JPH11509315A - 特に化学分析装置用の分配器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に化学分析装置用の、それぞれの接触面（４、５）で互いに接している少なくとも２つの板状ハウジング部分（２、３）を有し、少なくとも１つのハウジング部分（２）の接触面に、別のハウジング部分（３）によって覆われた少なくとも１つの溝（６）が設けられた分配器（１）を開示する。この種の分配器では、可能な限り精密に溝を構成することができること、これらの溝が良く密封されること、およびその容積が可能な限り正確に所定値と一致することが望ましい。その目的のために、２つの接触面（４、５）の１つに結合剤を受ける凹部（９）が設けられ、この凹部は溝（６）に隣接して配列されてその経路に沿っている。

Description

【発明の詳細な説明】 特に化学分析装置用の分配器 本発明は、特に化学分析装置用の、それぞれの接触面で互いに接している少な くとも２つの板状ハウジング部分を有し、少なくとも１つのハウジング部分の接 触面に、別のハウジング部分によって覆われた少なくとも１つの溝が設けられた 分配器に関する。 既知のこの種の分配器（米国特許第４６０７５２６号）では、１つのハウジン グ部分は剛体表面を有するベース・プレートの形状であり、もう１つのハウジン グ部分はたわみ性カバー・プレートの形状である。カバー・プレートは鋼板によ ってベース・プレートにクランプ留めされる。ベース・プレートおよび鋼板の周 囲に配置されたクランプ装置はこの目的に備えるものである。 多くの化学分析では、溝の容積が分析で使用する流体の量に影響を与えるので 、溝の容積を比較的正確に所定値と一致させる必要がある。とりわけ、分析する 媒体の体積が小さくなると、この正確さはさらに重要になる。 上述の分配器の場合には、１つまたは複数の溝の断面は十分には規定されない 。これらの断面は、鋼板がベース・プレートに押しつけられる力によって実質上 決定される。この力は鋼板の全領域にわたって均一にすることができるが、容易 なことではない。例えば、クランプ留めした点ではこの力が他の点より大きくな る危険性がある。それにもかかわらずある一定の力を加えなければならないのは 、そうしなければ個別の溝を確実にしっかりと密封することができなくなるため である。 本発明は、その密封される溝が、可能な限り正確に決定することができる容積 を有する、製造費用のかからない分配器を提供する問題に基づく。 導入部で述べた種類の分配器では、この問題は、２つの接触面の１つに結合剤 を受ける凹部を設け、この凹部を溝に隣接してその経路に沿って配置することで 解決される。 したがって２つのハウジング部分の間の結合は、凹部に配置した結合剤により 確実になる。結合剤は同時に溝を密封する。凹部が溝の経路に沿っているので、 ２つのハウジング部分の間の結合は常に溝のすぐ近くで達成され、所望の溝の断 面の形状、したがって所望の溝の容積が十分に保証される。同時に、流体が溝か らその中に漏出する可能性がある望ましくない空隙が形成されないように、溝は その経路に沿って密封される。凹部内に配置された結合剤によって２つの部分を 結合することは、それ自体は新しいことではない。例えばＫａｒｌｓｒｕｈｅ ｎｕｃｌｅａｒ ｒｅｓｅａｒｃｈ ｃｅｎｔｒｅでは気体を搬送する微小膜ポ ンプを提唱しており、この場合、ハウジング部分に設けられた、その膜が覆う空 洞中に接着剤を注入することによって、膜を適当なハウジング部分に結合する。 凹部は溝と同じハウジング部分に形成されることが好ましい。これによりハウ ジング部分の製造が簡単になる。１つのハウジング部分は、ここでは場合によっ ては実質上加工しないまま残すこともできる。 凹部がハウジング部分を貫通する供給開口に連結されることも有利である。こ の場合には、供給開口を介して凹部に結合剤を導入することができる。結合剤の 供給に適した連結は、ハウジング部分の接触面から離れた側に作成する方が容易 である。 溝をハウジング部分を貫通する連結開口と連絡させることは同等に有利である 。この場合には、例えば、凹部が溝を取り囲む可能性がある。ハウジングの前面 に開いた接続を設ける必要はない。これにより１つまたは複数の溝の密封が簡単 になる。 溝と凹部の間に、接触面の領域ではほぼ直線の形状になる分離ウェブを配列す ることが好ましい。そのため分離ウェブは接触面の領域では非常に細くなるが、 実際には密封に十分な幅を達成することができるように、依然としてある一定の 大きさがなければならない。したがって、凹部は非常に細い分離ウェブによって のみ溝から分離される。したがって、凹部内に配置された結合剤は、２つのハウ ジング部分の間の結合、および溝のすぐ近くでの溝の密封を達成することができ る。このようにして、溝の所望の容積に関する正確性を根本的に改善することが できる。 分離ウェブが接触面からそれを担持するハウジング部分に向かって広がること も好ましい。これにより分離ウェブは機械的な強度を増す。接合する際に、それ により分離ウェブが損傷する危険性なく、２つのハウジング部分を必要な力で互 いに圧迫することができる。 結合剤は、硬化可能な自由に流れる材料であることが好ましい。この材料は、 その自由に流れる形状で凹部に導入することができる。その後、２つのハウジン グ部分の間の結合だけでなく溝の密封もまた確実にするように、これを硬化させ ることができる。 この場合には、この材料が暖かい状態では自由に流れ、冷却すると硬化するこ とが特に好ましい。したがって、２つのハウジング部分を接合する前に、結合剤 を暖めるかまたは加熱する。例えば周囲温度まで冷却した後で、２つのハウジン グ部分の間の結合が固定された状態で形成される。 この材料を、ハウジング部分を作成したものと類似または同一の材料にするこ とも有利である。とりわけ結合剤が暖められるかまたは加熱されたときには、２ つのハウジング部分はそれにより実質上互いに溶接される。結合剤となる材料が 、ハウジング部分を形成する材料と同一である場合には、分配器は実質上１つの 部片に構成される。 この材料は射出成形可能であることが好ましい。この場合、結合剤は凹部に注 入される。硬化した後に、所望の結合が達成される。 この材料は、プラスチック材料であることが好ましい。このような材料は取り 扱いが容易である。 別の好ましい構成では、ハウジング部分および結合剤の材料はアルミニウムで ある。アルミニウムは、特にまた好ましくは、比較的高い強度および／またはよ り高い熱伝導率が要求される場合には必ず使用されることになる。 結合剤は単純に接着剤にすることもできる。この場合、接着剤は２つのハウジ ング部分をしっかりと永続的に結合させる。 好ましい構成では、溝および／または凹部は両方の接触面に設けることができ る。これにより、より大きいまたはより複雑な分配器における、溝の構成および 凹部の構成が簡単になる。 さらに、有利な構成では、スタック方式で互いに重ね合わせた２つ以上のハウ ジング部分を設けることができ、そのスタックの内側に配列されたハウジング部 分は２つの接触面を有する。このようにして、複数の溝がある場合に、１つの溝 から別の溝へ流体が移ることなく、溝システム内の交差を達成することができる 。 溝は、フライス削りまたはスタンピングによって作成することができる。溝は また、溝を有するハウジング部分を、溝付きでキャスト（成形）されたキャステ ィングとして構築することによって生成することもできる、すなわち成形中に同 時に生成する。３つの可能性は全て、寸法の確度に不利な影響を与えることなく 、１つまたは複数の溝を非常に精密に構成することを可能にする。したがって、 溝の断面は所望の確度を厳守することができる。 そのほぼ全体が凹部によって占められる少なくとも１つの空間によって分離さ れる複数の溝を設けることが好ましい。このようにして、２つのハウジング部分 の間の大領域の結合が達成される。もちろん、分配器の構成または機能に重要ま たは必要なその他の構成要素、例えば追加部分用のランドを、その１つまたは複 数の空間に配列することもできる。 以下に、添付の図面とともに好ましい実施例に関連して本発明について説明す る。 第１図はハウジング部分を示す平面図である。 第２図は第１図に示すＩＩ−ＩＩの断面図である。 第３図は第２図を拡大した部分図である。 分配器１は、ハウジング部分と表記することもできるベース・プレート２およ びカバー・プレート３を含む。ベース・プレート２およびカバー・プレート３は 、対向する接触面４、５で互いに接している。 溝６はベース・プレート２の接触面４に形成され、各溝は、ベース・プレート ２を貫通する接続開口７、８を有する。 さらにベース・プレート２は、溝６と隣接して配列されて溝６を取り囲む、す なわちそれらの経路に沿った凹部９を有する。凹部９には、ベース・プレート２ およびカバー・プレート３を互いに結合させる結合剤１０が配置される。 結合剤１０は単純な接着剤でよい。それはまた、ベース・プレート２およびカ バー・プレート３を構成するものと同じ材料、特にポリプロピレンやポリエチレ ンなどのプラスチックにすることもできる。 分配器１を形成するために、カバー・プレート３およびベース・プレート２を 単に互いに接して支承し合うようにする。その後、射出成形処理中に、結合剤１ ０を凹部９に開口１１を介して注入する。その目的のために、例えば暖めること により、結合剤１０を自由に流れる状態にすることができる。冷却後これが凝固 し、収縮する力によって２つのハウジング２、３を互いに結合させる。 金属、具体的にはアルミニウムを、プラスチック材料の代替として使用するこ ともできる。 溝６は、分離ウェブ１２によって凹部９から分離される。分離ウェブ１２の断 面はほぼ三角形または台形である、すなわちベース・プレート２から立ち上がり カバー・プレート３に向かって先細になり、接触領域１３は非常に小さくなる。 それはほぼ直線になる。もちろん、製造技術との関連があるので、それは有限の 大きさを有することになる。分離ウェブ１２のこの構成により、結合剤１０を溝 ６に接近させることができる。このようにして溝６は良く密封される。ベース・ プレートとカバー・プレート３の間の結合は溝６のすぐ近くで達成される。第３ 図から特に明らかになるように、分離ウェブ１２は、溝６を形成する壁面が接触 面５に対してほぼ垂直に走り、分離ウェブ１２の外側の側面１５が外側に向かっ て傾斜するように構成される。 第３図から特に明らかになるように、溝６は、ベース・プレート２内で凹部９ ほどには深く形成されない。凹部９の方が深いことにより、キャストしまたは射 出成形による結合剤１０の導入が容易になる。これに反して、結合剤が単純な接 着剤の形状である場合には、そうではなく凹部９は溝６より浅く形成される。 溝６を形成するいくつかの可能性がある。ベース・プレート２がキャストしま たは射出成形した部分の形状である場合には、溝６およびそれらを取り囲む分離 ウェブ１２は成形動作中に形成することができる。これに反して、凹部９はフラ イス削りにより生成することもでき、後に残った高部に溝６を刻むことをができ る。この場合、後に残った高部は分離ウェブ１２となる。最後に、溝６および凹 部９はスタンピングによって生成することもできる。 最後に述べた方法を使用すれば、溝システムを非常に精密に構成することがで きる。 図示では、凹部９は溝６の間の全空間を占める。このことは必要ではないが、 ベース・プレート２の製造を簡単にする。凹部９は単純に連続するものとして示 す。このこともまた絶対に必要というわけではない。複数の凹部９を設けること もできるが、この場合にそれらに対応する供給開口１１を各凹部９に対して設け なければならない。 後にバルブやポンプなどの追加エレメントを受ける際に役に立つランド１４が 、凹部９内にさらに設けられる。これらのランド１４は、分配器１の製造中に、 カバー・プレート３をベース・プレート２上の正しい位置に位置決めするために 使用することもできる。 ベース・プレート２のみに溝が設けられた分配器を例示した。もちろん別法と して、カバー・プレート３の厚さが適当である場合には、これに溝を設けること もできる。溝ならびに接続開口および供給開口７、８、１１をベース・プレート ２およびカバー・プレート３の両方に設けることもできる。 図示の構成では、２つのハウジング部分２、３のみを与えた。別法として、複 数のハウジング部分を設けることもでき、この場合、これらはスタック方式で互 いに層状にされ、スタックの内側のハウジング部分は隣接するハウジング部分と のそれぞれの接触面を両側に有する。この場合には、ハウジング部分はその片側 または両側に溝を備えることができる。ハウジング部分を単にカバー・プレート としてのみ働くようにすることもできる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｌ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ ，ＭＫ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ， ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＲ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ Ｎ (72)発明者 クリステンセン，スティーン・ガードステ ッド デンマーク国・ディケイ−6430・ノルドボ ルグ・エグベイ・100 (72)発明者 ステンストローム，セイス デンマーク国・ディケイ−6400・ソンダー ボルグ・オルステッドゲイド・28

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．それぞれの接触面で互いに接している少なくとも２つの板状ハウジング部分 を有し、少なくとも１つのハウジング部分の接触面に、別のハウジング部分によ って覆われた少なくとも１つの溝が設けられた、特に化学分析装置用の分配器で あって、２つの接触面（４、５）の１つに結合剤（１０）を受ける凹部（９）が 設けられ、この凹部が溝（６）に隣接して配列されてその経路に沿っていること を特徴とする分配器。 ２．凹部（９）が溝（６）と同じハウジング部分（４）に形成されることを特徴 とする請求項１に記載の装置。 ３．凹部（９）が、ハウジング部分を貫通する供給開口（１１）に連結されるこ とを特徴とする請求項１または２に記載の装置。 ４．溝（６）が、ハウジング部分（２）を貫通する接続開口（７、８）と連絡す ることを特徴とする請求項１ないし３のいずれか一項に記載の装置。 ５．溝（６）と凹部（９）の間に、接触面（４、５）の領域ではほぼ直線の形状 になる分離ウェブ（１２）が配置されることを特徴とする請求項１ないし４のい ずれか一項に記載の装置。 ６．分離ウェブ（１２）が、接触面（４）からそれを担持するハウジング部分（ ２）に向かって広がることを特徴とする請求項５に記載の装置。 ７．結合剤（１０）が、硬化可能な自由に流れる材料であることを特徴とする請 求項１ないし６のいずれか一項に記載の装置。 ８．この材料が、暖かい状態では自由に流れ、冷却すると硬化することを特徴と する請求項７に記載の装置。 ９．この材料が、ハウジング部分を作成したものと類似または同一の材料である ことを特徴とする請求項７または８に記載の装置。 １０．この材料が射出成形可能であることを特徴とする請求項７ないし９のいず れか一項に記載の装置。 １１．この材料がプラスチック材料であることを特徴とする請求項７ないし１０ のいずれか一項に記載の装置。 １２．ハウジング部分および結合剤の材料がアルミニウムであることを特徴とす る請求項７ないし１０のいずれか一項に記載の装置。 １３．結合剤（１０）が接着剤であることを特徴とする請求項７に記載の装置。 １４．溝（６）および／または凹部（９）が、両方の接触面（４、５）に設けら れることを特徴とする請求項１ないし１３のいずれか一項に記載の装置。 １５．スタック方式で互いに重ね合わせた２つ以上のハウジング部分（２、３） が設けられ、その積み重ねの内側に配列されたハウジング部分が２つの接触面を 有することを特徴とする請求項１ないし１４のいずれか一項に記載の装置。 １６．溝（６）がフライス削りされた溝であることを特徴とする請求項１ないし １５のいずれか一項に記載の装置。 １７．溝（６）がスタンプされた溝であることを特徴とする請求項１ないし１５ 項のいずれか一項に記載の装置。 １８．溝（６）を有するハウジング部分（２）が、溝（６）がキャストされたキ ャスティングとして構成されることを特徴とする請求項１ないし１５のいずれか 一項に記載の装置。 １９．そのほぼ全体が凹部（９）によって占められる少なくとも１つの空間によ って分離される複数の溝（６）が設けられることを特徴とする請求項７ないし１ ０のいずれか一項に記載の装置。