JPH11512304A - 使い捨て型酸素供給器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 使い捨て型酸素供給器（２）は、本体（４、４０）と、これに接続した収縮可能な袋（１６）とからなり、本体は、酸素源と接続可能な第１接続手段（６）と、気管チューブ、喉頭マスク等と接続可能な第２接続手段（１０）と、袋（１６）が接続される接続部（１４）と、第１接続手段と流体的に連通する酸素供給孔（７）であって、使用中、酸素源から酸素を送り込んで袋を酸素で膨らます流入口（２２）を備えたものと、開口（２０、４４）とからなり、使用中、吸気サイクルでは、袋からの酸素は、第２接続手段（１０）を通過し、呼気サイクルでは、呼気物質は、本体（２、４０）を通過して開口（２０、４４）から放出されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】 使い捨て型酸素供給器 この発明は、使い捨て型酸素供給器に関する。 患者の術後処置では、たとえば５ないし１５分間患者に酸素又は酸素が豊富な 空気を供給して、麻酔の影響を埋め合わせるために患者の回復を手助けすること が、通常望まれる。通常の酸素は、回復室では、毎分約４ないし６リットルで酸 素を送り込める供給器から手に入る。残念ながら、この量は、代表的な大人の患 者の吸気量よりも少ない。比較的容量が低い供給器からの酸素を溜めて、吸気中 、比較的高い量で患者に酸素又は酸素が豊富な空気を送り込むことができる、酸 素貯蔵装置を提供することが、種々試みられている。 本発明の目的は、患者に、比較的高い流量で酸素又は酸素が豊富な空気を送り 込むことができる、使い捨て型酸素供給器を提供することにある。 本発明によれば、本体と、これに接続した収縮可能な袋とからなり、本体は、 第１、第２及び第３の開口を備え、第１開口は、酸素源と接続可能であり、第２ 開口は、気管チューブ、喉頭マスク等と接続可能であり、第３開口は、袋の内部 と流体的に連通する、使い捨て型酸素供給器が提供される。この酸素供給器は、 使用中、酸素は、第１開口を通じて本体に入って袋を満たすことにより、袋に溜 まった酸素を、患者の吸気サイクル中、第２開口を通じて気管チューブ又は喉頭 マスクに急速に送り込むことができるようになっている。 また、本発明は、本体と、これに接続した収縮可能な袋とからなり、本体は、 酸素源と接続可能な第１接続手段と、気管チューブ、喉頭マスク等と接続可能な 第２接続手段と、袋が接続される接続部と、第１接続手段と流体的に連通する酸 素供給孔であって、使用中、酸素源から酸素が送り込まれて袋を酸素で膨らます 流入口を備えたものと、開口とを有し、使用中、吸気サイクルでは、袋からの酸 素が、第２接続手段を通じて本体を通過し、呼気サイクル中、呼気物質が、本体 を通過して、開口から放出されるようになっている、使い捨て型酸素供給器を提 供する。 さらに、本発明は、気管チューブ又は喉頭マスクを付けられた患者に、膨らみ 可能な袋を備えた使い捨て型酸素供給器を用いて、酸素を供給する方法において 、 袋に連続して酸素を供給する気管チューブ又は咽頭マスクに使い捨て型酸素供給 器を接続して袋を酸素で膨らまし、患者の吸気サイクル中は、袋がへこむことが できるようにして、袋からの酸素を、気管チューブ又は喉頭マスクを通じて患者 に送り込み、酸素供給器に開口を設けて、呼気サイクル中、呼気物質が、酸素供 給器から流出できるようにする方法を提供する。 袋は、プラスチック材料製のフィルムから形成されることが好ましい。プラス チック材料は、好ましくは、高密度ポリエチレンからなる。 プラスチック材料性のフィルムは、好ましくは、厚さが約１５ミクロンである 。 袋は、本体とは反対側の端部の近くに通気孔を備えるとよい。 袋は、好ましくは、内容量が２００ないし５００ｍｌの範囲である。 好ましくは、本体は、４個の開口を形成し、第１開口を通じて本体に入る酸素 の流れに空気が乗ることができるようにして、袋内の酸素の濃度を希釈する。好 ましくは、袋内の酸素の濃度は、４０％ないし６０％の範囲であり、４個の開口 の数と大きさは、この濃度を達成できるように調節する。 さらに好ましくは、本体は、プラスチック材料から射出成形され、袋は、本体 に接着、接合又は溶着される。 本発明による酸素供給器は、低価格の材料で構成できるので、１回の使用後捨 てることが可能なほど安くできることに留意されたい。このため、殺菌及び／ま たは圧熱減菌をしなくて済む。 以下、本発明について、添付図面を参照しながらさらに説明する。添付図面に おいて、 図１は、本発明に従って構成された使い捨て型酸素供給器の第１実施例の概略 図である。 図２は、本発明に従って構成された使い捨て型酸素供給器の第２実施例の概略 図である。 図３は、図２に示したＬ字型継ぎ手の平面図である。 図４は、図２に示したＬ字型継ぎ手の端面図である。さらに、 図５は、本発明による酸素供給器を使用する方法を概略的に示すものである。 図１に示す、使い捨て型酸素供給器２は、Ｌ字型継ぎ手４と収縮可能な袋１６ とからなる。Ｌ字型継ぎ手４は、好ましくは、高密度ポリエチレンなどのプラス チック材料から射出成形される。Ｌ字型継ぎ手は、大まかに言うと、酸素供給孔 ７を備えた、かかりの付いた差込口６を有する中空体からなる。差込口６は、酸 素供給チューブ８に差し込まれ、酸素供給チューブは、圧縮空気供給源（図示せ ず）に接続される。Ｌ字型継ぎ手４は、雄型継ぎ手１２に接続可能なテーパ付き のソケット１０を備え、雄型継ぎ手は、（口又は鼻用の）気管チューブまたは喉 頭マスク（図示せず）の端部に設けられる。ソケット１０は、気管チューブまた は喉頭マスクの補助取付具と適合する穴を内部に備える。この穴は、好ましくは 、１５ｍｍである。Ｌ字型継ぎ手４は、収縮可能な袋１６と連通する差込継ぎ手 １４も備える。収縮可能な袋１６は、Ｌ字型継ぎ手４とは反対側に通気孔１８を 備える。 本発明の好ましい形態では、収縮可能な袋１６は、厚さが５ないし１５ミクロ ン、好ましくは、９ミクロンの範囲の厚さである高密度ポリエチレンフィルムか ら形成される。袋の内容量は、３００ないし５００ｍｌの範囲である。好ましく は、袋の長さは、約１７０ｍｍであり、袋の直径は、約８０ｍｍである。通気孔 は、好ましくは、直径約１ｃｍの円形開口である。袋１６は、両端が閉じられる ように熱溶着された、プラスチック材料製の継ぎ目なしのチューブから形成され る。両端の一方は、差込継ぎ手１４に熱溶着又は接着され、他方は、通気孔１８ を設ける端部を構成する。 Ｌ字型継ぎ手４は、また、差込口６の流入口２２に近接して設けた複数個の空 気取り入れ開口２０を備える。このため、酸素が流入口２２から入るとき、径を 狭められた流入口２２により、比較的高速の酸素が袋１６に流入して、酸素が、 空気取り入れ開口２０を通じてＬ字型継ぎ手４に引き込まれるようになっている 。これにより、袋１６内の酸素は、好適な濃度に、好ましくは、４０％ないし６ ０％に範囲の濃度に希釈される。実際の濃度は、酸素の流入圧力と、流入口２２ と、空気取り入れ開口２０の数と径とを含むいくつかのパラメータに依存する。 好ましい実施例としては、流入口２２は、径が約１．５ｍｍであり、それぞれが 、約５ｍｍの直径の空気取り入れ開口２０を３個設ける。 空気取り入れ開口は、酸素供給チューブ８に接続した酸素供給源が故障した場 合に重要な安全機能の役割も担っている。もし、空気取り入れ開口２０がないと したら、吐き出され空気が、袋１６に溜まって患者を窒息させるおそれがある。 空気取り入れ開口が設けてあれば、患者は、新鮮な空気を空気取り入れ開口２０ から取り入れることによりこの問題を回避できる。 本発明による使い捨て型酸素供給器は、喉頭マスクまたは気管チューブによる 治療を受けている、麻酔から覚める途中の酸素治療中の患者に、特に有効である 。喉頭マスクまたは気管チューブは、患者に付けたままにしておき、酸素供給器 のソケット１０を、喉頭マスク又は気管チューブの雄型継ぎ手１２に接続する。 酸素供給チューブ８は、流量が通常毎分約４ないし６リットルに制限された酸素 供給源に接続されたまま、差込口６に接続される。酸素は、流入口２２を通って 流入し、空気取り入れ開口２０を通じてＬ字型継ぎ手４に空気を引き入れて、袋 １６を酸素が豊富な空気で満たす。患者が吸い込むと、酸素が豊富な空気は、ソ ケット１０を通じて袋１６から喉頭マスク又は気管チューブに流れ込む。差込継 ぎ手１４からソケット１０への内部通路は、比較的広くくびれていないので、内 部通路内に良好な流体の流れをもたらすことに留意されたい。本発明の酸素供給 器によれば、酸素が豊富な空気の送り出し量が、最適、たとえば、毎分約２０リ ットルとなり、多くの回復室で得られる量よりも標準的にかなり多い。 患者が、息を吐き出すと、袋１６は、呼気気体で満たされる。しかしながら、 呼気気体は、差込口６及び空気取り入れ開口２０からＬ字型継ぎ手４に新たに入 ってくる酸素が豊富な空気により、通気孔１８を通じて袋１６から押し流される 。 図２，３及び４には、本発明の別な実施例が図示してある。これらの図では、 同一の符号は、互いに対応する部品を示すのに適宜用いてある。図２に示した酸 素供給器と図１に示した酸素供給器の主な違いは、袋１６が、通気孔１８を備え ていないことである。さらに、流入口２２が、差込継ぎ手１４内を突出する導管 ４２の端部に設けてあるので、酸素は、袋１６内に直接入り込む。この実施例で は、Ｌ字型継ぎ手４０は、空気取り入れ開口２０を複数個備えておらず、代わり に、図２に示すように、ソケット１０とは概ね反対側に設けた、比較的大きな開 口４４を１個備える。 Ｌ字型継ぎ手４０は、ポリエチレンなどの適切なプラスチック材料から射出成 形できる。射出成形は、導管４２が差込継ぎ手中を突出するように別個に形成す ると、容易になる。この場合、差込口６から酸素供給導孔７までは、Ｌ字型継ぎ 手の側壁に成形し、流入口２２が、袋１６の内部に開口し、または袋１６の内部 に近接して位置しても、正しく機能する。袋１６自体は、厚さがたとえば１５ミ クロンで、熱によりつなぎ合わせ、袋状に縁を切りそろえた、高密度ポリエチレ ンシートから形成できる。差込口６には、図１に示すようなかかりを形成する必 要はなく、滑らかにするか小さなのこ歯切欠き（図示せず）を設けるとよい。開 口１６内を流入口２２に至る酸素供給導孔は、好ましくは、直径約１．５ｍｍで ある。差込口６自体は、外径が約４ｍｍとしてよい。ソケット１０は、好ましく は、気管チューブ、喉頭マスク、又はその他の器具の端部を受け入れるように、 テーパの付いた約１５ｍｍの取付具として形成する。開口４４は、好ましくは、 径が約１０ｍｍである。袋１６は、好ましくは、長さが約１７０ｍｍで、平らに した場合の幅が、約８０ｍｍであり、膨らませると、内容量が約２５０ｍｌとな る。 図２ないし４に示す酸素供給器を使用するには、袋１６を、酸素供給チューブ ８から流入口２２を通じて酸素で膨らます。酸素供給チューブ８からは、酸素が たとえば毎分６リットルの公称流量で送り込まれる。袋１６に溜められた酸素は 、患者による吸気サイクル中、ソケット１０を通じ管状体１２に送り込まれる。 この場合、好ましくは、約２５０ｍｍの量の酸素が患者に提供される。 袋１６は、吸気と終わりと呼気の始まりとの間の途切れ中に、酸素供給チュー ブ８から酸素を再充填される。呼気空気は、ソケット１０から開口４４中を直接 通過しようとする。これによって、管状体１２からＬ字型継ぎ手４０に流入する 呼気流体によって、袋１６内の酸素が大幅に希釈されるのが回避される。実験に よると、図２ないし４に示した酸素供給器は、図１に示したものよりも良好な機 能を示した。これは、図２、３及び４の実施例では、図１の実施例の場合よりも 、袋１６から患者に希釈化の程度低い酸素が提供されるからである。 図５には、酸素供給器２を使用する好ましい方法が、示してある。袋１６は、 横になっている患者に対してほぼ横向きに位置付け、酸素供給チューブ８を、患 者の反対側にのばす。気管チューブ又は喉頭マスクを、通常のように、患者の口 に入れる。使用中、袋１６は、収縮して（または一部収縮して）、回復室のスタ ッフに患者が呼吸していること目に見える形で示す。 本発明による酸素供給器は、安価な材料で形成できるので、使い捨て可能な程 度まで安くできることは、当業者には明らかである。本発明による酸素供給器は 、弁は必要とせず、必要に応じて、製造価格を上げて酸素供給器の信頼性の方に 重点を置いてもよい。 以上説明したように、本発明による酸素供給器は、口又は鼻用の気管チューブ 又は喉頭マスクに使用できる。本発明による酸素供給器は、他の用途、たとえば 気管切開チューブとの接続に用いることも可能である。 本発明の要旨と範囲とを逸脱することなく、多くの変形例が、当業者には明ら かである。

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Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．本体（４、４０）と、これに接続した収縮可能な袋（１６）とからなり、本 体は、酸素源と接続可能な第１接続手段（６）と、気管チューブ、喉頭マスク等 と接続可能な第２接続手段（１０）と、袋（１６）が接続される接続部（１４） と、第１接続手段と流体的に連通する酸素供給孔（７）であって、使用中、酸素 源から酸素が送り込まれて袋を酸素で膨らます流入口（２２）を備えたものと、 開口（２０、４４）とからなり、使用中、吸気サイクルでは、袋からの酸素が、 第２接続手段（１０）を通過し、呼気サイクルでは、呼気物質は、本体（２、４ ０）を通過して開口（２０、４４）から放出されるようになっている、使い捨て 型酸素供給器（２）。 ２．前記流入口（２２）は、前記袋（１６）の内部の方を向いている、請求項１ に記載の酸素供給器。 ３．前記流入口（２２）は、前記袋（１６）に近接して設けられる、請求項１ま たは２に記載の酸素供給器。 ４．前記酸素供給孔（７）は、前記第１接続手段（６）から前記本体（２）内を 通り、先端が前記接続部（１４）に近接して位置付けられた導管（４２）に形成 される、請求項４に記載の酸素供給器。 ５．前記開口（２２、８４）は、前記第２接続手段（１０）とは概ね反対側に位 置する、請求項１ないし４のいずれか１に記載の酸素供給器。 ６．前記袋（１６）は、通気孔（１８）を備える、請求項１に記載の酸素供給器 。 ７．前記本体（４、４０）は、プラスチック材料から成形される、請求項１ない し６のいずれか１に記載の酸素供給器。 ８．前記袋は、シート状のプラスチック材料から形成される、請求項１ないし７ のいずれか１に記載の酸素供給器。 ９．前記第１接続手段は、使用中、酸素チューブ（８）に差し込まれる差込口（ ６）を備える、請求項１ないし８のいずれか１に記載の酸素供給器。 １０．前記差込口（６）は、公称外径が４ｍｍである、請求項１ないし９のいず れか１に記載の酸素供給器。 １１．前記第２接続手段（１０）は、テーパの付いた１．５ｍｍのソケットを備 える、請求項１ないし１０のいずれか１に記載の酸素供給器。 １２．前記開口（４４）は、前記テーパの付いたソケットと軸線を同じくする、 直径が１０ｍｍの単一の開口である、請求項１１に記載の酸素供給器。 １３．前記本体（４、４０）は、弁を有しないことを特徴とする、請求項１ない し１２のいずれか１に記載の酸素供給器。 １４．気管チューブ又は喉頭マスクを付けられた患者に、膨らみ可能な袋（１６ ）を備えた使い捨て型酸素供給器（２）を用いて、酸素を供給する方法において 、袋に酸素を連続して供給する気管チューブ又は咽頭マスク（１２）に使い捨て 型酸素供給器を接続して袋を酸素で膨らまし、患者の吸気サイクル中は、袋が収 縮することができるようにして、袋からの酸素を、気管チューブ又は喉頭マスク を通じて患者に送り込み、酸素供給器に開口（２０、４４）を設けて、呼気サイ クル中、呼気物質が、酸素供給器から流出できるようにする、酸素を供給する方 法。 １５．前記袋の内容量は、そこからの酸素が、酸素を袋に供給する酸素源から得 られる量よりも大である量で患者に送り込まれる、請求項１４に記載の方法。 １６．酸素は、前記袋に近接した流入口（２２）を通じて袋に供給され、開口（ ４４）は、気管チューブ又は喉頭マスクとほぼ軸線を同じくすることにより、呼 気物質が、袋に入ることなく酸素供給器を通過できるようにする、請求項１４又 は１５に記載の方法。