JPH11506601A - サイトカインシグナル伝達物質gp130mRNAに特異的なオリゴヌクレオチド - Google Patents

サイトカインシグナル伝達物質gp130mRNAに特異的なオリゴヌクレオチド

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、疾患に関連した細胞増殖の有効な阻害剤であるオリゴヌクレオチド並びにそれらの使用方法に関する。特に、本発明はgp130mRNA配列に実質的に相補的なオリゴヌクレオチドの使用に関する。医薬組成物の形態においては、これらのオリゴヌクレオチドは、癌、自己免疫疾患およびウイルス感染などの疾患に起因する異常な細胞増殖の治療のためにヒト被験者に投与するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】 サイトカインシグナル伝達物質gp130mRNA に特異的なオリゴヌクレオチド発明の分野 本発明は、オリゴヌクレオチド並びに細胞増殖の阻害におけるそれらの使用方 法に関する。特に、本発明はgp130mRNA配列に実質的に相補的なオリゴ ヌクレオチド並びに治療剤としてのそれらの使用に関する。発明の背景 細胞の成長、機能、分化および発達は多様な異なる機構によって調節されてい る。細胞の最も重要な調節因子の一つに、「サイトカイン」と称される受容体特 異的タンパク質がある。これらのタンパク質は特異的膜結合受容体に結合し、こ れが今度は細胞内シグナルを伝達し、このシグナルが重要な遺伝子の発現を最終 的に調節し、それによって免疫応答および造血機能などの多数の通常の細胞機能 を調節する。さらに、サイトカインの調節不全は、癌、ウイルス感染および自己 免疫疾患などの多数の異なる疾患状態で関連している。 個々のサイトカインはそれらの特異的生物学的活性において異なっているが、 多くの余分なものが存在する。特に、インターロイキン−6(「IL−6」)お よび関連サイトカインオンコスタチンM(「OSM」)、白血病阻害因子(「L IF」)、インターロイキン−11(「IL−11」)、および繊毛神経親和性 因子(「CNTF」)は多くの重複する生物学的機能を示す。これらのIL−6 様サイトカイン、または「IL−6サイトカイン」は、リガンド特異的受容体と 共通シグナル伝達分子gp130との協調した作用を含む複雑な細胞表面受容体 システムを通じて作用する(Kishimoto 他、Science 258: 593-597(1992); Hibi 他、Cell 63: 1149:1157(1990))。IL−6サイトカイン類の中での生物学 的活性の余分性は、共通のシグナル伝達物質gp130にそれらが依存している ことに起因していると考えられる。この余分性はまた、IL−6サイトカイン類 によって誘導される疾患関連細胞増殖においても実証される。例えば、IL−6 、OSMおよびLIFは全てミエローマ細胞の成長を誘導することが示されてい る(Kishimoto 他、(上掲))。さらに、IL−6およびOSMは共にカポシ( Kaposi's)肉腫の成長を促進することが知られている(Miles 他、Proc.Nat.A cad.Sci.87: 4068-4072(1990))。 最近、多くの研究者が、各種疾患に付随するサイトカインに誘導された細胞増 殖を阻害するために潜在的に有用な手段としてIL−6産生の抑制に注目してい る。Vink他(J.Exp.Med.172: 997-1000(1990))は、IL−6またはその受容 体IL−6Rに対する抗体を使用することによってインビボで形質細胞腫の成長 を阻害することを記載している。Levy他(J.Clin.Invest.88: 696-699(1991) )は、IL−6タンパク質をコードするmRNAに相補的なアンチセンスオリゴ ヌクレオチドの使用を記載している。Fujita(PCT出願第WO94/2503 6号)は、IL−6RをコードするmRNAの開始コドンに相補的なアンチセン スオリゴヌクレオチドの使用を記載している。 しかしながら、IL−6サイトカイン類の中の生物学的活性の余分性のために 、IL−6機能の特異的阻害は、このファミリーのサイトカインの他のメンバー の同等の活性に対してはほとんど影響を有さない。従って、IL−6サイトカイ ンの全体のファミリーの疾患関連活性を阻害することが望ましく、これはそれら の共通のシグナル伝達物質gp130を阻害することによって達成するのが最善 である。実際、gp130に対するモノクローナル抗体は全てのIL−6サイト カイン類の作用を阻害する(Nishimoto 他、J.Exp.Med.179: 1343-1347(1994 ))。 「アンチセンス治療剤」の分野は、核酸機能の調節剤として、標的核酸、大部 分の通常の場合はmRNAに相補的なオリゴヌクレオチドの使用を言及する。ア ンチセンスオリゴヌクレオチド、即ち、それが標的とする「センス」核酸の核酸 配列に相補的な核酸配列を有するオリゴヌクレオチドは、多くの異なる様式で作 用して核酸機能を調節することができる。標的とされた核酸がmRNAの場合に は、それはmRNAのタンパク質への翻訳を妨害することによって、またはリボ ソームの結合またはトランスロケーションを阻害することによって機能すること ができる。標的とされる核酸がDNAである場合には、それはmRNAへの転写 を妨害することができる。 「配列特異的」アンチセンス機構によるmRNAの産生および/または機能の 阻害に加えて、一定のオリゴヌクレオチド、特にホスホロチオエートオリゴヌク レオチドの作用は、部分的には非配列特異的機構によるものである可能性がある 。そのような機構は、抗ウイルス剤としてのホスホロチオエートオリゴヌクレオ チドの作用の幾つかを説明するために報告されている(Stein 他、Pharmac.The r. 52: 365-384(1991); Majumdar 他、Biochemistry 28: 1340(1989))。 疾患に関連した細胞増殖を効率的に阻害するオリゴヌクレオチドを提供するこ とが本発明の目的である。そのようなオリゴヌクレオチドはgp130をコード するmRNAに相補的であり、配列特異的(アンチセンス)および/または非配 列特異的機構を通じて作用する。本発明のさらに別の目的は、これらのオリゴヌ クレオチドを含む、ヒト被験者への投与に適した医薬組成物を提供することであ る。発明の要旨 本発明は、疾患に関連した細胞増殖を阻害するためのオリゴヌクレオチドおよ び方法を特色とする。好ましい標的部位はシグナル伝達物質gp130をコード するmRNAである。好ましい治療剤は、gp130mRNA配列に実質的に相 補的なオリゴヌクレオチドを含む。本明細書中に記載したオリゴヌクレオチドの 好ましい使用は、腎細胞癌腫などの癌、自己免疫疾患またはウイルス感染を罹患 する患者の治療においてである。本発明の他の使用には、インビトロ検出プロー ブとしてオリゴヌクレオチドを使用することによってgp130mRNAの存在 を検出することが含まれる。これらの検出プローブは、減少するgp130mR NA量において他の治療剤の有効性を評価するのに特に有用であろう。 本発明のオリゴヌクレオチドは以下の好ましい配列に基づく: 好ましい核酸配列に実質的に対応する核酸配列を有し、好ましい核酸配列から 本質的に成る(即ち、実質的に同一の核酸配列を有する)オリゴヌクレオチドも 本発明に含まれる。 本発明のもう一つ別の側面は、gp130mRNAに実質的に相補的な12〜 100ヌクレオチドの長さの精製したオリゴヌクレオチドに細胞を接触させる工 程を含む、細胞の疾患に関連した増殖を阻害する方法であって、上記オリゴヌク レオチドがインビボまたはインビトロで細胞の増殖を阻害する方法である。 本発明の他の特徴および利点は以下の詳細な説明および請求の範囲から自明で ある。詳細な説明 本発明は、細胞増殖を阻害するオリゴヌクレオチド並びにそれらの使用方法に 関する。本発明の保護対象をより明確に説明するために、本明細書中で使用する 一定の用語は他に断りがない限り以下の通りに定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチド: 「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標 的「センス」核酸に相補的なオリゴヌクレオチドを意味し、少なくとも部分的に は配列特異的機構によって作用して標的核酸の機能を調節する。相補的: 「相補的」は、核酸を言及して使用される場合、ヌクレオチドの配列を 含む一方の方向性の核酸を意味し、そのヌクレオチドの塩基対はワトソン・クリ ック水素結合を介して反対の方向性の別の核酸のヌクレオチド塩基と対になって おり、即ち、アデニン(「A」)はチミジン(「T」)またはウラシル(「U」 )と対になり、グアニン(「G」)はシトシン(「C」)と対になる。例えば、 5’から3’方向に配列GCAUを有する核酸は、3’から5’方向に配列CG TAを有する核酸に「相補的」である。本明細書中での相補的という用語の使用 は、鎖の間に時々生じるミス対合にも係わらず、安定な二重鎖が形成されるであ ろう実質的に相補的な核酸を包含することが意図される。相補的核酸対の個々の 鎖はまた、プラス(「+」)または「センス」鎖並びにマイナス(「−」)また はアンチセンス鎖と称することができる。疾患に関連した細胞増殖: 「疾患に関連した細胞増殖」は、癌またはウイルス感 染などの特定の疾患によって生じるかそれに関連する細胞分裂および/または成 長の異常な水準を意味する。ハイブリダイズ: 「ハイブリダイズ」は、塩基対相互作用を通じての相補的核酸 の間の二重鎖の形成を意味する。リポソーム: 「リポソーム」は、球状二重層または二重層に配列した両親媒性脂 質から構成された小泡を意味する。修飾: 「修飾」は、核酸に言及して使用される場合、天然構造のいずれかが変更 されている核酸を意味する。これらには、ホスホジエステル結合、糖(RNAの 場合にはリボースまたはDNAの場合にはデオキシリボース)および/またはプ リンまたはピリミジン塩基への修飾が含まれる。修飾されたホスホジエステル結 合には、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、メチルホスホネートおよび ホスホロジチオエートが含まれる。「修飾されたdNTPs」は、核酸に取り込 まれた場合に、修飾された核酸の形成を生じるヌクレオシドトリホスフェートの ことを言う。核酸配列: 「核酸配列」または「配列」は、ヌクレオチドの特定の配列を有する 核酸と、特定の核酸中に存在するヌクレオチドの配列または順序の両方を意味す る。これらの2つの意味のどちらが適用されるかは、この用語が使用される文脈 から自明であろう。オリゴヌクレオチド: 「オリゴヌクレオチド」は、定義された核酸配列を有する オリゴデオキシリボヌクレオチドを意味する。薬理学的に適合可能な担体: 「薬理学的に適合可能な担体」とは、許容不能な水 準の毒性または薬理学的副作用を発揮することなく、患者への投与および/また は効力を促進するためにオリゴヌクレオチドを添加することができる剤型を意味 する。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチド: 「ホスホロチオエートオリゴヌクレオ チド」は、天然由来のホスホジエステル結合の代わりに全部のホスホロチオエー ト結合を有するオリゴヌクレオチドを意味する。ホスホロチオエート含有オリゴヌクレオチド: 「ホスホロチオエート含有オリゴ ヌクレオチド」は、少なくとも1個並びに全部のホスホロチオエート結合を有す るオリゴヌクレオチドを意味する。この用語は、ホスホロチオエートオリゴヌク レオチドを含むことが意図される。方向性: 「方向性」は、1つのデオキシリボース(またはリボース)成分のC3 位置がホスフェート結合を介して隣接するデオキシリボース(またはリボース) 成分のC5と結合している場合に形成される核酸ポリマーの方向を意味する。核 酸の方向性は5’から3’または3’から5’と称される。ポリメラーゼ: 「ポリメラーゼ」は、核酸へのヌクレオチドの連続的付加を触媒 することができる酵素を意味する。プライマー: 「プライマー」は、逆転写酵素などのポリメラーゼによる合成を開 始するために鋳型にハイブリダイズする鋳型に相補的であり、かつ鋳型に相補的 なその3’末端に結合した共有結合したヌクレオチドの連続的付加によって伸長 される、オリゴヌクレオチドを意味する。実質的に相補的: 「実質的に相補的」は、核酸に言及して使用される場合、ヌク レオチドの全てが別の核酸のヌクレオチドと塩基対を形成するわけではないが、 それにも係わらず、その2つの核酸が適当な条件下で安定なハイブリッドを形成 することができるような配列を有することを意味する。鋳型: 「鋳型」は、所望のオリゴヌクレオチドを産生するためのパターンを提供 し、そのための基質としての役割を果たすであろうヌクレオチドの配列を有する 核酸を意味する。そのような役割を果たすために、鋳型はまた、プライマーとハ イブリダイズすることができるか、または自己プライミング鋳型の場合には、自 己プライミング領域を形成することができる配列を含有しなければならない。治療的有効量: 「治療的有効量」は、IL−6の過剰発現に関連した疾患を罹患 する患者における疾患に関連した細胞増殖および/または成長を阻害するのに有 効である量を意味する。好ましくは、治療的有効量は、疾患に関連した1以上の 症状をある程度軽減する。 オリゴヌクレオチドを使用する治療的応用の開発は今日普及している。治療剤 としてのオリゴヌクレオチドの作用の正確な機構は決定することが困難なことが 多いが、多数の提案された機構が示唆されており、これらの異なる機構のあるも の又は全てが協調して作用して、所望の結果を産生しているのかもしれない。作 用の一つの機構は、アンチセンスに基づく。アンチセンスオリゴヌクレオチドは 、DNA、mRNAまたは前駆体mRNAなどの標的核酸中に見られる特異的配 列に相補的な配列を有するように設計されるのが一般的である。標的核酸中の特 異 的配列にハイブリダイズすることによって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは DNAのタンパク質コード機能を妨害する。 特定のオリゴヌクレオチドのアンチセンス機能を説明することができる提案さ れた機構のあるものは以下のものを含む:RNaseH活性を有する酵素による RNA:DNAハイブリッド中のRNAの切断;mRNA転写の未成熟終始;タ ンパク質翻訳のための部位へのmRNAのトランスロケーションの妨害;mRN Aイントロン/エキソンにハイブリダイズすることによるmRNAプロセシング へも干渉;非タンパク質コード(未翻訳)領域にハイブリダイズすることによる mRNA機能への干渉;および/またはmRNA開始コドンにハイブリダイズす ることによるリボソーム結合への干渉。要約すると、これらの配列特異的アンチ センス機構の各々はある方法で作用して特定に遺伝子の発現を阻害する。 配列特異的アンチセンス機構に加えて、一定の修飾オリゴヌクレオチドは非配 列特異的機構を介して核酸機能を阻害することができる。ある例では、アンチセ ンスオリゴヌクレオチドの影響を、ランダム化された順序で同一の塩基を含有す る「対照」オリゴヌクレオチドと比較する場合、対照オリゴヌクレオチドもタン パク質産生の阻害を示す。そのような非配列特異的機構の正確な機構は未知であ るけれども、これらの影響は、対照オリゴヌクレオチドによる他の本質的遺伝子 の偶然の阻害に起因している(Milligan他、in Antisense Therapeutics; Devel opment of Antisense Therapeutics,Annals of the New York Academy of Scie nces,p.229-241を参照)。 腎臓癌腫細胞の増殖に対するオリゴヌクレオチドの非配列特異的作用について の一つの可能な説明はトポイソメラーゼの阻害である。腎臓細胞癌腫に対する活 性を有する多くの抗癌剤はトポイソメラーゼを阻害することが実証されている( Shuin 他、Anticancer Research 14: 2621-2626(1994))。ホスホロチオエート オリゴヌクレオチドによるトポイソメラーゼ阻害は、ホスホロチオエートオリゴ ヌクレオチドに起因しうる観察された抗増殖効果の一部分を説明するかもしれな いと仮定される。 いずれにせよ、配列特異的および非配列特異的機構の両方が本発明のオリゴヌ クレオチドの作用を説明することができる。作用の機構の完全な理解は、細胞機 能を阻害するオリゴヌクレオチドの設計のためには必要ではない。 本発明のオリゴヌクレオチドは、gp130をコードするmRNAに相補的で あり、アンチセンスおよび/または他の機構を介してgp130産生を阻害する ことができる。IL−6および関連したサイトカイン、例えばgp130の産生 を調節するサイトカインの機能を阻害する治療剤を使用して、IL−6サイトカ イン類の過剰発現の効果に対抗することができる。 IL−6の正常な機能には、損傷または感染への応答として、繊維芽細胞、マ クロファージ、内皮細胞およびケラチノサイトなどの多数の異なる細胞種による IL−6産生の誘導が含まれる。損傷または感染が不在の場合には、これらの細 胞は通常はIL−6を産生しない。IL−6産生は、B細胞およびT細胞の増殖 または分化、並びにT細胞およびマクロファージの活性化を含む、多様な機構を 介した免疫応答の増強をもらたす。 しかしながら、IL−6の過剰発現が多数の異なる疾患状態で見られる。例え ば、エプスタイン・バー・ウイルスに感染したBリンパ球中のIL−6のハイパ ー発現は、腫瘍形成に部分的に関係があることが示されている(Scala 他、J.E xp.Med. 172: 61-68(1990))。ケラチノサイトによるIL−6の過剰産生は、 乾癬に関連した上皮過形成において原因的役割を示すことが示されている(Gros sman他、Proc.Nat.Acad.Sci.86: 6367-6371(1989))。腎臓癌腫細胞による IL−6の過剰発現は、転移の増加に関連することが示されている(Takenawa他 、Journal of the National Cancer Institute 83(22): 1668-1672(1991))。I L−6はまた、破骨細胞の発達の増強のために、更年期における骨吸収の増加に おいて役割を果たすことが報告されている(Jilka 他、Science 257: 88-91(19 92);およびGirasole他、Journal of Clinical Investigation 89: 883-891(19 92))。さらに、IL−6は多数のミエローマ細胞の腫瘍増殖因子であることが 示されている(Klein 他、Eur.Cytokine Net.,1(4): 193-201(1990))。IL −6過剰産生に関連した他の疾患状態には、形質細胞白血病、悪液質、メサンギ ウムの増殖性糸球体腎炎、カポシ肉腫、慢性関節リウマチ、高ガンマグロブリン 血症、カストルマン(Castleman's)疾患、IgMガンモパシー、心臓粘液腫、 および自己免疫インスリン依存性糖尿病が含まれる。 即ち、IL−6機能を阻害するように設計される治療剤は、幅広い治療用途を 有する。それらは上記疾患状態のいずれかの治療において治療剤として使用する ことができる。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは好ましくは腎臓細胞 癌腫を治療するために使用される。 本発明のオリゴヌクレオチドはDNAまたはRNAのいずれでもよいが、好ま しくはDNAである。オリゴヌクレオチドは任意の既知の化学的または酵素的方 法を使用して作製することができる。化学的合成は、ホスホロアミダイト法およ びモデル380−B(Applied Biosystems社、Foster City,Californis)など の自動化合成器を使用して、Stec他(J.Am.Chem.Soc.106: 6077-6079(1984) )に記載された方法によって便宜的に実施することができる。 本発明の範囲内に含まれるオリゴヌクレオチドは未修飾でも修飾されていても よい。修飾されたオリゴヌクレオチドは、核酸の天然の構造のいずれかを変更す ることによって作製することができる。これらの構造には、ホスホジエステル結 合、糖(RNAの場合はリボースまたはDNAの場合はデオキシリボース)およ び/またはプリンまたはピリミジン塩基が含まれる。インビボで使用する場合に は、標的核酸または毒素にハイブリダイズする際にオリゴヌクレオチドを非有効 性にしない限り、任意の修飾をオリゴヌクレオチドに加えることができる。これ には、安定な二重鎖の形成を完全に妨害することなくハイブリダイゼーションの 効率を減じることができる一定の修飾が含まれる。 好ましい修飾はホスホジエステル結合に対するものであり、それらをヌクレア ーゼの存在下においてより安定にする。ホスホジエステル結合の修飾はまた細胞 取り込みを増強できる。修飾されたホスホジエステル結合には、ホスホロチオエ ート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、またはホスホセレネート結 合が含まれる。オリゴヌクレオチドは、全部の修飾結合、異なる修飾結合の混合 物、修飾結合と未修飾結合の混合物、またはキメラオリゴヌクレオチドの場合の ようにオリゴヌクレオチドの異なる領域に選択的に配置されているか存在するこ れらの任意の組み合わせを含むことができる。修飾されたヌクレオチド内結合を 有するオリゴヌクレオチドは、上記した多数の方法を含む既知の方法によって未 修飾オリゴヌクレオチドと同様の方法で合成することができる。 修飾の他の例には、アルファ−アノマーなどの修飾された糖基の取り込みある いは2’−O−メチルオリゴヌクレオチド中に取り込まれた糖が含まれる。ヌク レオチドのプリンまたはピリミジン塩基への修飾もまた意図される。 好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドは、安定性を増大し、細胞取り込み を促進し、そしてオリゴヌクレオチドが配列非依存性機構並びに配列特異的アン チセンス機構によって細胞機能を阻害できるようにすることができる、ホスホロ チオエート結合を含有する。 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは好ましくは12〜100ヌクレオ チドの長さである。より好ましくは、これらのオリゴヌクレオチドは14〜50 ヌクレオチドの長さであり、最も好ましくは18〜35のヌクレオチドの長さで ある。オリゴヌクレオチドの長さは疾患に関連した細胞増殖および/または成長 の阻害においてオリゴヌクレオチドの有効性を最適化するように選択されるべき である。オリゴヌクレオチド中における修飾の存在はまた、オリゴヌクレオチド の全体的有効性に対する長さの効果にも影響を与える。 最適なオリゴヌクレオチドの大きさを決定するためには、複数の因子を考慮す べきである。短いオリゴヌクレオチドはより容易に細胞によって内部化されると いう利点を有する。しかしながら、それらが十分に長くない場合には、例えば1 0塩基未満の場合には、標的配列と特異的で安定なハイブリッドを形成すること ができない場合がある。一方、より長いオリゴヌクレオチドはそれらの標的に対 して増加した安定性とともにハイブリダイズし、リボソームがオリゴヌクレオチ ドを置き換えることを妨害することによって翻訳の阻止を増強する場合がある。 しかしながら、オリゴヌクレオチドは長すぎると、例えば150塩基より大きい 場合には、細胞によって効率的に取り込まれず、および/または細胞毒性となる 場合がある。 正常の生理学的状態を模倣するように設計したオリゴヌクレオチドスクリーニ ング分析を利用して、オリゴヌクレオチドが生細胞でハイブリダイズする効率を 予測することができる。そのようなスクリーニング分析は、Nelson他、WO95 /03427に記載されている。 本発明のオリゴヌクレオチドはgp130mRNAに相補的である。gp13 0mRNAの配列はHibi他、Cell 63: 1149-1157(1990)によって報告されてい る。好ましくは、標的配列はgp130mRNAのタンパク質コード領域である 。本発明の好ましいオリゴヌクレオチドは、以下の配列によって与えられる: 2つの特に好ましい配列は配列番号3および5によって与えられる。 全体のオリゴヌクレオチド配列が標的gp130mRNA配列に完全に相補的 である必要はない。オリゴヌクレオチドは、「実質的に相補的」であること、即 ち標的と安定なハイブリッドを形成することができることが必要なだけである。 付加的な非相補的なヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチド中に任意 の位置に、例えば3’末端または5’末端のいずれか、あるいはその間の任意の 他の位置に存在していてもよい。そのような付加的な非相補的ヌクレオチドはイ ンビボ崩壊を阻害したり、および/または遺伝子発現との干渉におけるオリゴヌ クレオチドの効果を増強したりする役割を果たす場合がある。標的配列と安定な ハイブリッドを形成するのに必要な相補性の量は、存在する修飾の形式と量、水 素結合に関与する塩基の型(例えば、G:C水素結合はA:Tよりも強い)、並 びにオリゴヌクレオチドの長さに依存するであろう。 治療剤としての有用性に加えて、本明細書中に記載したオリゴヌクレオチドは また診断プローブとして、並びに増幅プライマーなどの研究用の道具としても有 用である。gp130mRNAに特異的な標識されたオリゴヌクレオチドプロー ブを利用することによって、gp130mRNAの存在または量を測定すること ができる。標識されたオリゴヌクレオチドプローブの設計および作製およびハイ ブリダイゼーション法でのそれらの使用は当業者によって容易に行われる。 治療用途のための考慮事項には、オリゴヌクレオチドの薬理学および送達が含 まれる。治療剤として使用するためには、オリゴヌクレオチドは薬理学的に好適 でなければならず、即ち、それらは最小の毒性および好適な配分と代謝を示さな ければならない。異なる薬理学的考慮は当分野で既知の技術を使用して評価する ことができる。 薬理学的に許容できる担体中にオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物は、当業 者に周知である多様な異なる機構によって投与することができる。そのような機 構には、経口投与(吸入または腸管外)、注入(静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内 )、並びに局所投与(鼻腔内、皮膚上)が含まれる。これらの異なる機構の各々 に好適な組成物は通常通り調製されて利用される。 薬理学的に許容可能な担体の例には、水、食塩水、緩衝液または炭水化物溶液 などの水性溶液;およびリポソーム、マイクロ球体、またはエマルジョンなどの 送達ビヒクルが含まれる。送達ビヒクルを利用してインビボ安定性を増強するこ とができる。リポソームは、細胞内送達を増強することができ、循環半減期が長 く、受容体標的分子の取り込みが容易であり、毒性が最小であり、生分解性が良 好であるために好ましい。リポソームは、当分野で既知の多様な技術によって作 製することができる(例えば、Bangham 他、J.Mol.Biol.,13: 238-252(1965 )を参照)。これらの方法には一般的に、脂質を有機溶媒に最初に溶解して混合 して、その後に蒸発することが含まれる。次いで、適量の水相を脂質相と混合し 、次いでリポソームが形成するのに十分な時間インキュベートする。水相は一般 的には、緩衝剤または糖などの他の溶質との懸濁物中のバイオ分子から成る。 本明細書中に記載した医薬組成物の正確な投与量および投与回数は、病状、投 与経路、送達ビヒクルおよびオリゴヌクレオチドの組成などの複数の因子に依存 する。治療の期間は疾患症状に対する治療の効果に依存するであろうし、延長さ れた期間に渡って複数回の毎日の投与が含まれる。実施例I オリゴヌクレオチドの合成 ホスホジエステル結合並びにホスホロチオエートなどの修飾された結合を含有 するオリゴヌクレオチドは当分野で周知の方法によって合成することができる。 例えば、Methods in Enzymology 154:287(1987)において、Caruthers他は、標 準ホスホルアミダイト固相化学によってホスホジエステル結合を含有するオリゴ ヌクレオチドを合成するための方法を記載している。Bhatt、米国特許第5,2 53,723号は、ホスホロチオエート結合を含有するオリゴヌクレオチドを合 成するための方法を記載している。Klem 他、PCT WO92/07864は メチルホスホネート結合を含む異なる結合を有するオリゴヌクレオチドの合成を 記載している。実施例II ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドによる細胞増殖の阻害 癌細胞増殖の阻害剤としての、gp130のmRNAに相補的な数種の異なる ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの有効性を試験するために、2種の異な る細胞株を調べた。Caki−1細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレ クション、Rockville,Maryland)、異常に高い水準のIL−6を産生すること が知られた腎臓細胞癌腫由来の細胞株を、対照としての役割を果たす、293細 胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、Rockville,Maryland) およびEBV形質転換正常腎臓細胞株とともに使用した。 Caki−1または293細胞は、細胞が実験経過時間中に集密にならないよ うな条件下で48ウエルプレート中で培養した。細胞がプレートに付着した後( 4〜6時間)、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを含有する細胞培養培地 を培養物に添加し、培地のみをオリゴヌクレオチド対照細胞に添加した。細胞を 標準条件(37℃、5%CO2)下でインキュベートし、4日目に培地を交換し た。7日目に、培地を除去し、細胞をトリプシンを使用してプレートから剥離 した。ウエル当たりの細胞数を血球計を使用して細胞密度を計測することによっ て測定した。表2に示すように、1μMのアンチセンスオリゴヌクレオチドはC aki−1細胞の細胞増殖を70〜90%阻害したが、対照細胞の増殖に対して はほとんど影響しなかった。 実施例III 異なる細胞株における細胞増殖の阻害 本発明のオリゴヌクレオチドは、IL−6の過剰産生に関連した疾患状態を代 表する任意の細胞の増殖を阻害することが期待される。この仮説を試験するため に、多様な程度のIL−6の過剰産生を示す数種の細胞株を選択した:Caki −1およびCaki−2(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、各 々腎臓細胞癌腫細胞株);786−0、原発性腎臓細胞アデノカルチノーマ(ア メリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、CRL−1932);U266 、マルチプルミエローマ(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、T IB196);および対照としての役割を果たす293細胞。 細胞を、配列番号3によって付与された1μMのオリゴヌクレオチドを含有す る培地の存在下でフラスコ当たり1×105細胞の濃度でフラスコに接種した。 5日後に、1mlの培地を各フラスコから回収した。各々の17μlのアリコー トを10%SDS−PAGEゲル上で電気泳動し、次いでナイロン膜に移した。 IL−6の量をイムノブロットによって定量し、ECLウエスタンブロッティン グ分析システム(Amersham Life Science,Arlington Heights,Illinois)によ って可視化した。シグナルをAmbis(San Diego,California)イメージ分 析器によって定量し、最終細胞数のために較正した。IL−6量はCaki−1 細胞で観察された量の比率として表した。 細胞増殖研究を実施例IIに記載したように実施した。 予期されたように、IL−6産生の最大量を示した細胞株は、オリゴヌクレオ チドの存在下で細胞増殖の最大の減少をも示した。結果を表3に示す。 実施例IV IL−6受容体の細胞表面発現に対するオリゴヌクレオチドの効果 細胞表面に対するIL−6の高親和性結合は、IL−6Rとgp130の両方 の存在を必要とする。従って、gp130mRNAに相補的なアンチセンスオリ ゴヌクレオチドはIL−6結合を阻害することが予測される。IL−6結合に対 する本発明のオリゴヌクレオチドの効果を評価するために、Caki−1細胞の フローサイトメトリー分析を実施した。組み換えビオチン標識IL−6(R&D システム社、Minneapolis,MN)およびフルオレセインイソチオシアネート(F ITC)標識アビジンを利用してIL−6結合を試験した。細胞表面タンパク質 発現に対する非特異的効果を抑制するために、フィコエリトリン(PE)で標識 したヒトHLAクラスI分子に対するモノクローナル抗体も使用した。 Caki−I腎臓癌腫細胞を、集密に達することなく4日間成長できるような 密度で24ウエル培養プレートに接種した。細胞を、滅菌水中の培養物に直接添 加した1μMのホスホロチオエートオリゴヌクレオチド(最終濃度)で処理した 。細胞を0.5mMのEDTAを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄す ることによってマトリックスから毎日除去し、PBS中での遠心によって洗浄し 、4×106/ml以下の濃度で25μlのPBS中に再懸濁した。 細胞を、10μlのビオチン化IL−6を添加し、その後4℃で60分間イン キュベーションすることによってサイトメトリーのために染色した。最初のイン キュベーション後に、10μlのFITCアビジン溶液および5μlのPE−抗 −HLAを添加した。さらなる4℃での30分のインキュベーション後に、細胞 をPBS中で2回洗浄し、フローサイトメトリーを使用して分析した。FITC およびPEの両方の放出波長に関するスキャッターダイアグラム(scatter diag ram)と平均フルオレセイン強度(MFI)を得た。IL−6または抗−HLA 結合の減少(パーセント)を、染色された未処理の対照のMFIsから未染色の 細胞のMFI値を差し引き、この数値を、未染色細胞および処理された染色細胞 の間のMFIの相違に分割することによって計算した。最大の効果がオリゴヌク レオチドへの露出の3日後に観測された。結果(4実験の平均)を以下の表4に 要約する。 示されるように、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、対照細胞表面タンパク 質の発現の減少を付随することなく、IL−6Rに対する細胞のIL−6結合を 阻害する。実施例V gp130mRNAの発現に対するオリゴヌクレオチドの効果 アンチセンスオリゴヌクレオチドの生物学的作用のために提案された機構の一 つには、ハイブリダイゼーション地点におけるエンドヌクレアーゼRNAase Hによる標的mRNAの切断と、その後に続く分子のエンドヌクレアーゼ消化が 含まれる。そのような現象は、非標的RNA分子の減少を付随することなしに、 特異的mRNAの安定状態の水準の減少としてそれ自体を実験的に証明する。g p130メッセージ量に対するオリゴヌクレオチドの作用を評価するために、ノ ーザンブロット分析を、gp130と、グリセルアルデヒド3−ホスフェートデ ヒドロゲナーゼ(GAPDH)をコードする未関連のmRNAの両方に特異的な32 P標識プローブを使用して、処理されたCaki−1細胞と未処理のCaki −1細胞について実施した。100万個の細胞を、カチオン性脂質(Lipfectin R ,BRL Life Science,Gaithersburg,MD)で封入された400nMのホスホロ チオエートオリゴヌクレオチド配列番号3の存在下で、または対照としてカチオ ン性脂質単独のみで、前集密密度で18時間培養した。処理後、細胞を培養容器 から回収し、市販の試薬およびプロトコール(RNAzolB、CinnaBioTecx、 Houston、TX)を使用してRNAの抽出のために溶解した。次いで、ポリアデ ニル化RNA(mRNA)をMicro Fast Track System(Invitrogen 社、San Di ego,CA)を使用して単離した。ポリアデニル化RNAをホルムアルデヒドで変 性し、3μgを複数のレーンの各々に載せ、1%アガロース上で電気泳動した。 分解したRNAをニトロセルロース膜に移した。得られた「ノーザンブロット」 をgp130標識プローブおよびGAPDH標識プローブの両方に露出した。ブ ロットのオートラジオグラフィーを行った後、GAPDHではなく、gp130 のバンド強度の明白な減少が、未処理細胞に由来するレーンと比較して処理細胞 からのRNAを含有するレーンで観察される。バンド強度をAMBISホスホル イメージングシステム(North Arlington,IL)上で定量した所、処理細胞では gp130mRNAの量が40〜50%減少したが、GAPDHメッセージ量の 減少はなかったことが判明した。 本発明は具体的態様に関して説明されているが、本発明の多くの改良および変 更が本教示に照らして可能である。従って、添付する請求の範囲の範囲内で本発 明を具体的に説明してきた以外の方法で実施することができるものと理解するべ きである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12Q 1/68 C12Q 1/68 A //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:92) (72)発明者 ナイドゥ,ヤティ・エム アメリカ合衆国イリノイ州60068,パー ク・リッジ,ノース・ディー・ロード 705

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 から成る群から選択される核酸配列から本質的に成るオリゴヌクレオチド。 2. 上記オリゴヌクレオチドが十分にホスホロチオエート化されたオリゴヌク レオチドである、請求の範囲第1項記載のオリゴヌクレオチド。 から成る、請求の範囲第2項記載のオリゴヌクレオチド。 から成る、請求の範囲第2項記載のオリゴヌクレオチド。 から成る群から選択される核酸配列から本質的に成る治療的に有効量のオリゴヌ クレオチドを薬理学的に許容可能な担体中に含む、患者の細胞の疾患に関連した 増殖を阻害することができる治療組成物。 6. 上記担体がリポソームである、請求の範囲第6項記載の治療組成物。 7. 上記オリゴヌクレオチドが十分にホスホロチオエート化されたオリゴヌク レオチドである、請求の範囲第5項記載の治療組成物。 8. 上記オリゴヌクレオチドが、 から成る、請求の範囲第6項記載の治療組成物。 9. 上記オリゴヌクレオチドが、 から成る、請求の範囲第6項記載の治療組成物。 10. gp130をコードするmRNA中の核酸配列に実質的に相補的である 12〜100ヌクレオチドの長さの精製オリゴヌクレオチドと細胞を接触させる 工程を含む、疾患に関連した細胞増殖を阻害するための方法。 11. 上記オリゴヌクレオチドが、 から成る群から選択される核酸配列から本質的に成る、請求の範囲第10項記載 の方法。 12. 上記オリゴヌクレオチドが十分にホスホロチオエート化されたオリゴヌ クレオチドである、請求の範囲第10項記載の方法。 13. 上記オリゴヌクレオチドが、核酸配列: から本質的に成る、請求の範囲第11項記載の方法。 14. 上記オリゴヌクレオチドが、核酸配列: から本質的に成る、請求の範囲第11項記載の方法。
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