JP2009526612A - 聴覚を改善するための骨伝導装置 - Google Patents

聴覚を改善するための骨伝導装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、伝音難聴または伝音/感音混合性難聴を有する対象による音知覚を改善するための埋込型医療機器に関する。特に、本発明は聴覚障害対象の頭骨を振動させるための方法および装置を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、伝音難聴または伝音/感音混合性難聴を有する対象による音知覚を改善するための、部分的埋込型医療機器に関する。特に本発明は、聴覚障害対象の頭骨を振動させるための方法および装置を提供する。
発明の背景
聴覚障害は、その生理的原因によって特徴付けることができる。伝音性および感音性という、聴覚障害の二つの概括的なカテゴリーが存在する。伝音難聴は、外耳および/または中耳構造を通じて振動エネルギーとして音響音を移送することを制限する疾病または障害に起因する。ヒト集団のおよそ1%の耳が、理想的とはいえない音響音の伝導路を有すると推測される。対照的に、感音聴覚障害は、内耳および/または神経経路において生じる。感音聴覚障害を有する患者では、外耳および中耳は正常に機能する(例えば、音の振動は鼓膜および耳小骨を通って乱されずに伝達され、蝸牛中で液体波が作られる)。しかし、内耳の有毛細胞から聴神経および脳への音インパルス経路の損傷により、内耳は音の十分な強度および質を検出することができない。ある場合には、伝音難聴が感音難聴と組合わされて生じる。言いかえれば、外耳または中耳、ならびに内耳または聴神経に損傷が存在する場合がある。これが起こる場合には、難聴は、混合性難聴と呼ばれる。多くの症状が、中耳の精巧な聴覚構造を破壊する可能性がある。伝音難聴の共通の原因には、先天的欠陥、感染(例えば中耳炎)、疾病(例えば耳硬化症)、外耳の閉塞および外傷(例えば鼓膜穿孔)が含まれる。
中耳難聴の患者に対して、いくつかの処置選択肢が存在する。従来の音響補聴器では、音が、マイクロホンによって検出され、電気信号に転換され、それが増幅回路を用いて増幅され、そしてスピーカーまたは他の型の変換器によって音響エネルギーの形で送信される。スピーカーによって送達された音響エネルギーがマイクロホンによって検出され、しばしば、調子の高いハウリングのピーという音を生じさせる。さらに、従来の補聴器によって作り出される増幅音は、通常かなりの量の歪みを含む。いくつかの初期の補聴器もまた、音に応じて皮膚および頭骨を振動させる外部骨振動器を備えていた。骨振動器は、内耳への信号を変換するために頭骨に密着させて着用しなければならず、そのため、多くのユーザーで慢性の皮膚炎を引き起こした。さらに、外部骨振動器は、特に非能率的であった。これらの欠点が、伝音難聴の処置のための顕微手術技術の開発に拍車をかけた。実際に、耳鼻科手術(例えば、鼓膜形成術、耳小骨形成術、全体的または部分的耳小骨置換補綴の埋込、その他)が、中耳の振動構造の修復および/または再建のための一般に認められた処置法となった。しかしながら、これらの型の手法は、複雑であり、大手術に関連する通常の危険を伴う。さらに、中耳骨の一つまたは複数の離断(切断)を必要とする技術は、患者が手術前に有していた可能性があるあらゆる残聴を奪ってしまう。もしその埋込装置が後で患者の聴覚の改善に効果がないと分かれば、患者はこれによってより悪い状況に置かれる。
したがって、伝音難聴または混合性難聴の個人の音知覚を改善する医療機器および技術の分野の必要性が残っている。特に患者の残聴を破壊する危険性なく、内耳へ音響エネルギーを効率的に伝達する補聴器の分野に必要性が存在する。本発明は、内耳構造に適当な刺激を提供して優れた音知覚矯正を生じさる聴覚装置を提供するが、これは単純な外来処置によって部分的に埋込むことができる。
概要
本発明は、伝音難聴、または伝音/感音混合性難聴を有する対象による音知覚を改善するための、部分的埋込可能な医療機器に関する。特に本発明は、聴覚障害対象の頭骨を振動させるための方法および装置を提供する。
特に本発明は、外部で生成された電気信号に反応して側頭骨を振動させるための対象の側頭骨への装着に適した完全埋込可能な振動ユニットを含む、対象の音知覚を改善するための装置を提供する。いくつかの好ましい態様では、完全埋込可能な振動ユニットは変換器を含み、それは特に好ましい態様では浮動質量体変換器(floating mass transducer)である。一般に、浮動質量体変換器は、収納器および機械的に収納器に結合された質量体を含み、該質量体は、外部で生成された電気信号に対して直接に応答して振動し;それにより質量体の振動は収納器の慣性振動を引き起こし、それにより対象の頭骨を振動させる。
一つの態様では、浮動質量体変換器には、収納器の内部に配置された磁石が含まれる。磁石は磁界を生成し、収納器内で動くことができる。コイルもまた収納器内に配置されるが、磁石と異なり、コイルは自由でないかまたは収納器内で実質的に自由に動くことができない。コイルに交流が提供されると、コイルが磁界を生成し、それが磁石の磁界と相互作用して、磁石とコイル/収納器を、互いに相手に対して振動させる。収納器の振動は、対象の側頭骨の振動を引き起こす。別の態様では、浮動質量体変換器は、収納器内に固定された磁石を含む。コイルも収納器内に配置されるが、しかし磁石と異なり、コイルは収納器内で自由に動くことができる。収納器には、コイルが接着されている柔軟な隔膜または他の材料が含まれる。コイルに交流が提供されると、コイルが磁界を生成し、それが磁石の磁界と相互作用して、磁石/収納器とコイル/隔膜を、互いに相手に対して振動させる。隔膜の振動は、対象の側頭骨の振動を引き起こす。
さらに別の態様では、浮動質量体変換器には、収納器内に配置されたバイモルフのピエゾ電気細片が含まれる。ピエゾ電気細片は一端が収納器に固定され、他端には重りが接着されてもよい。ピエゾ電気細片に交流が提供されると、細片が振動して、収納器と重りを互いに相手に対して振動させる。収納器の振動は耳の振動構造の振動に変換される。別の態様では、浮動質量体変換器には、収納器の外部に結合されたピエゾ電気細片が含まれる。ピエゾ電気細片は一端を収納器に固定され、他端には重りが接続されてもよい。ピエゾ電気細片に交流が提供されると細片が振動して、収納器と重りを、互いに相手に対して振動させる。収納器の振動は対象の側頭骨の振動に変換される。
別の態様では、骨の振動は、対象の側頭骨にしっかりと固定された質量体により引き起こされ、質量体の振動は、外部ヘッドピースによって生成された力場により直接引き起こされる。ヘッドピースの固定は、力場発生器から独立していなければならない。特にそのような装置の振動部分は磁石(例えば、XOMED AUDIANT装置の中で用いられるような)であり得、一方で別の埋込可能な磁石または他の手段によりヘッドピースを固定させる。
本発明は、対象の側頭骨に装着されるように構成され、かつ外部で生成された電気信号に応答して側頭骨を振動させるのに適する完全埋込型振動ユニットを含む、対象の音知覚を改善するための装置を提供する。いくつかの態様では、振動ユニットは、第2の質量体に対して振動する第1の質量体を含む変換器を含む。これらのあるサブセットでは、第1の質量体は磁石であり、および第2の質量体は収納器に結合されたコイルであって、コイルによる電気信号が収納器に対して磁石を振動させるように、磁石が収納器内に配置される。いくつかの好ましい態様では、コイルは、磁気共鳴画像法の適用を妨害しない材料で作製される。さらに、いくつかの好ましい態様では、収納器を、骨ネジ、骨セメント、および骨縫合からなる群より選択される取付け手段によって側頭骨に装着する。いくつかの態様では、変換器は、30mm未満の直径および7mm未満の幅を有する。さらにある態様では、変換器が、対向する二つの磁石および一つのコイルを含み、対向する二つの磁石は第1の磁石および第2の磁石を含み、それらは互いに結合され、かつ磁石の両南極または両北極のいずれかが、ごく近接して配置され、磁束線がコイルの近くで直線状になることを可能にしている。いくつかの態様では、第1と第2の磁石が第1の質量体を含む。別の態様では、変換器が、収納器に結合された二つのコイル間に位置する磁石を含み、磁石は収納器中に配置されていて、コイルを通る電気信号が収納器に対してねじれるように(トルク)磁石を振動させる。本発明はまた、音に応答して作り出された電気信号を埋込型振動ユニットに伝導するために適する受信ユニットをさらに含む態様を提供する。いくつかの態様では、受信ユニットは、対象の耳の後ろの皮下の位置に置かれるよう構成された埋込型受信ユニットである。いくつかの好ましい態様では、埋込型受信ユニットは、収納器の内部に配置されて接着された受信コイルおよび磁石を含む。特に好ましい態様では、埋込型受信ユニットは、埋込型振動ユニットに長さ15mm未満のリード線によって接続されている。これらの態様のあるサブセットでは、リード線は、振動ユニットから受信ユニットへの振動を減衰させるのに適する。さらに、音を電気信号に転換するのに適する外部音響処理ユニットをさらに含む装置を提供する。いくつかの態様では、外部音響処理ユニットを、対象の皮膚の埋込型受信ユニット上の位置に磁気的に固定されるように構成する。いくつかの特別に好ましい態様では、外部音響処理ユニットは、収納器内に配置されて接着された、接着磁石、マイクロホン、バッテリーおよびコイルを含む。いくつかの態様では、振動ユニットは、外部音響処理ユニットを対象の皮膚に固定するための埋込型磁石および独立した手段を含む。いくつかの好ましい態様では、外部音響処理ユニットは、第1と第2の埋込可能な磁石によって適所に保持され、振動ユニットは、第1の埋込型磁石を含むが第2の埋込型磁石は含まない。他の好ましい態様では、外部音響処理ユニットは、対象が着用する眼鏡の、埋込可能な受信ユニットの上の位置に取付けられるように構成され、外部音響処理ユニットは磁石を含まない。本発明のいくつかの態様では、接着磁石は複数の磁石を含む。これらの態様のあるサブセットでは、多数の磁石の北極および南極磁場方向が交互に逆になる。さらに、外部音響処理ユニットが鉄材料を含む態様が提供される。いくつかの好ましい態様では、鉄材料はフェライトである。
さらに本発明は、収納器の内部に配置され接着された、受信コイル、磁石、マイクロホン、バッテリーおよびコイルを含む外部パッケージ;埋込型接着磁石;および対象の側頭骨に装着されるように構成される埋込型駆動磁石を含む、対象の音知覚を改善するための装置を提供する。
さらに本発明は、以下の工程を含む、対象の音知覚を改善する方法を提供する:i) 完全埋込型振動ユニットおよびii) 完全埋込型受信ユニットを含む装置を提供する工程;対象の側頭骨へ振動ユニットを取付け、かつ対象の耳の後ろの皮下の位置に受信ユニットを据え付けて、装置を外科的に埋め込む工程;ならびに対象の音知覚を改善するために、音に応答して作り出された電気信号を受信ユニットから振動ユニットに伝導させて、振動ユニットが側頭骨に振動を与えるようにする工程。いくつかの態様では、装置はさらに外部音響処理ユニットを含み、ならびに方法は、受信ユニットの上の対象の皮膚に音響処理ユニットを磁気的に固定する工程をさらに含み、および音響処理ユニットから受信ユニットに音に応答した電気信号を送信する工程をさらに含む。いくつかの態様では、振動ユニットと受信ユニットが長さ15mm未満のリード線によって接続される。いくつかの好ましい態様では、対象は伝音難聴または混合性難聴を有し、またこれらのあるサブセットでは、難聴は両側性である。他の態様では、対象は吃音問題を有する。いくつかの好ましい態様では、対象は、外耳道または中耳の奇形、慢性中耳炎、外耳道または鼓室の腫瘍のうちの、一つまたは複数の症状を有する。さらに、対象が50、1000、2000および3000Hzで、50dB未満の最大測定可能な骨伝導レベルを有する方法が提供される。
本発明はまた、音に応答して作り出された電気信号を、対象の耳の後ろの皮下の位置に置かれた受信ユニットから対象の側頭骨に装着された振動ユニットに伝導させて、振動ユニットが側頭骨に振動を与えるようにして、対象による音知覚を改善する工程を含む、必要のある対象の音知覚を改善する方法を提供する。
定義
本発明の理解を容易にするために、多数の用語および語句を以下に定義する。
本明細書に用いられる用語「対象」とは、ヒトまたは他の動物を指す。この用語は聴覚障害患者などの患者を包含するものとする。吃音の対象もまた、本明細書に開示される聴覚装置から利益を受けることが予想される。
用語「聴覚障害対象」および「聴覚障害患者」とは、日常生活の活動に影響を与えるか、または特別の援助または介入を必要とする、任意の程度の難聴を有する動物または人を指す。好ましい態様では、用語聴覚障害対象とは、伝音難聴または混合性難聴を有する対象を指す。
本明細書に用いられる用語「外耳道」および「外聴道」とは、そこを通って音が中耳に達する頭骨の孔を指す。外耳道は「鼓膜」まで伸びており、鼓膜それ自身は中耳の一部とみなされる。外耳道は皮膚で内張りされており、その共振特性により、耳道を移動する音をある程度増幅する。「外耳」には、耳の通常目に見える部分(例えば耳殻または耳介、および外耳道の表面部分)が含まれる。
本明細書に用いられる用語「中耳」とは、鼓膜の内側の部分であって、鼓膜自体を含む聴覚系の一部を指す。それには、鼓膜から卵円窓まで音波を伝導し増幅するための、中耳室を横切る骨の連鎖(例えば耳小骨連鎖)を形成する耳小骨(すなわち、槌、砧および鐙として一般に公知の、槌骨、砧骨および鐙骨)が含まれる。耳小骨は、室の壁に靭帯によって固定されている。中耳は、耳管によって外部環境に開口している。
本明細書に用いられる用語「内耳」とは、耳の、液体で満たされた部分を指す。耳小骨によって卵円窓へ中継された音波は、液体中で作製され、蝸牛を通り抜けて聴神経のレセプター細胞の精妙な毛状末端を刺激する。これらのレセプターは電気化学信号を生成し、それは脳によって音として解釈される。
用語「蝸牛」とは、内耳の聴覚に関係する部分を指す。蝸牛は前庭より前にある骨迷路の一区画であって、カタツムリの殻の形に巻かれており、側頭骨錐体部に螺旋状の管を有する。
本明細書に用いられる用語「蝸牛有毛細胞」とは、修飾された繊毛構造(例えば毛)を有する内耳の音感受細胞を指し、繊毛構造(例えば、毛)は細胞に、蝸牛に対する音波の効果によって引き起こされた機械的な運動に対して電気的な(神経の)応答を作り出すことができる。周波数は蝸牛中の細胞の位置によって検出され、振幅はゆらぎの大きさによって検出される。
用語「蝸牛液」とは、有毛細胞に振動を伝達する蝸牛内の液体を指す。
用語「正円窓」および「蝸牛窓」とは、蝸牛内へ導く中耳の内壁の孔を指す。
用語「側頭骨」とは、頭骨の底部および側部に位置して、鱗状骨、鼓室小骨および錐体骨を含む、大きな不規則な骨を指す。用語「乳様突起」とは、耳の後部の側頭骨の突出部を指す。
本明細書に用いられる用語「Bone Bridge」とは、個体による音知覚(聴覚)を改善する役割をする医療用補綴を指す。本発明がそのように限定されることを意図するものではないが、特に好ましい態様では、伝音性(すなわち、耳小骨連結が壊れ、緩み、動かず、または欠失した)難聴あるいは感音性と伝音性の混合性難聴を有する個体の聴覚を改善するためにBone Bridge装置が用いられる。音が中耳に入ると、それを取込み、より大きくする補聴器と異なり、特に好ましい態様では、Bone Bridge装置は音響音を、対象の頭骨に伝達される振動に転換する。これらの振動を、電子装置によって増幅し、患者が通常耳道を通り鼓膜を横切って伝達される音によって達成するよりも、振動を強くする。いくつかの態様では、Bone Bridge装置のどの部分も外耳道の中には存在しないので、補聴器で一般に経験される問題(例えば、閉塞、不快、刺激、痛み、ハウリング、外耳感染その他)は除去されるか、または低減される。
高度に好ましい態様では、Bone Bridge装置は少なくとも二つの構成要素に分けられ、外部部分は音響処理装置(例えば、マイクロホン、バッテリー、および音を送信可能な信号に転換するために必要な電子回路で構成される)を含み、内部部分は、内部受信器および振動体を含む。いくつかの態様では、受信器と振動体は統合された装置の一部であり、一方で他の態様では、受信器と振動体は別々の結合可能な装置を構成する。音響処理装置を、着用者の頭に磁石で設置する。音響処理装置からの信号は皮膚を横切って内部受信器に伝達され、内部受信器は次に信号を、振動体の変換器(例えばFMT)へ受け渡す。その次にFMTは、信号を振動に転換し、それは対象の頭骨および最終的には内耳の蝸牛の液体に伝達される。このように、好ましい態様では、周囲の音(例えば声、その他)は、音響処理装置中のマイクロホンによって拾い上げられ、音響処理装置内で電気信号に転換される。次に、この電気信号は皮膚を横切って内部受信器に伝達され、次に内部受信器は伝導連結によってFMTに信号を伝え、頭骨の機械的振動を生じて、それは装置を着用している対象によって音と知覚される。
本明細書に用いられる用語「電源」および「電力供給源」とは、電子回路を作動させるために適した形式の任意の電力源(例えばバッテリー)を指す。交流電力を直接に、または適当な変圧器のいずれかによって導いてもよい。「交流」とは、回路中で、回路定数に依存しない周波数fで方向が周期的に逆転する電流を指す。直流電力を、バッテリー、適当な整流器/フィルター回路、またはコンバーターを非限定的に含む、様々な電源から供給してもよい。「直流」とは、実質的に一定値の一方向電流を指す。この用語はまた、いくつかの回路へまたは一つの回路中のいくつかの異なる点へ、電力を供給するための「バス」を含む態様も包含する。「パワーパック」を、電力を、交流または直流の電流源から電子装置の操作に適する形式へ転換する装置に関して用いる。本明細書に用いられる用語「バッテリー」とは、本発明の聴覚装置に電流を供給する電池を指す。本発明のいくつかの態様では、「再充電可能な」バッテリーが用いられる。
本明細書に用いられる用語「マイクロホン」とは、音エネルギーを電気エネルギーに転換する装置を指す。それは拡声器の逆であるが、いくつかの装置では、スピーカー・マイクロホン(すなわち拡声器マイクロホン)が両方の目的に用いられる。この定義は、炭素、コンデンサー、結晶、可動コイルおよびリボン態様を含む様々な型のマイクロホンを包含する。ほとんどのマイクロホンは、音波を機械的振動に転換することによって作動し、それが次に電気エネルギーを作り出す。音によって働く力は、通常音圧に比例する。いくつかの態様では、薄い隔膜を、適当な装置(例えばコイル)に機械的に結合する。他の態様では、適当な磁歪性結晶またはピエゾ電気結晶の直接の変形が、音圧を電圧に転換する(例えば磁歪マイクロホンおよび結晶マイクロホン)。
本明細書に用いられる用語「増幅器」とは、対応する電気的入力パラメーターの関数である電気出力を作り出し、外部電源から取出したエネルギー(すなわちそれが利得を与える)によって入力の大きさを増大させる装置を指す。「増幅」とは、通常は増大した強度での電子装置による電気信号の再生を指す。「増幅手段」とは、信号を増幅するための増幅器の使用を指す。増幅手段にはまた、信号を処理および/またはフィルターする手段が含まれるものとする。
本明細書に用いられる用語「送信器」とは、あるシステムの受容部に電気信号を送信するために用いられる、そのシステムの装置、回路、または機器を指す。「送信コイル」とは、電気信号を受取り、「受信コイル」にそれを送信する装置である。送信コイルおよび受信コイルを、それらが特定の配置および/または位置にコイルを維持するように機能する中央の磁石と共に用いるものとする。
本明細書に用いられる用語「受信器」とは、送信された波を所望の形式の出力に転換する、システムの一部分を指す。選択された性能(すなわち既知の感度レベル)で受信器が作動する周波数範囲が、受信器の「帯域幅」である。「最小識別可能信号」は、受信器によって出力が生成される最小の入力である。
本明細書に用いられる用語「変換器」とは、非電気的パラメーター(例えば音、圧力または光)を電気信号へ、またはその逆に転換する任意の装置を指す。マイクロホンは一つの型の電気音響変換器である。本明細書に用いられる用語「浮動質量体変換器」および「FMT」とは、音波に対応する外部信号に直接に応答して振動する質量体を有する変換器を指す。質量体は機械的に収納器に結合され、好ましい態様では収納器は頭骨に装着できる。したがって、浮動質量体の機械的振動が頭骨の振動に変形され、それによって患者が音を知覚することが可能になる。
用語「コイル」とは、電子的応用で用いられる、螺旋状に巻かれた導線で作製された物体を指す。
用語「磁石」とは、鉄を誘引し、それ自体の外部に磁界を作り出し、また自由に吊したときに北極を指す特性を有する物体(例えば、鉄、鋼または合金)を指す。
本明細書に用いられる用語「磁界」とは、磁石を囲む、磁力が検出できる領域を指す。
用語「リード線」とは、装置の構成要素間(例えば受信器から変換器)に電流を導通するために用いられる絶縁体で覆われた電線を指す。
用語「収納器」とは、変換器の磁石およびコイル要素を入れるまたは囲む構造物を指す。好ましい態様では、「収納器」を「生物適合性」材料から作り出す。
本明細書に用いられる用語「生物適合性」とは、周囲の組織に対して刺激性および免疫学的影響が最小(すなわち、対照と比較して有意差が見られない)から無である任意の物質または化合物を指す。さらにこの用語は収納器への免疫反応を最小化するかまたは回避するために利用する物質または化合物ついて、または本発明の他の事象について適用するものとする。特に好ましい生物適合性材料には、チタン、金、白金、サファイアおよびセラミックスが、非限定的に含まれる。
本明細書に用いられる用語「埋込型」とは、患者に外科的に埋込むことができる任意の装置を指す。該用語は様々な型の埋込物を包含するものとする。好ましい態様では、装置を皮膚の下(すなわち皮下)に埋込んでも、または装置の使用に適した他の場所(例えば対象の側頭骨内)に設置してもよい。埋込まれた装置とは、対象内に埋込まれた装置であり、一方対象の「外部の」装置は対象内に埋込まれていない(すなわち装置は、対象の皮膚の外部に位置する)。同様に、用語「外科的に埋込む」とは、生体内に聴覚装置を設置する医学的処置を指す。
本明細書に用いられる、用語「密閉して封入された」とは、装置の外部に置かれた液体または気体が装置の内部へ侵入するのを少なくともある程度防止する方法で、密閉されている装置または物体を指す。「完全に密閉して封入された」とは、装置の外部に置かれた液体か気体が装置の内部に、検出できるほど侵入することがないように密閉されている装置または物体を指す。封入は、機械的手段、糊または封入剤その他を非限定的に含む様々な手段によって遂行されるものとする。特に好ましい態様では、密閉し封入された装置を、完全に漏れがないように(すなわち、液体や気体を装置の内部に全く侵入させないように)作製する。
用語「振動」とは、弾性体の粒子または弾性媒体の粒子が、平衡が妨害された場合に、その平衡点から交互に逆方向へ向く制限された往復運動を指す。
本明細書に用いられる用語「音響波」および「音波」とは、固体、液体、および/または気体物質を通って送信される、物質を形成する粒子の機械的振動の結果による波を指す。波動伝播の基準形は縦である(すなわち、粒子の運動方向が波動の伝播方向と平行である)。したがって、波は物質の圧縮および希薄化からなる。ヒトの耳の可聴範囲(例えば、およそ20Hz〜20kHz)以内にある波が特に好ましいが、本発明は様々な周波数を有する波を包含するものとする。およそ20kHzより大きな周波数を有する波は「超音波」である。
本明細書に用いられる用語「周波数」(νまたはf)とは、単位時間に生じる周期的な量の完全サイクル数を指す。周波数の単位は「ヘルツ」であり、1秒間に起こる周期的な現象の頻度に対応する。下の表1に、広い範囲にわたる一連の周波数の一部を形成する、様々な周波数範囲を挙げる。この表に、国際的に合意された無線周波数帯域を示す。VHF帯からEHF帯までの範囲のマイクロ波周波数(すなわち0.225〜100GHz)は通常、文字P、L、S、X、K、Q、VおよびWで示される帯域へ細分される。
(表1)無線周波数帯域
Figure 2009526612
本明細書に用いられ、デシベルで測られる用語「利得」は、電子回路、装置または機器の所与の電気的入力パラメーターの大きさを増大させる能力の尺度として用いられる。電力増幅器では、利得は、増幅器の電力入力に対する電力出力の比率である。「利得制御器」(または「ボリュームコントロール」)は、増幅器からの出力信号の振幅を変化させる回路または装置である。
本明細書に用いられる用語「デシベル」(dB)は、二つの電力、電圧、電流または音強度の比率を表現するために用いられる無次元の単位である。それは、10×電力比の常用対数である。二つの電力値(P1とP2)がnデシベルだけ異なる場合は、n=10log10 (P2/P1)またはP2/P1=10n/10である。P1とP2は、電気ネットワークの電力のそれぞれ入力と出力であって、もしnが正である場合(すなわち、P2>P1)、電力に利得が存在する。nが負の場合(すなわち、P1>P2)、電力損失が存在する。
本明細書に用いられる用語「搬送波」および「キャリヤ」とは、変調されようとする波、すなわち被変調波中の搬送周波数スペクトル成分を指す。変調プロセスは、「側波帯」と名付けられた、搬送周波数の高周波側(「上側波帯」)か、より低周波側(「下側波帯」)のいずれかの周波数帯に入るスペクトル成分を作り出す。スペクトル成分のある部分が大きく減衰している側波帯を、「残留側波帯」と呼ぶ。一般に、これらの成分は変調信号で最も高い周波数に対応する。側波帯中の単一の周波数を「側周波数」と呼び、一方「ベースバンド」は、送信された変調信号のすべてによって占められた周波数帯である。
本明細書に用いられる用語「変調」は、任意の電子パラメーターの他のパラメーターによる改変または修飾に一般的に関連して用いられる。例えばそれは、一つの波(「搬送波」または「搬送信号」)のある特性が、別の波(「変調波」)の特性に従って変調されるかまたは修飾されるプロセスを包含する。逆のプロセスは、元の変調波または変調信号の特性を有する出力波を獲得する「復調」である。変調される搬送波の特性には、振幅および位相角が含まれる。望ましくない信号による変調を「混変調」と呼ぶ。一方「多段変調」は、一連の変調プロセスであって、一つのプロセスにより変調された波の全体または一部が、次のプロセスでの変調波になる。
本明細書に用いられる用語「復調器」(「検出器」)とは、受信した信号を復調する(すなわち搬送波から信号を最小の歪みで取り出す)回路、機器または回路素子を指す。「変調器」は、変調を実現する任意の装置である。
本明細書に用いられる用語「誘電体」とは、電場を維持することができ、絶縁体として働くことができる固体、液体、または気体物質を指す(すなわち、導電体からの電荷または電流の損失を防ぐために用いられる物質であり、絶縁体は電流に対して極めて高い抵抗値を有し、そのためその物質を流れる電流は通常無視できる)。
本明細書に用いられる用語「電子装置」とは、真空中、気体中または半導体中を移動している電子またはイオンの特性を利用する装置または物体を指す。「電子回路」とは、電子またはイオンの移動経路、ならびに装置または物体によって電子またはイオンに与えられる方向を指す。「回路」または「電子回路パッケージ」は、相互に接続されたとき、増幅、フィルタリングまたは発振などの所望の機能を実現するための導電路を形成する多数の電気装置および導電体の組合せである。回路の相互接続以外の任意の構成要素は、「回路素子」と呼ばれる。回路は、別々の構成要素で構成してもよく、またはそれは「集積回路」であってもよい。回路は、それが電流の連続経路を形成する場合に、「閉回路」と言われる。任意の数の装置が、一つの電子回路パッケージ内に含まれるものとする。複数の電子装置パッケージ中に、協同的に作動する様々な構成要素を含むことにより、音を増幅することをさらに意図する。
用語「ピエゾ電気効果」とは、ある種の結晶またはセラミック材料の変形したときに電気を放出しそして電流を流したときに変形するという特性、すなわち電気エネルギーと音響エネルギーを相互転換する機構を指し;超音波変換器は、この効果を用いて音響エネルギーを送出し受取る。
発明の説明
本発明は、伝音難聴または混合性難聴を有する対象の音知覚を改善するための、部分的埋込型医療器具に関する。特に本発明は、大きな慣性質量体またはトルク質量体を駆動して聴覚障害対象の頭骨を振動させて、内耳の流体運動そして音知覚をもたらすための、改良された方法および装置を提供する。
I. 従来の装置
骨伝導性要素および外科的要素を利用して、よりよく伝音難聴を処置するための初期の二つの試みには、BAHA (SwedenのEntific Medical Systems AB によって市販された骨繋留補聴器)、およびXOMED AUDIANT (North Jacksonville, FloridaのXomed Inc. によって市販された外科的埋込補聴器)が挙げられる。
A. 骨繋留補聴器(BAHA)
このシステムは、Hakanssonへの米国特許第4,498,461号およびより最近ではPituliaのWO 2005/037153に述べられているように、比較的単純な方式で作動する(両方が全体として参照により本明細書に組み入れられる)。簡潔に述べれば、外科医は、供給されたキットを用いて、患者の皮膚を通して頭骨の乳様突起領域に「プラグ」(骨ネジ)を外科的に接着する。次に、外部「振動体」をプラグの遠端部(突出部)に設置する。振動体は、音に応答して振動を作り出すための、マイクロホン、バッテリー、増幅器、および音処理電子回路を含む。このように、BAHAシステムは、患者が、経皮的プラグを通して骨伝導性音を聞くことを可能にする。
主な長所:
BAHA装置は、約30分で、外来患者に装着することができる。埋込物は受動的部品(チタンネジだけ)であり、能動的部品は身体の外部に存在している。したがって、万一振動体が摩滅するか故障した場合は、医師または聴覚訓練士が容易に交換することができる。
主な短所:
BAHA法には三つの重大な短所がある。第1に、経皮的プラグの部位が、感染および有害な組織反応に極めて冒されやすい。第2に、経皮的プラグが頭骨にねじ込まれているか骨統合されている一つだけの接点は、簡単に外れてしまう危険な点である。この問題は、プラグに送信される振動力によって悪化する可能性があり、それは装置の移動を促進する可能性がある。最後に、多くの個体にとって、自分または愛する人の頭の皮膚を通して突き出ている金属栓を有することは、外見上ひどく厭なものである。しばしば、この拒絶反応は、それを「過剰拒絶」と評することができるほどに顕著である。
B. XOMED AUDIANT
XOMED AUDIANT装置は、BAHAの経皮的プラグに関連した限界および「過剰拒絶」問題を克服するために設計された。この装置は導入後の最初の24か月以内に2,000人以上の患者に埋込まれたが、これは多くの伝音難聴患者がそのような装置に対して真の必要性を感じていたことを示している。簡潔に述べれば、XOMED AUDIANTには、頭骨へねじ込まれたチタン包装希土類磁石の形の皮下プラグ、および磁石によって埋込プラグ上の位置に保持される外部振動体が含まれる。外部振動体には、収納器内に含まれた磁石、音増幅電子回路、バッテリー、および広帯域(音響帯域)誘導コイルが含まれる。Dormerらへの米国特許第4,352,960号、およびHoughらへの米国特許第4,612,915号に、XOMED AUDIANTについて記述されており、両方は参照により全体として本明細書に組み入れられる。
主な長所:
XOMED AUDIANTの主な長所には、内部ユニットの設置の容易さ、および経皮的な構成要素の無いことが含まれる。さらに、XOMED装置はBAHAより著しく外見上改良された。
主な短所:
XOMED AUDIANTシステムは何人かの患者ではうまく働いたが、装置の設計が劣っていたので振動体が使用中にしばしば脱落した。この問題は、より大きく増幅するほど振動体が外れる可能性が高くなって悪化した。さらに、広帯域の誘導コイルおよび遮蔽されていない磁石の使用によって、装置が電磁的障害を受け易くなった。
II. Bone Bridge装置
本発明のBone Bridge装置は、優れた骨伝導補聴器である。簡潔に述べれば、Bone Bridgeシステムは、音を振動の形で、対象の頭骨を通して伝導させるように構成された変換器を採用する。いくつかの好ましい態様では、変換器は、音波に相当する電気信号に応答して対象の側頭骨を振動させることに適した、AustriaのVibrant Med-El Hearing Technology GmbH (Ballらへの米国特許第5,913,815号に述べられており、それは参照により全体として本明細書に組み入れられる)のものに似た、浮動質量体変換器(FMT)である。
A. 浮動質量体変換器(FMT)
本発明は、聴覚障害者の聴覚を改善するための装置および方法の分野に関する。本発明は、対象の頭骨に振動を送信するための、改善された埋込型変換器を提供する。本明細書で使用される「変換器」は、一つの物理量のエネルギーまたは情報を別の物理量に転換する装置である。例えば、マイクロホンは音波を電気インパルスに転換する変換器である。
好ましい態様では、変換器は、音波に対応する外部信号に直接応答して振動する「浮動質量体」を有する、浮動質量体変換器である。質量体を、対象の側頭骨に装着された収納器に機械的に結合する。このようにして、浮動質量体の機械的振動を頭骨の振動に変換して、対象が聴取することができるようにする(あるいは、残存音知覚を強化する)。浮動質量体変換器をまた、機械的振動を電気信号に変形するための変換器として利用することもできる。
本発明を理解するためには、浮動質量体変換器が基礎としている理論−エネルギー保存則を理解することが必要である。エネルギー保存則は、エネルギーは、作り出したり消滅させたりすることはできず、一つの形から別の形へ変化させることができるだけであると述べる。より具体的には、任意の相互に接続された物体のシステムの力学的エネルギーは、保存される(摩擦を除いて)。そのようなシステムでは、一つの物体がエネルギーを失う場合は、接続された物体がエネルギーを獲得する。
一般に、浮動質量体変換器は、柔軟な接続によって対向質量体に接続された浮動質量体を含む。柔軟な接続は、対向質量体に浮動質量体の振動を送信することを可能にする機械的結合の例である。作動中は、音波に対応する信号が浮動質量体を振動させる。浮動質量体が振動すると、その振動が柔軟な接続よって対向質量体へ運ばれる。結果として生じる対向質量体の慣性振動は一般に、浮動質量体の振動に対して「対向的」である。各質量体の相対的な振動は一般に、質量体の慣性に反比例する。したがって、質量体の相対的な振動は、各質量体の相対的な慣性によって影響を受ける。質量体の慣性は、物質の量(物体の重量を重力加速度で割ることにより得られる)または他の因子(例えば、質量体が別の構造に付着しているかどうか)によって、影響を受ける。この単純な例では、質量体の慣性は、物質の量と等しいとみなす。
浮動質量体が対向質量体より大きい場合は、浮動質量体の相対的振動は、対向質量体の相対的振動より小さい。本発明の一つの態様では、磁石が浮動質量体を構成する。磁石を、収納器に対して自由に振動できるように収納器内に配置する。コイルは収納器に固定され、交流がコイルを流れると、磁石の振動を作り出す。収納器とコイルが共に対向質量体を構成し、音波に応答して対象の頭骨に振動を送信する。
対照的に、浮動質量体が対向質量体より小さい場合、浮動質量体の相対的振動は対向質量体の相対的振動より大きい。本発明の一つの態様では、コイルと隔膜が共に浮動質量体を構成する。隔膜は収納器の一部であり、コイルは収納器内の隔膜に固定される。コイルを、収納器に対してそれが自由に振動できるように収納器内に配置する。交流がコイルを流れると、コイルが磁石に対して振動するように磁石を収納器内に固定する。収納器と磁石が共に対向質量体を構成する。この態様では、コイルと隔膜(浮動質量体)が対象の頭骨に振動を送信する。
上記の議論は、本発明の浮動質量体変換器の作動の基礎的理論を提示するためのものである。完全埋込型浮動質量体変換器は、対象の頭骨に振動的に結合することができ、これは変換器が対象の頭骨に振動を送信できることを意味する。一例として、浮動質量体変換器(振動ユニット)を、糊、接着剤、ベルクロ、縫合、吸着式、ネジ、ばね等の取付け機構により対象の頭骨に装着する。
例示的な態様では、浮動質量体変換器は、収納器の内部に保護された磁石集合体およびコイルを含み、収納器が埋込型装置の場合は、開口部が感染の危険を増大させるので典型的には密閉される。埋込型構成では、収納器は対象の側頭骨に固定できるように釣り合わせる。本発明は収納器の形に制限されないが、収納器は円筒カプセルの形であることが好ましい。同様に、本発明が収納器の組成によって制限されることを意図しないが収納器が生物適合性材料からなり、および/またはそれによって覆われることは好ましいことである。
収納器はコイルおよび磁石集合体の両方を含む。典型的には磁石集合体は、コイルまたは収納器自体の内部のいずれとも衝突せずに、自由に振動できるような方式で配置される。適切に配置された場合は、集合体内の永久磁石は大部分が一様な磁束場を作り出す。本発明のこの態様は永久磁石の使用を含むが、電磁石を用いてもよい。
様々な構成要素が、外部で生成された音に由来する信号の、振動ユニットの収納器内に固定されたコイルまでの送達に関係する。第1に、従来の補聴器の変換器に似た外部音変換器を、対象の皮膚上に配置する。この外部変換器(音響処理ユニット)が音を処理し、皮下のコイル変換器(受信ユニット)に、磁気誘導によって信号を送信する。埋込型受信ユニット内に置かれたコイルから、交流が一対のリード線によって埋込型振動ユニットの変換器のコイルへ伝導される。好ましい態様では、振動ユニットの変換器のコイルを、収納器の壁に、そこに置かれた磁石よりも堅く接着させる。外部音響処理ユニットは、埋込型受信ユニットに並置されることにより磁石の誘引力によって適所に保持される。
交流を振動ユニットの収納器に送ると、磁石とコイルの間の相互作用によって誘引力および斥力が作り出される。コイルは、収納器に磁石集合体より堅く接着されているので、生成された力の結果として、コイルと収納器が一緒になって一つのユニットとして動く。収納器の移動とコイル電流との関係が実質的に線形であるとき、振動する変換器は、最高品質の音知覚を引き起こす。そのような線形性は、磁石集合体によって作り出された実質的に一様な磁束場内にコイルを配置して保持することにより、最もよく達成される。
変換器が有効に作動するためには、それは、内耳内の蝸牛液に振動を伝達するために十分な力で、頭骨を振動させなければならない。コイルと収納器を合わせた質量に対する磁石集合体の質量および永久磁石のエネルギー積(EP)の両方を最大にすることにより、振動ユニットの変換器によって作製される振動の力を最適化することができる。
いくつかの好ましい態様では、浮動質量体変換器は電磁的浮動質量体変換器である。磁石が磁界を生成することは一般に公知である。電流が流れているコイルもまた磁界を生成する。コイルのごく近くに磁石を置き、そして交流をコイルに流すと、それぞれの磁界の相互作用によって磁石とコイルが互いに相対的に振動する。磁石とコイルの磁界のこの特性が、浮動質量体変換器に、以下のように基礎を提供する。
1. 浮動質量体磁石
例示的な態様では、浮動質量体は磁石である。変換器は一般に、その内部に磁石集合体およびコイルが配置された密封された収納器から構成される。磁石集合体は収納器内に緩く吊され、コイルは収納器に堅く固定される。好ましくは、磁石集合体は永久磁石および磁極片を含む。コイルに交流を流すと、コイルと磁石集合体が互に対して相対的に振動し、収納器を振動させる。収納器は対象の側頭骨に接着させるために釣り合わせる。例示的な収納器は、好ましくは1mmの直径および1mmの厚さを有する円筒状のカプセルであり、チタンなどの生物適合性材料から作られる。収納器は互いに実質的に平行な第1および第2の面ならびにそれらの面に実質的に垂直な外壁を有する。収納器の内部には内壁が固定され、それは円形の領域を形成し、外壁と実質的に平行である。
磁石集合体およびコイルは、収納器の内部に密閉されている。空気間隙が磁石集合体を囲んで、収納器の内部からそれを分離し、コイルまたは収納器と衝突せずに自由に振動できるようにする。磁石集合体は、シリコンのボタンなどの柔軟なメンブレンで収納器の内部に接続される。または、磁石集合体を、収納器中の空気間隙を満たすシリコンゲルなどのゼラチン状の媒体に浮かしてもよい。実質的に一様な磁束場が、この構成によって作り出される。集合体には、南極および北極を含む端部が収納器の円形の面と実質的に平行に配置された、永久磁石が含まれる。第1の円筒状の磁極片を磁石の南極を含む端部に結合し、第2の磁極片を北極を含む端部に結合する。第1の磁極片は、その円形の面が収納器の円形の面と実質的に平行にして配向される。第2の磁極片は、断面が長方形である円形の面を有し、その面は収納器の円形の面と実質的に平行である。第2の磁極片は、さらに収納器の壁と平行な1対の壁を有し、それらの壁は第1の磁極片および永久磁石を囲んでいる。
磁極片は、フェライトまたはSmCoなどの磁性材料によって製造するべきである。それらは永久磁石の磁束に、永久磁石を囲む大気ほど高抵抗ではない経路を提供する。磁極片は磁束の大部分を通し、したがってコイルが配置されている空隙において、磁束を第2の磁極片から第1磁極片へ通すようにする。
装置が適切に作動するためには、振動が音波として知覚されるように、装置は十分な力で対象の側頭骨を振動させなければならない。振動力は、二つのパラメーター:コイルと収納器を合わせた質量に対する磁石集合体の質量および永久磁石のエネルギー積(EP)を、最適化することによって最大化される。磁石集合体とコイルと収納器を合わせた質量に対する磁石集合体の質量の比率は、薄く機械加工されたチタンなどの軽量材料の収納器を構築すること、および磁石集合体を収納器の内部スペースの大部分を満たすように構成することによって最も容易に最適化される。しかし、磁石集合体と収納器およびコイルとの間に、磁石集合体が収納器内を自由に振動できる適切な間隔がなければならない。
磁石は、好ましくは高いエネルギー積を有するべきである。45のエネルギー積を有するNdFeB磁石、および32のエネルギー積を有するSmCo磁石が、現在利用可能である。高いエネルギー積が、コイルと磁石集合体の磁界間の誘引および反発を最大にし、それによって変換器の振動力を最大にする。本発明の実施には永久磁石を用いることが好ましいが、電磁石を用いてもよい。
コイルは、部分的に磁石集合体を包み、磁石集合体よりも収納器により堅く固着されるように収納器の壁に固定される。空気間隙が磁石集合体からコイルを分離する。変換器が埋込まれる一つの実施では、一対のリード線をコイルに接続し、収納器の孔を通して変換器の外部へ出し、埋込型(皮下)受信ユニットのコイルに接続する。受信ユニットは耳の後ろの皮膚の下に埋込まれ、リード線によって振動ユニットのコイルに交流を送る。リード線のまわりの孔を密閉して、汚染物質が変換器を侵入するのを防ぐシールを形成する。
収納器の変位とコイルを流れる電流の関係が実質的に線形の場合に、埋込型振動ユニットが引き起こす音の感受が最も高品質となる。関係が線形であるためには、コイルを流れる交流が到達した各電流値に対応して収納器が変位しなければならない。磁石集合体によって作り出された実質的に一様な磁束場内にコイルを配置し、保持することによって、線形性に最も近づく。
磁石集合体、コイルおよび収納器を記述したように構成すると、コイル中の交流が収納器を左右に振動させる。変換器は、収納器の左右の動きが、対象の側頭骨に、最終的には内耳の蝸牛の液体に、左右の動きを作り出すように配置されたときに、最も効率的である。
いくつかの好ましい態様では、外部音変換器(音響処理ユニット)は、設計が従来の補聴器変換器と実質的に同一であり、マイクロホン、音処理ユニット、増幅器、バッテリーおよび外部コイルで構成される。外部音響処理ユニットは、頭骨の外部に置かれる。皮下コイル変換器(埋込型受信ユニット)を埋込型振動ユニットの変換器に結合し、典型的には耳の後部の皮膚下に配置して、外部コイルが皮下コイルの位置の直接上に配置されるようにする。
音波は、外部音響処理ユニット(音変換器)のマイクロホンおよび音処理装置により電気信号に転換される。増幅器が信号を増強し、外部コイルにそれを送達し、外部コイルは続いて信号を磁気誘導によって皮下コイルに送る。リード線などの結合が、対象の側頭骨に接着された埋込型振動ユニットの変換器へ信号を伝導する。音波に相当する交流信号が埋込型振動ユニットのコイルに送達されると、コイルによって作り出された磁界が磁石集合体の磁界と相互作用する。
電流が交代すると共に、磁石集合体とコイルは両方共に誘引し反発する。交替する誘引力と反発力が磁石集合体とコイルを、互いに近づく方へ、離れる方へと交互に動かす。コイルは収納器に磁石集合体よりもより堅く接着しているので、コイルと収納器は単一のユニットとして一緒に運動する。収納器の交互運動の方向は、結局は振動として蝸牛液体に伝達される。
2. 浮動質量体コイル
別の態様では、浮動質量体はコイルである。変換器は一般に、その内部に配置された磁石集合体およびコイルを有する収納器で構成される。収納器は一般に円筒状カプセルで、一端が開口しており、その開口は柔軟な隔膜によって密閉されている。磁石集合体は実質的に一様な磁束場を生成するための永久磁石および磁極片を含むであろう。磁石集合体は収納器に固定され、またコイルは柔軟な隔膜に固定されている。隔膜は、それを対象の側頭骨に接着するための接着手段を含んでもよい。
コイルは電気的に外部電源に接続され、電源はリード線によってコイルに交流を供給する。コイルに交流を流すと、コイルと磁石集合体が互に対して振動し、その結果隔膜を振動させる。好ましくは、コイルと隔膜の相対的な振動は、磁石集合体と収納器の振動より実質的により大きい。
装置が適切に作動するためには、振動が音波として知覚されるように、十分な力で対象の頭骨を振動させなければならない。振動力は、二つのパラメーター:コイルと隔壁を合わせた質量に対する磁石集合体と収納器を合わせた質量および永久磁石のエネルギー積(EP)を、最適化することによって最大化される。磁石集合体と収納器を合わせた質量のコイルと隔壁を合わせた質量に対する比率は、マイラーなどの軽量で柔軟な材料の隔壁を構築することによって最も容易に最適化される。収納器はチタンのような生物適合性材料であるべきである。磁石は好ましくは高いエネルギー積を有するべきである。高いエネルギー積が、コイルと磁石集合体の磁界間の誘引および反発を最大にし、それによって変換器が作り出す振動力を最大にする。本発明を実施する際には永久磁石を用いることが好ましいが、電磁石を用いてもよい。
3. FMTの改変
伝音難聴または混合性難聴の患者を処置する際に用いるために、当初のFMT設計に対して以下の改変を行った。FMTの大きさを、直径をおよそ20ミリメートル(15〜30mm)に、厚さをおよそ6.5ミリメートル(5〜7mm)に増大させた。さらに、FMTのコイルは、今度はMRI適合性材料で作製されている。単純な外科的手法を採用して外来手順で(例えば約30分の外来診療)、骨ネジ、骨セメントまたは骨結合によって患者の頭骨にFMTを接着する。さらに、皮膚の外部に実験用ユニットを固定し、かつ埋込まれた患者ユニットによって与えられるレベルと同様の感覚レベルを達成するためにおよそ20dBだけ大きな音でユニットを駆動することにより、埋込前に患者について技術をテストすることができる。
B. 例示的な態様
図1Aおよび1Bは、Bone Bridge Flexユニットと名付けられた本発明の一つの態様を描いている。この態様では、単一のMRI適合性コイルを有する二つの対向磁石型の浮動質量体変換器(FMT)を使用する。この型のFMTでは、分離材料が二つの対向する磁石(北対北)の間に挟まれている。FMTは、骨ネジによる頭骨への外科的装着を容易にする、複数の取付け耳型の骨接着手段を含む。復調器がFMTと受信コイルの間に置かれる。患者の身体に接する材料は、シリコンエラストマーおよびチタンなどの生物適合性材料である。患者の身体に接しない構成要素用の例示的な二次材料は、ポリイミドでコートされた金およびチタンである。
図2Aおよび2Bは、Bone Bridge Flex Compactユニットと名付けられた、本発明の一つの態様を描く。この態様では、復調器は、受信コイル内に存在してさらに変形が緩和され、またFMTからさらに離れている。この構成はわずかにより短い装置をもたらす。しかし他の態様では、FMTユニットが受信ユニットに電子リード線で繋がれることによって、わずかにより長い装置にはなるが、さらに大きな変形緩和および離間が与えられる。いくつかの例では、寿命を延ばし損耗を減らすためにリード線をコイル状にする。
図3Aおよび3Bは、Bone Bridge Torquerユニットと名付けられた本発明の一つの態様を描く。この態様ではFMTは、二重MRI適合性コイル、および中央のスプリング間に吊された単一の磁石を含む、トルクを与える運動慣性質量体を有し、頭骨に回転力を持って接する。
図4は、患者の頭骨上のBone Bridge装置の配置を示す。多くの患者が耳の耳介の後に、内耳へ振動を伝導する振動の「スイートスポット」を持つ。本発明のいくつかの方法では、Bone Bridge実験ユニットを用いることにより、手術に先立って患者の振動のスイートスポットを同定する。これにより、埋込の間にFMTを解剖学的に最適に配置することが可能になる。外部音響処理ユニット(それは磁石の誘引力によって受信器部分上の位置に保持される)が、増幅された電子信号を供給して、FMTを駆動し、その結果頭骨振動を駆動する。重要なことは、埋込体が経皮的なプラグを含まず、また頭骨振動手段と音響処理装置の接着手段が、別々の構成要素を含むことである。
さらなる態様では、Bone Bridge装置は、図5に示すように個別の埋込型接着ユニットおよび振動ユニットを含む。接着ユニットは、適所に外部音響処理ユニットを保持するための磁石を含む。音響処理装置収納器内の音響帯域伝導コイルが磁気振動ユニットを駆動する。接着磁石および振動磁石は、一つまたは複数の骨ネジで頭骨に外科的に装着される希土類磁石(例えばチタン)である。さらなる態様では、音響処理装置および伝導または駆動コイルが、繋ぎ線によって接続された個別の収納器内に収容されている。この構成は、埋込まれた振動ユニットによって引き起こされる音響処理装置の振動を減少させるように働く。この例では、埋込まれた振動ユニットに対するコイルの配置を容易にするために、受信コイルの内側に小さな鉄の部品または磁石を用いる。このように、埋込まれた振動磁石を、駆動磁石および接着磁石の両方としては用いないことにより、従来技術の装置の音響処理ユニットの脱落問題(患者の頭から落下する傾向)が大幅に改善される。
複数のBone Bridge変換器プロトタイプを組み立てて、テストした。第1のテストでは、患者のデータは、装置が100mVの入力で80dBの閾値を作り出すことを示す(乳様突起の皮膚を隔てて)。装置を骨に外科的に装着する場合は、このレベルが95dB以上になると予想される。第2に、完全な死体の頭および例示的な音響処理装置によって駆動される完全な埋込プロトタイプを用いた変換器についてのRTF測定は、骨に繋留されたモノコイルデュアル磁石装置の出力が、100mVの入力信号(1〜8kHzの周波数)に対して100〜110dBの範囲であることを示した。第3に、Bone Bridge変換器を側頭骨に装着し、鐙骨および耳小骨連鎖の変位を測定した結果、例示的な装置が、変換器への100mVの入力信号に対して95dBで耳を駆動したことを明らかにした。最後に図6に示されるように、二重コイルおよび二つの磁石のプロトタイプの両方が、高周波および低周波の両方でXOMED AUDIANT装置より優れている(より大きな出力対入力比である)ことが示された。
主な長所:
Bone Bridge聴覚装置の主な長所としては、内部ユニットの設置が容易なこと、および経皮的な構成要素が無いことが挙げられる。さらに、別々の埋込型駆動ユニットおよび接着ユニットを利用することによって(従来技術のBAHAおよびXOMED AUDITANT装置と異なり)、本発明は複数の有益な特性を有する。まず第1に、埋込まれた駆動ユニットと外部音響処理装置収納器の間のハウリングの可能性が減少し、その結果電子回路プログラミングの無歪限界が改善され、それによってシステムがより多くの利得および/または出力を送達することが可能になる。第2に、外部電子回路パッケージまたは音響処理装置を振動させて患者の頭骨から外れてしまう傾向が、有意に減少する。第3に、振動ステージおよび接着/受信ステージの使用が、物理的により大きくはなるが、外部処理ユニットを毛髪の下に置くことができるという点で優れた外観解決策を提供する。
C. 処置集団
本発明は、選択された患者の聴覚を改善するための皮下の浮動質量体変換器(FMT)および外部の音響処理ユニットを含む、部分的埋込型聴覚装置を提供する。本発明のいくつかの態様における、患者の一般的な聴力検査基準には:医師および聴覚訓練士による伝音難聴または伝音/感音混合性難聴の診断、穿孔されていない鼓膜、蝸牛の後の無障害、少なくとも70%の語音弁別、中耳に外科的補綴のないこと、従来の補聴器の効力では不十分なこと、および他の療法が無効であることが含まれる。追加の特異的聴力検査基準には:0.5、1、2、3、4kHzでの最大測定可能な骨伝導レベルが50dBであること、およびBone Bridge試験装置によって機能が成功裏に実証されたことが含まれる。
上記の明細書中で言及されたすべての刊行物および特許は、参照により本明細書に組み入れられる。本発明に記述された方法およびシステムの様々な改変および変形が、本発明の範囲および精神から外れることがないのは、当業者には明らかであろう。本発明を、特定の好ましい態様に関連して記述してきたが、権利請求する本発明はそのような特定の態様に不当に限定されるべきでないのは当然である。確かに、記述された様式の、本発明を実施するための当業者にとって明白な様々な改変は、特許請求の範囲の範囲内であるものと考える。
浮動質量体変換器(FMT)を含む振動ユニットと受信コイルを含む受信ユニットとの間に復調器を配置する、本発明の態様(Bone Bridge Flex)の模式図である。パネルAは、装置の平面図であり、パネルBは同じ装置の側面図である。 受信ユニットの受信コイル内に復調器を配置する本発明の態様(Bone Bridge Compact)の模式図である。この構成により、より短い装置内で、復調器は、振動ユニットのFMTによる変形からさらに解放され、分離される。パネルAは装置の平面図であり、一方パネルBは同じ装置の側面図である。 復調器が受信ユニットの受信コイル内に配置され、受信ユニットは、振動ユニットのトルクを与えるFMTに柔軟なリード線によって接続されている、本発明の態様(Bone Bridge Torque)の模式図である。パネルAは装置の平面図であり、一方パネルBは同じ装置の側面図である。 音に応答して対象の頭骨を振動させるように配置されたBone Bridgeユニットを示す。この態様では、FMTを含む振動ユニットを骨ネジによって頭骨へ接着させるために、チタン製の取付け耳が提供される。 分離された別個の、振動すなわち駆動ユニット(骨に繋留されたFMT)、受信ユニット、および音響処理ユニットを有するBone Bridgeの態様を示す。振動ユニットの変換器は、FMTユニットの中心を通ってねじ込まれた単一のチタン骨ネジによって乳様突起に接着された、「ドーナツ」型の変換器である。外科手術はより容易であるが、一方で単一点接着ユニットは緩くなりやすく、それにより歪みが導入され、振動信号が低くなると考察される。 B&K人工乳様突起上で測定された、二重コイルユニット、デュアル磁石ユニット、およびXOMED AUDIANT装置を比較した結果を示す。その結果は、XOMED AUDIANT装置の共振点(1500Hz)を例外として、本発明の装置は、同一の入力信号に応答してより多くの振動を作り出すことを示す。Y軸に、出力を相対的デシベルで、X軸のメガヘルツの入力周波数に対して示す。

Claims (34)

  1. 対象の側頭骨に装着されるように構成され、かつ外部で生成された電気信号に応答して該側頭骨を振動させるのに適する完全埋込型振動ユニットを含む、対象の音知覚を改善するための装置。
  2. 振動ユニットが、第2の質量体に対して振動する第1の質量体を含む変換器を含む、請求項1記載の装置。
  3. 第1の質量体が磁石であり、かつ第2の質量体が収納器に結合されたコイルであり、該磁石は該収納器内に、該コイルを通る電気信号が該磁石を該収納器に対して振動させるように配置されている、請求項2記載の装置。
  4. コイルが、磁気共鳴画像法の適用を妨害しない材料で作製される、請求項3記載の装置。
  5. 収納器が、骨ネジ、骨セメント、および骨縫合からなる群より選択される装着手段によって側頭骨に装着される、請求項3記載の装置。
  6. 変換器が30mm未満の直径および7mm未満の幅を有する、請求項2記載の装置。
  7. 変換器が対向する二つの磁石および一つのコイルを含み、該対向する二つの磁石が、互いに結合され、両南極または両北極のいずれかがごく近接して磁束線が該コイルの近くで直線状になるように配置された第1の磁石および第2の磁石を含む、請求項2記載の装置。
  8. 第1および第2の磁石が第1の質量体を含む、請求項7記載の装置。
  9. 変換器が、収納器に結合された二つのコイル間に置かれた一つの磁石を含み、該磁石が該収納器内に配置されて、該コイルを通る電気信号が該磁石を該収納器に対してねじれるように(トルク)振動させる、請求項2記載の装置。
  10. 音に応答して作り出された電気信号を埋込型振動ユニットへ伝導するのに適した受信ユニットをさらに含む、請求項1記載の装置。
  11. 受信ユニットが、対象の耳の後ろの皮下の位置に置かれるように構成された埋込型受信ユニットである、請求項10記載の装置。
  12. 埋込型受信ユニットが、収納器の内部に配置され接着された、受信コイルおよび磁石を含む、請求項11記載の装置。
  13. 埋込型受信ユニットが、長さ15mm未満のリード線で埋込型振動ユニットに接続されている、請求項11記載の装置。
  14. リード線が、振動ユニットから受信ユニットへの振動を減衰させるのに適している、請求項13記載の装置。
  15. 音を電気信号に転換するのに適した外部音響処理ユニットをさらに含む、請求項10記載の装置。
  16. 外部音響処理ユニットが、埋込型受信ユニット上の位置で対象の皮膚に磁気的に固定されるように構成された、請求項15記載の装置。
  17. 外部音響処理ユニットが、収納器の内部に配置されて接着された、接着磁石、マイクロホン、バッテリーおよびコイルを含む、請求項16記載の装置。
  18. 振動ユニットが、対象の皮膚に外部音響処理ユニットを固定するための埋込型磁石および独立した手段を含む、請求項16記載の装置。
  19. 外部音響処理ユニットが、第1および第2の埋込型磁石によって適所に保持され、振動ユニットは該第1の埋込型磁石を含むが、該第2の埋込型磁石は含まない、請求項16記載の装置。
  20. 外部音響処理ユニットが、対象が着用する眼鏡の、埋込型受信ユニット上の位置に接着されるように構成され、該外部音響処理ユニットが磁石を含まない、請求項15記載の装置。
  21. 接着磁石が複数の磁石を含む、請求項17記載の装置。
  22. 複数の磁石の北極および南極磁場方向が交互に逆になっている、請求項21記載の装置。
  23. 外部音響処理ユニットが鉄材料を含む、請求項16記載の装置。
  24. 鉄材料がフェライトである、請求項23記載の装置。
  25. 収納器の内部に配置され接着された、受信コイル、磁石、マイクロホン、バッテリーおよびコイルを含む外部パッケージ;埋込型接着磁石;および対象の側頭骨に装着されるように構成された埋込型駆動磁石を含む、対象の音知覚を改善するための装置。
  26. 以下の工程を含む、対象の音知覚を改善する方法:
    a) i) 完全埋込型振動ユニット、および
    ii) 完全埋込型受信ユニット、
    を含む装置を提供する工程;
    b) 対象の側頭骨へ該振動ユニットを装着し、かつ該対象の耳の後ろの皮下の位置に該受信ユニットを据え付けることによって該装置を外科的に埋込む工程;ならびに
    c) 該対象による音知覚を改善するために、該振動ユニットが該側頭骨に振動を伝えるように音に応答して作り出された電気信号を、該受信ユニットから該振動ユニットに伝導させる工程。
  27. 装置が外部音響処理ユニットをさらに含み、工程bが、該音響処理ユニットを受信ユニットの上の対象の皮膚に磁気的に固定する工程をさらに含み;および工程cが、音に応答した電気信号を該音響処理ユニットから該受信ユニットに送信する工程をさらに含む、請求項26記載の方法。
  28. 振動ユニットと受信ユニットが長さ15mm未満のリード線によって接続されている、請求項26記載の方法。
  29. 対象が伝音難聴または混合性難聴を有する、請求項26記載の方法。
  30. 対象が吃音問題を有する、請求項26記載の方法。
  31. 難聴が両側性である、請求項29記載の方法。
  32. 対象が、外耳道または中耳の奇形、慢性中耳炎、外耳道または鼓室の腫瘍の症状の一つまたは複数を有する、請求項26記載の方法。
  33. 対象が、50、1000、2000および3000ヘルツで、50dB未満の最大測定可能な骨伝導レベルを有する、請求項26記載の方法。
  34. 対象による音知覚を改善するために、振動ユニットが側頭骨に振動を伝えるように音に応答して作り出された電気信号を、該対象の耳の後ろの皮下の位置に置かれた受信ユニットから該対象の該側頭骨に装着された該振動ユニットに伝導する工程を含む、それが必要な対象において音知覚を改善する方法。
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