JPH11505787A - 真空式ブレーキ倍力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自動車用真空式ブレーキ倍力装置は、可動の壁（２）とこの可動の壁（２）を支持する制御ケーシング（９）を備えた倍力装置ケーシング（１）を具備している。この制御ケーシング（９）は主部分（１３）を備え、この主部分は軸方向に嵌合した蓋部分（１４）と共に案内管（１５）内に設けられている。制御ケーシング（９）内に、制御弁（８）を制御するための電磁石（１１）が設けられている。電磁石（１１）の一方の軸方向側（１６）が主部分（１３）に支承され、他方の軸方向側（１７）が蓋部分（１４）に支承されている。蓋部分（１４）は軸方向に突出するセンタリングセグメントを備えている。制御ケーシング（９）を組み立てるときに、このセンタリングセグメントが主部分（１３）を弾性的に変形し、その際遊びのないようにセンタリングする。

Description

【発明の詳細な説明】 真空式ブレーキ倍力装置 本発明は請求の範囲第１項の上位概念に記載の真空式ブレーキ倍力装置に関す る。 このような真空式ブレーキ倍力装置はドイツ連邦共和国特許出願公開第４３２ ４６８８号公報に記載されている。 本発明の課題は、特に構造が簡単で、低コストで製作できるように、真空式ブ レーキ倍力装置を改良することである。 この課題の解決策は請求の範囲第１項の特徴部分から明らかである。主部分と 軸方向に嵌められる蓋部分を備え、電磁石が一方の軸方向側で主部分に支承され 、他方の軸方向側で蓋部分に支承されている、２つの部分からなる制御ケーシン グの場合には、誤差によって支承個所が真空式ブレーキ倍力装置の対称軸線に対 して偏心した位置を占め、従って電磁石が傾斜することになる。これは制御弁の 漏れおよび支承個所の摩耗の増大につながる。あらゆる誤差の下で良好なセンタ リングを保証するために、本発明では、蓋部分が軸方向に突出するセンタリング セグメントを備え、組み立て時にこのセンタリングセグメントが制御ケーシング を弾性的に変形し、その際遊びのないようにセンタリングする。これは、付加的 な製作コストを生じることなく、かつ組み立て工の助けを借りずに、自動的に行 われる。センタリングセグメントは蓋部分の製作時に一緒に成形され、同様に付 加的なコストを生じない。好ましい実施形では、４個のセンタリングセグメント が設けられている。このセンタリングセグメントは半径方向内側から主部分に作 用し、組み立て時に主部分を拡開する。 運転中に同様に、電磁石に対して周方向に位置決めして蓋部分を支承すること が重要であるので、本発明の他の実施形では、滑り傾斜面を有する付加的な軸方 向の突起が蓋部分に設けられ、この滑り傾斜面が主部分の半径方向突起と協働し 、蓋部分と主部分を組み立てる際に相互の角度位置を決定する。 好ましい実施形では、蓋部分が半径方向外側の縁範囲に、電気ケーブルを通す ための切欠きを備え、この切欠きが半径方向に突出する２本のアームによって側 方を画成されている。本発明による蓋部分は、アームから延びるスペーサが設け られ、このスペーサが装置ばねの範囲内まで軸方向外側に突出していることによ って更に改良可能である。これにより、電磁石から外側に案内される電気ケーブ ルが制御ケーシングの案内管と装置ばねまたはばね案内板との間で、運転中に挟 まれることが防止される。その際、例えば装置ばねの拡開、ばね変形による横方 向力のような考えられる不所望な条件の下でも、また偏心時にも、ケーブルの通 過のための充分な通路が確保される。 他の実施形では、ケーブルを固定するためのケーブルホルダが、制御ケーシン グ内において蓋部分と案内管の間の半径方向範囲にしかも蓋部分内の通路の範囲 に配置されている。このような手段により、ケーブルは所定の位置で案内され、 例えば装置ばねのようなケーシング部分での摩擦によるケーブルの摩耗が防止さ れる。更に、ケーブルホルダの形成により、電磁石への接続個所におけるケーブ ルの引張り負荷解除あるいは電磁石のケーブルツリーまたはレリーススイッチの 負荷解除のための曲げモーメントとねじりモーメントの受け止めが達成される。 本発明によるケーブルホルダは金属薄板または合成樹脂から一体に形成されて いるかあるいは特に２つの部分で形成されている。２つの部分で形成する場合に は、ケーブルを両部分の間で挟持することができる。合成樹脂からなる場合には 、ケーブルを合成樹脂スリーブで鋳包みすることができる。このような実施形は 組み立てを簡単にし、製作コストを低減するので、有利である。 本発明の他の実施形では、第２のケーブルホルダが制御ケーシングの外側にお いてケーブルツリーの端部に設けられている。これにより、ケーブルツリーに対 してケーブルが引張り負荷解除される。 次に、図に基づいて本発明の実施の形態を詳しく説明する。 図１は本発明による真空式ブレーキ倍力装置の部分断面図、 図２は、蓋部分を備えた制御ケーシングを、図１のＢ−Ｂ線に沿って部分的に 切断して示す図、 図３は図１のＡ方向から、蓋部分を備えた制御ケーシングを見た図、 図４は本発明の他の実施の形態の、図１とほぼ同様な部分断面図である。 図示した本発明による真空式ブレーキ倍力装置の倍力装置ケーシング１は、軸 方向に移動可能な壁２によって、作動室３と負圧室４に分割されている。軸方向 に移動可能なこの壁は、金属薄板を深絞りしたダイアフラムプレート５と、それ に接触する可撓性のダイアフラム６からなっている。このダイアフラムはダイア フラムプレート５の外周と倍力装置ケーシング１の間で、シールとしてロールダ イアフラムを形成している。これは詳しく図示していない。 制御弁８は操作棒７を介して操作される。制御弁は制御ケーシング９内に収納 されている。制御ケーシング９は倍力装置ケーシング１内で軸方向に摺動可能に かつシールされて案内されている。制御ケーシング９には可動の壁２が固定され ている。制動力は制御ケーシング９を介して押圧棒１０に伝達される。この押圧 棒はブレーキ装置の図示していないマスタシリンダの操作ピストンを操作する。 操作棒７とは関係なく、本発明による真空式倍力装置の外部操作（独自操作） を開始するために、制御弁８を操作可能な電磁石１１が設けられている。電磁石 １１による制御弁８の操作の際に、作動室３が大気圧で付勢されるので、壁２は 負圧室４の方へ押圧され、押圧棒１０を介してマスタシリンダに作用する操作力 が、緊急時制動のために最大値まで増幅される。レリーススイッチ１２は緊急時 制動を終了する働きをする。このレリーススイッチは、操作棒７に作用する操作 力が取り去られるや否や、電磁石１１を停止する。 制御ケーシング９は主部分１３と蓋部分１４からなっている。この主部分と蓋 部分は案内管１５内に設けられて連結されている。蓋部分１４は主部分１３に軸 方向に嵌め込まれている。電磁石１１は一方の軸方向側１６で主部分１３に支承 され、他方の軸方向側１７で蓋部分１４に支承されている。蓋部分１４は軸方向 に突出するセンタリングセグメント１８，１９，２０，２１を備えている。この センタリングセグメントは制御ケーシング９を組み立てるときに主部分１３を弾 性的に変形し、遊びなくセンタリングする。その際、主部分１３はその縁範囲が 、周方向にほぼ均一に配置された４個のセンタリングセグメント１８，１９，２ ０，２１によって幾分拡げられている。なぜなら、センタリングセグメント１８ ，１９，２０，２１が半径方向内側から外側へ主部分１３を押圧するように、主 部分１３の内径に調和しているからである。 更に、蓋部分１４は付加的な軸方向の２個の突起２２，２３を備えている。こ の突起はそれぞれ、滑り傾斜面２４，２５を備えている。制御ケーシング９を組 み立てるときに、蓋部分１４は主部分１３上に軸方向から嵌められる。この場合 、主部分１３の半径方向の突起２６が突起２２，２３の滑り傾斜面２４，２５と 協働し、両部分１３，１４は、突起２２，２３，２６によって予め定められた角 度位置を占めるまで、相対的に回転する。 蓋部分はその半径方向外側の縁範囲に、切欠き２７を備えている。この切欠き は電気ケーブル２８を通すためのものである。この電気ケーブルは電磁石１１か ら出発して制御ケーシング９から軸線に対して平行な方向に外側へ案内される。 蓋部分１４は２個のアーム２９，３０を備えている。このアームはその側方を切 欠き２７によって画成され、案内管１５まで半径方向に突出している。アーム２ ９，３０から一体に形成されたスペーサ３１，３２が延び、このスペーサはばね ３３の範囲まで軸方向外側に突出している。 図４に示した実施の形態の場合には、ケーブル２８を固定するためのケーブル ホルダ３４が、半径方向において蓋部分１４と案内管１５の間に、そして軸方向 において蓋部分１４の範囲内に設けられている。ケーブルホルダー３４は合成樹 脂で作られ、２つの部分３５，３６からなっている。この２つの部分の間にケー シング２８が挟まれている。第２のケーブルホルダー３７は制御ケーシング９の 外側でケーブルハーネス（ケーブルツリー）３８の端部に設けられている。 図示していない実施の形態では、ケーブル２８を合成樹脂スリーブで鋳包みす ることによって、ケーブルホルダが形成されている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュテール・フランク ドイツ連邦共和国、Ｄ−60433 フランク フルト・アム・マイン、アルト・エッシェ ルスハイム、36 (72)発明者 クレーマー・ホルスト ドイツ連邦共和国、Ｄ−63128 オッフェ ンバッハ、ヴェルナー−ヒルペト−ストラ ーセ、２

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．倍力装置ケーシング（１）を具備し、この倍力装置ケーシングの内室が可動 の壁（２）によって負圧室（４）と作動室（３）に分割され、更に、可動の壁（ ２）を支持する制御ケーシング（９）を具備し、この制御ケーシング内に制御弁 （８）が設けられ、この制御弁が操作棒（７）によって操作可能であり、かつ可 動の壁（２）に作用する圧力差を制御し、更に、制御弁（８）に作用しかつ操作 棒（７）とは関係なく作動室（３）に通気することができる電磁石（１１）を具 備している、自動車用真空式ブレーキ倍力装置において、制御ケーシング（９） が主部分（１３）を備え、この主部分が軸方向に嵌合した蓋部分（１４）と共に 案内管（１５）内に設けられかつ連結され、電磁石（１１）が一方の軸方向側（ １６）で主部分（１３）に支承され、他方の軸方向側（１７）で蓋部分（１４） に支承され、蓋部分（１４）が軸方向に突出するセンタリングセグメント（１８ ，１９，２０，２１）を備え、制御ケーシング（９）を組み立てるときにこのセ ンタリングセグメントが主部分（１３）を弾性的に変形し、その際遊びのないよ うにセンタリングすることを特徴とする真空式ブレーキ倍力装置。 ２．４個のセンタリングセグメント（１８，１９，２０，２１）が設けられ、こ のセンタリングセグメントが半径方向内側から主部分（１３）に作用し、組み立 ての際に主部分（１３）を拡げることを特徴とする請求項１記載の真空式ブレー キ倍力装置。 ３．蓋部分（１４）が滑り傾斜面（２４，２５）を有する付加的な軸方向の２個 の突起（２２，２３）を備え、この滑り傾斜面が主部分（１３）の半径方向突起 （２６）と協働し、蓋部分（１４）と主部分（１３）を組み立てる際に相互の角 度位置を決定することを特徴とする請求項１または２記載の真空式ブレーキ倍力 装置。 ４．蓋部分（１３）が半径方向外側の縁範囲に、電気ケーブル（２８）を通すた めの切欠き（２７）を備え、この切欠きが半径方向に突出する２本のアーム（２ ９，３０）によって側方を画成され、アーム（２９，３０）から延びるスペ ーサ（３１，３２）が設けられ、このスペーサがばね（３３）の範囲内まで軸方 向外側に突出していることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一つに記載の真 空式ブレーキ倍力装置。 ５．電磁石（１１）に通じる電気ケーブル（２８）が軸線と平行な方向において 制御ケーシング（９）内に延び、半径方向において蓋部分（１４）と案内管（１ ５）の間で延びており、軸方向において蓋部分（１４）の範囲内に、ケーブル（ ２８）を固定するためのケーブルホルダ（３４）が配置されていることを特徴と する請求項１〜４のいずれか一つに記載の真空式ブレーキ倍力装置。 ６．ケーブルホルダが金属薄板からなっていることを特徴とする請求項５記載の 真空式ブレーキ倍力装置。 ７．ケーブルホルダ（３４）が合成樹脂からなっていることを特徴とする請求項 ５記載の真空式ブレーキ倍力装置。 ８．ケーブルホルダ（３４）が二つの部分からなり、ケーブル（２８）が両部分 （３５，３６）の間に挟まれていることを特徴とする請求項７記載の真空式ブレ ーキ倍力装置。 ９．ケーブル（２８）が合成樹脂スリーブで鋳包みされていることを特徴とする 請求項７記載の真空式ブレーキ倍力装置。 10．第２のケーブルホルダ（３７）が制御ケーシング（９）の外側においてケー ブルツリー（３８）の端部に設けられていることを特徴とする請求項５〜９のい ずれか一つに記載の真空式ブレーキ倍力装置。