【発明の詳細な説明】
新規複素環の化学
発明の分野
本発明は、新規置換β−カルボリン誘導体、その製造方法、それを含有する薬
学的組成物、及びγ−アミノ酪酸神経伝達系の異常な機能の臨床的治療における
その使用に関する。
発明の背景
γ−アミノ酪酸(GABA)は、中枢神経系(CNS)における主要な抑制性
の神経伝達物質である(概説として、Enna,1983,Biochem.Pharmacol.,30,
907-15; Enna and Mohler,1987,Raven Press,New York,265-79; Lloyd a
nd Morselli,1987,Medical Biology,65,(2-3),159-65; Krogsgaard-Larsen
,1988,Medical Res.Reviews,8,1,27-56; Schwartz,1988,Biochem.Pharmac
ol.27,3369-76 を参照されたい)。GABAは、CNSの全シナプスの60−7
0%において存在することが概算されてきている(Fahn,1976,Raven Press
,New York,169-83)。GABA神経伝達物質の減少は、てんかんを含む色々
な神経学的疾患の病因に関係している(Krogsgaard-Larsen et al.,1988,Me
dical Res.Reviews,8,1,27.56; Loscher,1985,Epilepsy and GABA Rece
ptor Agonists:Basic and Therapeutic Research.L.E.R.S.Monograph.
Vol.3,G.Bartholoni,L.Bossi,K.G.Lloyd,P.L.Morselli(Eds.),Rav
en Press,New York,109-18);Enna,1981,Biochem.Pharmacol.,30,90
7-14 and Neuropharmacology of Central Nervous System GABA and B
ehavioral Disorders,G.Palmer(Ed.).Academic Press,New York 1981,5
07-25; Rebak et al.,1979,Science,205,211-13; Ross and Craig,1981.J
.Neurochem.36,1006)。
GABA取り込み系は伝統的に、特異的GABA取り込み抑制剤の薬理学的選
択性に基づいて、ニューロンのGABA取り込み担体またはグリアのGABA取
り込み担体の何れかに分類されてきた(概説として下記文献を参照されたい:K
rogsgaard-Larsen,1988,Medical Res.Reviews,8,1,27-56; Schousboe et
al.,1991,GABA MeChanisms in Epilepsy,G.Tunnicliff,B.U.Raess(
Eds.)
Wiley-Liss,New York,165.87)。
近年、幾人かの研究者たちが(Gaustella et al.,1990,Science,249,133
0-1306; Clark et al,.1992,Neuron 9,337-348; Borden et al.,1992,J.
Biol.Chem.267,21098-21104; Liu et al.,1993,J.Biol.Chem.268,2106.21
12)、ラットおよびマウスのGABA取り込み担体の4つのサブタイプをクロー
ニングし、配列を決定した。それらの薬理は、伝統的なニューロンのGABA取
り込み担体およびグリアのGABA取り込み担体によっては完全には説明できな
い。ガウステラ等(Gaustella et al.,1990,Science,249,1303-1306)とネル
ソン等(Nelson et al.,1990,FEBS Lett.269,181-184)はGAT−1の
クローニングについて報告しており、該物質はニペコチン酸に対する高い感受性
(Gaustella et al.,1990,Science,249,1303-1306)と、親油性ニペコチン酸系
化合物に対する高い感受性および中枢神経系(CNS)内での分布(Radian et
al.,1990,J.Neurosci.10,1319-1330; Mabjeesh et al.,1992,J.Biol.Ch
em.267,2563-68)により、ニューロンGABA取り込み担体であるとされた。G
AT−1は、CNSの外側には存在しない(Nelson et al.,1990,FEBS L
ett.269,181-184; Liu et al.,1992,FEBS.Lett.305,110-114)。GAT−
2は、ロペス−コルエラ(Lopez-Corruera: 1992,J.Biol.Chem.267,17491-1
7493)によって最初にクローニングされたもので、CNS、腎臓および肝臓に存
在し、さらに初代細胞培養において特徴を示すグリアGABA取り込み担体に類
似した薬理を有する。リュウ等(Liu et al.: 1993,J.Biol.Chem.267,2106-2
112)により最初にクローニングされたGAT−3は、GAT−3mRNAが新生
児の脳において高く発現するが、成人の脳においては低く発現するというので、
発育上での制御を受けるように思える。GAT−3はまた腎臓および肝臓にも存
在する。GAT−4(Liu et al.,1993,J.Biol.Chem.268,2106-2112;クラ
ーク等によりGAT−Bとも名付けられ(1992,Neuron 9,337-348)、ボーデンに
よりGAT−3と名付けられた(1992,J.Biol.Chem.267,21098-21104))のc
DNAはCNSにおいてのみハイブリダイズされ、該GAT−4のmRNAは、
脳幹においては非常に豊富であるが、小脳や大脳皮質においては存在しないこと
が分かった。GAT−4は、β−アラニンを輸送することが示されているが、ニ
ューロンに局在性を有するよ
うに見える(Clarke et al.,1992,Neuron9,337-348)。
該GAT−1の分布は、GAT−1トランスポーターに対する親油性ニペコチ
ン酸系のGABA取り込み阻害剤の高い親和性により予想できたように(Clarke
et al.,1992,Neuron 9,337-348)、以前報告された3H−チアガビン(Tiagab
ine)受容体オートラジオグラフィの分布(Suzdak et al.,1994,Brain Rese
arch,647(2),231-41)によく似ている。生体内原位置ハイブリダイゼーションに
よって、CNSにおけるGAT−4のmRNAの存在が明らかになったが、明確
に区別される局在したニューロンGABA取り込み担体である直接的な論証はな
い(これは親油性ニペコチン酸系GABA取り込み阻害剤に対して感応しない)
。
GABA取り込みの阻害は、シナプス間隙におけるこの抑制性神経伝達物質の
有効性を増強させることとなり、従ってGABA作動性活性を増加させることと
なる。増加したGABA作動性活性は、例えば不安、痛みおよびてんかん、並び
に筋肉疾患および運動疾患の治療において有用である(例えば、P.Krogsgaard-
Larsen et la.,Progress in Medicinal Chemistry,1985,22,68-112参照)。
シナプス間隙からシナプス前終末中、およびグリア細胞中へのGABAの取り
込みに対する周知で効果的な抑制剤は、例えば3−ピペリジンカルボン酸(ニペ
コチン酸)である。しかしながら、これは相対的に極性を有する化合物であり、
従って血液−脳関門を通過できないことから、3−ピペリジンカルボン酸はそれ
自身、医薬品としての実用的有用性は見いだされていない。
米国特許第4,383,999号および第4,514,414号並びにEP2
36342およびEP231996において、N−(4,4−二置換−3−ブテ
ニル)アザ複素環カルボン酸の幾つかの誘導体類が、GABA取り込みの阻害剤
として権利請求されている。EP342635およびEP374801では、オ
キシムエーテル基およびビニルエーテル基がそれぞれN−置換基の一部分を形成
するN−置換アザ複素環カルボン酸類を、GABA取り込み阻害剤として権利請
求している。更に、WO9107389およびWO9220658においては、
N−置換アザシクロカルボン酸類がGABA取り込み抑制剤として権利請求され
ている。EP221572は、1−アリロキシアルキルピリジン−3−カルボン
酸類をGABA取り込み阻害剤であるとして権利請求している。
ヤンガー等(Yunger,L.M.et al.,J.Pherm.Exp,Ther.1984,228,109)に
従うと、N−(4,4−ジフェニル−3−ブテン−1−イル)ニペコチン酸(S
K&F89976Aと称す)N−(4,4−ジフェニル−3−ブテン−1−イル
)グバシン(SK&F100330Aと称す)、N−(4,4−ジフェニル−3
−ブテン−1−イル)−ホモ−β−プロリン(SK&F100561と称す)お
よびN−(4−フェニル−4−(2−チエニル)−3−ブテン−1−イル)ニペ
コチン酸(SK&F100604Jと称す)は、経口で活性なGABA取り込み
抑制剤である。これらのデータは、クログスガード/ラーセン等(Krogsgaard-
Larsen,P.et al.,Epilepsy Res.1987,1,77-93)により要約されている。
上記に引用した参照文献は全て、GAT−1サブタイプ担体を介してGABA
の取り込みを阻害する化合物類を開示している。
米国特許第4,539,407号は、抗痙攣作用を有するβ−カルボリン−3
−カルボン酸エステル誘導体類を開示している。
本発明は、その薬理がGAT−4の薬理に類似しているGABA取り込み担体
の新規サブタイプに対して親和性を有する、新規化合物類の同定に向けられてい
る。
発明の詳細な説明
本発明は、構造式Iの新規な置換β−カルボリン誘導体類または薬学的に許容
されるその塩に関する。
[ここで、R1およびR2は、各々水素、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、−(CH2
)n−(C=O)−(CH2)mCH3、−NR9R10、−SONR11R12、
−C〇OR13、−CONR14R15、C1-6−アルキル、C1-6−アルコキシ、三フ
ッ化メチルまたは三フッ化メトキシ(R9、R10、R11、R12、R13、R14およ
びR15は、それぞれ独立して水素、C1-6−アルキル、C2-6−アルケニルまたは
C2-6−アルキニルであり、nおよびmは、0、1、2、3または4である);
R3はC1-5−アルキレン(所望により1若しくは2のC1-6−アルキル若しくは
C3-7−シクロアルキル、C2-5−アルケニレン若しくはC2-5−アルキニレンで
置換されてもよい)であるか、或いは−(CH2)m−A−(CH2)n−、
2)n−、ここで、AはC3-7−シクロアルキレン、BはC1-5−アルキレン、Cは
C1-5−アルキレンであり、mおよびnは独立して0、1、または2である)で
あり;
R4は水素またはC1-6−アルキルであり;
R5およびR6は、独立して水素、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、−NR16R17、
−COOR18、C1-6−アルキル、C1-6−アルコキシ、三フッ化メチルまたは三
フッ化メトキシであり(ここでR16、R17およびR18は各々、水素、C1-6−ア
ルキル、C2-6−アルケニルまたはC2-6−アルキニルである)、;
Zは、
であり(ここでXは−NH−、酸素または硫黄である);
R7は、水素、C1-6−アルキル、C2-6−アルケニル、C2-6−アルキニル、フェ
ニル、C3-7−シクロアルキル、−OR8若しくは−SR8(ここでR8は水素若し
くはC1-6−アルキルである];
構造式Iの化合物は、幾何異性体および光学異性体として存在してもよく、全
ての異性体およびその混合がこの中に含まれる。異性体は、クロマトグラフィー
技術や適切な塩の分別結晶化のような標準的方法によって分離してもよい。
本発明に従う化合物は、所望により薬学的に許容される酸付加塩類として存在
してもよい。
その様な塩類の例には、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フタル
酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩など
の様な無機酸付加塩および有機酸付加塩、または同様の薬学的に許容され得る無
機酸付加塩若しくは有機酸付加塩、および参照として本明細言に組み込まれるジ
ャーナル・オブ・ファーマシューティカルサイエンス(66,2(1977))
に列記された薬学的に許容される塩が含まれる。
アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、直鎖または分岐鎖のアルキル鎖、
アルケニル鎖、アルキニル鎖を意味する。
構造式Iの化合物は、β−カルボリン部分を伴わない親該化合物類よりも、よ
りすばらしい親油性を有し、従ってよりすばらしい脳への活性を有し、そして該
GABA取り込み部位へのより高い親和性を有する。
シナプス間隙からのGABA取り込みを阻害する構造式Iの該新規化合物類は
、それらが選択的なGABA作動性活性の増強を引き起こす点で、中枢神経系に
おける有用な薬理学的特性を有することが論証されている。構造式Iの化合物類
は、例えは痛み、不安、錘体外路性ジスキネジー、てんかん、並びにある筋肉疾
患および運動疾患等を治療するために使用してもよい。それらはまた、鎮静薬、
催眠薬および抗鬱薬としても有用である。
本発明はまた、上記で陳述した構造式Iの化合物類の製造方法に関する。この
の方法は、以下の方法を包含する:
方法A:
構造式IIの化合物(ここでR1、R2、R3およびZは前述の通り、Xはハロゲ
ン、p−トルエンスルホネートまたはメシレートのような適切な脱離基である)
を、構造式IIIのアザ複素環化合物(ここでR4、R5およびR6は前述の通り)と
反応させればよい。このアルキル化反応は、アセトン、ジブチルエーテル、2−
ブタノン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピル
ケトン、トルエン、ベンゼンまたはDMFのような適切な溶媒中で、例えば炭酸
カリウム、水素化ナトリウムまたは、カリウム−t−ブトキシド等の塩基の存在
下において、使用した溶媒の還流に適した温度で、例えば1時間から200時間
かけて遂行してよい。
方法B:
構造式IVの化合物(ここでR1、R2およびZは前述の通り)を、構造式Vのアザ
複素環化合物(ここでR3、R4、R5、R6およびXは前述の通り)と反応させれ
ばよい。このアルキル化は、上述のような適切な溶媒中で、上述のような塩
基と例えばアルカリ金属ヨウ化物のような触媒の存在下において、使用した溶媒
の還流に適した温度で、例えば1時間から200時間かけて遂行してよい。
方法C
構造式VIのアザ複素環ケトン(ここでR1、R2、R3、R4およびZは前述の通
り)を、構造式VII(ここでR5とR6は前述の通り、Yは塩素、臭素またはヨウ
素である)のグリニャール試薬と反応させればよい。この反応は、ジエチルエー
テル、THF、トルエンまたはベンゼンのような適切な溶媒中で、使用した溶媒
の還流温度に適した適切な温度で、例えば1時間から5時間かけて遂行してよい
。
構造式IIの化合物は、EP0130141またはEP0161574において
記述される手順に従って容易に製造される。
薬理学的方法
3H−GABAの取り込みは、フャランド等(Fjalland et al、1978)の
方法の改良法により測定した。祖膜の膜調整品は、選択した脳領域から、手動の
テフロン/ガラスポッター−エルベヒュム(Potter-Elvehjem)ホモジナイザ
ーを用いて、氷冷した20mLの0.32M蔗糖中でホモジナイズすることによ
り調製した。該ホモジネートは、4℃、10分間、1000×gで遠心し、その
沈渣を捨てた。その上清を4℃、20分間、20000×gで再遠心した。それ
からその沈渣を50体積の0.32M蔗糖中でホモジナイズした。300μlの
取り込み用緩衝液(200nM NaCl、15.3mM KCl 6.67mM MgSO4,、3.8mM
CaCl2、
16.67mMグルコース、66.67mM トリス、30℃でpH7.5)に、1-(2-(((ジフ
ェニルメチレン)アミノ)オキシ)エチル)−1,2,5,6−テトラヒドロ−3−
ピリジンカルボン酸(NNC05−0711)(1mM最終濃度)、100μl
の試験物質および50μl組織懸濁液を添加した。その試料を混合し、30℃で
8分間インキュベートした。それから3H−GABA(0.9nM最終濃度)お
よび非標識GABA(25nM最終濃度)を添加し、そのインキュベーションを
更に8分間続けた。その反応をワットマンGF/Fガラス繊維フィルターを通し
た迅速な吸引濾過によって終結させた。それからそのフィルターを、二回、10
mLの氷冷した等張食塩水により洗浄し、フィルター上に捕捉したトリチウムを
慣習的なシンチレーション分光により定量した。非−GABA取り込み担体を介
した3H−GABAの取り込みは、500μlのニペコチン酸存在下において決
定した。
幾つかの代表する化合物についての、非−GABA取り込み担体を介した3H
−GABAの取り込み値を表Iに記載する。
上記のための用量は、使用した構造式Iの該化合物、投与様式および要求する
治療に非常に依存するであろう。しかしながら概して満足のいく結果は、約0.
5mgから約1000mg、好ましくは約1mgから約500mgの用量の構造
式Iの化合物で得られ、都合よくは、これを所望に応じて持続的放出形式で一日
当たり1から5回で投与する。通常、経口投与に適切な剤形は、薬学的担体また
は希釈剤と混合した、約0.5mgから約1000mg、好ましくは1mgから
500mgの構造式Iの該化合物を含有する。
構造式Iの該化合物は、薬学的に許容される酸付加塩の形で投与されてもよく
、または可能な場合には、金属若しくは低級アルキルアンモニウム塩として投与
してもよい。
本発明はまた、構造式Iの化合物またはその薬学的に許容された塩を含有して
なる薬学的組成物に関し、通常、そのような組成物はまた、薬学的担体または希
釈剤をも含有する。本発明の化合物を含有する組成物は、慣習的な技術により製
造すればよく、また慣習的な形態、例えばカプセル剤、錠剤、液剤または懸濁剤
等の形態にされてもよい。
使用される薬学的担体は、慣習的な固形または液状の担体でよい。固形担体の
例は、乳糖、石膏、蔗糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、
ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸である。液状担体の例は、シロッ
プ、ピーナッツ油、オリーブ油および水である。
同様に、該担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリンまたは二ステア
リン酸グリセリンのような当業者に公知の遅れて添加される物質を、単独若しく
は、ワックスと混合して含有してよい。
もし経口投与用の固形担体を使用するのであれば、その製剤は錠剤化すること
が出来、粉末若しくはペレットの形で硬ゼラチンカプセル中に納めることができ
、または口内錠剤若しくはトローチ剤の形態とすることが出来る。固形担体の量
は、広範囲に変化し得るが、通常約25mgから約1gであろう。もし液状担体
を使用するのであれば、その製剤は、シロップ、乳化剤、軟ゼラチンカプセルま
たは水溶性若しくは非水溶性液体懸濁液若しくは溶液のような滅菌注射用液剤の
形態であり得る。
概して、本発明の化合物は、50−200mgの活性成分を単位用量中に具備
する、または単位用量中に薬学的に許容された担体と共に具備した単位用量形態
中に製剤される。
本発明に従う該化合物類の用量は、薬として患者に投与する場合、例えばヒト
に対しては、1mg/日から500mg/日、例えば一回当たり100mgであ
る。
慣習的な錠剤化技術により製剤された典型的な錠剤は、以下を含有する。:
コア部
活性化合物(遊離化合物またはその塩として) 100mg
コロイド状二酸化シリコン(アエロシル:Aerosil,TM) 1.5mg
セルロース、微結晶(アビセル;Avicel,TM) 70mg
改良セルロースゴム(Ac-Ci.Sol,TM) 7.5mg
ステアリン酸マグネシウム
被覆部
HPMC 約9mg*
マイワセット(Mywacett,TM9-40T) 約0.9mg*
フィルムコーティングのための可塑剤として使用するアシル化モノグリセリド
投与の経路は、該活性成分を適切な、または望ましい作用部位に効果的に輸送
するものであれば、経口または非経口、例えば直腸内、経皮、皮下、静脈内、尿
道内、筋肉内、局所的、鼻腔内、眼科用溶液若しくは眼科用軟膏等の如何なる経
路でもよいが、経口経路が好ましい。
例
構造式Iの化合物の製造方法について、次に述べる例において更に説明するが
、それらの例は制限的なものとして解釈されるべきものではない。
以下の記述において、DMFはN,N−ジメチルホルムアミド、TEAはトリ
エチルアミン、TLCは薄層クロマトグラフィーおよびTHFはテトラヒドロフ
ランであり、CDCl3は重水素クロロホルムおよびDMSO−d6はヘキサ重水
素ジメチルスルフォキシドである。当該化合物の構造は元素分析かNMRかのど
ちらかによって確認し、適切な場合には、標題化合物における特徴的なプロトン
に割り当てられたピークが示されている。NMR シフト(δ)は百万分の1(
ppm)で示した。M.p.は融解温度であり、℃で示した。カラムクロマトグ
ラフィーはスティル等により記述された技術(W.C.Still et al,J.Org.C
hem.1978,43,2923-2925,on Merck silica gel 60(art,9385))を用いて遂行し
た。出
発物質として使用した化合物は、公知の化合物であるかまたは本質的に公知の方
法により前もって製造できる化合物であるかのどちらかである。
例1
(9H-β-カルボリン-3-イル)-イミダゾール-1-イルメタノン(化合物1)
無水DMF(100mL)および無水THF(100mL)の混合物中の 9H
−β−カルボリン−3−カルボン酸(1.98g、9.3mmol)懸濁液に、1,
1’−カルボニルジイミダゾール(1.60g、10mmol)をゆっくりと添加し
た。その反応混合物を窒素ガス存在下において7日間撹拌した。その溶媒を真空
下で除去し、その固体残渣を水で洗浄して真空下で乾燥し、標題化合物(1.1
2g、45%)を得た。白色固体、M.p.>280℃。
例2
3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H-β-カルボリン(化合物2)
トルエン(50mL)およびDMF(50mL)の混合物中の化合物1(1.
05g、4mmol)の溶液に、N−ヒドロキシプロパンイミダミド(0.53g、
6mmol)を添加した。生じた混合物を140−150℃で7時間加熱し、継続し
て3日間室温で攪拌した。溶媒を真空下で除去し、その油状残渣を水から沈殿さ
せた。その白色固体(1.0g)を乾燥し、シリカゲル上で溶出液としてCH2
Cl2/メタノール(9:1)と共にカラムクロマトグラフィーに供した。
これにより標題化合物(0.6g、56%)が得られた。M.p.146−14
9℃。
例3
9-(3-クロロ-1-プロピル)-3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H-
β-カルボリン(化合物3)
無水DMF(100mL)中の化合物2(0.73g、2.8mmol)の溶液に、
水素化ナトリウム(60%鉱油中、0.13g、3.3mmol)を注意深く添加し
た。生じた混合物を室温で30分間、水素の放出が終了するまで攪拌した。得ら
れた混合物をゆっくりと無水DMF(150mL)中の1-ブロモ-3-クロロプロ
パン(0.52g、3.3mmol)の溶液中に添加した。生じた混合物を室
温で12時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、黄色固体(1.59g)を得た。
この残渣をアセトンに溶解し、濾過し、濾液を真空下で濃縮し、標題化合物(1
.07g。100%)を得た。1H−および13C−NMRにより、その粗生成物
が70:8の割合で臭化および塩化異性体の混合物であることが分かった。この
粗生成物はそれ以上の精製をせずに使用した。
例4
1-(3-(3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H-β-カルボリン-9-イ
ル)-1-プロピル)-4-フェニルピペリジン-4-オール(化合物4)
無水DMF(50mL)中の化合物3(1.0g、3mmol)の溶液に、フェニ
ルピペリジン-4-オール(0.63g、3.5mmol)およびTEA(1mL)を
添加した。生じた混合物を85℃で76時間窒素ガス存在下で加熱した。溶媒を
真空で除去し、その固体残渣をシリカゲル上に溶出液としてCH2Cl2/メタノ
ール(9:1)を用いてカラムクロマトグラフィーに供した。この精製した混合
物を塩酸塩として沈殿させ、標題混合物(0.6g、36%)を黄色固体として
得た。M.p.169−170℃。
例5
3-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H-β-カルボリン(化
合物5)
金属ナトリウム(0.6g、26mmol)と無水エタノール(50mL)から製
造したエトキシナトリウムの溶液に、シクロプロピルメタンイミダミド(1.6
7g、16mmol)および9H-β-カルボリン-3-カルボン酸エチルエステル(2.
0g、8.0mmol)を添加した。トルエン(50mL)を添加し、生じた混合物
を120−130℃に加熱した。エタノールおよび反応の間に形成させた水を共
沸蒸留により除去した。反応は30分後に完了した。その反応混合物から固体を
濾取し、水で洗浄して乾燥した。これにより、黄色固体として標題化合物(1.
15g、52%)を得られた。M.p.256−257℃。
例6
9-(3-クロロ-1-プロピル)-3-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イ
ル)-9H-β-カルボリン(化合物6)
該化合物は、DMF中で(化合物5)(1.0g、3.6mmol)、NaH(0
.22g、4.3mmol)および1-ブロモ-3-クロロプロパン(0.68g、4.
3mmol)を、例3における説明と同様な方法において混合することにより合成さ
れ、標題化合部(0.76g、63%)を白色固体として得た。M.p.165
−169℃。
例7
1-(3-(3-(3-シクロプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H-β-カルボリ
ン-9イル)-1-プロピル)-4-フェニルピペリジン-4-オール塩酸塩(化合物7)
該化合物は、DMF中で(化合物6)(0.76g、2.2mmol)、4−フェ
ニルピペリジン−4−オール(0.48g、2.7mmol)、TEA(0.55g
、5.4mmol)を、例3における説明と同様な方法において混合することにより
合成された。該化合物は、黄色固体の塩酸塩(0.15g、12%)として単離
された。M.p.184−185℃。
例8
3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H-β-カルボリン(化合物8
)
該化合物は、エタノール(50mL)とトルエン(100mL)中で9H−β
カルボリン−3−カルボサイクリック酸エチルエステル(2.0g、8.0mmol
)、N−ヒドロキシフェニルイミダミド(1.30g、9.6mmol)、Na(0
.91g、40mmol)を、例5における説明と同様な方法で混合することにより
合成され、標題化合物(0.66g、25%)を得た。M.p.279−283
℃。
例9
9-(3-クロロ-1-プロピル)-3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H
-β-カルボリン(化合物9)
該化合物は、DMF中で(化合物8)(0.6g、1.9mmol)、1−ブロモ
−3−クロロプロパン(0.45g、2.9mmol)、NaH(0.09g)2.
3mmol)を、例3における説明と同様な方法において混合することにより合成さ
れ、標題化合物(0.72g、97%)を得た。M.p.192−195℃(お
よび235.5−236℃)。
例10
1-(3-(3-(3-フェニル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H-β-カルボリン-9-
イル)-1-プロピル)-4-フェニルピペリジン-4-オール塩酸塩(化合物10)
該化合物は、DMF中で(化合物9)(0.7g、1.8mmol)、4-フェニ
ルピペリジン-4-オール(0.38g、2.2mmol)およびTEA(0.55g
、5.4mmol)を、例4における説明と同様な方法において混合することにより
合成され、標題化合物(0.47g、43%)を得た。M.p.184−185
℃。
例11
6-ジメチルスルファモイル-9H-β-カルボリン-3-カルボン酸エチルエステル(
化合物11)
クロロスルホン酸(20mL)に塩化ナトリウム(2.9g、49.6mmol)
を、注意深く室温にて添加した。塩化水素の発生が終了した時、その生じた混合
物を氷浴上で冷却した。9H-β-カルボリン-3-カルボン酸エチルエステル(6
.0g、25mmol)をゆっくりと添加し、該混合物を室温で2日間攪拌した。こ
の反応混合物を氷水(100g)中にそそぎ込んだ。その沈殿物を回収し、水で
洗浄した。この化合物を、撹拌下にて氷冷したジメチルアミン(トルエン中60
%、100mL)に添加した。その混合物を0℃で更に30分間攪拌し、そして
室温で1.5時間攪拌した。酢酸(70mL)を注意深く添加した(発熱を伴う
!)。その生じた混合物に水(100mL)を添加し、沈殿物を濾取し、水で洗
浄して乾燥した。これにより標題化合物(3.0g、34%)を得た。M.p.
310−311℃。
例12
6-ジメチルスルファモイル-3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)9H-
β-カルボリン(化合物12)
上記エステル、即ち化合物11(10g、28.8mmol)を、エタノール(2
00mL)およびKOH(5.5g98.2mmol)の混合物中において100℃
で加熱し、水中(15 mL)で4時間懸濁した。酢酸を添加した。その沈殿物を
水で洗浄して乾燥した。これによって酸(6.8g、21.3mmol)が得
た。該遊離酸(2.5g、7.8mmol)を例1および例2において記述したよう
に処理し、白色固体として標題化合物(1.3g、44%)を得た。M.p.2
66−268℃。
例13
9-(3-クロロ-1-プロピル)-6-ジメチルスルファモイル-3-(3-エチル-1,2,4-オキ
サジアゾール-5-イル)-9H-β-カルボリン(化合物13)
該化合物は、DMF中で(化合物12)(3.0g、8.8mM)、NaH(
0.46g、11.0mmol)および1−ブロモ−3−クロロプロパン(1.5g
、9.7mmol)を、例3において説明したのと同様な方法で混合することにより
合成され、標題化合物(0.25g、7%)を得た。M.p.223−224℃
。
例14
1-(3-(3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-6-ジメチルスルファモイ
ル-9H-β-カルボリン-9-イル)-1-プロピル)-4-フェニルピペリジン-4-オール塩
酸塩(化合物14)
DMF中で(化合物13)(0.25g、0.64mmol)、4-フェニルピペレ
ジン-4-オール(0.136g、0.77mmol)およびTEA(0.19g、1
.9mmol)を、例4における説明と同様な方法において混合することにより合成
し、標題化合物(0.09g、21%)を得た。M.p.186−189℃。
例15
6-ニトロ-9H-β-カルボリン-3-カルボン酸エチルエステル(化合物15)
9H−β−カルボリン−3−カルボン酸エチルエステル(20g、833mmol
)をゆっくりと濃硝酸(400mL)に添加した。その反応混合物を70−75
℃で2時間攪拌した。室温まで冷ました後、その生じた混合物を氷(1kg)上
に注いだ。沈殿した化合物を回収し、ピリジン(650mL)で再結晶化した。
これによって標題混合物(14.9g、63%)が得られた。M.p.339−
341℃。
例16
6-アミノ-9H-β-カルボリン-3-カルボン酸エチルエステル(化合物16)
無水エタノール(300mL)中のPd(10%炭素上、1.0g)及び化合
物15(8.0g、28 mmol)の懸濁液に1atmで水素付加(2280mL
)した。反応混合物を濾過補助器(filter aid)を通して濾過した。その濾液を真
空で濃縮し、標題化合物を得た(5.62g、79%)。M.p.226−22
8℃。
例17
6-ジプロペニルアミノ-9H-β-カルボリン-3-カルボン酸エチルエステル(化合
物17)
無水エタノール(300mL)中の化合物16(15.8gm、62mmol)溶
液に、臭化アリル(8.4g、69.4mmol)及びTEA(20 mL)を添加し
た。その反応混合物を窒素ガス存在下において80℃で2時間撹拌した。追加の
臭化アリル(8.4g、69.4mmol)及びTEA(12mL)を添加し、80
℃で48時間攪拌し続けた。その反応混合物を真空で濃縮し、残渣油を水(30
0mL)中に注いだ。その固体を濾取して乾燥し、標題化合物を得た(16.5
g、80%)。M.p.235−238℃。
例18
6-ジプロペニルアミノ-3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-9H-β-
カルボリン(化合物18)
該化合物は、エタノール中(200mL)に溶解したNa(2.6g、114
mmol)並びに、トルエン中の(化合物17)(13.2g、38mmol)およびN
−ヒドロキシプロピルイミドアミド(5.1g、57mmol)を、例5における説
明と同様な方法において混合することにより合成され、標題化合物を得た(4.
4g、32%)。M.p.151−156℃。
例19
9-(3-クロロ-1-プロピル)-6-ジプロペニルアミノ-3-(3-エチル-1,2,4-オキサジ
アゾール-5-イル)-9H-β-カルボリン(化合物19)
該化合物は、DMF中で(化合物18)(1g、2.8mmol),NaH(50%
油中)(0.075g、3.1 mmol)および1−ブロモ−3−クロロプロ
パン(0.44g、3.1mmol)を、例3における説明と同様な方法において混
合することにより合成され、標題化合物(0.35g、28%)を得た。1H−
NMR(CDCl3):1.45(t、3H)、2.35(t、2H)、29(
q、2H)、3.5および3.35(t、t、付加的な2H)、4.0(d、4
H)、4.5(t、2H)、5.25(2d、4H)、5.95(m、2H)、
7.15(d、1H)、7.4(sおよびd、2H)、8.7(s、1H)、9
.0(s、1H)。
例20
1-(3-(3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-6-ジプロペニルアミノ-9
H-β-カルボリン-9-イル)-1-プロピル)-4-フェニルピペリジン-4-オール塩酸塩
(化合物20)
該化合物は、(化合物19)(0.35g、0.8mmol)、4−フェニルピペ
リジン−4−オール(0.14g,0.8mmol)およびTEA(0.32g、3
.2mmol)を、例4における説明と同様な方法において混合することにより合成
され、標題化合物(0.33g、60%)を得た。M.p.133−139℃(
分解)。
例21
6-ジメチルアミノ-β-カルボリン-3-カルボン酸エチルエステル(化合物21)
化合物16(1.00g、0.0039mol)のCH3CN(30mL)溶液に、
35%フォルムアルデヒド(aq)(3.4mL、0.0392mol)および酢酸
(0.4mL)を添加した。その混合物を室温で2時間攪拌し、メタノール(20
mL)およびNaBH4(0.74g、0.0117mol)を添加した。この反応
混合物からその溶媒を除去するために、真空で、更に15分間、室温で攪拌した
後、残渣を1MKOH(20mL)に溶解し、生じた溶液をCH2Cl2(100
mL)で抽出した。その有機層を1MKOH(2×20mL)で洗浄し乾燥(M
gSO4)した。溶媒を真空で除去し、標題化合物0.76g(69%)を得た
。M.p.220−221℃。
例22
6-ジメチルアミノ-3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-β-カルボリ
ン(
化合物22)
ナトリウム(0.11g、0.0048mol)を注意深く無水エタノール(100
mL)に添加した。そのエトキシナトリウム溶液に化合物21(0.53g、
0.0019mol)、プロピオンアミドオキシム(0.20g、0.0022mol
)およびトルエン(150mL)を添加した。その生じた混合物を還流温度で加
熱し、該混合物から水を共沸蒸留により除去した。溶媒をその反応から真空で除
去し、残渣を水で中性pHまで洗浄し、真空で乾燥し、標題化合物0.25g(
43%)を得た。M.p.235−240℃。
例23
9-(3-クロロ-1-プロピル)-6-ジメチルアミノ-3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾ
ール-5-イル)-β-カルボリン(化合物23)
無水DMF(30mL)中の化合物22(0.25g、0.0009mol)の
溶液に鉱油中の50%水素化ナトリウム(0.05g,0.0012mol)を添
加した。その混合物を30分間、室温で攪拌し、次いで無水DMF(50mL)
中の1−ブロモ−3−クロロプロパン(0.15g、0.001mol)に添加し
た。生じた混合物を常温で一晩攪拌し、次いでその生成物を水の添加により沈殿
させた。この粗生成物をシリカゲルカラム(溶出液:CH2Cl2/メタノール(
9:1))で精製し、標題化合物0.22g(65%)を得た。M.p.183
−186℃。
例24
1-(3-(3-エチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-6-ジメチルアミノ-β-カルボ
リン-9-イル)-1-プロピル)-4-フェニルピペリジン-4-オール塩酸塩(化合物24
)
無水DMF中の化合物23(0.22g、0.0008mol)、TEA(0.
32g、0.003mol)および4−フェニルピペリジン−4−オール(0.1
7g、0.0009mol)の溶液を室温で96時間懸濁した。その反応混合物を
濾過し、溶媒を真空で除去した。その残渣をシリカゲルカラム(溶出液:CH2
Cl2/メタノール(9:1))上で精製した。該生成物を2MHCl(g)ジ
エチルエーテル中で酸性にして、標題化合物0.08g(16%)を得た。M.
p.199−120℃。
例25
9-(3-クロロ-1-プロピル)-3-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-β-カ
ルボリン(化合物25)
無水DMF(50mL)中の3−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾー
ル−5−イル)−β−カルボリン(2.00g、0.008mol)に、鉱油中の
50%水素化ナトリウム(0.42g、0.01mol)を添加した。その混合物
を1時間室温で攪拌し、次いで注意深く1−ブロモ−3−クロロプロパン(1.
39g、0.0088mol)の無水DMF(150mL)溶液に添加した。生じ
た混合物を常温で一晩攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、その粗生成物をシ
リカゲルカラム(溶出液:CH2Cl2/メタノール(9:1))上で精製して、
標題化合物2.11g(81%)を得た。M.p.180−185℃。
例26
1-(3-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-β-カルボリン-9-イル)-1-プ
ロピル)-4-フェニルピペリジン-4-オール塩酸塩(化合物26)
無水DMF(50mL)中の化合物25(1.00g。0.0031mol)、
TEA(1.25g、0.0124mol)および4−フェニルピペリジン−4−
オール(0.60g、0.0034mol)の溶液を室温で一晩攪拌し、次いで8
0℃で6時間加熱した。その反応混合物を濾過し、溶媒を真空で除去した。残渣
をシリカゲルカラム(溶出液CH2Cl2/メタノール(9:1))上で精製した
。生成物を2MHCl(g)ジエチルエーテル液で酸性化して、標題化合物0.
69g(44%)を得た。M.p.179.5−180.5℃。
例27
9-(3-クロロ-1-プロピル)-3-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-β-カ
ルボリン(化合物27)
無水DMF(30 mL)中の3−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾー
ル−3−イル)−β−カルボリン(0.25g、0.001mol)の溶液に50
%水素化ナトリウム鉱油中(0.03g、0.0011mol)を添加した。その
混合物を1時間室温で攪拌し、次いで注意深く1−ブロモ−3−クロロプロパン
(0.17g、0.0011mol)の無水DMF(20mL)中溶液に添加した
。生じた混合液を常温で96時間攪拌した。反応混合液を真空で濃縮し、粗生成
物をシリカゲルカラム上で1)(溶出液:CH2Cl2/メタノール(9:1))
;2)(溶出液:エチルアセテート/トルエン(1:1))で二回精製し、標題
化合物0.21g(64%)を得た。M.p.130−135℃。
例28
1-(3-(5-メチル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-β-カルボリン-9-イル)-1-プ
ロピル)-4-フェニルピペリジン-4-オール塩酸塩(化合物28)
無水DMF(30mL)中の化合物27(0.21g、0.007mol)、T
EA(0.26g、0.0003mol)および4−フェニルピペリジン−4−オ
ール(0.11g、0.0007mol)の溶液を50℃で5日間攪拌した。その
反応混合物を濾過し、その溶媒を真空で除去した。その残渣をシリカゲルカラム
(溶出液:CH2Cl2/メタノール/25%NH4OH(aq)(90:9:1
))上で精製した。その生成物を2MHCl(g)ジエチルエーテル液で酸性化
し、標題化合物0.15g(43%)を得た。M.p.157−159℃(分解
)。
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DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
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SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 ソレンセン、ペル・オラフ
デンマーク国、デーコー−2000 フレデリ
クスベルグ、レイル 21、ホビッツベイ
14 4.サル