JPH1150776A - さく岩機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 さく岩ビットを岩盤等の破砕部に押し付ける
際に、上記フードが損傷するのを防止しつつ、フードを
破砕面に適正状態で密着させる。 【解決手段】 先端部にさく岩ビット１８が取り付けら
れたさく岩用ロッド８と、このさく岩用ロッド８の先端
部を覆う集塵部１０と、この集塵部１０を支持する支持
部９と、上記集塵部１０を前後方向に移動可能な状態で
支持部９に支持する平行リンク１５と、上記集塵部１０
を前方側に付勢する付勢部材１６とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、クローラドリル等
に取り付けられ、主として岩盤または岩石を破砕するた
めに使用されるさく岩機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば実開平４−９９７９１号公
報に示されるように、ガイドセルに沿って前後方向に移
動可能な状態で支持されたさく岩ビットと、このさく岩
ビットを覆うように取り付けられた集塵用のフードとを
有するさく岩機において、上記ガイドセルの先端部に設
けられた支持部に形成されたガイド溝に沿って上記フー
ドをスライド可能に支持するとともに、さく岩ビットの
ロッドをクランプするクランパ作動用シリンダに上記フ
ードを連結し、クランパ作動用シリンダによる上記ロッ
ドのクランプ動作に連動させて上記フードを後退させる
ように構成されたさく岩機が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記集塵用のフードと
クランパ作動用シリンダとを連結してこのクランパ作動
用シリンダの作動に伴ってフードを前後に進退させるよ
うに構成した場合には、上記さく岩ビットを岩盤等の破
砕部に当接させた状態で、フードのみを後退させること
によって破砕個所を目視できるという利点を有する反
面、破砕部の起伏等に対応させて上記フードを前後移動
させることが困難であり、さく岩ビットを破砕部に押し
付ける際に、上記フードが岩盤等に強固に圧接されて損
傷し、あるいはフードと破砕面との間に隙間が形成され
て集塵作用が損なわれ易いという問題がある。

【０００４】本発明は、このような事情に鑑み、さく岩
ビットを岩盤等の破砕部に押し付ける際に、上記フード
が損傷するのを防止しつつ、フードを破砕面に適正状態
で密着させることができるさく岩機を提供するものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
先端部にさく岩ビットが取り付けられたさく岩用ロッド
と、このさく岩用ロッドの先端部を覆う集塵部と、この
集塵部を支持する支持部と、上記集塵部を進退可能な状
態で支持部に支持する平行リンクと、上記集塵部を前方
側に付勢する付勢部材とを備えたものである。

【０００６】上記構成によれば、さく岩ビットによって
岩盤等の破砕部を破砕する際に、上記平行リンクが揺動
変位して集塵部が後退しつつ、上記付勢部材の付勢力に
応じて集塵部の先端部が破砕面に圧接されることによ
り、上記岩盤等の破砕時に発生する粉塵等の拡散が効果
的に防止された状態で、岩盤等の破砕が行われることに
なる。

【０００７】請求項２に係る発明は、上記請求項１記載
のさく岩機において、剛性部材からなる筒状体と、その
先端部に取り付けられた弾性部材からなるフードとを有
する集塵部を備え、上記筒状体を平行リンクによって進
退可能に支持したものである。

【０００８】上記構成によれば、集塵部の筒状体が上記
平行リンクによって安定して支持されるとともに、さく
岩ビットによって岩盤等の破砕部を破砕する際に、上記
付勢部材の付勢力に応じてフードの先端部が破砕面に圧
接されることにより、上記岩盤等の破砕時に発生する粉
塵等の拡散が効果的に防止されることになる。

【０００９】請求項３に係る発明は、上記請求項２記載
のさく岩機において、筒状体からフード内に突出するス
トッパを設け、このストッパの先端部が破砕部に当接し
た時点で、集塵部の圧接動作を規制するように構成した
ものである。

【００１０】上記構成によれば、フードの先端部を破砕
面に圧接させる際に、この破砕面にストッパが当接した
時点で、集塵部の圧接動作が規制されてフードの変形が
抑制されることになる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施形態に係るさ
く岩機を備えたクローラドリルを示している。このクロ
ーラドルは、自走式の台車１と、その前端部に揺動自在
に支持されたブーム２とを有し、このブーム２にさく岩
機３が取り付けられている。このさく岩機３は、ブーム
２の先端部に揺動変位可能に支持されたガイドセル４
と、このガイドセル４をスライド駆動する油圧シリンダ
からなるスライド駆動手段５と、上記ガイドセル４に支
持されたドリフター６と、このドリフター６をガイドセ
ル４に沿ってスライド変位させるフィーダ７と、上記ド
リフター６によって駆動されるさく岩用ロッド８とを有
している。

【００１２】上記ガイドセル４の先端部には、一対のＣ
型鋼を有するボックス状の支持部９が取り付けられると
ともに、この支持部９には、上記さく岩用ロッド８の先
端部を覆う集塵部１０が支持されている。この集塵部１
０は、図２〜図４に示すように、鋼板材等の剛性部材か
らなる円筒形の筒状体１３と、その前端部に取り付けら
れた合成ゴム等の弾性部材からなるフード１４とを有
し、上記筒状体１３には、図外の集塵機に連通するダク
ト１１が側壁部に接続されるとともに、合成ゴム製のシ
ール材１２が後端部に取り付けられている。

【００１３】上記集塵部１０は、その筒状体１３の下端
部が平行リンク１５を介して支持部９に連結されること
により、図２の実線で示す前方位置と、仮想線で示す後
方位置とに進退可能な状態で支持されるとともに、上記
平行リンク１５と支持部９の前端部との間に設置された
引張りばねからなる付勢部材１６により前方側に付勢さ
れている。また、上記支持部９の前面には、岩盤等の破
砕部に突き刺すことによって上記さく岩機３による破砕
個所を位置決めする位置決めピン１７が突設されてい
る。

【００１４】上記構成においてさく岩用ロッド８の先端
部に設けられたさく岩ビット１８を破砕部に対向させる
ように、上記自走式の台車１およびブーム２によってガ
イドセル４の位置および角度を設定した状態で、上記ス
ライド駆動手段５によってガイドセル４を前進させ、上
記フード１４および位置決めピン１７の先端部を岩盤等
の破砕部に圧接させる。そして、集塵機を作動させて集
塵部１０内の空気を吸引しつつ、上記ドリフター６およ
びさく岩用ロッド８をフィーダ７により前進させ、さく
岩ビット１８の先端部を破砕部に圧接させた状態で、上
記ドリフター６を作動させてさく岩用ロッド８を駆動す
ることにより、さく岩ビット１８によって岩盤に打撃を
与えてこれを破砕する。

【００１５】上記のように先端部にさく岩ビット１８が
取り付けられたさく岩用ロッド８と、このさく岩用ロッ
ド８の先端部を覆う集塵部１０と、この集塵部１０を支
持する支持部９と、上記集塵部１０を進退可能な状態で
支持部９に支持させる平行リンク１５と、上記集塵部１
０を前方側に付勢する付勢部材１６とを設けたため、岩
盤等の破砕部に起伏がある場合においても、上記集塵部
１０の先端部に設けられたフード１４の損傷を防止しつ
つ、その先端部を破砕面に当接させて破砕部を確実にシ
ールすることができる。

【００１６】例えば、上記岩盤等に突部がある場合に
は、この突部がフード１４に当接することによって上記
付勢部材１６の付勢力に抗して集塵部１０が後退するた
め、上記フード１４に過大な応力が作用してこのフード
１４が損傷するという事態の発生を防止することができ
る。また、岩盤等に凹部がある場合には、上記付勢部材
１６の付勢力に応じて集塵部１０を前進させることによ
り、上記フード１４の先端部を岩盤面に当接させること
ができる。したがって、上記さく岩ビット１８による岩
盤等の破砕時に発生した粉塵等が拡散するのを効果的に
防止しつつ、上記集塵機によって集塵部１０内の空気を
吸引することにより、この空気中に含まれた粉塵等を効
果的に濾過することができる。

【００１７】特に、上記付勢部材１６によって集塵部１
０を前方側に付勢するように構成したため、上記さく岩
用ロッド８を水平方向に設置して鉛直方向等に伸びる破
砕面を破砕するときのように、集塵部１０を自重によっ
て前進させることができない場合においても、上記フー
ドの先端部を破砕面に当接させて破砕部を確実にシール
できるという利点がある。

【００１８】なお、上記フード１４の先端部を岩盤面に
当接させる際に、平行リンク１５の揺動変位に応じて集
塵部１０が軸と直交する方向に移動することになるが、
この移動量はわずかであるとともに、上記筒状体１３の
後端部に合成ゴム製のシール材１２が設けられているた
め、集塵部１０が軸と直交する方向に移動する際に上記
シール材１２を弾性変形させることにより、上記集塵部
１０の移動を許容しつつ、上記筒状体１３の後端部をシ
ール材１２によってシール状態に保持することができ
る。

【００１９】また、上記実施形態では、集塵部１０に、
鋼板材等の剛性部材からなる筒状体１３と、その先端部
に取り付けられた合成ゴム等の弾性部材からなるフード
１４とを設けるとともに、上記筒状体１３を平行リンク
１５によって進退可能な状態で支持部９に支持するよう
に構成したため、上記集塵部１０をスライド自在に支持
するガイド部材等を設けることなく、上記平行リンク１
５により、簡単な構成で上記集塵部１０を進退可能な状
態で支持部９に安定して支持させることができるととも
に、破砕部に細かな起伏がある場合にも、これに対応さ
せて上記フード１４を弾性変形させることにより、この
フード１４の先端部を破砕面に密着させて破砕部を効果
的にシールすることができる。

【００２０】そして、上記のように集塵部１０のフード
１４を合成ゴム等の弾性部材によって構成した場合に
は、このフード１４が必要以上に変形するのを防止する
ため、図５に示すように、上記筒状体１３からフード１
４内に突出するストッパ１９を設け、集塵部１０を破砕
部に圧接させる際に、ストッパ１９の先端部が破砕面に
当接した時点で、このストッパ１９によって集塵部１０
の圧接動作を規制することにより、上記フード１４が必
要以上に変形して過大な応力を受けるのを防ぐようにす
ることが望ましい。

【００２１】また、図６に示すように、上記筒状体１３
の一部を切り欠いて開閉蓋２０を設置し、この開閉蓋２
０を駆動シリンダからなる開閉駆動手段２１によって駆
動して上記切欠部を開放することにより、上記集塵部１
０によって覆われたさく岩ビット１８による破砕位置を
必要に応じて目視できるように構成してもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る発
明は、先端部にさく岩ビットが取り付けられたさく岩用
ロッドと、このさく岩用ロッドの先端部を覆う集塵部
と、この集塵部を支持する支持部と、上記集塵部を進退
可能な状態で支持部に支持する平行リンクと、上記集塵
部を前方側に付勢する付勢部材とを設けたため、岩盤等
の破砕部に起伏がある場合においても、上記集塵部の先
端部に設けられたフード等が破砕部に強固に圧接されて
損傷したり、あるいは集塵部の先端部と破砕部との間に
隙間が形成されて集塵作用が損なわれの損傷したりする
のを、簡単な構成で効果的に防止しつつ、上記付勢部材
の付勢力に応じ、集塵部の先端部を破砕面に圧接させて
破砕部を確実にシールし、上記岩盤等を破砕時に発生す
る粉塵等の拡散を防止することができる。

【００２３】また、請求項２に係る発明は、剛性部材か
らなる筒状体と、その先端部に取り付けられた弾性部材
からなるフードとを有する集塵部を備えるとともに、上
記筒状体を平行リンクによって進退可能に支持したた
め、上記集塵部をスライド自在に支持するガイド部材等
を設けることなく、上記集塵部を進退可能な状態で上記
支持部に安定して支持することができるとともに、破砕
部の起伏に対応させて上記フードを弾性変形させること
により、このフードの先端部を破砕面に密着させること
ができる。

【００２４】また、請求項３に係る発明は、筒状体から
フード内に突出するストッパを設け、このストッパの先
端部が破砕部に当接した時点で、集塵部の圧接動作を規
制するように構成したため、フードの先端部を破砕部に
当接させる際に、このフードが必要以上に変形して過大
な応力を受けるのを防止できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るさく岩機を備えたクローラドリル
の全体構成を示す説明図である。

【図２】本発明に係るさく岩機の実施形態を示す側面図
である。

【図３】上記さく岩機の要部を示す部分切欠正面図であ
る。

【図４】上記さく岩機の要部を示す側面断面図である。

【図５】本発明に係るさく岩機の別の実施形態を示す部
分切欠側面図である。

【図６】本発明に係るさく岩機のさらに別の実施形態を
示す正面断面図である。

【符号の説明】

８ さく岩用ロッド ９ 支持部 １０ 集塵部 １３ 筒状体 １４ フード １５ 平行リンク １６ 付勢部材 １８ さく岩ビット １９ ストッパ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部にさく岩ビットが取り付けられた
   さく岩用ロッドと、このさく岩用ロッドの先端部を覆う
   集塵部と、この集塵部を支持する支持部と、上記集塵部
   を進退可能な状態で支持部に支持する平行リンクと、上
   記集塵部を前方側に付勢する付勢部材とを備えたことを
   特徴とするさく岩機。
2. 【請求項２】 剛性部材からなる筒状体と、その先端部
   に取り付けられた弾性部材からなるフードとを有する集
   塵部を備え、上記筒状体を平行リンクによって進退可能
   に支持したことを特徴とする請求項１記載のさく岩機。
3. 【請求項３】 フード内に突出するストッパを筒状体に
   設け、このストッパの先端部が破砕部に当接した時点
   で、集塵部の圧接動作を規制するように構成したことを
   特徴とする請求項２記載のさく岩機。