JPH11503041A - 生検採取器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、患者の身体内の部位から生検試料を採取する組立体（１０）を特徴とする。この組立体は、組織の試料を切除し且つ保持すべくその末端付近に設けられたカッター（３０）を有する切除装置（１４）であって、該切除装置（１４）の外側に設けられ且つ該切除装置により身体内に配置可能な寸法とされたシース（１２）を有する上記切除装置を備えている。該シース（１２）は、切除装置（１４）から電気的に絶縁され且つ組織を焼灼し得るようにシースの外面に配置された電極要素（２２ａ、２２ｂ）を有する。切除装置（１４）及びシース（１２）は、協働して、切除部位から組織の試料を連続的に切除し、組織の試料の熱損傷を防止するのに十分、電極要素（２２ａ、２２ｂ）から隔たった位置に配置されたカッターにより該部位を焼灼することを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 生検採取器 発明の分野 本発明は、生体採取に関する。 背景 その後の組織分析のため、組織の試料を採取する多くの生検法がある。「常温 」生検法において、外科用鉗子は、例えば、内視鏡内に挿入し、例えば、胆管の 樹状部分又は結腸から組織の試料を切除する（即ち、切り取る）ために使用され る。次に、鉗子、従って、組織の試料をその内視鏡を通じて患者から除去する。 常温切除の結果として、著しい出血が生じ、その結果、危険な血液の損失程度 となる可能性がある。従って、組織の試料を除去した後、別の装置を内視鏡を通 じて患者の体内に挿入し、その出血を止めることができる。これらの装置には、 止血のため出血部位に圧力を加えるタンポナーデ装置、出血部位にアルコールを 加えて出血を止める装置、また、組織を焼灼し、出血を止めるためその出血部位 と接触した１つ以上の電極（モノポーラ、又はバイポーラ）に無線（ＲＦ）エネ ルギを付与する電気焼灼装置が含まれる。切除後、鉗子及び組織の試料を除去し 、出血を止める装置を挿入するための時間が必要となる。この時間中、その切除 部位からの出血は続く。 これと代替的に、ジョーが電極（バイポーラ、又はモノポーラ）である外科用 鉗子を使用する「高温」生検法が行われる。組織の試料を切除した後、その切除 部位に残る組織と接触するように、鉗子を動かし、鉗子にＲＦエネルギを付与し て、その切除部位に電流を流し（即ち、焼灼し）、組織を凝固させ且つ出血を止 める。組織の凝固は、切除部位の癌性組織、又は前癌組織も殺してしまう可能性 がある。切除中に、組織の試料を切り易くするため、鉗子にＲＦエネルギを付与 することが多い。 組織の試料を再度、組織分析のため内視鏡を通じて患者から除去する。しかし ながら、切除部位を焼灼するとき、この組織の試料を誤って焼灼して、組織の試 料を組織分析に使用し得なくなり、例えば、細胞が悪性であるかどうかの疑問に 答えることができなくなることがある。この鉗子は、組織の試料を鉗子から電気 的に絶縁するため絶縁性材料で裏当てすることができる。しかしながら、切除部 位の組織を焼灼するときに発生される熱は、鉗子内の組織の試料を凝固させ、同 様に、その組織の試料を組織分析に使用し得なくすることがある。 概要 一つの形態において、本発明は、患者の身体内の部位から生検試料を採取する 組立体を特徴とする。この組立体は、組織の試料を切除し且つその試料を保持す るカッターをその末端付近に有する切除装置であって、その切除装置の外側に設 けられ、その切除装置と共に、身体内に挿入される寸法とされたシースを有する 切除装置を含む。このシースは、切除装置から電気的に絶縁され且つ組織の焼灼 のためシースの外面上に配置された電極要素を含む。この切除装置及びシースは 、協働して、組織の試料を切除部位から連続的に切除し、組織の試料の熱による 損傷を防止すべく、電極要素から十分に隔たった位置にあるカッターによりその 部位を焼灼することができる。 本発明の器具は、次の特徴を備えることができる。このシースは、切除装置を 摺動可能に受け入れ得る寸法とされた内腔を含むことができ、又はシース、及び 切除装置を単一装置の構造とし、カッターがシースの末端の末端方向に伸長し、 電極をカッターの基端方向に隔たった位置に配置することができる。このカッタ ーは、鉗子を含むことができる。電極の要素は、モノポーラ電極、又は一対のバ イポーラ電極とし、その双方の場合、電極は円筒状とすることができる。バイポ ーラ電極は「Ｃ」字形の形状としてもよい。更に、シースを予め湾曲させるか、 又はシースは、シースの末端に向けて固定した末端を有する引張りワイヤーを使 用することにより撓み可能とし、その引張りワイヤーの基端を引っ張ることによ りシースの末端部分が曲がるようにする。このシースは、電極要素との電気的接 続部を受け入れるべくその側壁に形成された内腔を有し、この内腔を使用して、 引張りワイヤーを受け入れることができる。この組立体は、内視鏡を貫通する寸 法とすることができる。 別の形態において、本発明は、患者の身体内の部位から生検試料を採取する組 立体を特徴とする。この組立体は、組織の試料を切除し且つ保持するためその末 端付近に設けられた鉗子を有する切除装置であって、該切除装置の外側に設けら れて、該切除装置と共に、身体内に挿入可能な寸法とされたシースを有する、切 除装置とを備えている。このシースは、切除装置を摺動可能に受け入れ得る寸法 とされた内腔と、切除装置から電気的に絶縁され且つ組織を焼灼し得るように、 シースの外面上に配置された電極要素とを有する。切除装置、及びシースは、切 除部位から組織の試料を連続的に切除し且つ試料の熱損傷を防止するのに十分、 電極要素から隔たった位置に設けられた鉗子によりその部位を焼灼し得るように 協働可能な構造とされている。 別の形態において、本発明は、患者の身体内の部位から生検試料を採取する組 立体を特徴としている。この組立体は、組織の試料を切除し且つ保持すべくその 末端付近に設けられた鉗子を有する切除装置であって、該切除装置の外側に設け られ且つ該切除装置と共に、身体内に挿入可能な寸法とされたシースとを有する 切除装置を備えている。これらのシース及び切除装置は、鉗子がシースの末端の 末端方向に伸長する、単一の装置の構造とされている。該シースは、切除装置か ら電気的に絶縁された電極要素を有しており、この電極要素は、鉗子の基端方向 に隔たった位置にあり且つ組織を焼灼し得るようにシースの外面上に配置されて いる。これらの切除装置及びシースは、組織の試料を切除部位から連続的に切除 し且つ試料の熱損傷を防止するのに十分、電極要素から隔たった位置にある鉗子 によりその部位を焼灼するように協働可能な構造とされている。 別の形態において、本発明は、当該組立体により患者の身体内の部位から生検 試料を採取する方法を特徴としている。この組立体は、組織の試料を切除し且つ 保持し得るようにその末端付近に設けられたカッターを有する切除装置であって 、該切除装置の外側に設けられ且つ該切除装置と共に身体内に挿入される寸法と されたシースとを有する、切除装置を備えている。このシースは、切除装置から 電気的に絶縁され且つ組織を焼灼し得るようにシースの外面に設けられた電極要 素を有する。これらの切除装置及びシースは、組織の試料を切除部位から連続的 に切除し且つその組織の試料の熱損傷を防止するのに十分、電極要素から隔たっ たカッターによりその部位を焼灼するように協働する。この方法は、切除装置に より組織の試料を切除部位から切除することと、その組織の試料をカッターによ り保持することとを更に含む。更に、この電極要素は、試料を保持するカッター が 電極要素から隔たった位置にある状態で切除装置に配置され、その部位は、電極 要素に電力を印加することにより焼灼される。 本発明の具体化は次の特徴を含むことができる。該シースは、切除装置を摺動 可能に受け入れ得る寸法とされた内腔を含み、また、この方法は、切除装置をシ ースの内腔内に挿入することと、切除装置をシースの末端から伸長させ、その切 除装置を切除部位に配置することと、シースの末端から離れる距離だけ切除装置 を内腔内で引き出すこととを更に含むことができる。この方法は、カッターを電 極から分離させ得るようにカッターをシースから伸長させることを含むことがで きる。また、この方法は、切除装置をシースから完全に引き出すことと、組織の 試料を切除装置から除去することと、切除装置をシースの内腔内に再挿入するこ とと、切除装置をシースの末端から伸長させ、その切除装置を新たな切除部位に 配置することと、切除装置により組織の試料をその新たな切除部位から切除する ことと、カッターにより組織の試料を保持することと、電極要素から離れる距離 だけ切除装置を内腔内で引き出すことと、電極要素を新たな切除部位に配置する ことと、電極要素に電力を印加することによりその新たな切除部位を焼灼するこ ととも含むことができる。また、この方法は、内視鏡を身体内に挿入することと 、シースを内視鏡内に挿入することとも含むこともできる。更に、該シース及び 切除装置は、カッターがシースの末端の末端方向に伸長し、電極がカッターの基 端方向に分離した位置となる、単一装置の構造とし、更に、本発明は、切除装置 及びシースを治療経路に沿って配置することと、切除装置を切除部位に配置する ことと、切除装置により組織の試料を切除部位から切除することと、カッターに より組織の試料を保持することと、電極を切除部位に配置することと、電極要素 に電力を印加することによりその部位を焼灼することとを更に含むことができる 。 実施の形態は、次の有利な点の一つ以上を含むことができる。例えば、ポリー プ及びその他の異常な組織を切除し、組織を熱損傷させずに、即ち、焼灼前に採 取装置を患者の身体から除去することなく、切除部位を焼灼することができる。 例えば、ある実施の形態において、切除した組織は焼灼電極から離れた所定の短 い距離だけ軸方向に摺動し、電極からの熱が試料の完全性に影響を与えないよう にする。その切除部位からの出血は迅速に電気で焼灼する。この切除は、シース の末端に配置された電気焼灼電極と、シース内の内腔内に摺動可能に配置された 外科用鉗子とを有する、焼灼シースを使用して行うことができる。この外科用鉗 子を使用して組織の試料を切除し、電気焼灼電極を使用して切除部位を焼灼して 出血を止める間に、その試料を切除部位から軸方向に除去する。その他の実施の 形態において、電極と鉗子との間の距離は、焼灼のため電極を切除部位に配置す るように組立体を操作するときの熱損傷を防止するのに十分な所定の間隔に設定 する。更なる組織の除去、更なる生検法の必要性、血液の損失に伴う合併症、手 術時間、患者の外傷を全て軽減することができる。この器具は、各種の既存の外 科用装置と共に使用可能な構造とすることができ、しかも容易に製造可能である 。 更なる有利な点及び特徴は以下の説明から明らかである。 詳細な説明 図１ａは、切除装置及び焼灼シースを含む生検組立体の分解側面図である。 図１ｂは、切除装置が焼灼シース内に配置された、図１ａと同様の図である。 図２は、シースの一部を切欠いた、図１ｂの生検組立体の末端部分の拡大斜視 図である。 図３は、切除装置の外科用鉗子が焼灼シースから軸方向に伸長した、図１ｂの 生検組立体の末端部分の拡大斜視図である。 図４ａ乃至図４ｃ及び図４ｆは、内視鏡内に配置され且つ結腸内で使用されて いる図１ｂの生検組立体の末端部分の側面図である。 図４ｄ及び図４ｅは、内視鏡内に配置され且つ結腸内で使用されている図１ｂ の生検組立体の末端の端面図である。 図５は、組立体の別の実施の形態の側面図である。 図６及び図７ａは、組立体の他の実施の形態の側面図である。 図７ｂは、図７ａの組立体の端面図である。 図８ａ及び図８ｂは、図８ａの組立体の一部を切欠いた、組立体の別の実施の 形態の構造及び使用状態を示す側面図である。 図１ａ、図１ｂ、図２及び図３を参照すると、生検組立体１０は、焼灼シース １２と、切除装置１４とを備えている。該シース１２は、内腔の内壁１７により 画成され且つ切除装置１４を受け入れ得る寸法とされた末端２０まで基端１８か ら伸長する作用内腔１６を有する。また、該シースは、末端２０付近にてシース の外面１３に取り付けられた一対のバイポーラ電極２２ａ、２２ｂを備えている 。また、シース１２は、無線周波数（ＲＦ）発生器（図示せず）に接続される電 気接続具２４と、該シース１２の外面１３と内面１７との間を電気接続具２４か ら電極２２ａ、２２ｂまで伸長する内腔２６とを更に備えている。２本のワイヤ ー２８が内腔２６内に配置され、そのワイヤー２８の各々が電極２２ａ、２２ｂ の一方を電気接続具２４に電気的に接続する。ワイヤー２８の各々には、そのワ イヤー間の電気的接触を防止し得るように電気的絶縁層が被覆されている。 切 除装置１４は、作用内腔１６内に摺動可能に配置されており、該切除装置１４は 、例えば、鉗子３０のようなカッター（例えば、カップ型ジョー３０ａ、３０ｂ ）と、ハンドル３２と、ジャケット３３とを有する。該ハンドル３２は、位置決 めリング３５と、鉗子把持部３８とを有する。該位置決めリング３５は、ワイヤ ー３７を介して鉗子３０に機械的に結合され、該鉗子把持部３８は該ジャケット ３３を介して鉗子３０と機械的に結合される。位置決めリング３５又はジャケッ ト３３を引張る（図２の矢印３４）と、作用内腔１６内にシースの基端１８に向 けて鉗子３０が軸方向に引き込まれ、また、位置決めリング３５又はジャケット ３３を押し込む（図３の矢印３６）と、シース１２の末端２０の作用内腔２４か ら鉗子３０が軸方向に伸長する。作用内腔２４から伸長させたならば、鉗子把持 部３８を押して（矢印３６）、開き（図１ｂ、図３の破線４２ａ、４２ｂ）、ま た引っ張って（矢印４１）、鉗子３０のジョー３０ａ、３０ｂを閉じる（図１ｂ 、図２、図３の実線４４ａ、４４ｂ）。電極２２ａ、２２ｂは、シースの外面１ ３上に配置され、ワイヤー２８は、電気的内腔２６内に配置されているため、鉗 子３０は、電極２２ａ、２２ｂから電気的に絶縁されている。 ハンドル３２を使用して鉗子３０をシース１２の末端２０を超えて作用内腔１ ６から伸長させ、また、該ハンドルを使用して、ジョー３０ａ、３０ｂを開いて 、例えば、ポリープのような組織の試料を取り囲み、また、ジョー３０ａ、３０ ｂを閉じて、ポリープを切除し且つ保持し得るようにする。次に、ハンドル３２ を使用して作用内腔１６内に鉗子３０を引き込み、鉗子３０を空間的に除去し、 従って、組織の試料をシース１２の末端２０上の電極２２ａ、２２ｂから除去す る。 次に、シース１２の基端１８を押し込んで、切除部位に残る組織に隣接するよう に電極２２ａ、２２ｂを配置し、電気接続具２４及びワイヤー２８を介して電極 ２２ａ、２２ｂにＲＦエネルギを印加して、その切除部位に残る組織を電気焼灼 させる。 一つの特別な実施の形態において、シース１２は、摩擦係数が小さいテフロン 製であり、ステンレス鋼製の鉗子３０、ステンレス鋼製のコイルジャケット３３ 、及びステンレス鋼製のワイヤー２７を含む切除組立体１２が作用内腔１６内で 容易に摺動し且つ比較的高い融点を可能にし、焼灼中に電極２２ａ、２２ｂに隣 接する組織が加熱されたときにシース１２が溶融するのを防止することを可能に する。シース１２は、肉厚が約0.15ｍｍであり、長さが約150ｃｍである。一つ の実施の形態において、シース１２の外径は約2.6ｍｍ、作用内腔１６の直径は 約2.3ｍｍであり、また、鉗子３０のジョーの閉じた直径は約2.2ｍｍであり、こ れは、鉗子３０のジョーを閉じて且つ作用内腔１６内に引き込んだとき、鉗子３ ０とシースの内面１７との間に約0.1ｍｍの隙間を提供する。かかる組立体は、 直径約2.7ｍｍの１つの内視鏡（即ち、図４ａの内視鏡５０）の内腔（即ち、図 ４ａの内腔５４）に通すことが可能である。電極２２ａ、２２ｂは、幅Ｗ１が約 2.0ｍｍの円筒状電極であり、約4.0ｍｍの距離ｄ１だけシースの外面１３に沿っ て分離されている。鉗子３０が組織の試料を切除し且つその組織の試料を保持し た後、鉗子３０は電極２２ｂから約50.8ｍｍ（２インチ）以上の距離ｄ２だけ作 用内腔１６内に引き込まれ（図２の矢印３４）、焼灼により、又は組織の凝固中 に発生した熱により組織の試料が損傷するのを防止する。 別の実施の形態において、軸１２の外径も同様に2.6ｍｍであり、作用内腔１ ６の直径も同様に約2.3ｍｍであるが、鉗子３０のジョーの閉じた直径は約1.8ｍ ｍである。更に別の実施の形態において、軸１２の外径は、約3.7ｍｍであり、 作用内腔１６の直径は約3.4ｍｍで、鉗子３０のジョーの閉じた直径は約3.3ｍｍ である。 使用方法 図４ａ乃至図４ｆを参照しつつ、患者の結腸４８からポリープ４６を除去する ことに関して組立体１０の作用について説明する。内視鏡５０を治療部位に挿入 することで患者は準備される。医者は、光学レンズ５２によりその部位を検査す る。内視鏡５０の内腔５４を介して、例えば、食塩水でその部位を洗浄する。身 体外にて、切除装置をそのシース内に挿入し、鉗子がシースの末端付近にあるが 、その末端から伸長しないようにする。 図４ａを特に参照すると、次に、シース１２及び切除装置１４を共に内視鏡５ ０の内腔５４内に挿入する。切除装置１４は、該切除装置を内視鏡５０内に挿入 するとき、シース１２が曲がるのを防止するようにシース１２に対し更なる強度 を提供する。これと代替的に、内視鏡５０を患者の体内に挿入する前に、生検組 立体１０の内視鏡５０内に挿入して、外科手術の時間を節約することができる。 図４ｂを参照すると、配置したならば、鉗子３０を含む切除装置１４をシース １２の末端２０を超えて伸長させ（矢印５６）、ジョー３０ａ、３０ｂを開く（ 図４ｃ及び図４ｄの矢印５８）。切除装置１４を更に伸長させると、ジョー３０ ａ、３０ｂはポリープ４６を取り囲む。ジョーを閉じて（図４ｅ）、ジョー３０ ａ、３０ｂの刃部分がポリープ４６又はポリープ４６の一部を切除する。 図４ｆを参照すると、次に、ポリープ４６を保持する鉗子３０を含む切除装置 １４をシース１２の作用内腔１６内に電極２２ｂの基端方向に略50.8ｍｍ（２イ ンチ）以上、引き込まれ（矢印６０）。シース１２を前方に押し出し（矢印６２ ）、内視鏡５０を上方に押して（矢印６４）、電極２２ａ、２２ｂを切除部位６ ６に接触させる。次に、ワイヤー２８（図１ｂ）及び電気接続具２４を介してＲ Ｆエネルギを電極２２ａ、２２ｂに印加して、電極２２ａ、２２ｂの間にて電流 が切除部位の組織を流れるようにする。この電流は、切除部位を約60乃至100℃ まで加熱し、この温度は、切除部位の組織を凝固させるのに十分である。鉗子３ ０と電極２２ａ、２２ｂとの間の距離は、電流が鉗子３０内でポリープ４６を流 れるのを防止するのに十分であり、また、切除部位内の熱が鉗子３０内のポリー プ４６を凝固させるのを防止するのに十分である。例えば、食塩水のような洗浄 液を作用通路１６を介して流し、鉗子３０を冷却させ、鉗子３０内のポリープ４ ６の凝固を更に防止することができる。その結果、損傷していない組織の試料を 採取し、その切除部位を迅速に焼灼して、損害となる血液の損失を防止すること ができる。 次に、内視鏡５０、シース１２及び切除装置１４を患者から除去し、ポリープ ４６を組織分析のため鉗子３０から回収する。これと代替的に、シース１２及び 内視鏡５０を介して、患者から切除装置１４のみを除去し、ポリープ４６を組織 分析のために回収し、次に、切除装置１４をシース１２及び内視鏡５０内に再度 挿入して、別の組織の試料を除去することができる。 その他の実施の形態 シースの末端のシースの外面に単一の円筒状のモノポーラ電極を配置すること ができる。モノポーラ電極と共に、患者は接地板の上に乗せ、電極にＲＦエネル ギを印加すると、電流はその電極と該接地板との間を流れる。この電流は、該電 極に隣接する組織内にて集中し、隣接する組織を凝固させるのに十分な熱を発生 させる。 図５を参照すると、１つのカップ型ジョー７２と、１つの平坦なジョー７４と を有する鉗子７０を提供することができ、この場合、平坦なジョー７４は前方刃 部分７６に沿って鋭利であり、次に、カップ型ジョー７２により取り込まれ且つ 保持された組織を切除するためその平坦なジョーを使用する。また、鉗子７０、 又は鉗子３０（図１ａ）は、組織の試料の切除を助けるべく針（図示せず）を含 むことも可能である。 図６を参照すると、撓み可能なシース８０は、焼灼シース８４内に摺動可能に 配置された切除組立体８２を備えている。切除組立体８２は、図１ａ及び図１ｂ に関して上述した切除組立体１２と同様であり、シース８４は、上述したシース １２と同様であるが、シース８４は該シース８４の末端２０を曲げ得るよう引張 りワイヤー８６を有する点が異なる。引張りワイヤー８６の末端８８は、シース ８４に固定されている。引張りワイヤー８６の一部９０は、シース８４の外面９ ２に沿って伸長し、引張りワイヤー８６の基端部分９４はシース８４の電気的内 腔２６内を伸長する。ワイヤー２８の各々の電気的絶縁被覆は引張りワイヤー８ ６とワイヤー２８との電気的接触を防止する。 シース８４及び伸長する切除組立体８２をシース８４の末端を超える位置に配 置した後、医者は引張りワイヤー８６の基端（図示せず）を引っ張る。末端８８ は、シース８４に固定されているため、ワイヤー８６を引っ張ると、シース８４ （図１ａの可撓性のジャケット３３）が曲がり（矢印９６）、ワイヤー８６をシ ース８４の外面９２から持ち上げる（矢印９８）。シース８４の末端を曲げるこ とで、組織の試料を除去し且つ切除部位の組織を焼灼させるときの医者の自由度 を大きくすることが可能となる。これと代替的に、シース１２（図１ａ、図１ｂ ）は、予め湾曲するように製造することができる。 図７ａ及び図７ｂを参照すると、生検組立体１００は、焼灼シース１０６内に 摺動可能に配置された鉗子１０４（ジョー１０４ａ、１０４ｂを有する）を含む 切除装置１０２を備えている。シース１０６の外面１０７及び末端１１２には、 「Ｃ」字形の電極１０８、１１０が配置されており且つ弾性的部材１１４ａ、１ １４ｂにより分離されている。鉗子１０４のジョーの閉じた直径は、例えば、3. 3ｍｍであり、これは、例えば、3.0ｍｍのシース１０６の内腔（図示せず）の直 径よりも大きい。従って、切除装置１０２の基端をシース１０６の内腔の末端１ １２内に挿入すると、鉗子１０４は最終的に末端１１２に押し付けられ、弾性部 材１１４ａ、１１４ｂを付勢して拡張させる（矢印１１６）。 次に、生検組立体１００を内視鏡内に挿入し且つ患者の体内に配置する。所定 位置に配置されたならば、切除装置１０２をシース１０６の末端１１２から伸長 させ（矢印１１８）、弾性部材１１４が圧縮して、約0.2ｍｍの距離だけ分離さ れた「Ｃ」字形の電極１０８、１１０が残るようにする。鉗子１０４を使用して 組織の試料を切除部位から切除し、次に、電極１０８、１１０を動かして切除部 位の組織と接触させる。切除部位の組織を焼灼させるべくＲＦエネルギを電極１ ０８、１１０に印加する前に、切除装置１０２をシース１０６の末端１１２から 所定の距離（例えば、50.8ｍｍ（２インチ）以上）、更に伸長させる（矢印１１ ８）。次に、シース１０６及び切除装置１０２の双方を共に内視鏡から除去して 、組織の試料を回収し得るようにする。 円筒状の電極２２ａ、２２ｂ（図１ａ）に代えて、シース１２の末端２０の上 に配置され且つ例えば0.2ｍｍという一定距離だけ分離された２つの「Ｃ」字形 電極を使用してもよい。かかる配置の場合、鉗子３０はシース１２内に引き込ん で、例えば、結腸の曲がり部分又はエルボ部分にてシースの末端を切除部位に押 し付け、電極にＲＦエネルギを印加してその切除部位の組織を焼灼することがで きる。 図８ａ及び図８ｂを参照すると、患者の結腸１２５内に配置された撓み可能な 内視鏡１２４の内腔１２２内に挿入された生検組立体１２０が図示されている。 この生検組立体１２０は、ステンレス鋼製のコイル１３２の末端１３０に設けら れた鉗子１２８を有する切除装置１２６を備えている。テフロン製の軸１３４が ステンレス鋼製のコイル１３２上に配置され、２つの円筒状電極１３６、１３８ が軸１３４の外面１４０上に配置されている。軸１３４は、鉗子１２８を電極１ ３６、１３８から電気的に絶縁する。軸１３４は、内視鏡の内腔１２２を貫通し て伸長し（図８ａの矢印１４２）、鉗子１２８のジョーが開かれる。次に、軸１ ３４は、鉗子１２８の開いたジョーをポリープ１４４の周りに位置決めし得るよ うに更に伸長させる。次に、ジョーを閉じて、ポリープ１４４を切除し且つポリ ープ１４４を保持する。次に、軸１３４を更に伸長させて（図８ｂの矢印１４６ ）、電極１３６、１３８を切除部位１４８に向けて動かす。次に、撓み可能な内 視鏡１２４を曲げて１５０、電極１３６、１３８を切除部位１４８と接触させ、 電極にＲＦエネルギを印加して、切除部位１４８の組織を焼灼する。 軸１３４は、約0.2ｍｍの肉厚を有し、長さが約150ｃｍである。鉗子１２８の 閉じた直径は約2.2ｍｍである。ステンレス鋼製のコイル１３２の外径、従って 、軸１３４の内径も約2.2ｍｍである。軸１３４の外径は約2.6ｍｍであり、内視 鏡の内腔１２２の直径は約2.7ｍｍであり、これは、軸３４と内腔１２２の表面 との間に約0.1ｍｍの隙間を提供する。電極１３６は、約50.8ｍｍ（約２インチ ）の距離ｄ３だけ鉗子１２８から分離されており、焼灼、又は凝固の熱によって 鉗子１２８内に保持された組織の試料が損傷されるのを防止する。電極１３６、 １３８は、約0.2ｍｍの幅Ｗ２を有する円筒状電極であり、約4.0ｍｍの距離ｄ４ だけ分離されている。 その他の実施の形態は、次の請求の範囲に記載されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．患者の身体内の部位から生検試料を採取する組立体にして、 組織の試料を切除すべくその末端付近に設けられたカッターを有する切除装置 と、 前記切除装置の外側に設けられ且つ前記切除装置と共に身体内に配置され得る 寸法とされたシースとを備え、 該シースが、前記カッターから電気的に絶縁され且つ組織を焼灼すべく前記シ ースの外面に設けられた電極要素を有し、 前記切除装置、及びシースが、前記カッターと前記電極との空間的分離を許容 し得るように協働可能な構造とされた、組立体。 ２．請求項１に記載の組立体にして、前記シースが、前記切除装置を摺動可能 に受け入れ得る寸法とされた内腔を有する、組立体。 ３．請求項１に記載の組立体にして、前記シース及び切除装置が、前記カッタ ーが前記シースの末端の末端方向に伸長し、前記電極が前記カッターの基端方向 に隔たった位置にある、単一装置の構造とされた、組立体。 ４．請求項１に記載の組立体にして、前記カッターが鉗子を有する、組立体。 ５．請求項１に記載の組立体にして、前記電極要素がモノポーラ電極である、 組立体。 ６．請求項５に記載の組立体にして、前記電極要素が円筒状電極である、組立 体。 ７．請求項１に記載の組立体にして、前記電極要素が一対のバイポーラ電極で ある、組立体。 ８．請求項７に記載の組立体にして、前記電極の双方が円筒状電極である、組 立体。 ９．請求項７に記載の組立体にして、前記電極の双方が「Ｃ」字形の電極であ る、組立体。 １０．請求項１に記載の組立体にして、前記シースが、 前記電極要素との電気的接続部を受け入れるべくその側壁に形成された内腔を 更に備える、組立体。 １１．請求項１に記載の組立体にして、前記シースが予め湾曲している、組立体 。 １２．請求項１に記載の組立体にして、前記シースが、該シースの末端に向けて 固定された末端を有する引張りワイヤーを含む撓み可能なシースであり、前記引 張りワイヤーの基端を引張ることにより、前記シースの末端部分が曲がるように する、組立体。 １３．請求項１２に記載の組立体にして、前記シースが、前記電極要素との接続 部及び前記引張りワイヤーを受け入れるべくその側壁に形成された内腔を有する 、組立体。 １４．請求項１に記載の組立体にして、内視鏡を貫通し得る寸法とされた、組立 体。 １５．患者の身体内の部位から生検試料を採取する組立体にして、 組織の試料を切除し且つ保持すべくその末端付近に設けられた鉗子を有する切 除装置と、 該切除装置の外側に設けられ且つ該切除装置と共に身体内に配置され得る寸法 とされたシースであって、該切除装置を摺動可能に受け入れ得る寸法とされた内 腔を有する前記シースとを備え、 該シースが、前記切除装置から電気的に絶縁され且つ組織を焼灼し得るように 該シースの外面に設けられた電極要素を備え、 前記切除装置及びシースが、切除部位から組織の試料を連続的に切除し、且つ 該試料の熱損傷を防止するべく前記鉗子を前記電極要素から十分隔てた状態で、 前記部位を焼灼するように、協働可能な構造とされた、組立体。 １６．患者の身体内の部位から生検試料を採取する組立体にして、 組織の試料を切除し且つ保持すべくその末端付近に設けられた鉗子を有する切 除装置と、 該切除装置の外側に設けられ且つ該切除装置と共に身体内に配置され得る寸法 とされたシースとを備え、該シース及び切除装置が、単一装置の構造とされ、前 記鉗子が該シースの末端の末端方向に伸長し、 該シースが、前記切除装置から電気的に絶縁された電極要素であって、前記鉗 子の基端方向に隔たった位置に配置され且つ組織を焼灼すべく前記シースの外面 上に設けられた前記電極要素を有し、 前記切除装置及びシースが、切除部位から組織の試料を連続的に切除し且つ該 試料の熱損傷を防止するべく前記鉗子を前記電極要素から十分隔てた状態で、前 記部位を焼灼するように、協働可能な構造とされた、組立体。 １７．患者の身体内の部位から生検試料を採取する方法にして、 前記切除装置及び前記シースが身体内にあるように、請求項１に記載の組立体 を配置することと、 前記切除装置により切除部位から組織の試料を切除し且つ前記カッターにより 該組織の試料を保持することと、 前記電極要素から隔たった前記試料を保持する前記カッターにより前記電極要 素を前記切除部位に配置することと、 前記電極要素に電力を印加することにより前記部位を焼灼することとを含む、 方法。 １８．請求項１６に記載の方法にして、 請求項２に記載の組立体を提供することと、 前記切除装置を前記シースの前記内腔内に挿入することと、 前記シースの末端から前記切除装置を伸長させ且つ該切除装置を切除部位に配 置することと、 前記シースの前記末端から離れるある距離だけ前記内腔内で前記切除装置を引 き出すこととを含む、方法。 １９．請求項１８に記載の方法にして、前記カッターを前記電極から隔たった位 置に配置し得るように該カッターを前記シースから伸長させることを更に含む、 方法。 ２０．請求項１８に記載の方法にして、 前記切除装置を前記シースから完全に引き出すことと、 前記組織の試料を前記切除装置から除去することと、 前記切除装置を前記シースの前記内腔内に再挿入することと、 前記切除装置を前記シースの前記末端から伸長させ且つ前記切除装置を新たな 切除部位に配置することと、 前記切除装置により組織の試料を前記新たな切除部位から切除し且つ前記カッ ターにより前記組織の試料を保持することと、 前記電極要素から離れたある距離、前記切除装置を前記内腔内で引き出すこと と、 前記電極要素を前記新たな切除部位に配置することと、 前記電極要素に電力を印加することにより、前記新たな切除部位を焼灼するこ ととを更に含む、方法。 ２１．請求項１７に記載の方法にして、 前記配置ステップ前に、 内視鏡を前記身体内に挿入することを更に含み、前記シースが前記内視鏡内に 挿入される、方法。 ２２．生検法を実施する方法にして、 請求項３に記載の組立体を提供することと、 前記切除装置及び前記シースを治療経路に沿って配置することと、 前記切除装置を切除部位に配置することと、 前記切除装置により前記切除部位から組織の試料を切除し且つ前記カッターに より該組織の試料を保持することと、 前記電極を前記切除部位に配置することと、 前記電極要素に電力を印加することにより、前記部位を焼灼することとを含む 、方法。