JPH11504256A - 中空要素の洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 套管を有する医療用器械等の中空要素（６）を洗浄する洗浄方法及び洗浄装置が開示されており、洗浄流体が脈動フローとなって中空要素内に通過させられている一方で、超音波が前記洗浄流体に対して同時に印加させられていることで構成されている。超音波は、洗浄流体が実質上静止状態にある際に、あらゆる残骸等を弛め、次いで流体脈動がそうした残骸等を除去する。本洗浄装置は、中空要素を内部に配置させて洗浄流体（３）を収容するタンク（２）を備え、洗浄流体はそのタンクから中空要素内へポンプで送られる。流体脈動の周波数は、好ましくは、ゼロから３００Ｈｚの間の範囲であり、超音波の周波数は、好ましくは、１５ｋＨｚよりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】 中空要素の洗浄方法及び洗浄装置 本発明は、中空要素を洗浄する洗浄方法及び洗浄装置に関する。特に、本発明 は、規格品或いは規格外れであってよい中空管状要素を有する医療用器械若しく は外科用器械の洗浄に関する。しかしながら、本発明は中空或いは管状のボア又 はキャビティを有する器具或いは装置の洗浄にも使用可能である。例として、ガ ス或いは作動油等の流体を搬送すべく使用される、パイプ、ボア（又は孔）、或 いはバルブ・ブロックである。 医療分野において用いられている套管（カニューレ）等の多くの器械は、例え ば、外科用器具、流体、或いはカテーテルが通過し得る内部通路を有する。これ らの一例としての外科用器械は、腹腔鏡器械等の身体の内側部分にアクセスすべ く使用され、一方端にハサミ手段の握り部を具備する長い管状位置決め／把持ス リーブであり、その一方端が該スリーブの他方端におけるカッター或いはグリッ プ等の外科用器具と該スリーブ内を通じて連結されていることから構成されてい るスリーブを備えることができる。 上記した套管状器械は、使い捨てであろうがなかろうがいずれでもよく、本発 明はいずれのタイプでも洗浄できるように設計されている。非使い捨てタイプの 器械や、多くの場合においては使い捨て器械でさえ、たった一度の使用後に廃棄 するにはあまりにも高価であることがしばしばある。よって、これらの器械の内 面及び外面の全てを徹底的に洗浄し、消毒又は殺菌して、他の患者に伝染或いは 感染が為される危険性を防止することが重要である。非常に頻繁に、体液、組織 、或いは、骨の断片すらこうした器械の套管内に留まり得るが、これらはその器 械の再使用の前に完全に除去されなければならない。 従来、こうした套管は、あらゆる残骸又は残留物を取り除くべく又は取り外す べく、その通路内に沿ってブラシを通して手によって洗浄されてきた。それから 加圧流体を套管に通過させて、それで弛められた残骸を洗い出している。明らか にこれは、時間のかかる手動操作であり、器械の分解を要求し、全ての残骸が除 去されない可能性が相当にあり、交差感染の危険性を増大する。また、幾つかの 器械の構造によっては、手で套管を洗浄することが常に可能であるとは限らない 。 套管状器械を洗浄する他の方法は、超音波を用いることである。洗浄流体の浴 中に器械が配置されて、套管内にはその流体がポンプで送られもする。次いで、 超音波変換器が用いられて器械外側の流体を励起し、その励起が該器械を介して 套管内の流体に伝搬する。超音波は流体中にキャビテーション(cavitation)とし て知られる効果、その流体中に、高周期数で、ちっちゃな高圧バブル（又は高圧 気泡）が形成されてはつぶされる（気泡破壊）ような効果をもたらす。これらの 高圧バブルの膨張及び圧潰の効果は、器械表面上でこすり洗い作用を生成する圧 力波をもたらし、それによって、器械の内側及び外側の双方におけるあらゆる残 骸を取り除き、全表面が洗浄される。次いで、器械はその洗浄流体から取り出さ れて殺菌（又は消毒）されるが、後者に関しては器械をオートクレーブ内に配置 して行うことが可能である。 しかしながら、キャビティ（又は腔）内の洗浄流体に対する超音波の印加は、 キャビテーション（作用）によって残骸がひとたび取り除かれたとしても残骸は 套管内に依然として残存するため、特別に効率的なプロセスを提供するものでは ない。従って、残骸或いは残留物は、殺菌段階後においても套管内に存在し得る 。オートクレーブが用いられて器械を殺菌する場合には、これら残骸又は残留物 が器械の表面上に対する「焼き付け」裏当てとなることすらあり得る。これらは 、次の患者への感染の危険性を増大する。 この問題を克服すべく、本発明者は洗浄流体が洗浄されるべき器械の套管を通 るように連続的にポンプで送り出される一方で、超音波がその流体に印加される ようなシステムを開発した。この方法において、器械は分解される必要性がなく 、それは、流体が特別に設けられた開口部を介して套管内にポンプで送られるか らである。洗浄流体の連続移動するストリーム（流れ）を提供することによって 、超音波の励起で除去される残骸はその洗浄流体ストリーム中に洗い出されて、 依然除去されずにある残骸がより容易に除去されるように超音波励起に晒される ようにしている。よって、残骸或いは残留物が、殺菌後に、套管内に残存する可 能性はより少ない。 しかしながら、洗浄流体が套管内を連続的に移動しているので、キャビテーシ ョン効果は減ぜられることになり、その第１の理由としては、高圧バブルが上記 移動ストリームにおいて容易に形成され得ないからであり、第２の理由としては 、超音波パワーの套管内における移動流体への転送が効率的のままではないから である。それ故、残骸が器械表面から除去される速度が、キャビテーション効果 がより大きい静止状態洗浄流体を利用した方法と比較して増大されている。 本出願人は、それ故、より効率的な洗浄効果を提供する、排他的ではないが特 に医療用器械の套管を洗浄するシステムの必要性を認識した。 第１の局面から見た場合、本発明は中空要素を洗浄する洗浄方法であって、中 空要素に洗浄流体の脈動フロー又は脈動流れを通過させると同時に、その洗浄流 体に対して超音波を印加することを含む洗浄方法を提供することである。 第２の局面から見た場合、本発明は中空要素を洗浄する洗浄装置であって、中 空要素内に通過させられる洗浄流体の脈動フローを提供する手段と、その洗浄流 体に対して超音波を提供する手段とを備える、洗浄装置を提供することである。 中空要素内部に洗浄流体の脈動フローを提供することによって、洗浄流体は次 のパルス又は脈動によって移動させられる前に、しばらくの間又は一時的に、実 質的に静止状態にある。この静止時間中、超音波はより効果的に洗浄流体中を透 過することができ、キャビテーション及び改善された洗浄作用をもたらす。次い で、洗浄流体はパルス作用に従って押圧され、これによって、洗浄流体が実質的 に静止状態である一方で超音波によって弛められた残骸を除去する。本出願人は 、この方法によって、頑固な残骸及び残留物、そして骨の小片すら効率的に除去 し得ることを見出した。 好ましくは、洗浄流体は線形又はピストン・ポンプによって脈動させられる。 従って、これが、何らかの他のタイプのポンプによって提供される一定圧力に反 する、必要とされる交番的な流体の静止ポケット及び移動ポケットを提供するこ とになる。洗浄流体は、複数弁の使用や供給圧縮等々の他の方法によっても脈動 させることができる。 流体の脈動の周波数は特定の適用例に応じて変えることができる。しかしなが ら、多くの適用例において、０から３００Ｈｚの間の範囲内での周波数が良好な 洗浄効果を提供するものと企図されている。 超音波の周波数は、好ましくは、約１５ｋＨｚ以上である。好適実施例におい て、超音波周波数は約３０ｋＨｚ以上であり、理想的には３０から３６ｋＨｚの 間の範囲である。 洗浄流体は単に水であってもよいが、好ましくは、洗浄剤及び／或いは殺菌（ 又は消毒）剤を含有するものである。 本発明の好適実施例において、洗浄されるべき中空要素は洗浄流体のタンク内 に配置され、洗浄流体が中空要素を通るように脈動させられる。次いで、超音波 が、好ましくはタンク内の洗浄流体に対して印加又は付与され、その励起が器械 を介して中空要素内部の洗浄流体に伝搬する。超音波は、好ましくは、タンク縁 部に隣接して配置させることができる１つ以上の変換器によって、より好ましく はタンクの外側部に配置させた１つ以上の変換器によって、洗浄流体に対して印 加又は付与される。これら変換器には、好ましくは、周波数発生器からの超音波 周波数信号が提供されている。 タンクが採用された場合、中空要素を通るように脈動させられる洗浄流体は、 好ましくは、該中空要素を取り巻くタンク内の洗浄流体と同一である。中空要素 回りのタンク内における洗浄流体は、好ましくは、脈動フローを提供する手段に 供給され、このようにして、洗浄流体はタンクから脈動フローを提供する手段へ 、そしてタンクに戻される前に中空要素を通るように「循環」させられる。それ 故に好ましくは、本装置は、洗浄流体を収容するためのタンクと、タンク内の洗 浄流体を脈動フローを提供する手段に対して供給する手段と、脈動フローを提供 する前記手段からの洗浄流体を中空要素に供給する手段とを更に備える。この後 者の洗浄流体を提供する手段は、好ましくはフレキシブル・パイプである。 以下、本発明の実施例を、例示的な目的のみで且つ、本発明が採用されている 洗浄装置の機能ブロック図を示す添付の図１を参照して説明する。 符号１で概略的に示された洗浄装置は、洗浄流体３を収容するタンク２を備え る。複数の超音波変換器４がこのタンク２に隣接した状態で設けられて、洗浄流 体３に対して超音波励起を供給する。超音波変換器４には、周波数発生器５から の超音波周波数が提供される。 洗浄されるべき中空要素又は套管６は洗浄流体３中に配置されている。この套 管は腔又はキャビティ７を有する。任意で、バスケット（不図示）をタンク２内 に設けることができ、その中に洗浄されるべき中空要素を配置してもよく、それ によって、中空要素はタンクの底部或いは側部に接触することなく、中空要素の 外面の内のできる限り大量の面が洗浄流体に晒されることとなる。 キャビティ７に対して洗浄流体の脈動フローを提供するために、ポンプ８が設 けられ、パイプ９を介してタンクから洗浄流体が供給されている。ポンプは、パ イプ１０と、中空要素が連結されたフレキシブル管１１とを介してキャビティ７ に脈動させられた洗浄流体を供給する。 中空要素６を洗浄するためには、先ずこの中空要素が空のタンク２内に配置さ れ、フレキシブル管１１によってポンプ８に連結される。次いでタンクには洗浄 流体３が充填され、ポンプがスイッチ・オンされて、所定周波数の脈動流体フロ ーを、矢印１２に示す如く、中空要素内を通るように提供する。この流体フロー がひとたび確立されたならば、超音波周波数発生器５がスイッチ・オンされ、超 音波がタンク及び洗浄流体に対して供給され、それによって洗浄プロセスが開始 させられる。洗浄プロセスを完結させるべく充分な時間が経過したならば、タン クは排液され、中空要素は取り出されて乾燥させられる。 同時に２つ以上の中空要素を洗浄することも勿論可能であり、その場合、２つ 以上のフレキシブル管１１が設けることができて、これらをそれぞれの中空要素 に連結すると共に、同一ポンプに連結させたり、或いは所望に応じて追加ポンプ に連結させることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，Ｓ Ｄ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 中空要素を洗浄する洗浄装置であって、前記中空要素を通過させられ る洗浄流体の脈動フローを提供する手段と、同時に、前記洗浄流体に超音波を提 供する手段とを備える洗浄装置。 ２． 前記洗浄流体の脈動周波数が、ゼロから３００Ｈｚの間の範囲である 、請求項１に記載の洗浄装置。 ３． 前記超音波の周波数が、約１５ｋＨｚよりも大きい、請求項１或いは ２の内の何れか一項に記載の洗浄装置。 ４． 前記超音波周波数が、約３０ｋＨｚよりも大きい、請求項１或いは２ の内の何れか一項に記載の洗浄装置。 ５． 前記超音波周波数が、３０から３６ｋＨｚの間の範囲である、請求項 １或いは２の内の何れか一項に記載の洗浄装置。 ６． 前記洗浄流体が、線形又はピストン・ポンプによって脈動させられて いる、請求項１乃至５の内の何れか一項に記載の洗浄装置。 ７． 前記洗浄流体を収容するタンクを更に備える、請求項１乃至６の内の 何れか一項に記載の洗浄装置。 ８． 前記タンク内の前記洗浄流体を前記脈動フロー提供手段へ供給する手 段と、該脈動フロー提供手段から前記中空要素へ前記洗浄流体を供給する手段と を更に備える、請求項７に記載の洗浄装置。 ９． 前記洗浄流体に対して、１つ或いはそれ以上の変換器によって超音波 が印加される、請求項７或いは８の内の何れか一項に記載の洗浄装置。 １０． 前記変換器が、前記タンクの縁部に隣接して配置されている、請求項 ９に記載の洗浄装置。 １１． 前記変換器が、前記タンクの外側に配置されている、請求項９に記載 の洗浄装置。 １２． 前記変換器が、周波数発生器からの超音波周波数信号の提供を受けて いる、請求項９乃至１１の内の何れか一項に記載の洗浄装置。 １３． 前記洗浄流体が、洗浄剤及び／或いは殺菌剤を含有している、請求項 １乃至１２の内の何れか一項に記載の洗浄装置。 １４． 前記中空要素が医療用器械である、請求項１乃至１３の内の何れか一 項に記載の洗浄装置。 １５． 前記中空要素が套管である、請求項１乃至１４の内の何れか一項に記 載の洗浄装置。 １６． 中空要素を洗浄する洗浄方法であって、洗浄流体の脈動フローを前記 中空要素中に通過させるステップと、同時に、前記洗浄流体に対して超音波を印 加するステップとの諸ステップを含む洗浄方法。