【発明の詳細な説明】
収縮性のある衛生ナプキン
発明の分野
本発明は着用者の下着に取り着けるために作られた吸収製品、特に衛生ナプ
キン又はパンティライナーに関する。典型的に、そのような製品は、着用者が下
着を脚の間に伸ばしている間に着用者の下着に取り着けられる。下着は、典型的
に、一対の弾力的な、自己収縮可能な、布地の又は布地のようなアンダーパンツ
である。この引伸された位置において、下着は伸張された表面を有する。下着を
着用位置まで引き上げたとき、下着は収縮し、それにより取り着けられた吸収製
品もまた収縮させるようにする。本発明により、吸収製品は、吸収製品にしわが
寄ったり折り曲げられることを減らすために下着の収縮方向の少なくとも一方向
に収縮可能とされる。
発明の背景
着用者の下着に着用される吸収製品は、それらの位置、構造的一体性、およ
び特殊な着用状態に対する特別の適応性がそのような製品の使用中ずっと保証さ
れ得る場合には徹底的に改良され得ることが知られている。この点に関し、多く
の開発が、伸張性、弾性的伸張性、高い柔軟性、または、より一般的には、着用
者の着用中の運動に従う性能を製品に提供させ得る変形可能な吸収製品の提供を
試みた。
このように、使用の間快適で充分な機能を奏する製品を創り出すために、衛
生ナプキン又はパンティライナーのような使い捨て吸収製品の適切な着具合を保
証することについて上記要素を利用することが従来技術において考えられた。そ
れ故、使用中の動きに従い適応し得る製品がずっと開発された。しかしながら、
吸収製品は、典型的に、使用中の着用位置に直接的に提供されることはないが、
下着が引伸されている間に着用者の下着に取り着けられる。典型的に、一旦下着
が着用位置に引き上げられると、下着は下着が位置するであろう位置とは全く異
なる特別の取り着けまたは適用位置に置かれる。
典型的に衛生ナプキン又はパンティライナーは、下着が着用者の脚の間に引
き下げられた位置にある間に下着に取り着けられる。普通の下着は、下着を身に
つけている間、また、そのような下着を着用している間、優れた快適さと適度な
着具合を提供するために伸張しかつ収縮し、すなわち弾力的に伸び得る。特に下
着の股領域はしばしば交差および縦方向に弾力的に伸張可能とされる。それ故に
引き下げられた位置にある下着は引き伸ばされた形状になり得る。使い捨て吸収
製品が取り着けられるとき、一旦下着が着用位置に引き上げられると、下着は収
縮し得る。
この下着の収縮運動は、いくつかの影響を有し得る。1つは、比較的堅い製
品は取り着け領域において部分的に層剥離し得ることである。他の影響は、極め
て柔軟な製品はしわになりゆがみ得ることである。しかしながら、たいていの製
品は、使用段階の初期において既に受け入れ得ない着具合を生じさせ得る、しわ
になり層剥離するこれら両極端の間のいずれかで振る舞うことが見出された。
このように、本発明は、通常の取り着け処置を経た後に優れた着具合を提供
し得る使い捨て吸収製品、特に衛生ナプキン又はパンティライナーを提供するこ
とを目的とする。本発明は、特に、下着自体の能力に近づく着用者接近を維持す
るために下着の動き及び応力に追随する持続性のある能力を備えた吸収性品を提
供することを目的とする。本発明は、特に、着用位置に置かれたときに外力によ
り最初に収縮し得る吸収製品を提供することを目的とする。
発明の簡単な説明
本発明は使用の間着用者の下着に取り着けられる吸収製品に関する。この製
品は縦軸と横または交差方向の軸を有し、三つの主部材、すなわち、液体通過の
ためのトップシート、使用の間下着側に面する外側表面を形成するバックシート
、およびトップシートとバックシートの間に介在された吸収性コアから構成され
る。吸収製品はまた着用者の下着に製品を取り着けるためにバックシートの外側
表面上に設けられたパンティ固定手段を有する。本発明による製品は、少なくと
も、縦軸に平行な方向、又は横軸に平行な方向、又はそれらの組み合わせにおい
て収縮性を有する。下着の収縮は使い捨て吸収製品の縦軸に実質的に平行な方向
において特に重要であるため、少なくともこの方向に収縮することのできる製品
は本発明の好ましい態様である。。
特に好ましい使い捨て吸収製品は、最大の厚さが5mmより少ない、好ましく
は2mmより少ない衛生ナプキンまたはパンティライナーである。本発明による一
つの態様では、トップシート、バックシート、および吸収性コアから構成される
吸収製品の全体に吸収製品の縦軸に平行な波またはプリーツが付与されている。
本発明による吸収製品は製品の使用に先立ちパンティ固定手段を保護するリ
リースライナーを備え得る。リリースライナーを波またはプリーツの付与された
吸収製品の上に配置することにより、下着に吸収製品を着けるのに先立ちリリー
スライナーを剥がすことによって使用されるまで、吸収製品の製造、包装、およ
び運送の間波またはプリーツを保護するようにこのリリースライナーが実質的に
非伸張性かつ非収縮性であることが特に好ましい。
吸収製品の1つ、いくつか、またはすべての主部材(トップシート、バック
シートおよび吸収性コア)が弾性的に伸張可能である一方、少なくとも非弾性的
伸張性部材が製品の弾性的伸張性部材の伸張可能な方向と同じ方向に対して実質
的に垂直な波またはプリーツを備えることも可能である。これは使い捨て吸収製
品に望ましい収縮性を提供すると同時に製品に弾性もまた提供し得る。したがっ
て、製品の主部材のすべて、主として、トップシート、吸収性コア、およびバッ
クシートが、個別的にかつそれらの組合せにおいて縦および横軸に平行に弾性的
に伸張可能である一方、吸収製品の全体に、少なくとも、吸収製品の縦軸に実質
的に平行な波またはプリーツが付与されていることが本発明の特に好ましい態様
である。
本発明による特に好ましい態様においては、パンティ固定手段は感圧接着剤
により設けられ、吸収製品が適応性を有するようにするための手段として吸収製
品に波またはプリーツが付与されている場合には、パンティ固定手段は好ましく
はバックシートの波またはプリーツの付与された外側に向く表面にのみ設けられ
る。
発明の詳細な説明
本発明を衛生ナプキン又はパンティライナーを参照して記述する。しかしな
がら、本発明は、吸収製品の着用の間下着の中に着用され、下着に取り着けられ
る衛生ナプキン又は成人用失禁製品に等しく良好に適用し得る。
本発明による吸収製品は典型的に3つの主部材、すなわち、液体透過性トッ
プシート、バックシート、及び吸収性コアを含む。吸収性コアはバックシートと
トップシートに囲まれ、製品は、トップシートの露出表面が吸収製品の着用者に
面し、一方バックシートの露出表面がパンティ固定取付手段により製品が取り着
けられる下着に面するように用いられる。典型的にこれは接着剤であるが、機械
的取付手段でもまたあり得る。
本発明は製品の収縮性に関する。収縮性の程度は、上述のような製品の部材
材料、各材料の量、収縮性を提供するために処理された材料の伸張性の選択によ
り決定される。本発明による適応性を達成するために、原材料の種類、量、およ
び処理の選択は、例えば吸収能、吸収速度、及び使用中のトップシートの外側の
表面乾燥等のような、吸収製品の他の望ましい特性とのバランスが保たれなけれ
ばならないことは当業者には明らかである。
したがって、吸収製品の主部材の典型的材料に関する以下の説明は、本発明
による収縮性の要求を満足させる多数の製品変形の提供を可能とし得る。
収縮性に加えて、本発明の好ましい態様による吸収製品は弾性的に伸張可能
である。本明細書で用いる「弾性的伸張性」という用語は、引っ張り力が解かれ
たとき、製品がその伸ばされていない又は引っ張られていない(あるいは「元の」)
寸法に戻ろうとし得ることを意味する。しかしながら、その引っ張られていない
寸法に戻ることまでは必要とされない。吸収製品が弾性的伸張性を有する場合に
は、製品の平面内、すなわち衣類に面する表面に実質的に平行に1又は2方向(
平行ではない)に伸張可能であり得る。
収縮性かつ弾性的伸張性を有する製品の材料は、それ自体弾性的に伸張可能
であるか、あるいは弾性的伸張性を提供するために処理され得る。特に、材料の
シャーリング、プリーツ寄せ、又はリングローリング、並びに弾性ストランド、
糸、またはウェブを組み合わされた男性バックシート材料、弾性トップシート材
料、繊維状材料がこれに関連して使用され得る。好適な材料および方法が当該分
野において知られており、例えば、本発明により伸張性を有する吸収製品が製造
される場合に材料の選択を容易にするために特に参照している1994年2月4
日の米国出願第08/192240号に詳細に述べられている。
以下に、収縮性であり、かつ、好ましくは弾性的伸張性あるいは非伸張性の
設計で用いられ得る吸収製品の主部材の非限定的態様について述べる。吸収性コア
吸収性コアは典型的に以下の部材を含む。すなわち、(a)任意の1次流体分
配層、(b)任意の、しかし好ましくは、2次流体分配層、(c)流体貯蔵層、(d)
貯蔵層の下にある任意の繊維質(「ダスティング」)層、および(e)他の任意部
材、である。
a.1次流体分配層
本発明による吸収性コアの一つの任意部材は、1次流体分配層である。典型
的に、この1次分配層はトップシートの下にあり、それと流体連通している。ト
ップシートは、獲得した月経流体を、貯蔵層への最終分配のためにこの1次分配
層に移送する。この1次分配層を通過する流体の移送は厚さ方向においてだけで
なく、吸収製品の長さ及び幅方向に沿ってもまた生ずる。
b.任意的2次流体分配層
また、任意的であるが好ましい本発明による吸収性コアの部材は2次流体分
配層である。典型的にこの2次分配層は1次分配層の下にあり、それと流体連通
している。この2次分配層の目的は1次分配層から容易に流体を獲得し、それを
迅速に下にある貯蔵層に移送することである。これは下にある貯蔵層の流体容量
が十分に利用されるのに役立つ。
c.流体貯蔵層
ある種の吸収性ゲル化材及び/又は他の吸収性材料を含み、吸収性ゲル化材
のために担体マトリクスを形成し得る流体貯蔵層は、典型的に1次又は2次分配
層の下にあり、これと流体連通して配置されている。吸収性ゲル化材は通常「ヒ
ドロゲル」、「超吸収剤」、「親水コロイド」材料と言われる。吸収性ゲル化材
は、水性流体、特に水性体液との接触時にそのような流体を吸収しこれによりヒ
ドロゲルを形成する材料である。典型的に、これらの吸収性ゲル化材は大量の水
性体液を吸収することができ、さらにそのような吸収した流体を適度の応力下で
保持することができる。典型的に、これらの吸収性ゲル化材は分離した、非繊維
質粒子の形態である。
流体貯蔵層は吸収性ゲル化材のみから構成され得る。または、これらの吸収
性ゲル化材は好適な担体中で均一に又は不均一に分布され得る。または、流体貯
蔵層は吸収性担体材料のみから構成され得る。
好適な担体はセルロース性繊維を含み、従来から吸収性コアに利用されてい
るようなフラッフ、ティシュー、または紙の形態にある。硬化性セルロース繊維
のような修飾されたセルロース性繊維もまた使用され得る。合成繊維もまた使用
され得、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、(オーロン
(Orlon)のような)アクリル、ポリ酢酸ビニル、不溶性ポリビニルアルコール
、ポリエチレン、ポリプロピレン、(ナイロンのような)ポリアミド、ポリエス
テル、2成分系繊維、3成分系繊維、その混合物等から形成される合成繊維が含
まれる。好ましい合成繊維のデニールは、フィラメント当たり約3デニールない
し約25デニール、さらに好ましくはフィラメント当たり約5デニールないし約
16デニールである。さらに好ましくは、繊維表面は親水性であるか、または親
水性に処理されている。貯蔵層はまた、パーライト、珪藻土、バーミキュライト
、等のような、濡れ返しの問題を減ずる充填剤を含み得る。
担体中に不均一に分布されている場合には、貯蔵層は局部的に均一に、すな
わち、貯蔵層の次元内の1または数方向に分布勾配を有し得る。不均一な分配は
また、部分的または充分に吸収性ゲル化材を含むキャリアーのラミネートと言わ
れる。ラミネートが使用される場合には、ラミネートは吸収性ゲル化材と共に、
または吸収性ゲル化材なしに形成され得る。特に熱結合されたエアーレイ(air
laid)繊維質シート又はラミネート、および/または、熱結合されたウェットレ
イ(wet laid)シート又はラミネートが、特に吸収性ゲル化材が使用されないと
きにパンティーライナーとの関連で有用であることが見出された。
好ましくは、貯蔵層には約15ないし100%の吸収性ゲル化材と0ないし
約85%の担体が含まれる。さらに好ましくは、貯蔵層には約30ないし100
%、最も好ましくは約60ないし100%の吸収性ゲル化材と、0ないし約70
%、最も好ましくは0ないし約40%の担体が含まれる。
本発明における使用に好適な吸収性ゲル化材には、大抵の場合、実質的に水
不溶性であり、わずかに橋かけ結合し、部分的に中和されたポリマー性ゲル化材
が含まれ得る。この材料は水と接触するとヒドロゲルを形成する。そのようなポ
リマー材料は重合性の、不飽和の、酸含有モノマーから調製され得る。本発明に
おいて使用されるポリマー性吸収性ゲル化材の調製における使用に好適な不飽和
酸性モノマーが米国特許第4,654,039号および第32,649号として
再発行されたものに記載されたモノマーに含まれている。好ましいモノマーには
アクリル酸、メタクリル酸、及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホ
ン酸が含まれる。アクリル酸自体はポリマー性ゲル化材の調製に特に好ましい。
不飽和の、酸含有モノマーから形成されるポリマー部材は、でんぷん又はセルロ
ースのような他種のポリマー部分にグラフトされ得る。この種のでんぷんグラフ
トポリアクリル酸エステル材料が特に好ましい。従来タイプのモノマーから調製
され得る好ましいポリマー性吸収性ゲル化材には加水分解されたでんぷんグラフ
トアクリロニトリル、でんぷんグラフトポリアクリル酸エステル、ポリアクリル
酸エステル、マレイン酸無水物ベースの共重合体、およびそれらの組合せが含ま
れる。ポリアクリル酸エステルとでんぷんグラフトポリアクリル酸エステルが特
に好ましい。
典型的にこれらの吸収性ゲル化材は粒子形態であるが、繊維、シート、又は
ストリップのようなマクロ構造の形態でもあり得ることが企図されている。
d.任意的繊維質(「ダスティング」)層
本発明による吸収性コアに含まれる任意部材は、貯蔵層に隣接し、典型的に
は貯蔵層の下にある繊維質層である。典型的に、この下にある繊維質層は、吸収
性コアの製造の間に貯蔵層内の吸収性ゲル化材をその上に堆積する基材を提供す
るため「ダスティング」層と言われる。実際、吸収性ゲル化材がラミネート、あ
るいは繊維、シート、またはストリップのようなマクロ構造の形態である場合に
は、この繊維質「ダスティング」層が含まれることは必要とされない。しかしな
がら、この「ダスティング」層はパッドの長さに沿った流体の迅速な吸い上げの
ようないくらかの追加の流体処理能を提供するため、典型的に、本発明による吸
収性コア内にそれを包含することは好ましい。
e.他の任意的部材
本発明による吸収性コアは吸収性ウェブ内に通常存在する他の任意的部材を
含み得る。例えば、補強用スクリムは吸収性コアの各層内に、あるいは各層の間
に配置され得る。そのような補強用スクリムは、特に吸収性コアの各層の間に配
置される場合には、流体移送に対する界面障壁を形成しないような形状であるべ
きである。構造的一体性が熱結合の結果として通常生ずるならば、通常は補強用
スクリムは本発明による吸収構造に必要とされない。しかしながら、使用される
場合には、補強用スクリムは望ましい収縮性を可能としなければならない。
本発明による吸収性コアに含まれ得、好ましくは1次または2次流体分配層
に接近してあるいは一部として設けられる他の部材は臭い制御剤である。これら
は活性炭またはコーティングされた活性炭、好適なゼオライトまたはクレイ材か
ら選択され得、吸収性コア内に任意に含められ、また、吸収性ゲル化剤とある種
のゼオライトととの複合材もまた有用であることが見出された。これらの部材は
しばしば分離した、非繊維質粒子として含められるが、いずれの望ましい形態に
おいても含められ得る。トップシート
トップシートは柔軟であり、柔らかな感触であり、着用者の皮膚を刺激しな
い。上で指摘したように、トップシート材はまた1又は2方向に弾性的伸張性を
有し得る。さらに、実質的にトップシートは流体(例えば、月経および/または
尿)がその厚さを通って容易に透過することを可能とする流体透過性である。好
適なトップシートは織および不織材、開孔形成熱可塑性フィルム、開孔プラステ
ィックフィルム、および油圧形成熱可塑性フィルムのようなポリマー材料、多孔
性発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、および熱可塑性スクリムのよう
な広範囲の材料から製造され得る。好適な織および不織材は天然繊維(例えば、
木材またはコットン繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン
、またはポリエチレン繊維のようなポリマー繊維)、または天然繊維と合成繊維
の組合せから構成され得る。
本発明における使用に好ましいトップシートは、高ロフト不織トップシート
および開孔形成フィルムトップシートから選択される。開孔形成フィルムは、身
体滲出物に対して透過性であり、さらに非吸収性であるため、また、液体が逆戻
りして着用者の皮膚を濡れ返させることに対し減少傾向を有するため、トップシ
ートに特に好ましい。このように、身体と接触している成形フィルムの表面は乾
燥したままであり、それにより身体を汚すことを減らし、着用者にさらなる快適
感を提供する。好適な成形フィルムが米国特許第3,929,135号、米国特
許第4,324,246号、米国特許第4,342,314号、米国特許第4,
463,045号、および米国特許第5,006,394号に述べられている。
特に好ましい微開孔形成フィルムトップシートが米国特許第4,609,518
号および米国特許第4,629,643号に述べられている。本発明に好ましい
トップシートは上の特許の一またはそれ以上に述べられている成形フィルムであ
り、「DRI−WEAVE」としてオハイオ、シンシナティのプロテクター・ア
ンド・ギャンブル社により衛生ナプキンの市場に出されている。
液体通路が均一には分布していないが一部分にのみ液体通路を含むトップシ
ートもまた本発明により企図されている。典型的にそのようなトップシートは、
中央が液体透過性であり周囲が液体不透過性となるように配置された液体通路を
有する。
成形フィルムトップシートの身体側表面は、身体側表面が親水性でない場合
よりも速く液体がトップシートを通って移送し易くするように親水性であり得る
。好ましい態様では、1991年11月19日に出願された米国特許出願第07
/794,745号において述べられているように、界面活性剤が成形フィルム
トップシートのポリマー材料に含められている。あるいは、トップシートの身体
側表面は、上記米国特許第4,950,254号において述べられているように
界面活性剤で処理することにより親水性にされ得る。バックシート
バックシートは、吸収性コア内に吸収され含まれている滲出物が衛生ナプキ
ンと接触しているパンツ、パジャマ、下着のような物品を濡らすことを防止する
。バックシートは好ましくは液体(例えば、月経および/または尿)不透過性で
あり、好ましくは薄いプラスティックフィルムから製造されるが、他の柔軟な液
体不透過性材料もまた使用され得る。バックシートは柔軟性を有することが必要
とされ、一般的な形および身体の線に容易に適合し得る。バックシートはまた、
好ましくは1または2方向に弾力的に伸ばされ得る特性を有し得る。
バックシートは、織または不織材、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱
可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、あるいはフィルムコーティングされ
た不織材のような複合材料から構成され得る。好ましくは、バックシートは約0
.012mmないし約0.051mmの厚さを有するポリエチレンフィルムである。
典型的なポリエチレンフィルムが、オハイオ州シンシナティのクロペイ社に
より名称P18−0401の下、また、インディアナ州テレホートのエチル社、
ビスクイーン・ディビジョンにより名称XP−39385の下で製造されている
。バックシートは、好ましくは、より布地のような様相を提供するためにエンボ
ス
仕上げおよび/またはマット仕上げされている。さらに、バックシートは滲出物
がバックシートを通り抜けることをなお防止しながら、蒸気が吸収構造から漏れ
出ることを可能とし得る(すなわち、通気性を有し得る)。その本来の使用によ
り吸収する少量の液体を有するパンティライナーまたは衛生ナプキンには特に、
通気性バックシートとして、(トップシートについて上で開示したフィルムのよ
うな)吸収構造に向かう方向性のある液体移送を有する開孔疎水性のポリマーフ
ィルムを利用することが可能である。収縮性
本発明により、製品は、通常の着用方法により製品にかけられる最初の応力
に適応するために下着に取り着けられた後直接的に全体として収縮することを可
能とする。その取り着け位置に適応するために、下着が(吸収構造の縦および横
に関し)1または両方向に引伸されるとき、まず、衛生ナプキンがゆるんだ状態
においてこの時点で下着に置かれるかどうか、あるいは下着自体もまたある程度
予め引伸されているかどうかを考慮することを必要とする。
これは全く使用者の個人的な癖および習慣に依存し、それゆえ、この問いに
対する全体的に確かな答えは与えられ得ないが、下着に吸収製品が置かれている
状態は、吸収製品が取り着けられている下着よりも異なる応力/張り状態にある
と信じられている。使用者は製品を予め引伸しないかもしれないが、使用者に提
供されたままの状態の製品を引伸した状態にある下着に置くと言っても差し支え
ない。
そのような製品が下着の股端の周りに折り返されたウィングまたはサイドフ
ラップを有する場合には、製品に縦方向にもまたいくらかの伸張が与えられ得る
。この折り返し工程において、着用者の中には製品がある程度横方向に予め伸張
されるように各ウィングを引っ張る傾向にある者もいる。しかしながら、通常の
使用状況下では、下着の予備伸張を越える縦または横の予備伸張のいずれも生じ
ないと信じられている。それ故、収縮性の必要性は個々の着用者により用いられ
る
取り着け技術に依存して変化し得るが、収縮性の根本的要件は大抵の着用者に利
益を与える。
収縮性を与えるために、吸収製品は、使用される材料が例えば、収縮性また
は伸張性が材料の泡状構造に基づき適応し得る発泡体材料におけるように、また
は典型的に繊維質構造を支えている繊維間接触を変形させることにより収縮を可
能とする繊維質構におけるように収縮を可能とするように提供されることを必要
とする。それ故、適切な材料選択に基づいて収縮性を備えた吸収製品の各主部材
を提供することは可能である。この点で、個々の部材は少なくとも最小限の所望
の収縮性を提供することを必要とする。材料が互いに取り付けられる手段、例え
ば接着剤には、最小限の所望の収縮性を越えて制限的収縮性ファクターを示さな
いようにそのような収縮性の適合を可能とすることが必要とされる。
収縮性を提供する別の方法は、所望の収縮方向に利用可能な材料の貯蔵を準
備しておくことである。これは単一のまたは一連の波またはプリーツを備えた材
料を提供することにより準備され得る。そのような波またはプリーツは、収縮に
よりしわになったり下着からパンティ固定手段が離脱せず、設計された形に下着
が収縮することにより、すなわち、所望通りに収縮することにより製品がかけら
れる外圧に適合し得るように製品が指摘され設計された場所において変形するこ
とを可能とし得る。そのような波またはプリーツは、製品を1または他の、ある
いは両方向の各々に収縮可能とする縦方向または横方向、あるいは縦および横の
両方向に与えられ得る。
材料本来の収縮性と波またはプリーツにより提供される構造的収縮性とを結
合することもまた勿論可能である。本明細書で用いる「波の付与された(corrug
ated)」または「波」という用語は、シート平面の法線方向の一連の連続変化の
存在を示す。平面の「法線方向」とはその平面に垂直な方向である。波はシート
平面の法線方向の連続変化であるが、本明細書で用いる「プリーツ」または「プ
リーツの付与された(pleated)」という用語は、特定の線に沿った
折り、換言すれば、シート平面の法線方向における急激な変化を言う。一連のプ
リーツはまた、波に似せるために用いられ得、理論的観点から波は無数のプリー
ツとほぼ等しくなっている。
特にパンティライナーに関し、リングローリングと呼ばれるプロセスが望ま
しい製品の収縮性を考慮して構造上の波を提供するために製品全体に用いられる
。そのようなリングローリングには、少なくとも高速製造作業において、当業者
により厳選された材料が必要とされるが、このことは上の材料選択および望まし
い収縮性を考慮すると問題はない。組み合わせに先立ち個々の材料のリングロー
リングはまた、製品に、柔軟性と柔らかさを有する収縮性に加えて通常の製品全
体の改良を提供するために有用となり得る。リングローリングは、米国特許第4
,107,364号、米国特許第4,834,741号、米国特許第5,156
,793号、米国特許第5,143,679号、米国特許第5,167,897
号、および更に異なる伸張性の提供の仕方を詳細に説明している米国特許第5,
354,400号により詳細に述べられている。
波付けもまたよく知られており、当業者に容易に用いられ得る。波は吸収製
品の縦および横方向の両方に存在し得るが、波付け技術は製品の製造中の材料移
送の方向に対して横になる波を提供するために開発された。このように、リング
ローリング操作は、典型的に波付けプロセスは垂直方向の波のみを提供し得るが
、製造中に材料の移送方向に波を提供することが考慮され得る。
しかしながら、本明細書で用いる波またはプリーツという用語は、プロセス
が製造中の材料の移送方向またはそれに垂直方向に用いられたかどうかに関係な
くリングローリングまたは波付けの結果を言う。
波またはプリーツの要求される程度(規模および頻度により規定される)は、
要求される適応性に合わせるために簡単な試行錯誤により容易に規定され得る。
それは製品の厚さおよび柔軟性の組合せに依存する。当業者はまた、波またはプ
リーツが、それらから再び平らに伸ばされるか否かに依存して異なる程度の収縮
性を可能とするように提供され得ることを認識し得る。特に全体的な収縮性は波
またはプリーツの線に垂直に製品の波またはプリーツの寄せられた部分を伸張す
ることにより増加され得る。パンティ固定接着剤
バックシートは、典型的に、パンティ固定手段がその上に配置されている衣
類に向いている表面を形成する。
パンティ固定接着剤は当該分野で用いられるいかなる接着剤または糊から構
成され得、そのような目的のためには感圧接着剤が好ましい。好適な接着剤は、
センチュリー・アドヘシブ社製のセンチュリーA-305-IV、ナショナル・スタ
ーチ社製のインスタント・ロック34-2823、3シグマ製の3シグマ315
3、およびH.B.フラー社製の2238ZPである。好適な接着固定剤はまた
米国特許第4,917,697号に述べられている。他の好適なパンティ固定接
着剤はPCT国際特許出願WO92/04000、WO93/01783、およ
びWO93/01785に示されている。
着用者のパンティの中で収縮可能な衛生ナプキンの衣類に面する表面を構成
する部材(およびすべての覆っている部材)を形成することは望ましいため、特
別な接着剤がこの性能を支える必要のあることは理解されるべきである。パンテ
ィ固定接着剤は、好ましくは、衛生ナプキンが収縮性および/または伸張性とな
るようにするために例えば断続する点、断続するストリップ、無秩序にまたは設
計された繊維状パターンのような断続パターンで用いられる。
接着剤のほかに、接着剤の代わりに、あるいは接着剤に加えて他種の固定材
を使用することもできる。これら他種の固定材は接着剤のパターンと同様のパタ
ーンに調整される。そのような固定材には従来のVELCROフック材または同
様の固定材が含まれるが、これらに限定されるものではない。
任意的保護サイドフラップは付加的安全性のためにその上に任意の固定材を
有し得る。任意的保護サイドフラップ固定材は上述した固定材のいずれのタイプ
であってもよい。固定材は保護サイドフラップが保護サイドフラップの股表面の
エッジに包まれた後に保護サイドフラップがその位置にとどまることを助ける。
吸収製品の使用前は、典型的に、パンティ固定接着剤は汚れおよびいずれか
の表面に付着すること(これは望ましくないことである)から、樹脂コーティン
グされたリリースペーパー、プラスティックフィルム、または他の容易に除去す
ることのできるカバーにより保護されている。保護カバー手段は一片、または例
えば個々の接着剤領域をカバーするために多数の部分からなるものとして提供さ
れ得る。
特にバックシート(または製品全体)に波またはプリーツを有する本発明に
よる態様においては、製品から外に向けられた波またはプリーツの部分(すなわ
ち、製品の使用の際に下着と最初に接触するバックシートの部分)にのみパンテ
ィ固定接着剤を提供することが望ましい。これらの態様に関し、保護カバー手段
は好ましくは非伸張性および非収縮性を有する材料である。次いで、保護カバー
は接着剤を保護し、保護カバーが除去されるまで製品を波状態またはプリーツ状
態に維持し得る。これに関連して、上述したリリースペーパーは最も有用である
ことが見出された。
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(72)発明者 トルドネ、アデリア・アレサンドラ
イタリア国、アイ―65125 ペスカラ、ビ
ア・モンテ・ロテンド 26