JPH1150331A - 耐黄変性ポリアミド繊維 - Google Patents

耐黄変性ポリアミド繊維

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JPH1150331A
JPH1150331A JP20277897A JP20277897A JPH1150331A JP H1150331 A JPH1150331 A JP H1150331A JP 20277897 A JP20277897 A JP 20277897A JP 20277897 A JP20277897 A JP 20277897A JP H1150331 A JPH1150331 A JP H1150331A
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JP
Japan
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fine particles
inorganic fine
polyamide
yellowing
polyamide fiber
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Pending
Application number
JP20277897A
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English (en)
Inventor
Kunio Akasaki
久仁夫 赤崎
Shuhei Kurata
修平 倉田
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた耐黄変性を有し、かつ容易に
得ることができるポリアミド繊維を提供する。 【解決手段】 ポリアミドに対して最大粒子径が10μm
以下の陽イオン捕捉能力を有する無機質微粒子を0.01〜
10重量%含有する、耐黄変性ポリアミド繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐黄変性に優れた
ポリアミド繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維は、大気中に含まれる窒
素酸化物、段ボール材中に含まれるバニリン、プラスチ
ック中に含まれる酸化防止剤のBHT等に暴露した場
合、また、直射日光等による紫外線が照射された場合、
さらに、高温多湿下で長時間放置した場合に、黄変する
という欠点を有している。
【0003】上述の欠点を解消するため、例えば特開平
1−229810号公報には、酸無水物を含有させて紡糸する
ポリアミド繊維が提案されているが、この繊維は、紡糸
時にノズルパック圧の昇圧が大きくなり、紡糸不良にな
るため、操業性よく得ることができなかったり、染色性
が低下するという問題点があった。
【0004】また、特公昭55−47150 号公報には、後加
工により、アニオン系化合物水溶液を繊維表面に付与し
たポリアミド繊維が提案されている。しかしながら、こ
の加工では処理条件の微調整が必要であるため作業が煩
雑であり、さらに、この加工により付与された耐黄変性
は耐久性に欠けるといった問題があった。
【0005】上記以外にも、原糸を得るまでの段階や原
糸を得てからの後加工の段階において、耐黄変性を付与
したポリアミド繊維が種々提案されているが、耐黄変性
が耐久性に乏しい等、十分満足いく耐黄変性が付与され
た繊維は未だに提案されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みて行われたもので、耐久性に優れた耐黄変性
を有し、かつ容易に得ることができるポリアミド繊維を
提供することを技術的な課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、ポリアミドに対して最大粒子
径が10μm以下の陽イオン捕捉能力を有する無機質微粒
子を0.01〜10重量%含有することを特徴とする耐黄変性
ポリアミド繊維を要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアミド繊維は、最大粒子径が10μm以下の
陽イオン捕捉能力を有する無機質微粒子を0.01〜10重量
%含有するものである。本発明におけるポリアミド繊維
とは、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン66、ナイロン46等に代表されるポ
リアミド系の合成繊維であり、モノフィラメント、マル
チフィラメント、ステープルのいずれの形態のものでも
よい。
【0009】本発明における陽イオン捕捉能力を有する
無機質微粒子とは、母体が無機質であるイオン交換体
で、陽イオンを選択的にイオン交換、または捕捉するも
のであり、高耐熱性のものが好ましい。このような無機
質微粒子の中でも、特に、リン酸ジルコニウム、酸化ア
ンチモンが好ましい。
【0010】陽イオン捕捉能力を有する無機質微粒子
は、最大粒子径が10μm以下、好ましくは3μm以下で
あることが必要である。本発明のポリアミド繊維は、無
機質微粒子を含有するものであるため、このような繊維
を得るためには、原料ポリマーに直接混合して紡糸する
方法、予め原料ポリマーの一部に高濃度に含有せしめた
マスターバッチを製造し、これを紡糸時に所定の濃度に
希釈調整してから紡糸する方法等が採用される。したが
って、無機質微粒子の最大粒子径が10μmを超えると、
紡糸工程で濾材の目詰まりによるノズルパック圧の急激
な昇圧や糸切れが多発し、円滑に紡糸することが困難に
なる。また、たとえ紡糸を行うことができても、延伸工
程で糸切れ等が多発する。
【0011】無機質微粒子の含有量は、ポリアミド繊維
の重量に対して0.01〜10重量%の範囲にあることが必要
であり、さらに、0.1 〜1重量%の範囲にあることが好
ましい。無機質微粒子の含有量が0.01重量%未満の場合
には、得られる繊維は十分な耐黄変性を有するものとな
らず、また、10重量%を超える場合には、耐黄変性の効
果が飽和に達するばかりか繊維の製造時や編織物の製造
時に繊維中の無機質微粒子が紡糸機や織機、編機のロー
ラやガイド等に摩擦損傷を与えたり、糸切れが生じて生
産性が悪化したり、また、得られる繊維の強伸度等の物
性が低下する。
【0012】本発明のポリアミド繊維は、陽イオン捕捉
能力を有する無機質微粒子を含有することによって、繊
維の分子構造末端のアミノ基が関与しているとされてい
るポリアミド繊維の黄変現象において、無機質微粒子が
アミノ基にイオン的に作用し、アミノ基の封鎖を引き起
こすため、繊維に優れた耐黄変性が付与できるものと推
測される。
【0013】そして、本発明の耐黄変性ポリアミド繊維
は、単独あるいは他の繊維と混用し、製編織すればよ
い。他繊維と混用する方法としては、混繊、合糸、合
撚、交織、交編、混紡等の種々の方法を用いることがで
きる。
【0014】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例において、黄変性は次の(a) 〜(d) の
4項目について評価を行い、それぞれについて、処理前
と処理後の布帛のTaube 白度を分光光度計(マクベス社
製、COLOR-EYE3100 )を使用し、C光源、視野2°で測
定し、次式(1)により黄変程度(ΔTw)を算出し
た。ΔTwの値が小さいほど耐黄変性に優れていること
を示すものである。 ΔTw=Tw1 −Tw2 (1) ただし、Tw1 :処理前に測定したTaube 白度値。 Tw2 :処理後に測定したTaube 白度値。 (a) 日光黄変:JIS L−0842に準拠し、暴露試
験を実施した。 (b) バニリン黄変:濃度0.5 %のバニリン水溶液に布帛
を浸漬し、50℃まで昇温させた後、布帛を取り出し、風
乾した。 (c) NOx/BHT黄変:BHT25mgが入ったシャー
レと、NOガス5mlを吸引したシリンジが入れられて
いるデシケータ中に布帛を吊り下げ密封した。引き続
き、NOガスをデシケータ中に充填させた後、このデシ
ケータを50℃の恒温槽に16時間入れて処理を行った。 (d) 室入り黄変:40℃、90%RHに調節された恒温恒湿
機の中に布帛を30日間放置し、室入り試験を実施した。 (a) 〜(d) における布帛は、得られたマルチフィラメン
ト糸を経糸および緯糸として用い、経糸密度115 本/2.
54cm、緯糸密度90本/2.54cmの平織物を製織し、こ
の織物を常法によって精練、プレセットした後、Uvi
tex EBF(チバガイギー社製、分散染料)1%o
wf含有した染浴で白色に染色し、110℃で60秒間乾燥
し、次いで、150 ℃で30秒間熱処理したものである。
【0015】実施例1 相対粘度(m−クレゾール溶媒中で濃度0.5 g/dl、
温度20℃にて測定した)2.6 のナイロン6を99.7重量部
と最大粒子径が1.8 μmのリン酸ジルコニウム微粒子0.
3 重量部とを均一に溶融混合させた後、紡糸孔24の紡糸
口金を使用し、紡糸した。この際、紡糸温度を250 ℃と
し、速度1500m/分で引き取り、続いて延伸温度85℃、
延伸倍率2.6 倍で延伸し、熱処理温度165 ℃で熱処理
し、70d/24fのマルチフィラメント糸を得た。このマ
ルチフィラメント糸は、強度4.01g/d、伸度32%であ
った。得られたマルチフィラメント糸を整織した布帛の
黄変性の評価を表1に示す。
【0016】比較例1 リン酸ジルコニウムを溶融混合しなかった以外は実施例
1と同様に行い、強度4.11g/d、伸度30%のマルチフ
ィラメント糸(70d/24f)を得た。得られたマルチフ
ィラメント糸を整織した布帛の黄変性の評価を表1に示
す。
【0017】実施例2 相対粘度2.6 のナイロン6を99.4重量部と最大粒子径が
1.6 μmの酸化アンチモン微粒子0.6 重量部とを均一に
溶融混合させた以外は実施例1と同様に行い、強度3.78
g/d、伸度30%のマルチフィラメント糸(70d/24
f)を得た。得られたマルチフィラメント糸を整織した
布帛の黄変性の評価を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1より明らかなように、実施例1、2の
繊維は、全ての項目におけるΔTwの値が小さく、耐黄
変性に優れたものであった。一方、比較例1の繊維は、
陽イオン捕捉能力を有する無機質微粒子を含有していな
かったため、全ての項目においてΔTwの値が大きく、
耐黄変性に劣ったものであった。
【0020】
【発明の効果】本発明の耐黄変性ポリアミド繊維は、容
易に得ることができ、耐久性に優れた耐黄変性を有して
おり、製編織や染色などの種々の後加工を施して各種の
用途に供することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドに対して最大粒子径が10μm
    以下の陽イオン捕捉能力を有する無機質微粒子を0.01〜
    10重量%含有することを特徴とする耐黄変性ポリアミド
    繊維。
  2. 【請求項2】 陽イオン捕捉能力を有する無機質微粒子
    が、リン酸ジルコニウム又は酸化アンチモンである請求
    項1記載の耐黄変性ポリアミド繊維。
JP20277897A 1997-07-29 1997-07-29 耐黄変性ポリアミド繊維 Pending JPH1150331A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011000772A1 (de) * 2009-06-30 2011-01-06 Basf Se Polyamidfasern mit anfärbbaren partikeln und verfahren zu deren herstellung
CN114016153A (zh) * 2021-11-29 2022-02-08 福建漳平协龙高新化纤有限公司 一种抗黄变尼龙热熔丝及其制备方法

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