【発明の詳細な説明】
洗剤調製物
本発明は、スラリーの粘度を減少させかつ、市販の粉末洗剤の製造時の処理を
促進可能とする親水性共重合体を含有する洗剤クラッチャースラリー組成物、並
びにかかる共重合体を含有しかつ改善された抗−再沈澱特性を示すクリーニング
用の洗剤調製物に関する。
背景技術
スプレー乾燥は、粉末のクリーニング用洗剤を製造するための典型的方法であ
り、濃縮スラリーを形成するための重炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩
、珪酸アルカリ金属塩のような無機ビルダー混合物又はゼオライトのような水溶
性ビルダーと水の化合に関連する。かかるスラリーは、典型的には、線状のアル
キルベンゼンスルホネート、アルコールエーテルスルフェート、アルコールスル
フェート、第二級アルカンスルホネート、アルファ−オレフィンスルホネート等
の通常、本来的に陰イオン性である界面活性剤を含有する。非イオン性の界面活
性剤は、普通クラッチャーには含まれないが、少量クラッチャー中に含有させる
ことができる;しかしながら、かかるスラリーをスプレー乾燥させることに関連
する“プルーミング(pluming)”に関する環境上の懸念に特別な注意が払われ
ている。クラッチャー組成物は、クラッチャー中に60%以上の固体含量を有す
ることができるが、典型的には約45%から60%の固体を生成する。
粉末洗剤組成物は、典型的には炭酸ナトリウムのような炭酸アルカリ金属塩の
実質量をクラッチャー混合物に添加することを含む。炭酸アルカリ金属塩、特に
炭酸ナトリウムは粉末洗剤調製物のかなりのパーセントを構成することができ、
主にイオン交換メカニズムによりカルシウムのような硬イオンを除去し、さらに
、洗剤母液にアルカリ度を与えるために添加される。典型的な粉末洗剤の製造工
程において、クラッチャー混合物は乾燥ビーズを形成させるために非常に高温度
でスプレー塔を通して処理される。洗剤調製物が非イオン性の界面活性剤又は熱
感受性の成分を含有する場合は、これらの添加物は乾燥ビーズ上にスプレーされ
、そして吸収される。
有意な量の炭酸アルカリ金属塩を含有するクラッチャースラリーに関連する共
通の問題は、特に陰イオン性界面活性剤の存在下において、それらがゲル化しや
すいことである。このゲル化はクラッチャースラリーの粘度を有意に増大させ、
クラッチャースラリーを極めて処理しにくいものとする。
処理上のかかるスラリーのゲル化を減少させるため、重合性の分散剤がクラッ
チャー混合物に添加されてきた。かかる添加物の例は、アクリル重合体及びアク
リル/マレイン酸共重体のようなポリカルボキシレート共重合体であり、これら
は少量、典型的には洗剤調製物の重量に基づいて約5%が添加される。ポリカル
ボキシレートを添加するとクラッチャー中の固体の分散化が生じ、そのことによ
りクラッチャースラリーの粘度が減少する。
米国特許第4368134号明細書は、水性洗剤スラリーの粘度を減少させる
ために硫酸マグネシウムに加えて水溶性クエン酸塩の使用を教示している。米国
特許第4362640号明細書は、ケイ酸塩溶液とともにCO2を添加すること
により、ケイ酸ナトリウム水溶液を添加する間のクラッチャースラリーに基づく
炭酸塩の粘度を減少させる方法を教示している。米国特許第4311606号明
細書は、クエン酸とともにセスキカルボン酸ナトリウムを添加することによりク
ラッチャースラリーに基づく炭酸塩の粘度を減少させる方法を教示している。し
かしながら、上述の先行文献に記載された添加物は単に分散剤として機能するだ
けであり、この方法により達成される粘度減少は中程度である。
クリーニングの間の織物上への土壌の再沈澱は他の重大な問題を提起し、この
方法は、土壌の再沈澱を最少にするためにクリーニング用の洗剤調製物中に加え
られる多くの添加物を十分記載している。
これらの方法は、セルロース性重合体、種々の分子
量のポリエチレングリコール、及び合成重合体のような、クリーニング用の洗剤
組成物中で抗−再沈澱の利点を与える添加物の例で充満している。特に好ましい
のは、カルボキシメチルセルロース(CMC)のようなセルロース性重合体及び
ポリビニルピロリドンのような合成重合体である。さらに、米国特許第4548
744号、第4622378号及び第4676921号は、洗剤調製物中の抗−
再沈澱剤としてアミンエトキシレートを使用することを教示している。その上、
或る分子量のポリアクリル酸重合体は、クリーニング用洗剤に加えられた際に、
抗−再沈澱の利益を提供する。
既知の抗−再沈澱用添加物は十分な土壌懸濁特性を有しているが、これらは特
定の土壌懸濁物及び抗−再沈澱になると、特に粘度については十分な作用を有し
ていない。ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース性の重合体
は、油型の土壌に対して良好な抗−再沈澱性の利点を提供するが、粒子状の土壌
の除去、特に粘度に対しては有意な抗−再沈澱性の利益を提供しない。
発明の目的
それゆえ、本発明の第一の目的は、上述の技術の欠点をとり除くことが可能な
親水性の共重合体を提供することである。特に、上記共重合体は、水性洗剤スラ
リーの、殊に濃縮された、適宜ソーダ灰をベースとす
る洗剤スラリーの粘度を減少させる際に有用でなければならない。さらに、クリ
ーニング用の洗剤に配合するための改良された抗−再沈澱特性を有する共重合体
は、クリーニング処理の間の、粘土のような粒子性土壌の再沈澱を最少にする目
的のために提供されるべきである。
第2の目的は、水性洗剤スラリーの粘度を減少させる方法を提供することであ
る。
第3の目的は、ソーダ灰に基づく水性洗剤スラリーの粘度を減少させる方法を
提供することである。
本発明の他の目的は、クリーニングの間の粘土のような粒子状土壌の再沈澱を
防止する方法を提供することである。
発明の概要
本発明者らは、今や上記親水性共重合体を少量クラッチャースラリー組成物に
配合すると、この方法が既知の粘度減少剤と比較して、スラリーの粘度を実質的
に減少させることを見い出した。親水性重合体による粘度減少は、スラリー中に
この重合体を有しない場合に達成される粘度に比べて、2から3桁低いものとな
り得る。
本発明者は、又、これらの共重合体がソーダ灰をベースとする水性洗剤スラリ
ーに少量添加されると、これが分散剤として機能し、そしてスラリーの粘度を実
質的に減少させることを見い出した。
これらの共重合体がクリーニング用の洗剤に添加されると、クリーニング作業
の間の粘土のような粒子状土壌の再沈澱性を最小にし得ることも、本発明者によ
り観察された。
第2の態様は、約5〜60%の無機ビルダー塩、約5〜70%の陰イオン性、
非イオン性、陽イオン性、両性及び双イオン性の界面活性剤から成る群より選ば
れる洗剤活性物、及び約0.01から10%のオキシアルキル化単量体と共重合
した上記不飽和親水性単量体を有する上述の親水性共重合体を含む、粘性の減少
した水性の洗剤スラリー組成物に関する。
本発明の第3の態様は、約5〜65%のソーダ灰を含有する無機ビルダー、及
び約0.01から20%のオキシアルキル化された単量体と共重合した不飽和親
水性単量体から成る上記共重合体を含む、粘性の減少したソーダ灰に基づく、水
性洗剤スラリー組成物に関する。
本発明の第4の態様は、親水性単量体とオキシアルキル化単量体から成る上記
共重合体を0.01から10重量%含有し、クリーニング用洗剤として使用され
る常用のポリカルボキシレート重合体に比べてすぐれた抗−再沈澱性の利益を提
供する、クリーニング用の洗剤組成物に関する。
さらに、本発明の一部として、上記で定義した少くとも一種の親水性共重合体
を約0.01〜10%添加
することから成る水性洗剤スラリーの粘度を減少させる方法、並びに約0.01
から20%の上述した共重合体の少くとも一種を添加することから成る、ソーダ
灰をベースとする水性の洗剤スラリーの粘度を減少させる方法が提供される。
本発明の他の態様は、0.01から10重量%の少くとも一種の上記で定義し
た共重合体をクリーニング用の洗剤に添加することから成る、土壌の再沈澱を防
止する方法に関する。
本発明の親水性共重合体は、好ましくは次式(I)のものである。
式中、
x、y及びzは整数であって、(x+y):zは約5:1から約1000:1
で、かつ、yは0からxの値までのいずれかの値をとることができ;
Mはアルカリ金属又は水素であり;
R1はH又はCH3であり;
R2は−COOM、−OCH3、−SO3M、−O−CO−CH3、−CO−NH2
であり;
Wは式(II)、(III)又は(IV)の基から選ばれ、又は(III)と(IV)の混
合物であり、
ここで
R1は上述したとおりであり;
R3は
であり;
Qは
であり、ここで
Mは上述したものであり、
aは0から約516の整数であり、
bは0から約680の整数であり、
但し、a+bの合計は0となることはできず;
R4はC−原子数3〜4のアルキレンオキシ基であり;
R5は−CH2−CH2−O−であり;かつ
G及びG1は末端基である。
図面の簡単な説明
第1図は、水性炭酸ナトリウムスラリーの粘度を減少させる、本発明の共重合
体の特性を示す。本発明の重合体の性能が、粉末状のクリーニング用の洗剤の商
業的製造の間に洗剤スラリーに典型的に添加される市販の利用可能な重合体と比
較されている。
第2図及び第3図は、本発明の共重合体の土壌の抗−再沈澱特性を既知の抗−
再沈澱用添加物と対比して示している。
発明の詳細な説明
本発明の親水性共重合体は、好ましくは次式(I)の化合物である。
式中、
x、y及びzは整数であって、(x+y):zは約5:1から約1000:1
、好ましくは約50:1から800:1、そして一層好ましくは約100:1か
ら約500:1、例えば125:1であり、そしてyは0からxの値までのいず
れかの値をとることができ、好ましくは0であり;
Mは水素又はアルカリ金属、好ましくはナトリウム
又はカリウムである。
R1はH又はCH3であり、好ましくはHであり;
R2は−COOM、−OCH3、−SO3M、−O−CO−CH3、−CO−NH2
、好ましくは−COOMであり;
Wは式(II)、(III)又は(IV)の基から選ばれ、又は(III)及び(IV)の
混合物であり、好ましくは式(II)又は(III)の基であり、
ここで、
R1は上述のとおりであり;
R3は
であり;
好ましくは−CH2−O−であり;
好ましくはR3は残りの遊離の化学結合を介して重合体骨格に結合しており;
Qは
であり、ここで
Mは上述のとおりであり、
aは0から約516の整数であり、
bは0から約680の整数であり、
但し、a+bの合計は0となりえないものであり、
R4はC−原子数3〜4のアルキレンオキシ基であり;
R5は−CH2−CH2−O−であり;かつ
G及びG1はOH、SH、SR7、SO3M、OR7又はHのような末端基であり
、R7はアルキル又はアリールである。G及びG1は同一の意味であってもよい。
本発明の一つの好ましい態様により、aが0であり、bが約3から約680;
好ましくは約8から約225、より好ましくは約12から約135、最も好まし
くは約15である、式(I)の共重合体が提供される。
他の好ましい態様において、a:bの割合は約5:95から約100:1の間
であり、好ましくは約20:80から約80:20である。
a:bが約1:4から約1:99、好ましくは約1:5から約1:20、そし
て特には約1:5である、
共重合体が好ましい。
好ましくは、側鎖中のaとbの値はR4とR5の結合量が、オキシアルキル化単
量体が水中で少くとも約500g/l 、好ましくは少くとも約700g/lの
溶解度を有するようにさせる、そのようなものである。R4とR5は交換可能なも
のであり、側鎖中にランダムに分布しうるものである。
共重合体の分子量は、ゲル透過性クロマトグラフィーで測定したとき、約50
0から500,000の範囲にあるべきである。好ましくは、分子量は約100
0から100,000の範囲内にあり、より好ましくは約1000から2000
0の範囲内にある(重量平均分子量−WAMW;異なる特定がない場合には、こ
こでは分子量はWAMWという用語で与えられる)。
本発明の親水性共重合体は、少くとも2種の異なる単量体、不飽和親水性単量
体とオキシアルキル化単量体を共重合させて製造される。これらの単量体は、重
合体骨格中の単量体として重合された形態中にランダムに分布し得る。
本発明において有用な不飽和親水性単量体の例には、アクリル酸、マレイン酸
、マレイン酸無水物、メタアクリル酸、メタアクリル酸エステル及び置換メタア
クリル酸エステル、酢酸ビニル、上記オキシアルキル化された単量体と共重合し
さらにポリビニルアルコールに加水分解された酢酸ビニル、ビニルアルコール、
ポリビニルアルコール、メチルビニルエーテル、クロトン酸、イタコン酸、ビニ
ル酢酸、及びビニルスルホネートが含まれる。好ましくは、式Iの親水性共重合
体の不飽和親水性単量体成分は、アクリル酸である。
オキシアルキル化単量体の例は、少くとも1個の酸性の水素を有する重合可能
なオレフィン性基を有し、アルキレンオキシドと付加反応を生じ得る成分である
。また、最初に重合し、次いでオキシアルキル化されて所望の生成物を与える酸
性の水素を有する単量体を含むことも可能である。例えば、アリルアルコールは
、酸素上に酸性の水素を有する重合可能なオレフィン性を有するモノ官能性の開
始剤であり、アルキレンオキシドに添加することが可能であるから特に好ましい
。同様に、ジアリルアミンは窒素上に酸性の水素をもち、重合可能なオレフィン
性基を有する他のモノ官能性の開始剤に相当し、アルキレンオキシドに付加し得
る。共重合体のオキシアルキル化された単量体の他の例として、アクリル酸、メ
タアクリル酸、マレイン酸、又は3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール
のいずれかとアルキレンオキシドとの反応生成物が含まれる。
本発明の種々の態様によるオキシアルキル化単量体の分子量は、約200から
30,000、好ましくは約300から15,000、かつより好ましくは約60
0から5000の範囲内にあるべきである。
好適なものは、例えばアリルアルコールへエチレンオキシドが付加したオキシ
エチル化単量体である。この単量体は約700の分子量を有し、かつR4は式一
CH2−CH2−Oで表わされるオキシエチレン基である。
好ましい親水性共重合体は、アクリル酸単量体がアリルアルコールとエチレン
オキシドのアダクトとの重合から生ずるものであり、すなわち、y=0、R1=
H、R2=COOM、ここでMはナトリウムである、Wは式(II)の基であり、
ここでR3=CH2−O、 R5が−CH2−CH2−Oであり、かつbが約15で
ある式Iの共重合体である。
他の好ましいオキシアルキル化された単量体は、アリルアルコールのプロピレ
ンオキシド及びエチレンオキシドアダクトである。この単量体は、約3800の
分子量を有し、R4が式−CH2−CH(CH3)−Oで表わされるプロピレンオ
キシ基であり、かつR5が−CH2−CH2−Oである。この単量体において、R1
=H、R2=COOM、R3=CH2−O、及びy=0である。オキシアルキル化
された単量体中のa:bの重量パーセント割合は、好ましくは20:80である
。
好適なオキシアルキル化された単量体は、又、アリルアルコールのプロピレン
オキシド及びエチレンオキシドアダクトである。この単量体は約700の分子量
を有し、R4がプロピレン基であり、かつR5が−CH2−CH2−Oである。この
単量体において、R1=H、R2=COOM、R3=CH2−O、及びy=0である
。オキシアルキル化された単量体中のa:bの重量パーセント割合は、好ましく
は約80:20である。
その他の好ましいオキシアルキル化された単量体は、約1500から3800
の分子量を有するアリルアルコールのプロピレンオキシド及びエチレンオキシド
アダクトである。このオキシアルキル化された単量体において、R1=H、R2=
COOM、R3=CH2−O、及びy=0であり、a:bの割合は約1:5である
。
オキシアルキル化された基は、このオキシアルキル化された単量体の側鎖に相
当する。この側鎖は本質的に親水性であり;即ち、この側鎖は骨格の炭素原子へ
の結合から分離されたとき、大きな水溶性を有する。親水性の側鎖を有する単量
体単位は、側鎖と同様の溶解特性を有する。好ましくは、側鎖は骨格への結合か
ら分離されたとき、少くとも約500g/l、かつ一層好ましくは約700g/
lの水溶解性を有するであろう。さらに、全側鎖はその大きな水溶性のため、本
質的に親水性である。
前記した親水性の共重合体は、以後記載されるように、好ましくは洗剤スラリ
ーの粘性を減ずるために、
又は洗剤の抗−再沈澱特性を改善するために、洗剤組成物に添加される。
第1の好ましい本発明の水性洗剤スラリー組成物は、次のものを含む:
(A)約5〜60%、好ましくは約15から50%の、一層好ましくは約25か
ら40%の無機ビルダー塩;
(B)約5〜70%、好ましくは約10から45%かつ一層好ましくは約15か
ら35%の、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性及び双イオン性の界面
活性剤から成る群から選ばれる洗剤活性物;及び
(C)約0.01〜10%のオキシエチル化された単量体と共重合した親水性の
単量体を有する前記親水性共重合体。好ましくは、本発明の共重合体は典型的な
クリーニング用調製物の約0.5から7%、一層好ましくは約1から5%を構成
する(他に記述がない場合には、全ての重量パーセントは、洗剤調製物の全重量
に基づくものである)。
好ましくは、この組成物は次式で表わされる少くとも一種の共重合体を含む:
式中、
R1、R2、R3、R5、M、G、G1、x、y、及びzは前記したとおりであり
;
R6は前記の式(III)又は(IV)の基であるか、又はそれらの混合物であり、
ここでQは前記したとおりであり、その際に以下の事項を条件とする:
aは0であり、R5とMは前記したとおりであり;かつ
bは約3から約680の整数である。
代わりに、この組成物は次式のものの少くとも一種の共重合体を含有し得る:
又は
式中、
R1、R2、R3、R4、R5、M、G、G1、x、y及びzは前記したとおりであ
り;
R6は前記の式(III)又は(IV)の基であるか、それらの混合物であり;かつ
a:bは約1:4から約1:99である。
本発明の他の好ましい組成物は、以下のものを含むソーダ灰をベースとする水
性の洗剤スラリー組成物である:
(A)約5〜65%、好ましくは約15から55%の、一層好ましくは約35か
ら50%のソーダ灰(即ち炭酸ナトリウム)を含む無機ビルダー塩及び
(B)約0.01〜20%のオキシアルキル化単量体と重合した親水性単量体を
含む共重合体。
好ましくは、本発明の共重合体は約1%から14%のスラリー組成物であり、
より好ましくは2%から5%のスラリー組成物である(他に記載のない場合は、
すべての重量%はスラリー組成物中の全固体重量に基づいている)。
必要に応じて、炭酸ナトリウムを含めて無機ビルダー塩の全量が上記したよう
になるように、このスラリー組成物は約0〜20%、好ましくは約10〜15%
の炭酸ナトリウム以外の無機ビルダー塩を含有してもよい。
また、水性のソーダ灰スラリー組成物は、適宜、クリーニング用の組成物にお
いて通常、使用されている少量の界面活性剤又は洗剤活性物を含むことができる
。
これらのソーダ灰に基づく組成物は、好ましくは少くとも一種の次式の共重合
体を含有する:
式中、R1、R2、R3、M、G、G1、x、y及びzは前記したとおりであり;
R6は前記式(III)又は(IV)の残基又はそれらの混合物であり、
Qは
であり、かつ
a:bは約5:95から約100:0である。
さらに、他の好ましい組成物は、約0.01から10%、好ましくは約0.5か
ら6%、かつ、より好ましくは約2重量%の、水性単量体とオキシアルキル化さ
れた単量体の共重合体から成る抗−再沈澱用添加物を含有する、クリーニング用
の洗剤組成物である。
好ましくは、このクリーニング用の組成物は次式を有する共重合体を含む:
式中、Qは
であり、これは他に記載がないときは、好ましいものである、又は
であり、かつ
R1、R2、R3、R4、R5、M、G、G1、x、y、z、a及びbは前記したと
おりである。
本発明の組成物で使用する無機ビルダー塩は、炭酸アルカリ金属塩、重炭酸ア
ルカリ金属塩、珪酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ金属塩、及びゼオライトか
ら成る群より選んでもよい。好ましくは、洗剤スラリー組成物は主要量の、例え
ば約15から45%、好ましくは約25から35%の炭酸ナトリウム又はカリウ
ムのような炭酸アルカリ金属塩を含有する。ビルダー物質は水中の遊離のカルシ
ウム又はマグネシウムイオンを封鎖し、より好ましい洗浄作用を促進する。ビル
ダーにより与えられる付加点な利点は、アルカリ度及び土壌の懸濁特性を増大す
ることである。イオン交換機序により硬イオンを水中から除去する水不溶性のビ
ルダーは、ゼオライトと呼ばれる結晶状の又は不定形
のアルミノ珪酸塩である。典型的なゼオライトは一価のカチオン−交換化合物で
あり、かかる結晶型のゼオライトの例は、ゼオライトA、ゼオライトX又はゼオ
ライトYである。上述のゼオライトは典型的には洗剤組成物中でビルダーとして
使用される。かかるタイプのゼオライトのより詳細な記載はD.W.Breck の著作
の Zeolite Molecular Sieve(1984)中に見い出すことができる。また、エ
チレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸のアルカリ金属塩のような二次的なビル
ダーも、本発明の洗剤組成物中で使用することができる。当該分野の当業者に知
られている他の二次的ビルダーも使用することができる。
本発明の組成物で使用される洗剤活性物は、陰イオン性、非イオン性、陽イオ
ン性、両性の及び双イオン性の当業者に既知の界面活性剤から成る群より選んで
もよい。これらの界面活性剤の例は、参考として本明細書に取り込まれる、McCu
tcheon,Detergents and Emulsifiers(1993)中に見い出すことができる。
非イオン性の界面活性剤の例は、線状又は分枝状の、約6から18の、好ましく
は約10から14のHLBを有する、通常使用される界面活性剤であろう。かか
る非イオン性の洗剤の例はアルキルフェノールオキシアルキレート(好ましくは
オキシエチレート)及びアルコールオキシエチレートである。アルキルフェノー
ルオキシアルキレートの例は、約1から15モルの
エチレンオキシド又はプロピレンオキシド又はこれらの混合物とともにC−原子
数6から18のアルキルフェノール、好ましくはC−原子数7から8のものを含
有する。アルコールオキシアルキレートの例は、約1から15モルのエチレンオ
キシド又はプロピレンオキシド又はこれらの混合物とC−原子数6から18のア
ルコールを含む。かかるタイプの非イオン性界面活性剤のあるものは、BASF
社からPLURAFACという商標で入手される。他のタイプの非イオン性界面
活性剤は、シェル社からNEODOLという商標名で入手される。特に、NEO
DOLR 25−7という商標名の平均7モルのエチレンオキシドをもつC−原
子数12から15のアルコールは、とりわけ、本発明で使用されるクリーニング
用の洗剤組成物を製造する際に有用である。非イオン性界面活性剤の他の例とし
て、エチレンジアミンとエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの縮合により
製造される生成物(BASF,TETRONICR及びTETRONICRR)が
含まれる。また、エチレングリコール及びプロピレングリコールとエチレンオキ
シド及びプロピレンオキシドの縮合生成物も含まれる(BASF,PLURON
ICR及びPLURONICRR)。他の非イオン性界面活性剤には、さらにアル
キルポリグリコシド、長鎖脂肪族第三級アミンオキシド及びホスフィンオキシド
が含まれる。
洗浄分野で使用される典型的な陰イオン性界面活性剤には、C−原子数6から
22、好ましくは12から15の有機スルフェート及びスルホネートの合成的に
得られる水溶性アルカリ金属塩が含まれる。通常使用される陰イオン性の界面活
性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、及
びアルキルエーテル硫酸ナトリウムである。他の例としては、N−アルキルグル
コサミド、脂肪酸と水酸化ナトリウムにより中和したイセチオン酸の反応生成物
、タロ−又はココナッツ油に由来する高級アルコールの硫酸エステル、及びアル
ファ−メチルエステルスルホネートが含まれる。
両性の洗剤の例としては、複素環式第二級又は第三級アミンの直鎖状又は分枝
状の脂肪族誘導体が含まれる。分子の脂肪族部位は、典型的には約8から20の
、好ましくは12から15の炭素原子を含有する。双イオン性洗剤には、直鎖状
又は分枝状の第4級アンモニウム、ホスホニウム塩又はスルホニウム化合物が含
まれる。
今までに述べた洗剤スラリー組成物は、洗剤組成物を製造するために使用しう
る。このスラリーはスプレー乾燥させることができ、かつ当該分野で既知の酵素
、抗−再沈澱用剤、光増白剤、並びに染料及び香料のような添加成分を加えるこ
とができる。他の適宜成分として、織物柔軟剤、泡抑止剤、及び酸素又は塩素放
出漂白剤が含まれる。
本発明の一部としての親水性共重合体は、以下の工程により当業者ならば製造
しうるが、ここでアリルアルコールとアルキレンオキシドのアダクツは非限定的
な実例によりアクリル酸と共重合される。
実施例
以下の例は、本発明の種々の態様により製造される親水性共重合体の有効性を
示すために用いられるであろう。
これらの例は、本発明の範囲を制限するものとして構成されている訳ではない
。
例1
オキシアルキル化単量体(アルキレンオキシド=プロピレンオキシド及びエチ
レンオキシド)を含む親水性共重合体の製造
(A)オキシアルキル化単量体(アリルアルコールのアルキレンオキシドアダク
ト)の製造
蒸気加熱、真空化及び窒素加圧しうる装置及び撹拌器を備えた2ガロンのステ
ンレススチールのオートクレーブに、アリルアルコール396.2gとカリウム
t−ブトキシド44.1gの均一な混合物を充填した。この容器を密閉し、窒素
で不純物を除き、かつ窒素で90psigに加圧した。次いで、圧力を2psigに解放
し、容器の温度を80℃に調節した。最初に、1時間かけてプロピレンオキシド
125gを添加した。温度
を75から85℃に維持し、圧力は<90psigに維持した。次いで、75〜85
℃、<90psigの圧力で、1時間かけてプロピレンオキシド200gを添加した
。さらに、100〜110℃、かつ<90psigの圧力で1時間かけて、プロピレ
ンオキシド400gを添加した。残りのプロピレンオキシド4551.2gは、
時間当たり500g、及び120〜130℃、<90psigの圧力で充填した。す
べてのプロピレンオキシドが添加された後で、この混合物を125℃で2時間反
応させ、容器は0psigに解放した。この物質を<10mmHg、125℃で1時間ス
トリッピングし、次いで50℃に冷却し、分析のために中間保持タンクに充填し
た。
蒸気加熱、真空化及び窒素加圧が可能であり、撹拌器を備えた5ガロンのステ
ンレススチールのオートクレーブに、アリルアルコールプロピレンオキシド中間
体2696.8gを充填した。この容器を密閉し、窒素で90psigに加圧し、そ
して2psigに開放した。この操作を2回以上繰り返した。温度を145℃に調節
し、窒素で34psigに再調節した。この容器に、1時間当たり1400gでエチ
レンオキシド10788.9gを充填した。温度を140〜150℃に、圧力は
<90psigに維持した。圧力が85psig以上に上昇したら、エチレンオキシドの
添加をゆっくり行った。これでもこの圧力以下に下げることができないときは、
添加を中断し、145℃で30分間反応させた。容器はゆっくりと0psigに解放
し、再び34psigに窒素を充填した。添加は140〜150℃、<90psigの圧
力で続行した。すべてのエチレンオキシドが添加された後で、この物質を145
℃にて1時間保持した。次いで、90℃に冷却し、85%リン酸14.3gを添
加した。この物質を30分間混合し、次いで100℃で1時間ストリッピングし
た。このバッチを70℃に冷却し、保持タンクに移した。この生成物は、ピリジ
ン中の無水フタル酸のエステル化により、数平均分子量が4091であることが
判った。
(B)オキシアルキル化単量体と親水性単量体(アクリル酸)の重合
機械的撹拌器、還流冷却器、温度計、及び供給管路への出口を備えた2リット
ルの四口フラスコに、蒸留水301gと70%亜リン酸2.6gを添加した。こ
の溶液を95℃に加熱し、かつ氷アクリル酸555.4g及びアリルアルコール
開始化プロポキシ化エトキシレート(I)(分子量3500)を含む単量体混合
物、38%の重亜硫酸ナトリウム溶液132g及び10.9%の過硫酸ナトリウ
ム溶液155.4gから成るレドックス開始剤システムを線形かつ別個にフラス
コに供給し、その間、温度を95±3℃に維持した。重亜硫酸ナトリウム溶液及
び単量体の混合原料は4時間かけて添加し、一方、過硫酸ナトリウム溶液は4.
2
5時間かけて添加した。3個の供給物は回転ピストンポンプに接続されたテフロ
ンの1/8インチの管系を通して添加した。ポンプに取り付けられたほぼ標準サ
イズのガラス貯蔵器は、精密な供給速度を維持するために0.1gの正確さで単
量体の混合物と開始剤供給物のバランスを保持した。添加が完了したら、この系
を80℃に冷却した。後重合剤(postpolimelizer)として、80℃にて0.5時
間かけて2.4%の2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミ
ジン)ジヒドロクロリド溶液25.3gを添加した。添加が完了したら、この系
を80℃で2時間反応させた。反応後、この系を60℃に冷却させ、50%の水
酸化ナトリウム溶液658gを添加して、溶液のpHを約7に調節した。生成し
た中性の重合体溶液は、約40%の固体含量を有していた。
例2
オキシエチル化された単量体を含む親水性の共重合体の製造
(A)オキシエチル単量体(アリルアルコールのエチレンオキシドアダクト)の
製造
蒸気加熱、真空化及び窒素加圧が可能で、撹拌器を備えた1ガロンのステンレ
ススチールのオートクレーブに、アリルアルコール210.5gとカリウムt−
ブトキシドの均一な混合物を充填した。この容器を密閉し、窒素を充填し、窒素
で90psigに加圧した。こ
の圧力を34psigに再調節し、容器の温度を80℃に調節した。最初に、75〜
85℃かつ<90psigの圧力で1時間かけて、エチレンオキシド75gを充填し
た。次に、1時間かけて75〜85℃、<90psigでエチレンオキシド125g
を充填した。残りのエチレンオキシド2140.9gは、145〜155℃、<
90psigの圧力で8時間かけて添加した。
すべてのエチレンオキシドを添加した後で、この混合物を150℃で2時間反
応させ、この容器を0psigに解放した。この物質を<10mmHgかつ125℃で1
時間ストリッピングし、分析のために中間保持用タンクに導いた。この混合物は
アリルアルコールエチレンオキシド中間体であると想定された。
蒸気加熱、真空化、窒素加圧が可能であり、撹拌器を有する2ガロンのステン
レススチールのオートクレーブに、アリルアルコールエチレンオキシド中間体4
98.8gを充填した。この容器を密閉し、窒素で90psigに加圧し、かつ2psi
gに排気させた。この操作を2度以上繰り返した。温度を145℃に調節し、窒
素で圧力を34psigに再調節した。この容器にエチレンオキシドを時間当たり2
75gの割合で2198.3g充填した。温度を140〜150℃維持し、圧力
は<90psigに維持した。圧力が85psig以上に上昇したら、エチレンオキシド
の添加を緩めた。この操作によっても圧力を下げることができなかった場合には
、添加を中断し、145℃で30分間反応させた。この容器を0psigにゆっくり
と排気させ、再び34psigまで窒素を添加した。この添加は140から150℃
、<90psigの圧力で続けた。
すべてのエチレンオキシドが添加された後で、この物質を145℃で1時間保
持した。次いで、90℃に冷却し、85%のリン酸2.9gを添加した。この物
質を30分間混合し、次いで100℃で1時間真空ストリッピングを行った。こ
のバッチを70℃に冷却し、保持用タンクに放出させた。ピリジン中での無水フ
タル酸エステル化によれば、アリルアルコール生成物のエチレンオキシド付加物
は4095g/モルの数平均分子量を有することが判明した。
(B)オキシエチル化単量体と親水性単量体(アクリル酸)の共重合
機械的撹拌器、還流冷却器及び供給管路への出口を備えた2lの四口フラスコ
に、蒸留水301g、70%リン酸2.6gを添加した。この溶液を95℃に加
熱し、その間に、氷アクリル酸555.4gとアリルアルコール開始化エトキシ
レート(分子量3800)62.8gから成る単量体混合物及び38%重亜硫酸
ナトリウム132gと10.9%の過硫酸ナトリウム155.2gから成るレドッ
クス開始剤系を、95(±3)℃の温度を維持しながら、線形にかつ別個にフラ
スコに加えた。重亜硫酸ナトリウム溶液と単量体混
合物原料は4時間かけて添加し、一方、過硫酸ナトリウム溶液は4.25時間か
けて添加した。この3個の供給物は回転ピストンポンプに接続されたテフロンR
1/8インチのチューブ状管路を介して添加した。ポンプに接続したほぼ標準の
大きさの貯蔵庫は精密な供給速度を維持するために、単量体混合物と開始剤原料
のバランスを0.1gの正確さで保持した。
添加が完了したら、この系を80℃に冷却した。この温度で、後重合剤として
、2.4%の2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)
ジヒドロクロリド溶液25.3gを0.5時間かけて添加した。添加が完了したら
、この系を80℃で2時間反応させた。反応後、この系を60℃に冷却させ、溶
液のpHを50%の水酸化ナトリウム溶液658gを添加して約7に調節した。
生じた中性の重合体溶液はほぼ、約50%の固体含量を有していた。
例3
水性の洗剤スラリー組成物中におけるオキシアルキル化共重合体の粘度減少特
性
この例は、本発明の親水性共重合体が水性の洗剤スラリー組成物中に少量添加
されたときの粘度減少特性を記述する。第1表中の各欄の数は、洗剤調製物中の
各成分の活性重量パーセントに関するものである。第1表に報告されている粘度
値は、20rpmでスピンドル#4を使用してブルックフィールド粘度計(RVT
モデル)で測定したブルックフィールド粘度である。すべての粘度測定は、試料
調製後25℃で速やかに行った。本発明の親水性共重合体の粘度減少特性は、珪
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸アルカリ金属塩、及びゼオライトのよう
な異なるビルダーを有する濃い洗剤水性組成物中で測定された。本発明の範囲内
にある共重合体である重合体CとDの性能が、洗剤組成物中で広く使用されてい
る慣用のポリカルボキシレート(重合体AとB)と対比されている。
第1表に示されている調製物で使用されている非イオン性の界面活性剤は、シ
ェル社の製品であるNEODOLR25−7である。線状のアルキルベンゼンス
ルホン酸、ナトリウム塩(LAS)は、Vista C−560スラリーという名前で
Vista社から入手された。ゼオライトは、Valley ForgeのPQコーポから入手し
うる、VALFORR100として知られている“ゼオライトA”であった。炭
酸ナトリウムは、FMC社から“FMC Grade 100”という名前で得られ
るものであった。使用したクエン酸ナトリウムは、Mallinckrodt Specialty Che
mical Company社から入手されたクエン酸ナトリウム二水和物であった。ピロリ
ン酸テトラカリウム塩は、Stauffer Chemical Companyより入手された。第1表
で示される重合体A及びBは、比較目的のために使用されている。重合体Aは、
SOKALAN CP5という商標名でBAS
F社から入手しうる、重量平均分子量が70,000であるアクリル酸とマレイ
ン酸の共重合体のナトリウム塩である。重合体Bは、SOKALAN PA39
CLという商標名でBASF社から入手しうる、重量平均分子量が8000であ
るアクリル酸のホモポリマーのナトリウム塩である。
第1表に示されている重合体Cは、本発明の範囲内にある、オキシアルキル化
アリルアルコールとアクリル酸の共重合体であり、オキシアルキル化アリルアル
コールに対するアクリル酸の重量比を90:10に、モル比を約474:1にし
て、例2に従って製造されるものである。オキシアルキル化単量体成分は、約3
800の分子量を有していた。この単量体において、R1=H、R2=COONa
、R3=CH2−O、R4=−CH2−CH(CH3)−O、R5=−CH2−CH2−
Oでy=0である。a:bの割合は、約1:5であった。重合体Cの平均分子量
は、約16000である。
第1表に示される重合体Dは、本発明の範囲内にある、オキシアルキル化アリ
ルアルコールとアクリル酸の共重合体であり、オキシアルキル化アリルアルコー
ルに対するアクリル酸の割合は重量比で85:15であり、分子量の割合は約1
23:1であり、例1により製造される。オキシアルキル化単量体成分は約15
00の分子量を有していた。この単量体において、
R1=H、R2=COONa、R3=CH2−O、R4=−CH2−CH(CH3)−
O、R5=−CH2−CH2−Oであり、そしてy=0である。a:bの割合は約
1:5であった。重合体Dの平均分子量は9280であった。
第1表は、クラッチャースラリーの粘度を減少するための分散剤として典型的
に使用されるソカラン(sokalan)CP5やソカラン(Sokalan)PA30C1重
合体のような慣用のポリカルボキシレートに比べて、本発明の共重合体が界面活
性剤や無機ビルダーを含有する水性洗剤スラリーの粘度を数桁減少できることを
示している。本発明の重合体C及びDの粘度減少特性も又、重合体を含有しない
洗剤のスラリーの粘度と比較されている。
例4
ソーダ灰をベースとする水性洗剤組成物中のオキシアルキル化共重合体の粘度
−減少特性
以下の実験は、本発明の共重合体がソーダ灰をベースとする水性の洗剤スラリ
ーに少量添加された際の粘度減少特性を記載する。これらの実験は本発明の範囲
を限定するものとして理解されるべきではない。
炭酸ナトリウムは、FMC社から“FMC Grade 100”という名前で入手
された。第1図に示されている重合体Eは本発明の範囲内の式Iのものであり、
オキシアルキル化アリルアルコールとアクリル酸の共重合体であって、オキシア
ルキル化アリルアルコールに対するアクリル酸の割合は重量比で90:10であ
り、モル比は約474:1であることを除いて例2により製造される。オキシア
ルキル化単量体成分は約3800の分子量を有しており、R4は式−CH2−C
H(CH3)−Oで表わされるプロピレンオキシ基であり、R5は−CH2−CH2
−Oであった。この単量体において、R1=H、R2=COONa、R3=CH2−
O、y=0であり、a:bの割合は20:80である。
第1図に示されている重合体Fは本発明の範囲内にある式Iの、アクリル酸と
オキシアルキル化アリルアルコールの共重合体であり、オキシアルキル化アリル
アルコールに対するアクリル酸の割合が93:7で、モル比が約123:1であ
ることを除いて、例1により製造される。オキシアルキル化単量体は約700の
分子量を有する。QはR5が直接にR3に結合し;R4が式−CH2−CH(CH3
)−Oで表わされるプロピレンオキシ基であり、かつR5が−CH2−CH2−O
であるような構造のものである。この単量体において、R1=H、R2=COON
a、R3=CH2−O、及びy=0である。
PA30C1は、BASF社から購入できる分子量が8000のポリアクリル酸
のナトリウム塩である。ま
商業的に入手しうる分子量が90,000のポリアク
合体は、BASF社から入手しうる、分子量が70000のアクリル酸とマレイ
ン酸の共重合体である。
第1図は、本発明の共重合体の水性炭酸ナトリウムスラリーの粘度を減少させ
る能力を示している。本発明の重合体の性能が、粉末のクリーニング用の洗剤を
商業的に製造する間に洗剤スラリーに典型的に添加される商業的に入手しうる重
合体と比較されている。本発明の共重合体の分散特性は、以下のようにして評価
された:11lのステンレス製のビーカーに600gのFMC Grade 100
ソーダ灰を添加し、次いで生水400gを添加した。このスラリーを、回転翼の
回転スピード及びトルクをデジタル的に読み出す装置
た。トルクの読み出しは一定のrpmでスラリーを撹拌するのに必要な力をワット
で表わしている。この実施例におけるrpmは1200であった。この方法を使用
することにより、スラリーの粘度に直接比例するであろう、モータにより引き出
される力を測定することができる。重合体が存在しない状態での初期トルクが記
録される。その後、スラリー中の固体重量が0.5%から3.8%である範囲にお
いて、重合添加物を少量ずつ増加させて撹拌中のスラリーに添加し、次いでトル
ク表示を記録した。希釈効果を除外するために、第1図に示されているすべての
重合体添加物は同一の活性重合体含量を有していた。すべての評価は25℃でな
された。
第1図は、ソカラン(SOKALAN)という商標
名でBASF社から購入しうる3個の重合体の市販品の性能を示している。第1
図は、また、本発明の2個の共重合体のすぐれた分散特性を示している。
例5
抗−再沈澱特性
第2図及び第3図に記載されている以下の例は、本発明の種々の態様により製
造される共重合体の効果を示すために用いられる。この例は、本発明の範囲を限
定するものとして解釈されてはならない。
全ての試験は、ニュージャージー州のUS Testing社から得られる6穴のTerg
−O−Tometerを使用してなされた。10分間の洗浄及び5分間のすすぎ洗い周
期を採用した。洗浄及びすすぎ洗い温度は95Fにセットした。ニュージャージ
ー州のサイエンティフィクサービス社(Scientific Services)社から得た9個
の粘土の綿の布きれが、洗浄周期における有意の粘土土壌負荷を提供するために
各穴において使用された。さらに、各穴の洗浄液には付加的に300mgのバン
ディー(Bandy)黒粘土土壌が加えられた。本発明の共重合体の抗−再沈澱性能
は、最初の周期において6個の清潔な綿の布ぎれを使用して、3回の洗浄及びす
すぎ洗い周期にわたって測定された。これらの布ぎれは3回の洗浄及びすすぎ洗
い周期を通して維持される。各洗浄及びすすぎ洗い周期の後で、洗浄液に粘土土
壌を負荷するのに使用された粘土土壌を有する綿の布
ぎれを捨て、各洗浄周期の冒頭において9個の粘土布ぎれの新しいセットを添加
した。三度のすすぎ洗い周期の終わりに、綿の布ぎれはフールプール(Whirlpoo
l)乾燥機中で90分間乾燥させた。乾燥させた布ぎれの反射率をハンター(Hun
ter)熱量計を使用して測定した。当初の清潔な布ぎれと3回の洗浄及びすすぎ
洗い周期の後の綿の反謝値の差異が第2図及び第3図に報告されている。
調製物中で使用されている非イオン性の界面活性剤
25−7である。線状のアルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩(LAS)
は、Vista社からVista C−560スラリーという商標名で入手した。ゼオライ
トは、PAのValley ForgeのPQ Corpから入手され
れている“ゼオライトA(ZEOLITE A)”であった。炭酸ナトリウムは
、“FMC Grade 100”という名前でFMC社から入手された。使用された
珪酸ナトリウムはマヨ プロダクト(Mayo Products)から入手した珪酸ナトリ
ウム五水和物であった。ソカ
22(非イオン性のグラフト共重合体)は、BASF社の製品である。
重合体Gは、本発明の範囲内のオキシアルキル化ア
リルアルコールとアクリル酸との共重合体であり、オキシアルキル化アリルアル
コールに対するアクリル酸の割合が重量比で85:15であり、モル比が約12
3:1であることを除いて例1により製造される。オキシアルキル化単量体成分
は、約1500の分子量を有し、R4が式−CH2−CH(CH3)−Oで表わさ
れるプロピレンオキシ基であり、R5が−CH2−CH2−Oであった。a:bの
パーセント割合は20:80であった。この単量体において、R1=H、R2=C
OONa、R3=CH2−O、及びy=0であった。
重合体Hは、本発明の範囲内のオキシアルキル化アリルアルコールとアクリル
酸の共重合体であり、オキシアルキル化アリルアルコールに対するアクリル酸の
割合が重量比で70:30、モル比で約131:1であることを除いて、例2に
より製造される。オキシアルキル化単量体成分は約4100の分子量を有し、a
=0(R4は非存在)、R5は−CH2−CH2−O、 R1=H、R2=COONa
、R3=CH2−O、及びy=0である。
重合体Eは本発明の範囲内にあるオキシアルキル化アリルアルコールとアクリ
ル酸との共重合体であり、オキシアルキル化アリルアルコールに対するアクリル
酸の割合は重量比が90:10、モル比が約474:1であることを除いて、例
1により製造される。オキ
シアルキル化単量体成分は約3800の分子量を有し、R4は式−CH2−CH(
CH3)−Oで表わされるプロピレンオキシ基であり、R5は−CH2−CH2−O
であった。この単量体において、R1=H、R2=COONa、R3=CH2−O、
及びy=0であった。a:bのパーセント割合は20:80であった。
重合体Fは本発明の範囲内にあるオキシアルキル化アリルアルコールとアクリ
ル酸の共重合体であり、オキシアルキル化アリルアルコールに対するアクリル酸
の割合は93:7であり、モル比は約123:1であった。オキシアルキル化単
量体成分は約700の分子量を有していた。Qは、R5が直接にR3に結合してお
り;R4は式−CH2−CH(CH3)−Oで表わされるプロピレンオキシ基であ
り、及びR5は−CH2−CH2−Oであるような構造を有するものであった。a
:bのパーセントは80:20である。この単量体において、R1=H、R2=C
OONa、R3=CH2−O、及びy=0である。
重合体Jは本発明の範囲内にあるオキシエチル化アリルアルコールとアクリル
酸の共重合体であり、オキシエチル化アリルアルコールに対するアクリル酸の割
合が重量比で92.3:7.7であり、モル比が約116:1であることを除いて
、例1により製造された。オキシエチル化単量体成分は700の分子量を有し、
a=0(R4は非存在)、R5は−CH2−CH2−O、R1=H、R2=COONa
、R3=CH2−O、及びy=0であった。
第2図及び第3図は、陰イオン性及び非イオン性をベースとする洗剤調製物中
におけるソカランPA30C1やソカランHP22重合体のような市販の重合体
並びに本発明の重合体の抗−再沈澱性能を示している。これらの図は両方とも、
洗剤調製物中で使用される慣用の抗−再沈澱性重合体と比較したときに、本発明
の重合体により与えられる有意な抗−再沈澱性の利点を示している。
例6
水性洗剤スラリー組成物中におけるオキシエチル化共重合体の粘度−減少特性
以下の例は本発明の親水性共重合体が水性の洗剤スラリー組成物中に添加され
た際の粘度減少特性を記載している。第2表中の各欄の数は、洗剤調製物中の各
成分の活性重量パーセントに関するものである。第2表中に報告されている粘度
値は、20rpmでスピンドル#4を使用してブルックフィールド粘度計(RVT
モデル)で測定されている。すべての粘度測定は、試料の調製後、速やかに25
℃でなされた。本発明の親水性共重合体の粘度減少特性は、珪酸ナトリウム、炭
酸ナトリウム、リン酸アルカリ金属塩、及びゼオライトのような種々のビルダー
を有する濃い水性の洗剤組
成物中で評価された。第2表中で示されている調製物において使用されている非
イオン性の界面活性剤は、
ルキルベンゼンスルホン酸、ナトリウム塩(LAS)はVista C−560 スラ
リーという名前でVista社から得られた。ゼオライトは、Valley Forge、PAの
P
も知られている“ゼオライト(ZEOLITE)A”であった。炭酸ナトリウム
は、“FMC Grade 100”という名前でFMC社から入手された。使用した
珪酸ナトリウムはマヨ プロダクト社から入手されたメタ珪酸ナトリウム五水和
物であった。ピロリン酸テトラカリウムはストウファーケミカル社(Stauffer C
hemical Company)から入手された。
本発明の範囲内の共重合体である、重合体Jの性能は、洗剤調製物中で広く使
用されている慣用のポリカルボキシレート(重合体AとB)に対比されている。
F社から入手しうる70000の重量平均分子量を有するアクリル酸とマレイン
酸の共重合体のナトリウム塩である。重合体Bはソカラン PA30CLという
商標名でBASF社から入手しうる8000の重量平均分子量を有するアクリル
酸のホモポリマーのナトリウム塩である。
第2表に示されている重合体Jは、本発明の範囲内にある、アクリル酸とオキ
シエチル化アリルアルコールの共重合体である。オキシエチル化アリルアルコー
ルに対するアクリル酸の重量比は92.3:7.7であり、モル比は約116:1
であった。オキシエチル化単量体の成分は約700の分子量を有し、R5は−C
H2−CH2−Oであった。この単量体において、R1=H、R2=COONa、R3
=CH2−O、及びy=0である。重合体Jの重量平均分子量は約17000で
ある。
第2表は、クラッチャースラリーの粘度を減少させるための分散剤として典形
的に使用されるソカランCP5重合体やソカランPA30C1重合体のような慣
用のポリカルボキシレートに比較して、本発明の共重合体は界面活性剤及び無機
のビルダーを含む水性の洗剤スラリーの粘度を数桁減少させることができること
を示している。本発明の重合体Cの粘度減少特性は、重合体を含まない洗剤スラ
リーの粘度とも対比されている。
本発明は種々の態様の各々において記載されているが、それらに対する変更は
明細書及び以下の請求の範囲に記載されている発明の精神及び範囲を逸脱するこ
となく当業者によりなし得ることが想定されるべきである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(31)優先権主張番号 08/448,281
(32)優先日 1995年5月23日
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 08/448,283
(32)優先日 1995年5月23日
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),AU,JP
(72)発明者 ジョン ヴイ シャーマン
アメリカ合衆国 48101 ミシガン アレ
ン パーク フィロメム 16721
(72)発明者 デイヴィッド ティー デュロッチャー
アメリカ合衆国 48185 ミシガン ウエ
ストランド ミルウッド ドライヴ 7905
(72)発明者 マイケル シィ ウェルチ
アメリカ合衆国 48183 ミシガン ウッ
ドヘイヴン オールド ミル コート
22432
【要約の続き】
であり;Qは
であり、上記式中、Mは上記したとおりであり;aは0
から約516の整数であり;bは0から約680の整数
であり;但し、a+bの合計は0となることはできず;
R4はC−原子数3〜4のアルキレンオキシ基であり;
かつR5は−CH2−CH2−Oであり、GとG1は末端基
である]で示される親水性共重合体を含有する洗剤組成
物に関する。