JPH11504717A - 試験条片保持具とその使用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 試験条片保持具（１）は、開口端部（３）と閉じられた端（４）とを備えた細長い中空部材（２）を含む。細長い中空部材（２）のなかに細長い中空部材（２）の内壁からスペースをあけて置かれた試験条片（９）を位置決めするための支持体が備えられている。少なくとも１つの孔（１０）は、細長い中空部材（２）の開口端部（３）と閉じられた端（４）との間に備えられている。開口端部（３）と前記少なくとも１つの孔（１０）との距離は、液体が毛管作用以外で開口端部（３）から細長い中空部材（２）へ入ることができる最大の高さ（Ｌ１）となる。細長い中空部材（２）は導管のように形成してもよい。あるいはまた、中空部材は試験条片受取部（２１）と試験条片カバ一部（２２）を含み、試験条片受取部（２１）は試験条片カバー部（２２）とヒンジにて接続してもしなくてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】 試験条片保持具とその使用方法 発明の背景 本発明は、試験条片(test strip)の保持具と、その保持具の使用方法に関する ものである。この試験条片保持具は試験条片を液体中の適当な位置に配置するも のであり、この液体は、試験条片と接触し毛管作用にのみによって、その試験条 片上を上方に移動することを確実にする。 従来の試験条片は、手で保持され液体に浸漬される。その試験条片は、その後 、液体から取り除かれ、試験条片を読みとることにより結果が決定される。この 「浸漬」(“immersion”)法においては、試験者はこの液体中で試験条片を物理 的に保持することを要求される。このことは試験者の指からの試験条片の汚染に 起因する間題を引き起こし、信頼性の低い、もしくは、汚れた(tainted)結果を 引き起こすかもしれない。 さらなる問題が、試験されるべき液体と試験条片との接触時間が延長されるこ とから生じる可能性がある。いくつかの試験条片はあらかじめ決められた時間だ け液体と接触することを必要としている。もし条片が決められた時間より長く液 体と接触するとき、この結果は不完全もしくは信用できないものとなる可能性が ある。 他に知られた試験条片は、これを特定の体積に付けること、例えば、あらかじ め決められた数の滴下を必要とする。他の試験条片は所定時間、所定の高さまで 液体に浸漬することを必要とする。これらのタイプの試験条片は広範囲の、かつ 、厳密な試験境界面(tester interface)を必要とする。試験者は、適切な試験条 件を確保するために、試験条片と液体とを絶えず監視し続けなければならない。 これは試験者の時間を非効率に使うこととなる。さらに、試験中に誤りを起こし 易くなる。 試験条片用の保持具としては、ハウジング(housing)内に納められた試験条片 を含むものが知られている。しかしながら、この種の試験条片保持具も、連続的 な監視や注意深い測定の必要性などの上記の不利益がある。ハウジングは所 定の時間、ある高さまで液体中に浸漬されなければならない。試験者は、保持具 を保持しなければならず、または、保持具を所定の時間で所定の深さに支えてい なくてはならない。もし試験条片およびハウジングが、その深さを越えて、およ び／または、所定を越えもしくはそれに満たない時間挿入されていると、その試 験の結果は不正確で信頼性の低いものになる可能性がある。 また、液体がちょうど所定の高さまで試験条片に接触することを確実にするよ うな構造を持たない試験条片保持装置は知られている。この場合、たとえハウジ ングに挿入すべき深さを示したマークが設けられていたとしても、試験者は、所 定時間、試験条片保持具を手で液体中に保持しなければならないことになる。さ らに、液体や液体が入れられている容器の透明度によっては、適切な位置に付け られたマークを持つ試験条片保持具を液体の表而に正確に合わせることは困難で ある。 また、保持具の内壁から確実に間隔をあけて配置する構造を持たない試験条片 保持具は知られている。この場合、液体が試験条片上を上方に移動するだけとい うよりはむしろ、液体は、毛管作用によって試験条片保持具の側壁上を上方に移 動し試験条片と接触するのが早すぎることになるかもしれない。特に、もし試験 条片が引き続いて液体と接触すべき複数の試験条片区域を備えている場合、試験 条片と液体との接触が早すぎると不完全で信頼性の低い試験結果を引き起こす可 能性がある。また、直接的に、そして、必要以上に長い時間、条片に液体を接触 させると、信頼性のない試験結果を引き起こす可能性がある。 発明の概要 本発明は、信頼性の高い試験条片保持具とこの試験条片保持具の使用方法を提 供するものである。この試験条片保持具は、試験されるべき液体の中にどんな深 さにでも挿入することを可能にし、そして、液体との直接的な接触なしに試験条 片の試験区域と共に液体中で留めておくことを可能にする。試験者は、連続的に 試験条片の挿入の深さを監視する必要がない。試験条片保持具はその 試験条片保持具の側面から隙間をあけて試験条片が置かれることを維持し、液体 は試験条片の内の毛管作用のみによって、試験条片上を上方へ流れる。試験条片 は、細長い中空部材の内壁にある液体によって濡れることはない。これは、液体 と試験条片との早すぎる接触と、信頼性の低い試験結果を避けることになる。 本発明は、試験条片保持具と、公知の試験条片保持具と方法に関連した問題を 解決する使用方法を提供するものである。試験条片保持具は液体中に試験条片を 正確に位置づけ、それにより、液体は、条片と液体との毛管作用のみによって試 験条片上を上方に移動する。 本発明は、一端が開かれ、もう一端がシールされ気密に閉じられた細長い中空 部材を含む試験条片保持具を提供する。この細長い中空部材は、細長い中空部材 の側壁から隙間をあけて試験条片を位置決めするための支持構造を含む。この細 長い中空部材は、また、開口端部と閉じられた端部との間の所定位置、好ましく は、細長い中空部材の開口端部の近くに設けられた少なくとも一つの孔を含む。 試験条片保持具が液体中に挿入されたとき、この液体は、細長い中空部材の中 を少なくとも一つの孔の高さまでのみ上昇する。細長い中空部材の内部にある空 気もしくは他の雰囲気は、液体が入り込むとき、最初に前記少なくとも一つの孔 からでていく。いったん液体が少なくとも一つの孔を覆えば、少なくとも一つの 孔より上方にある細長い中空部材内の空気もしくは他の雰囲気の圧力は、液体が さらに細長い中空部材に入り込むことを妨ぐ。それゆえ、試験条片は、液体と直 接接触するように設計された所定領域の液体のみと接触することになる。細長い 中空部材の側壁にある孔の位置は、液体が細長い中空部材に実際に入ることがで きる最大の高さを決定する。実際の試験条片試験区域は、好ましくは、液体と直 接接触せず、試験条片上に存在する液体の毛管作用のみによって濡れるほうがよ い。 図面の簡単な説明 本発明の実施例が次の図面を参照しながら詳細に説明されるであろう。ここで 、類似の参照番号は類似の要素を示す。ここで、 図１は、本発明の第１の実施例による試験条片保持具の断面図であり、 図１Ａは、本発明の第１の実施例による自己シール型である閉じられた端部を 持つ試験条片保持具の断面図であり、 図２は、図１の線II−IIに沿った断面図であり、 図３Ａ〜３Ｃは、試験されるべき液体中への図１の試験条片保持具の挿入を示 しており、 図４は、本発明の第２の実施例による開いた状態における試験条片保持具の正 面図であり、 図５は、図４の試験条片保持具の部分断面図であり、 図６は、図４の閉じた状態における試験条片保持具の正面図であり、 図７は、図４の試験条片保持具の上部を切り離した断面図であり、 図８Ａ〜８Ｃは、液体中への図４の試験条片保持具の挿入を示しており、 図９は、本発明の第３の実施例による開いた状態における試験条片保持具の正 面図であり、 図１０は、図９の閉じた状態における試験条片保持具の正面図である。 好ましい実施例の説明 保持具の細長い中空部材は、例えば導管のような、円形の断面を持った形にし てもよい。あるいは、細長い中空部材は、周囲を囲んでシールされた２つ別々の 結合可能な部分(mateable part)によって形成することもできる。中空部材は、 開口端部と、シールされた閉じられた端部と、少なくとも１つの孔があり、その 少なくとも１つの孔は前記開口端部と閉じられた端部の間に位置づけられている 限り、他の形で形成されてもよい。細長い中空部材の少なくとも１つの孔の位置 は、試験条片の浸漬の深さを変えるために、いろいろと変えてもよい。 細長い中空部材は、また、細長い中空部材の壁からスペースをおいて試験条片 を保持するための支持構造である。この支持構造は、細長い中空部材とは別の要 素であってもよいし、細長い中空部材へ挿入されたものでもよい。あるいは、支 持構造は、細長い中空部材と一体に形成されたものでもよい。 試験条片が細長い中空部材の壁からスペースをおいて保持されている限り、こ の支持構造は、試験条片保持具と互いに補い合うような適当なものならどのよう な形となってもよい。これは、試験条片区域が細長い中空部材の側壁に存在する いかなる液体によって接触されることを妨げる。液体は、通常では、「最小抵抗 」(least resistance)の通路を毛管作用により流れる。試験条片と試験条片保持 具との接触により、抵抗の小さい毛管流路(capillary channel)が作られ、試験 条片の縁の上を上方に液体を流すための試験条片の前面を迂回する「短絡路」(s hort circuit)が備えられる。これは、間違った信頼性の低い結果を導く可能性 がある。 試験条片保持具の開口端部を下にして液体中に挿入したとき、細長い中空部材 の側壁から試験条片までの隙間は、液体が通常の大気圧の下で毛管作用により試 験条片上を上方に流れることを確実にする。液体は、試験条片保持具の形状に基 づいて、試験条片保持具の側壁から、試験条片と接触することはない。試験条片 保持具の大きさと開口端部の形状は、試験されるべき液体の性質に依存して変化 することがあるが、しかし、これらは、通常の実験により容易に決めることがで きる。 細長い中空部材の閉じられた端はシールされ、それにより空気が出ることはな い。空気が出ることがないため、液体は、試験条片内での毛管作用以外によって 、少なくとも１つの孔を越えて細長い中空部材上を上方に移動することを妨げら れる。細長い中空部材の少なくとも１つの孔の位置は、試験条片を浸漬する深さ を選択することによりあらかじめ決定できる。 試験条片は適切な形状ならばどのようなものにでもすることができ、少なくと も２つに分かれた別の試験区域があるものでもよい。これら試験区域は、液体中 の試験されるべき物質の濃度に比例して、移動する液体試薬を試験条片に結合さ せる(bind)ことを意図したものである。試験区域は、液体中の異なった 物質についても測定することができる。これにより、異なった試験条片および／ または試験条片保持具によって、複合的な試験や液体の潜在的な汚れ(potential contamination)を避けることができる。従って、試験条片が液体の毛管作用に よって濡れることは重要である。試験区域に液体が直接に接触することは、結果 を変えてしまうか、試験を信頼性の低いものにするおそれがある。 さらに、試験条片は、実際の試験に使われる試験区域を含んだ試料パッド(sam ple pad)、共役パッド(conjugate pad)、膜(membrane)、および移送パッド(wick ing pad)を含んでもよい。不透明な（例えば、白）防水テープの一片を、試料、 共役パッド、そして膜の一部上に貼付してもよい。テープによって、現像(devel opment)の間試験条片をマスクし、そして、試験の間、区域の位置に関する混同 を除去する。テープは試料パッドに圧力を加え、試験条片上の液体の流れを容易 にする。さらに、テープは、製造中、特に試験条片保持具の中に挿入している間 、試験条片を保護する。 図１は、試験条片保持具１の第１の実施例を示す。試験条片保持具１は細長い 中空部材２を含む。細長い中空部材２は、好ましくは、透明度の高い材料から構 成される。また、細長い中空部材２は、試験条片９の試験区域があるところを除 き、すべての部位で完全に透明かまたは不透明にしてもよい。その部位には、好 ましくは、細長い中空部材が、試験条片を観察することができるために、透明で ある。細長い中空部材２は、試験区域を見分けるために、目盛り、記号などの印 を備えてもよい。細長い中空部材２は、適当な反応しにくい材料、例えばプラス チック、ガラスまたは他のそのような材料のようなものからで作られてもよい。 細長い中空部材２は、図２に示されているように、円形の断面を持つ。しかし ながら、細長い中空部材が適当な形であればどのようなものでも可能であろう。 長空中空部材２は、開口端部３と気密に(air-tight fashion)閉じられた端部４ を含む。 細長い中空部材の閉じられた端部４は、気密にシールされた端が形成される限 り、適当であるならばどのような方法で形成されてもよい。図１Ａに示されてい るように、閉じられた端部４Ａは、細長い中空部材自体からシールされた 端を形成することによって、形成されてもよい。このように、閉じられた端部４ Ａは、閉じられた端部４Ａから空気漏れを妨げるように、追加部品を必要としな いで気密にシールされる。 あるいはまた、閉じられた端部４は、図１に示すように、細長い中空部材２の 中へ挿入された気密シール栓５によってシールされてもよい。気密シール栓５は 、空気が閉じられた端部４から細長い中空部材２へ入ること、もしくは、細長い 中空部材２から出ることを防ぐ。気密シール栓５は、シールを形成するために弾 性を利用してもよい。さらに、閉じられた端部４でのシールを強化するために、 気密シール栓５と細長い中空部材２との間で閉じられた端部４に、接着剤（図示 省略）を設けてもよい。さらに、閉じられた端部４でのシールは、エポキシ(epo xy)、ワックス、接着剤などや、さらにシールキャップを含む適当なカバー（図 示省略）で栓５を覆うことで強化してもよい。 細長い中空部材２の開口端部３は、ゴムや他の材料で作られた開口栓６を有す る。開口栓６は、好ましくは、細長い中空部材２の開口端部内に取り付けらる。 開口栓６は、細長い中空部材２の長手方向の軸８と共通の直線に沿う貫通路７を 有する。この貫通路７は、細長い中空部材２が後述するように液体中に挿入され たとき、液体が細長い中空部材２の開口端部３を通過できるようにしたものであ る。 試験条片９は、細長い中空部材２の全体の長さとほぼ同等の長さを持っている 。試験条片９の幅は、細長い中空部材２の内径より小さい。試験条片９の幅は、 貫通路７の直径とほぼ等しい。従って、図１に示されるように、試験条片９が細 長い中空部材２と開口栓６の貫通孔７との中に置かれると、試験条片９は、貫通 孔７内への試験条片９の摩擦によるはめ合いにより、試験条片保持具１内に保持 される。さらに、この摩擦によるはめ合いにより、細長い中空部材２の内壁から スペースをおいて試験条片９が保持される。 細長い中空部材２は、少なくとも１つの排出孔または開口(vent or opening) を含む。孔１０は、円形、長円形、あるいは、他の適切な形状であればどのよう なものでもよい。図１に示すように、２つまたはそれ以上の孔１０があってもよ い。孔１０は、好ましくは、試験条片保持具１の開口端部３近くに位置し ている。しかしながら、孔１０の位置は、細長い中空部材２の開口端部３と閉じ られた端部４との中間であるならどこでもよい。孔１０により細長い中空部材２ の中へ液体が入る範囲が決まるので（後述するように）、孔は、開口端部３近く に位置する方が好ましい。さらに、試験条片９の示した区域だけ物理的にそして 直接的に濡らすことが望まれるため、孔は、試験条片９を直接物理的に濡らす最 大の高さにほぼ対応した高さに、細長い中空部材２へ位置づけられるべきである 。 試験条片保持具の操作は、図３Ａ〜３Ｃを参照しながら、述べられるであろう 。最初に、試験条片保持具１を、試験されるべき液体Ｌが入っている容器Ｃの中 へ入れる。最初に液体Ｌに試験条片保持具１がふれると、液体Ｌは、開口ゴム栓 ６内の貫通孔７を通って、細長い中空部材２の開口端部３へ入る。細長い中空部 材２の中の空気は、通気通路Ａによって示されているように、上の方へ押しのけ られ、細長い中空部材２から出ていく。 さらに液体Ｌに試験条片保持具１がふれると、液体Ｌは、図３Ｂに示されるよ うに、細長い中空部材２の中を上昇する。細長い中空部材２が液体Ｌに浸漬され 孔１０を覆うと、図３Ｃに示されているように、通気通路Ａは、液体Ｌが覆われ るため塞がれる。従って、液体Ｌより上の細長い中空部材２内の圧力が増す。液 体がさらに細長い中空部材２へ入ることを妨げる。細長い中空部材２の側壁にあ る孔１０の位置は、液体が実際に細長い中空部材２へ入ることができる最大の高 さを決める。 試験条片９は開口ゴム栓６の貫通路７の中に置かれており、これによって細長 い中空部材２の壁から試験条片９を離している。細長い中空部材２の壁から試験 条片９までのスペースにより、液体Ｌと試験条片９との接触による毛管作用は、 液体Ｌが試験区域Ｚ１、Ｚ２と接触する唯一の方法である。液体Ｌが、孔１０に より定義された高さＬ１までの試験条片９の下の部分のみと接触し、そして、試 験区域Ｚ１、Ｚ２には直接接触しない。従って、液体Ｌと試験条片９の試験区域 Ｚ１、Ｚ２との直接的な接触によって生じる誤った信頼性の低い結果がでること を避ける。 試験条片保持具１’の第２の実施例が図４〜８Ｃに示されている。ここで、 細長い中空部材２０は、試験条片を置く試験条片受部２１と試験条片カバー部２ ２とにより形成されている。試験条片受部２１と試験条片カバー部２２は、ヒン ジ２３により接続されている。これらの部品２１、２２は、ヒンジにより一緒に されており(hinged together)、試験条片カバー部２２が試験条片受部２１を閉 めることにより、細長い中空部材２０が形成される。ヒンジ２３は部品２１、２ ２の長手方向の軸と平行に示されているが、ヒンジは部品２１、２２を横切る軸 に平行に設けることも可能である。 図４〜８Ｃの実施例では、試験条片受部２１には周辺溝またはチャネル(a per ipheral groove or channel)２４が試験条片受溝２６からスペースをおいて設け られている。試験条片カバー部２２は、周辺溝またはチャネル２４と互いに補う ような形と大きさで形成された周辺突起物２５を含む。試験条片カバー部２２が ヒンジ２３に関して回転し、試験条片受部２１を閉めるとき、周辺突起物２５は 周辺溝またはチャネル２４へ入りシールされた形となる。周辺溝またはチャネル ２４と周辺突起物２５は組み合い、それによって、気密なシールが細長い中空部 材２０の回りに形成される。周辺溝またはチャネル２４と周辺突起物２５は、シ ールとするために、「はめる」(snapping)といったやり方で組み合わせることが できる。 さらに、気密性のシールを強化するため、試験条片カバー部２２を閉める前に 、周辺溝またはチャネル２４のなかに、粘着性のあるシール材（図示省略）を備 えてもよい。あるいは、感圧接着剤（図示省略）を、周辺溝またはチャネル２４ あるいは周辺突起物２５に備えてもよい。これにより、試験条片カバー部２２を 閉めると、感圧接着剤が働き、気密性シール関係(airtight sealing relation) が強化される。 また、試験条片カバー部２２と試験条片受部２１を、超音波圧着、高周波(rad io frequency)溶着(welding)、プラズマ溶接などによってシールしてもよい。溶 着を溝２４と突起物２５とで行ってもよい。また、細長い中空部材２０を、溝２ ４または突起物２５の以外の場所で、溶接によってシールしてもよい。 試験条片受部２１と試験条片カバー部２２との結合によってシールされた細長 い中空部材２０を形成できる限り、周辺溝またはチャネル２４と周辺突起物 ２５は、どのような外形、形態に構成されてもよい。 試験条片受部２１は、周辺溝またはチャネル２４と周辺突起物２５を持つ試験 条片カバー部２２と共に、図４から７に示されている。あるいはまた、試験条片 受部２１は周辺突起物２５を備えてもよいし、試験条片カバー部２２は周辺溝ま たはチャネル２４を備えてもよい。 試験条片受部２１の中にある試験条片受溝２６は、好ましくは、少なくとも２ つの切り欠き試験条片保持部２７を備える。切り欠き試験条片保持部２７は細長 い中空部材２０と一体であってもよいし、分離して付属した要素であってもよい 。切り欠き試験条片保持部２７は、平坦な中央支持面(planar center support s urface)２７ｂを囲むように、２つの立ち上げられた側部(side positions)２７ ａを含む。平坦な中央支持面２７ｂの上に、試験条片９が置かれる。試験条片９ の移動は、立ち上げられた側部２７ａによって束縛される。図５に示されている ように、細長い中空部材２０の壁からスペースをおいて置かれた試験条片９の離 れた両端を位置決めするために、２つの切り欠き試験条片保持部２７がある。図 において２つの切り欠き条片保持部が示されているが、試験条片９が側壁からス ペースをおいた位置に維持されている限り、切り欠き条片保持部をいくつ用いて もよい。 試験条片ストッパー２８は、細長い中空部材２０の開口端部２９の近くに備え られている。試験条片ストッパー２８は、特に、試験条片保持具１’を垂直にし たときに、試験条片受溝２６の中で試験条片９を維持している。試験条片ストッ パー２８によって、試験条片受溝２６から滑り落ちることを妨げ、試験条片９の 下部が液体Ｌと接触する事を可能にする助けとなる。 底支持体３０が、さらに細長い中空部材２０の内壁から試験条片９を支えるた めに、試験条片受溝２６の中に備えられていてもよい。図では１つの底支持体３ ０が示されているが、底支持体は、試験条片受溝２６の中にいくつでも備えても よい。 試験条片カバー部２２は窓または孔４２を含む。孔４２は、試験条片溝２６と ほぼ同じ幅を有する長方形として示されている。しかしながら、空気が試験条片 受溝２６から通気される限り、孔４２はどのような形、大きさをとっても よい。孔４２は、第１実施例の孔１０とほぼ同様の機能を有する。 図５に示されている試験条片９は、どの実施例に対しても使用することができ る。試験条片９は、膜３３にて少なくとも２つの分離して別の試験条片区域Ｚ１ ，Ｚ２を含んでいる。これら区域Ｚ１，Ｚ２は、液体L中の試験されるべき物質 の濃度に比例して、移動する液体試薬を試験条片に結合させることができる。区 域Ｚ１，Ｚ２は液体中の異なった物質に関して測定できることから、試験条片が 、液体Ｌの毛管作用によって、適切に接触することは重要である。液体Ｌと区域 Ｚ１，Ｚ２の直接的な接触が、結果を変えてしまったり、台無しとなる試験を引 き起こすことがあり得る。 さらに、試験条片は、試料パッド３４、試料パッドの下に共役パッド、そして 、膜３３と接触している移送パッド３５を含んでもよい。白い不透明な防水テー プの一片（図示省略）が、試料パッド３４と、膜３３の一部を覆うように貼付さ れてもよい。不透明な防水テープは、現像の間、試験条片９をマスクする。テー プは、試験の間、区域Ｚ１，Ｚ２の位置に関する混同を除去する。テープは、試 験条片９上を上方に液体を流すことを容易にするために、試料パッド３４とその 下にある共役パッドに圧力を加える。テープは、製造の間、および試験条片９を 試験条片保持具１、１’または１”の中に挿入する間、試験条片９を保護する。 試験条片区域Ｚ１，Ｚ２は、ある物質の存在を決定する。試験条片区域の数は ２つに限らず、いくつ備えてもよい。さらに、どのような試験条片９でも、試験 条片保持具１、１’または１”と共に使用してもよい。試験条片９の種類は、試 験によって見つけだしたい特定の化合物によって必要に応じ、変えることができ る。 適用できる試験条片９は、通常液体中で他の化合物と反応する化合物をしみこ ませた材質の条片を含む。反応は、例えば、色の変化が液体中で化合物の濃度に よって表現されるもので、しみこませた条片の色の変化を引き起こさせるような ものでもよい。そのような条片の例として、ｐＨ条片(pH strips)、妊娠検査条 片(pregnancy test strips)、イムノアフィニティー試験条片(immunoassay test strips)、抗原、抗体、ポリヌクレオチド試験条片(antigen， antibody and polynucleotide test strips)、そして、分析用の試験条片(test strips of analytes)、例えば、薬品(drug)、代謝物質(metabolites)、農薬(pes ticides)、汚染物質(pollutants)その他である。試験条片の上記の種類は単なる 例であり、その他に適用できる試験条片であれば、試験条片保持具１、１’また は１”の中でどのようなものでも使用してもよい。適用できる試験条片の例の詳 細な議論は、米国特許第４，８５７，４５３号により見られ、この全体の内容物 は参照することにより組み合わせられている。 図８Ａ〜８Ｃは、容器Ｃ内の液体Ｌの中に試験条片保持具１’を浸漬させる様 子を表したものである。最初に試験条片保持具１’を液体Ｌに接触させると、液 体Ｌは、細長い中空部材２０の開口端部２９へ入る。細長い中空部材２０の中の 空気は、通気通路Ｂに示されているように、上の方へ押しのけられ細長い中空部 材２０の内部から孔４２を通って出ていく。さらに液体Lに試験条片保持具１が ふれると、液体Ｌは、細長い中空部材２０の中を上昇する。細長い中空部材２０ が液体Ｌに高さＬ１まで浸され孔４２を覆うと、通気通路Ｂはもはや大気から遮 断される。従って、残された部分の細長い中空部材２０内の圧力が増す。これに より、液体Ｌがさらに細長い中空部材２０へ入ることが妨げられる。 試験条片９は、液体と直接接触するあらかじめ決められ示された区域のみ、液 体Ｌと接触する。細長い中空部材２０の側壁にある孔４２の位置は、液体が実際 に細長い中空部材２０へ入ることができる最大の高さを決める。実際の試験条片 試験区域Ｚ１，Ｚ２は、好ましくは、液体と直接接触せず、試験条片上の液体の 毛管作用のみによって濡れる。試験条片９は、試験条片受溝２６の中に置かれ、 また、試験条片９は、切り欠き試験条片保持部２７と底支持体３０によって、細 長い中空部材２０の壁からスペースをあけて置かれている。試験条片９と接触し ている液体Ｌの毛管作用によって、液体は、試験条片９の試験区域Ｚ１，Ｚ２と 接触することができる。液体Ｌは、試験条片９の下部にだけ直接接触している。 なぜなら、孔４２によって、細長い中空部材２０へ入れることが可能な液体Ｌの 範囲が制限されている。液体Lは、試験区域Ｚ１，Ｚ２を直接濡らさない。従っ て、液体Ｌによって試験区域Ｚ１，Ｚ２が直接濡れる ことの原因で生じる、誤った、信頼性の低い結果を避けることができる。 細長い中空部材２または２０にある孔１０または４２は、少なくとも１つの穴 として示されているが、孔１０または４２はメッシュ(mesh)（図示省略）をもっ て構成してもよいであろう。メッシュは、１つまたはすべての孔１０または４２ を覆ってもよい。もしくは、メッシュが、細長い中空部材２または２０の下部全 体を構成してもよい。その際、メッシュの上端によって、液体Ｌが細長い中空部 材２または２０へ入る範囲が決められる。 図９と１０には、第３の実施例の試験条片保持具が示されている。試験条片保 持具１”は、第２の実施例と構造において同様であり、同様な要素は、同様な前 もって知られた参照符号で示めす。 試験条片保持具１”は、試験条片を置く試験条片受部２１”と試験条片カバー 部２２”とで形成されている細長い中空部材２０”を含んでいる。第２実施例と 違う箇所は、試験条片受部２１”と試験条片カバー部２２”とがヒンジで接続さ れておらず、また、細長い中空部材２０”を形成するために合わせる前は、２つ の部材は分離した構成物となっている点である。 図９および１０の実施例において、試験条片受部２１”は、試験条片受溝２６ ”から離れた位置にある平滑面２１Ａを有する。試験条片カバー部２２”は、平 滑面２１Ａと形と大きさとで互いに補えるように形成される結合平滑面２２Ａを 有する。試験条片カバー部２２”が試験条片受部２１”に重ね合わせられると、 平滑面２１Ａ、２２Ａは一緒に結合される。これらの表面は、その後、結合に関 する適当な方法、例えば、超音波圧着、高周波圧着、プラズマ溶接、粘着などに よる接合によって、気密に(sealingly)一緒に結合させることができる。 孔を含む試験条片保持具の全体の設計によって、試験条片に与えられるべき特 定の体積の液体のみが測定され、許容される。この体積とは、パッドや膜が飽和 されたのち、試験条片自体の中の最後の液体の体積(final volume of liquid)で ある。この体積は、試験条片の構成物のウィキング容量(wicking capacity)を変 化させることにより調節できる。 本発明は特定の実施例と共に記述されたが、多くの代替、修正、変更は、当 業者たちにとって明らかであろう。従って、ここではっきり示されている本発明 の好ましい実施例は、例示にすぎず、次のクレームで定義されている発明の真意 と範囲から離れることなしに様々の変更をすることができる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年６月１９日 【補正内容】 ・・・所定の時間で所定の深さに支え・・・。もし試験条片およびハウジングが 、その深さを越えて、および／または、所定を越えもしくはそれに満たない時間 挿入されていると、その試験の結果は不正確で信頼性の低いものになる可能性が ある。 また、液体がちようど所定の高さまで試験条片に接触することを確実にするよ うな構造を持たない試験条片保持装置は知られている。この場合、たとえハウジ ングに挿入すべき深さを示したマークが設けられていたとしても、試験者は、所 定時間、試験条片保持具を手で液体中に保持しなければならないことになる。さ らに、液体や液体が入れられている容器の透明度によっては、適切な位置に付け られたマークを持つ試験条片保持具を液体の表面に正確に合わせることは困難で ある。 また、保持具の内壁から確実に間隔をあけて配置する構造を持たない試験条片 保持具は知られている。この場合、液体が試験条片上を上方に移動するだけとい うよりはむしろ、液体は、毛管作用によって試験条片保持具の側壁上を上方に移 動し試験条片と接触するのが早すぎることになるかもしれない。特に、もし試験 条片が引き続いて液体と接触すべき複数の試験条片区域を備えている場合、試験 条片と液体との接触が早すぎると不完全で信頼性の低い試験結果を引き起こす可 能性がある。また、直接的に、そして、必要以上に長い時間、条片に液体を接触 させると、信頼性のない試験結果を引き起こす可能性がある。 スティソによる米国特許第４，９９９，２８５号は、クロマトグラフ装置に関 するものである。この装置には、ハウジングと、取り出すことができないように このハウジング内に閉じこめられた吸湿性(bibulous)材料の条片とが結合されて 設けられている。この条片の長さと幅は、ハウジングの内壁の長さと幅 と比べてほんのわずかだけ小さい。ハウジングの内壁には、ハウジングの中に条 片を支持するように閉じこめるための手段が備え付けられている。条片が閉じこ められていることにより、（１）条片の前面と背面が、本質的にハウジングの壁 と接触するおそれがなく、（２）試験条片の毛管作用は、本質的には変化しない ままであり、（３）この条片は紙であり、液体の媒質と試験条片とが接触すると 条片が膨張してしまう。ハウジングの下端には、条片の一部を液体の媒質に接触 させることができる手段が設けられている。このハウジングは、さらに、条片を 視覚的に観察するための手段を備え、また、クロマトグラフ試験の結果を決定す ることを助けるための協働する指示手段を備えることも可能である。 ＷＯ９４／０２８５０は、試験サンプルの中にある分析物(analytes)の検出も しくは測定をするための試験装置に関する。この試験装置は、分析試験材料(ass ay test material)が入った透明で不透水性で堅く、かつ、中空なハウジングを 備えている。この装置は、ハウジングと分析材料の両方に光が通るように作られ ている。光学的な変化、または試験サンプルの中に含まれている分析物の量に基 づく変化を生じるこの装置を使用することにより、様々な分析に関する処理がで き、その結果、その変化は、視覚的にまたは光学機器によって検出される。 ペイテルによる米国特許第５，１３５，８７３号は、動作前に毛管流動を行わ ない関係にある２つあるいはそれ以上の数片の吸湿材料の間で毛管流動(capilla ry flow)を可能にする方法と装置に関するものである。特に、吸湿材料で液体に より膨張可能な部分を活用することによって、装置が作動し、毛管流動を行わな い関係にある２つあるいはそれ以上の片の吸湿材料間に毛管流動が起こる。 チェンらによる米国特許第５，３８４，２６４号には、一つの工程で、分析評 価を行うための方法と装置が示されている。その工程には、使用者は、洗浄する 工程を必要とせず、その装置に分析サンプル(analyte sample)である流動体以外 のどんな試薬またはその他の溶液を加えることを必要とせず、そして、特定のリ ガンド(ligand)の含有が疑わしい流動体が装置に加えられた後、分析 が行われている間、装置のどの部分にも触れる必要がない。分析評価を行うため の装置は、少なくとも３つのポート(port)を有する一つの容器から成り、その３ つのポートは、装置の本体に異なった平面を介して備えられており、その装置の 下に、表示の付けられたアンチリガンド(labelled antiligand)（第１のポート ）、表示のないアンチリガンド(unlabelled antiligand)（第２のポート）、お よび、表示のないリガンド(unlabelled ligand)（第３のポート）が備えられて いる。前記表示の付けられたアンチリガンドは、対象分析物とこの表示のないリ ガンドの両方を互いに補い合い、この表示されていないリガンドは、第２のポー トを通して見える表示により、どんな色の変化にも比較可能なコントールディス プレーとしての役目をはたす。それぞれのポートの下に配置されたこのアンチリ ガンドおよびリガンドは、別々の膜へ結合されている。少なくとも第１の膜は、 吸湿性であり、傾斜(ramp)の一端に配置されており、その傾斜の上部で、第１の 膜は第２の膜と重なり合う。従って、試料の流れが遅くなり、分析評価の実施が 改善される。 リー・オウンらによる米国特許第５，５００，３７５号には、試料の中にある 分析物の有無を検出するための一体化したパッケージホルダー(package-holder) 分析評価装置が示されている。この装置は、イムノクロマトグラフ分析(immunoc hromatographic assay)を保持しおよび保護するという２つの役目を果たしてい る。この装置は、イムノクロマトグラフ分析のどのような形式についても適合で きる。この分析評価は、実験室または野外(field setting)で使用されるための 単一装置の中で実行される。特定の例として、この分析装置は、透明な粘着テー プと堅いプラスティック条片との間にシールされたイムノクロマトグラフ分析の ために構成されたナイロン膜である。このプラスチック条片を覆って配置されて いる白色のテープは、分析結果を観測するための窓として機能する。 ＥＰ０５６０４１１は、乾燥した多孔性のキャリヤを含むプラスティックなど の湿気を通さない固体材料で組み立てられた中空のケースを備えた分析用試験装 置に関する。この乾燥した多孔性のキャリヤは、吸湿性サンプル受け部材を経て 、間接的に、ケースの外へ通じている。この吸湿性サンプル受け部材は、 液体の試験サンプルがサンプル受け部材に適用されることができ、その試験サン プルがその受け部材から多孔性のキャリヤヘ浸透できるように、ケースから突出 している。このキャリヤには、第１の区域内に、湿気のある状態の時に多孔性の キャリヤ内を自由に移動することが可能な表示のある特定の結合試薬(labelled specific binding reagent)を含み、空間的に第１の区域と異なる第２の区域内 に、同一の分析物のための表示のない特定の結合試薬を含み、この表示のない試 薬は、キャリヤ材料上に永久的に束縛されているため、湿気のある状態で移動し ない。この２つの区域は、多孔性のキャリヤに加えられた液体サンプルが第１の 区域を経て第２の区域へと浸透できるように配置されている。この装置は、ケー スの隙間など、第２の区域内で表示された試薬が結合した範囲の有無を観察でき る手段を備えている。 ムアーマンらによる米国特許第５，３５６，７８２号には、分折評価の実施に 有益な装置が示されている。この装置には、サンプル内の分析物の有無、または 、量を決定するためのサイト(site)は勿論のこと、ポジティブおよびネガティブ な制御(a positive and negative control)を備えている。この装置は、吸収材 料と流体の流れの方向に複数の区域を備えている。前記吸収材料の第１のネガテ ィブな制御区域は、対象としている前記分析物と結合しない束縛された反応物を 含んでいる。前記吸収材料の第２の分析制御区域(analytic control zone)は、 対象としている前記分析物と特に結合する束縛された反応物を含んでいる。前記 吸収材料の第３のポジティブな制御区域は、対象としている前記分析物と特に結 合する束縛された反応物と、対象としている前記分析物の一部が溶解可能な状態 で含んでいる。分析物の前記一部は、液体サンプルと接触し、前記第３の区域の 束縛された反応物と反応するとき、溶解する。 発明の概要 本発明は、信頼性の高い試験条片保持具とこの試験条片保持具の使用方法を提 供するものである。この試験条片保持具は、試験されるべき液体の中にどんな深 さにでも挿入することを可能にし、そして、液体との直接的な接触なしに 試験条片の試験区域と共に液体中で留めておくことを可能にする。試験者は、連 続的に試験条片の挿入の深さを監視する必要がない。試験条片保持具はその試験 条片保持具の側面から隙間をあけて試験条片が置かれることを維持し、液体は試 験条片の内の毛管作用のみによって、試験条片上を上方へ流れる・・・ 試験条片区域Ｚ１，Ｚ２は、ある物質の存在を決定する。試験条片区域の数は ２つに限らず、いくつ備えてもよい。さらに、どのような試験条片９でも、試験 条片保持具１、１’または１”と共に使用してもよい。試験条片９の種類は、試 験によって見つけだしたい特定の化合物によって必要に応じ、変えることができ る。 適用できる試験条片９は、通常液体中で他の化合物と反応する化合物をしみこ ませた材質の条片を含む。反応は、例えば、色の変化が液体中で化合物の濃度に よって表現されるもので、しみこませた条片の色の変化を引き起こさせるような ものでもよい。そのような条片の例として、ｐＨ条片(pH strips)、妊娠検査条 片(pregnancy test strips)、イムノアフィニティー試験条片(immunoassay test strips)、抗原、抗体、ポリヌクレオチド試験条片(antigen，antibody and pol ynucleotide test strips)、そして、分析用の試験条片(test strips of analyt es)、例えば、薬品(drug)、代謝物質(metabolites)、農薬(pesticides)、汚染物 質(pollutants)その他である。試験条片の上記の種類は単なる例であり、その他 に適用できる試験条片であれば、試験条片保持具１、１’または１”の中でどの ようなものでも使用してもよい。適用できる試験条片の例の詳細な議論は、米国 特許第４，８５７，４５３号に記述されている。アルマンらによる米国特許第４ ，８５７，４５３号には、分析評価方法を遂行するための装置が示されている。 この装置は、ハウジングと、ある区域内で特定の結合対(binding pair)の要素を 捕獲し、そして毛管作用によって液体を前記区域から運び去るための前記ハウジ ング内に納められた手段と、サンプル内の分析物を決定する分析評価方法を遂行 するための前記ハウジング内に納められた１つまたはそれ以上の含まれている(s elf-contained)液体試薬と、前記ハウジング内に装置内にサンプルを挿入するた めの手段とを備えている。好ましくは、この含まれている試薬は、破壊可能な容 器の中に入れられた液体試薬で ある。この発明の装置は、分析物の含有が疑わしいサンプルの中に分析物を決定 するための分析評価方法に使われる。 図８Ａ〜８Ｃは、容器Ｃ内の液体Ｌの中に試験条片保持具１’を浸漬させる様 子を表したものである。最初に試験条片保持具１’を液体Ｌに接触させると、液 体Ｌは、細長い中空部材２０の開口端部２９へ入る。細長い中空部材２０の中の 空気は、通気通路Ｂに示されているように、上の方へ押しのけられ細長い中空部 材２０の内部から孔４２を通って出ていく。さらに液体Ｌに試験条片保持具１が ふれると、液体Ｌは、細長い中空部材２０の中を上昇する。細長い中空部材２０ が液体Ｌに高さＬ１まで浸され孔４２を覆うと、通気通路Ｂはもはや大気から遮 断される。従って、残された部分の細長い中空部材２０内の圧力が増す。これに より、液体Lがさらに細長い中空部材２０へ入ることが妨げられる。 ・・・試験条片カバー部２２”・・・。第２実施例と違う箇所は、試験条片受 部２１”と試験条片カバー部２２”とがヒンジで接続されておらず、また、細長 い中空部材２０”を形成するために合わせる前は、２つの部材は分離した構成物 となっている点である。 図９および１０の実施例において、試験条片受部２１”は、試験条片受溝２６ ”から離れた位置にある平滑面２１Ａを有する。試験条片カバー部２２”は、平 滑面２１Ａと形と大きさとで互いに補えるように形成される結合平滑面２２Ａを 有する。試験条片カバー部２２”が試験条片受部２１”に重ね合わせられると、 平滑面２１Ａ、２２Ａは一緒に結合される。これらの表面は、その後、結合に関 する適当な方法、例えば、超音波圧着、高周波圧着、プラズマ溶接、粘着などに よる接合によって、気密に(sealingly)一緒に結合させることができる。 孔を含む試験条片保持具の全体の設計によって、試験条片に与えられるべき特 定の体積の液体のみが測定され、許容される。この体積とは、パッドや膜が飽和 されたのち、試験条片自体の中の最後の液体の体積(final volume of liquid)で ある。この体積は、試験条片の構成物のウィキング容量(wicking capacity)を変 化させることにより調節できる。 特許請求の範囲 １．開口端部と閉じられた端部を持つ細長い中空部材と、 この細長い中空部材の内部でこの細長い中空部材の内壁から間隔をおいて、試 験条片を保持するように形作られた支持体と、 前記開口端部および前記閉じられた端部と間隔をおいて、この開口端部とこの 閉じられた端部との間に設けられた少なくとも１つの孔とを有し、 前記細長い中空部材は前記閉じられた端部から距離をおいた所で前記少なくと も１つの孔によって通気され、この少なくとも１つの孔は、この閉じられた端部 内の空気圧によって、前記開口端部が液体内に浸漬されるときに、毛管現象によ る力以外により前記液体が試験条片を通って前記開口端部から前記閉じられた端 部へ前記細長い中空部材を通して移動する最大の高さを制限することを特徴とす る試験条片保持具。 ２．前記少なくとも１つの孔は複数の孔からなることを特徴とする請求項１記 載の装置。 ３．前記細長い中空部材は円形の断面を有することを特徴とする請求項１記載 の装置。 ４．前記閉じられた端部は前記細長い中空部材の壁により形成されることを特 徴とする請求項１記載の装置。 ５．前記閉じられた端部はシール栓で閉じられることを特徴とする請求項１記 載の装置。 ６．前記開口端部は、前記細長い中空部材の開口端部に挿入される貫通路を有 する栓を含むことを特徴とする請求項１記載の装置。 ７．前記栓は、前記支持体の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求 項６記載の装置。 ８．前記貫通路は、前記細長い中空部材の内壁から間隔をおいて、摩擦によ り前記栓の貫通路内に前記試験条片を支持するために、前記試験条片の幅とほぼ 等しい直径を有することを特徴とする請求項６記載の装置。 ９．さらに、前記支持体に保持された試験条片を含む請求項１記載の装置。 １０．前記細長い中空部材は試験条片受部と試験条片カバー部とを有し、前記 試験条片受部は前記試験条片カバー部に接続可能であることを特徴とする請求項 １記載の装置。 １１．前記細長い中空部材は、平滑面を含んだ試験条片受部と、前記平滑面と 互いに補いあう別の平滑面を含んだ試験条片カバー部とを有し、前記平滑面と前 記別の平滑面とは互いにシールされることを特徴とする請求項１０記載の装置。 １２．前記試験条片カバー部と前記試験条片受部の一方が溝を有し、前記試験 条片カバー部と前記試験条片受部の他方が突起を有するとともに、前記突起が前 記溝へ密封状態にはめ込むことができるように形成されており、前記突起と溝と を一緒にはめ込むことによって前記細長い中空部材が規定されることを特徴とす る請求項１０記載の装置。 １３．前記試験条片受部は前記試験条片を受けるために形成された試験条片溝 を有し、前記支持体はこの試験条片溝の中に配置されていることを特徴とする請 求項１０記載の装置。 １４．さらに、前記試験条片溝内の開口端部の近くに、前記試験条片を保持す ることが可能なストッパを有する請求項１３記載の装置。 １５．前記試験条片溝は、試験条片の移動を束縛する立上げられた側部によっ て囲まれた中央が平坦な支持面を含むことを特徴とする請求項１３記載の装置。 １６．前記少なくとも１つの孔は前記試験条片カバー部に形成されることを特 徴とする請求項１０記載の装置。 １７．試験条片保持具内の試験条片を用いて液体を試験する方法において、 開口端部と、閉じられた端部と、前記開口端部と前記閉じられた端部の間にそ れぞれの端部から間隔をおいて側壁に設けられた少なくとも１つの孔を有するこ の側壁とを備えた細長い中空部材の中に、その細長い中空部材の内壁から 間隔をおいて試験条片を支持する工程と、 試験される液体の中に少なくとも前記穴の深さまで前記細長い中空部材を浸漬 し、前記細長い中空部材は前記閉じられた端部から距離をおいた所で前記少なく とも１つの孔によって通気され、この少なくとも１つの孔は、閉じられた端部内 の空気圧によって、前記開口端部が前記液体内に浸漬されるときに、毛管現象に よる力以外により前記液体が前記試験条片を通って前記開口端部から前記閉じら れた端部へ前記細長い中空部材を通して移動する最大の高さを制限することを特 徴とする工程と、 前記孔の上方の試験条片上の液体の効果を観察する工程とを有する方法。 １８．前記試験条片を支持する工程は、前記細長い中空部材の液体が入る部分 で、前記試験条片を摩擦的に支持することによりなされることを特徴とする請求 項１７記載の方法。 １９．前記試験条片を支持する工程は、複数の場所で試験条片を支持すること によりなされることを特徴とする請求項１７記載の方法。 ２０．液体は、前記試験条片内の毛管作用のみによって、試験条片上を上って いくことを特徴とする請求項１７記載の方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フレドリクソン・ロバート・エイ カナダ、プリンス・エドワード・アイラン ド シー０エイ １エイチ０、コーンウオ ール、アールアール＃２

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．開口端部と閉じられた端部を持つ細長い中空部材と、 この細長い中空部材の内部でこの細長い中空部材の内壁から間隔をおいて、試 験条片を保持するように形作られた支持体と、 前記開口端部と閉じられた端部との間に設けられた少なくとも１つの孔と を有する試験条片保持装置。 ２．前記少なくとも１つの孔は複数の孔からなる請求項１記載の装置。 ３．前記細長い中空部材は円形の断面を有する請求項１記載の装置。 ４．閉じられた端部は前記細長い中空部材の壁により形成される請求項１記載 の装置。 ５．閉じられた端部はシール栓で閉じられる請求項１記載の装置。 ６．開口端部は、前記細長い中空部材の開口端部に挿入される貫通路を有する 栓を含む請求項１記載の装置。 ７．前記栓は、前記支持体の少なくとも一部を形成する請求項６記載の装置。 ８．前記貫通路は、前記細長い中空部材の内壁から間隔をおいて、摩擦により 前記栓の貫通路内に前記試験条片を支持するために、前記試験条片の幅とほぼ等 しい直径を有する請求項６記載の装置。 ９．さらに、前記支持体に保持された試験条片を含む請求項１記載の装置。 １０．前記細長い中空部材は試験条片受部に試験条片カバー部とを含み、前記 試験条片受部は前記試験条片カバー部と接続可能である請求項１記載の装置。 １１．前記細長い中空部材は、平滑面を含んだ試験条片受部と、前記平滑面と 互いに補いあう別の平滑面を含んだ試験条片カバー部とを有し、前記平滑面と前 記別の平滑面とは互いにシールされる請求項１０記載の装置。 １２．前記試験条片カバー部と前記試験条片受部の一方が溝を有し、前記試験 条片カバー部と前記試験条片受取部の他方が突起を有するとともに、前記突起が 前記溝へ密封状態にはめ込むことができるように形成されており、前記突起と溝 とを一緒にはめ込むことによって前記細長い中空部材が形成される請求項１０記 載の装置。 １３．前記試験条片受部は前記試験条片を受けるために形成された試験条片 溝を有し、前記支持体はこの試験条片溝の中に配置されている請求項１０記載の 装置。 １４．さらに、前記試験条片溝内の開口端部の近くに、前記試験条片を保持す ることが可能なストッパを有する請求項１３記載の装置。 １５．前記試験条片溝は、試験条片の移動を束縛する立ち上げられた側部によ って囲まれた中央が平坦な支持面を含む請求項１３記載の装置。 １６．前記少なくとも１つの孔は前記試験条片カバー部に形成される請求項１ ０記載の装置。 １７．試験条片保持具内の試験条片を用いて液体を試験する方法において、 開口端部と、閉じられた端部と、側壁に孔を有するその側壁とを有する細長い 中空部材の中に、その細長い中空部材の内壁から間隔をおいて試験条片を支持す る工程と、 試験される液体の中に少なくとも前記孔の深さまで前記細長い中空部材を浸漬 し、それによって、前記中空部材に前記孔の高さまでしか液体を入れさせない工 程と、 前記孔の上方の試験条片上の液体の効果を観察する工程を含む方法。 １８．前記試験条片を支持する工程は、前記細長い中空部材の液体が入る部分 で、前記試験条片を摩擦的に支持する請求項１７記載の方法。 １９．前記試験条片を支持する工程は、複数の場所で試験条片を支持する請求 項１７記載の方法。 ２０．液体が、前記試験条片内の毛管作用のみによって、試験条片の上方へ上 っていく請求項１７記載の方法。 ２１．試験条片保持装置において、 開口端部と閉じられた端部とを備えた試験条片を受けるための手段の内部でそ の受けるための手段の内壁から間隔をおいて試験条片を支持するための手段と、 前記受けるための手段の前記開口端部が液体に浸されるときに、前記開口端部 と前記閉じられた端部との間に前記受けるための手段を通気するための手段と、 前記試験条片上の液体の効果を観察するための手段とを有する試験条片保持装 置。 ２２．前記観察するための手段は、前記受けるための手段に窓を備える請求項 ２１記載の装置。 ２３．さらに試験条片が前記支持するための手段によって支持される請求項２ １記載の装置。 ２４．液体を試験するための方法において、 開口端部と閉じられた端部を備えた試験条片を受けるための手段の内部に、そ の受けるための手段の内壁から間隔をおいて試験条片を支持する工程と、 前記受けるための手段の開口端部が液体に浸漬されるときに、前記開口端部と 閉じられた端部との間で前記受けるための手段を通気する工程と、 前記試験条片上の液体の効果を観察する工程を含む方法。