JPH1150874A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH1150874A
JPH1150874A JP9211962A JP21196297A JPH1150874A JP H1150874 A JPH1150874 A JP H1150874A JP 9211962 A JP9211962 A JP 9211962A JP 21196297 A JP21196297 A JP 21196297A JP H1150874 A JPH1150874 A JP H1150874A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過給が行われる領域における壁面付着補正に
より、A/Fがオーバーリッチにならなくするための内
燃機関の空燃比制御装置を提供すること。 【解決手段】 内燃機関の燃焼室内に流入する空気量に
応じて、吸気管の燃料の壁面付着量を演算する付着量演
算手段と、今回演算された前記付着燃料量と前回演算さ
れた付着燃料量との差分に基づいて、付着燃料補正量を
演算する付着燃料補正量演算手段とを有する内燃機関の
空燃比制御装置であって、内燃機関の冷却水温を計測す
る水温センサ14と、吸気管における吸気圧力を計測す
る圧力センサ20とを有し、付着燃料補正量演算手段
が、圧力センサ20が計測した吸気圧力と、水温センサ
14が計測した冷却水温との2つのパラメータにより、
付着燃料補正量を算出することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の空燃比
制御装置に関し、さらに詳細には、過給機付内燃機関の
過給が行われている場合における付着燃料補正量を演算
する付着燃料補正量演算手段を備え、付着燃料補正手段
に応じて空燃比を調整する内燃機関の空燃比制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関への燃料供給は、内
燃機関の燃焼室へ流入する吸入空気流量をエアフローメ
ータにより計測し、その吸入空気流量に応じて内燃機関
に必要な燃料量を演算し、燃料タンク内の燃料を燃料噴
射弁により吸気管に供給する電子制御燃料噴射システム
が実施されている。ここで、燃料噴射弁から噴射された
燃料は、一旦吸気管の内壁面に付着した後蒸発して、燃
焼室に送り込まれる。内燃機関が定常状態であれば、燃
料の壁面付着量は一定であり、問題とならないが、加速
時においては、付着量が増加するため、実際に内燃機関
の燃焼室に供給される混合ガスの空燃比が、設定空燃比
よりリーンになり、また、減速時においては、付着して
いた燃料が剥離するため、設定空燃比よりリッチとな
り、各々燃焼が不完全となる問題がある。
【0003】従来より、この問題を解決するため、内燃
機関の空燃比制御装置においては、内燃機関の冷却水温
を計測し、その冷却水温に応じて加減速時における壁面
付着量の補正制御を行っている。例えば、特開昭63−
215848号公報、特開平4−342844号公報等
においては、壁面付着量の変化量を冷却水温で補正する
場合に、即時補正項とテーリング補正項とを用いて、冷
却水温による異なる補正係数で補正している。
【0004】すなわち、スロットルバルブ開閉により発
生した燃料の壁面付着量efmW(単位mSec)は、
式1のようになる。
【数1】
【0005】ここで、edlqmW*ekmW1が即時
補正項であり、eqtrn0*ekmW2がテーリング
補正項であり、t_kthWxが燃料噴射量に反映する
時の補正係数(以下、反映時補正係数という。)であ
る。ここで、加速側の反映時補正係数はt_kthWa
で表し、減速側の反映時補正係数はt_kthWdで表
している。また、efmWstが内燃機関スタート時の
燃料補正項である。そして、edlqmWが、各気筒吸
気行程間の壁面付着変化量(単位mSec)であり、e
kmW1が、即時補正係数であり、eqtrn0が、即
時補正分からの残余蓄積量であり、ekmW2がeqt
rn0の減衰係数である。
【0006】次に、具体例で上記補正を説明する。前提
条件として、冷却水温−10℃、ベースA/F=13.
0と仮定する。また、供給空気量が所定値未満では、ベ
ースTAU=2.0mS、テーリング=0.01mSと
し、供給空気量が所定値以上では、TAU=10.0m
S、テーリング=0.30mSと仮定する。従来、加速
側の反映時補正係数であるt_kthWaは、図5の表
に示すように、冷却水温thWから一義的に決められて
いた。この表によれば、水温−10℃のとき、反映時補
正係数t_kthWa=13.7である。従って、加速
が開始されてしばらく時間経過した時のテーリング噴射
量は、0.01mS*13.7=0.137mSであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
内燃機関の空燃比制御装置には、次のような問題点があ
った。従来行われていた補正は、スロットルバルブの開
閉による過渡時の吸気管壁面への燃料の付着、及び蒸発
により発生する空燃比の荒れを防止することを目的とし
たものであった。従来は、この過渡を判定するために、
スロットルバルブの開度の変化や吸入空気量の変化を用
いているが、過給機付内燃機関の場合、本来補正を実施
したい状態が終了した後でも、過給により吸入空気が増
加し続ける場合がある。この場合に、本来過渡時ではな
いのに、過渡時と誤判定して、過度に補正してしまう問
題があった。
【0008】具体的には、従来技術において、加速状態
が継続されたときテーリング噴射量は、0.30mS*
13.7=4.11mSとなる。これは、ベース噴射量
10mSに対して、4.11mSを加算することを意味
する。従って、補正されたA/Fは、ベースA/F=1
3に対して、13*10/(10+4.11)=9.2
となる。一方、過給機による過給が行われる領域におい
ては、排気温度上昇防止対策、耐ノック向上対策とし
て、空燃比をリッチ側に設定することが行われている。
これは、空燃比をリッチとすることで燃焼効率を低下さ
せるためである。例えば、自然吸気内燃機関のA/F=
約12に対し、過給内燃機関のA/F=約9.5とされ
ている。従って、テーリング補正がかかっている時に、
同時に過給が行われている領域での補正がかけられた場
合には、A/Fは、よりリッチ側となるため、オーバリ
ッチ状態となる。そして、A/Fがオーバーリッチ状態
になると、燃費が悪化する問題、未燃焼の燃料によりプ
ラグがくすぶる問題、さらには、失火に至る問題があ
る。
【0009】本発明は上記した問題点を解決するために
なされたものであり、過給が行われる領域における壁面
付着補正により、A/Fがオーバーリッチにならなくす
るための内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の内燃機関の空燃比制御装置は、次のよう
な構成を採っている。 (1)内燃機関の燃焼室内に流入する空気量相当値に応
じて、吸気管の燃料の壁面付着量を演算する付着量演算
手段と、今回演算された前記付着燃料量と前回演算され
た付着燃料量との差分に基づいて、付着燃料補正量を演
算する付着燃料補正量演算手段と、付着燃料補正量に応
じて前記内燃機関の空燃比を調整する空燃比調整手段と
を有する内燃機関の空燃比制御装置であって、内燃機関
の冷却水温を計測する冷却水温計測手段と、吸気管にお
ける吸気圧力を計測する吸気圧計測手段とを有し、前記
付着燃料補正量演算手段が、前記吸気圧計測手段が計測
した吸気圧力と、前記冷却水温計測手段が計測した冷却
水温との2つのパラメータにより、前記付着燃料補正量
を算出することを特徴とする。
【0011】(2)(1)に記載する内燃機関の空燃比
制御装置において、前記冷却水温と前記吸気圧力との2
つのパラメータによる2次元的マップにより前記付着燃
料補正量を算出することを特徴とする。
【0012】次に、上記構成を有する内燃機関の空燃比
制御装置の作用を説明する。過給機が過給を行っている
ことは、吸気管における圧力を計測することにより、認
知することができる。すなわち、過給を行わずに大気圧
(100KPa)をそのまま導入している場合には、内
燃機関が燃焼すると、吸気管の圧力は、98KPa程度
の負圧となるのが通常である。それが、過給機による過
給が行われると、110KPa等の正圧が検出されるか
らである。従って、冷却水温について20℃毎の反映時
補正係数を横軸に採り、吸気圧計測手段が計測した吸気
管の吸気圧力について10KPa毎の反映時補正係数を
縦軸に採ることにより、冷却水温と吸気管圧力との2次
元的マップから反映時補正係数を読み出すことができ
る。2次元的マップを用いて反映時補正係数を記憶して
いることにより、複雑な演算による無駄な時間をなく
し、制御を迅速に行うことができる。さらに、冷却水温
及び吸気圧力が中間値を取る場合には、各々直線補完を
行うことにより、精確な補正を行うことができる。
【0013】過給が行われている場合には、吸気管圧力
が、例えば110KPaと高くなるが、本発明の2次元
マップにおいては、吸気管圧力が高い場合の反映時補正
係数を、吸気管圧力が低い場合の反映時補正係数より
も、低い値として定めているので、過給による制御によ
り別に空燃比がリッチに設定されても、トータルとし
て、従来より空燃比を薄くすることができる。内燃機関
冷却水温と、吸気管内圧による2次元マップを用いるこ
とにより、通常のスロットルバルブの開閉による過渡状
態では発生することのない、吸気管内が正圧になる領域
においては、付着燃料補正量を少なくして過度の補正を
防止しているのである。
【0014】すなわち、具体的には、吸入空気量が例え
ば、小から大へ変化した時には平衡状態に移行すべく燃
料噴射量の内の所定量が壁面に付着する。この平衡状態
になるまでの付着量は、今回の処理周期における付着燃
料量と前回の処理周期における付着燃料量との差から算
出することができる。しかし、付着燃料補正分が一挙に
付着されるわけではなく少しずつ平衡状態に移行する。
そのため、今回の処理周期で付着される燃料補正分の割
合を用いて今回の処理周期で付着される燃料補正分を求
めている。さらに、前回付着しようとしてまだ付着して
いない分を求める。上記2つの燃料補正分を加算するこ
とにより、今回の処理周期で燃料補正する量を求められ
る。そして、この燃料補正を行うことにより、低温時燃
費の悪化を防止し、プラグのくすぶりを防止することが
できる。さらには、失火の発生を防止することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態であ
る内燃機関の空燃比制御装置について図面に基づいて詳
細に説明する。図2に制御装置を含む内燃機関の構成を
示す。ガソリンエンジン10は、シリンダ内を摺動する
ピストン12、ピストン12上に形成された燃焼室1
1、燃焼室に燃料と空気の混合ガスを供給するための吸
気弁13、燃焼後の排気を排出するための排気弁19を
有している。シリンダを冷却するための冷却水の通路で
ある冷却水路29には、冷却水の温度を計測するための
水温センサ14が取り付けられている。吸気弁13は、
吸気管15と連通している。吸気管15には、燃料噴射
弁16が設けられている。また、吸気管15は、サージ
タンク27に連通している。サージタンク27には、吸
気圧力を計測するための吸気圧計測手段である圧力セン
サ20が取り付けられている。
【0016】サージタンク27の上流の配管経路には、
吸気空気量を調整するためのスロットルバルブ21が取
り付けられている。スロットルバルブ21の上流には、
インタークーラ22が取り付けられている。インターク
ーラ22の上流には、過給機であるターボチャージャ2
3が取り付けられている。ターボチャージャ23の上流
の配管路26には、空気量を計測するためのエアフロー
メータ25が取り付けられている。一方、排気弁19
は、排気管18と連通している。排気管18には、ター
ボチャージャ23の駆動部である排気回転部24が取り
付けられている。
【0017】一方、圧力センサ20、水温センサ14、
エアフローメータ25等が、内燃機関の空燃比制御装置
を含む制御装置28に接続されている。制御装置28
は、一般的なCPU、ROM、RAM、I/O等で構成
されているので詳細な構成は説明を省略する。ROMの
中に本発明の特徴部分である制御プログラム・FMW演
算ルーチンが記憶されており、CPUにより制御が実行
される。
【0018】内燃機関の空燃比制御装置の制御プログラ
ムであるFMW演算ルーチンを図1に示す。このプログ
ラムの目的は、加速時または減速時の付着燃料補正量
(単位mSec)であるekfmWa、ekfmWdを
演算により求めることである。その具体的手法は、S1
1からS17に記載している。すなわち、冷却水温計測
手段である水温センサ14より水温thWを読み込み、
回転検出器によりガソリンエンジン10の回転数ene
を読み込み、ターボ過給圧として、吸気圧計測手段であ
る圧力センサ20よりサージタンク27の吸気圧力pm
smを読み込む(S11)。
【0019】次に、反映時補正係数t_kthWxを水
温thW及び吸気圧力pmsmより算出する(S1
2)。ここで、加速側の反映時補正係数はt_kthW
aで表し、減速側の反映時補正係数はt_kthWdで
表している。具体的には、例えば、加速側の反映時補正
係数t_kthWaは、図3に示すように、冷却水温に
ついては、摂氏−30℃から80℃まで、20℃毎の反
映時補正係数を横軸に採り、吸気圧計測手段が計測した
吸気管の吸気圧力については、大気圧である100KP
aを中心に上下10KPaの反映時補正係数を縦軸に採
っている。これにより、冷却水温と吸気管圧力との2次
元的マップから反映時補正係数を読み出すことができ
る。2次元的マップを用いて反映時補正係数を記憶して
いることにより、複雑な演算による無駄な時間をなく
し、制御を迅速に行うことができる。
【0020】さらに、冷却水温及び吸気圧力が中間値を
取る場合には、各々直線補完を行うことにより、精確な
補正を行うことができる。本実施の形態では、吸気圧力
pmsmの最大値として110KPaを採っており、吸
気圧力pmsmが110KPaを越える場合には、pm
sm=110KPaとして処理している。過給が行われ
る場合でも、pmsm=110KPaで処理すれば、過
給が行われてもオーバーリッチとならない範囲となし得
るからである。
【0021】そして、加速側の反映時補正係数t_kt
hWaまたは減速側の反映時補正係数t_kthWdが
1.0を越える場合には(S13,YES)、回転数e
neを補正するために、t_kneを算出する。回転数
補正の手法は、従来技術であるので詳細な説明を省略す
る。次に、加速側の反映時補正係数t_kthWaまた
は減速側の反映時補正係数t_kthWdとして、S1
2で求めたものにt_kneを乗算したものを採用する
(S15)。そして、冷間始動後流出燃料補正項ekt
hWstを算出する(S16)。一方、加速側の反映時
補正係数t_kthWaまたは減速側の反映時補正係数
t_kthWdが1.0を越えない場合には(S13,
NO)、S16へ進む。加速側の反映時補正係数t_k
thWaまたは減速側の反映時補正係数t_kthWd
が1.0を越えない場合に、回転数補正を行わないの
は、付着燃料補正量自体が小さいため、複雑な処理を行
わなくても値が大きく変化しないからである。
【0022】次に、補正した反映時補正係数t_kth
Wxにより、従来技術で説明した式1を用いて壁面付着
量efmWを算出する(S17)。ここで、加速側の反
映時補正係数はt_kthWaで表し、減速側の反映時
補正係数はt_kthWdで表している。S17の式に
ついて説明する。吸入空気量が例えば、小から大へ変化
した時には平衡状態に移行すべく燃料噴射量の内の所定
量が壁面に付着する。この平衡状態になるまでの付着量
は、今回の処理周期における付着燃料量と前回の処理周
期における付着燃料量との差であるedlqmWから算
出することができる。しかし、付着燃料補正分edlq
mWが一挙に付着されるわけではなく少しずつ平衡状態
に移行する。そのため、今回の処理周期で付着される燃
料補正分の即時補正係数ekmW1(これは回転数と冷
却水温に応じて予め決められている)を用いて今回の処
理周期で付着される燃料補正分edlqmW*ekmW
1を求める。
【0023】さらに、前回付着しようとしてまだ付着し
ていない分をeqtrn0*ekmW2で求める。ここ
で、ekmW2は回転数に応じて予め決められている。
上記2つの燃料補正分を加算することにより、今回の処
理周期で燃料補正する量を求めている。さらに、この燃
料補正する量にS12で算出した吸気圧力と冷却水温に
よる反映時補正係数t_kthWxを乗算することによ
り、冷間始動後でない場合における付着燃料補正量ef
mWが算出される。
【0024】次に、付着燃料補正量efmWに基づい
て、燃料噴射量を補正する方法について説明する。図6
に燃料噴射量TAUの計算ルーチンをフローチャートで
示す。所定クランク角周期でTAU計算ルーチンが起動
されると、CPUはガソリンエンジン10の回転数en
e、吸気管圧力pmsm、及び図1のFMW演算ルーチ
ンで算出した付着燃料補正量efmWを各々取り込んだ
後(S21)、pmsmとeneから基本燃料噴射時間
TPを算出する(S22)。次に、基本燃料噴射時間T
Pに暖機増量、空燃比フィードバック補正係数他種々の
補正係数βを乗算し、その乗算結果に付着燃料補正量e
fmWを加算して燃料噴射時間TAUを算出する(S2
4)。次に、噴射タイミングか否かを判定し(S2
5)、噴射タイミングであれば上記燃料噴射時間TAU
の持続時間を有する駆動パルスが制御装置28より燃料
噴射弁16に供給され、TAUの時間燃料噴射弁16を
開弁して燃料噴射を実行させる(S26)。
【0025】次に、図1のフローチャートに基づいて具
体的な例を、従来技術で説明した例と同じ条件で説明す
る。前提条件として、冷却水温−10℃、ベースA/F
=13.0と仮定する。また、供給空気量が所定値未満
では、ベースTAU=2.0mS、テーリング=0.0
1mSとし、供給空気量が所定値以上では、TAU=1
0.0mS、テーリング=0.30mSと仮定する。
【0026】加速が開始されてしばらく時間経過した時
には、未だ過給が行われていないから、大気圧(100
KPa)をそのまま導入され、内燃機関が燃焼すると、
吸気管の圧力は、90KPa程度の負圧となっている。
従って、加速側の反映時補正係数であるt_kthWa
は、図3の表に示すように、水温thW=−10℃、か
つ吸気圧力pmsm=90KPaのとき、加速側の反映
時補正係数t_kthWa=13.7である。従って、
加速が開始されてしばらく時間経過した時のテーリング
噴射量は、0.01mS*13.7=0.137mSで
ある。
【0027】次に、加速状態が継続されたときテーリン
グ噴射量について説明する。過給が行われると、吸気圧
力が上昇する。ここでは、吸気圧力pmsm=110K
Paになったと仮定する。すると、加速側の反映時補正
係数であるt_kthWaは、図3の表に示すように、
水温thW=−10℃、かつ吸気圧力pmsm=110
KPaのとき、加速側の反映時補正係数t_kthWa
=5.5である。従って、過給が行われている時のテー
リング噴射量は、0.30mS*5.5=1.65mS
となる。これは、ベース噴射量10mSに対して、1.
65mSを加算することを意味する。従って、補正され
たA/Fは、ベースA/F=13に対して、13*10
/(10+1.65)=11.1となる。
【0028】従来技術では、過給が行われたときでも、
図5の表が用いられていたため、水温thW=−10℃
のとき、加速側の反映時補正係数t_kthWa=1
3.7であり、過給が行われている時のテーリング噴射
量は、0.30mS*13.7=4.11mSとなり、
補正されたA/Fは、ベースA/F=13に対して、1
3*10/(10+4.11)=9.2となることは、
前に説明した通りである。
【0029】本発明の内燃機関の空燃比制御装置による
場合と従来技術との結果を、図4に比較して示す。
(a)は、本発明の場合であり、(b)は従来技術の場
合である。(a)において、Aは壁面付着量efmWを
示し、BはA/Fを示している。同様に、(b)におい
て、Cは壁面付着量efmWを示し、DはA/Fを示し
ている。(d)は、アクセル開度を示し、(c)は吸気
圧力を示している。アイドル状態から、(d)に示すよ
うにアクセルを踏み込むと、(c)に示すように、加速
が開始される。従来は、(b)のDに示すように、過給
が行われている時に、A/Fが9.2まで小さくなっ
て、オーバリッチの状態となっていたが、本発明の内燃
機関の空燃比制御装置によれば、(a)のBに示すよう
に、過給が行われている時でも、A/Fが11.1まで
しか小さくならず、オーバリッチの状態とならないこと
を示している。
【0030】以上詳細に説明したように、本実施の形態
の内燃機関の空燃比制御装置によれば、内燃機関の冷却
水温を計測する水温センサ14と、吸気管における吸気
圧力を計測する圧力センサ20とを有し、FMW演算ル
ーチンが、圧力センサ20が計測した吸気圧力と、水温
センサ14が計測した冷却水温との2つのパラメータに
より、付着燃料補正量を算出しているので、過給が行わ
れたときでも、A/Fがあまり濃くならないため、オー
バーリッチ状態となることがなく、燃費が悪化すること
がなく、未燃焼の燃料によりプラグがくすぶることがな
く、さらには、失火が発生することもない。
【0031】また、本実施の形態の内燃機関の空燃比制
御装置によれば、図4に示すように、冷却水温と吸気圧
力との2つのパラメータによる2次元的マップにより付
着燃料補正量の反映時補正係数を記憶しているので、複
雑な演算による無駄な時間をなくし、制御を迅速に行う
ことができる。
【0032】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が
可能であることはもちろんである。例えば、本実施の形
態では、過給が行われているか否かを計測した吸気圧力
値に基づいて判断しているが、吸気圧力の代わりに充填
効率や内燃機関の負荷率を用いて過給が行われているか
否かを判断しても同じである。
【0033】
【発明の効果】本発明の内燃機関の空燃比制御装置によ
れば、内燃機関の冷却水温を計測する冷却水温計測手段
と、吸気管における吸気圧力を計測する吸気圧計測手段
とを有し、前記付着燃料補正量演算手段が、前記吸気圧
計測手段が計測した吸気圧力と、前記冷却水温計測手段
が計測した冷却水温との2つのパラメータにより、前記
付着燃料補正量を算出しているので、通常のスロットル
バルブの開閉による過渡状態では発生することのない、
吸気管内が正圧になる領域においては、付着燃料補正量
を少なくして過度の補正を防止でき、過給が行われたと
きでも空燃比があまり濃くならないため、オーバーリッ
チ状態となることがなく、燃費が悪化することがなく、
未燃焼の燃料によりプラグがくすぶることがなく、さら
には、失火が発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の空燃比制御装置の制御プログラムの
内容を示すフローチャートである。
【図2】内燃機関の全体構成を示す図である。
【図3】加速側の反映時補正係数t_kthWaを示す
2次元的表図である。
【図4】ekfmWとA/Fとのデータ図である。
【図5】従来の加速側の反映時補正係数t_kthWa
を示す表図である。
【図6】燃料噴射量TAUの計算ルーチンをフローチャ
ートである。
【符号の説明】
11 燃焼室 14 水温センサ 15 吸気管 16 燃料噴射弁 20 圧力センサ 23 ターボチャージャ 27 サージタンク 28 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河瀬 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松野 清隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室内に流入する空気量相
    当値に応じて、吸気管の燃料の壁面付着量を演算する付
    着量演算手段と、今回演算された前記付着燃料量と前回
    演算された付着燃料量との差分に基づいて、付着燃料補
    正量を演算する付着燃料補正量演算手段と、付着燃料補
    正量に応じて前記内燃機関の空燃比を調整する空燃比調
    整手段とを有する内燃機関の空燃比制御装置において、 内燃機関の冷却水温を計測する冷却水温計測手段と、 吸気管における吸気圧力を計測する吸気圧計測手段とを
    有し、 前記付着燃料補正量演算手段が、前記吸気圧計測手段が
    計測した吸気圧力と、前記冷却水温計測手段が計測した
    冷却水温との2つのパラメータにより、前記付着燃料補
    正量を算出することを特徴とする内燃機関の空燃比制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する内燃機関の空燃比制
    御装置において、 前記冷却水温と前記吸気圧力との2つのパラメータによ
    る2次元的マップにより前記付着燃料補正量を算出する
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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