JPH11507266A - 解剖学的通路の側枝を内視鏡的に視覚化して観察しながら閉塞するための一体化した内視鏡を有する側枝閉塞カテーテル用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内視鏡による誘導下で解剖学的通路の側枝を閉塞（例えば塞栓）するための用具。この用具は、塞栓カテーテルのような側枝を閉塞するための装置をその内部に配置し、そしてさらに内視鏡を組み込んだ、細長いカテーテル本体を含む。組み込まれた内視鏡は、a)解剖学的通路から出る側枝を視覚的に配置し、そしてb)側枝閉塞装置の操作を視覚的に観察するために使用し得る。さらに、静脈の側枝をインサイチュで閉塞する方法を包含する、血管顕微鏡での視覚下の下における上記の特徴を有する用具を使用するための方法が開示される。この用具の内視鏡構成体はまた、１つ以上の別の用具、例えば、静脈管腔内配置される静脈弁を切開するために使用する弁膜切開具のような用具の使用および/またはその効果を視覚的に確認するために使用し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 解剖学的通路の側枝を内視鏡的に視覚化して観察しながら閉塞するための 一体化した内視鏡を有する側枝閉塞カテーテル用具 発明の属する技術分野 本発明は、一般的には医療用具および方法に関し、より詳細には、血管のよう な管状の解剖学的通路の側枝を管腔内で閉塞するための装置および方法に関する 。 発明の背景 臨床医学においては、時によって、身体の特定の血管または解剖学的通路を選 択的に封鎖することが望まれる。例えば、a)出血を処置または予防するために局 所的に止血する手段として；b)血流が動脈の動脈瘤領域を通過するのを阻止する 手段として；c)腫瘍への血液の供給を阻止する手段として、そしてd)血管セグメ ントの側枝を閉鎖除去し、閉塞動脈を代替する、またはバイパスするための移植 片として使用する手段として、血管の選択的な封鎖が使用され得る。 静脈セグメントを使用して閉塞した動脈にバイパスを設ける外科手術的手順の １つの特定のタイプは、インサイチュ静脈バイパス法と呼ばれている。このよう なインサイチュ静脈バイパス法は、アテローム性動脈硬化症によって脚部の動脈 （例えば、大腿動脈または膝窩動脈）が閉塞した患者に対する治療手段として、 しばしば使用されている。これらの手順では、一般的に閉塞動脈と平行に走って いる静脈が、a)動脈封鎖部の上下部位の静脈を離断し、b)静脈セグメント管腔内 に弁膜切開具を挿入して、その中にあるすべての静脈弁を壊し、または解体し、 そしてc)上記静脈セグメントのすべての側枝を封鎖することによって準備される 。続いて、上記静脈セグメントの端を閉塞動脈の上下部位で封鎖動脈に吻合し、 それによって動脈封鎖部の周囲にバイパス導管を形成する。 従来、インサイチュバイパス法で使用される静脈セグメントの側枝を封鎖する のに使用される手順では、a)そこから出るすべての当該側枝の位置を確認し、結 紮するために静脈セグメント全体を外科手術的に曝露して切開するか、またはb) 静脈側枝の位置を確認して、小さな個々の切開によって、静脈側枝に接近してこ れを結紮できるよう、血管造影の放射線医学的技術を用いる必要がある。しかし 、これらの従来の側枝封鎖法は多くの問題点に関連する。例えば、静脈セグメン トを外科手術的に曝露し、切開することは大がかりな切開となり、傷の感染およ び手術後の不快感の可能性を伴う。あるいは、側枝の位置を確認するために血管 造影の放射線医学的技術を用いる場合、患者の放射線への実質的な曝露をもたら し、そして、側枝の透視検査を容易にするために静脈内に造影媒体を注入する必 要がある。 より近年では、静脈に血管顕微鏡を挿入して静脈セグメントの側枝を直接視覚 化し、そして血管内塞栓カテーテルを使用して、側枝の外科手術的曝露、または X線造影流体の注入を必要としないで、側枝を管腔内閉塞し得るようにする単純 化した血管内技術の開発に努力が払われてきた。 血管顕微鏡で直接視覚化してこれらの血管内塞栓カテーテルを使用するには、 a)静脈側枝の位置を視覚化し、b)血管内側枝閉塞法の実施を視覚的に観察および 誘導するために、別の血管顕微鏡を使用する必要がある。 塞栓カテーテルとは別の血管顕微鏡を操作し使用することには、難点があるこ とがわかっている。とりわけ、a)静脈セグメント内のすべての静脈側枝を注意深 く確認し、b)血管内側枝塞栓法を正しく可視化し観察するため、前記血管顕微鏡 を正しい位置に維持することは困難である。また、これらの手順は代表的には、 別の血管顕微鏡を後退方向またはその反対方向に挿入し、その方向に塞栓カテー テルを挿入することを必要とする。その場合、側枝と塞栓カテーテルが挿入され る方向がなす解剖学的角度が、通常、鈍角をなすため、側枝を可視化するのに最 適な観点（vantage point）より小さくなり、その結果、側枝の中へ開いた管腔 開口部は、反対方向に挿入されている血管顕微鏡によって与えられる、側枝を可 視化するための最適な観点からずれてしまう。 従って、a)用具が静脈セグメントの管腔を通って前進するのに従い、その用具 上に配置された観点から静脈側枝の位置を明確に確認し、そしてb)側枝封鎖用具 （例えば塞栓カテーテル）を各側枝の封鎖状態を視覚的に確認するために使用し 得、一体化された血管顕微鏡を組み込んだ、改善された血管内側枝封鎖用具（例 えば塞栓カテーテル）を開発するための技術的な必要性がある。 発明の要旨 本発明は、内視鏡（例えば血管顕微鏡）で可視化しながら解剖学的通路（例え ば血管）の側枝を管腔内で閉塞するための方法および用具を提供する。本発明の 用具は、a)その内部を通って長手方向に伸びる第１および第２の管腔を有する、 細長い可撓性のカテーテル本体；b)カテーテル本体の遠位端近傍に形成され、カ テーテル本体の第２の管腔と連絡する側面開口部；c)カテーテル本体の第２の管 腔内に配置され、そしてカテーテル本体の側面開口部の外へ少なくとも１つの閉 塞部材を通すように働く塞栓用具；およびd)カテーテル本体の第１の管腔内に配 置され、i)カテーテル本体遠位端の前方の領域が見えるように内視鏡が設定され る、遠位に前進した位置と、ii)カテーテル本体の側面開口部から（閉塞部材が その側面開口部から外へ通過するのを妨害することなしに）見えるように内視鏡 が設定される近位に後退した位置との間で前後に動き得る内視鏡（例えば血管顕 微鏡）からなる。 本発明の方法に従い、上で述べた特徴を有する用具は、遠位端が最初に解剖学 的通路を通って前進するにつれて、用具の内視鏡（例えば血管顕微鏡）が、解剖 学的通路から出る側枝を観察しながらその位置が確認できる位置まで遠位に前進 した位置に最初に位置し、そしてこの内視鏡が、続いて閉塞部材が側面開口部か ら出て解剖学的通路の側枝の中へ入るのが見える位置まで近位の後退位置まで後 退するよう操作され得る。 本発明のさらなる目的および利点は、当業者が、以下に述べる詳細な説明およ び添付の図面を読んで理解することにより明白になる。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の用具の１つの実施態様の透視図である。 図2aは、前記用具の血管顕微鏡構成体をその遠位に前進した位置に有する、図 １の用具の遠位端の拡大透視図である。 図2bは、前記用具の血管顕微鏡構成体をその近位に後退した位置に有する、図 １の用具の拡大透視図である。 図2cは、図１の用具の遠位端の一部を形成する挿入部材の拡大背面透視図であ る。 図3aは、上記用具の血管顕微鏡構成体をその遠位に前進した位置に有する、図 １の用具の遠位端の縦方向断面図である。 図3bは、上記用具の血管顕微鏡構成体をその近位に後退した位置に有する、図 １の用具の遠位端の縦方向断面図である。 図４は、図１の用具の近位アセンブリ部の拡大立体図である。 図4aは、図４のセグメント4aの拡大縦方向断面図である。 図5aは、図４の直線5-5線からみた縦方向断面図である。 図6a〜6eは、血管顕微鏡で誘導および可視化しながら血管の側枝の管腔を閉塞 するために、本発明の用具が使用される方法を段階的に示した図である。 好ましい実施態様の詳細な説明 以下の詳細な説明および付随する図面は、単にこの発明の当座の好適な実施態 様を説明し、図示する目的のためのものであって、この発明の範囲をいかなる形 であれ限定しようとするものではない。 i．好適な用具 付随する図面に関して、この発明の好適な用具10は、近位端PEおよび遠位端DE を備えた、細長い可撓性のカテーテル本体12からなる。カテーテル本体12は、そ れを長手方向に通って伸びる第１の管腔14と第２の管腔16を備えた二重管腔チュ ーブからなる。図に示されているように、二重管腔チューブの遠位端部材には遠 位先端部材18が取り付けられている。遠位先端18は、剛直で、一般的には円筒形 の部材であって、第１の直径DPを有する遠位端PE、およびそれより小さな第２の 直径を有する近位管状部材36を備えている。遠位先端部材18の近位管状部材36は 、遠位先端部材18が前記カテーテル本体12の遠位端を形成するように、二重管腔 チューブに挿入され、固定されている。遠位先端部材18は、正しく位置決めされ ていればカテーテル本体12の第１の管腔14と整列する、第１の管腔溝20を含んで い る。同様に、遠位先端部材18は、正しく位置決めされる場合カテーテル本体12の 第２の管腔16と整列する、第２の管腔通路22を含んでいる。前記先端部材18の遠 位面24は、第１の管腔溝20の遠位端に形成されている一般的にはU字形をした血 液顕微鏡のビューポート（view port）26を除いて、実質的に閉鎖されている。 前記の好適な実施態様では、図に示されているように、一般的にはU字形をした 血液顕微鏡のビューポート26は、先端がテーパー状またはシャンファー状の縁を 有する。 カテーテル本体12の第１の管腔14と第２の管腔16の間には隔壁28が存在する。 このような隔壁28は、遠位先端部材18の遠位面24の近位において、距離をあけて 終結する。遠位先端部材18の遠位面24に形成されている血管顕微鏡のビューポー ト26の近位に、一般的にはU形をした血管顕微鏡支持棚（supporting ledge）30 が形成される。このような血管顕微鏡支持棚30は、第１の管腔溝20の一般的には U形をした床面と整列する。示すように、遠位面24のすぐ手前、そして隔壁28の 最先端のさらに先の遠位先端部材18内に側面開口部32が存在する。第２の管腔通 路の遠位端22と遠位先端部材18の側面開口部32の間、遠位先端部材18の内側に曲 線もしくは角度を持った湾曲面34が形成されている。上記実施態様に示されるよ うに、湾曲面34は、円弧または曲線形である。しかし、このような湾曲面は、側 面開口部32の外にある遠位先端部材18を湾曲させる、角度を有する曲がりでも良 いし、別の形状でもよい。図に示されるように、遠位先端部材18の第２管腔通路 の近位部内には、剛直なスリーブ部材36が固定して取り付けられ、一部は遠位先 端部材の遠位部DPにまで伸びる。この剛直なスリーブ部材36は、隔壁28の下、カ テーテル本体12の第２管腔16内へ進入し、カテーテル本体12の第２管腔16内に配 置された塞栓用具42の遠位管状部材40の案内として働く。 前記塞栓用具42は、遠位端から伸びる遠位管状部材40を有する、細長い柔軟な （pliable）塞栓カテーテル本体44を含む。塞栓カテーテル本体44の管腔内およ び遠位先端部材40内部には、弾力性のある塞栓コイル46が配置されている。この ような塞栓コイル46は、プッシュワイヤ48の前に位置し、プッシュワイヤ48は、 カテーテル本体44の管腔内に配置される。 カテーテル本体12の近位端上には、近位Yコネクタ50が位置する。このYコネク タ50は、主要本体部52およびサイドアーム54を含む。前記Yコネクタ50のサイド アーム54からは、延長チューブ56および塞栓用具プランジャバレル58が外へ伸び る。カテーテル本体44およびプッシュワイヤ48は、Yコネクタ50のサイドアーム5 4を通って、さらに管状延伸物56を通って、バレル部材58内に配置されたプラン ジャ部材60の内部へ伸びる。カテーテル本体44の外表面には、一般的には円錐形 をした遠位面を有する、接合部材62が取り付けられる。プランジャ60の内側には 、第１および第２の嵌合管状部材45および49が配置される。前記プッシュワイヤ 48は、前記第１の嵌合管状部材45を通って第２の嵌合管状部材49の管腔内へ伸び 、そこで固定される。第２の嵌合管状部材49の近位端は、図５に示すように、プ ランジャ60の近位端に接合して固定される。 剛直な接合突起部70は、バレル58の内部に伸び、そして、その近位端に、一般 的には円錐形のくぼみ72を組み込んでいる。プランジャ60が遠位端に向かって押 されると、接合部材62の一般的には円錐形をした遠位表面が、接合突起部70の一 般的には円錐形のくぼみに接合し、そして、プランジャ60の一般的には円筒形の 壁が、接合突起部70を囲んでいる一般的には環状の間隙74へ進入する。このよう にして、プランジャ60の本体は遠位端方向に前進し続けるが、カテーテル本体44 の外部表面に固定されている接合部材62が接合部材突起部70に接合しているため 、もはやそれ以上遠位端方向には進むことができない。まず最初にプランジャ60 を前方へ動かすと、カテーテル本体44全体が前進して、遠位管状部材40がスリー ブ36を通って前方へ滑動し、そして遠位先端部材18の円弧湾曲面34に衝突する。 プランジャ60がさらに前進すると、遠位端管状部材40は、遠位端管状部材40の遠 位側部分がカテーテル本体12から外へ向かって、カテーテル本体12の長手方向軸 LAに対して実質的に垂直な方向に突き出るように、円弧接合面34に沿って、遠位 先端部材の側面開口部32から外へ向かう。その後、プランジャ60に対し圧力をか け続けると、プランジャ60の円筒形本体は、環状の間隙74内を前進し続け、それ によってプッシュワイヤ48が押され、カテーテル本体44を通って前進する。この ようにプッシュワイヤが遠位方向へ前進することにより、塞栓コイル46は遠位管 状部材40の中を通ってその遠位端から外に出る。 塞栓コイル46が遠位管状部材40の遠位端から外へ押し出されると、プランジャ 60は近位方向へ引き戻され、それによってカテーテル本体44および遠位管状部材 40はカテーテル本体12の第２管腔16内へ完全に引き戻される。プランジャ全体60 、カテーテル本体44およびプッシュワイヤ48を完全に抜き、上で説明し、かつ図 3aおよび3bで示したように、さらに別の塞栓コイル46をあらかじめ塞栓カテーテ ル44の中へ装填して、別のプランジャ60、カテーテル本体44およびプッシュワイ ヤ48を含む別の代替ユニットと交換する。卵形窓76がバレル58の本体に形成され 、それによって、塞栓コイルを配置する手順の間にプランジャ60が押し下げられ るにつれ、操作者はカテーテル本体44および円錐形接合部材62の前進を観察する ことが可能になる。 内視鏡本体82の遠位端DEに関して、内視鏡80の視野を照らすため、１つ以上の 照明光出口85が設けられ得る。あるいは、照明光出口85および像受容口84は、単 一の口またはレンズ表面に組み入れても良く、その場合、内視鏡本体82の遠位端 から照明光が放射され、そして同時に光学像がそこに受像される。照明光出口85 は、内視鏡本体82を通って長手方向に伸びる１つ以上の照明ファイバの束に接続 される。同様に、光学像受容口84は、１つのレンズ、または内視鏡本体82を通っ て長手方向に伸び、そして１つ以上の光学像伝達ファイバに接続されたその他の 連絡手段を含む。内視鏡本体82は近位コネクタアセンブリ50の主要本体部52を通 って伸び、内視鏡調節/制御アセンブリ86に接続される。取手部88および近位内 視鏡コネクタアセンブリ90は、内視鏡調節/制御アセンブリ86から近位に伸びて いる。近位コネクタアセンブリ90は光源コネクタ92を組み込んでおり、それによ り光源は内視鏡の照明ファイバに接続され、照明光を内視鏡本体82を通ってその 遠位端にある照明光出口82から近位方向に通過させ得る。同様に、近位内視鏡コ ネクタアセンブリ90は、カメラコネクタ94を組み込み、それによってカメラ、接 眼レンズ（eye piece）、ビデオモニタ、ビデオテープレコーダおよび/またはそ の他のビデオ観賞装置を内視鏡90の光学像ファイバと接続し、像受容口84から受 像した光学像をエレクトロニクス的に処理し、そして映像化し得る。 図４および4aの詳細図に示すように、内視鏡調整/制御アセンブリ86は、上記 用具のカテーテル本体12に対する内視鏡80の公差もしくは寸法決め（サイジング ）が変動することによって内視鏡80に望ましくない突出しや位置決め誤差が生じ た 場合、それを取り除くために、前記用具のカテーテル本体12に対する内視鏡の長 手方向の位置を正確に調節するための微調整機構100を組み込む。また、内視鏡 調節/制御アセンブリ86には内視鏡前進/後退機構102を組み込んでいるので、そ れによって操作者は内視鏡80を、遠位に前進した位置（図2a、3a）と遠位で後退 した位置（図2b、3b）との間で動かし得る。 調整/制御アセンブリ86の長手方向の微調整機構100は、Yコネクタアセンブリ5 0の主要本体部52の近位に配置される、回転可能なナット106を含む。内視鏡本体 82は、近位Yコネクタ50の中心本体52を通り、そしてさらに、回転可能なナット1 06の内部の通路108を通って伸びる。回転可能なナット106は、通り抜ける（thre aded）内部通路108を有し、長手方向に貫通している。外部に通り抜ける部材112 に、回転可能なナット106の内部通路が係合する。ナット106を第１の方向に回す と外部に通り抜ける部材112と内視鏡本体82が遠位方向に前進し、逆に、ナット1 06を逆方向に回すと外部に通り抜ける部材112と内視鏡本体82は近位方向に後退 する。このように、回転可能なナット106は、用具10の残りの部分に対して内視 鏡本体82を長手方向に位置決めするための微調整に使用し得る。このような微調 整は、内視鏡本体82の遠位端DEが用具10に挿入される前に、確実にビューポート 26の正しい位置に設置されるように達成することが可能であり、それによって、 用具10の残りの部分に対する内視鏡本体80の寸法決めまたは製造公差の変動から 生じるおそれがある誤った内視鏡の位置を排除し得る。 さらにまた、特に図４および図4aに関して、内視鏡前進/後退機構102は、一般 的には円筒形をした外部部材120を含み、その外表面には複数個の環状のリブ122 が形成され、環状の部材120を前進および/または後退させる時に操作者の指が滑 るのを防止する。係合部材124は、内視鏡本体82、および円筒形部材120の周囲内 部表面にしっかりと固定されている。係合部材124の外部表面の周りに形成され た環状ノッチの中には環状バネ部材130が置かれ、そして、円筒形部材120の内部 表面には、対応する一連の係合するノッチまたはデテント131が形成されている 。従って、円筒形部材120、係合部材124、内視鏡本体82および近位内視鏡コネク タアセンブリ90は、同時に、カテーテル本体12、近位Yコネクタアセンブリ50、 微調整機構100、および取手部88に対して長手方向に後退および前進し得る。こ の ような長手方向の運動が達成されるにつれ、バネ部材130が個々のデテント131に 斜めに係合して、内視鏡本体82を選択した長手方向の位置に付勢および保持する 。この点に関して、操作者が円筒形部材120を手でつかんで動かすことにより、 内視鏡80の照明光出口86および像受容口84が遠位先端部材18の遠位面24に形成さ れた像受容口126のすぐ隣りまたはすぐ内部に位置する遠位に前進した位置（図2 a、3a）と、内視鏡本体80の照明光出口86および像受容口36が遠位先端部材18に 形成された側面開口32のすぐ近位に位置する、近位に後退した位置（図2b、3b） との間で内視鏡80が移動することが達成され得る。この点に関して、内視鏡80が 遠位に前進した位置にある時は（図2a、3a）、内視鏡本体80を使用してカテーテ ル本体12の遠位端DEの前方および周辺領域を可視化し得、それによって、閉塞ま たは閉塞しようとする血管および血管の側枝の位置を通ってカテーテル本体12を 前進させるのが容易になる。血管の側枝が確認された後、内視鏡本体80を近位の 後退した位置まで引き戻し（図2b、3b）、それによって、遠位先端部材18の円弧 湾曲面34を、内視鏡本体80を使用して塞栓コイル46を挿入しようとする側枝のす ぐ隣接位置に設置し得ることを確実にし得る。その後、引き続き内視鏡80を用い て、塞栓カテーテル用具42のプランジャ60をバレル58の中へ押し下げるにつれ、 遠位管状部材40を含む塞栓カテーテル44は、遠位方向に前進し、円弧湾曲面34に 沿って偏りながら側面開口部32から外へ出て、隣接して位置した血管の側枝に達 する。その後、内視鏡本体80を続いて用いて、塞栓コイル46が塞栓カテーテル44 の遠位管状部材40を通って隣接する側枝内へ入るのを観察し得る。その後内視鏡 本体80を続いて用いて、塞栓カテーテル44の遠位管状部材40が、カテーテル本体 12の第２管腔16内へ後退するのを観察し得る。 このように、内視鏡本体80が、遠位に前進した位置（図2a、3a）と近位に後退 した位置（図2b、3b）との間で長手方向に動くことができることにより、内視鏡 82を、用具10のカテーテル本体12の前進および位置決め、そしてそれに続く意図 する側枝への塞栓カテーテル用具42の配置および塞栓コイル46のそこへの挿入の 両方に利用することが容易になる。 ii．好ましい方法 図6a-6eは、用具10を使用して、血管顕微鏡の誘導下にて血管内で側枝を閉塞 させる手順を実施するための好ましい方法を段階的に例示する。 一般的には、図6a-6eは、管腔L₁を有する血管BVを示す。図に示すように、血 管BVから、側枝の管腔L₂を有する側枝SBが出る。さらに、例示の目的で、血管BV の管腔L₁内部の代表的な位置に静脈弁VVが示される。 用具10を挿入する前に、操作者は、円筒形部材120が遠位に一杯に遠位に前進 した位置にあることを手動で確認し、その後、微調整ナット106を手で回して、 内視鏡本体82の遠位端が用具10の遠位端表面24に対して正しい位置にあることを 確実にする。このように用具10を眼で検査して準備した後、図6a-6eに示すよう に、そして以下に説明するように、用具を挿入して使用する。 図6aは、用具10のカテーテル本体12を患者の血管内に挿入し、そして管腔に沿 って前進させ、それから側枝閉塞手順を実施する血管BVセグメントへ至る方法の 最初の段階を示している。用具10の内視鏡の前進/後退機構102を手で最遠位まで 前進させ、それによって、内視鏡本体82の遠位端を、遠位先端部材18の遠位面24 に形成されている内視鏡のビューポート26内に位置させる。このような位置では 、内視鏡80は、図6aに陰影で示す用具10の遠位端の前方にある視野を提供する。 従って、このような位置にある場合、側枝SBの存在および位置を確認し、用具10 の側面開口部32が正しく血管BVの側枝SBの隣に位置するのを容易にし、それによ って、カテーテル本体12の中に装着された塞栓用具42を用いて、塞栓コイル46を 側枝SBに運ぶために内視鏡80を使用し得る。次いで、図6bに示すように、内視鏡 前進/後退機構102を最近位まで移動させ、それによって内視鏡80を近位に後退し た位置まで後退させる。近位に後退した位置にある場合、内視鏡80は側枝SBの開 口部、用具10の側面開口部32、および塞栓用具42の遠位管状部材40が側枝SBを通 過するのを誘導する働きをする円弧湾曲面部34を含む視野を与える。これに関し て、塞栓用具42の遠位先端部材40を曲げながら側枝SBの管腔L2へ挿入するため、 内視鏡80を用いて、カテーテル本体12の側枝SBに対する正しい位置を視覚的に決 定し、その結果、円弧湾曲面34が側枝SBの管腔L₂と整列する。 図6Cに示すように、カテーテル本体12の遠位端DEが正しく位置した後、プラン ジャ60を塞栓用具42のバレル58の内部へ前進させ、それによって遠位管状部材40 は遠位方向に進み、円弧湾曲表面34によって曲がりながら側枝SBの管腔L₂へ入る 。 図6dに示すように、さらにプランジャ60を塞栓用具42のバレル58の中へ進める と、プッシュワイヤ48が遠位端に前進し、それにより、塞栓コイル46が塞栓カテ ーテル本体の管腔を通って遠位管状部材40の遠位端から外へ出て、そして側枝SB の管腔L₂の中へ押し出される。塞栓コイル46が、遠位管状部材40の遠位端から出 るにつれて、緻密に巻かれた螺旋またはその他のマス（mass）形状を取って、そ れにより側枝SBの管腔L₂内の閉塞または封鎖を形成することを弾性的に確実にす る。塞栓コイル46が側枝SBの管腔L₂中へ配置されると、プランジャ60を近位方向 に引き、それにより、塞栓カテーテル本体44を後退させ、そして遠位管状部材40 を、再び用具10のカテーテル本体12の第２管腔16の内部へ完全に後退させる。そ の後、内視鏡80を遠位に前進した位置まで再び戻し、そしてカテーテル本体12を 別の側枝部位へ進め、ここで上述の側枝閉塞手順をくり返し得る。 図6eに示すように、すべての側枝SBを閉塞した後、用具10を血管から除去する 。図に示すように、塞栓コイル46は各側枝SBの管腔L₂内に残留する。 内視鏡80が遠位に前進した位置にある場合、カテーテル本体12の遠位端DEの前 方に位置する別々の器具を視覚的に観察し、誘導するために血管顕微鏡80を使用 し得ることが理解される。例えば、内視鏡80を遠位に前進させて位置させ、血管 BVの管腔L₁に生じた静脈弁VVを解体するための別の血管内弁膜切開具を視覚的に 観察しそして誘導するために使用し得る。 任意の適切な型の弁膜切開具を、本発明の用具に組み入れた内視鏡80での視覚 化下で行われる本発明の側枝封鎖手順の実施と平行し、または組み合わせて、静 脈弁VVを切開するために使用し得る。本発明と組み合わせて使用し得る弁膜切開 具の１つは、この発明と同一日に出願された「静脈弁の管腔内解体のための方法 および用具」と題される米国特許出願（Wicherskiら）に記載されている用具で ある。 本発明の用具の使用中に、血管顕微鏡による視覚化を容易にするため、0.9%食 塩水またはリンゲル乳酸溶液のような透明液体を血管の管腔Lに導入して管腔L内 の血液と置換し、内視鏡80で視覚化するための光学的に透明な環境を供給し得る 。 このような溶液は、特に、用具10が経皮的に挿入されている場合に、用具10を取 り囲む導入シースを使用して注入し得る。あるいは、弁膜切開具が後退したまた は逆の方向で挿入され、かつ本発明の用具10と連携して別々に使用される場合、 所望の液体を、上記弁膜切開具の液体注入管腔を通して注入し得る。 あるいは、別々の灌注カテーテルを静脈に挿入し、そして所望の液体を血管BV の管腔L内へ注入するために使用し得る。 さらに別の方法として、本発明の用具10内に別々の液体注入管腔を形成しても よく、そして、注入のために、別々の導入器、カテーテル、弁膜切開具またはそ の他の装置を使用する必要なく、所望の液体を本発明の用具10を直接通して注入 し得る。 要約すると、本発明の好ましい実施態様を参照して、本発明を本明細書中に記 載してきたことが理解される。意図される本発明の精神と範囲から逸脱すること なく、上記の好ましい実施態様において様々な変化、改変、追加、および削除が なされ得る。従って、このような変更、改変、削除、および修飾は、以下の請求 の範囲の範囲内に包含されることが意図される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ソスノウスキー，ステファン アメリカ合衆国 カリフォルニア 92056, オーシャンサイド，カーネギー ドライブ 3764 (72)発明者 ローゼンタール，デイビッド アメリカ合衆国 ジョージア 30067，マ リエッタ，ランズ ミル エス．イー． 341

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内視鏡で可視化しながら解剖学的通路の側枝を管腔内で塞栓するための用具 であって； 縦軸、近位端、遠位端、および長手方向に伸びる少なくとも第１のおよび第２ の管腔を有する、細長い可撓性のカテーテル本体と； 該カテーテル本体の遠位端近傍に形成され、該第２管腔と連絡する、側面開口 部と； 該カテーテル本体の前記第２管腔内に配置され、少なくとも１つの塞栓部材を 通過して該側面開口部の外へ出るように作動し得る、塞栓用具と； 該カテーテル用具の該第１管腔の中に配置され、遠位端および少なくとも１つ の像受容口を有し、該カテーテル本体に対して、後ろおよび前に交互に動き得る 内視鏡であって、 ｉ．該内視鏡の該像受容口が位置して、該カテーテル本体の遠位端の前方の 領域の視野を供給する、先端方向へ前進した位置と、 ii．該内視鏡の像受容口が位置して、該塞栓部材が該側面開口部を通過して 外へ出るのを妨害することなく該側面開口部の視野を供給する、近位に後退した 位置との間を後ろおよび前に交互に動き得る内視鏡と、 を含む、用具。 ２．湾曲面が、前記カテーテル本体の中の、前記第２管腔の遠位端と該カテーテ ル本体に形成された前記側面開口部との間に形成され； ここで、該塞栓用具が、遠位端と、その遠位端上に形成された湾曲可能な遠位 管状部とを有する細長い塞栓カテーテルとを含み； 該細長い塞栓カテーテルが、該カテーテル本体の第２管腔内部に配置され、そ してその中で後ろおよび前に動き得； 該塞栓カテーテルが遠位方向に移動する場合、該塞栓カテーテルの遠位管状部 材が接触し、そして該遠位管状部材が、前記カテーテル本体の開口部から外へ突 き出すように該湾曲面に沿って曲げられるように、該湾曲面が配置され位置する 、 請求項１に記載の用具。 ３．前記湾曲面が、前記第２管腔と前記用具の前記側面開口部との間に曲線移動 表面を形成するように曲線形状である、請求項２に記載の用具。 ４．前記湾曲面が、角度を有する曲がり形状をしていて、それによって前記第２ 管腔と前記用具の側面開口部との間に角度を有する移動表面を形成する、請求項 ２に記載の用具。 ５．前記塞栓カテーテルの前記遠位管状部が、前記カテーテル本体の側面開口部 から外に曲げられている場合に、該遠位管状部材が該カテーテル本体から該カテ ーテル本体の長手方向軸に対して実質的に垂直な方向に突き出すように、前記曲 げられた湾曲面が構成されている、請求項２に記載の用具。 ６．前記閉塞部材が、前記塞栓カテーテルの内部で、伸びた細長い形状で配置さ れ、そして、前記管状部材の遠位端から放出された場合に、コイル形状になるよ うに弾力的にコイル形状に付勢されている、弾力性のある塞栓コイルを含む、請 求項３に記載の用具。 ７．前記塞栓カテーテルが、該塞栓カテーテルの内部で、前記塞栓コイルの近位 に配置されたプッシュ部材をさらに含み、該プッシュワイヤが、該カテーテルを 通って該塞栓コイルを押し、そしてその遠位管状部の遠位端から出るように作動 可能であり、他方、該遠位管状部が、該カテーテル本体の側面開口部から突き出 る、請求項４に記載の用具。 ８．前記内視鏡が、 長手方向軸、近位端、および遠位端を有する、細長い柔軟性の内視鏡本体と； 該内視鏡本体に形成された、像受容口と； 該内視鏡本体に形成された、照明光出口と； 該内視鏡本体を通って長手方向に伸び、そして該像受容口と連絡する、少なく とも１つの画像受容光ファイバと； 該本体を通って長手方向に伸び、そして該照明光出口と連絡する、少なくとも １つの照明光伝達ファイバと、 を含む、請求項１に記載の用具。 ９．請求項８に記載の用具であって： 前記内視鏡が遠位に前進した位置にある場合、前記カテーテル本体の遠位端の 前方へ照明光を投射し、そして該カテーテル本体の遠位端の前方に位置する視野 からの光学的像を受像するように、該内視鏡の照明光出口と像受容口とが位置し 、そして、該内視鏡が該近位に後退した位置にある場合、該カテーテル本体の側 面開口部内に照明光を投影するように、該内視鏡の照明光出口が配置され、そし て該カテーテルの側面開口部内の領域を含む視野から映像を受像するように前記 内視鏡の像受容口が位置するように、内視鏡が位置する、用具。 １０．前記内視鏡が前記遠位に前進した位置にある場合、該内視鏡の遠位端が肩 部に停止するように、該肩部が該カテーテル本体の遠位端に形成される、請求項 ９に記載の用具。 １１．前記肩部が、シャンファー状の遠位縁を有する、一般的にU字形のノッチ を含む、請求項１０に記載の用具。 １２．解剖学的通路から出る側枝を封鎖する方法であって、 a)請求項１に記載の用具を供給する工程と； b)該用具を、該解剖学的通路へ挿入する工程と； c)該用具の内視鏡を、その遠位に前進した位置に位置させる工程と； d)該内視鏡で供給される視覚化像を観察しながら、該用具を、遠位端から該解 剖学的通路を通って前進させる工程と； e)該内視鏡の視覚化像が、該内視鏡の遠位端が該解剖学的通路から出た側枝に 隣接することを示した時に、該用具の前進を中止する工程と； f)該内視鏡を、その近位に後退した位置まで後退させる工程と； g)必要に応じて、該カテーテル本体の該側面開口部が、該解剖学的通路から出 た側枝にすぐ隣接して位置するように、該用具の位置を調節する工程と； h)前記塞栓用具を使用して、少なくとも１つの塞栓部材を、該側面開口部の外 から該側枝内へ通過させる工程と、 を含む、方法。 １３．請求項１２に記載の方法であって： i)前記内視鏡を、その遠位に前進した位置まで戻す工程と； j)前記用具の遠位端が、前記解剖学的通路から出た別の側枝に隣接して位置す る時を決定するために、該内視鏡によって供給される視覚化像をモニタリングし ながら、前記用具を遠位端からさらに前進させる工程と、 をさらに含む方法。 １４．前記解剖学的通路が、そこから出る少なくとも１つの側枝を有する静脈お よびその中に位置する少なくとも１つの静脈弁であり、そして前記方法の工程Ａ で供給される該用具の内視鏡が、その位置を内視鏡で観察し、そして弁膜切開具 を用いて該静脈弁を切開するためにさらに利用される、請求項１２に記載の方法 。 １５．解剖学的通路から出る側枝を封鎖する方法であって： a）請求項６に記載の用具を供給する工程と； b）該用具を、該解剖学的通路に挿入する工程と； c）該内視鏡を、遠位に前進した位置に位置させる工程と； d）該用具の遠位端が、該解剖学的通路から出る側枝に隣接して位置するま で、該用具を、該遠位端から該解剖学的通路を通って前進させる工程と； e）該内視鏡を、その近位に後退した位置まで後退させる工程と； f）必要に応じて、該側面開口部が、該解剖学的通路から出る側枝に隣接し て位置するように、該用具の位置を調節する工程と； g）前記塞栓カテーテルの遠位管状部材が、前記曲げられた湾曲面によって 曲げられ、該塞栓カテーテルを、該カテーテル本体の側面開口部の外から出て、 該カテーテル本体の側面開口部に隣接して位置する側枝内へ、前記第２管腔を通 って前進させる工程と； h）塞栓コイルが該側枝内でコイル形状になるように、該塞栓コイルを、該 カテーテル本体を通って、その該遠位管状部材から外へ通過させる工程と； i）該塞栓カテーテルを、該カテーテル本体の第２管腔内へ後退させる工程 と、 を含む、方法。 １６．請求項１５の方法が： j）前記内視鏡を、その遠位に前進した位置まで戻す工程と； k）前記用具の遠位端が、前記解剖学的通路から出る別の側枝に隣接して位 置するまで、該用具を遠位端から該解剖学的通路を通ってさらに前進させる工程 と、 をさらに含む、方法。 １７．前記解剖学的通路が、そこから出る少なくとも１つの側枝を有する静脈お よびその中に位置する少なくとも１つの静脈弁であり、そして前記方法の工程Ａ で供給される該用具の内視鏡が、その位置を内視鏡で観察し、そして弁膜切開具 を用いて該静脈弁を切開するためにさらに利用される、請求項１５に記載の方法 。