JPH11506572A - 浮動質量体変換器を有する移植可能な外部聴覚系 - Google Patents

浮動質量体変換器を有する移植可能な外部聴覚系

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JPH11506572A
JPH11506572A JP8521259A JP52125996A JPH11506572A JP H11506572 A JPH11506572 A JP H11506572A JP 8521259 A JP8521259 A JP 8521259A JP 52125996 A JP52125996 A JP 52125996A JP H11506572 A JPH11506572 A JP H11506572A
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ウォレス,ダン
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リチャード,ゴードン
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Abstract

(57)【要約】 ヒトの聴覚を補助する浮動質量体変換器が提供される。浮動質量体変換器(100)内の慣性振動が、内耳に振動を生じる。ある典型的な実施態様では、浮動質量体変換器は、磁石アセンブリ(12)と、中耳内の骨に取りつけられるハウジング(10)内部に固定されたコイル(14)とを備えている。コイルは磁石よりもハウジングに堅く固定される。磁石アセンブリおよびコイルは、コイルを通る交流電流の導電により、磁石アセンブリおよびコイルが相互に関連して振動が生じるように構成されている。この振動は、磁石アセンブリおよびコイルの磁場の相互作用によりもたらされる。コイルは、磁石アセンブリよりもハウジングに堅く固定されるので、コイルの振動は、ハウジングを振動させる。浮動質量体変換器は、頭蓋に取りつけられるか、またはマウスピースを通して取り付けられることによって、内耳に振動を発生し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 浮動質量体変換器を有する移植可能な外部聴覚系 発明の背景 本発明は、人の聴覚を補助するためのデバイスおよび方法の分野、特に内耳内 において振動を生じさせるための変換器の分野に関する。 聴くという表面上簡単な行為は、当たり前のものと単純に理解されがちである 。ヒトである我々は、周囲の音を聴くために全く努力をしていないように思われ るが、生理学的観点からみれば、聴くことは大変な仕事である。聴覚機構は、神 経刺激を、その情報を我々が音であると考えるより高い認知レベルに処理する脳 に送達するために共に機能しなければならないレバー(Iever)、膜、流体リザー バ(rluid reservoir)、神経細胞、および毛細胞からなる複雑な系である。 ヒト聴覚系は、聴覚的、機械的、および神経的な系の複雑な組合せを含んでお り、なんらかの不都合が生じる可能性が十分ある。残念なことに、これはよくあ る事である。10人毎に1人が一種の聴力損失を患っていると推測されている。驚 くことに、聴力損失を患う多くの患者が、その症状の治療という形の行為をとっ ていない。情報社会が前進するに従い、生活のペースおよび意志決定の場が増え るにつれて、様々な意味において聴くことがより重要になってきている。聴覚障 害者にとって残念なことに、多くの職業的および社会的状況における成功は、ま すます有効な聴覚(effective hearing)に依存するようになってきているのかも しれない。 聴覚科学の分野における関係者は、聴力損失との格闘を補助するための進歩、 およびさらに聴覚プロセスの科学的な理解についてかなり意識している。要とな る目下進行中のプロジェクトのいくつかは、進歩したデバイスが聴覚障害者を助 けるという可能性を立証する助けになってきた。従来の聴覚デバイスが多くの聴 覚障害者にとって助けになっていなかったとはいえないが、世界中の障害者人口 の大部分が、いかなる理由からか、それらの使用を拒否した。望ましくは、進歩 が進み、今日の従来デバイスの代わりとなるデバイスが登場することによって、 必要な助けを受けている聴覚障害者の数が改善されることが望ましい。 最初の聴覚デバイスは、ローマ時代に初めて登場し、おそらく使用者に約15か ら20デシベルの音の増幅を提供した中空状ドーム「キャッチ」から構成されていた 。ラッパ型補聴器、および会話用管(conversation tube)は、1700および1800年 代に広く普及し、最初の電気補聴器は1900年代初期に登場し始めた。トランジス タの発達によって、より小型でかつよりパワー効率の高い補聴器が1950年代に登 場し始めた。興味深いことに、トランジスタ型補聴器は、Sony Corporationがオ ーディオ製品に着手する以前の第1号製品であった。実際、電話を含む多くの発 明は、補聴器開発の副産物であった。 1960年代および70年代において、聴覚の分野(hearing arena)は、加速的な開 発期を辿った。聴覚デバイスの会社および製品ラインは急速に倍増し始めた。デ バイスを規定するための測定基準、患者の聴覚評価、および聴覚デバイスの製造 基準がさらに確立され始めた。聴覚訓練士達は、聴覚調査を継続し、聴覚デバイ ス測定、および適合する技術の改善を始めることによって、デバイス技術を進歩 させるために研究していた。聴覚の評価および聴覚障害の診断における聴能学的 進歩は、聴覚障害者にとってより良い診断および治療に変化した。補聴器の処方 実施(dispensing practice)の質を保証するために、認可および証明プログラム を通じて、処方産業(dispensing industry)の州規定が発展した。 1995年においては、聴覚障害患者は、幅広い種々の聴覚デバイスから選択する 。改善された回路を有するデバイスは、エレクトロニクスを患者の個別の聴力損 失に合わせて設定すること(つまり、眼鏡の処方と同様、1サイズが全てに適合 するわけではない)を可能にする適合パラメータを向上させた。患者の耳管内に 完全に配置される新しいデバイスは、それまでの大きくかさばったデバイスと比 べて外見上優れており、実際に見えなくすることも可能である。多くの製造者が 、相当の大きさである30億ドルの世界的市場である聴覚市場に関係している。 多くの聴覚系欠陥が、聴覚を障害または妨害することが知られている。そのよ うな欠陥を例示するために、図1にヒト聴覚系の一部を模式的に示す。聴覚系は 、通常、外耳AA、中耳JJ、および内耳FFからなる。外耳AAは、耳管BBおよび鼓膜 CCを含み、内耳FFは、卵円窓EEおよび蝸牛(図示せず)への通路である前庭GGを含 む。 中耳JJは、外耳と内耳との間に位置し、エウスターキオ管KKおよび耳小骨DDと呼 ばれる3本の骨を含む。3本の耳小骨DD(槌骨LL、砧骨MM、および鐙骨HH)は、鼓 膜CCと卵円窓EEとの間に位置し、そしてそれらに連結される。 正常な聴覚を有する人の場合、音は、外耳AAから入り、耳管BBの共鳴特性によ ってわずかに増幅される。音波が、鼓膜CC、すなわち耳管BBの遠位端に位置する 外耳の一部において振動を生じる。これらの振動の力は、耳小骨DDによって拡大 される。 耳小骨DDの振動によって、内耳FFの一部である卵円窓EEは、内耳FF内の蝸牛液 (図示せず)に振動を伝達し、それにより蝸牛(図示せず)内のレセプター細胞、す なわち毛細胞を刺激する。蝸牛液の振動はまた、正円窓(図示せず)にも振動を伝 達する。刺激に応答して毛細胞が、脳神経の1つを介して脳に送達されて脳に音 を認識させる電気化学的な信号を発生する。 耳の振動構造体には、鼓膜、耳小骨(槌骨、砧骨、および鐙骨)、卵円窓、正円 窓、および蝸牛が含まれる。耳の各振動構造体は、正常な聴力を有する人が音波 を聴いた場合にある程度振動する。しかし、1つ以上の振動構造体が正常の場合 より弱く、または全く振動しないことによって人における聴力損失が証明され得 る。 聴力損失の一部の患者は、蝸牛内のレセプター細胞を十分に刺激するレベルに まで振動力を増すために必要である弾力性を欠いた耳小骨を有している。他の患 者は、破損して卵円窓に振動を伝達しないような耳小骨を有している。 耳小骨の再構成のための補綴は、しばしば、部分的、または完全に破損した耳 小骨を有する患者に移植される。これらの補綴は、鼓膜CCと、卵円窓EEまたは鐙 骨HHとの間に快適に適合するようにデザインされる。密着した適合によって、イ ンプラントを設置場所に固定するが、ゲルフォームをしばしば中耳に詰めてゆる みを防ぐ。2つの基本形態(鼓膜CCと卵円窓EEとの間に連結される、全体的な耳 小骨置換用補綴;および鼓膜と鐙骨HHとの間に配置される、部分的な耳小骨置換 用補綴)が利用可能である。これらの補綴は、中耳を通り内耳の卵円窓まで振動 を伝達し得るような機構を提供するが、振動が、質の高い音認識を生じるような 十分な力で内耳に送達されることを確実にするために、追加のデバイスがしばし ば必要になる。 聴覚障害者の聴覚を回復または改善するために、種々のタイプの補聴器が開発 されてきた。従来の補聴器では、音は、マイクロホンによって検知され、増幅回 路を用いて増幅され、そしてスピーカまたは他のタイプの変換器によって補聴エ ネルギー(acoustical energy)の形態で鼓膜を介して内耳に転送される。しばし ば、スピーカによって送達された補聴エネルギーはマイクロホンによって検知さ れ、高いピッチのフィードバックホイッスルを生じる。また、従来の補聴器によ って生成された増幅音は、通常、有意な量の歪みを生じる。 従来の補聴器系に伴うフィードバックおよび歪みの問題をなくす試みがなされ た。これらの試みによって、音波をその音波と同様の周波数を有する電磁場に変 換するデバイスが得られた。マイクロホンは、増幅され、かつ電流に変換された 音波を検知する。コイル巻線が、中耳内において非振動構造体に取り付けられる ことによって固定される。電流がコイルに送達され、電磁場が発生する。磁石の 磁場がコイルの磁場と相互作用するように、磁石が中耳内において耳小骨に取り 付けられる。磁石は、磁場の相互作用に応答して振動し、中耳の骨に振動を生じ る。 現存する電磁気変換器は、いくつかの問題を抱えている。変換器の多くは、大 部分の手術に伴う通常のリスクを負い、かつまた中耳の1本以上の骨を関節離断 (切断)することを必要とする複雑な手術手順によって設置される。関節離断によ って、患者が手術以前に有していた残存聴覚は奪われ、後に移植したデバイスが 患者の聴覚を改善する効果がないことが分かった場合には、患者をより悪化した 状況に置いてしまう。 現存するデバイスはまた、コイルに流される電流に関して実質的に直線である 中耳における振動を生じることが不可能である。従って、これらのデバイスによ って生じる音は、内耳に伝達される振動がマイクロホンによって検知される音波 と正確には対応しないために有意な歪みを含む。 従って、結果的に、最小の歪みで、聴覚認知を刺激するのに十分な力を有する 振動を蝸牛において生じる、改善された変換器が必要である。 発明の要旨 本発明は、耳の振動構造体に振動を生成するために、移植され得るか、または 外部に載置され得る、浮動質量体変換器を提供する。浮動質量体変換器は、概略 的には、耳の振動構造体に振動するように連結し得るハウジングと、そのハウジ ングに機械的に連結された質量体と、を備えている。ここで、この質量体は、外 部で発生された電気信号に直接応答して振動する。これによって、質量体の振動 がハウジングの慣性振動をもたらし、耳の振動構造体に振動を生成する。 ある実施態様では、浮動質量体変換器は、ハウジング内部に配置された磁石を 備えている。この磁石は、磁場を発生し、ハウジング内での運動が可能である。 ハウジング内部にはコイルも配置されるが、磁石とは異なり、コイルはハウジン グ内部で自由に運動しない。コイルに交流が供給される時、コイルは、磁石の磁 場と相互作用する磁場を発生し、磁石と、コイル/ハウジングとが互いに振動し 合うようにする。ハウジングの振動は、耳の振動構造体の振動に変換される。あ るいは、1本のコイルまたは複数のコイルが、ハウジングの外側表面上に固定さ れ得る。 別の実施態様では、浮動質量体変換器は、ハウジング内部に固定された磁石を 備えている。ハウジング内部にはコイルも配置されるが、磁石とは異なり、コイ ルはハウジング内部で自由に運動する。ハウジングは、コイルが取り付けられる 、可撓性のダイアフラムあるいはその他の材料を備えている。コイルに交流が供 給される時、コイルは、磁石の磁場と相互作用する磁場を発生し、これにより磁 石/ハウジングと、コイル/ダイアフラムとが互いに振動し合う。ダイアフラム の振動は、耳の振動構造体の振動に変換される。 さらに別の実施態様では、浮動質量体変換器は、ハウジング内部に配置された バイモル圧電性ストリップを備えている。圧電性ストリップは、その一端ではハ ウジングに固定されており、その他端には取り付けられたウェイト(weight)を 有し得る。圧電性ストリップに交流が供給される時、ストリップは、ハウジング と、ウェイトとが互いに振動し合うようにする。ハウジングの振動は、耳の振動 構造体の振動に変換される。 別の実施態様では、浮動質量体変換器は、ハウジングに外部から接続された圧 電性ストリップを備えている。圧電性ストリップは、その一端ではハウジングに 固定されており、その他端には取り付けられたウェイトを有し得る。圧電性スト リップに交流が供給される時、ストリップは、ハウジングと、ウェイトとが互い に振動し合うようにする。ハウジングの振動は、耳の振動構造体の振動に変換さ れる。 ある実施態様では、浮動質量体変換器は、中耳内の頭蓋骨に取り付けられる。 この浮動質量体変換器は、頭蓋内に振動を生成する。次いで、頭蓋は、蝸牛液内 に振動を生成し、聴覚認知に至らしめる。浮動質量体変換器は、ネジあるいはそ の他の取り付け機構を用いて骨に取り付けられ得る。あるいは、浮動質量体変換 器は、歯を通して頭蓋内に振動を生成するマウスピース(例えば、スキューバマ ウスピース)内に内蔵され得る。 本発明のその他の局面および実施態様は、以下の詳細な説明および添付の図面 を熟読すれば明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、ヒトの聴覚系の一部の概略図である。 図2aは、本発明による浮動質量体変換器の概念図であり;図2bは、浮動質 量体変換器のカウンター振動を示し;そして図2cおよび図2dは、異なる構成 における浮動質量体の相対振動を示す。 図3は、浮動磁石を有する浮動質量体変換器の実施態様の断面図である。 図4は、浮動磁石を有する浮動質量体変換器の部分斜視図である。 図5aは、中耳の砧骨に接続された浮動質量体変換器を示す、ヒトの聴覚系の 一部の概略図であり;そして図5bは、図5aの浮動質量体変換器の斜視図であ る。 図6a〜図6gは、浮動磁石質量体を有する浮動質量体変換器の他の実施態様 を示す。 図7aは、浮動磁石を有する浮動質量体変換器の他の実施態様の側断面図であ り;そして図7bは、中耳の鐙骨の一部の周囲に配置された図7aの実施態様を 示す聴覚系の一部の概略図である。 図8は、浮動質量体変換器を示す聴覚系の一部および耳内に固定された全体的 な耳小骨置換用補綴の概略図である。 図9は、浮動質量体変換器を示す聴覚系の一部および耳内に固定された部分的 な耳小骨置換用補綴の概略図である。 図10は、患者の頭の外部に配置された外部音変換器に誘導的に連結された皮 下コイルから交流を受け取るように配置された浮動質量体変換器を示す聴覚系の 一部の概略図である。 図11aは、浮動コイルを有する浮動質量体変換器の実施態様の断面図であり ;そして図11bは、図11aの浮動質量体変換器の側面図である。 図12は、角運動量質量体磁石を有する浮動質量体変換器の実施態様の断面図 である。 図13は、圧電性素子を有する浮動質量体変換器の実施態様の断面図である。 図14は、患者の頭の外部に配置された外部音変換器に誘導的に連結された皮 下コイルから交流を受け取るように配置された圧電性素子を有する浮動質量体変 換器を示す聴覚系の一部の概略図である。 図15aは、圧電性ストリップを備えた薄膜を有する浮動質量体変換器の実施 態様の断面図であり;そして図15bは、図15aの浮動質量体変換器の側面図 である。 図16は、圧電性スタックを有する浮動質量体変換器の実施態様の断面図であ る。 図17は、二重圧電性ストリップを有する浮動質量体変換器の実施態様の断面 図である。 図18は、耳管内のピックアップコイルからの交流を受け取るための、鼓膜に 取り付けられた浮動質量体変換器を示す聴覚系の一部の概略図である。 図19aは、耳管内のピックアップコイルからの交流を受け取るための、鼓膜 に取り外し可能に取り付けられた浮動質量体変換器を示す聴覚系の一部の概略図 であり;そして図19bは、鼓膜上の浮動質量体変換器の位置を示す。 図20aは、浮動質量体変換器を備えた可撓性の挿入物の斜視図であり;図2 0bは、可撓性の挿入物の断面図であり;そして図20cは、耳管内の可撓性の 挿入物を示す聴覚系の一部の概略図である。 図21aは、浮動質量体変換器が鼓膜と接触して配置されている他の実施態様 を示す聴覚系の一部の概略図であり;そして図21bは、鼓膜上の浮動質量体変 換器を備えた可撓性の挿入物の位置を示す。 図22は、外部音変換器外耳プラグの断面図を示す聴覚系の一部の概略図であ る。 図23は、患者の頭の外部に配置された外部音変換器に誘導的に連結された皮 下コイルから交流を受け取るための、卵円窓に配置された浮動質量体変換器を示 す聴覚系の一部の概略図である。 図24は、浮動質量体変換器を備えた完全に内部的な補聴器を示す聴覚系の一 部の概略図である。 図25aおよび図25bは、中耳の骨に取り付けられた浮動質量体変換器を示 す聴覚系の一部の概略図である。 図26は、骨の伝導によって音を伝達する浮動質量体変換器を備えたスキュー バマウスピースを示す。 図27は、中耳の振動モーションを測定するレーザドップラー速度計(LDV)を 備えたシステムを示す図である。 図28は、生きたヒトの鼓膜の振動モーションを、鼓膜に供給された音波の周 波数の関数として、周波数−応答曲線によって示す。 図29は、死体実験中の砧骨と槌骨との間に配置された変換器(変換器4b)の 断面図である。 図30は、変換器4bを用いることによって、2kHzを上回る高周波数範囲にお ける利得が得られることを、周波数−応答曲線によって示す。 図31は、変換器5を用いることによって、周波数が1kHzと3.5kHzとの間で 著しく改善され、最大出力が、音で駆動された場合の鐙骨振動のベースラインと 比較すると、120dB SPL等値を上回っていることを周波数−応答曲線によって示 す。 図32は、変換器6を用いることによって、周波数が1.5kHzを上回って著しく 改善され、最大出力が、音で駆動された場合の鐙骨振動のベースラインと比較 すると、120dB SPL等値を上回っていることを周波数−応答曲線によって示す。 好ましい実施態様の詳細な説明 内容 I.一般 II.電磁浮動質量体変換器 A.浮動質量体磁石 B.浮動質量体コイル C.角運動量質量体磁石 III.圧電性浮動質量体変換器 A.カンチレバー B.薄膜 C.圧電性スタック D.二重圧電性ストリップ IV.外部浮動質量体変換器の形態 A.連結 B.非連結 C.耳甲介プラグ V.内部浮動質量体変換器の形態 A.関節離断を行わない中耳取り付け B.全体的および部分的な耳小骨置換用補綴 C.完全内部型 D.手術 VI.骨伝導浮動質量体変換器の形態 A.中耳取り付け B.マウスピース VII.耳鳴りマスキング浮動質量体変換器 VIII.実験 A.インビボ死体例 B.会話および音楽のインビボ主観的評価 IX.結論 I.一般 本発明は、聴覚を損なわれた人の聴覚を改善するためのデバイスおよび方法の 分野に関する。本発明は、耳の振動構造体(上記で定義した)に振動を伝達させ るために移植され得るか、または外部に設けられ得る改善された変換器を提供す る。本明細書中で使用される「変換器」は、1つの物理量のエネルギーまたは情 報を他の物理量に変換するデバイスである。例えば、マイクロホンは、音波を電 気インパルスに変換する変換器である。 本発明による変換器は、本明細書中、浮動質量体変換器(FMTTM)として同定さ れる。浮動質量体変換器は、音波に対応する外部信号に直接応答して振動する質 量体である「浮動質量体」を有する。この質量体は、耳の振動構造体に設けられ 得るハウジングに機械的に連結される。従って、浮動質量体の機械的振動は、振 動構造体の振動に変形され、患者はそれを聞くことができる。浮動質量体変換器 はまた、機械的振動を電気信号に変形する変換器としても使用され得る。 本発明を理解するために、浮動質量体変換器が基づく理論、即ち、エネルギー 保存の原理を理解する必要がある。エネルギー保存の原理によると、エネルギー は発生も消滅もし得ず、1つの形態から他の形態に変化するだけである。さらに 詳細には、互いに接続された身体のすべての系の機械的エネルギー(摩擦を除く )は、保存される。このような系において、1つの身体がエネルギーを失うと、 接続された身体はエネルギーを得る。 図2aは、浮動質量体変換器の概念図である。浮動ブロック2(即ち、「浮動 質量体」)は、可撓性の接続部6によってカウンターブロック4に接続されてい るのが示される。可撓性の接続部は、浮動ブロックの振動をカウンターブロック に伝達させる機械的連結部(coupling)の例である。動作時には、音波に対応する 信号が浮動ブロックを振動させる。浮動ブロックが振動すると、振動は、可撓性 の接続部を介してカウンターブロックに伝達される。結果として得られるカウン ターブロックの慣性振動は、浮動ブロックの振動に対してほぼ「対向(counte r)」する。図2bは、このブロックのカウンター振動を示し、ここで両方向の矢 印は、各ブロックの相対振動を示す。 ブロックのそれぞれの相対振動は、ブロックの慣性にほぼ反比例する。従って 、ブロックの相対振動は、各ブロックの相対慣性によって影響される。ブロック の慣性は、ブロックの質量または他の要因(例えば、ブロックが他の構造体に取 り付けられているか否か)によって影響され得る。この簡単な例において、ブロ ックの慣性は、その質量と等しいと想定される。 図2cは、ブロックの相対振動を示し、ここで浮動ブロック2の質量は、カウ ンターブロック4の質量よりも大きい。両方向の矢印は、浮動ブロックの相対振 動がカウンターブロックの相対振動よりも小さいことを示す。図2cにより動作 する1つの実施態様において、磁石は浮動ブロックを備える。磁石は、ハウジン グに対して自由に振動するようにハウジング内に配置されている。コイルは、ハ ウジング内に固定され、交流がコイルを通って流れるときに磁石の振動を生成す る。ハウジングおよびコイルが共にカウンターブロックを備え、振動を振動構造 体に伝達する。この実施態様を、図3を参照しながらさらに詳細に説明する。 図2dは、ブロックの相対振動を示し、ここで浮動ブロック2の質量は、カウ ンターブロック4の質量よりも小さい。両方向の矢印は、浮動ブロックの相対振 動がカウンターブロックの相対振動よりも大きいことを示す。図2dにより動作 する1つの実施態様において、コイルおよびダイアフラムは共に浮動ブロックを 備える。ダイアフラムは、ハウジングの一部であり、コイルは、ハウジング内で ダイアフラムに固定されている。コイルは、ハウジングに対して自由に振動する ようにハウジング内に配置されている。磁石は、交流がコイルを通って流れると きに、コイルが磁石に対して振動するようにハウジング内に固定されている。ハ ウジングおよび磁石は共にカウンターブロックを備える。しかし、この実施態様 では、振動を振動構造体に伝達するのはコイルおよびダイアフラム(即ち、浮動 ブロック)である。この実施態様を、図11aおよび図11bを参照しながらさ らに詳細に説明する。 上記の説明は、本発明の浮動質量体変換器の動作の基本理論を提示するもので ある。浮動質量体変換器は、耳の振動構造体に振動によって連結し得る。浮動質 量体変換器が振動構造体に振動によって連結し得るとは、変換器が振動を振動構 造体に伝達し得ることを意味する。例として、浮動質量体変換器は、振動構造体 に設けられ、載置機構としては、糊、接着剤、ベルクロ(velcro)、縫合糸、吸込 み(suction)、ネジ、バネなどが挙げられる。従って、浮動質量体変換器は、ク リップを用いて中耳内の小骨に取り付けられ得る。また、浮動質量体変換器は外 部に設けられ得、浮動質量体変換器が接着剤によって鼓膜に取り付けられるとき と同様に鼓膜上で振動を生じる。さらに、浮動質量体変換器は、頭蓋または歯な どの非振動構造体上に設けられるか、またはこれらに振動接触して配置され得る 。以下は、浮動質量体変換器の具体的な実施態様の一般的な説明である。 浮動質量体変換器の1つの実施態様は、磁石アセンブリ、および、特に開口部 が感染の危険性を増加させ得る移植可能なデバイス用の通常密閉されるハウジン グ内に固定されたコイルを備える。移植可能な構成とするため、ハウジングは、 中耳内の小骨に取り付けられるような寸法とされ得る。本発明はハウジングの形 状によって限定されないが、ハウジングは円筒状のカプセル形状であることが好 ましい。同様に、本発明は、ハウジングの組成によって限定されないことが意図 される。一般に、ハウジングは、生体適合性材料で構成され、および/またはコ ーティングされる。 ハウジングは、コイルおよび磁石アセンブリの両方を有する。典型的には、磁 石アセンブリは、コイルまたはハウジング自体の内部のいずれにも衝突せずに自 由に振動し得るように配置される。適切に配置されると、アセンブリ内の永久磁 石は、ほぼ均一な磁束を生じる。本発明のこの実施態様は、永久磁石を使用する が、電磁石もまた使用され得る。 外部で生じた音から得られる信号を中耳ハウジング内に取り付けられたコイル に供給するには種々の構成要素が伴われる。第1に、従来の補聴器変換器と類似 した外部音変換器は、皮膚または頭蓋上に配置される。この外部変換器は、音を 処理し、磁石伝導によって信号を皮下コイル変換器に伝達する。交流は、一対の リード線によって、皮下変換器内に設けられたコイルから中耳内に移植された変 換器のコイルに伝導される。このコイルは、ハウジング内に設けられた磁石より もより硬直にハウジング内壁に取り付けられている。 交流が中耳ハウジングに伝達されると、磁石とコイルとの間の相互作用によっ て引力および斥力が生じる。コイルは、磁石アセンブリよりもより硬直にハウジ ングに取り付けられているため、コイルおよびハウジングは、生じた力の結果、 1つの単位として共に移動する。ハウジングの置換とコイル電流との関係が実質 的に線形であるとき、振動変換器は、最も質の高い音認知を誘発する。このよう な線形性は、コイルを磁石アセンブリによって生じる実質的に均一な磁束内に配 置し、維持することによって最良に成し遂げられる。 変換器が効果的に動作するためには、十分な力で小骨を振動させ、その振動を 内耳内の蝸牛液に蝸牛しなければならない。変換器によって発生された振動の力 は、コイルの質量とハウジングの質量とを組み合わせたものに対する磁石アセン ブリの質量、および永久磁石のエネルギー積(EP)の両方を最大にすることによ って最適化され得る。 本発明による浮動質量体変換器は、任意の耳の振動構造体に設けられ得る。好 ましくは、変換器は、骨または組織(変換器が生じる機械的エネルギーを吸収す る)と接触しないようにこれらの位置に取り付けるかまたは配置される。変換器 を小骨に取り付けるとき、生体適合性クリップが使用され得る。しかし、他の変 換器設計では、ハウジングは、形状が管状であり、鐙骨または砧骨の周りに配置 され得る。他の実施態様では、変換器は、全体的または部分的な耳小骨置換用補 綴に取り付けられる。さらに他の実施態様では、変換器は、外部聴覚デバイス内 で使用されるか、または頭蓋のような非振動構造体に取り付けられる。 II.電磁気浮動質量体変換器 磁石が磁場を生じることは周知である。電流が貫通するコイルも磁場を生じる 。磁石をコイルの直ぐ近傍に配置して、コイルに交流を流す場合、上記の磁場が それぞれ相互作用することにより、磁石とコイルとが互いに対して振動する。こ の磁石とコイルとの磁場の特性が、以下のような浮動質量体変換器の基礎を提供 する。 A.浮動質量体磁石 本発明に従う浮動質量体変換器の1つの実施態様の構造を図3および図4に示 す。本実施態様では、浮動質量体は磁石である。変換器100は、一般には、内部 に配置された磁石アセンブリ12およびコイル14を有する密閉ハウジング10からな る。磁石アセンブリは、ハウジング内に固定されずに(loosely)吊るされ、コイ ルはハウジングに堅く固定されている。後述するように、磁石アセンブリ12は、 好ましくは、永久磁石42とこれに連結(associated)した磁極片44および46を備え る。交流がコイルに印加される場合、コイルおよび磁石アセンブリは互いに対し て発振し、この結果ハウジングを振動させる。ハウジング10は、総称して耳小骨 と呼ばれる槌骨、砧骨、および鐙骨と、耳小骨を備える領域とを含む中耳内に取 り付けられるような大きさとされる。この実施態様のハウジングは、好ましくは 、直径1mm、厚さ1mmを有する円筒状カプセルであり、チタンなどの生体適合性 材料により製造される。ハウジングは、互いに実質的に平行な第1の面32および 第2の面34と、面32、面34に実質的に垂直な外壁23とを有する。環状領域を規定 し、外壁23に実質的に平行に延びる内壁22がハウジングの内面に接着されている 。 磁石アセンブリ12およびコイル14はハウジング内に密閉されている。空気スペ ース30が磁石アセンブリを取り囲み、これにより磁石アセンブリはハウジングの 内面から離れ、かつコイルまたはハウジングと衝突することなく自由に発振し得 る。磁石アセンブリは、シリコーンボタン20のような柔軟な膜によってハウジン グの内面に接続される。あるいは、磁石アセンブリはハウジング内の空気スペー スを満たすシリコーンゲルのようなゼラチン状媒体上に浮遊(float)させ得る。 図3に示すような磁石アセンブリを構成することによって、実質的に均一な磁束 が生成される。アセンブリは永久磁石42を備え、この永久磁石42は、それぞれS 極およびN極を含む端部48、50がハウジングの環状面34、32に実質的に平行にな るように配置されている。円筒状の第1の磁極片44は、磁石のS極を含む端部48 に接続され、第2の磁極片46はN極を含む端部50に接続される。第1の磁極片44 はその環状面がハウジング10の環状面32、34に実質的に平行になるように配列(o rient)されている。第2の磁極片46は、方形の断面を有し、かつハウジングの環 状面32、34に実質的に平行な環状面を有する。第2の磁極片46はさらに、ハウジ ングの壁23に平行で、かつ第1の磁極片44および永久磁石42を取り囲む一対の壁 54を有する。 磁極片は、フェライトまたはSmCoのような磁性材料により製造されるべきであ る。これらの材料は、永久磁石42を取り囲む空気より抵抗が小さい、永久磁石42 の磁束のための通路を提供する。磁極片は磁束の多くを伝導(conduct)し、従っ て、コイル14が配置されている隙間では、磁束は第2の磁極片46から第1の磁極 片44へ通る。 デバイスが適切に動作するためには、装置は、振動が音波として感知されるの に十分な力で振動構造体を振動させなければならない。振動力は、2つのパラメ ータ、すなわちコイルとハウジングとを組み合わせた質量に対する磁石アセンブ リの質量、および永久磁石42のエネルギー積(energy product ;EP)、を最適化す ることによって、最も良好に最大化される。 磁石アセンブリの質量の、磁石アセンブリとコイルとハウジングとを組み合わ せた質量に対する比率は、ハウジングをチタンのような薄く加工された軽量材料 により製造することによって、および磁石アセンブリがハウジング内部のスペー スの大部分を占めるように構成することによって、最も容易に最適化される。た だし、磁石アセンブリ、ハウジングおよびコイルとの間には、磁石アセンブリが ハウジング内を自由に振動するのに十分な空間が存在しなければならない。 磁石は好ましくは高いエネルギー積を有するべきである。エネルギー積が45の NdFeB磁石、およびエネルギー積が32のSmCo磁石が現在利用可能である。エネル ギー積が高いと、コイルの磁場と磁石アセンブリの磁場との間の引力および斥力 が最大となり、これにより、変換器の発振力が最大となる。永久磁石を用いるの が好ましいが、本発明を実行するためには電磁石もまた用いられ得る。 コイル14は磁石アセンブリ12を部分的に包囲し、ハウジング10の内壁22に固定 され、これにより、コイルは磁石アセンブリよりハウジングに対してより堅く固 定される。空気スペースによりコイルは磁石アセンブリから離される。変換器を 移植する1つの具体例では、一対のリード24がコイルに接続され、ハウジングの 開口部26を通って変換器の外側に出て、外科的に形成されたチャネルを通って側 頭骨(図10にCTとして表示)に入り、そして皮下コイル28に接着する。皮下コ イル28は、好ましくは耳の背後の皮膚下に移植されており、リード24を介して交 流をコイル14に送る。開口部26はリード24の周囲で閉鎖され、シール(図示せず )を形成しているため、汚染物質が変換器に入るのが防御される。 振動する変換器が最終的に発する音の感知は、ハウジング10の移動とコイル14 の電流との間の関係が実質的に直線であるとき最も質が高くなる。この関係が直 線であるためには、コイルの交流によって得られる各電流値に対してハウジング が対応して移動しなければならない。磁石アセンブリによって生じる実質的に均 一な磁束16内にコイルを配置し、かつ維持することによって、最も直線性に近づ く。 磁石アセンブリとコイルとハウジングとが図3に示されるように構成される場 合、コイル内の交流によりハウジングが図3の二方向矢印によって示される方向 に左右に振動する。図4は、図3の変換器の部分斜視図である。変換器は、ハウ ジングの左右方向への移動が、図5aに二方向矢印によって示すような、楕円形 の窓EEの左右方向への移動を生じさせるように配置される場合、最も効果的であ る。 変換器は耳内の様々な構造体に接着され得る。図5aは、変換器100が、ハウ ジング10の一方の環状面32に固定され、砧骨MMを少なくとも部分的にとり囲む生 体適合性クリップ18によって、砧骨MMに接着されている様子を示す。クリップ18 は変換器を砧骨に堅く保持し、これにより、作動中に生じるハウジングの振動が 中耳の骨に沿って内耳の楕円形の窓EEに、そして最終的には上述のように蝸牛液 に伝えられる。図5bに示す例示的なクリップ18は、砧骨周りに堅固にクリンピ ングされ得る実質的に弓形状の、チタン製の一対のプロング52を備える。 変換器100は耳の振動構造体のいずれにも接続され得る。これらの構造体は変 換器によって生じる機械的エネルギーを吸収する傾向があるため、変換器は周囲 領域の骨および組織から機械的に隔離されるベきである。ちなみに、周囲領域は 、外耳、中耳、および内耳内(耳の振動構造体ではない)のおよびこれらを取り 囲むすべての構造体からなる。 図6a〜図6gは、浮動質量体磁石を組み込んだ浮動質量体変換器のいくつか の好適な実施態様を示す。図6aでは、浮動質量体変換器100は円筒状のハウジ ング110を有する。ハウジングは外側表面上に一対のノッチ(notch)を有し、これ により一対のコイル112が保持または固定される。コイルは、金および白金を含 む様々な金属材料により作製され得る。ハウジングはボビンが糸を保持するよう にコイルを保持する。ハウジングは、ハウジングを密閉する一対の端部プレート 114を備える。ハウジングは、チタン、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、ナイ ロン、およびプラチナのような材料により製造され得る。1つの実施態様では、 ハウジングはチタンにより製造され、端部プレートはレーザー溶接され、ハウジ ングを気密的に密閉する。 ハウジング内には、SmCo磁石であり得る円筒状磁石116がある。磁石はハウジ ングの内面に堅く固定されてはいない。代わりに、磁石は、バイアス機構により ハウジング内に支持されている。実際には吊るしてもよい。図示されるように、 バイアス機構は、磁石の各端部上にある一対の柔軟なシリコーンクッション118 である。従って、磁石は、ハウジング内のシリコーンクッションによって与えら れる保持力を受けて、端部プレート間を実質的に自由に移動する。シリコーンク ッションが示されるが、ばねおよび磁石のような他のバイアス機構も利用され得 る。 環境音に対応する電気信号がコイル112を通る場合、コイルによって生じる磁 場は磁石116の磁場と相互作用する。磁場の相互作用により、磁石がハウジング 内で振動する。好ましくは、2つのコイルの巻線を反対方向に巻くと、磁石に良 好な力が得られる(すなわち、各コイルからの軸方向の力が互いを打ち消さない )。磁石はハウジング内で振動し、ハウジング内のバイアス機構によってバイア スが与えられる。浮動質量体変換器の共鳴周波数は、バイアス機構が磁石をバイ アスする「堅固さ」によって決定され得る。例えば、浮動質量体変換器の高い共 鳴周波数が所望される場合は、バイアス機構として、相対的に高いばね力を有す るばねが利用され得る。あるいは、浮動質量体変換器の低い共鳴周波数が所望さ れる場合は、バイアス機構として、相対的に低いばね力を有するばねが利用され 得る。 金属の近傍の電磁場は金属に電流を誘導することが知られている。このような 電流は磁場を妨害するかまたはこれに干渉し得る。チタンのような金属の薄層に よってコイル112と磁石116とが分離されるが、金属層が十分に薄い(例えば、0. 05 mm)場合は、電磁干渉は無視し得る程度のものである。さらに、ハウジング はナイロンのような非伝導性材料により構成され得る。ハウジング内の摩擦を減 らすために、ハウジングおよび/または磁石の内側表面をコーティングして摩擦 係数を小さくしてもよい。 図6bは、図6aの浮動質量体変換器の磁石によって生じる磁場を示す。図示 されるように、磁力線はコイル112を貫通する。浮動質量体変換器の効率は、コ イルを通る磁束が最大となるような位置にコイルを配置することによって増大す る。従って、コイルは好ましくは磁石116の磁極の近くに配置されるのがよい。 ハウジング内での磁石の移動に対抗する摩擦は、ハウジングおよび/または磁 石の内側表面をコーティングすることによって低減され得るが、図6cは、ハウ ジング内の摩擦が低減された浮動質量体変換器の1つの実施態様を示す。この浮 動質量体変換器は、この浮動質量体変換器がハウジング内に球状磁石122を有す ること以外は、図6aに示すものとほぼ同じである。球状磁石は、円筒状磁石の 端部がハウジングの内側表面に当たることにより生じる低周波数歪みの量を低減 させ得る。 球状磁石は2つの方法でハウジング内の摩擦を低減し得る。第1は、球状磁石 は、ハウジングの内側表面と接触する表面積が小さく、また縁がないことである 。第2は、球状磁石はハウジング内を回転し得、これが摺動による摩擦より小さ い摩擦を生じることである。従って、球状磁石は、磁石の移動に対抗するハウジ ング内の摩擦を低減させ得る。 図6cの浮動質量体変換器には、ハウジングの一方の端部にクリップが配備さ れている。このクリップは、変換器を耳小骨に接着させるためにハウジングに溶 接された金属クリップであり得る。他の接着メカニズムもまた利用され得る。 図6dは、図6aの浮動質量体変換器の磁石によって生じる磁場を示す。図示 されるように、磁力線が、図6bに類似した方法でコイル112を貫通する。浮動 質量体変換器の効率は、コイルを通る磁束が最大となるような位置にコイルを配 置することによって増大する。従って、コイルは好ましくは磁石122の磁極の近 くに配置される。 図6eは、浮動質量体磁石を備えた浮動質量体変換器の別の実施態様を示す。 変換器100は、一方の端部が開口した円筒状ハウジング130を有する。ハウジング は外側表面上に、一対のコイル132を保持するための一対のノッチを有する。コ イルは、金およびプラチナを含む様々な金属材料により製造され得る。ハウジン グはボビンが糸を保持するようにコイルを保持する。ハウジングは、ハウジング を密閉する端部プレート134を備える。ハウジングは、チタン、鉄、ステンレス 鋼、アルミニウム、ナイロン、およびプラチナのような材料により製造され得る 。1つの実施態様では、ハウジングはチタンにより製造され、端部プレートはレ ーザー溶接され、これによりハウジングが気密的に密閉される。 ハウジング内には、SmCo磁石であり得る円筒状磁石136が配置される。磁石は ハウジングの内面に堅く固定されてはいない。磁石の各側部にはバイアス機構が 配備される。図示されるように、バイアス機構は、磁石136と138との間で磁極が 互いに隣接するようにハウジング内に配置された一対の磁石138である。従って 、磁石は、磁石136をバイアスする磁石によって妨害される場合以外は、磁石138 の間をほぼ自由に移動する。 環境音に対応する電気信号がコイル112を通る場合、コイルによって生じる磁 場は磁石136の磁場と相互作用する。これらの磁場の相互作用により、磁石がハ ウジング内で振動する。磁石はハウジング内で振動し、かつハウジング内のバイ アス機構によってバイアスが与えられる。浮動質量体変換器の共鳴周波数は、バ イアス機構が磁石をバイアスする「堅固さ」によって決定され得る。例えば、浮 動質量体変換器の高い共鳴周波数が所望される場合は、磁石138は磁石136の非常 に近くに配置され得る。あるいは、浮動質量体変換器の低い共鳴周波数が所望さ れる場合は、磁石138は磁石136から離れて配置され得る。 変換器はハウジング内に磁石を配置し、ハウジング内で磁石をバイアスし、ハ ウジングを密閉し、そして少なくとも1つのコイルをハウジングの外側表面の回 りに巻き付けることによって製造され得る。磁石をハウジング内でバイアスする ことは、シリコーンクッション、ばね、磁石、または他のタイプのバイアス機構 をハウジング内に配置することを包含し得る。さらに、ハウジングの内側表面に 少なくとも1つのコイルを固定し得る。1つの好適な実施態様では、ハウジング は気密的に密閉される。 変換器100はコーティング140でコーティングされているものとして示されてい る。コーティングはアクリルまたはポリイミドであり得る。さらに、変換器は、 移植中の取り扱いから生じるデバイスへの損傷を低減させる再吸収性コーティン グでコーティングされ得る。再吸収性ポリマーは、コーティングが溶解するよう に用いられ得る。従って、コーティングが吸収された後、コーティングは浮動質 量体変換器に質量を加えない。 図6fは、磁極片150および管状磁石152を除いては図6aに示される変換器と 同様である浮動質量体変換器を示している。浮動質量体変換器の効率は、コイル 112を通る磁束を増加させることによって上昇し得る。磁石116の端部に加えられ た磁極片は、コイルを通るより多くの磁力線を方向付け直すことを助け、コイル を通る磁束を増加させ得る。磁極片は金属材料から製造され得る。 磁極片の代わりに、またはそれに加えて、管状磁石152が、図示されるように ハウジングの周りに配置され得る。コイルを通るより多くの磁力線を方向付ける ために、磁石152の磁極は磁石116の磁極と反対であり、それによりコイルを通る 磁束を増加させる。管状磁石は、薄い磁気化された金属材料であり得る。 図6fに示されるように、バイアス機構は、端板114と一体化され得る。シリ コーンクッション118が、端板のくぼみに設置または固定される。 図6gは、浮動質量体磁石を有する浮動質量体変換器の他の実施態様を示す。 変換器100は、開放端を有する円筒形ハウジング160を有する。ハウジングは、締 まりばめでハウジングの開放端に押圧されることによってハウジングを密閉する 端板162を備える。ワッシャー166は、ハウジングの密閉を助ける。1つの実施態 様においては、ハウジングが溶接されることなく金-金接触によって密閉される ように、ハウジング、ワッシャーおよび端板は金メッキされる。 一対のコイル166が、ハウジングの内側表面に固定される。浮動円筒形磁石も また、ハウジング内に配置される。磁石は、ハウジングの内部に堅く固定されて はいない。磁石のそれぞれの側には、バイアス機構がある。図示されるように、 バイアス機構は、一対のバネ170である。従って、磁石は、バイアスバネを除い て、横方向に概して移動可能である。リード24は、図示されるように端板162を 通り得る。 耳内にある構造に変換器を固定するための代替機構を有する代替変換器100aを 図7aおよび7bに示す。この代替変換器100aにおいて、ハウジング10aは、ハ ウジングの第1の面32aから第2の面34aまで通る開口部36を有し、環状にされて いる。移植の際に、鐙骨HHの一部が開口部36に配置される。これは、鐙骨HHを、 砧骨MMから分離し、O形の変換器を鐙骨HHの周りに装着することによって行われ る。分離された耳小骨は、次いで、それらの自然位置に戻され、それらの間の結 合組織を回復させてそれらを再度結合させる。本実施態様は、同様の方法で砧骨 の周りに固定され得る。 図8および9は、全体的な耳小骨置換用補綴、および部分的な耳小骨置換用補 綴と組み合わせた本発明の変換器の使用を示す。これらの例示は、あくまで代表 的なものであり、変換器を耳小骨置換用補綴に組み込んだ他のデザインが容易に 想定され得る。 耳小骨置換用補綴は、チタンなどの生体適合性材料から構成される。しばしば 耳小骨再構築手術の最中に、再構築を行う必要がある際に、耳小骨置換用補綴が 手術室において形成される。図8に示されるように、全体的な耳小骨置換用補綴 は、変換器100の円形面32b、34bに連結された一対の部材38、40から構成され得 る。補綴は、鼓膜CCと卵円窓EEとの間に配置され、好ましくは、摩擦によって設 定位置に固定されるのに十分な長さからなる。図9を参照すると、部分的な耳小 骨置換用補綴は、変換器の円形面32c、34cに連結した一対の部材38c、40cから構 成され、砧骨MMと卵円窓EEとの間に配置され得る。 図10は、患者の頭蓋PP内に配置された変換器100、および関連した構成部材 の模式図を示す。外部音響変換器200は、従来の補聴器変換器と実質的にデザイ ンが同じであり、それらのいずれも詳細には説明しないがマイクロホン、音響処 理ユニット、増幅器、バッテリ、および外部コイルから構成される。外部音響変 換器200は、頭蓋PPの外部に配置される。皮下コイル変換器28は、変換器100のリ ード24と接続され、代表的には、皮下コイル28の設置位置の上に外部コイルが直 接配置されるように、耳の後ろの皮下に配置される。 音波は、外部音響変換器200のマイクロホンおよび音響プロセッサによって電 気信号に変換される。増幅器は信号をブーストし、そして外部コイルに供給し、 次いで外部コイルが磁気誘導によって信号を皮下コイル28にまで供給する。リー ド24は、手術によって側頭骨に作られたチャネルCTを通り、変換器100に信号を 伝える。音波を表す交流信号が、移植可能な変換器100内のコイル14に供給され ると、コイルによって生じた磁場は磁石アセンブリ12の磁場と相互作用する。 電流が交流するのに従って、磁石アセンブリおよびコイルは互いに対して交互 に引き付け合い反発し合う。交互の引力および斥力は、磁石アセンブリおよびコ イルを、互いに向かって、および互いから離れるように交互に移動させる。コイ ルは、磁石アセンブリと比べてハウジングにより堅く取り付けられているため、 コイルおよびハウジングは単一のユニットとして共に移動する。ハウジングの交 互の移動方向を、図10において両向き矢印によって示す。振動は、鎧骨HHを介 して卵円窓EEに伝わり、最終的に蝸牛液にまで伝わる。 B.浮動質量体コイル 本発明による浮動質量体変換器の他の実施態様の構造を、図11aおよび11 bに示す。先の実施態様とは異なり、本実施態様において、浮動質量体はコイル である。変換器100は、概して、磁石アセンブリ204と内部に配置されたコイル20 6とを有するハウジング202を備える。ハウジングは、概して、可撓性のダイアフ ラム208によって密閉された開放端を一方に有する円筒形カプセルである。磁石 アセンブリは、すでに図3を参照しながら説明したように、実質的に均一な磁束 を生じるために、永久磁石およびそれに伴う磁極片を備え得る。磁石アセンブリ は、ハウジングに固定され、コイルは可撓性のダイアフラム208に固定される。 ダイアフラムは、ダイアフラムの中心に取り付けられ、変換器が図5aに示され るように砧骨MMに取り付けられることを可能にするクリップ210を有して示され ている。 コイルは、交流をリード24を介してコイルに供給する外部電源(図示せず)に電 気的に接続されている。交流がコイルに流される場合に、コイルおよび磁石アセ ンブリは互いに関して振動し、ダイアフラムに振動を生じる。好ましくは、コイ ルおよびダイアフラムの相対的な振動は、磁石アセンブリおよびハウジングの振 動よりも実質的に大きい。 デバイスが適切に動作するために、振動が音波として認知されるような十分な 力で振動構造体を振動させなければならない。振動の力は、2つの変数(コイル とダイアフラムとを合わせた質量に対する磁石アセンブリとハウジングとを合わ せた質量、および磁石のエネルギー積(EP)を最適化することによって最も良好に 最大化される。 磁石アセンブリおよびハウジングを合わせた質量と、コイルおよびダイアフラ ムを合わせた質量との比は、マイラーのような軽量な可撓性の材料のダイアフラ ムを構築することによって最も容易に最適化される。ハウジングは、チタンのよ うな生体適合性の材料でなければならない。磁石は、好ましくは高いエネルギー 積を有するべきである。高いエネルギー積によって、コイルおよび磁石アセンブ リの磁場の間の引力および斥力を最大化し、それにより変換器によって生じた振 動の力を最大化する。永久磁石を用いることが好ましいが、本発明を実施するた めには電磁石もまた用いられ得る。 C.角運動量質量体磁石 本発明による浮動質量体変換器の他の実施態様の構造を図12に示す。本実施 態様においては、質量体は、弧を描いて振り子のように揺れる。変換器100は、 概して、磁石242および内部に配置されたコイル244を有するハウジング240から 構成される。ハウジングは、概して、密閉された長方形のカプセルである。磁石 は、支持体246に回転可能に取り付けられることによってハウジングに固定され ている。支持体は、ハウジングの内側に固定され、磁石がハウジング内で軸周り に揺れることを可能にする。コイル244は、ハウジング内に固定されている。 コイルは、交流をリード24を介してコイルに供給する外部電源(図示せず)に電 気的に接続される。電流がコイルに流される場合、一方のコイルは磁石242を引 き付ける磁場を作り、他方のコイルは磁石242と反発する磁場を作る。交流は、 磁石をコイルおよびハウジングに対して振動させる。ハウジングを耳小骨に取り 付けるために使用され得るクリップ248を示している。好ましくは、コイルとハ ウジングとの相対的な振動は、磁石の振動よりも実質的に大きい。 デバイスが適切に動作するために、振動が音波として認知されるような十分な 力で振動構造体を振動させなければならない。振動の力は、2つの変数(コイル とハウジングとを合わせた質量に対する磁石の質量、および磁石のエネルギー積 (EP))を最適化することによって最も良好に最大化される。 磁石の質量と、コイルおよびハウジングを合わせた質量との比は、チタンなど の機械で薄く作られた、軽量な材料のハウジングを構築し、かつ磁石がハウジン グ内の大部分の空間を埋めるように構成することによって最も容易に最適化され る。しかし、磁石がハウジング内で自由に揺れるまたは振動するために、磁石と コイルとの間に十分な空間が必要である。 磁石は、好ましくは高いエネルギー積を有する。高いエネルギー積によって、 磁石の磁場とコイルとの間の引力および斥力を最大化し、それにより変換器の振 動の力を最大化する。永久磁石を用いることが好ましいが、本発明を実施するた めには電磁石もまた用いられ得る。 III.圧電性浮動質量体変換器 圧電性電気は、誘電性結晶(dielectric crystal)に機械的な圧力をかけること によって生じる。逆に、誘電性結晶の特定の面の間に電圧を印加すると、結晶に 機械的な歪みが生じる。この相反する関係は、圧電性効果と称される。圧電性材 料には、石英、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、鉛チタネートジルコネート(P B[ZrTi]O3)などが含まれる。圧電性材料はまた、異なる極性を有する2つの圧電 性層を共に結合することによって形成される、バイモルとして形成され得る。1 つの極性の電圧が一方のバイモル層に印加され、その反対の極性の電圧が他方の バイモル層に印加される場合、一方の層は収縮し、他方の層は膨張する。従って 、バイモルは、収縮層に向かって曲がる。電圧の極性が逆にされる場合は、バイ モルは反対の方向に曲がる。圧電およびバイモル圧電の特性は、以下のように浮 動質量体変換器の基礎となる。 A.カンチレバー 本発明による圧電性浮動質量体変換器の構造を図13に示す。本実施態様にお いて、浮動質量体は、圧電性バイモルによって振動する。変換器100は、概して 、 バイモルアセンブリ304および内部に配置された駆動ウェイト306を有するハウジ ング302から構成される。ハウジングは、概して、密閉された長方形カプセルで ある。バイモルアセンブリ304の一端は、ハウジングの内側に固定されており、 そして短い圧電性ストリップ308および長い圧電性ストリップ310から構成される 。2本のストリップは、電圧がリード24を介してストリップに印加される場合、 一方のストリップが収縮し、他方は膨張するように方向を合わせられる。 駆動ウェイト306は、圧電性ストリップ310(「カンチレバー」)の一端に固定され る。交流がバイモルアセンブリに流されると、ハウジングおよび駆動ウェイトが 互いに関して振動し、ハウジングを振動させる。好ましくは、ハウジングの相対 的な振動は、駆動ウェイトの振動よりも実質的に大きい。図5aに示されるよう に変換器が砧骨MMに取り付けられることを可能にするクリップがハウジングに固 定され得る。 デバイスが適切に動作するために、振動が音波として認知されるような十分な 力で振動構造体を振動させなければならない。振動の力は、2つの変数(ハウジ ングの質量に対する駆動ウェイトの質量と、圧電性バイモルアセンブリとの効率 )を最適化することによって最も良好に最大化される。 駆動ウェイトの質量とハウジングの質量との比は、チタンなどの機械で薄く作 られた、軽量な材料のハウジングを構築し、かつ駆動ウェイトがハウジング内の 大部分の空間を埋めるように構成することによって最も容易に最適化される。し かし、ハウジングが振動する際に駆動ウェイトと接触しないように、駆動ウェイ トとハウジングとの間に十分な空間が必要である。 他の実施態様において、圧電性バイモルアセンブリおよび駆動質量体は、ハウ ジング内部に存在しない。浮動質量体は、圧電性バイモルによって振動されるが 、バイモルアセンブリは、図14に示されるように、耳小骨(例えば、砧骨MM)に クリップによって直接固定されている。変換器100bは、短い圧電性ストリップ30 6および長い圧電性ストリップ308から構成されるバイモルアセンブリ304を有す る。先と同様に、2本のストリップは、電圧がリード24を介してストリップに印 加される場合、一方のストリップが収縮し、他方は膨張するように方向を合わせ られる。バイモルアセンブリの一端は、砧骨に留められて図示されるクリップ31 4に 固定される。駆動ウェイト312は、クリップの反対側の圧電性ストリップ308の端 部において、耳小骨または周囲組織と接触しないような位置に固定される。好ま しくは、変換器によって生じる振動の全体または実質的な部分が砧骨に伝達され るように、駆動ウェイトの質量が選択される。 バイモル圧電性ストリップは、1本の長い部分および1本の短い部分で示され るが、全体のカンチレバーは、同じ長さのバイモル圧電性ストリップから構成さ れ得る。 B.薄膜 本発明による浮動質量体変換器の他の実施態様の構造を図15aおよび15b に示す。本実施態様において、浮動質量体は、圧電性バイモルによって薄膜と共 に振動するようになっている。変換器100は一方が開放端の、可撓性のダイアフ ラム322によって密閉された、ほぼ円筒形のカプセルであるハウジング320から構 成される。バイモルアセンブリ324は、ハウジング内に配置され、可撓性のダイ アフラムに固定されている。バイモルアセンブリは、2本の圧電性ストリップ32 6および328を含む。2本のストリップは、電圧がリード24を介してストリップに 印加される場合、一方のストリップが収縮し、他方は膨張するように方向を合わ せられる。ダイアフラムは、ダイアフラムの中心に取り付けられ、変換器が耳小 骨に取り付けられ得るクリップ330を有して示されている。 バイモルアセンブリに交流が流されると、ダイアフラムが振動する。好ましく は、バイモルアセンブリおよびダイアフラムの相対的な振動は、ハウジングの振 動よりも実質的に大きい。デバイスが適切に動作するために、振動が音波として 認知されるような十分な力で振動構造体を振動させなければならない。振動の力 は、2つの変数(バイモルアセンブリとダイアフラムとを合わせた質量に対する ハウジングの質量)を最適化することによって最も良好に最大化される。 ハウジングの質量と、バイモルアセンブリおよびダイアフラムを合わせた質量 との比は、ウェイト332をハウジング内に固定することによって最も容易に最適 化される。ハウジングは、チタンのような生体適合性材料から構成され得る。 C.圧電性スタック 本発明による圧電性浮動質量体変換器の構造を図16に示す。本実施態様にお いて、浮動質量体は、圧電性ストリップのスタックによって振動させられる。変 換器100は、概して、圧電性スタック342および内部に配置された駆動ウェイト34 4を有するハウジング340から構成される。ハウジングは、概して、密閉された長 方形のカプセルである。 圧電性スタックは、多数の圧電性シートから構成される。圧電性スタック340 の一端は、ハウジングの内側に固定されている。駆動ウェイト344は、圧電性ス タックの他端に固定されている。リード24を介して圧電性ストリップに電圧が印 加される場合、個々の圧電性ストリップが、電圧の極性に依存して膨張または収 縮する。圧電性ストリップが膨張または収縮するのに従って、圧電性スタックが 図16中の両向き矢印に沿って振動する。 圧電性スタックに交流が流されると、駆動ウェイトが振動し、ハウジングを振 動させる。好ましくは、ハウジングの相対的な振動は、駆動ウェイトの振動より も実質的に大きい。変換器が耳小骨に取付けられ得るように、クリップ346がハ ウジングに固定され得る。 デバイスが適切に動作するためには、振動が音波として認知され得る十分な力 で、振動構造体を振動させなければならない。振動の力は、2つの変数(ハウジ ングの質量に対する駆動ウェイトの質量、および圧電性ストリップの効率)を最 適化することで最も良好に最大化される。 駆動ウェイトの質量とハウジングの質量との比は、チタンなどの機械で薄く作 られた、軽量な材料のハウジングを構築し、かつ駆動ウェイトがハウジング内の 大部分を埋めるように構成することによって最も容易に最適化される。しかし、 ハウジングが振動する際に駆動ウェイトと接触しないように、駆動ウェイトとハ ウジングとの間に十分な空間が必要である。 D.二重圧電性ストリップ 本発明による圧電性浮動質量体変換器の構造を図17に示す。本実施態様にお いて、浮動質量体は、二重圧電性ストリップによって振動する。変換器100は、 概して、圧電性ストリップ362および内部に配置された駆動ウェイト364を有する ハウジング360から構成される。ハウジングは、概して、密閉された長方形のカ プセルである。 各圧電性ストリップの一端は、ハウジングの内側に固定されている。駆動ウェ イト364は、各圧電性ストリップの他端に固定されている。リード24を介して圧 電性ストリップに電圧が印加される場合、圧電性ストリップが、電圧の極性に依 存して膨張または収縮する。圧電性ストリップが膨張または収縮するのに従って 、駆動ウェイトが図17中の両向き矢印に沿って振動する。 圧電性ストリップに交流が流されると、駆動ウェイトが振動し、ハウジングを 振動させる。好ましくは、ハウジングの相対的な振動は、駆動ウェイトの振動よ りも実質的に大きい。変換器が耳小骨に取付けられ得るように、クリップ366が ハウジングに固定され得る。 デバイスが適切に動作するためには、振動が音波として認知される十分な力で 、振動構造体を振動させなければならない。振動の力は、2つの変数(ハウジン グの質量に対する駆動ウェイトの質量、および圧電性ストリップの効率)を最適 化することで最も良好に最大化される。 駆動ウェイトの質量とハウジングの質量との比は、チタンなどの機械で薄く作 られた、軽量な材料のハウジングを構築し、かつ駆動ウェイトがハウジング内の 空間の大部分を埋めるように構成することによって最も容易に最適化される。し かし、ハウジングが振動する際に駆動ウェイトと接触しないように、駆動ウェイ トとハウジングとの間に十分な空間が必要である。 本実施態様は、2本の圧電性ストリップを有する場合について説明した。しか し、2本を上回る圧電性ストリップも用いられ得る。 IV.外部浮動質量体変換器の形態 A.連結 本発明による浮動質量体変換器はまた、外耳内の鼓膜にも取付けられ得る。図 18は、鼓膜に取付けられた浮動質量体変換器を示す。鼓膜CCを介して、槌骨LL にクリップ402で取付けられた変換器100が示されている。変換器はまた、ネジ、 縫合などを含む他の方法によっても鼓膜に取付けられ得る。変換器は、耳管に沿 ってピックアップコイル404まで通じているリード24を介して交流を受ける。 外部音響変換器406は、耳甲介QQの後ろに配置される。外部音響変換器は、従 来の補聴器変換器とデザインが実質的に同じであり、いずれも詳細には説明しな いがマイクロホン、音響処理ユニット、増幅器、およびバッテリから構成される 。音波は、外部音響変換器のマイクロホンおよび音響プロセッサによって電気信 号に変換される。増幅器は、信号をブーストしてリード408を介して駆動コイル4 10まで供給する。リード408は、穴412を通じて耳甲介の後ろから耳甲介の前に通 じている。リードはまた、耳甲介の上または多数の他の経路のうちの任意の1つ を辿り得る。駆動コイルはピックアップコイルに隣接しており、従って実際には 2つのコイルが耳管内にある。 駆動コイルは、磁気誘導によってピックアップコイル404に信号を供給する。 ピックアップコイルは、リード24に交流信号を流し、先において記載したように 、浮動質量体変換器が中耳において振動に変換する。本実施態様は、駆動および ピックアップコイルを備えるものとして説明したが、外部音響変換器と、浮動質 量体変換器との間を直接リードで接続することも包含し得る。 本実施態様の明らかな利点は、変換器を移植するために中耳の手術が必要でな いことである。従って、患者には、変換器を中耳に設置するために必要となる侵 襲性の手術なしに変換器が耳小骨に取付られ得る。 B.非連結 本発明による浮動質量体変換器は、外耳内の鼓膜に、取り外し可能(すなわち 、非連結的)に取付けられ得る。以下の段落において、浮動質量体変換器が鼓膜 に取り外し可能に取付けられる、異なる実施態様を説明する。 図19aは、本発明の浮動質量体変換器が、鼓膜に接触するように取り外し可 能に設置されている実施態様を示す。可撓性の膜502で鼓膜CCに取付けられてい る変換器100を示す。可撓性の膜は、シリコーンから構成され得、吸引作用、接 着剤などによって、鼓膜と接触するように変換器を保持する。変換器は、耳管に 沿ってピックアップコイル504まで通じているリード24を介して交流を受ける。 変換器、リード、およびピックアップコイルは、使い捨て可能に作られ得る。 外部音響変換器506は、耳甲介QQの後ろに配置される。外部音響変換器は、従 来の補聴器変換器とデザインが実質的に同じであり、いずれも詳細には説明しな いがマイクロホン、音響処理ユニット、増幅器、バッテリ、および駆動コイルか ら構成される。音波は、外部音響変換器のマイクロホンおよび音響プロセッサに よって電気信号に変換される。マイクロホンは、耳甲介の前方からの音をより良 好に受け取り得る管508を備え得る。増幅器は、信号をブーストして外部音響変 換器内の駆動コイルまで供給する。 駆動コイルは、磁気誘導によってピックアップコイル504に信号を供給する。 ピックアップコイルは、リード24に交流信号を流し、先において記載したように 、浮動質量体変換器が中耳において振動に変換する。本実施態様は、ドライバお よびピックアップコイルを備えるものとして説明したが、外部音響変換器と、浮 動質量体変換器との間を直接リードで接続することも包含し得る。 図19bは、浮動質量体変換器の鼓膜上の位置を示す。変換器100および可撓 性の膜502は、環状リングRR内に配置されている。好ましくは、変換器は、臍領 域TTの近くに配置される。 図20aは、本発明の浮動質量体変換器が、鼓膜に接触して取り外し可能に設 置される他の実施態様において使用される可撓性の挿入物を示す。可撓性の挿入 物600は、ピックアップコイル602、リード24、および浮動質量体変換器610から 主に構成される。ピックアップコイル602は、好ましくは、ポリビニルまたはシ リコーンのような柔軟な可撓性の材料で被覆される。ピックアップコイルは、可 撓性を有しかつ歪み緩和を提供して振動の影響による破損を低減することによっ てリードの耐久性を提供するために特徴的な波状パターンを有し得るリード24と 接続されている。リードは、ピックアップコイルからの交流を、鼓膜の臍領域と 接触して配置されている変換器100に提供する。好ましくは、変換器は、鼓膜と 接触する側に、柔軟なコーティング606(例えば、シリコーン)を有している。図 20bは、可撓性の挿入物600の側面図を示す。可撓性の挿入物はまた、変換器 を支持する2本を上回る可撓性のリードを有するようにデザインされ得る。 図20cは、可撓性の挿入物の耳管内での位置を示す。可撓性の挿入物600は 、 浮動質量体変換器が鼓膜と接触するように、耳管内に深く配置されている。ピッ クアップコイルは、いずれも詳細には説明しないがマイクロホン、音響処理ユニ ット、増幅器、バッテリ、および駆動コイルを含む外部音響変換器608による磁 気誘導によって駆動され得る。外部音響変換器は、耳管内において示されている が、耳甲介の後部を含む他の位置にも設置され得る。また、外部音響変換器は、 ネックレスの形態で作製され得る。駆動コイルは、患者の首のまわりを一周し、 ピックアップコイルを駆動する磁場を磁気誘導によって生じる。 図21aは、本発明による浮動質量体変換器が、鼓膜に接触して取り外し可能 に設置されている他の実施態様を示す。可撓性の膜702で鼓膜CCに取付けられて いる変換器100を示す。可撓性の膜は、シリコーンから構成され得、吸引作用ま たは接着剤を通じて鼓膜と接触するように変換器を保持する。変換器は、可撓性 の膜を介してピックアップコイル704まで通じているリード24を介して交流を受 ける。ピックアップコイルは、可撓性の膜内に配置され得、先に記載したように 駆動コイル(図示せず)によって駆動され得る。 図21bは、図21aの浮動質量体変換器の鼓膜上での位置を示す。変換器10 0および可撓性の膜702は、鼓膜CC上に配置されている。好ましくは、変換器は、 臍領域TTの近くに設置される。駆動コイルからの復調信号が使用される場合には 、復調回路706が、ピックアップコイルおよび変換器の間の可撓性の膜内に設置 され得る。 これらの実施態様の利点は、変換器を移植するための中耳の手術が必要でない ことである。さらに、これらの実施態様により、患者が手術を受けることなく浮 動質量体変換器を試みる方法が提供される。 C.耳甲介プラグ 本発明は、耳甲介プラグとして耳甲介に取付けられる外部音響変換器を提供す る。図22は、外部音響変換器耳甲介プラグの設置を示す。小さい穴または切開 部を耳甲介に形成し、外部音響変換器800を耳甲介の穴に挿入する。外部音響変 換器は、マイクロホン802、音響プロセッサ804、増幅器806、およびバッテリド ア808内のバッテリから構成される。マイクロホンはまた、より良好な受信のた めに、図19aに示されるようなマイクロホンチューブも備え得る。 動作に関して、外部音響変換器は、従来の補聴器変換器とデザインが実質的に 同じである。音波は、外部音響変換器のマイクロホンおよび音響プロセッサによ って電気信号に変換される。増幅器は、信号をブーストしてリード810を介して 耳甲介QQの前方まで供給する。耳甲介の前方においては、リード810が、浮動質 量体変換器100に交流信号を伝達するリード24に電気的に接続されている。変換 器100は、記載されたいずれの方法によっても鼓膜に取付けられ得、可撓性の膜5 02と共に図示されている。 外部音響変換器のリードと、浮動質量体変換器とを分離することが所望され得 るので、リード24はキャップ812において末尾を成し得る。キャップは、リード と接続されるようにデザインされ、外部音響変換器から取り外し可能である。図 示されるキャップは、磁石814によって設置場所に保持されている。 V.内部浮動質量体変換器の形態 A.関節離断を行わない中耳取付け 本発明による浮動質量体変換器は、耳小骨の関節離断を行うことなく中耳に移 植され得る。図5aは、浮動質量体変換器が、どのように砧骨に留められ得るか を示す。しかし、浮動質量体変換器はまた、いずれの耳小骨にも留め得も、固定 (例えば、手術用ネジ)され得もする。 図23は、浮動質量体変換器が、中耳内の卵円窓にどのように固定され得るか を示す。浮動質量体変換器100は、卵円窓に、接着剤、糊、縫合などで取付けら れ得る。あるいは、変換器は、鐙骨HHに接続されることにより設置位置に保持さ れ得る。変換器を卵円窓に取付けることによって、内耳の蝸牛液が直接振動する 。さらに、浮動質量体変換器が、鼓膜の中耳側に取付けられ得る。 浮動質量体変換器を、関節離断を行うことなく中耳に取付けることによって、 患者の正常な聴力が保持されるという利得が提供される。 B.全体的および部分的な耳小骨置換用補綴 浮動質量体変換器は、図8および9に示されるように、全体的または部分的な 耳小骨置換用補綴において利用され得る。耳小骨置換用補綴は、本明細書におい て説明した浮動質量体変換器のいずれも採用し得る。従って、浮動質量体変換器 の1つの実施態様に対する耳小骨置換用補綴の議論は、その実施態様のみが使用 され得るということを意図するものではない。当業者であれば、本発明の浮動質 量体変換器の実施態様のいずれを用いても耳小骨置換用補綴を容易に形成し得る 。 C.完全内部型 浮動質量体変換器を有する補聴器はまた、完全に内部的に移植され得る。この 実施態様において、浮動質量体変換器は、上記のうちの任意の方法で、中耳内に 固定される。完全移植可能補聴器を作製しようとする際に直面する困難さの一つ はマイクロホンであるが、浮動質量体変換器は、内部マイクロホンとしても機能 し得る。 図24は、浮動質量体変換器を用いた完全内部型補聴器を示している。浮動質 量体変換器950は、クリップによって槌骨LLに取り付けられる。変換器950は、槌 骨からの振動を拾い、リード952上において交流信号を生じる。従って変換器950 は、内部マイクロホンに相当する。 音響プロセッサ960は、バッテリ、増幅器、および信号プロセッサを有するが 、これらはいずれも詳細には図示していない。音響プロセッサは信号を受け取り 、増幅された信号を、リード24を介して浮動質量体変換器980に送る。変換器980 は中耳(例えば砧骨)に取り付けられ、卵円窓上で患者が検知し得るような振動 を生じる。 好適な実施態様において、音響プロセッサは、ピックアップコイルによって充 電される充電池を有している。バッテリは、電流が流れている充電コイルが、ピ ックアップコイルの近傍に置かれたときに、充電される。好ましくは、音響プロ セッサのボリュームは、スイッチの近傍に磁石を置くことによってセットされる 磁気スイッチで調節可能にするなどして、遠隔プログラムされてもよい。 D.手術 現在、50dbを越える聴力損失を患う患者が、本発明による移植された聴覚デバ イスの最適な候補者であると考えられる。軽度の聴力損失から軽度から中程度の 聴力損失を患う患者は、将来的に潜在的な候補者として考えられるかもしれない 。本デバイスによって利益を受けるであろう患者を同定するため、および手術後 の結果との比較用のベースラインデータを得るために、広範な手術前聴覚試験が 不可欠である。また、このような試験は、デバイスを外科的に移植する際にさら なる手順を行うことによって利益を受け得る患者を同定することを可能にし得る 。 潜在的なデバイスのレシピエントの同定に続き、適切な患者カウンセリングが 行われるべきである。そのようなカウンセリングの目的は、外科医と聴覚訓練士 が、従来の治療のかわりに本デバイスを選択するか否かに関して告知に基づいた 決定(informed decision)をなすために必要な情報のすべてを患者に提供するこ とである。本発明から患者が実質的な利益を受けるか否かの最終的な決定は、患 者の聴力測定データおよび既往歴(medical history)ならびに、そのようなデバ イスの移植に関する患者の感情の両方を考慮することを含むべきである。決定を 助けるために、潜在的な副作用について患者に告知するべきである。その最も多 いものは、残聴にわずかなシフトが起こることである。より深刻な副作用として は、外科手術中の顔面神経の損傷に起因する完全あるいは部分的な顔面麻痺の可 能性がある。内耳もまた、デバイスの設置中に損傷され得る。生体適合性材料の 使用によりまれではあるが、デバイスの免疫学的拒絶が起こり得る。 外科手術に先だって、外科医はいくつかの患者管理に関する決定を行わなけれ ばならない。第1に、麻酔のタイプを全身にするか局所にするかを選択する必要 がある。局所麻酔にすれば、手術中にデバイスの試験を行う機会が増加する。第 2に、患者に最も適した特定の変換器の実施態様(例えば砧骨クリップまたは部 分的な耳小骨置換用補綴による取り付け)を、決定する必要がある。しかし、別 の実施態様が必要になったときに備えて、その他の実施態様もまた外科手術中に 利用可能であるべきである。 デバイスの移植可能部分の移植のための手術手順の一つは、7工程のプロセス に要約され得る。第1に、乳様突起根治切除の改変型を行うことによって、側頭 骨を通して耳小骨が十分に見えるようにするための経路を、耳小骨鎖を分断しな いようにして作製する。第2に、乳様突起の凹部をレシーバコイルの設置用に形 状を整える。必要であれば、移植実施態様の載置のためのさらなる準備を中耳に 対して行う。すなわち、他の必要な手術手順もまたこの時点で行い得る。第3に 、デバイス(リードによってレシーバコイルに接続された変換器をユニットとし て有する)を、外科的に作製された経路を通って、中耳内に挿入する。第4に、 変換器を中耳内に載置し、どの変換器の実施態様を利用するかに応じて、デバイ スをクリンプまたははめ込みする。この工程の一部として、リードを経路内に設 置する。第5に、乳様突起中に作製された凹部に(上記工程2を参照)レシーバ コイルを設置する。第6に、聴覚刺激に応答するために十分な程度に患者を蘇生 (revive)させた後、移植されたレシーバコイル上に外部増幅システムを設置して から、患者に対して手術中試験を行う。患者が手術中試験に失格するかあるいは 音質が悪いことを訴えた場合には、外科医は、デバイスが正しく結合されかつ正 しく設置されているか否かを決定しなければならない。良好でない試験結果は一 般に、載置が悪いことに起因する。本デバイスは最高の性能を発揮するためには ぴったりとはめ込まれることを必要とするからである。もしデバイスが作動して いないと決定された場合は、新しいインプラントを載置しなければならない。最 後に、感染の可能性を低減するために抗生物質が投与され、患者を閉じる。 デバイスの移植可能部分を移植するための別の手術手順は、単純な手術手順に よって行われ得る。内部浮動質量体変換器を所望している人に対して、大部分の 耳手術に共通である局所麻酔によって、外科出術の準備を行う。外科医は長さ3 〜4cmの耳介後部切開(post-auricular incision)を行う。次に外科医は耳(耳 介)をメスで前方に引っ張り、後耳管(posterior ear canal; EAC)に沿って、骨 表面とその上の皮膚および筋膜との間に、経路を作製する。外科医はEACに沿っ て慎重に、鼓膜の環状輪に達するまで、経路(この経路を通してリードが設置さ れる)を作製する。環状輪を次に切開し、折り返すことによって中耳空間を露出 する。浮動質量体変換器を外科的に作製された経路を通って中耳空間内に導き、 適切な中耳構造体に取り付ける。このプロセスを容易にするために、検鏡を効果 的に用い得る。レシーバコイルを位置留めするために凹型盆状部(concave basin )を側頭骨の耳介後部に作製するか、小さなネジを頭蓋にセットすることによっ てレシーバコイルが経時的に遊動することを防ぐ。次に、被験者が単に音楽およ び会話の音質を判断する試験によって、変換器が働いているかどうかをチェック する。試験結果が良好であれば、患者を閉じる。 手術後治療は、同様なタイプの外科手術後に通常用いられる手順を包含する。 任意の乳様突起切除術後に処方されるのと同様な方法で、抗生物質および鎮痛薬 (pain medication)を処方する。適正な創治癒を妨げない通常の活動は、手術後2 4〜48時間内に再開され得る。創治癒を評価し、縫合糸を除去するために手術後 7〜10日間患者を診るべきである。 適正な創治癒の後、外部増幅システムの試着(fitting)およびデバイスの試験 を、処方聴覚訓練士によって行う。聴覚訓練士は、最高の音声認知が得られる状 態の患者の主観的評価に基づいてデバイスを調整する。さらに、外科移植が患者 の残聴に影響を与えたか否かを決定するために、外部増幅システムを設置しない 状態で聴覚試験を行うべきである。全ての調整後に、手術後聴覚データを手術前 ベースラインデータと比較するために最終試験を行うべきである。 デバイスの性能を測定し、必要な調整を行うために、約30日後に患者を診るべ きである。もしデバイスが、以前の手術後試験セッション中におけるよりも有意 に悪く機能している場合は、患者の経過を緊密に追わなければならない。聴覚的 結果が改善しない場合には、外科的調整あるいは交換が必要になり得る。デバイ スが良好に機能している患者においては、半年毎の試験−−いずれ年1回の試験 に減らし得るが−−を行うべきである。 VI.骨伝導浮動質量体変換器の形態 骨伝導は、自然な聴覚のありかたである。自分自身の声を聞くとき、空気中を 伝達された声と、頭蓋骨(すなわち非耳小骨)を通って伝達された声との両方を 聞いている。自分の声のうち骨伝導によって伝達される部分は、空気中を伝達さ れる部分とほぼ等しいと評価されている。大部分の人が録音された自分の声が「 変である」と感じるのは、この理由による。すなわち、テープレコーダは空気中 を伝達される音しか記録しないからである。 骨伝導された音は、3つの刺激モードを介して内耳に伝達される。第1に、高 周波数音は、外耳管および中耳洞(middle ear cavity)に放射し、耳小骨を振動 させる。第2に、低周波数音は側頭骨を加速させ、耳小骨および内耳液を振動さ せる。第3に中周波数音および高周波数音の両方とも、蝸牛殻の寸法を変化させ 、内耳液を刺激する。外耳および中耳を利用する音もあるが、骨伝導は、ある周 波数範囲の音を、必ずしも外耳および中耳に依存することなく、内耳に伝達する 。本発明の浮動質量体変換器は、以下のように骨伝導を利用して、聴覚を補助し 得る。 A.中耳取り付け 図25aは、中耳内の骨に取り付けられた浮動質量体変換器を示している。音 響プロセッサ1000は、環境音を受け取り、音を信号の形で移植されたレシーバ10 02に伝達する。音響プロセッサは典型的には、マイクロホン、信号処理および信 号変調の両方を行う回路、バッテリ、および磁場変化を介して信号をレシーバに 伝達するコイルを有する。本発明とともに用い得る音響プロセッサが、1995年9 月7日に出願された米国出願第08/526,129号に記載されており、同出願を全ての 目的において本明細書中で援用する。 レシーバ1002は典型的には、音響プロセッサからの信号を磁場変化の形で経皮 的に受信するためのコイルを有している。図示されるように、レシーバは皮膚下 に設置され、磁場変化を電気信号に変換する。復調器1004は、リード24を介して 浮動質量体変換器100に伝達される電気信号を復調する。リードは、前述のよう に側頭骨中に切開された経路1006を通って中耳に達する。 浮動質量体変換器100は、卵円窓下の岬角において、手術用ネジ1008を用いて 、側頭骨に取り付けられる。他の取り付け機構としては、骨セメント、ヒドロキ シアパタイトコーティングされた釘あるいは縫合糸がある。 動作中、浮動質量体変換器は、環境音から生じた電気信号に応答して振動する 。浮動質量体変換器は頭蓋骨に固定的に取り付けられているため、振動は骨伝導 によって内耳液に伝達される。蝸牛近くに浮動質量体変換器を取り付けることが 、より効率的であると考えられている。 図25bは、中耳内の骨に取り付けられた浮動質量体変換器の別の実施態様を 示している。上述のように、音響プロセッサ1000は環境音を受け取って、信号の 形で音を移植されたレシーバ1002に伝達する。レシーバ1002は音響プロセッサか ら信号を経皮的に受信する。復調器1004は、リード24を介して浮動質量体変換器 100に伝達される電気信号を復調する。リードは、側頭骨に近接する軟骨および 組織を通過して中耳に達した後、皮膚下の外耳管に沿って移動する。このように して、鼓膜に穿孔することなく、リードは中耳に入って行き得る。 浮動質量体変換器100は、卵円窓上で、手術用ネジ1008によって側頭骨に取り 付けられる。他の取り付け機構としては、骨セメント、ヒドロキシアパタイトコ ーティングされた釘あるいは縫合糸がある。 動作中、浮動質量体変換器は、環境音から生じた電気信号に応答して振動する 。浮動質量体変換器は頭蓋骨に固定的に取り付けられているため、振動は骨伝導 によって内耳液に伝達される。 B.マウスピース 図26は、本発明の浮動質量体変換器を用いたスキューバマウスピースを示し ている。パージバルブ1100は高圧エアライン1102を有しており、高圧エアライン 1102を通って空気が強制的にインテーク1104に移動させられる。パージバルブは 、スキューバダイバーが呼吸し得るように、インテークを通る空気の圧力を減少 させる。空気は、エグゾーストエアライン1106を通って排気される。図示したパ ージバルブは特定のパージバルブを示しているが、本発明は他の形態のパージバ ルブにも容易に用い得る。 パージバルブは、スキューバダイバーの口に置かれるマウスピース1108を有し ている。マウスピースは、複数の浮動質量体変換器を有している。浮動質量体変 換器は、浮動質量体変換器がスキューバダイバーの歯に接触するように、マウス ピース内にモールドされる。浮動質量体変換器は、耐久性を増し、信号伝達を向 上するためにアクリルコーティングを有していてもよい。一実施態様においては 、浮動質量体変換器と歯との間にマウスピースの薄い層が存在するように、浮動 質量体変換器はマウスピース内にモールドされる。浮動質量体変換器の振動は、 歯に伝達され頭蓋を通って内耳に伝達される。 浮動質量体変換器は、リード24を介してレシーバから電気信号を受け取る。レ シーバはダイバーの背中に位置していてもよい。水は実は優れた音の伝導体であ るため、レシーバは、距離が大きく離れた送信器からの音を受信し得る。典型的 には、ダイバーは、水面に位置し水中に送信器を有するボートからの音を受信す る。 スキューバマウスピースについて浮動質量体変換器を説明したが、浮動質量体 変換器は他のマウスピースにおいてもまた容易に利用可能である。例えば、フッ トボールプレーヤーが利用するマウスピースにおいても浮動質量体変換器を用い ることによって、騒がしいスタジアムにおいてもプレーヤーが指示を聞くことが できる。レシーバは典型的にはプレーヤーのヘルメット内に位置される。任意の 数の浮動質量体変換器(1つの浮動質量体変換器を含む)をマウスピース内に用 いることができる。従って、特定の実施態様の説明は説明的であって限定的なも のではない。 VII.耳鳴りマスキング浮動質量体変換器 耳鳴りは、常に耳の中でリング音あるいは笛音が聞こえる医学的状態である。 その効果は、少なくともいらいらさせるものであると言われ、狂おしいと表現す る人もいる。耳鳴りの正確な原因は知られていないが、浮動質量体変換器を用い て耳鳴り音がマスクされ得る。 耳鳴り音はしばしば、耳鳴り音と180°位相のずれた信号によってマスクされ 得る、純音である。このようにして、耳鳴り音は、耳鳴り音と180°位相のずれ た信号を生じる浮動質量体変換器によって、効果的に打ち消される。浮動質量体 変換器は、本明細書中に記載したいずれかの方法によって移植または装着され得 る。浮動質量体変換器は振動伝導に依存するため、従来の聴覚補聴器よりもより よく耳鳴りをマスクし得ると考えられている。 音響プロセッサは、耳鳴りをマスクする信号を生じるように浮動質量体変換器 を駆動し得る。また、耳鳴りを有する者の中には、「ホワイトノイズ」あるいは 浜辺に打ち寄せる波音のようなバックグラウンド信号を発生する浮動質量体変換 器に安堵する者もいるかも知れない。浮動質量体変換器による耳鳴りのマスキン グは、他のタイプの聴覚補助と組み合わせ得る。 VIII.実験 以下の実施例は、本発明の特定の好適な実施態様および局面を例示する目的の ものであり、その範囲を制限するように解釈されてはならない。以下の実験例の 開示は、I)インビボでの死体実施例、およびII)会話および音楽のインビボでの 主観的評価に分割される。これら2つのセクションは、デバイスのためのインビ ボデータを得るために用いられる2つのアプローチを要約するものである。 A.インビボ死体例 音波が鼓膜を打つとき、中耳構造体は、音の強度および周波数に応じて振動す る。以下の実施例において、レーザドップラー速度計(LDV)を用い、ヒト死体 の耳におけるデバイス性能対純音の曲線を得た。以下の実施例において用いたLD Vツールは、Palo Alto,CAの、Veterans Administration Hospitalにある。図2 7のブロック図に示したこのデバイスは、中耳振動運動の測定に広範に用いられ てきており、Goodeらに記載されている。Goodeらは、同様なシステムを用いて生 きた人間の鼓膜の、音に応答した振動運動を測定した。この方法の有効性を示し 、死体側頭骨モデルを批准するために、その結果を図28に示す。 以下の3つの実施例の各々において、ヒト側頭骨の切開は、中耳にアクセスす るために、顔窩(facial recess)アプローチを含むものであった。顔面神経の除 去後に、0.5mm×0.5mm角の小さなターゲットを鐙骨底に設置した。ターゲッ トは、LDVセンサヘッドの光の戻りを容易にするために必要である。 各実施例において、音を、80dB音圧レベル(SPL)で鼓膜に対して与え、鼓膜 から3mm離れてER-7プローブマイクロホンを用いて測定した。ER-2イヤホンは 、可聴域において80dB SPLの純音を伝えた。音のレベルを全周波数において一定 に保った。音に応答した鐙骨の変位(displacement)をLDVを用いて測定し、FFT( 高速フーリエ変換)を用いるコンピュータによってデジタル記録した。プロセス を、出願人の研究所のために書かれたヒト側頭骨試験専用の市販ソフトウェアプ ログラム(Tymptest)によって、自動化した。 各実施例において、音に応答した鐙骨の振動の最初の曲線が、デバイスによっ て得られる結果と比較するためのベースラインとなった。 実施例1 変換器4b 変換器の形態:図29に示す、直径4.5mm×長さ2.5mmの変換器は、直径2.5mm のNdFeB磁石を用いた。マイラー膜を、長さ2mm×直径3mmの飲用プラスチック ストローに糊付けして、磁石がストローの内側になるようにした。構造体を爪楊 枝で触診することにより、システムにおける必要張力と予測される張力に関して 膜の張力を試験した。5mmの生検パンチを用いて、裏面粘着紙片にパンチ孔を開 けた。得られた円盤状の裏面粘着紙片の1つを、粘着面を下にして、アセンブリ が粘着紙構造体の中央に位置するようにして、アセンブリの各端部に置いた。ラ クダ毛のブラシを用いて、白色アクリル塗料を注意深くボビン形構造体の外面全 体に塗布した。塗布されたボビンを乾燥させてはコーティングを繰り返した。こ のプロセスにより、構造体を強化した。構造体が完全に乾いた後で、ボビンを注 意深く44ゲージのワイヤーで巻いた。十分な量のワイヤーをボビンに巻いた後、 得られたコイルもまたアクリル塗料で塗ることにより、ワイヤーが構造体からほ つれ出すことのないようにした。乾燥後、5分エポキシ(five minute epoxy)の 薄いコーティングを構造体の外面全体に塗布し、乾燥させた。得られたリードの 被覆を次にはがし、半田でコーティングした(スズメッキした)。 方法論:変換器を砧骨と槌骨との間に設置し、「ぴったりはまる」位置に移動 させた。変換器を、コンピュータ純音出力によって駆動される、Crown増幅器の 出力に接続した。電流を、変換器4bと直列に10オームの抵抗器を介して、記録 した。変換器が定位置にある状態で、変換器に対する電流を10ミリアンペア(mA )に設定し、変換器の両端で測定された電圧は90ミリボルト(mV)であった。こ の値は10kHzを越える高周波数においては若干の変動があったが、可聴周波数域 を通じて一定であった。純音がコンピューターにより変換器に伝えられ、LDVが 、変換器の励起に起因する鐙骨の速度を測定した。得られた数字を後に、図示す るために変位に換算した。 結果:図30に示されるように、変換器は2kHzを越える周波数においては向 上したが、2kHz未満の周波数においてはあまり改善は見られなかった。このデ ータは、中耳にはめ込まれるほど小さな変換器の製造の最初の成功例を示すもの であり、デバイスの有するハイファイレベル性能の可能性を示している。また、 本変換器は、単一の耳小骨に取り付けられるように設計されており、本実施例に 用いた粗プロトタイプにおいて必要とされたように、砧骨と槌骨との間の張力に よって定位置に維持されるのではない。単一の耳小骨に取り付けられるより進歩 したプロトタイプにおいては、性能が改善されることが予測される。 実施例2 変換器5 変換器の形態:長さ3mmの変換器(図31の変換器4bと同様)は、直径2mm ×長さ1mmのNdFeB磁石を用いた。マイラー膜を、長さ1.8mm×直径2.5mmの飲用 プラスチックストローに糊付けして、磁石がストローの内側になるようにした。 変換器5の構成のその他の説明は、i)5mmの生検パンチの代わりに3mmの生検パ ンチを用いたこと、およびii)44ゲージワイヤーの代わりに48ゲージ、3リッツ のワイヤーを用いてボビン構造体を巻いたこと以外は、前記実施例1の変換器4 bと同様である。 方法論:シアノアクリレート接着剤を用いて、変換器を砧骨の長突起に糊付け した。変換器を、コンピュータ純音出力によって駆動されるCrown増幅器に接続 した。電流を、変換器5と直列に10オームの抵抗器を介して記録した。変換器に 対する電流を3.3 mA、4mA、11mA、および20mAに設定し、変換器の両端で測定さ れた電圧はそれぞれ、1.2V、1.3V、2.2V、および2.5Vであった。この値は10 kHzをこえる高周波数においては若干の変動があったが、可聴周波数域を通じて 一定であった。純音がコンピューターにより変換器に伝えられ、その間LDVが鐙 骨の速度を測定し、これを後に、図示するために鼓膜臍部変位に換算した。 結果:図31に示されるように、変換器4bよりずっと小さい変換器5は、1 kHzから3.5kHzの間の周波数においてはっきりとした改善を示し、音によって駆 動される鐙骨振動と比較したとき、最大出力は120dB SPL相当を越えた。 実施例3 変換器6 変換器の形態:直径4mm×長さ1.6mmの変換器は、直径2mm×長さ1mmのNdFeB 磁石を用いた。柔軟なシリコンゲル材料により(実施例1および2で用いられた マイラー膜の代わりに)、磁石を定位置に保持した。磁石を長さ1.4mm×直径2.5 mmの飲用プラスチックストロー中に入れて磁石がストローの内側になるようにし 、シリコンゲル材料を慎重に塗布することによって磁石を保持した。構造体を爪 楊枝で触診することにより、システムにおける必要張力と予測される張力に関し て、シリコンゲルの張力を試験した。変換器6の形態のその他の説明は、i)5mm の生検パンチの代わりに4mmの生検パンチを用いたこと、およびii)44ゲージワ イヤーの代わりに48ゲージ、3リッツのワイヤーを用いてボビン構造体を巻いた こと以外は、前記実施例1の変換器4bと同様である。 方法論:変換器を砧骨と槌骨との間に設置し、「ぴったりはまる」位置に移動 させた。変換器のリードを、コンピュータ純音出力によって駆動される、Crown 増幅器の出力に接続した。電流を、変換器6と直列に10オームの高精度抵抗器を 介して記録した。本実施例において、変換器に対する電流を0.033mA、0.2mA、1 mA、5mAに設定し、変換器の両端で測定された電圧はそれぞれ、0.83mV、5mV、 25mV、125mVであった。これらの値は10kHzを越える周波数においては若干の変動 があったが、可聴周波数域を通じて一定であった。純音がコンピューターにより 変換器に伝えられ、その間LDVが鐙骨の速度を測定し、これを後に、図示するた めに鼓膜臍部変位に換算した。 結果:図32に示されるように、変換器は、1.5kHzを越える周波数においては っきりとした改善が得られ、音によって駆動される鐙骨振動ベースラインと比較 したとき、最大出力は120dB SPL相当を越えた。粗プロトタイプは、重度の聴 覚障害を患うヒトに対して、デバイスの有する利得的な実質的な音改善の可能性 が期待されることを示した。実施例1で述べたように、本変換器は単一の耳小骨 に取り付けられるように設計されており、本例に用いたプロトタイプにおいて必 要とされたように、砧骨と槌骨との間の張力によって定位置に維持されるのでは ない。単一の耳小骨に取り付けられるより進歩したプロトタイプにおいては、性 能が改善されることが予測される。 B.会話および音楽のインビボ主観的評価 生きているヒト被験者に対して行った本実施例では、音楽および会話における 音質の領域における変換器性能の主観的な測定が得られた。前記実施例2で用い た変換器5を、本実施例において用いた。 実施例4 方法論:柔軟なシリコンゲルで、目に用いるソフトコンタクトレンズに類似し た鼓膜の型を作製し、この型の凹面に変換器を糊付けした。次いで変換器および 接続されたシリコン型を、耳外科医によって、Zeiss OPMI-1双眼外科顕微鏡を用 いて被験者の外耳管を見下ろしながら、被験体の鼓膜に乗せた。非磁性吸引チッ プ(suction tip)を用いてデバイスを鼓膜上中央に位置させ、鉱油を用いて、 シリコンゲル膜と鼓膜との間の表面張力によって定位置に維持した。載置後、変 換器のリードを耳介後部の皮膚に対してテープ留めすることにより、試験中にデ バイスがずれることを防止した。変換器のリードを次に、Crown D-75増幅器の出 力に接続した。Crown増幅器に対する入力は、通常の携帯コンパクトディスク(C D)プレーヤであった。一方は主に会話であり他方は主に音楽である、2つのCD を用いた。CDを演奏し、変換器の出力レベルを、被験者によってCrown増幅器で 制御した。次に、被験者に、デバイスの音質を評価してもらった。 結果:本実施例を、2人の被験者に対して行った。一方は通常の聴覚を有し、 他方は70dBの「クッキーバイト(cookie-bite)」感覚神経聴力損失を有していた 。両被験者は、会話および音楽の両方において優れた音質であることを報告した 。いずれの被験者も、歪みを感じなかった。また、聴覚障害を有する方の被験者 は、彼が聴いたことのあるハイファイ装置の最高のものよりも音が良かったこと を示した。本変換器は、被験者の鼓膜に取り付けられたシリコンゲル膜中に移植 されるように設計されてはいないことを想起されたい。ここで説明した方法を用 いた理由は、試験を行った粗変換器プロトタイプは生きたヒト中においては移植 形態では用い得ないものであり、この方法が実際に変換器を移植することに最も 近い 近似であり、インビボ死体実施例で観察された結果を、本出願人が音質の主観評 価によって批准する必要があったためである。 IX.結論 上記は本発明の好適な実施態様の完全な説明であるが、様々な別の実施態様、 改変および均等物を用い得る。本発明は上記に説明した実施態様に適切な改変を 加えても同様に適用可能であることが明らかであろう。例えば、浮動質量体変換 器は、磁歪デバイスを有していてもよい。従って、上記説明は、本発明の範囲を 制限するものと解釈されるべきではない。本発明の範囲は、付属請求項の境界お よび範囲によって定義される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,MX,U S (72)発明者 マー,クレイグ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94539, フレモント,プラデリア コート 932 (72)発明者 ダイエッツ,ティム アメリカ合衆国 カリフォルニア 94546, カストロバレー,タングルウッド ドライ ブ 21423 (72)発明者 サリスバリー,ジョン ディー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 95066, スコッツバレー,ウィスパリング パイン ズ ドライブ 444 (72)発明者 カッズ,ボブ エイチ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 95032, ロスガトス,ロス ガトス ブールバード ナンバー1 101 (72)発明者 ウォレス,ダン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94301, パロアルト,ピットマン ストリート 1233 (72)発明者 ドーマー,ケニース ジェイ. アメリカ合衆国 オクラホマ 73013,エ ドモンド,エバレット ドライブ 3420 (72)発明者 バン ドーンホフ,ジャック アメリカ合衆国 オクラホマ 73099,ユ コン,ボックス 140−ビー,ルート 3 (72)発明者 リチャード,ゴードン アメリカ合衆国 オクラホマ 73107,オ クラホマシティ,エヌ.ダブリュー.20テ ィーエイチ ストリート 2230 (72)発明者 ジュリアン,クリストファー エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 95030, ロスガトス,スカイライン ドライブ 19245

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.聴覚を改善する装置であって、 耳の振動構造体に振動するように連結し得るハウジングと; 該ハウジングに機械的に連結された質量体であって、外部で発生した電気信号 に直接応答して振動する質量体と; を備え、 該質量体の振動が該ハウジングの慣性振動をもたらし、該耳の該振動構造体に 振動を生じる、装置。 2.前記質量体が磁石を備えている、請求項1に記載の装置。 3.前記ハウジングの内側表面に固定された少なくとも1つのコイルと; 該少なくとも1つのコイルに接続されており、前記信号を該少なくとも1つの コイルに供給する、リードと; をさらに備え、 前記磁石および該少なくとも1つのコイルからの磁場の相互作用により、前記 質量体が該信号に応答して振動する、請求項2に記載の装置。 4.前記ハウジングの外側表面に固定された少なくとも1つのコイルと; 該少なくとも1つのコイルに接続されており、前記信号を該少なくとも1つの コイルに供給する、リードと; をさらに備え、 前記磁石および該少なくとも1つのコイルからの磁場の相互作用により、前記 質量体が該信号に応答して振動する、請求項2に記載の装置。 5.前記少なくとも1つのコイルが一対のコイルであり、それぞれが互いに反 対方向に巻かれている、請求項3または4に記載の装置。 6.前記質量体がコイルを備えている、請求項1に記載の装置。 7.前記ハウジング内に固定された磁石と; 前記コイルに接続されており、前記信号を該コイルに供給する、リードと; をさらに備え、 前記磁石および該コイルからの磁場の相互作用により、前記質量体が該信号に 応答して振動する、請求項6に記載の装置。 8.前記ハウジングが、可撓性のダイアフラムを備えており、前記コイルが該 可撓性のダイアフラムに連結されている、請求項6に記載の装置。 9.前記質量体が、前記ハウジングに固定された圧電性アセンブリを備えてい る、請求項1に記載の装置。 10.前記圧電性アセンブリに接続されており、前記信号を該圧電性アセンブリ に供給するリードをさらに備え、 該圧電性アセンブリ内の変化により、前記質量体が該信号に応答して振動する 、請求項9に記載の装置。 11.前記ハウジングが、密閉されたシリンダである、請求項1に記載の装置。 12.前記ハウジングが、耳の振動構造体上に載置可能である、請求項1に記載 の装置。 13.前記振動構造体が、鼓膜、耳小骨、卵円窓、正円窓、または蝸牛である、 請求項12に記載の装置。 14.前記ハウジングが頭蓋上に載置可能である、請求項1に記載の装置。 15.載置機構をさらに備え、該載置機構が、クリップ、糊、接着剤、ベルクロ 、縫合糸、ネジ、またはバネである、請求項1に記載の装置。 16.聴覚を改善する装置であって、 ハウジングと; 該ハウジングに連結された少なくとも1つのコイルと; 該ハウジング内の磁石であって、該少なくとも1つのコイルを通して外部で発 生した電気信号に直接応答して振動する、磁石と; を備え、 該磁石の振動が、聴覚を改善するために、該ハウジングの慣性振動をもたらす 、装置。 17.前記少なくとも1つのコイルが、前記ハウジングの外側表面に固定された 一対のコイルである、請求項16に記載の装置。 18.前記少なくとも1つのコイルが、前記ハウジングの内側表面に固定された 一対のコイルである、請求項16に記載の装置。 19.それぞれのコイルが、互いに反対方向に巻かれている、請求項17または18 に記載の装置。 20.前記ハウジングが密閉されたシリンダである、請求項16に記載の装置。 21.前記磁石が円筒形の磁石である、請求項20に記載の装置。 22.前記磁石が球状の磁石である、請求項20に記載の装置。 23.前記少なくとも1つのコイルを通る磁束が増大するように、前記ハウジン グの外側表面に連結した磁石をさらに備えている、請求項16に記載の装置。 24.前記少なくとも1つのコイルを通る磁束が増大するように、前記ハウジン グ内の前記磁石の磁極に連結した一対の磁極片をさらに備えている、請求項16に 記載の装置。 25.前記ハウジング内にバイアス機構をさらに備え、該バイアス機構が、該ハ ウジング内の前記磁石の運動にバイアスを与える、請求項16に記載の装置。 26.前記バイアス機構が、バネ、磁石あるいはシリコーン材料を含む、請求項 25に記載の装置。 27.聴覚を改善する装置であって、 ハウジングと; 該ハウジング内に固定された磁石と; 該ハウジング内に配置されたコイルであって、該コイルを通して外部で発生し た電気信号に直接応答して振動する、コイルと; を備え、 該コイルの振動が、聴覚を改善するために、該ハウジングの慣性振動をもたら す、装置。 28.前記コイルに接続されており、前記信号を該コイルに供給するリードをさ らに備え、前記磁石および該コイルからの磁場の相互作用により、前記質量体が 該信号に応答して振動する、請求項27に記載の装置。 29.前記ハウジングが可撓性のダイアフラムを備えており、前記コイルが該可 撓性のダイアフラムに連結されている、請求項27に記載の装置。 30.聴覚を改善する装置であって、 ハウジングと; 該ハウジング内の質量体と; 該ハウジングおよび該質量体に固定された圧電性アセンブリであって、該コイ ルを通して外部で発生した電気信号に直接応答して、該質量体を振動させる、圧 電性アセンブリと; を備え、 該質量体の振動が、聴覚を改善するために、該ハウジングの慣性振動をもたら す、装置。 31.前記圧電性アセンブリに接続されており、前記信号を該圧電性アセンブリ に供給するリードをさらに備え、該圧電性アセンブリ内の変化により、前記質量 体が該信号に応答して振動する、請求項30に記載の装置。 32.前記圧電性アセンブリが、前記ハウジングに連結した一端と、前記質量体 に連結した他端とを有する圧電性バイモルを備えている、請求項30に記載の装置 。 33.前記圧電性アセンブリが、前記ハウジングに連結した一端と、前記質量体 に連結した他端とを有する圧電性バイモルを備えている、請求項30に記載の装置 。 34.前記圧電性アセンブリが、同一の極性を有する複数の圧電性ストリップを 備え、該圧電性ストリップのそれぞれが、前記ハウジングに連結した一端と、前 記質量体に連結した他端とを有する、請求項30に記載の装置。 35.前記圧電性アセンブリが、同一の極性を有する圧電性ストリップのスタッ クを備え、該スタックが、前記ハウジングに連結した一端と、前記質量体に連結 した他端とを有する、請求項30に記載の装置。 36.前記ハウジングが可撓性のダイアフラムを備え、前記圧電性アセンブリが 該可撓性のダイアフラムに連結されている、請求項30に記載の装置。 37.聴覚を改善する方法であって、 耳の振動構造体にハウジングを載置する工程であって、該ハウジングが、外部 で発生した電気信号に応答して振動する慣性質量体に機械的に連結されている、 工程と; 環境音に応答して該電気信号を生じる外部マイクロホンに、該慣性質量体を接 続する工程と; を包含する、方法。 38.前記振動構造体が、鼓膜、耳小骨、卵円窓、正円窓、または蝸牛である、 請求項37に記載の方法。 39.前記ハウジングが載置機構によって前記振動構造体に載置され、該載置機 構が、クリップ、糊、接着剤、ベルクロ、縫合糸、ネジ、またはバネである、請 求項37に記載の方法。 40.聴覚を改善する方法であって、 ヒトの頭蓋にハウジングを載置する工程であって、該ハウジングが、外部で発 生した電気信号に応答して振動する慣性質量体に機械的に連結されている、工程 と; 環境音に応答して該電気信号を生じる外部マイクロホンに、該慣性質量体を接 続する工程と; を包含する、方法。 41.前記ハウジングが、前記ヒトの中耳において前記頭蓋の一つに取り付けら れる、請求項40に記載の方法。 42.前記ハウジングが載置機構によって前記頭蓋に載置されており、該載置機 構が、ネジ、骨セメント、釘、または縫合糸である、請求項40に記載の方法。 43.聴覚デバイスを製造する方法であって、 ハウジングを設ける工程と; 該ハウジング内に磁石を配置する工程と; 該ハウジング内の該磁石にバイアスを与える工程と; 該ハウジングを密閉する工程と; 該ハウジングの外側表面の周囲に少なくとも1つのコイルを回巻する工程と; を包含する、方法。 44.前記少なくとも1つのコイルを回巻する工程が、 前記ハウジングの前記外側表面の周囲に第1のコイルを第1の方向に回巻する 工程と; 該ハウジングの該外側表面の周囲に第2のコイルを該第1の方向とは反対の第 2の方向に回巻する工程と; を包含する、請求項43に記載の方法。 45.クリップを前記ハウジングに取り付ける工程をさらに包含する、請求項43 に記載の方法。 46.前記ハウジングが金属製シリンダである、請求項43に記載の方法。 47.前記ハウジングを密閉する工程が、端板を溶接して該ハウジングを密閉す る工程を包含する、請求項46に記載の方法。 48.前記ハウジングを密閉する前記工程が、締りばめを有する端板を用いて該 ハウジングを密閉する工程を包含する、請求項46に記載の方法。 49.管状磁石を前記ハウジングの外側表面に固定する工程をさらに包含する、 請求項43に記載の方法。 50.前記ハウジングを吸収性材料でコーティングする工程をさらに包含する、 請求項43に記載の方法。 51.聴覚装置であって、 マウスピースと; 該マウスピースがヒトの口の中に配置される時、ハウジングが少なくとも1本 の歯に振動可能に連結されるように該マウスピース内に組込まれたハウジングと ; 該ハウジングに機械的に連結された質量体であって、外部で発生した電気信号 に直接応答して振動する、質量体と; を備え、 該質量体の振動が該ハウジングの慣性振動をもたらし、該少なくとも1本の歯 を通して該ヒトの振動構造体に振動を生じる、聴覚装置。 52.前記マウスピースがスキューバマウスピースである、請求項51に記載の装 置。
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