JPH1150351A - 耐久除電性を有するクリ−ニングクロス - Google Patents

耐久除電性を有するクリ−ニングクロス

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JPH1150351A
JPH1150351A JP9206621A JP20662197A JPH1150351A JP H1150351 A JPH1150351 A JP H1150351A JP 9206621 A JP9206621 A JP 9206621A JP 20662197 A JP20662197 A JP 20662197A JP H1150351 A JPH1150351 A JP H1150351A
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JP
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fiber
fibers
fabric
cloth
wiping
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JP9206621A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
Mitsutake Ariga
三剛 有賀
Yoshinuki Maeda
佳貫 前田
Masao Kawamoto
正夫 河本
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塵や埃が付着していないことが高度に要求さ
れる分野に使用可能なクリ−ニングクロスを提供する。 【解決手段】 偏平断面の極細繊維からなる布帛に白色
導電性繊維を混入してなり、小片テスト法による帯電電
荷密度が7.0μC/m2 以下であることを特徴とする
クリ−ニングクロス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は除塵性に優れた高性
能のクリ−ニングクロスに関し、塵や埃が付着していな
いことが高度に要求される分野に使用可能なクリ−ニン
グクロスに関する。
【0002】
【従来の技術】ワイピングクロスとしてはすでにセルロ
−ス繊維等からなるものが多いが、かかるものは強度、
耐久性の点で劣っており、かかる欠点を改良し、さらに
清掃力を向上させるために繊維表面積を大きくとり、こ
れにより吸着表面を増大させて優れた清掃力を得ること
を目的として極細繊維を使用したワイピングクロスが提
案されている(特公昭59−30419号公報、特公昭
61−58573号公報等)。特公昭59−30419
号公報には親油性ポリマ−と親水性ポリマ−との組み合
わせによって親水性の汚れと親油性の汚れの両方を除去
することが記載されている。しかしながらこのようなポ
リマ−の組み合わせは相溶性が悪く、このようなポリマ
−を複合紡糸して織編物を作成すると紡糸、延伸から製
織までの工程でフィブリル化が生じ易く、安定な加工が
困難であるという問題があった。
【0003】また、特公昭61−58573号公報には
耳ほつれや目乱れの少ない、高密度の織編物を得る方法
として極細繊維からなる織編物に高圧水流を噴射し、該
織編物の糸−糸間および糸内の両方で極細繊維を交絡さ
せれば耳ほつれや目乱れの少ない織編物が得られること
が記載されている。しかしながら、これらいずれも合成
繊維の極細繊維を使用しているため、被清掃物との間に
摩擦による静電気帯電が高いという欠点があった。
【0004】一般に合成繊維は天然繊維に比較し、かか
る静電気帯電が大きいということはよく知られているこ
とであるが、この傾向は繊維の繊度が小さい程、極細繊
維を使用する程被清掃物との間の接触面積が大きくなる
ためより顕著となる問題があった。すなわち、極細繊維
により被清掃物表面の汚れを清拭しても、その際の摩擦
により被清掃物の表面に静電気が発生し、被清掃物の表
面に空気中の微小な塵埃が静電気により付着する現象が
生じるのである。
【0005】近年、発塵や静電気帯電等を嫌う医薬品工
業、電子精密工業等の分野で使用する場合には、従来の
ワイピングクロスでは静電気帯電による塵の付着、放電
による素子破壊といった問題が発生しており、不都合を
来す場合が多かった。一方、上述のように合成繊維は静
電気を生じ易く、衣料として使用した時に衣服が体にま
とわりついて不快な放電音が発生したり、埃が付着し易
い等の問題を引き起こしやすいため、静電気を防止し、
制電性あるいは導電性とすることは従来から研究が進め
られており、数々の方法が提案されている。
【0006】具体的には、帯電防止剤を後処理により繊
維に付与させる方法、帯電防止性の樹脂を繊維表面にコ
−ティングさせる方法、制電剤を繊維中に混在させて筋
状に分散させる方法、芯鞘複合繊維の芯部に制電性、導
電性物質を含有させる方法等が提案されている。かかる
方法を、優れた清掃力を得ることができる極細繊維を主
体とする布帛に適用しようとした場合、摩擦や洗浄等に
より帯電防止剤、コ−ティング樹脂が脱落したり、繊維
がフィブリル化したりと、耐久性のある帯電防止効果を
望むことはできなかった。また、芯鞘複合繊維では繊維
径が大きすぎて十分な清掃力を得ることができず、ワイ
ピングクロスとしての使用は不適であった。
【0007】従来の制電性繊維、導電性繊維は埃や塵を
寄せ付けない防塵性を有しており、逆に塵・埃の吸着は
繊維表面への静電気吸着が主体と考えられることから、
これらの制電性、導電性繊維をワイピングクロスに使用
することが提案されてはいるが、初期の帯電電荷量、所
謂制電性、導電性が低く、その上制電性、導電性の持続
性が短いので洗濯耐久性が非常に悪い問題点を有してい
た。
【0008】初期の導電性を高くする意味では導電性物
質としてカ−ボンブラックを使用することが提案され、
実施されているが、黒であることから、意匠性が求めら
れる分野には敬遠されがちである。ワイピングクロス分
野においても、近年は清掃力のみならず、意匠性をも求
められるようになってきており、優れた清掃力、防塵
性、洗濯耐久性、意匠性等を有するワイピングクロス、
クリ−ニングクロスが要求されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた清掃
力、防塵性、洗濯耐久性、意匠性等を有するワイピング
クロス、クリ−ニングクロスを提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、単繊維繊度が
0.01〜0.8デニ−ルであって、かつ偏平状で20
度以上120度以下の角度を少なくとも2つ有する断面
からなる極細繊維を主体として構成された布帛に、白度
指数が25以上であり、1KV印加時の電気抵抗値が1
×1011Ω/cm・f以下の導電性繊維を含有し、小片
テスト法による帯電電荷密度が7.0μC/m2 以下で
あることを特徴とするクリ−ニングクロスである。
【0011】
【発明の実施形態】本発明のクリ−ニングクロスの構成
要素である極細繊維は従来一般的に用いられている円形
断面あるいは近似の断面に比較して、20度以上120
度以下の角度を少なくとも2つ有する断面であることが
重要である。かかる角度を有する断面にすることにより
従来の円形断面の繊維(糸条)では拭き取りにくかった
微小な汚れを簡単に拭き取ることができる。拭き取り面
に対する該クロスを構成する糸条の角度により拭き取り
性は大きく相違するのである。前記角度外の角度を少な
くとも2つ有する断面形状の繊維は、たとえ偏平断面形
状であっても微小な汚れを拭き取る効果が低下する。好
ましい角度は30度以上、110度以下である。
【0012】とくに上記の角度を有し、断面形状が偏平
断面形状であることが微小な汚れの拭き取り性の点で好
ましい。この偏平断面とは3つまたは4つの角を有し、
偏平率(最長辺/最短辺)が1以上、とくに1.5以上
であることを示す。本発明のクリ−ニングクロスは上述
の角度を有する極細繊維(糸条)で構成されているので
糸条間に適当な空隙が生じ、拭き取られた微小な汚れ成
分が順次該空隙内に押し込められ、極限に至るまで拭き
取られた汚れ部分は再付着することがない。また角度を
有することから腰があり、クリ−ニング作業耐久性をも
有するのである。
【0013】また本発明の極細繊維は単繊維繊度が0.
01〜0.8デニ−ル、好ましくは0.05〜0.5デ
ニ−ルである。極細繊維の単繊維繊度が0.01デニ−
ル未満の場合には繊維強度が弱くなり過ぎて清掃中に繊
維が切断され、かえって切断された繊維が塵となって被
清掃物に付着する問題が生じやすくなる。一方、単繊維
繊度が0.8デニ−ルを越えると十分な清掃力が得られ
にくい。かかる極細繊維を構成するポリマ−としては、
ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、エチレン
−ビニルアルコ−ル系共重合体、これらの共重合体、多
成分の混合体等が好ましい。
【0014】本発明においては、後述するように、水性
汚れおよび油性汚れ両方に対する拭き取り性が良好であ
ることも目的の1つであることから、極細繊維は疎水性
繊維と親水性繊維との混合であることが好ましい。そし
て親水性繊維の布帛(クリ−ニングクロス)中に占める
割合は10〜60重量%、とくに10〜50重量%であ
ることが拭き取り性の点で好ましい。
【0015】そして、かかる単繊維繊度を有する極細繊
維は直接紡糸法により製造することも可能ではあるが、
以下に述べる方法により製造することが好ましい。具体
的には、2種類以上の繊維形成性ポリマ−からなる海島
型複合繊維や分割型複合繊維等から形成される脱海繊
維、分割繊維が好ましい。たとえば、ポリエステルとポ
リアミドとからなる多層貼合わせ型複合繊維を、ポリア
ミドに対し、膨潤性能を有するベンジルアルコ−ルまた
は安息香酸で処理、あるいは熱水で撹拌処理することに
より得られるフィブリル化繊維、該複合繊維をポリエス
テルの加水分解剤であるアルカリ水溶液で処理すること
により得られるフィブリル化繊維、該複合繊維を仮撚捲
縮加工とアルカリ減量加工との併用系で処理することに
より得られるフィブリル化繊維等を挙げることができ
る。上述の複合繊維を構成するポリマ−の組み合わせは
目的に応じて設定し得るが、水性汚れおよび油性汚れ両
方に対する拭き取り性を付与するには、親水性ポリマ−
と親油性ポリマ−との組み合わせ、たとえばポリエステ
ルとポリアミド等の組み合わせ、ポリエステルとエチレ
ン−ビニルアルコ−ル系共重合体との組み合わせが好ま
しい。
【0016】上述の単繊維繊度および断面形状を有する
極細繊維を主体構成要件とする布帛としては不織布や織
編物が包含される。不織布は通常の長繊維または短繊維
からなるウエッブをニ−ドルパンチまたはウオ−タ−パ
ンチによる処理を施したもの、メルトブロ−法により形
成されたもの等を挙げることができ、不織布の製造方法
はとくに限定されるものではない。また織物としては通
常は平織物が適用されるが、朱子織、綾織、梨地織、緯
サテン二重織等、いかなる織組織でも適用できる。編み
物としては経編、丸編いずれの編組織も適用できる。こ
のような布帛は本発明の目的を阻害しない範囲でバイン
ダ−繊維や樹脂を含有していてもよい。さらには表面を
カレンダ−加工したり、ニ−ドルやウオ−タ−ジェトに
よるパンチング処理や起毛処理を施してもさしつかえな
い。上述の極細化はクロスを形成した後に脱海処理や剥
離・分割処理が施されて極細繊維化されてもよい。
【0017】そして、該布帛は上述の極細繊維100%
で形成されていてもよいが、本発明の効果を満足するに
は該クロスを構成する繊維の20重量%以上が上述の極
細繊維であることが好ましい。
【0018】上述の極細繊維を主体としてなる布帛に、
3重量%以下の割合で混入させる導電性繊維は、1KV
印加時の電気抵抗値が1×1011Ω/cm・f以下であ
り、白度指数が25以上の白色導電性繊維であることが
必要である。白色導電性繊維(以下、単に導電性繊維と
称する場合がある)を使用することにより、クロスの意
匠性に幅広い応用が可能である。また上述の値を越える
電気抵抗値を有する繊維をクロスに混入させて、小片テ
スト法による帯電電荷密度7.0μC/m2 以下を満足
するには該導電性繊維の混入量を多量にしなければなら
ず、導電性繊維を多量に混入したクロスは、必然的に上
述の極細繊維の割合が少なくなり、拭き取り性能が劣
り、コスト高となる問題点を有する。
【0019】本発明で使用する白色導電性繊維としては
公知の繊維を使用できる。たとえば、芯鞘型複合繊維で
あって、芯部分に白色または無色の金属酸化物の微粒
子、あるいは該金属酸化物が無機微粒子を核としてその
表面に被覆された状態の粒子を含有させた複合繊維を挙
げることができる。後者の具体例としては、酸化チタン
の表面に酸化アンチモンを含有する酸化錫または酸化亜
鉛をコ−ティングした、平均粒子径が0.01〜0.3
μmの微粒子を挙げることができる。そして芯部分に含
有される金属酸化物、所謂導電性物質は60〜70重量
%の範囲が好ましい。導電性物質の含有量が60重量%
未満の場合には導電繊維として電気抵抗値1×1011Ω
/cm・f以下を満足することができず、一方70重量
%を越えても導電性能の向上効果は認められず、芯部分
の流動性が悪くなり、導電性繊維の紡糸性に問題が生じ
ることになる。
【0020】上述の導電性繊維である芯鞘型複合繊維に
おいて、導電性物質を含有する芯部分を形成するポリマ
−としては、導電性物質の分散性、導電性物質を含むポ
リマ−の流動性、導電性物質とポリマ−の接着性、繊維
としての機械的物性等の点でナイロン6、メタキシレン
ジアミンナイロン等のポリアミドが好ましい。一方鞘部
分を形成するポリマ−としては溶融紡糸可能なポリマ−
であればとくに制限されるものではないが、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−トなどの
ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミ
ド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
を挙げることができるが、なかでも加工耐久性の点でポ
リエステルが好ましい。
【0021】そして、該導電性繊維の複合比率は芯/鞘
=8/92〜22/78の範囲であることが複合繊維の
紡糸性、繊維物性等の点で好ましい。
【0022】該導電性繊維の単繊維繊度はクロスを主と
して構成する極細繊維の単繊維繊度と同じであることが
好ましいが、該極細繊維よりも太繊度でもよい。ただ
し、クロスとしての拭き取り作業性等を考慮して30デ
ニ−ル以下であることが好ましい。
【0023】かかる白色導電性繊維は白色であることが
必須であるが、その白色度を示す1つの目安として本発
明では白度指数を用いる。該白度指数はJIS L 1
013B法に準拠して測定される値であり、後述の方法
により測定算出することができるものである。本発明に
おいてはかかる白度指数が25以上であることが必要で
あり、このような白度指数を有する導電性繊維は、クロ
スに混入されても審美性が劣ることはないのである。
【0024】本発明においては、かかる白色導電性繊維
をクロス中に3.0重量%以下、とくに0.1〜2.0
重量%の範囲で混入させることが防塵性、埃、塵の再付
着防止性の点で好ましい。混入量が3.0重量%を越え
ても、クロスとしての拭き取り性、塵・埃の再付着防止
性の向上効果は認められない。導電性繊維のクロスへの
混入の方法はとくに制限されるものではなく、クロスを
構成する繊維または糸条に導電性繊維を混合してもよ
く、あるいは交編、交織してもよい。クロスが織物の場
合には適当な間隔で経糸、緯糸の少なくとも一方に導電
性繊維を挿入してもよい。
【0025】このように特定の白度指数、特定の電気抵
抗値を有する白色導電性繊維を3重量%以下の割合で混
入させて、小片テスト法による帯電電荷量が7.0μC
/m2 以下、とくに6.0μC/m2 以下になるように
することによって、防塵性、防汚性はもとより、布帛の
白度維持性、ワイピング作業耐久性に優れたクロスを得
ることができるのである。すなわち、本発明のクロス
は、ワイピング作業する際に発生する静電気をより効果
的に除去することができるので、一度清拭した被清掃物
の表面には塵・埃が再付着しにくいのである。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測定
・算出された値である。 (1)極細繊維の断面における角度の測定 電子顕微鏡により繊維断面の写真を撮り、任意の20本
の繊維の断面を紙に写しとり、3つまたは4つの角度を
測定し、20〜120度の範囲内の角度の数の平均値
と、その個々の角度の平均値を示した。 (2)導電性繊維の電気抵抗値 試料の繊維を10cmに切断し、切断断面に導電性塗料
(ド−タイト)を塗布して繊維端部を固定した後、該端
部を電極として印加電圧1KVにおける電気抵抗を測定
して算出した。
【0027】(3)導電性繊維の白度指数 JIS L 1013B法に準拠して求めた。すなわち
試料の筒編地を作製し、それを8つ折にして分光光度計
(307型、日立製作所製)を用いて、標準白板に対す
る波長450nm、550nmの反射率を測定し、下記
式により白度指数を算出した。 白度指数=4R1 −3R21 :450nmにおける反射率 R2 :550nmにおける反射率 (4)クロスの拭き取り性能評価 汚染物質を付着させたスライドグラスを摩擦試験機(J
IS l 0823に準拠した試験機)の平面型試験台
に仮接着し、試験布を装着した摩擦子により拭き取りを
実施した。拭き取り荷重は200g、拭き取り幅は20
mm、拭き取り応力は100g/mmの条件で拭き取り
を数回行い、拭き取り前後の透過光率を測定し、下記に
より算出した。 拭き取り率(%)=[(Wn−W0 )/(Wb−
0 )]×100 Wb:スライドグラスの380nmまたは580nmに
おける透過率 Wn:拭き取り後の透過率 W0 :拭き取り前の透過率 [汚染物質] a.ニコチンに対する清掃力 燻蒸箱中にスライドグラス(20枚)を水平に設置し、
タバコ(ピ−ス)約20本にて燻蒸し、ニコチンを主体
として汚染物質を付着させた。可視光線透過率は20%
以下になるように調整した。 b.潤滑油に対する清掃力 スライドグラスに枠を設置し、市販の潤滑油を30cm
の距離から3秒間スプレ−して試料とした。 c.糊に対する清掃力 スライドグラスにコ−ンスタ−チ10g/lよりなる糊
(0.5g/cm2 )を塗布した。
【0028】(5)クロスの帯電電荷密度 小片テスト法 労働省安全研究所発行の静電気安全指針のRIISTR
78−1によって行った。(22℃、30%RHの部屋
に24時間放置後測定) (6)摩擦帯電圧 測定装置は図1に示すように、樹脂平板(アクリル板ま
たはポリエチレン板)が金属製の架台上に、また樹脂平
板の背後に表面電位計(スタチロンM:回転セクタ−型
/1〜100KV)が設置され、清拭後の樹脂平板の帯
電圧が測定できる。
【0029】(7)放電現象 清拭過程における放電現象は、樹脂平板の背後に設置し
たル−プアンテナで放電ノイズを、アナライジングレコ
−ダ(横河電機3655E/DC RANGE2.0V) で放電現象を観測
することができる。評価は樹脂平板上を試料で拭く動作
を行った場合の樹脂平板の帯電圧と、拭き取り過程の放
電現象(パチパチ放電音)により行った。なお、条件は
22℃、30%RH、摩擦回数は10回であった。ま
た、拭き取り過程に発生する静電気を帯電圧のみにより
測定した場合、帯電圧はある値を越えると拭き取り過程
の放電現象(パチパチ放電音)を伴い、図2に示すよう
に、同じ帯電圧でも放電現象が異なる場合があり、帯電
圧単独で拭き取り過程に発生する静電気を評価すること
はできないことがわかる。放電現象の判定 ◎:放電音、放電パルス共に観測されない。 ○:放電音は観測されないが、放電パルスは観測され
る。 △:放電音、放電パルス共に観測される。 ×:放電音、放電パルス共に著しい。
【0030】(8)除電性能の評価 帯電球と放電球との距離を1cmに設定し、起電機を用
いて帯電球に帯電せしめ、放電を起こして置く。この帯
電球に試料を近接させたときの放電の有無を観測した。
放電が停止することは除電が行われていることを意味す
る。 ○:放電が停止 ×:放電が持続
【0031】実施例1 まず、酸化アンチモンを2重量%含む酸化第二錫で表面
をコ−ティングした酸化チタン微粒子(三菱金属社製、
平均粒径0.2μm)65重量%溶融混合したナイロン
6[宇部興産社製、1013BK]と、極限粘度0.6
5[フェノ−ル/テトラクロロエタン等重量混合溶液に
て30℃で測定した]のポリエチレンテレフタレ−トを
別々の押出機で溶融し、複合紡糸装置を使用してナイロ
ン6が芯部、ポリエチレンテレフタレ−トが鞘部を形成
するように芯鞘型複合繊維を295℃で4ホ−ルの吐出
孔より紡出し紡糸速度4500m/分で2分割して巻き
取り、20デニ−ル/2フィラメントの未延伸導電性繊
維を得た。(複合比率:芯/鞘=13/87)この繊維
の白度指数は58であり、電気抵抗値は2×1010Ω/
cm・fであった。
【0032】次にナイロン6[宇部興産社製、1013
BK]と極限粘度0.68のポリエチレンテレフタレ−
トを用い、別々の押出機で溶融押出し、複合割合がナイ
ロン6:ポリエチレンテレフタレ−ト=33:67(重
量比)となるようにそれぞれギアポンプで計量した後、
紡糸パック内に供給し、口金温度290℃で吐出し、速
度1000m/分で巻き取った。ついで倍率2.9倍で
75℃のロ−ラヒ−タ−で延伸を施し、130℃のプレ
−トヒ−タ−で熱セットして75デニ−ル/24フィラ
メントの延伸糸を得た。糸条の断面は、縦割り分割型断
面(11層交互貼り合わせ型)構造とした。続いて、こ
の延伸糸に仮撚数3390T/M、温度170℃で仮撚
を施し、分割処理を行った。得られたポリエステルおよ
びポリアミドからなる捲縮加工糸の単繊維繊度は約0.
3デニ−ルであった。この極細繊維を用いて編地を作成
し、リラックス、水洗、乾燥、プレセット、アルカリ減
量、水洗処理を施して乾燥し、布帛を得た。この布帛に
導電性繊維を0.9重量%混入させて、クリ−ニングク
ロスとしての性能評価を行った。結果を表2に示す。ま
た該クリ−ニングクロスを使用した清拭時の帯電圧と放
電現象を図3に示す。樹脂平板がアクリル板の場合の帯
電圧は7KVであり、ほとんど放電現象が見られないこ
とがわかる。また樹脂平板をポリエチレン板に代えた場
合の帯電圧は4KVであり、若干の放電現象が見られる
ことがわかる。
【0033】実施例2 実施例1において、ナイロン6に代えてエチレン−ビニ
ルアルコ−ル系共重合体(エチレン含有量44モル%、
ケン化度99%、クラレ製E−105)を使用して複合
繊維を得、分割処理を施して極細繊維を得た以外は同様
にして布帛を作製した。この布帛に導電性繊維を0.9
重量%混入させて、クリ−ニングクロスとしての性能評
価を行った。結果を表2に示す。
【0034】実施例3 実施例1において、極細繊維の平均繊度を0.50デニ
−ルに代えた以外は同様にして布帛を作製した。この布
帛に導電性繊維を0.9重量%混入させて、クリ−ニン
グクロスとしての性能評価を行った。結果を表2に示
す。
【0035】実施例4 実施例2において、極細繊維の平均繊度を0.50デニ
−ルに代えた以外は同様にして布帛を作製した。この布
帛に導電性繊維を0.9重量%混入させて、クリ−ニン
グクロスとしての性能評価を行った。結果を表2に示
す。
【0036】実施例5 布帛中に占める極細親水性繊維であるナイロン6繊維の
割合を49%に代えた以外は同様にして布帛を作製し
た。この布帛に導電性繊維を0.9重量%混入させて、
クリ−ニングクロスとしての性能評価を行った。結果を
表2に示す。
【0037】実施例6 5−ナトリウムスルホイソフタル酸2.5モル%、ポリ
エチレングリコ−ル8重量%共重合したポリエチレンテ
レフタレ−ト(極限粘度0.61)とポリエチレンテレ
フタレ−ト(極限粘度0.68)からなる縦割り分割型
断面構造の複合繊維を得、ついでアルカリ減量加工を施
して、前者の共重合ポリエチレンテレフタレ−トを溶解
除去して、ポリエチレンテレフタレ−トからなる極細繊
維を得た。この極細繊維を使用して、実施例1と同様に
布帛を作成して、導電性繊維を0.9重量%混入させ
て、クリ−ニングクロスとしての性能評価を行った。結
果を表2に示す。
【0038】比較例1 布帛に混入する白色導電性繊維として、電気抵抗値が7
×1011Ω/cm・fの繊維を使用した以外は同様にし
て布帛を作製し、導電性繊維を混入してクリ−ニングク
ロスとしての性能を評価した。拭き取り性は良好であっ
たが、暫くして拭き取った被清掃物の表面に空気中の塵
・埃が再付着するのが観察された。また、実施例1で得
られたクリ−ニングクロスに比較すると、帯電圧が高
く、パチパチという放電音が観測された。
【0039】比較例2 実施例1において、白色導電性繊維を布帛に混入させな
かった以外は同様にして布帛を作製し、クリ−ニングク
ロスの性能を評価した。拭き取り性は良好であったが、
拭き取った被清掃物の表面にすぐに空気中の塵・埃が再
付着するのが観察された。また、帯電圧が14KV(ア
クリル板)、6KV(ポリエチレン板)であり、放電音
が激しく、図4に示すように放電パルスも激しいもので
あった。
【0040】比較例3 実施例1において、極細繊維の単繊維繊度を0.9デニ
−ルとした以外は同様にして布帛を作製し、該布帛に白
色導電性繊維を混入させた。得られた布帛のクリ−ニン
グクロスとしての性能を評価した。結果を表1に示す。
良好な除電効果は有するものの、拭き取り性は悪く、ク
リ−ニングクロスとして実用的ではなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明のクリ−ニングクロスは、除電効
果が高いので塵・埃を拭き取った後も、被清掃物の表面
に空気中の塵・埃が再付着することがなく、綺麗な面を
保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦帯電圧および放電現象を測定する装置の該
略図である。
【図2】放電パルスの一状態を示す図である。
【図3】実施例1で得られたクリ−ニングクロスの放電
パルスを示す図である。
【図4】比較例2で得られたクリ−ニングクロスの放電
パルスを示す図である。
【符号の説明】
1:アナライジングレコ−ダ(放電ノイズ記録計) 2:帯電圧記録計 3:表面電位計 4:ル−プアンテナ 5:プロ−ブ 6:樹脂平板
フロントページの続き (72)発明者 河本 正夫 愛媛県西条市朔日市892番地 株式会社ク ラレ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単繊維繊度が0.01〜0.8デニ−ルで
    あって、かつ偏平状で20度以上120度以下の角度を
    少なくとも2つ有する断面からなる極細繊維を主体とし
    て構成された布帛に、白度指数が25以上であり、1K
    V印加時の電気抵抗値が1×1011Ω/cm・f以下の
    白色導電性繊維を3重量%以下混入してなり、小片テス
    ト法による帯電電荷密度が7.0μC/m2 以下である
    ことを特徴とするクリ−ニングクロス。
  2. 【請求項2】単繊維繊度が0.01〜0.8デニ−ルの
    親水性繊維が布帛中に占める割合が10〜60重量%で
    あることを特徴とする請求項1記載のクリ−ニングクロ
    ス。
  3. 【請求項3】親水性繊維がポリアミド繊維であることを
    特徴とする請求項2記載のクリ−ニングクロス。
  4. 【請求項4】親水性繊維がエチレン−ビニルアルコ−ル
    系共重合体からなる繊維であることを特徴とする請求項
    2記載のクリ−ニングクロス。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6703123B1 (en) * 2000-02-18 2004-03-09 Mitsubishi Materials Corporation Conductive fiber, manufacturing method therefor, apparatus, and application

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