部８７０の上部プレ イスメント及びクランプ８６０の底部の角度形状により、旋回点がロック機構８ ６８の近傍にできる。この移動運動は、上部部材８６４を上向きに、また、フッ ク取り付け部８７０近傍のクランプ部８６０を下向きに旋回させる働きをし、矢 印８８０で示すように、ロック機構８６８近傍の旋回点周りにクランプ８６０を 回転させる。移送シート８７６のクランプ８６０内に取り付けられた部分が移送 シート８７６の他の部分に対してなす角によって更なる把持力が移送シートに作 用する。 患者搬送システム９００は、図６９〜７１に示すように、概略、ベッド９０２ 、カート９０４、電動式巻き上げ装置９０６、垂直移動ユニット９０８、９１０ ，９１２，クランプ９１４及び後述する多数のベルトを含む。カート９０４とし て図示しているが、ベッド若しくは他の水平面を使用しても良く、これらも本発 明の範囲内に含まれる。電動式巻き上げ装置９０６はベッド９０２のベース９１ ６に完全に取り付けられている。ベッド９０２の上部フレームには垂直移動ユニ ット９０８が取り付けられている。カート９０４に隣接して、他の垂直移動ユニ ット９１０が上部フレームに取り付けられている。更に、他の垂直移動ユニット ９１２がカート９０４の下部フレームに取り付けられている。図６９に示すよう に、通常、一対のベルト９１８が電動式巻き上げ装置９０６から垂直移動ユニッ ト９ ０８を通って上向きに、かつ、垂直に伸張し、更にマットレス９１５上に水平に 延在している。次いで、ベルト９１８はここに記載の方法によりクランプ９１４ に取り付けられている。これの代わりに、ベルト９１８はベッド９０２及びカー ト９０４の下の電動式巻き上げ装置９０６から垂直移動ユニット９１２を通って 水平に進めるようにしても良い。 通常、垂直移動ユニット９１２から上向きに、かつ、垂直に伸びたベルト９１ ８は、垂直移動ユニット９１０を通り、次いでマットレス９１７に達する。マッ トレス９１７上のベルト９１８は、本発明に係るクランプなどのクランプに取り 付けるようにしても良い。電動式巻き上げ装置９０６は、ハウジング９２０から 伸びるリングでベッド９０２に取り付けるのが理想的である。これらのリング９ ２２は、ベッド９０２を搭載したキャスター９２４の上部を包囲しているのが理 想的である。 使用に際しては、ベッド９０２及びカート９０４を一列に並べ、好ましくは両 者を固定する。患者をベッド９０２からカート９０４へ移動させる場合、患者を 載せた移送シートにクランプ９１４を取り付ける。クランプ９１４を取り付ける ベルトはベッド９０２及びカート９０４の下を通して、上に向け、垂直移動ユニ ット９１０及び９１２によって水平にはわせる。電動式巻き上げ装置９０６を作 動させると直ぐに、ベルト９１８が引き込められ、搬送力が作用して患者がベッ ド９０２からカート９０４上に矢印９２６の方向へ搬送される。患者がカート９ ０４上に搬送されると直ぐに、電動式巻き上げ装置９０６が解放される。この代 わりに、検出装置を垂直移動ユニット９１０に取り付けても良い。この検出装置 は、その動作が機械式、電子式、磁気式、光学式若しくはこれらの組み合わせの いずれでも良く、また、患者、バックル、バックル近傍のベルト部或いは垂直移 動ユニット９１０から所定距離内のクランプの存在を検出するものであっても良 い。 患者をカート９０４からベッド９０２へ移動させる場合、ベルト９１８を垂直 移動ユニット９０８を通してマットレス９１５上に回してクランプ９１４に取り 付ける。次いで、患者を載せた移送シートにクランプ９１４をしっかりと取り付 ける。次に、電動式巻き上げ装置９０６を作動させれ、ベルト９１８を矢印９３ ０の方向に引き込み、クランプ９１４に搬送力を生じさせる。この搬送力は、患 者が載せられた移送シートに作用して患者をカート９０４からベッド９０２に移 動させ、更に或いは付加的にクランプ９１４内に固定された移送シートを把持す る。また、前述のように患者近接検出装置を垂直移動ユニット９０８に含めるよ うにしても良い。垂直移動ユニット９０８、９１０、９１２に、患者移送に先だ ってベルト９１８を据え付けるプーリー装置若しくはローラー装置の一方を包含 させても良い。 クランプ９１４は本明細書に記載のクランプのいずれでも良い 。ここで、電動式巻き上げ装置９０６の代表的実施例について詳細に説明する。 図７２〜７４に患者移送システム９４０を示す。この患者移送システム９４０ は、概略、ベッド９４２、携帯式移送ユニット９４４及びクランプ９４６を含む 。ベッド９４２は、マットレス９４８及びサイドレール９５０を包含している。 このサイドレール９５０は、多数の水平棒９５１を備えていても良い。携帯式移 送ユニット９４４は、ハウジング９５２、一以上のベルト９５４、同数の取り付 け手段若しくはバックル９５６及び電動式巻き取り装置を含む。更に、携帯式移 送ユニット９４４には取り付けブラケット９５８が含まれるが、これについては 後述する。最後に、携帯式移送ユニット９４４のハンドル９６０は、携帯式移送 ユニット９４４を意のままに容易に把持して搬送できるようにしている。ハウジ ング９５２は、軽量の弾性プラスチック若しくは他の適当な軽量材料であるのが 好ましい。携帯式移送ユニット９４４は、重量が軽いという利点があり、従って 、損傷を受けることなく実質的にどんなサイズでも又いかなる力の付き人でも容 易に携帯できる。携帯式移送ユニットは、１５〜２５ポンドの間であるのがより 好ましい。 図７３〜７４は、携帯式移送ユニット９４４の操作を制御する多くのコントロ ールユニットうち二つの実行可能な実施例（９６６、９６８）を示す。コントロ ールユニット９６６，９６８のコントロール９７０は、携帯式移送ユニット９４ ４を操作するのに寄与する。コントロールユニット９６６は、電磁放射、特に、 無線によって又は他の手段によって携帯式移送ユニット９４４と通信しても良い 。 コントロール９７０は、オンーオフ同時転送電力制御９７４及び左右移動アクチ ュエータコントロール９７６，９７７を含む。コントロールユニット９６８はコ ード又は他の適当な接続手段によって携帯式移送ユニット９４４と通信する。コ ードは機械的に又は電気的にコントロールユニット９６８に取り付けられ、携帯 式移送ユニット９４４内のスプール又は他の保持手段に巻いてある。このスプー ルは、操作者がコントロールユニット９６８を解放した際、コードが巻き取られ るように付勢されている。コントロールユニット９６，９６８は、不使用時に携 帯式移送ユニット９４４にある凹所に収容するのが好ましい。本発明に係る患者 移送システムのコントロールユニットの代替手段は、音声作動式である。音声作 動式であれば、患者自身で移動を行うことができ、また、移動中に移動を停止さ せる必要が生じた場合に、停止させることができる。 図６６は本発明に係る携帯式移送ユニットの他の実施例を示す。この実施例で は、シャフト９７８がハウジング９５２から外側に伸張している。露出したシャ フト９７８は、ベルト９８２を巻き取る手段となるスプール９８０の取り付けを 容易にしている。シャフト９７８が露出しているので、各スプール９８０は容易 に、かつ、迅速にシャフト９７８から取り外すことができ、シャフト９７８、ス プール９８０及びベルト９８２の消毒及び清浄共に容易となる。 図９３に示す携帯式移送ユニット９４４'の実施例では、収容用空洞部９６２ がハウジング９５２'の側部に形成されている。空洞部９６２内には駆動シャフ トがあり、これにスプール９８０'を逆に取り付けるようにしても良い。ベルト ９８８'は、クランプと係合するのにバックルを使用しても良いように、スロッ ト９６３を通してある。最後に、種々の理由により空洞部９６２をキャップ９６ ４を使用しても良い。 図７２〜図６７においては、携帯式移送ユニット９４４は後述する手段により サイドレール９５０に取り付けられている。ベッド９４２は、移送シート上の患 者を載せたベッド又はカートの側に配置される。移送シートは患者の近くでクラ ンプ９４６で固定され、ベルト９５４が携帯式移送ユニット９４４から延ばされ 、クランプ９４６に取り付けられる。コントロールユニット９６６又は９６８が 携 帯式移送ユニット９４４から取り外され、オンーオフコントロール９７４などの 手段により電動式巻き取り装置を作動させるのに使用される。電動式巻き取り機 構の作動により、携帯式移送ユニット９４４は、ベルト９５４を巻き取り始め、 これによりクランプ、移送シートそして患者を動かす。電動式巻き取り機構は、 付き人がコントロールユニット９６６、９６８を操作した時、又は前記検出装置 が作動したとき、動作を停止する。 移送中、患者の身長方向の軸が移送を行うべきベッド又はカートの長軸とほぼ 平行であるのが望ましい。そうでない場合、患者は完全に移送されず、付き人が 更に手動で調整することが必要となり、本装置の利点を幾つか損なわれることに なる。従って、左又は右側移送アクチュエータコントロール９７６，９７７を使 用しても良い。例えば、左側コントロール９７６を作動させると、患者の頭に向 けて取り付けたベルト９８２の巻き取りは持続し、他方のベルト９８２は巻き取 りを停止させられるか、巻き取りが著しく遅くなる。同様に、右側コントロール ９７７を作動させると、患者の脚に近接して取り付けられたベルト９８２の巻き 取りは持続し、他方のベルト９８２は巻き取りが停止するか、或いは巻き取りが 減速される。 患者の移送が完了すると、大部分の患者移送システム９４０を移送シートから 解放して、ベッド９４２から取り外しても良い。ベルト９５４は、取り付けたク ランプ９４６が携帯式移送ユニット９４４の直前の位置まで引き込めても良い。 次いで、コントロールユニット９６８（９６６）が携帯式移送ユニット９４４の 適所にしまい込まれる。付き人はハンドル９６０を握って携帯式移送ユニット９ ４４を運び、クランプ９４６を他の場所（図９５）に取り付けるか、ユニットを 次の使用に備えたカート又はベッドに持っていく。 本発明に係る他の携帯式移送ユニット（ユニット９８４）を図７６に示す。本 実施例では、ベルト９８８はスプール９８６に巻き付けてあり、このスプール９ ８６は、ブラケット９９０に着脱自在に取り付けられている。また、ブラケット ９９０は、ハウジング９５２の背部に取り付けられている。ブラケット９９０は 上部部材９９２と下部部材９９４を含む。この実施例に、他の実施例と同様、自 動検出及びモーター遮断システムを包含させても良い。検出機構は患者、クラン プ又は取り付けたベルトの端部の何れかの存在を検出する。これらの現象の一つ 又はそれ以上を検出すると、携帯式移送ユニット９８４はベルト９８８の巻き取 りを停止し、これにより患者の移送を停止するか減速する。 帯式移送ユニットは、本発明の他の装置と同様、自動記録及び／又は表示機構 ９８８を含んでいるのが好ましい。機構９８８は各患者移送事象を記録する。記 録は紙又は他の手段への印字を介して行われるが、電気的に適切な情報の記憶又 は転送を包含しても良い。記憶された情報は、コンピュータ又は他の所望の装置 に転送しても良い。転送の場合に関しては、適切な情報は、時刻、患者番号及び 氏名、付き人の氏名及び番号及び転送時間の長さを含んでいても良い。電動式巻 き取り装置で受けたトルク及びモータ性能、速度、加速度、位置合わせ、或いは 患者を移送する際の患者若しくはクランプの他のパラメータなど他の項目を記録 しても良い。 図７７及び図７８において、患者移送システム１０００は、概略、ベッド１０ ０２及び携帯式移送ユニット１００４を含んでいる。ベッド１００２はマットレ ス１００６とサイドレール１００８を含み、携帯式移送ユニット１００４はハウ ジング１０１０と、コントロールユニット１０１２と、ベルト１０１４と、クラ ンプ１０１６などの係合機構を含む。ベルト１０１４及びクランプ１０１６は本 明細書で述べたどの実施例のものでも良い。携帯式移送ユニット１００４は、モ ータを囲むハウジングと、サイドレール１００８に容易かつ逆に取り付け得る巻 き取り装置とを結合している。取り付けブラケット１０１８は携帯式移送ユニッ ト１００４のハウジング１０１０と一体でも良く、また、サイドレール１００８ に容易かつ強固に取り付けられる。取り付けブラケット１０１８一実施例の側面 を図７８に示す。図７７の実施例と一体に示してあるが、図７８に示す概念は、 本発明の携帯式移送ユニットのいずれにも適用可能である。取り付けブラケット １０１８は、横アーム１０１８、携帯式移送ユニットハウジング１０１０の係合 側壁１０２０、水平延長部１０２２及び略垂直な部材１０２４を備えている。 使用時には、ポータブルトランスファーユニット１００４は、水平延長部１０ ２２の下面がサイドレール１００８に乗るように、サイドレール１００８上に配 置される。また、ピン１０２６が開口１０２７に挿入され、部材１０２４を貫通 すると共に、溝ないしは受容オリフィス１０２７内へ挿入され、この受容オリフ ィス１０２７内に確実に固定されている。 従って、移送中、マウンティングブラケット１０１８は、サイドレール１００ ８上のポータブルトランスファーユニット１００４に確実に保持される。また、 ポータブルトランスファーユニット１００４は、ピン１０２６を除去することに より、サイドレール１００８から容易に取り外すことができる。 図９４は、他の実施例に係るポータブルトランスファーユニット１００４’の 背面図であり、この図９４には、他のマウンティングブラケット１０１８’が示 されている。マウンティングブラケット１０１８’は、ハウジング１０１０’か ら一体に突出する水平延長部１０２２’を備えている。固定された上側鉛直部材 １０３０が水平延長部１０２２’からほぼ鉛直に延びており、下側鉛直部材１０ ３２が旋回可能に取り付けられている。カムレバー１０３４により駆動されるロ ック機構が設けられている。ポータブルトランスファーユニット１００４’をサ イドレール１００８’を備えるベットに取り付けるために、ポータブルトランス ファーユニット１００４’が傾けられ、これにより、上側サイドレールが上側鉛 直部材１０３０とハウジング１０１０との間に位置するように、上側鉛直部材１ ０３０を配置可能となる。下側鉛直部材１０３２’が開放位置に延びれば、ポー タブルトランスファーユニット１００４’を所定位置に配置すると共に、サイド レール１００８をハウジング１０１０’近傍に配置することが可能となる。下側 鉛直部材１０３２は、上側鉛直部材１０３０の閉鎖位置とほぼ同軸である閉鎖位 置へ旋回される。最後に、カムレバー１０３４が、ロック位置に向けて、矢印１ ０３６で示す方向に旋回される。 図７９及び図８０には、本発明の自己内蔵型のポータブルトランスファーユニ ット１０４０の他の実施例が示されている。ポータブルトランスファーユニット １０４０は、ハンドル制御ユニット１０４２、クランプ１０４６、ベルト１０４ ８、ホック１０５０及びロック装置１０５２を備えている。ポータブルトランス ファ ーユニット１０４０は、ベルト１０４８とクランプ１０４６の両方を内蔵すると 共に、モータウィンチアセンブリを収容した自己内蔵型である。ポータブルトラ ンスファーユニット１０４０のモータウィンチアセンブリは、全体がハウジング ４４内に収容されていることが好ましい。ベルト１０４８は、ベット又はカート の枠構造上のホックへ延びるか、ほぼ完全にハウジング１０４４内の位置へ引き 込まれる。ロック装置１０５２は、本発明のクランプに関して説明した前記の実 施例のものであってもよい。ハンドル制御ユニット１０４２は、移送中、取り外 し可能である。ハンドル制御ユニット４２は、典型的には、ハウジング１０５８ に配置された調整用つまみ１０５６を備えている。また、ハンドル制御ユニット １０４２は、図７３に図示された前記の調整用つまみを備えていてもよい。ベル ト１０５４は、物理的及び電気的に、ポータブルトランスファーユニット１０４ ０の残余の部分に接続している。理想的には、ベルト１０５４は、ハウジング１ ０４４内の滑車に取り付けられる。この種の滑車型の機構は、使用者が引っ張る までベルト１０５４が引き込まれないようにするのに適している。クランプ１０ ４６は、下側に開放して移送シートが挿入可能となるが理想的である。 使用時には、ポータブルトランスファーユニット１０４０はベットに配置され 、ベットには移送される患者がシート上に配置される。図７９から図８４に示す ように、ロック装置１０５２が非ロック状態となり、クランプ１０４６の顎部が 分離される。移送シートの一部がクランプ１０４６の顎部の間に配置され、次に 、顎部が閉鎖され、ロック装置１０５２がロックされる。ポータブルトランスフ ァーユニット１０４０からベルト１４８が延ばされ、患者を移送するベットない しはカートを横断し、ホック１０５０がベットの枠に引掛けられる。看護人がハ ンドル制御ユニット１０４２を取り外し、その後、モータウィンチアセンブリに よる移送が開始される。患者が所望のベットないしはカートに移送されると、看 護人はモータウィンチアセンブリをオフする。次に、移送シートが、クランプ１ ０４６から開放される。また、フック１０５０はベットから外されて、ハウジン グ１０４４内の引き込まれる。最後に、ハンドル制御ユニット１０４２がポータ ブルトランスファーユニット１０４０に再接続される。看護人は、ハンドル制御 ユ ニット１０４２を把持及び保持することにより、ポータブルトランスファーユニ ット１００４を運び出すことができる。 図８１及び図８２には、本発明のクランプを固定するための種々の実施例が示 されている。図８１に示すように、クランプ１０７０は、クリップ１０７２の操 作により、閉鎖位置に固定される。クランプ１０７０は、下側旋回部材１０７４ と上側旋回部材１０７６を備えている。クリップ１０７２は、自由端１０７８と 旋回部１０８０を備えている。操作位置では、自由端１０７８が旋回してクラン プ１０７０の本体から離れると共に、下側旋回部材１０７４が旋回して上側クラ ンプ部材１０７６から離れる。移送シート（図示せず。）が下側旋回部材１０７ ４と上側旋回部材１０７６の間に配置され、次に、下側旋回部材１０７４と上側 旋回部材１０７６が互いに押圧される。次に、自由端１０７８がクランプ１０７ ０の本体に向けて旋回し、最後に、クランプ１０７０の周囲に係止される。その 結果、ロック機構が駆動され、下側旋回部材１０７４と上側クランプ部材１０７ ６とは、移送シートを挟んだ状態で確実に一体にロックされる。 クランプアセンブリ１０８８はクランプ１０９０とロックアセンブリ１０９２ を備えている。クランプ１０９０は、さらに、上側旋回クランプ部材１０９４と 下側クランプ部材１０９６とを備えている。ロックアセンブリ１０９２は、クラ ンプアセンブリ１０８８のロック機構を駆動するハンドル１０９８を備えている 。ハンドル１０９８は、長尺部材を介してロックアセンブリ１０９２の他の部分 に取り付けられている。ハンドル１０９８及び長尺部材は、溝１１００内を摺動 可能である。クランプアセンブリ１０８８が開放位置にあるとき、上側旋回クラ ンプ部材１０９４が旋回して下側クランプ部材１０９６から離れると共に、ハン ドル１０９８はクランプ１０９０の後端縁１１０２に向けて配置される。使用時 には、移送シートは上側旋回クランプ部材１０９４と下側クランプ部材１０９６ の間に配置される。次に、上側旋回クランプ部材１０９４と下側クランプ部材１ ０９６が互いに押圧され、これらの間に移送シートが強固に固定される。次に、 ハンドル１０９８が看護人により把持されて後端縁１１０２から押し離される。 その結果、ハンドル１０９８はロックアセンブリ１０９２を駆動し、上側旋回ク ラ ンプ部材１０９４と下側クランプ部材１０９６を確実に閉鎖位置に固定する。 図８３は、自己内蔵型のポータブルトランスファーユニット１１１０の側面図 である。ポータブルトランスファーユニット１１１０は、本説明で説明される、 いかなる自己内蔵型のポータブルトランスファーユニットをも含み得る。上側ク ランプ部材１１１２と下側旋回クラプ部材１１１４が設けられている。開放位置 と閉鎖位置の間を旋回すると、下側旋回クランプ部材１１１４は、矢印１１１６ で示すように、双方向に移動することができる。 図８４は、自己内蔵型のポータブルトランスファーユニット１１２０を示して いる。自己内蔵型のポータブルトランスファーユニットの実施例に関してここで 説明した他の特徴に加え、ポータブルトランスファーユニット１１２０は、上側 旋回クランプ部材１１２２、下側クランプ部材１１２４及びハウジング１１２６ を備えている。ハウジング１１２６内にはガス抜き１１２８がある。矢印１１３ ０で示すように、上側旋回クランプ部材１２２は、閉鎖位置にあるときは、開放 位置に向けて上向きに旋回するか下側クランプ部材１１２４に向かって下向きに 旋回する。ハウジング１１２６にあるガス抜き１１２８は、空気交換を容易にし て、ポータブルトランスファーユニット１１２０内のモータウィンチアセンブリ の冷却を増進する。 図８５及び図８６は、本発明のモータウィンチアセンブリ１１５０の一つの実 施例を示している。モータウィンチアセンブリ１１５０は、枠体１１５２、モー タブラケット１１５４、制御盤１１５６、フック１１５８、右側クラッチブラケ ット１１６０及び左側クラッチブラケット１１６２を備えている。モータ１１６ ４は、モータブラケット１１５４の上部に作動可能に取り付けられている。モー タ１１６４から延びるシャフト（図示せず。）には、歯車１１６６（本実施例で は４２個の歯部を備える歯車）が取り付けられている。また、歯車１１６６は、 シャフト１１６９に取り付けられた歯車１１６８に作動可能に係合している。ま た、シャフト１１６９には、右側クラッチ１１７０及び左側クラッチ１１７２が 取り付けられている。右側クラッチ１１７０は、右側クラッチブラケット１１６ ０内に配置されている。左側クラッチ１１７２は左側クラッチブラケット１１６ ２内 に配置されている。スプリング１１７４が右側クラッチ１１７０の周囲と左側ク ラッチ１１７２の周囲に配置されている。また、スプリング１１７４にスプリン グカバー１１７６により閉鎖されている。スプリングカバー１１７６は、スプリ ングハブ１１７８に取り付けられている。スプリングハブ１１７８は、右側クラ ッチブラケット１１６０及び左側クラッチブラケット１１６２に取り付けられて いる。最後に、シャフト１１６９の外側部に、スプール１１８２を取り外し可能 に配置していもよい。モータウィンチアセンブリ１１５０は、ここで説明したポ ータブルトランスファーユニットを駆動するために必要な動力を提供する。 最も効率的に患者を移送するには、一つのプラットホームから他のプラットホ ームへ患者を円滑に移送することが要求される。このような効率化を達成するた めの一つの手段として、図８７から図９０に示すトランスファーブリッジ１２０ ０の使用がある。図８７に示す変形したトランスファーブリッジ１２００’は、 トランスファーブリッジ１２００と異なる。トランスファーブリッジ１２００は 、一又はそれ以上の部分１２０２を備えている。各部分１２０２の下側には、揺 れ止め１２０４がある。多数の部分１２０２があるときには、これらの部分１２ ０２はヒンジ１２０６（後述する。）により接続され、揺れ止め１２０４は各部 分１２０２に対してほぼ垂直に延びている。トランスファーブリッジ１２００は 、患者が横たわっているベッドないしはカートと、患者が移送される他のベット ないしはカートの間に配置される。揺れ止め１２０４は、プラットホームの間に 配置され、その結果、トランスファーブリッジ１２００の所々を確実に保持し、 移送中に患者と接触することによってトランスファーブリッジ１２００の位置が 変わるのを防止する。使用後は、トランスファーブリッジ１２００は、収納又は 他の場所へ輸送するために、ヒンジ１２０６に沿って折り畳まれる。 図８９には、ヒンジ１２０６の構造の一つの実施例が示されている。ヒンジ２ ０６は、例えば、トランスファーブリッジ１２００又はトランスファーブリッジ １２００’の一部に沿って材料を狭く直線状に除去することにより製作したヒン ジのような「リビングヒンジ（living hinge）」とすることが好ましい。 トランスファーブリッジ１２００’は、複数の部分１２０２’と、各部分１２ ０２’の下側に垂直に取り付けられた揺れ止め１２０４’とを備えている。トラ ンスファーブリッジ１２００の場合と同様に、トランスファーブリッジ１２００ ’にはヒンジ１２０６があり、部分１２０２に分かれている。トランスファーブ リッジ１２００’の揺れ止め１２０４と対向する部分には、先端縁１２１０があ る。図示していないが、トランスファーブリッジ１２００及び１２００’は、一 又はそれ以上の搬送ハンドルを備えていてもよい。この搬送ハンドルは、着脱可 能なものであっても、一体であってもよく、また、部分１２０２、１２０２’の 一部を切り取ったものであってもよい。患者の移送のためのトランスファーブリ ッジ１２００’の取り扱い方法は、先端縁１２１０が移送される患者に向けられ る点を除いて、上記トランスファーブリッジ１２００の取り扱い方法と同一であ る。 トランスファーブリッジ１２００、１２００’は、厚さ約１．５ミリメートル の滑らかなポリエチレンシート材により構成することが好ましい。また、ヒンジ １２０６は、トランスファーブリッジ１２００、１２００’の下側に設けた薄い ポリエチレンシートにより補強してもよい。揺れ止め１２０４’は縁１２１４か ら約７．５センチメートルに中心がある。トランスファーブリッジ１２００’の 一つの実施例としては、ヒンジ１２０６での幅が約３１センチメートルであり、 その両端が約２５センチメートルまで先細りとなることが好ましい。トランスフ ァーブリッジ１２００’の側部の反り径は、約１０５センチメートルである。ト ランスファーブリッジ１２００’の先端縁１２１０の反り径は、約２２５センチ メートルである。この反りにより、先端縁１２１０は患者が配置されたマットレ スに安定して接触することが保証され、その結果、患者の移送中にトランスファ ーブリッジ１２００’の位置が変化しない。先端縁１２１０の反りは、直ちに全 体が接触するのではなく、患者の移送中に徐々に接触量を増加させる。このよう に徐々に接触量が増加することにより、患者がトランスファーブリッジ１２００ ’に完全に隣接し、トランスファーブリッジ１２００’の位置を変えるのではな く、患者がトランスファーブリッジ１２００’の頂上に引っ張られる。先端縁１ ２１０が少なくとも患者の一部の下側に配置されたとき、トランスファーブリッ ジ１ ２００’は最も好適な位置となる。 平均的な男性の場合、患者の体重の９０％が臀部と肩部の間にある。よって、 トランスファーブリッジ１２００、１２００’の全長は、最低限この部分を支持 するように設定する必要がある。従って、トランスファーブリッジ１２００、１ ２００’の好適な長さは、６５センチメートル、１２０センチメートル及び１７ ３センチメートルであり、最も好ましい長さは１２０センチメートルである。 図９１及び図９２には、本発明に使用する係合手段ないしはクランプ１２３０ の他の実施例が示されている。クランプ１２３０は、Ｕ溝部材１２３２と旋回ア センブリ１２３４を備えている。一方、旋回アセンブリ１２３４は、旋回部材１ ２３６と旋回ロッド１２３８を備えている。旋回部材１２３６の両端の側方には 、ポイントオリフィス１２４０，１２４１が設けられている。ベルト係合要素１ ２４２が旋回部材１２３６に好適かつ対称に取り付けられている。各ベルト係合 要素１２４２は舌状部１２４４と平坦部材１２４６を備えている。各舌状部１２ ４４には、係合溝１２４５が設けられている。舌状部１２４４と平坦部材１２４ ６は、段状結合具により接続されている。一対の旋回ロッドブラケット１２４８ がリベットないしはベルト手段により、旋回部材１２３６に取り付けられている 。各旋回ロッドブラケット１２４８によりオリフィス１２４９が形成され、この オリフィス１２４９は旋回ポイントオリフィス１２４０が挿入配置される開口を 形成する。少なくとも一つの円筒部材１２５０が各旋回ロッドブラケット１２４ ８に取り付けられている。Ｕ溝部材１２３２は、複数の溝１２５２と複数のブラ ケット１２５４を備えている。Ｕ溝部材１２３２は、後述する先端縁１２５６と 内側面１２５８を備えている。ブラケット１２５４には、複数のカムレバー１２ ６０及びスプリング１２６２が設けられている。 作動時には、移送シート１２６３が円筒部材１２５０の周囲に巻き付けられる 。円筒部材１２５０及び移送シート１２６３の巻き付けられた部分は、ブラケッ ト１２４８がタブ１２４１上に載置されるまで矢印１２６４方向に旋回する。Ｕ 溝部材１２３２の溝１２５２は係合要素１２４２と直列に配置される。次に、Ｕ 溝部材１２３２及びアセンブリ１２３４が互いに押圧され、それによりベルト係 合 要素１２４２が溝１２５２を通過し、溝１２５２から前方に突出する。Ｕ溝部材 １２３２及び旋回部材１２３４は複数のスプリングに付勢されて互いに離れる。 また、クランプ１２３０の他の実施例では、円筒部材１２５０を開放位置に付勢 するためにスプリングが使用される。次に、カムレバー１２６０が旋回部材１２ ４６の周囲で旋回され、その結果、Ｕ溝部材１２３２及び円筒部材１２５０が内 側面１２５８に対して確実に付勢される。最後に、ベルトのバックルがベルト係 合要素１２４２に係合される。Ｕ溝部材１２３２の先端縁１２５６は円弧形状で あることが好ましく、それにより、患者の移送中に、トランスファーブリッジに 隣接してトランスファーブリッジを移動させるのではなく、クランプ１２３０が トランスファーブリッジに確実に引っ張られる。 本発明の範囲及び精神から離れることなく、当業者において、本発明の種々の 変形及び変更が自明である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ０８／７１３，４１２ (32)優先日 1996年９月13日 (33)優先権主張国 米国（ＵＳ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ， ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｇ Ｅ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ， ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．一人の付き添い人により患者を第１プラットフォームから第２プラットフォ ームに移送する移送システムにおいて、 患者を移送する患者移送手段と、 移送中に患者を支持する手段と、 移送シートと、 患者移送手段に操作可能に接続された保持部材アセンブリと、 該保持部材アセンブリの近傍に操作可能に配置された接触要素アセンブリとか らなり、 前記接触要素アセンブリは、前記保持部材アセンブリと協働して、前記移送シ ートに配置された患者の近傍の該移送シートを解放可能に把持し、 これにより前記患者移送手段によって移送力が作用し、該移送力に応答して前 記保持部材アセンブリと前記接触要素アセンブリが前記移送シートをさらに把持 し、患者を第１プラットフォームから第１プラットフォームに有効に移送するよ うにした患者移送システム。 ２．前記接触要素アセンブリはさらに第１接触要素を有し、該第１接触要素は少 なくとも部分的に前記保持部材アセンブリの中に配置可能である請求項１に記載 の移送システム。 ３．前記接触要素はアセンブリはさらに前記第１接触要素と協働する第２接触要 素を有し、これにより前記移送システムは、約２０秒から約２８秒の間の患者移 送時間内で患者を移送するようにした請求項１に記載の移送システム。 ４．前記保持部材アセンブリは断面がほぼＵ字型の細長部材を有し、 前記接触要素アセンブリは、屈曲部で一体に接続されるとともに剛性部材に回 動可能に取り付けられた２つの平坦部を有し、 前記接触要素の縁が前記保持部材の内面に向かって付勢されている請求項１に 記載の移送システム。 ５．前記患者移送手段は、ハウジング、モータ、ウィンチ、少なくとも１つのベ ルト及びハンドルを有し、 前記ハウジングは前記細長部材の回りに配置され、 前記モータ及びウィンチは前記ハウジングの中に配置され、 前記ウィンチは前記モータと機械的に連結され、 前記ベルトは前記ウィンチに取り付けられ、 前記ハンドルは前記ベルトに取り付けられている請求項４に記載の移送システ ム。 ６．前記患者移送手段はさらに、前記ハウジングに配置されるとともに前記モー タと操作可能に連結された制御ユニットを有する請求項５に記載の移送システム 。 ７．前記少なくとも１つの接触要素はさらに細長円筒要素を有する請求項４に記 載の移送システム。 ８．前記患者移送支持手段は移送ブリッジを有する請求項１に記載の移送システ ム。 ９．前記患者移送支持手段は移送ブリッジを有し、該移送サポートブリッジはク ロスセクショナルキャンバーとリーディングエッジキャンバーを有している請求 項１に記載の移送システム。 １０．前記移送支持ブリッジはさらにヒンジを有する請求項１０に記載の移送シ ステム。 １１．前記移送支持ブリッジはさらにスタビライザーを有する請求項９に記載の 移送システム。 １２．前記保持部材アセンブリは、横方内部キャビティを備えたほぼ剛体の第１ 部材と、前記キャビティ内に配置可能な延長部を備えたほぼ剛体の第２部材と、 前記第２部材に取り付けられるとともに前記第１部材にスライド可能に係合する 複数の第３部材とを有し、 前記接触要素アセンブリは、前記第２部材に回動可能に取り付けられるととも に前記キャビティ内に配置可能であるほぼ円筒形要素を有する請求項１に記載の 移送システム。 １３．前記移送手段は第１端部と第２端部を備えた複数のベルトを有し、 前記複数の第３部材の各々は前記複数のベルトの一つに取り付けられ、 いくつかのベルトを取り付けると第１、第２、第３及び円筒形要素が協働的に 閉鎖位置に置かれる請求項１２に記載の移送システム。 １４．前記複数のベルトの各々はさらに、前記ベルトを前記第３部材のいずれか １つに解放可能に取り付けるために、前記ベルトの第１端部の近傍に取り付けら れたアタッチメント機構を有する請求項１３に記載の移送システム。 １５．一人の付き添い人により患者を第１プラットフォームから第２プラットフ ォームに移送する移送システムにおいて、 ベッド又はカートに取り付け可能なポータブル移送ユニットであって、ハウジ ング、移送ユニットをベッド又はカートに可逆的に取り付けるためにハウジング に取り付けられた複数のブラケット、前記ハウジング内に配置されたモータ、前 記ハウジングの外側に部分的に配置されるとともに前記モータと機械的に連結さ れた回転運動伝達システム、及び複数のベルトを巻き付ける手段を有し、前記モ ータによって回転運動が発生され、前記回転運動伝達システムに伝達され、さら に前記ベルト巻き付け手段に伝達されるポータブル移送ユニットと、 患者を移送する患者移送手段と、 該患者移送手段に操作可能に接続された保持部材アセンブリと、 該保持部材アセンブリの近傍に操作可能に配置された接触要素アセンブリとか らなり、 前記接触要素アセンブリは、前記保持部材アセンブリと協働して、患者が通常 配置される移送シートを解放可能に把持し、これにより前記モータによって移送 力が作用すると、患者が第１プラットフォームから第１プラットフォームに移送 されるようにした患者移送システム。 １６．前記ベルト巻き付け手段は複数の解放可能な第１スプールからなり、各第 １スプールは前記ハウジングの外側で回転運動伝達システムに取り外し可能に装 着されるとともに、前記複数のベルトの一つにその第２端部において取り付けら れている請求項１５に記載の移送システム。 １７．前記ポータブル移送ユニットはさらに前記モータと制御可能に連結された 制御ユニットを有し、該制御ユニットは約３０ポンド以下の重量である請求項１ ５に記載の移送システム。 １８．前記回転運動を遮断する第１手段と、患者の位置を検出する手段とをさら に有し、 これらの第２遮断手段と患者検出手段は、該患者検出手段が前記ポータブル移 送ユニットからの所定の距離内に患者を検出した時に、当該第２遮断手段が前記 回転運動を遮断するようにした請求項１５に記載の移送システム。 １９．移送の出来事を選択的かつ自動的に記録する手段をさらに有し、該記録手 段は前記ポータブル移送ユニットの近傍に操作可能に配置されている請求項１５ に記載の移送システム。 ２０．前記移送機構の中で非同期動作を検出する手段と、前記モータを非活性化 する第２手段とをさらに有し、 これらの非同期動作検出手段と第２モータ非活性化手段は前記ハウジングの近 傍に操作可能に配置され、 これにより非同期動作検出手段が非同期動作を検出すると、第２非活性化手段 がモータを非活性化するようにした請求項１５に記載の移送システム。 ２１．移送シートに配置された患者を第１面から第２面に移送する移送方法にお いて、 クランプを有する移送システムを準備し、 患者の近傍で移送シートをクランプに取り付け、該クランプで移送シートを把 持し、 移送システムを駆動して移送力をクランプに作用させ、これによりクランプで さらに移送シートを把持し、患者を第１面から第２面に移送する移送方法。 ２２．患者が移送システムに対して所定の位置を占めたときに、患者の移送を終 了させるステップをさらに有する請求項２１に記載の移送方法。 ２３．患者が移送システムに対して所定の位置を占めたときに、患者の移送を自 動的に終了させるステップをさらに有する請求項２１に記載の移送方法。 ２４．第１面を第２面と一致させるステップをさらに有し、該ステップは前記移 送シートをクランプに取り付けるステップの前で生じる請求項２１に記載の移送 方法。 ２５．第１面を第２面に一致させた後、第１面を第２面に結合させるステップを さらに有する請求項２４に記載の移送方法。 ２６．移送シートに配置された患者を第１面から第２面に移送する移送方法であ って、各面は支持構造と患者保持構造に操作可能に取り付けられている患者移送 方法において、 移送システムを準備するステップであって、該移送システムは少なくとも１つ のベルトによってポータブル移送ユニットに取り付けられたクランプを有し、少 なくとも１つのベルトの各々はさらにスプールに取り付けられ、該スプールはポ ータブル移送ユニットに広範囲に取り付けられている、ステップと、 ポータブル移送ユニットを構造に取り付けるステップであって、該構造は第１ 面又は第２面に取り付けられた支持構造を有し、前記患者保持構造は第１面又は 第２面に取り付けられている、ステップと、 クランプの中に移送シートの一部を配置し、該移送シートの一部は患者の近傍 に位置するステップと、 クランプの中で移送シートを解放可能にロックし、これによりクランプは把持 力を移送シートに作用させるステップと、 ポータブル移送ユニットを駆動し、これにより少なくとも１つのベルトを１つ のスプールに巻き付け、移送力をクランプに作用させ、これによりクランプはさ らなる把持力をそこに配置された移送シートに作用させ、これにより移送シート と患者を第１面から第２面に移送するステップとからなる、患者移送方法。