【発明の詳細な説明】
有害菌類駆除のための組成物及び方法
本発明は有害菌類を駆除するための組成物及びこの組成物を用いた有害菌類の
駆除方法に関する。
文献には、シトクロムbc1複合体(シトクロム複合体III)を抑制する活
性成分が殺菌剤に使用できることが開示されている(cf. U. Brand
t, U. Haase, H. Schaegger, G. von Ja
gow: ”Spezifitaet und Wirkmechanism
us der Stobilurine”(Specificity and
Mechanism of Action of the Strobilur
ins), Dechema Monograph vol. 129, 27
−38, VCH Verlagsgesellschaft Weinhei
m, 1993; J. M. Clough: Natural Produ
ct Reports, 1993, 565−574; F.Roehl,
H. Sauter: Biochem. Soc. Trans. 22,
635(1993))。
しかしながら、これらの活性成分を殺菌剤として使用すると、その活性はごく
一時的なもので、即ち、短時間で菌類の成長の再開が観察されることが明らかに
なっている。
従って本発明の目的は、有害菌類、特にボトリチスの駆除の改良された可能性
を提供することにある。
驚くべきことに、本発明者らはこの目的が、殺ダニ活性で知られているフェナ
ザキン(fenazaquin)(cf. The Pesticide Ma
nual, 10th Edition, 1994; CAS reg. N
o. 120928−09−8)との組み合わせで、シトクロム複合体IIIの
呼吸作用を妨害する活性成分を含む組成物によって達成されることを見
出した。
本発明は従って、固体又は液体担体中に、
a)シトクロム複合体IIIの呼吸を抑制する少なくとも一つの活性成分Iと、
b)化学式、
で表されるフェナザキンとを含有する有害菌類駆除のための組成物に関する。
活性成分Iは、好ましくは化学式IA又はIBで表される化合物であって、か
つ、
・・・・は二重結合又は単結合であり、
R’は−C[CO2CH3]=CHOCH3、−C[CO2CH3]=NOCH3、
−C[CONHCH3]=NOCH3、−C[CO2CH3]=CHCH3、−C[
CO2CH3]=CHCH2CH3、−C[COCH3]=NOCH3、−C[COC
H2CH3]=NOCH3、−N(OCH3)−CO2CH3、−N(CH3)−CO2
CH3又は −N(CH2CH3)−CO2CH3であり、
R”は、直接、又はオキシ基、メルカプト基、アミノ基又はアルキルアミノ基
を介して結合している有機の基であるか、又はそれが結合している基X及び環Q
あるいはTと共に、無置換又は置換の二環式の部分的あるは全部不飽和のシステ
ムであって、かつ、炭素環だけでなく、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から成
る群から無関係に選択された1個、2個又は3個のヘテロ原子を有することが可
能なシステムを含有してもよい基であり
Rxは−OC[CO2CH3]=CHOCH3、−OC[CO2CH3]=CHCH3
、−OC[CO2CH3]=CHCH2CH3、−SC[CO2CH3]=CHOC
H3、−SC[CO2CH3]=CHCH3、−SC[CO2CH3]=CHCH2C
H3、−N(CH3)C[CO2CH3]=CHOCH3、−N(CH3)C[CO2
CH3]=NOCH3、−CH2C[CO2CH3]=CHOCH3、−CH2C[C
O2CH3]=NOCH3又は−CH2C[CONHCH3]=NOCH3であり、
Ryは酸素原子、硫黄原子、=CH−又は=N−であり、
nは0、1、2又は3で、n>1の場合には、基Xは同一でも異なっていてもよ
く、
Xはシアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アル
コキシ基、ハロアルコキシ基、アルキルチオ基、又はn>1の場合、フェニル環
の隣接した二つのC原子に結合したC3〜C5のアルキレン基、C3〜C5のアルケ
ニレン基、オキシ−C2〜C4−アルキレン基、オキシ−C1−C3−アルキレンオ
キシ基、オキシ−C2〜C4−アルケニレン基、オキシ−C2〜C4−アルケニレン
オキシ基又はブタジエンジイル基であり、かつ、これらの炭素鎖は、ハロゲン原
子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基及びアルキ
ルチオ基から成る群から互いに無関係に選択される1〜3個の基を結合すること
が可能であり、
Yは=C−又は−N−であり、
Qはフェニル基、ピロリル基、チエニル基、フリル基、ピラゾリル基、イミダ
ゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリ
ル基、トリアゾリル基、ピリジニル基、2−ピリジニル基、ピリミジニル基又は
トリアジニル基であり、
また
Tはフェニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、オキサ
ジアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基又はトリアジニル基である。)で
表される化合物である。
置換基R”は、特には、O、S、SO、SO2、NR(R=H又はアルキル基
)、CO、COO、OCO、CONH、NHCO及びNHCONHから成る群か
ら選択された一つ又はそれ以上の基が介在してもよいアルキル基、アルケニル基
、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基(hetaryl)、アリール
アルキル基、ヘテロアリールアルキル基、アリールアルケニル基、ヘテロアリー
ルアルケニル基、アリールアルキニル基又はヘテロアリールアルキニル基であり
、又は下記で定義されるように化学式CRαCRβ又はCH2ON=CRrCRδ
=NORεで表される基である。これらの基はアルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、ハロアルキル基(特にはCF3及びCHF2)及びアリール基から成
る群から互いに無関係に選択された1個又はそれ以上の(好ましくは1、2又は
3個の)置換基を有してもよく、後者もまた、ハロゲン原子、ハロアルキル基(
特にはCF3及びCHF2)、フェニル基、CN及びフェノキシ基から成る群から
互いに無関係に選択された1、2又は3個の置換基を有していてもよい。
この化合物及びその調製方法は、以下の表I.1〜I.8に示された文献に記
載されている。これらの表に記載されていない化合物は同様な方法により調製す
ることができる。
本発明の範囲内のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ
素原子であり、特にはフッ素原子、塩素原子及び臭素原子である。
用語「アルキル基」は直鎖及び分岐したアルキル基を含む。これらは好ましく
は直鎖又は分岐したC1〜C12のアルキル基及び特にC1〜C6のアルキル基であ
る。アルキル基の例は、アルキル基例えば、特には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、1−メチルエチル基、ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプ
ロピル−1,1−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル
基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、
1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピ
ル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メ
チルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−
ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2
,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチル
プロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、2−エ
チルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、n−ヘプチル基、1−メチ
ルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、1−プロピルブ
チル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基である。
ハロアルキル基は、上記に定義した如く、部分的に、又は全部1個か又はそれ
以上のハロゲン原子、特にフッ素原子及び塩素原子でハロゲン化されたアルキル
基である。好ましくは1〜3個のハロゲン原子が存在し、特に好ましくは、ジフ
ルオロメチル基又はトリフルオロメチル基である。
アルキル基とハロアルキル基について上記に述べられたことは、アルコキシ基
、ハロアルコキシ基、アルキルチオ基及びハロアルキルチオ基、あるいは類似の
基におけるアルキル基及びハロアルキル基にも同様に適用される。
アルケニル基は直鎖ならびに分岐したアルケニル基を包含する。それは、好ま
しくは直鎖又は分岐したC3〜C12のアルケニル基、特にはC3〜C6のアルケニ
ル基である。アルケニル基の例は、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブ
テニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2
−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテ
ニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、1−メチ
ル−3−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル
基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1,2−ジメチル−2−プロペニル
基、1−エチル−2−プロペニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4
−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−メチル−2−ペンテニル基、2−メチ
ル−2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、4−メチル−2−ペン
テニル基、1−メチル−3−ペンテニル基、2−メチル−3−ペンテニル
基、3−メチル−3−ペンテニル基、4−メチル−3−ペンテニル基、1−メチ
ル−4−ペンテニル基、2−メチル−4−ペンテニル基、3−メチル−4−ペン
テニル基、4−メチル−4−ペンテニル基、1,1−ジメチル−2−ブテニル基
、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−3−ブテニル基、1
,2−ジメチル−2−ブテニル基、1,2−ジメチル−3−ブテニル基、1,3
−ジメチル−2−ブテニル基、1,3−ジメチル−3−ブテニル基、2,2−ジ
メチル−3−ブテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル基、2,3−ジメチ
ル−3−ブテニル基、1−エチル−2−ブテニル基、1−エチル−3−ブテニル
基、2−エチル−2−ブテニル基、2−エチル−3−ブテニル基、1,1,2−
トリメチル−2−プロペニル基、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル基及
び1−エチル−2−メチル−2−プロペニル基であり、特には2−プロペニル基
、2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基及び3−メチル−2−ペンテニ
ル基が好ましい。
アルケニル基は、部分的に又は全部、1個か又はそれ以上のハロゲン原子、特
にフッ素原子及び塩素原子でハロゲン化され得る。それは、好ましくは1〜3個
のハロゲン原子を有する。
アルキニル基は直鎖ならびに分岐したアルキニル基を包含する。それは、好ま
しくは直鎖又は分岐したC3〜C12のアルキニル基、特にはC3〜C6のアルキニ
ル基である。アルキニル基の例は、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブ
チニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル
基、4−ペンチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニ
ル基、1−メチル−2−ブチニル基、1,1−ジメチル−2−プロピニル基、1
−エチル−2−プロピニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−アル
キニル基、5−ヘキシニル基、1−メチル−2−ペンチニル基、1−メチル−3
−ペンチニル基、1−メチル−4−ペンチニル基、2−メチル−3−ペンチニル
基、2−メチル−4−ペンチニル基、3−メチル−4−ペンチニル基、4−メチ
ル−2−ペンチニル基、1,2−ジメチル−2−ブチニル基、1,1−ジメチル
−3−ブチニル基、1,2−ジメチル−3−ブチニル基、2,2−ジメチル−3
−ブチニル基、1−エチル−2−ブチニル基、1−エチル−3−ブチニル
基、2−エチル−3−ブチニル基及び1−エチル−1−メチル−2−プロピニル
基である。
アルケニル基とそのハロゲン置換基及びアルキニル基について上記に述べられ
たことは、アルケニルオキシ基及びアルキニルオキシ基にも同様に適用される。
シクロアルキル基は、好ましくはC3〜C6のシクロアルキル基、例えばシクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基である
。シクロアルキル基を置換する場合には、置換基としては1〜3個のC1〜C4の
アルキル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、好ましくはC4〜C6のシクロアルケニル基、例えばシ
クロブテニル基、シクロペンテニル基又はシクロヘキセニル基である。シクロア
ルケニル基を置換する場合には、置換基としては1〜3個のC1−C4のアルキル
基が好ましい。
シクロアルコキシ基は、好ましくはC5〜C6のシクロアルコキシ基、例えばシ
クロペンチルオキシ基又はシクロヘキシルオキシ基である。シクロアルコキシ基
を置換する場合には、置換基としては1〜3個のC1−C4のアルキル基が好まし
い。
シクロアルケニルオキシ基は、好ましくはC5〜C6のシクロアルケニルオキシ
基、例えばシクロペンチルオキシ基又はシクロヘキシルオキシ基である。シクロ
アルケニルオキシ基を置換する場合には、置換基としては1〜3個のC1〜C4の
アルキル基が好ましい。
アリール基は、フェニル基が好ましい。
ヘテロアリール基は、好ましくは5又は6員の芳香族ヘテロ環で、N、O及び
Sから成る群から選択される、互いに無関係な、1個、2個又は3個のヘテロ原
子を有する。それは、特にはピリジニル基、ピリミジニル基、チアゾリル基又は
ピラゾリル基である。
ヘテロシクリル基は、好ましくは5又は6員の飽和又は不飽和のヘテロ環で、
N、O及びSから成る群から選択される、互いに無関係な、1個、2個又は3個
のヘテロ原子を有する。それは、特には「ヘテロアリール基」として挙げた基の
、ジヒドロ、テトラヒドロ及びヘキサヒドロ誘導体の一つがよい。好ましいも
のは、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾ
リジニル基、オキサゾリジニル基、イソオキサゾリジニル基、チアゾリジニル基
、イソチアゾリジニル基、ピペリジニル基又はモルフォリニル基である。
好ましい実施態様としては、本発明による組成物は、化学式IA又はIBで表
わされる化合物を含有し、かつR”はアリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ
基、アリールオキシメチレン基、ヘテロアリールオキシメチレン基、アリールエ
テニレン基、又はヘテロアリールエテニレン基であって、これらの基は、アルキ
ル基、ハロゲン原子、CF3、CHF2、CN、アルコキシ基及びフェニル基から
成る群から互いに無関係に選択される置換基1個、2個又は3個を有していても
よく、その置換基もまた、ハロゲン原子、CF3、CHF2、フェニル基、CN、
フェノキシ基、アルキル基、アルコキシ基、及びハロアルコキシ基から成る群か
ら互いに無関係に選択される置換基1個、2個又は3個を有していてもよく、
あるいはR”は、
CH2ON=CRαRβ あるいは、CH2ON=CRγCRδ=NORεで
あって、かつRαはアルキル基であり、
Rβは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルコキシ基、CF3
及びCHF2から成る群から選択される、互いに無関係な置換基を1個、2個又
は3個有していてもよいフェニル基、ピリジル基又はピリミジル基であり、
Rγは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基又は水素
原子であり、
Rδは、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルケニル基、アルケ
ニルオキシ基、アルケニルチオ基、アルケニルアミノ基、N−アルケニル−N−
アルキルアミノ基、アルキニル基、アルキニルオキシ基、アルキニルチオ基、ア
ルキニルアミノ基、N−アルキニル−N−アルキルアミノ基、であって、これら
の基の炭化水素基が部分的に、又は全部ハロゲン化され、かつ/又は、シアノ基
、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルコキシ
カルボニル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジ−アルキルアミノ基、ア
ルケニルオキシ基、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、ヘテロシクリ
ル基、ヘテロシクリルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアル
コキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基及びヘテロアリールアル
コキシ基から成る群から互いに無関係に選択される基1個、2個又は3個が、そ
れに結合することができるものであり、その環状の基もまた、部分的に、又は全
部ハロゲン化され、かつ/又は、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキ
ル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、
アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジ−アルキルア
ミノ基、アルケニル基及びアルケニルオキシ基から成る群から互いに無関係に選
択される基1個、2個又は3個がその環状の基に結合していてもよいものであり
、
あるいは、Rδは、シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキ
ルチオ基、シクロアルキルアミノ基、N−シクロアルキル−N−アルキルアミノ
基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルオキシ基、ヘテロシクリルチオ基、ヘテ
ロシクリルアミノ基、N−ヘテロシクリル−N−アルキルアミノ基、アリール基
、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、N−アリール−N−
アルキルアミノ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリー
ルチオ基、ヘテロアリールアミノ基又はN−ヘテロアリール−N−アルキルアミ
ノ基であって、その環状の基が部分的に、又は全部ハロゲン化され、かつ/又は
、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アル
キルチオ基、アルキルアミノ基、ジ−アルキルアミノ基、アルケニル基、アルケ
ニルオキシ基、ベンジル基、ベンジルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基
、ヘテロアリール基及びヘテロアリールオキシ基から成る群から互いに無関係に
選択される基1個、2個又は3個がその環状の基に結合することが可能であり、
その芳香族基もまた、部分的に、又は全部ハロゲン化され、かつ/又は、以下の
基、シアノ基、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基のうちの
1個、2個又は3個が、その芳香族基に結合できるもので、
Rεは、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基であり、これらの基が部
分的に、又は全部ハロゲン化され、かつ/又は、以下の基、シアノ基、アルコキ
シ基、シクロアルキル基のうちの1個、2個又は3個と結合することが可能であ
る。
特に化学式IA又はIBで表わされる好ましい化合物は即ち、
R”は、下記のものの1つの意味を持つ。
a)フェニルオキシメチレン基、ピリジニルオキシメチレン基、ピリミジニル
オキシメチレン基又はピラゾリルオキシメチレン基であって、その芳香族の基が
、アルキル基、ハロゲン原子、CF3、CHF2、−C(CH3)=NOCH3及び
フェニル基から成る群から互いに無関係に選択される置換基1個、2個又は3個
を有することができ、その基が1個、2個あるいは3個のハロゲン原子及び/又
はアルキル基で置換されていないか又は置換されていて、
b)無置換か、又は1個、2個又は3個のハロゲン原子で、あるいはハロゲン
原子又はシアノ置換基を有する1個のフェノキシ基で置換されている、フェノキ
シ基、又はピリミジニルオキシ基であり、
c)フェニル基又はピラゾリル基が、ハロゲン原子、CF3、CHF2及びフェ
ニル基から成る群から互いに無関係に選択される、1個、2個又は3個の置換基
を有するフェニルエテニレン基あるいはピラゾリルエテニレン基。
d)CH2ON=CRαRβであり、かつ、
Rαが、アルキル基であり、
Rβが、アルキル基、ハロゲン原子、CF3及びCHF2から成る群から選択さ
れる、互いに無関係な1個、2個又は3個の置換基を有するフェニル基か、又は
無置換かあるいは1個又は2個のアルコキシ基で置換されたピリミジニル基であ
るか、
e)CH2ON=CRγCRδ=NORεであり、かつ、
Rγが、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、
Rδが、無置換かあるいは1個、2個又は3個のハロゲン原子で置換された、ア
ルキル基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルケニル基又はフェニル
基であり、
また、Rεが、アルキル基である。
特に好ましい化合物は、化学式IAのものであり、かつQがフェニル基で、n
が0のものである。
特に優れた活性成分Iを、以下の表に編集した。
相乗効果を生じさせるために、フェナザキンと活性成分Iとを20:1−1:
20、特には10:1〜1:10の範囲の重量比で適用する。
更に本発明は、菌類、その生息圏、または菌類による被害から保護されるべき
資材、植物、種子、土壌、領域、空間を、上記定義による組成物で処理すること
による有害菌類の防除方法に関する。本発明において有効成分の施与は同時に、
すなわち混合して、または別々に、或は連続して行うことが可能である。
本発明の組成物は、直接的に噴霧可能な溶液、粉末、懸濁液、高濃度の水性、
油性またはその他の懸濁液または分散液、エマルジョン、油性分散液、ペースト
、ダスト剤、散布剤又は顆粒の形で噴霧、ミスト法、ダスト法、散布法又は注入
法によって適用することができる。適用形式は、完全に使用目的に基づいて決定
される。いずれの場合にも、本発明の有効物質の可能な限りの微細分が保証され
るべきである。
通常は、植物に有効成分を噴霧するか、振りかけ、或いは植物の種子を有効成
分で処理する。
製剤は公知方法で、例えば有効物質を溶剤および/または賦形剤で、場合によ
り乳化剤および分散助剤を使用して増量することにより得られるが、この際希釈
剤として水を使用する場合には、補助溶媒として別の有機溶媒を使用することが
できる。このための助剤としては、主として溶剤、例えば芳香族化合物(例えば
キシレン)、塩素化芳香族化合物(例えばクロロベンゼン)、パラフィン(例え
ば石油留分)、アルコール(例えばメタノール、ブタノール)、ケトン(例えば
シクロヘキサノン)、アミン(例えばエタノールアミン、ジメチルホルムアミド
)および水、賦形剤、例えば天然岩石粉(例えばカオリン、アルミナ、タル
ク、白亜)、合成岩石粉(例えば高分散性珪酸、珪酸塩)、乳化剤、例えば非イ
オン性および陰イオン性乳化剤(例えばポリオキシエチレン−脂肪アルコールエ
ーテル、アルキルスルホナートおよびアリールスルホナート)および分散剤、例
えばリグニン−亜硫酸廃液およびメチルセルロースが該当する。
界面活性剤としては次のものが挙げられる。芳香族スルホン酸、例えばリグノ
スルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレ
ンスルホン酸、並びに脂肪酸の各アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモ
ニウム塩、アルキルスルホナート、アルキルアリールスルホナート、アルキルス
ルファート、ラウリルエーテルスルファート、脂肪アルコールスルファート、並
びに硫酸化ヘキサデカノール、ヘプタデカノールおよびオクタデカノールの塩、
脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン酸ナフタレンおよびその誘導
体とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸
とフェノールまたはホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリオキシエチレンオク
チルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェ
ノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブ
チルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコー
ル、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エ
トキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタート
、ソルビトールエステル、リグニン−亜硫酸廃液およびメチルセルロース。
粉末、散布剤および振りかけ剤は有効物質と固状担体物質とを混合または一緒
に磨砕することにより製造することができる。
粒状体、例えば被覆−、含浸−および均質粒状体は、有効物質を固状担体物質
に結合することにより製造することができる。固状担体物質は、例えばシリカゲ
ル、シリカ、シリカゲル、珪酸塩、滑石、カオリン、石灰石、石灰、白亜、膠塊
粒土、石灰質黄色粘土、粘土、白雲石、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシ
ウム、酸化マグネシウム、磨砕合成樹脂、肥料、例えば硫酸アンモニウム、燐酸
アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素および植物性生成物、例えば穀物粉、樹
皮、木材およびクルミ穀粉、セルロース粉末および他の固状担体物質である。
有効成分を1:1の重量比で含有する調製例を示す。
I.有効成分90重量部と、N−メチルピロリドン90重量部との溶液。この
溶液は微小液滴の形状で好適に使用される。
II.有効成分20重量部、キシレン80部、エチレンオキシド8−10モル
をオレイン酸N−モノエタノールアミドに付加した付加生成物20重量部、ドデ
シルベンゼンスルホン酸カルシウム5重量部、およびエチレンオキシド40モル
をヒマシ油1モルに付加した付加生成物10重量部よりなる混合物。この溶液を
水に微分散し、分散液を得る。
III.有効成分20重量部、シクロヘキサノン40重量部、イソブタノール
30重量部、エチレンオキシド40モルをヒマシ油1モルに付加した付加生成物
10重量部の水性分散液。
IV.有効成分20重量部、シクロヘキサノール25重量部、沸点210乃至
280℃の鉱油留分65重量部およびエチレンオキシド40モルをヒマシ油1モ
ルに付加した付加生成物10重量部よりなる水性分散液。
V.有効成分80重量部、ジイソブチル−ナフタレン−α−スルホン酸ナトリ
ウム3重量部、亜硫酸−廃液より得られたリグニンスルホン酸ナトリウム10重
量部および粉末状珪酸ゲル7重量部をハンマーミル中で磨砕した混合物。この混
合物を水に細分布し、噴霧液を得る。
VI.有効成分3重量部と、微粒子状カオリンの97重量%の密な混合物。こ
れにより得られたダスト剤の有効物質含有率は3重量%である。
VII.有効成分30重量部、粉末状シリカゲル92重量部およびこのシリカ
ゲルの表面上に吹きつけられたパラフィン油8重量部よりなる密な混合物。この
製剤によると有効成分に優れた接着性が与えられる。
VIII.有効成分40重量部、フェノールスルホン酸/尿素/ホルムアルデ
ヒド縮合物のナトリウム塩10重量部、珪酸ゲル2重量部および水48重量部の
安定な水分散液。この分散液は更に希釈可能である。
IX.有効成分20重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム2重量部
、脂肪アルコールポリグリコールエーテル8重量部、フェノールスルホン酸/尿
素/ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩20重量部およびパラフィン系鉱
油68重量部の安定な分散液または油状分散液。
新規化合物は、広範囲な植物病理学的菌類、特にボトリチスに対する作用にお
いて優れており、秀でている。これらの数種類は組織的に活性であり(すなわち
活性を低下させずに処理された植物に取り込まれ、植物内部で移動可能である)
、茎葉または土壌殺菌剤として使用可能である。
これらは種々の農作物、例えばコムギ、ライ麦、大麦、オート麦、稲、トウモ
ロコシ、芝、綿花、大豆、コーヒー、サトウキビ、ブドウ、果実および観賞用植
物および野菜、例えばキュウリ、豆類、ウリ、並びにこれら植物の種子における
多種細菌を防除するにあたり特に重要である。
本発明の化合物は、細菌、または細菌による被害から保護されるべき種子、植
物、資材または土壌を有効物質の殺菌有効量で処理する方法で施与される。
新規化合物は、細菌により資材、植物または種子に被害がもたらされる以前ま
たは以後に施与される。
本発明の組成物は、特に以下の植物病の防除に適している。
穀物類のエリシペ・グラミニス(Erysiphe graminis;うど
ん粉病)、
ウリ科のエリシペ・キコラケアラム(Erysiphe cichorace
arum)およびスフェロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fu
liginea)、
リンゴのポドスフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leuco
tricha)、
ブドウのウンキヌラ・ネカトル(Uncinula necator)、
リンゴのベンツリア・イネクアリス(Venturia inaeqalis
;腐敗病)、
穀物類のヘルミントスポリウム種(Helminthosporium)、
コムギのセプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)、
イチゴ、ブドウのボトリチス・キネレア(Botrytis cinerea
;灰色カビ)、
ナンキンマメのセルコスポラ・アラキジコラ(Cercospora
arachdicola)、
コムギおよびオオムギのシュードケルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Ps
eudocercosporella herpotrichoides)、
イネのピリクラリア・オリザエ(Pyricularia orizae)、
種々の植物のフサリウム(Fusarium)およびベルチキルリウム(Ve
rticillium)種、
果実および野菜のアルテルナリア(Alternaria)種、
果実のモニリニア(Monilinia)種、
アブラナおよび野菜のスクレロチニア(Sclerotinia)種。
ボトリチスに対する使用が特に好ましい。
新規化合物を、例えばパエシロミセス・バリオッティ(Paecilomyc
es variotii)からの資材保護(木材の保護)に用いることも可能で
ある。
本発明の殺菌剤組成物は、通常0.1−95重量%、好ましくは0.5−90
重量%の有効物質を有する。
所望の効果に応じて、ヘクタールあたりの有効物質の施与量を、0.02−3
kgとする。
種子を処理する場合、種子1kgにあたりに0.001−50g、特に0.0
1−10gの量の有効物質が一般的に必要とされる。
本発明の組成物は殺菌剤としての使用形態において、他の有効物質、例えば除
草剤、殺虫剤、生長抑制剤、殺菌剤または肥料と共に用いることも可能である。
各種殺菌剤を混合することにより、得られる殺菌効果が向上する場合も多い。
以下に本発明の化合物とともに使用可能な化合物を列挙するが、これは組み合
わせの可能性を示すためのものであって、制限を加えるためのものではない。
硫黄
ジチオカルバマート及びその誘導体、例えば
鉄(III)ジメチルジチオカルバマート、
亜鉛ジメチルジチオカルバマート、
亜鉛エチレンビスジチオカルバマート、
マンガンエチレンビスジオカルバマート、
マンガン亜鉛エチレンジアミン−ビスジチオカルバマート、
テトラメチルチウラムジスルフィド、
亜鉛(N,N−エチレン−ビス−ジチオカルバマート)のアンモニア錯化合物
、
亜鉛(N,N′−プロピレン−ビス−ジチオカルバマート)のアンモニア錯化
合物、
亜鉛(N,N′−プロピレン−ビス−ジチオカルバマート)、
N’N−ポリプロピレン−ビス−(チオカルバモイル)−ジスルフィド、
ニトロ誘導体、例えば
ジニトロ−(1−メチルヘプチル)−フェニルクロトナート、
2−sec−ブチル−4,6−ジニトロフェニル−3,3−ジメチルアクリラ
ート、
2−sec−ブチル−4,6−ジニトロフェニル−イソプロピルカルボナート
、
ジイソプロピル5−ニトロイソフタラート、
複素環式物質、例えば
2−ヘプタデシル−2−イミダゾリン−アセタート、
2,4−ジクロロ−6−(o−クロロアニリノ)−s−トリアジン、
O,O−ジエチル−フタルイミドホスホノチオエート、
5−アミノ−1−〔ビス−(ジメチルアミノ)−ホスフィニル〕−3−フェニ
ル−1,2,4−トリアゾール、
2,3−ジシアノ−1,4−ジチオアントラキノン、
2−チオ−1,3−ジチオロ−(4,5−b)−キノキサリン、
1−(ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾール−カルバミン酸メチル
エステル、
2−メトキシカルボニルアミノ−ベンゾイミダゾール、
2−(フリル−(2))−ベンゾイミダゾール、
2−(チアゾリル−(4))−ベンゾイミダゾール、
N−(1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ)テトラヒドロフタルイミド
、
N−トリクロロメチルチオテトラヒドロフタルイミド、
N−トリクロロメチルチオフタルイミド、
N−ジクロロフルオロメチルチオ−N′,N′−ジメチル−N−フェニル−硫
酸ジアミド、
5−エトキシ−3−トリクロロメチル−1,2,3−チアジアゾール、
2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール、
1,4−ジクロロ−2,5−ジメトキシベンゼン、
4−(2−クロロフェニルヒドラゾノ)−3−メチル−5−イソキサゾロン、
ピリジン2−チオ−1−オキシド、
8−ヒドロキシキノリン又はその銅塩、
2,3−ジヒドロ−5−カルボキシアニリド−6−メチル−1,4−オキサチ
イン、
2,3−ジヒドロ−5−カルボキシアニリド−6−メチル−1,4−オキサチ
イン−4,4−ジオキシド、
2−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−ピラン−3−カルボキシアニリド、2
−メチルフラン−3−カルボキシアニリド、
2,5−ジメチルフラン−3−カルボキシアニリド、
2,4,5−トリメチルフラン−3−カルボンキシアニリド、
N−シクロヘキシル−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキシアミド、
N−シクロヘキシル−N−メトキシ−2,5−ジメチルフラン−3−カルボキ
シアミド、
2−メチルベンズアニリド、
2−ヨードベンズアニリド、
N−ホルミル−N−モルホリン−2,2,2−トリクロロエチルアセタート、
ピペラジン−1,4−ジイルビス−(1−(2,2,2−トリクロロエチル)
ホルムアミド、
1−(3,4−ジクロロアニリノ)−1−ホルミルアミノ−2,2,2−トリ
クロロエタン、
2,6−ジメチル−N−トリデシルモルホリン又はその塩、
2,6−ジメチル−N−シクロドデシルモルホリン又はその塩、
N−〔3−(p−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル〕−シス
−2,6−ジメチルモルホリン、
N−〔3−(p−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル〕ピペリ
ジン、
1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−エチル−1,3−ジオキソラ
ン−2−イル−エチル〕−1H−1,2,4−トリアゾール、
1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオ
キソラン−2−イルエチル〕−1H−1,2,4−トリアゾール、
N−(n−プロピル)−N−(2,4,6−トリクロロフェノキシエチル)−
N′−イミダゾリル尿素、
1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4
−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノン、
1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4
−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノール、
α−(2−クロロフェニル)−α−(4−クロロフェニル)−5−ピリミジン
メタノール、
5−ブチル−2−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン、
ビス(p−クロロフェニル)−3−ピリジンメタノール、
1,2−ビス−(3−エトキシカルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン、
1,2−ビス−(3−メトキシカルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン、
および他の殺菌剤、例えば
ドデシルグアニジンアセタート、
3−[3−(3,5−ジメチル−2−オキシシクロヘキシル)−2−ヒドロキ
シエチル]グルタルイミド、
ヘキサクロロベンゼン、
メチルN−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(2−フロイル)−DL−ア
ラニナート、
DL−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(2′−メトキシアセシル)
アラニナートメチルエステル、
N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−クロロアセチル−D,L−2−アミ
ノブチロラクトン、
DL−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(フェニルアセチル)アラニ
ナートメチルエステル、
5−メチル−5−ビニル−3−(3,5−ジクロロフェニル)−2,4−ジオ
キソ−1,3−オキサゾリジン、
3−[3,5−ジクロロフェニル−(5−メチル−5−メトキシメチル]−1
,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン、
3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−イソプロピルカルバモイルヒダント
イン、
N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,
2−ジカルボキシイミド、
2−シアノ−[N−(エチルアミノカルボニル)−2−メトキシイミノ]アセ
トアミド、
1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)ペンチル〕−1H−1,2,4−ト
リアゾール、
2,4−ジフルオロ−α−(1H−1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)
−ベンズヒドリルアルコール、
N−(3−クロロ−2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−
5−トリフルオロメチル−3−クロロ−2−アミノピリジン、
1−((ビス−(4−フルオロフェニル)メチルシリル)メチル)−1H−1
,2,4−トリアゾール。
本発明による組成物の相乗作用を以下の実施例ににより説明する。ここで、式
I.1−I.7の化合物を有効成分Iとして用いた。
使用実施例1 ボトリチス・キネレア(灰色かび)に対する作用
ピーマンのディスクに、乾燥重量で80%の有効成分と、20%の乳化剤とを
含有する有効成分の水性組成物を組成物を液が滴るまで噴霧した。組成物が乾燥
した2時間後、上記ディスクに濃度2%のバイオモルツ溶液1ミリリットルに1
.7x106胞子を含むボトリチス・キネレアの胞子懸濁液を噴霧し、次いで高
湿度のチャンバー中で4日間培養した。発病した果実のディスク上のボトリチス
の発生を目視にて評価した(発病水準99%)。
発病した果実部分の割合を目視にて測定したデータを、未処理対照の百分率と
しての効率に換算した。効率0は未処理対照と同様の発病水準を、効率100は
発病水準0%を意味するものとする。有効成分の組み合わせにより予期される効
率をコルビーの式(Colby S.R.「除草剤組み合わせによる相乗的およ
び対立的応答の計算(”Calculating synergistic a
nd antagonistic responses of herbici
de Combinations”)、Weeds、15、20−22頁、19
67)により算出し、観察された効率と比較した。結果を以下の表1に示す。
実験結果により、あらゆる混合比の場合の観察された効率がColbyの式を
用いて事前に計算された効率を上回ることがわかる。つまり相乗作用が得られて
いるといえる。使用実施例2 ボトリチス・キネレア(灰色かび)に対する作用
トウガラシの苗(Neusiedler Ideal Elite種)を4−
5枚の葉が正常に発達するまで生育し、次いで乾燥重量で80%の有効成分と、
20%の乳化剤を含む組成物を、液が滴るまで噴霧した。組成物が乾燥した後、
ボトリチス・キネレア菌の分生胞子懸濁液を植物に噴霧し、これを22−24℃
、高湿度のチャンバー内に保管した。5日間後、未処理対照植物の葉部壊死が葉
の大部分に広がるまで、病状が進行した(発病水準83%)。
発病した果実部分の割合を目視にて測定したデータを、未処理対照の百分率と
しての効率に換算した。効率0は未処理対照と同様の発病水準を、効率100は
発病水準0%を意味するものとする。有効成分の組み合わせにより予期される効
率をコルビーの式(Colby S.R.「除草剤組み合わせによる相乗的およ
び対立的応答の計算(”Calculating synergistic a
nd antagonistic responses of herbici
de Combinations”)、Weeds、15、20−22頁、19
67)により算出し、観察された効率と比較した。結果を以下の表2に示す。
試験結果は、すべての混合比での観測した効能が、コルビーの式を用いて先に
計算した効能を加算したものより優れている、即ち、相乗効果が現れていること
を示している。
使用実施例3、
ピーマンのボトリチス・シネリアに対する活性
使用実施例1に記載した方法に従い、下の第3表に掲げた化合物を用いて、下
記の結果を得た。
試験結果は、すべての混合比での観測した効能が、コルビーの式を用いて先に
計算した効能を加算したものより優れている、即ち、相乗効果が現れていること
を示している。
使用実施例4、
ボトリチス・シネリアに対する活性
使用実施例1に記載した方法に従い、下の第4表に掲げた化合物を用いて、下
記の結果を得た。
試験結果は、すべての混合比での観測した効能が、コルビーの式を用いて先に
計算した効能を加算したものより優れている、即ち、相乗効果が現れていること
を示している。
上記第I.1表〜第I.8表に挙げた化合物の中からの、他の各化合物を、上
記実験に用いた場合にも、同様な結果を得た。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 アマーマン,エーバーハルト
ドイツ国、D−64646、ヘペンハイム、フ
ォン−ガーゲルン−シュトラーセ、2
(72)発明者 ロレンツ,ギーゼラ
ドイツ国、D−67434、ハムバッハ、エル
レンヴェーク、13
(72)発明者 シュトラトマン,ズィークフリート
ドイツ国、D−67117、リムブルガーホー
フ、ドネルスベルクシュトラーセ、9
(72)発明者 ケーレ,ハーラルト
ドイツ国、D−67273、ボベンハイム、ア
ム、ビュシェル、13
(72)発明者 レツラフ,ギュンター
ドイツ国、D−67354、レーマーベルク、
シラーシュトラーセ、34