JPH1014922A - 臓器細切器および臓器細切装置 - Google Patents

臓器細切器および臓器細切装置

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Publication number
JPH1014922A
JPH1014922A JP8174004A JP17400496A JPH1014922A JP H1014922 A JPH1014922 A JP H1014922A JP 8174004 A JP8174004 A JP 8174004A JP 17400496 A JP17400496 A JP 17400496A JP H1014922 A JPH1014922 A JP H1014922A
Authority
JP
Japan
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organ
tube
loop
axial direction
electrode
Prior art date
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Pending
Application number
JP8174004A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Yoshida
修 吉田
Toshiro Terachi
敏郎 寺地
Ryuichiro Niizeki
隆一郎 新関
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Japan Science and Technology Agency
J Morita Manufaturing Corp
Original Assignee
Research Development Corp of Japan
J Morita Manufaturing Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摘出臓器を短時間で切断し、病理学的検索に
適したほぼ均一な厚みの小片を得ることができるように
する。 【解決手段】 管体の軸線方向一端部に、移動自在に操
作部材が保持される。この操作部材に基端部がそれぞれ
固定され、遊端部が前記管体を挿通して管体の軸線方向
他端部から突出され、相互にほぼ平行なループ状部分が
形成された導電性材料から成る第1および第2電極線が
設けられ、第1および第2電極線は相互に電気絶縁性が
維持されている。管体の軸線方向一端部にはヘッドキャ
ップが設けられ、操作部材が引出されてループ状部分が
縮径されたとき支持される。第1および第2電極線は、
第1および第2電極線間に、高周波電源部から高周波電
圧が印加して発熱することができる。また第1おおび第
2電極線にわたって、カッターが固定されるとともに、
ヘッドキャップにはカッターを受容する凹所が形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、腹腔鏡および胸腔
鏡などを用いる内視鏡下手術において、悪性腫瘍などの
病変組織を伴う臓器を患者の体内で切断し、病理学的検
索を行うための小片を分離するために用いことができる
臓器細切器およびそれを備える臓器細切装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、患者の術後の早期社会復帰および
補助療法の早期開始を図るために、患者へのより侵襲の
少ない手術として、腹腔鏡および胸腔鏡などの内視鏡を
用いた治療手段が用いられている。たとえば泌尿器科領
域においては、腎などのように充実性の大きい臓器を体
外へ摘出するために、腹腔内で遊離された臓器を、ラッ
プサック(Lapsac:商品名)、またはたとえば特開平6
−205786号公報に開示されるようなラパロスコピ
ー(laparoscopic procedure:内視鏡手術)用袋に入れ
て細切し、腹壁に留置されている直径が約10mmの外
套管から体外へ取出している。特に、対象とされる臓器
が腫瘍性病変を伴うものである場合には、腫瘍細胞の悪
性度、組織学的構築および腫瘍の進展形式などを判定す
るために、細切された小片の病理学的検索が必要であ
る。すなわち腎癌を例にとれば、腫瘍の進展形式および
癌細胞の腎被膜への浸潤の有無などについて、病理学的
検索を待たなければ、適切な診断を下すことが困難であ
るからである。したがって腹腔内で遊離された臓器の細
切された小片のうち、病理学的検索を行うための小片
は、病理学的検索が充分に可能な状態で体外に摘出され
なければならない。
【0003】たとえば従来技術として、図24に示すよ
うなスネア1が周知である。スネア1は、たとえば正常
組織4から隆起したポリープ2を切除するために用いら
れ、まず図24(1)に示すようにスネア1に設けられ
た発熱抵抗線から成る線状体3のループ状部分3a内に
ポリープ29を取込み、図24(2)に示すようにスネ
ア1を押しぎみにして線状体3のループ状部分3aを縮
径し、図24(3)に示すように電極線3によってポリ
ープ2と正常組織4との間の茎5を絞扼する。この状態
で図24(4)に示すようにポリープ2を持上げて茎5
を正常組織4から長さΔL=5mm程度を残した状態
で、線状体3に通電して発熱させて茎5を焼灼し、図2
4(5)に示すようにポリープ2を切除している。
【0004】また特開平4−241853号公報に他の
従来技術のスネア10が開示されている。図25はこの
スネア10を示す断面図である。スネア10は、基端部
11と先端部12とを延出する第1ルーメン(lumen;内
腔)を有する第1可撓性プラスチック管状部材14、第
1ルーメン内に設けられる第2および第3可撓性プラス
チック管状部材15,16、第2および第3ルーメンを
貫通して単一個のループ状部分19を形成する本発明の
電極線に相当する第1および第2電気導体17,18、
各電気導体17,18の各一端部で各電気導体17,1
8を相互に連結しピンまたはスパイク20aを有する絶
縁スペーサ20、ループ状部分19の大きさを変形する
ために片手の人差し指と中指とを挿通して操作される2
つのフィンガグリップ部材21,22、親指の挿入する
リング25が設けられるハウジング26、ハウジング2
6内で摺動し、前記フィンガグリップ部材21,22が
設けられるスライド部材27、各フィンガグリップ部材
21,22の基部にそれぞれ設けられ、第1および第2
電気導体17,18の各一端部が電気的に接続される一
対の端子23a,23b、ならびに各電気導体17,1
8の捩れを戻すために回転操作されるノブ24などを具
備している。このようなスネア10もまた、前述のスネ
ア1とほぼ同様に、ループ状部分19内にポリープを取
込み、絞扼した後、各電気導体17,18間にアーク放
電を発生させて、焼灼してポリープを切除するために用
いられ、各電気導体17,18が捩れて交差し、短絡す
ることを防止するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の図
24および図25に示す各従来技術では、スネア1,1
0は、ポリープ2の茎5を焼灼して切断するためには好
適に用いることができるけれども、遊離された摘出臓器
を切断するために用いると次のような問題が生じる。す
なわち、仮に、上記のスネア1,10を用いて充実性臓
器を切断して小片を取出す必要がある場合には、ループ
状部分3a,19が1つしかないため、臓器から1つの
小片を切取るために、少なくとも2回の切断作業を行わ
なければならず、切断するために長いアクセス時間を要
し、効率が悪い。さらに図24のスネア1や、図25の
スネア10のように各ループ状部分3a,9のループ径
が大きくなると、摘出臓器が大きくなるにつれてループ
径も大きくなり、このループ径に応じて大きな電力で切
断完了まで通電し続ける必要があり、切断用電流の電気
的絶縁および熱的絶縁の管理・制御のための構成が複雑
である。さらに体内で組織に線状体3または各電気導体
17,18が接触していない状態であっても、線状体3
および各電気導体17,18は通電によって発熱するた
め、通電中および通電直後に体内の切断する部位以外の
部分に線状体3または各電気導体17,18が接触する
と、やけどなどの事故が発生したり、病理学的検索を行
う必要のある組織が熱によって破壊してしまうおそれが
あり、より高い安全性が望まれている。
【0006】したがって本発明の目的は、病理学的検索
に必要な組織片を摘出臓器から短時間で切断して分離す
ることができる臓器細切器および臓器細切装置を提供す
ることである。
【0007】本発明の他の目的は、電流の管理および制
御が容易で小電力で迅速な切断を可能とし、患者および
術者に対して高い安全性で切断作業を行うことができる
臓器細切器および臓器細切装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、管体と、管体の軸線方向一端部側に装着され、管体
によって管体の軸線方向に移動自在に保持される操作部
材と、操作部材に基端部が固定され、遊端部が前記管体
内を挿通して管体の軸線方向他端部から突出するループ
状部分を有する導電性材料から成る複数の電極線と、各
電極線が個別に挿通し、前記管体の軸線方向他端部に設
けられ、前記操作部材を管体に対して軸線方向に移動さ
せたときに、各電極線を案内する電気絶縁性材料から成
るヘッドキャップとを含み、各電極線間には、高周波電
圧が印加されることを特徴とする臓器細切器である。本
発明に従えば、管体の軸線方向一端部側に装着されて、
管体の軸線方向に移動自在に操作部材が保持され、操作
部材には、複数の電極線の基端部が固定されている。各
電極線は、遊端部が管体内を挿通して管体の軸線方向他
端部から突出してループ状部分が形成されている。操作
部材を管体から離脱する方向に移動させることによっ
て、各電極線の前記基端部側の部分を管体内に引込み、
ループ状部分を縮径させることができ、また操作部材を
管体内に押込む方向に移動させることによって、前記ル
ープ状部分を拡大することができる。前記管体の軸線方
向他端部に設けられるヘッドキャップには、各電極線が
個別に挿通して各電極線同士の接触による短絡が防がれ
るとともに、操作部材を前述のように管体から離反する
方向に移動させたとき、ループ状部分が縮径してヘッド
キャップによって支持され、ループ状部分が管体内に引
込まれてしまうことが防がれる。各電極線は導電性材料
から成り、各電極線間に高周波電圧を印加することによ
って、各電極線の摘出臓器に接触した部分が活性バイポ
ーラ対となって、各電極線の摘出臓器に接触する部分だ
けを活性電極として発熱させることができる。したがっ
て、各電極線のループ状部分内に、体内で遊離された摘
出臓器を取込んで通電すると、各電極線の臓器に接触し
た部分だけが発熱し、この状態で操作部材を管体から離
脱する方向に移動させると、各電極線のループ状部分が
徐々に縮径して、大きな力を要さずに各電極線によって
前記摘出臓器を切断することができる。このように2以
上の複数の電極線が設けられるので、操作部材の一度の
操作によって、摘出臓器を2箇所以上において切断する
ことができ、従来のように1箇所で切断する場合と比べ
て短時間で、病理学的検索を行うための組織片を摘出臓
器から分離することができ、切断効率が向上される。し
たがって、筋などの切断しにくい部位も、各電極線を発
熱させて焼灼して容易に切断することができ、術者が操
作部材を大きな力で引張る必要がなく、操作性および安
全性を向上することができる。しかも各電極線の摘出臓
器に同時に接触した部分だけが発熱するので、臓器を切
断し終えるまで電極線全体が発熱する場合に比べて無駄
な電力消費が少なく、経済的であるとともに、不用意に
切断されるべき臓器以外の部位に一方の電極線だけが接
触しても発熱せず、安全である。さらに、各電極線を発
熱させることなく、機械的に切断することも可能であ
る。特に、筋などの切断しにくい部位だけを各電極線の
発熱による焼灼によって切断し、残余の部位は機械的に
切断するようにして、切断に要する電力消費を少なく
し、かつ迅速に切断してもよい。上記の構成において、
前記複数の電極線が2本で構成される場合には、各電極
線間に高周波電圧を印加することによって、各電極線の
臓器に接触する部分を活性バイポーラ対として発熱させ
ることができる。また複数の電極線が3本以上で構成さ
れる場合には、複数の対電極を設定し、この複数の対電
極が2対であれば交互に、または3対以上であれば各対
を成す電極線間に高周波電圧をたとえば0.05〜0.
1秒程度の短い周期で順次的または選択的に切換えなが
ら印加することによって、切れ味を低下させずに摘出臓
器を切断して、一度に複数の小片を得ることができる。
【0009】請求項2記載の本発明は、各電極線のルー
プ状部分のヘッドキャップから最も離反した各周方向中
央部に、電気絶縁性材料から成る切断刃をその刃先を各
ループ状部分の内側に向けて固定したことを特徴とす
る。本発明に従えば、各電極線のループ状部分がヘッド
キャップに支持された状態で、切残しが生じてしまうこ
とがないように、切断刃によって確実に分断することが
できる。
【0010】請求項3記載の本発明は、各電極線のルー
プ状部分は、相互にほぼ平行にまたは管体の軸線まわり
の所定の回転位置毎に個別に配置されることを特徴とす
る。本発明に従えば、各電極線のループ状部分は、切断
刃によってほぼ平行にまたは管体の軸線まわりの所定の
回転位置毎に配置される。これによって、たとえば組織
の違いによって各電極線が切断中に不所望に変位して、
切断面がずれてしまうことを防ぎ、ほぼ均一の大きさの
小片に分割することができる。したがって、たとえば腹
腔鏡下手術において、腹壁に形成された切開部から小片
を取出すことができずに、再度腹腔内で切断し直さなけ
ればならないという不具合が生じない。特に各電極線が
ほぼ平行に設けられる構成では、切断刃によって、各ル
ープ状部分の間隔が一定に保たれる。これによって、確
実に一定の厚みの小片を切断し、病理学的検索に適した
摘出臓器標本を得ることができる。また前記切断刃によ
って、平行な各電極線による切断とともに、さらに分断
することができ、切断効率をさらに向上することができ
る。
【0011】請求項4記載の本発明は、耐熱性を有する
材料から成る管体と、管体の軸線方向一端部側に装着さ
れ、管体によって管体の軸線方向に移動自在に保持され
る操作部材と、操作部材に基端部が固定され、遊端部が
前記管体内を挿通して管体の軸線方向他端部から突出す
るループ状部分を有し、両端部間に電圧を印加すること
によって発熱する複数の発熱抵抗線と、各発熱抵抗線が
個別に挿通し、前記管体の軸線方向他端部に設けられ、
前記操作部材を管体に対して軸線方向に移動させたとき
に、各発熱抵抗線を案内する電気絶縁性材料から成るヘ
ッドキャップとを含むことを特徴とする臓器細切器であ
る。本発明に従えば、管体の軸線方向一端部側に装着さ
れて、管体の軸線方向に移動自在に操作部材が保持さ
れ、操作部材には、複数の発熱抵抗線の基端部が固定さ
れている。各発熱抵抗線は、遊端部が管体内を挿通し管
体の軸線方向他端部から突出してループ状部分が形成さ
れている。操作部材を管体から離脱する方向に移動させ
ることによって、各発熱抵抗線を移動させ、ループ状部
分を縮径/拡大させることができる。前記管体の軸線方
向他端部にはヘッドキャップが設けられ、このヘッドキ
ャップには各発熱抵抗線が個別に挿通し、操作部材を管
体から離反する方向に移動させたときに、ループ状部分
が縮径してヘッドキャップによって支持することができ
る。各発熱抵抗線は、各両端部間に電圧を印加して通電
することによって、発熱させることができる。これによ
って、各発熱抵抗線のループ状部分内に、たとえば遊離
された摘出臓器を取込み、各発熱抵抗線を発熱させなが
ら、操作部材を管体から離脱する方向に移動させ、各発
熱抵抗線のループ状部分を縮径させて、前記摘出臓器を
切断することができる。各発熱抵抗線は、複数設けられ
るので、操作部材の一度の操作によって、摘出臓器を2
箇所以上において切断することができ、従来のように1
箇所で切断する場合と比べて短時間で、病理学的検索を
行うための小片を摘出臓器から分離することができ、切
断効率が向上されるとともに、病理学的検索に必要な部
位を確実に切取ることができる。しかも、筋などの切断
しにくい部位も、術者が大きな力で操作部材を引張る必
要がなく、各発熱抵抗線を発熱させて焼灼して容易に切
断することができ、切断効率をさらに向上することがで
きる。管体は、耐熱性を有する材料からなり、各発熱抵
抗線の発熱によって損傷することがない。さらに、各発
熱抵抗線を発熱させることなく、機械的に切断すること
も可能である。特に、筋などの切断しにくい部位だけを
各発熱抵抗線の発熱による焼灼によって切断し、残余の
部位は機械的に切断するようにして、切断に要する電力
消費を少なくし、かつ迅速に切断してもよい。
【0012】請求項5記載の本発明は、各発熱抵抗線の
ループ状部分のヘッドキャップから最も離反した各周方
向中央部に、電気絶縁性材料から成る切断刃をその刃先
を各ループ状部分の内側に向けて固定したことを特徴と
する。本発明に従えば、各発熱抵抗線のループ状部分が
ヘッドキャップに支持された状態で、切残しが生じてし
まうことがないように、切断刃によって確実に分断する
ことができる。
【0013】請求項6記載の本発明は、各発熱抵抗線の
ループ状部分は、相互にほぼ平行にまたは管体の軸線ま
わりの所定の回転位置毎に個別に配置されることを特徴
とする。本発明に従えば、各発熱抵抗線のループ状部分
は、切断刃によって、ほぼ平行にまたは管体の軸線まわ
りの所定の回転位置毎に配置される。これによって、た
とえば組織の違いによって各発熱抵抗線が切断中に不所
望に変位して、切断面がずれてしまうことを防ぎ、ほぼ
均一の大きさの小片に分割することができる。したがっ
て、たとえば腹腔鏡下手術において、腹壁に形成された
切開部から小片を取出すことができずに、再度腹腔内で
切断し直さなければならないという不具合が生じない。
特に各発熱抵抗線がほぼ平行に設けられる構成では、切
断刃によって、各ループ状部分の間隔が一定に保たれ
る。これによって、確実に一定の厚みの小片を切断し、
病理学的検索に適した摘出臓器標本を得ることができ
る。また前記切断刃によって、平行な各発熱抵抗線によ
る切断とともに、さらに切断することができ、切断効率
をさらに向上することができる。
【0014】請求項7記載の本発明は、前記ヘッドキャ
ップは、管体の軸線方向に垂直に延び、前記切断刃を受
容する凹所を有し、前記切断刃の刃先は、前記管体の軸
線に垂直に延びて形成されることを特徴とする。本発明
に従えば、ヘッドキャップには、管体の軸線方向に垂直
に延びる前記切断刃を受容する凹所が形成されており、
各電極線または各発熱抵抗線を縮径して摘出臓器などを
細切する際に、切断刃が凹所に嵌まり込むことによっ
て、各電極線または各発熱抵抗線によって摘出臓器の確
実に分離できないおそれのあるヘッドキャップ上の部分
を、切断刃によって確実に切断することができる。
【0015】請求項8記載の本発明は、管体と、管体の
軸線方向一端部側に装着され、管体によって管体の軸線
方向に移動自在に保持される操作部材と、操作部材に基
端部が固定され、遊端部が前記管体内を挿通して管体の
軸線方向他端部から突出するループ状部分を形成する複
数の線状体と、各線状体が個別に挿通し、管体の軸線方
向他端部に設けられ、前記操作部材を管体に対して軸線
方向に移動させたときに、各線状体を案内するヘッドキ
ャップとを含むことを特徴とする臓器細切器である。本
発明に従えば、管体の軸線方向一端部側に装着されて管
体の軸線方向に移動自在に操作部材が保持され、操作部
材には、複数の線状体の基端部が固定されている。各線
状体は、遊端部が管体内を挿通して管体の軸線方向他端
部から突出するループ状部分が形成されている。操作部
材を移動させることによって、各線状体を移動させ、各
ループ状部分を縮径/拡大することができる。前記管体
の軸線方向他端部にはヘッドキャップが設けられ、この
ヘッドキャップには各線状体が個別に挿通し、操作部材
を管体に対して離脱する方向に移動させたときに、各ル
ープ状部分が縮径してヘッドキャップによって支持する
ことができる。各線状体のループ状部分内に、たとえば
遊離された摘出臓器を取込み、操作部材を管体から離脱
する方向に移動させ、各線状体のループ状部分を縮径さ
せて前記摘出臓器を機械的に切断することができる。さ
らに線状体は複数設けられるので、操作部材の一度の操
作によって摘出臓器を2箇所以上において切断すること
ができ、従来のように1箇所で切断する場合と比べて短
時間で、病理学的検索を行うための小片を摘出臓器から
分離することができ、切断効率が向上されるとともに、
小片が熱によって破壊されることなしに、病理学的検索
に必要部位を確実に切取ることができる。
【0016】請求項9記載の本発明は、請求項1記載の
電極線、請求項2記載の電極線、請求項3記載の電極
線、請求項4記載の発熱抵抗線、請求項5記載の発熱抵
抗線、請求項6記載の発熱抵抗線、または請求項8記載
の線状体は、超弾性を有する材料から成ることを特徴と
する臓器細切器である。本発明に従えば、電極線、発熱
抵抗線または線状体は、超弾性を有する材料から成るの
で、たとえば操作部材を移動させてループ状部分を縮径
させても、永久歪みが生じていわゆる曲がり癖がつくお
それがなく、常に一定の信頼性の高い弾性回復力で、ル
ープ状部分を確実に拡径させることができる。
【0017】請求項10記載の本発明は、管体と、管体
の軸線方向一端部側に装着され、管体によって管体の軸
線方向に移動自在に保持される操作部材と、操作部材に
基端部が固定され、遊端部を前記管体内を挿通して管体
の軸線方向他端部から突出するループ状部分を有する導
電性材料から成る複数の電極線と、各電極線が個別に挿
通し、管体の軸線方向他端部に設けられ、前記操作部材
を管体に対して軸線方向に移動させたときに、各電極線
を案内する電気絶縁性材料から成るヘッドキャップと、
導電性材料から成り、臓器を把持する把持部を有する鉗
子とを含み、各電極線および把持部間には、高周波電圧
が印加されることを特徴とする臓器細切装置である。本
発明に従えば、管体の軸線方向一端部側に装着されて、
管体の軸線方向に移動自在に操作部材が保持され、操作
部材には、複数の電極線の基端部が固定されている。各
電極線は、遊端部が管体内を挿通して管体の軸線方向他
端部から突出するループ状部分が形成されている。操作
部材を管体の軸線方向に移動させることによって、各電
極線を移動させ、各ループ状部分を縮径/拡大させるこ
とができる。前記管体の軸線方向他端部にはヘッドキャ
ップが設けられ、このヘッドキャップには各電極線が個
別に挿通し、操作部材を管体に対して離脱する方向に移
動させたときに、各ループ状部分が縮径してヘッドキャ
ップによって支持することができる。さらに、鉗子は導
電性材料から成る把持部を備えており、各電極線は、各
電極線および把持部間に高周波電圧を印加することによ
って、摘出臓器に接触した部分だけを活性電極として発
熱させることができる。したがって、各電極線のループ
状部分内に、体内で遊離された摘出臓器を取込んで通電
すると、各電極線の臓器に接触した部分だけが発熱し、
この状態で操作部材を管体から離脱する方向に移動させ
ると、各電極線のループ状部分が徐々に縮径して、大き
な力を要さずに各電極線によって前記摘出臓器を切断す
ることができる。さらに電極線は複数設けられるので、
操作部材の一度の操作によって、摘出臓器を2箇所以上
において切断することができ、従来のように1箇所で切
断する場合と比べて短時間で、病理学的検索を行うため
の小片を摘出臓器から分離することができ、切断効率が
向上されるとともに、病理学的検索に必要な部位を確実
に切取ることができる。しかも、筋などの切断しにくい
部位も、術者が大きな力で操作部材を引張る必要がな
く、各電極線を発熱させて焼灼して容易に切断すること
ができ、切断効率をさらに向上することができるととも
に、各電極線の摘出臓器に接触した部分だけが発熱する
ので、管体などが加熱されることなく取扱いが容易にな
り、安全性にも優れている。さらに、各電極線を発熱さ
せることなく、機械的に切断することも可能である。特
に、筋などの切断しにくい部位だけを各電極線の発熱に
よる焼灼によって切断し、残余の部位は機械的に切断す
るようにして、切断に要する電力消費を少なくし、かつ
迅速に切断できるようにしてもよい。
【0018】請求項11記載の本発明は、各電極線は、
超弾性を有する材料から成ることを特徴とする。本発明
に従えば、各電極線は、超弾性を有する材料から成るの
で、たとえば操作部材を移動させてループ状部分を縮径
させても、永久歪みが生じていわゆる曲がり癖がつくお
それがなく、常に一定の信頼性の高い弾性回復力で、ル
ープ状部分を確実に拡径させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
臓器細切器30の一部を腹腔42内に挿入した状態を示
す断面図である。たとえば腹腔鏡下臓器摘除術におい
て、無機能腎などの摘出臓器31から病理学的検索を行
うための小片を分離するにあたって、本形態の臓器細切
器30が用いられる。播種を防ぐために摘出臓器31
は、ラップサックまたはラパロスコピー用袋などと呼ば
れるナイロン製の少なくとも内表面がシリコンによって
電気絶縁被覆された摘出臓器収納袋250に収容され、
この摘出臓器収納袋内で本形態の臓器細切器30によっ
て切断される。
【0020】腹壁32には、予め選択された位置に複数
の穿刺口33が形成される。図1には、説明の便宜上1
つの穿刺口33だけを示す。各穿刺口33は、皮膚に約
1cmの横切開をおき、腹直筋前鞘を切開した後、腹直
筋を分けて腹直筋後鞘に達し、腹直筋後鞘とその裏面の
前腹膜を約1cm切開し、トラカールと呼ばれる外套管
34を刺入して形成され、筋層切開されていない。この
ようにして形成された各穿刺口33には、前述の各外套
管34がサージグリップ35によって気密に挟持され、
摘出臓器31を遊離するために光学視管、鉗子および腹
腔形はさみならびに洗浄吸引管などが挿入される。摘出
臓器31は周辺臓器が挙上された状態で切除されて遊離
された後、留置されたままの各外套管34のうちの1つ
から腹腔内に挿入されて広げられる摘出臓器収納袋(以
下、「収納袋」と略記することがある)250内にその
開口251から鉗子によって引き込まれて収容される。
この後、収納袋250の開口251は、穿刺口33のう
ちの1つから体外へ引き出される。図1に示される状態
では、説明の便宜上、既に摘出臓器31が遊離されて摘
出臓器収納袋250に収納され、開口251が腹腔42
内にあり、臓器細切器30および1つの外套管34だけ
が示されているけれども、実際には、開口251は体外
に引き出され、上述のように摘出臓器31を遊離するた
めにたとえば鎖骨中線上に2箇所、前腋下線上に2箇所
および臍直下に1箇所というように、通常5本の外套管
34が用いられ、図1ではそのうちの1本だけが示され
ている。
【0021】また、摘出臓器収納袋250には、各穿刺
口33に装着されるサージグリップ35を通して体外へ
引出される複数のアクセス用筒部252が形成されてお
り、臓器細切器30などは、このアクセス用筒部252
を介して、摘出臓器収納袋250内に挿入されている。
患者の腹腔42内には、図示しない気腹装置から炭酸ガ
スが供給されて、患者の呼吸循環動態を見ながら腹腔4
2内がたとえば8〜14mmHgの範囲の圧力に保た
れ、腹腔42内での作業空間が確保されている。臓器細
切器30は、収納袋250が所定の状態に配置された状
態で、図示しない腹腔鏡を介して肉眼で確認するととも
に、この腹腔鏡にケーブルを介して電気的に接続された
モニタテレビの画像によって、収納袋250内の状態を
監視しながら、穿刺口33に装着されたサージグリップ
35によって固定された外套管34から臓器細切器30
が挿入され、その先端部は、アクセス用筒部252を介
して、摘出臓器収納袋250内に突出している。臓器細
切器30は、基本的に、管体36と、操作部材38と、
第1電極線43と、第2電極線47と、ヘッドキャップ
48とを含んで構成される。
【0022】図2は臓器細切器30を示す断面図であ
り、図3は図2の切断面線III−IIIから見た断面
図である。図1をも参照して、操作部材38は、管体3
6の軸線方向一端部37側から挿入され、図2の左右方
向である前記軸線方向に沿って矢符A1,A2方向に移
動自在に保持される。第1電極線43は、操作部材38
に基端部39となる両端部39a,39bを固定し、遊
端部40を前記管体36内を挿通して管体36の軸線方
向の他端部41から突出してループ状部分43aを形成
し、導電性材料から成る。第2電極線47は、第1電極
線43とは電気的絶縁状態を維持し、操作部材38に基
端部44となる両端部44a,44bを固定し、遊端部
45を前記管体36内を挿通して管体36の軸線方向他
端部41から突出して第1電極線43のループ状部分4
3aと同一長のループ状部分47aを形成し、導電性材
料から成る。
【0023】さらに詳しく述べると、第1電極線43
は、管体36の軸線と平行な仮想平面上に配置され、そ
の一端部39aが接続棒51に連結され、ヘッドキャッ
プ48を外方に向けて傾斜しながら挿通し、ヘッドキャ
ップ48から突出して大略的に円形状または水滴状に湾
曲して、ヘッドキャップ48を内方に向けて傾斜しなが
ら挿通し、他端部39bが接続棒51に連結されてい
る。すなわち、基端部39から遊端部42に向かうにつ
れて相互に離反するように広がりながら、ヘッドキャッ
プ48を挿通し、ヘッドキャップ48の外方で円弧状の
ループ状部分43aを形成している。同様に、第2電極
線47は、第1電極線43が配置される仮想平面とほぼ
平行な仮想平面上に配置され、その一端部44aが接続
棒52に連結され、ヘッドキャップ48に外方に向けて
傾斜しながら挿通し、ヘッドキャップ48の外方で大略
的に円形状または水滴状に湾曲して、ヘッドキャップ4
8を内方に向けて傾斜しながら挿通し、他端部44bが
接続棒52に接続されている。すなわち、基端部44を
接続棒52に連結し、相互に広がりながらヘッドキャッ
プ48内を挿通し、ヘッドキャップ48の外方でループ
状部分47aを形成している。第1電極線43と第2電
極線47のヘッドキャップ48から挿通する位置は、相
互にほぼ平行に配置され、ヘッドキャップ48から突出
して形成されるループ状部分43a,47aは、相互に
自然状態においてほぼ平行な前記各仮想平面上に配置さ
れている。
【0024】ヘッドキャップ48は、前記管体36の軸
線方向他端部41に設けられ、前記第1および第2電極
線43,47が移動自在に挿通し、前記操作部材38を
管体36に対して離脱する方向A2に移動させたとき
に、すなわち図4および図5に示す状態において、縮径
した第1および第2電極線43,47を支持する。第1
および第2電極線43,47は、前記操作部材38から
導かれる高周波電源部58によって、前記第1および第
2電極線43,47間に高周波電圧を印加することによ
って、第1および第2電極線43,47が摘出臓器31
に接触したとき、その接触部分だけが活性バイポーラ対
となって通電され、発熱する。
【0025】前記管体36は、略円筒状の第1部分36
aおよび第2部分36bから成り、第1および第2部分
間に支持部53を備え、剛性および電気絶縁性ならびに
消毒液に対する耐薬品性、オートクレーブ滅菌可能なよ
うに耐熱性を有する合成樹脂、またはステンレス鋼など
の金属から成る。この合成樹脂としては、フッ素樹脂、
たとえばポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロ
ン)などが用いられる。操作部材38は、管体36と同
様の材料から成り、作動軸部49に円筒状の把持部50
が螺着されて構成され、作動軸部49が管体36内に移
動自在に案内されて挿入されている。
【0026】第1および第2電極線43,47は、導電
性材料から成る接続棒51,52によって操作部材38
に固定される。第1および第2電極線43,47には、
直径が0.2mmの超弾性合金から成る細い金属製ワイ
ヤが用いられる。この超弾性合金としては、Ti−Ni
合金、Cu−Zn−Al合金、Cu−Al−Ni合金お
よびCu−Cr−Li合金などがある。本形態では、3
00mmの長さを有する直径が0.3mmのTi−Ni
合金が用いられている。この第1および第2電極線4
3,47は、両端部が各接続棒51,52に、たとえば
2箇所59a,59b;60a,60bにおけるかし
め、または接着剤を用いた接着によって熱変態すること
なく、機械的にかつ電気的に接続されている。
【0027】各接続棒51,52は、たとえば銅などか
ら成り、管体36が軸線方向両端部37,41間の中間
に備える支持部53に形成される挿通孔46a,46b
を、図6に示すようにそれぞれ挿通し、支持部53によ
って管体36の軸線方向A1,A2に移動自在に支持さ
れている。ヘッドキャップ48と支持部53との間に
は、管体36と同様の材料から成り、管体36内を仕切
る隔壁94が設けられており、ヘッドキャップ48と支
持部53間の管体36内において第1電極線43および
接続棒51と、第2電極線47および接続棒52とは、
隔壁94によって仕切られた相互に異なる空間内に配置
され、相互間の放電による短絡を防いでいる。
【0028】各接続棒51,52は、管体36と同様の
材料から成る装着片90にそれぞれ固定され、この装着
片90が作動軸部49にピン91によって連結されて、
操作部材38に固定されている。この状態で、各接続棒
51,52には作動軸部49内を挿通し、相互に電気的
に絶縁された接続線54,55がたとえば半田によって
電気的にそれぞれ接続され、これらの接続部は、前記装
着片90によって覆われて保護されている。各接続線5
4,55は、把持部50から突出して設けられる接続ピ
ン56,57にたとえば半田によって電気的にそれぞれ
接続され、これらの接続部は、各接続ピン56,57が
固定される装着片93によって覆われて保護されてい
る。
【0029】各接続ピン56,57は前記高周波電源部
58に、ケーブル80によって電気的にそれぞれ接続さ
れる。ケーブル80は、一端部に、各接続ピン56,5
7が着脱自在にそれぞれ嵌着されるソケットを有するコ
ネクタ部81を有し、他端部に、たとえば高周波電源部
58に設けられたジャックに着脱自在に接続可能なピン
プラグ部82を有する。このようにして、第1および第
2電極線43,47が高周波電源部58に電気的に個別
にそれぞれ接続され、第1および第2電極線43,47
は、たとえば抵抗値が4.7Ωであり、第1および第2
電極線43,47間にたとえば500kHz程度の高周
波電圧を印加して、2.73A程度の電流が通電され
る。
【0030】第1および第2電極線43,47のループ
状部分43a,47aのヘッドキャップ48から最も離
反した周方向中央、すなわち接続棒51,52と接続さ
れる位置から周方向に約1/2の位置にセラミックなど
の電気絶縁性材料から成る切断刃であるカッター61が
設けられ、各ループ状部分43a,47aが個別に固定
され、このカッター61によって第1および第2電極線
43,47が相互に連結されて、第1電極線43と第2
電極線47との間隔L1がほぼ一定に保たれている。カ
ッター61の刃先62は、第1および第2電極線43,
47の各ループ状部分43a,47aの内方に向けて、
かつ第1および第2電極線43,47に対して垂直に延
びて形成されている。第1および第2電極線43,47
はカッター61を挿通しており、カッター61の刃先6
2は少なくとも第1電極線43と第2電極線47とにわ
たって設けられ、本形態において、図7に示すように第
1電極線43の第2電極線47から離反する側、および
第2電極線47の第1電極線43から離反する側にそれ
ぞれ延出して設けられている。またカッター61の刃先
62は、管体36の軸線方向に垂直に延びて形成されて
いる。
【0031】ヘッドキャップ48は、管体36と同様の
材料から成り、管体36の軸線方向他端部41を塞いで
装着されている。ヘッドキャップ48は、第1および第
2電極線43,47が個別に移動自在にそれぞれ挿通さ
れている。ヘッドキャップ48は、操作部材38を移動
させて、各ループ状部分43a,47aを縮径したとき
に、カッター61を受容する凹所63を有する。
【0032】図8は腹腔内に挿入された状態の臓器細切
器30を示す断面図であり、図9は図8に示す状態から
操作部材38を矢符A1方向に押圧して移動させ、各ル
ープ状部分43a,47aを拡径した状態を示す断面図
である。このような臓器細切器30による摘出臓器31
の細切作業は、前述のように摘出臓器収納袋に摘出臓器
31を収容した状態で行われる。まず、操作部材38を
矢符A1で示す方向に引出して、各ループ部分43a,
47aをヘッドキャップ48に支持させた状態とする。
操作部材38は、各ループ状部分47aがヘッドキャッ
プ48に支持される位置まで移動させることができ、そ
の位置で矢符A1方向への変位が阻止される。この状態
で臓器細切器30の管体36を軸線方向他端部41側か
ら外套管34を介して腹腔内に挿入する。
【0033】サージグリップ35は、グリップ本体85
およびキャップ86から成り、外套管34の筒部34a
をグリップ本体85に挿入した状態で、キャップ86を
締め込むことによって、外套管34を固定することがで
きる。外套管34とサージグリップ35との間には、シ
ール用スリーブ64が介在され、気密性が達成されて、
前述のように腹腔内を一定の圧力に保ってガスの漏洩を
防ぐことが可能となる。管体36の軸線方向他端部41
が挿入されたのを確認して、操作部材38を矢符A1方
向に押圧して、操作部材38の段差面38aが管体36
の軸線方向一端部37の端面37aに当接して、変位阻
止されるまで移動し、各ループ状部分43a,47aを
拡径する。第1および第2電極線43,47の材料とし
て超弾性合金を用いることによって、操作部材38を矢
符A1方向に押圧して第1および第2電極線43,47
をヘッドキャップから押出すことによって、その超弾性
による復元力によって拡径することができる。各ループ
状部分43a,47aは、摘出臓器31を各ループ状部
分43a,47a内に円滑に収容できるように、最も拡
径された状態で、約70〜80mmの直径を有する略円
環状に拡径される。
【0034】この状態で、図10に示すように図示しな
い他の外套管を介して腹腔42内に挿入された鉗子など
を用いて、摘出臓器31を各ループ状部分43a,47
a内に挿入し、この状態で操作部材38を矢符A2方向
に引出し、各ループ状部分43a,47aを縮径して、
図11に示すように摘出臓器31を前記第1電極線43
と第2電極線47との間の間隔L1に対応した厚さt
に、たとえば5mm程度の厚みにスライス状に切断する
ことができる。このとき、スライス状に切断された小片
31aは、カッター61によってさらに約1/2に切断
される。このようにして切断された小片31b,31c
は、臓器細切器30および外套管34が抜去された後、
穿刺口33から引出された収納袋250のアクセス用筒
部252を介して体外へ摘出され、病理学的検索が行わ
れる。
【0035】このように、一度の操作部材38の操作に
よって摘出臓器31を複数に切断して、細切組織を得る
ことができるので、細切作業に要する時間を短縮するこ
とができる。しかも、第1および第2電極線43,47
のループ状部分間の間隔L1は、カッター61によって
一定に保たれているので、摘出臓器から得られる細切組
織は、従来のように不規則な形状に細切されることがな
く、平坦状でかつ長い細切組織を得ることができ、病理
学的検索を行う上で不都合を生じるおそれはない。ま
た、摘出臓器収納袋250内で引きちぎることなく、細
切組織を切断して得ることができるので、摘出臓器31
内の腫瘍部から流出した血液や分泌液が他の正常組織に
混入して付着するおそれはなく、小片31b,31cを
汚染されない状態で摘出することが可能となる。
【0036】さらに、第1および第2電極線43,47
間には、高周波電源部58から高周波電圧を印加するこ
とが可能であり、第1および第2電極線43,47を発
熱させて、焼灼して容易に切断することが可能である。
これによって、さらに細切作業に要する時間を短縮する
ことができる。しかも、第1および第2電極線43,4
7は、摘出臓器31に接触して電極として作用する部分
だけが発熱するので、管体36などが発熱するおそれが
なく、取扱いが容易になるとともに、安全性にも優れて
いる。
【0037】さらに、筋などの堅い容易に切断すること
ができない部位だけを、高周波電圧の印加による発熱に
よって、焼灼して切断し、残余の部位を機械的に切断し
て、細切に必要とされる電力を小さくすることができ
る。さらに、第1および第2電極線43,47がほぼ平
行であり、摘出臓器31内の通電経路を一定にして、電
流の管理・制御が容易になるとともに、大きな摘出臓器
31を切断する場合であっても、電流を小さくすること
が可能であり、小さい電力で切断することができ、経済
性にも優れている。このとき、前記摘出臓器収納袋の内
面が電気絶縁性被覆されているので、電流の漏洩が防が
れる。
【0038】また、カッター61は、少なくとも第1お
よび第2電極線43,47間にわたって設けられ、かつ
ヘッドキャップ48にはカッター61を受容する凹所6
3が設けられるので、第1および第2電極線43,47
をヘッドキャップ48によって確実に支持させて、摘出
臓器31をスライス状に確実に分断することができると
ともに、カッター61によってもさらに確実に分断する
ことができる。また、カッター61の刃先62は、管体
36の軸線方向に対して垂直に配置しているので、カッ
ター61が凹所63に確実に嵌まり込み、確実に分断す
ることができる。
【0039】また第1および第2電極線間のインピーダ
ンスを検知し、第1および第2電極線43,47同士に
接触などが生じて短絡した場合には、高周波電源部58
からの電力供給を停止したり、インピーダンスの変化に
応じて通電させる電流を制御するようにしてもよく、こ
れによって、不必要な部分に通電発熱が生じてしまうな
どの不具合を生じることがなく、供給する電流などの管
理が容易である。
【0040】小片31b,31cが切取られた後の摘出
臓器31の残余の部分31d,31eは、たとえば図示
しない他の細切器などによって細切され、モーノポンプ
などと呼ばれる図示しない吸引器によって開口251か
ら吸引されて、体外へ摘出される。
【0041】図12は、本発明の実施の他の形態の臓器
細切器100の一部を拡大して示す断面図である。臓器
細切器100は、臓器細切器30と類似の構成を有して
おり、異なる部分についてだけ説明し、対応する部分に
は同一の参照符号を付し説明は省略する。支持部53
は、袋ナット103によって管体36の第2部分36a
に装着される。支持部53の各挿通孔46a,46bに
はスライド軸104,105が移動自在にそれぞれ挿通
されており、各スライド軸104,105には、第1お
よび第2電極線43,47の基端部39,44が、たと
えばかしめによってそれぞれ連結されている。各スライ
ド軸104,105には、第1および第2電極線43,
47とは反対側に連結プラグ106,107が、たとえ
ば螺着されてそれぞれ固定されている。
【0042】第2部分36bの支持部53寄りの端部1
30の内側には、キャッチ解除リング108が相互に回
動可能に嵌まり込んでいる。第2部分36b内には、接
続棒収容体109が設けられて、この接続棒収容体10
9には、外周部に螺旋溝110が形成され、この螺旋溝
110に第2部分36bに螺着されたねじ部材110a
が嵌まり込んで係止されているとともに、図示しないピ
ンによって回転阻止されている。これによって、第2部
分36bを回動することによって、接続棒収容体109
は第2部分36bの軸線方向に移動させることができ
る。
【0043】接続棒収容体109には、軸線方向に延び
る挿通孔111,112が形成され、各挿通孔111,
112に各接続棒101,102が移動自在に挿通され
ている。接続棒収容体109には、各挿通孔111,1
12のキャッチ解除リング108に臨む側に嵌まり込ん
で、圧縮コイルばね113,114が設けられ、さらに
キャッチリング115,116がそれぞれ嵌まり込ん
で、各圧縮コイルばね113,114によってキャッチ
解除リング108に向けてばね付勢されて設けられてい
る。
【0044】各接続棒101,102のキャッチ解除リ
ング108に臨む側の先端部には、チャック部120,
121が形成され、チャック部120,121の先端側
には、先太りテーパ部分122,123を形成するとと
もに、割り溝が形成されて口径を縮径可能としている。
各キャッチリング115,116は、このテーパ部分1
22,123に係合し、各圧縮コイルばね113,11
4によって押圧されてテーパ部分122,123を縮径
するように押圧している。すなわち、各チャック部12
0,121と、各キャッチリング115,116とによ
っていわゆるコレットチャックを構成している。
【0045】キャッチ解除リング108には、挿通孔1
24,125が形成され、各挿通孔124,125は、
連結プラグ106,107が挿通可能であり、また各接
続棒101,102のチャック部120,121のテー
パ部分122,123が縮径した状態において挿通可能
であり、各キャッチリング115,116が側面に当接
する大きさに設定されている。これによって管体38を
回動して接続棒収容体109をキャッチ解除リング10
8に向けて移動させると、各チャック部120,121
のテーパ部分122,123は、各挿通孔124,12
5を挿通するが、各キャッチリング115,116はキ
ャッチ解除リング108の側面に当接し移動を阻まれ、
各テーパ部分122,123を縮径するように押圧して
いた力が解除されるので、各テーパ部分122,123
は拡径する。
【0046】このような各チャック部120,121に
各連結プラグ106,107を把持することによって、
各接続棒101,102に第1および第2電極線43,
47を着脱可能に連結することができる。各連結プラグ
106,107および各チャック部120,121のテ
ーパ部分122,123に凹凸状の噛み合い刃136,
137;138,139を設けることが望ましい。
【0047】次に第1および第2電極線43,47の交
換作業の手順について説明する。まず、袋ナット103
を緩めて、支持部53と第2部分36bとの装着状態を
解除する。次に接続棒収容体109をキャッチ解除リン
グ108に向けて図12の左方へ移動する方向に第2部
分36bを回動して接続棒収容体109を前進させるこ
とによって図12(2)に示すように各キャッチリング
115,116の先端がキャッチ解除リング108に当
接して移動を阻まれ、一方、各チャック部120,12
1のテーパ部分122,123は、各挿通孔124,1
25を挿通して各テーパ部分122,123に係合して
いるキャッチリング115,116が相対的に図12の
右方へ摺動させられて、これによって各テーパ部分12
2,123を縮径させていたキャッチリング115,1
16の押圧力が解除されて各テーパ部分122,123
が拡径し、噛み合い把持していた各連結プラグ106,
107を解放し、第1および第2電極線43,47が連
結されたスライド軸104,105が各接続棒101,
102から離脱される。
【0048】次に新しい第1および第2電極線43,4
7の連結されたスライド軸104,105の連結プラグ
106,107をチャック部120,121にそれぞれ
挿入嵌合した後に、第2部分を上述とは逆方向に回動し
て接続棒収容体109を図12の右方へ移動させること
によって、各キャッチリング115,116が圧縮コイ
ルばね113,114の押圧力によってテーパ部分12
2,123を縮径させ、これによって各テーパ部分12
2,123が連結プラグ106,107とそれぞれ噛み
合い、強固に把持し、各接続棒101,102と第1お
よび第2電極線43,47が連結されたスライド軸10
4,105との連結が終了し、第1および第2電極線4
3,47の交換が完了する。したがって、第1および第
2電極線43,47を、簡単な操作で着脱交換すること
が可能になる。
【0049】図13は本発明の実施のさらに他の形態の
臓器細切器150のヘッドキャップ151付近を拡大し
て示す斜視図であり、図14はヘッドキャップ151付
近を拡大して示す正面図であり、図15は図14の下方
から見てヘッドキャップ151付近を拡大して示す平面
図である。臓器細切器150は、前述の形態の臓器細切
器30と類似の構成を有しており、臓器細切器30と異
なる部分についてだけ説明し、他の同様の構成を有する
部分は、同一の参照符号を付し、説明は省略する。
【0050】臓器細切器150の第1および第2電極線
152,153は、管体36の軸線を含む仮想一平面1
58上において、ヘッドキャップ151から突出し、同
一長のループ状部分152a,153aを有する。第1
および第2電極線152,153のループ状部分152
a,153aのヘッドキャップ48から最も離反した周
方向中央には、カッター61が設けられ、間隔L1あけ
て配置される。
【0051】これによって、第1および第2電極線15
2,153のループ状部分152a,153aは、操作
部材38を前記矢符A1方向に変位させることによっ
て、縮径されるとともに、相互に近接する方向に引寄せ
られるので、摘出臓器31によって、第1および第2電
極線152,153のループ状部分152a,153a
が相互に離反する方向に押広げる抵抗力を受けても、こ
の抵抗力に抗し、第1および第2電極線152,153
のループ状部分152a,153aを確実にヘッドキャ
ップ151に支持させ、摘出臓器31を確実に分断する
ことができる。
【0052】さらに、第1および第2電極線152,1
53がヘッドキャップ151を挿通する位置は、前述の
ように仮想平面158上であるけれども、相互に距離L
2だけずれている。これによって、第1および第2電極
線152,153が相互に接触して短絡してしまうこと
を防止することができる。
【0053】また、本発明の実施のさらに他の形態とし
て、カッター61に代えて、図16に示すような略円形
状のカッター160を備えるようにしてもよい。これに
よって、刃先62の丸みを利用して摘出臓器31による
抵抗力を逃がして、切断しやすくすることができる。
【0054】さらに、本発明の実施のさらに他の形態と
して、カッター61に代えて、図17に示すような十字
形状のカッター165を備えるようにしてもよい。これ
によって、第1および第2電極線43,47間にわたっ
て設けられる第1カッター部166によって、カッター
61と同様に、第1および第2電極線43,47によっ
て切断されたスライス状の細切組織を、さらに切断でき
るとともに、第1カッター部166に交差して設けられ
る第2カッター部167によって、第1および第2電極
線43,47を、第1および第2電極線43,47が引
寄せられる方向に案内することができ、摘出臓器31の
組織の違いによる抵抗力の変化によって、第1および第
2電極線43,47が蛇行することを防止して、摘出臓
器31から平坦な切断面を有するスライス状の細切組織
を得ることができる。
【0055】図18は、本発明の実施のさらに他の形態
の臓器細切器300を示す断面図である。臓器細切器3
00は、臓器細切器30と類似の構成を有しており、対
応する部分には、同一の参照符号を付し、説明は省略す
る。
【0056】臓器細切器300は、第1および第2電極
線43,47に加えて、もう1つの第3電極線301を
有する。第3電極線301は、第1および第2電極線4
3,47と同様に、第2電極線47および第1電極線4
3が配置される仮想平面とほぼ平行な仮想平面上に配置
され、その両端部302a,302bが接続棒303に
連結され、ヘッドキャップ48に円錐台状の外周面から
中心軸線に向けて傾斜した方向に挿通し、ヘッドキャッ
プ48の外方で大略的に円形状に湾曲して、ループ状部
分301aを形成している。すなわち、各端部302
a,302bから成る基端部302を接続棒303に2
箇所304a,304bのかしめによって連結し、相互
に広がりながらヘッドキャップ48内を挿通し、ヘッド
キャップ48の外方でループ状部分301aを形成して
いる。第1〜第3電極線43,47,301のヘッドキ
ャップ48から挿通する位置は、相互にほぼ平行に配置
され、ヘッドキャップ48から突出して形成されるルー
プ状部分43a,47a,301aは外力が作用しない
自然状態において相互にほぼ平行な前記各仮想平面上に
配置されている。
【0057】各ループ状部分43a,47a,301a
は、第1電極線43のループ状部分43aを第2および
第3電極線47,301の各ループ状部分47a,30
1aによって挟むようにして、配置されている。各ルー
プ状部分43a,47aは間隔L11をあけて配置さ
れ、各ループ状部分43a,301aは間隔L12をあ
けて配置されている。各間隔L11,L12は、たとえ
ば2.5mmに選ばれている。
【0058】図19は、図18の切断面線XIX−XI
Xから見た簡略化した断面図である。管体36の第1部
分36a内は、隔壁306によって3つの空間307
a,307b,307cに仕切られ、各空間307a〜
307c内に各接続棒51,52,303が挿通されて
いる。接続棒303は、支持部53の挿通孔46cを挿
通し、接続線309を介して接続ピン310に電気的に
接続されている。
【0059】各接続ピン56,57,310は、ケーブ
ル80と類似したケーブルによって高周波電源部58に
電気的に接続される。第1および第2電極線43,4
7,301は、第1および第2電極線43,47間と第
1および第2電極線43,301間とが、たとえば0.
1秒またはそれ以下の短い周期で交互に印加されて、そ
れぞれ発熱する。前記高周波電源部58は、複数の電極
線が上記の図1〜図17の各実施の形態のように2本で
構成される場合には、各電極線43,47間に高周波電
圧を連続的に印加することができ、これによって各電極
線43,47の摘出臓器31に接触する部分を活性バイ
ポーラ対として発熱させることができ、また前記複数の
電極線が上記の図18および図19の実施の形態のよう
に3本で構成される場合には、上述のように複数の対電
極を第1および第2電極線43,47の第1対電極と、
第1および第3電極線43,301の第2対電極とによ
って構成し、これらの第1および第2対電極に交互に高
周波電圧を印加することができる。さらに複数の電極線
が4本以上で3対以上の対電極を構成する場合には、活
性バイポーラ対となる。電極線対をたとえば0.05〜
0.1秒程度の短い周期で順次的にまたは選択的に切換
えながら高周波電圧を印加することができる。
【0060】このような臓器細切器300は、操作部3
8の一度の操作によって、摘出臓器31を各電極線4
3,47,301によって3箇所で切断できるととも
に、切断刃61でさらに分割でき、電極線が2本の場合
と比べて、さらに切断効率が向上できる。他の形態とし
て電極線は4本以上であってもよい。
【0061】図20は、本発明の実施のさらに他の形態
の臓器細切器350のヘッドキャップ351付近を拡大
して示す斜視図である。臓器細切器350は、臓器細切
器30と類似の構成を有しており、対応する部分には同
一の参照符号を付し、説明は省略する。臓器細切器35
0は、第1〜第4電極線352,353,354,35
5を有する。
【0062】各第1〜第4電極線352〜355は、ヘ
ッドキャップ351から突出して、同一長のループ状部
分352a,353a,354a,355aをそれぞれ
有する。各ループ状部分352a〜355aは、管体3
6の軸線を含む仮想平面上にそれぞれ配置され、各ルー
プ状部分352a〜355aが配置される。仮想平面は
管体36の軸線に関して、管体36の軸線を中心に周方
向に約45°ずつずれており、第1および第2電極線3
52,353間に第3および第4電極線354,355
がそれぞれ挟まれるように第1および第2電極線35
2,353と第3および第4電極線354,355とが
交互に配置され、隣接している。
【0063】各ループ状部分352a〜355aのヘッ
ドキャップ351から最も離反した周方向中央部には、
カッター61と同様の材料から成るカッター360が設
けられる。カッター360は、刃先361を各ループ状
部分352a〜355aの内側に向けて八方へ放射状に
延び、各ループ状部分352a〜355aが個別に固定
されている。ヘッドキャップ351にはカッター360
が嵌まり込んで受容される凹所362が形成されてい
る。
【0064】各第1〜第4電極線352〜355は、対
をなす第1および第2電極線間352,354間と第3
および第4電極線353,355間とに、たとえば0.
1秒以下の周期で高周波電圧が交互に印加され、すべて
の電極線352〜355が摘出臓器31に接触している
部分が発熱する。このような臓器細切器350を用いる
ことによって、操作部38の一度の操作によって摘出臓
器91を8分割することが可能であり、切断効率が向上
される。
【0065】本発明の実施の他の形態として、各電極線
が管体36の軸線まわりの回転位置毎に隣接して設けら
れる構成において、複数の電極線は5本以上であっても
よい。
【0066】また、上述の形態において、各電極線4
3,152,352,353;47,153,301,
351,355は、各対を成す電極線43,152,3
52,353;47,152,301,354,355
間に高周波電圧を印加することによって発熱するように
構成されたけれども、本発明の実施のさらに他の形態と
して、各電極線に代えて、複数の発熱抵抗線を設けて、
各発熱抵抗線の両端部にそれぞれ通電して電圧を印加す
ることによって、各発熱抵抗線がそれぞれ発熱するよう
に構成してもよい。
【0067】各発熱抵抗線は、各電極線43,152,
352,353;47,153,301,354,35
5と同様にヘッドキャップから突出してループ状部分を
有している。各発熱抵抗線は、各電極線43,152,
352,353;47,153,301,354,35
5と同様の超弾性材料から成ることが望ましく、主とし
てニッケルおよびクロムを含む合金から成るいわゆるニ
クロム線によって実現されてもよい。またニクロム線に
代えて、白金やタングステンなどから成ってもよい。こ
のような各発熱抵抗線の各両端部が操作部材38に固定
されるとともに、各両端部間に電圧を印加することによ
って各発熱抵抗線に通電して発熱させることができ、し
たがって、上述の形態を同様に、筋などの切断しにくい
部位を焼灼して切断することができる。このような場
合、管体36は、耐熱性を有する材料から成り、各発熱
抵抗線が、管体36内に収納された状態で発熱しても、
管体36が熱によって損傷しないように構成される。そ
の他の上述の形態と同様の構成を有する部分は、説明は
省略する。
【0068】図21は本発明の実施のさらに他の形態の
臓器細切器170の一部を示す斜視図である。臓器細切
器170は、臓器細切器30と類似の構成を有してお
り、臓器細切器30と異なる部分についてだけ説明し、
他の同様の構成を有する部分には、同一の参照符号を付
し、説明は省略する。
【0069】臓器細切器170には、第1および第2電
極線43,47に代えて、第1線状体171および第2
線状体172を有する。第1および第2線状体171,
172は、前述の第1および第2電極線43,47と同
様に、超弾性合金から成り、両端部が操作部材38に固
定され、両端部間の中間部が管体36の軸線方向遊端部
41から突出され、同一長のループ状に部分171a,
172aが形成されている。図22に示すように、第1
線状体171のループ状部分171aのヘッドキャップ
48から最も離反した周方向中央には、第1線状体17
1に沿って延びる第1カッター175が設けられ、第2
線状体172のループ状部分172aのヘッドキャップ
48から最も離反した周方向中央には、第2線状体17
2に沿って延びる第2カッター176が設けられてい
る。さらに第1および第2カッター175,176間に
わたって、第3カッター177が設けられている。
【0070】このような臓器細切器170を用いても、
第1および第2線状体171,172によって、第1お
よび第2電極線43,47と同様に、摘出臓器31をス
ライス状に短時間で切断することができる。また、第1
および第2カッター171,172によって筋などの切
断しにくい部位も、容易にに切断することができる。し
たがって、このような機械的切断だけによる臓器細切器
170を用いても、上述の形態とほぼ同様に、摘出臓器
31の切断効率を向上することができるとともに、病理
学的検索に適した細切組織を得ることができる。
【0071】本発明の実施のさらに他の形態として、第
1および第2線状体を図18に示すように3層を成すル
ープ状部分を有するように構成してもよく、また、図2
0に示すように管体36の配線に関して周方向に隣接し
て設けられるループ状部分を有するようにしてもよい。
【0072】図23は、他の本発明の実施の一形態の臓
器細切装置200を示す断面図である。臓器細切装置2
00は、臓器細切器201と鉗子202とを含んで構成
される。臓器細切器201は、導電性材料から成る第1
および第2電極線203,204を有する。第1および
第2電極線203,204は、電気絶縁性の管体205
を挿通して操作部材206に固定されており、操作部材
206を矢符C1方向に移動させて、同一長のループ状
部分203a,204aを縮径することができる。この
ような臓器細切器201として、上述の臓器細切器30
を用いることが可能である。上述の形態と対応する部分
には、同一の参照符号を付す。
【0073】鉗子202は、摘出臓器31を把持する把
持部207が導電性材料から成り、この把持部207
は、電気絶縁性の管体208内を介して操作部材209
に連結されており、操作部材209によって、把持部2
08を操作して、摘出臓器31を把持することができ
る。第1および第2電極線203,204は、ケーブル
210によって、個別にまたは共通に高周波電源部58
に電気的に接続され、鉗子202の把持部207は、ケ
ーブル211によって高周波電源部58に電気的に接続
されて、電気的に接地されている。第1および第2電極
線203,204は鉗子202の把持部207が電気的
に接地された状態で、第1および第2電極線203,2
04と鉗子202の把持部207との間に高周波電圧を
印加することによって、摘出臓器31に接触して通電・
発熱する。
【0074】患者の腹腔42内において、ナイロン製で
あり、少なくとも内面がシリコン樹脂によって電気絶縁
被覆された前述したような摘出臓器収納袋221内に摘
出臓器31を収容した状態で、臓器細切装置200を用
いて摘出臓器31が細切される。腹壁32の各穿刺口3
3から、摘出臓器収納袋221のアクセス用筒部22
2,223がそれぞれ引出され、各アクセス用筒部22
2,223を介して、臓器細切器201および鉗子20
2がそれぞれ挿入されている。この状態で、鉗子202
によって摘出臓器31を把持し、第1および第2電極線
203,204のループ203a,204a内に摘出臓
器31を挿入し、操作部材206を移動させて第1およ
び第2電極線203,204のループ状部分203a,
204aを縮径して摘出臓器31を機械的に切断するこ
とができる。さらに、操作部材206の一度の操作によ
って摘出臓器31を複数箇所、本形態において2箇所で
切断することができ、従来のように1箇所で切断する場
合と比べて、短時間で細かく切断することができ、切断
効率を向上することができる。
【0075】また、第1および第2電極線203,20
4は、発熱することができ、機械的切断だけでなく、焼
灼して切断することができ、切断効率をより高くするこ
とができるとともに、筋などの切断しにくい部位も容易
に切断することが可能であり、これによっても切断効率
を向上することができる。
【0076】このような臓器細切装置200を用いるこ
とによって、第1および第2電極線203,204とし
て、通常ワイヤループカッターとして用いている金属線
を採用し、締付けて摘出臓器31に接触させて電極とし
て作用する面積を小さくすることによって、約200ワ
ット程度またはそれ以下の電力でも良好に切断できる。
この臓器細切装置200は、摘出臓器31から病理学的
検索を行うための細切組織を切り取った後の残余の部分
を細かく切断するのに適しており、短時間で細切するこ
とができる。また、電極線203,204に代えて、メ
ス先類を用いることも可能である。
【0077】また、本発明の実施のさらに他の形態とし
て、電極線は3本以上であってもよく、管体205の軸
線に関して周方向に隣接して設けられてもよい。
【0078】上述の臓器細切器30,100,150,
170および臓器細切装置200は、腹腔鏡および胸腔
鏡などの内視鏡下に限って用いる必要はなく、体外にお
いて摘出された臓器を切断する場合に用いてもよい。ま
た上述の形態において、操作部材38,206は、管体
36,205に挿入されたけれども、本発明の他の形態
として、管体36,205に外嵌するように構成しても
よい。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、操作部
材の一度の操作によって、摘出臓器を2箇所以上におい
て切断することができ、従来のように1箇所で切断する
場合と比べて短時間で、病理学的検索を行うための小片
を摘出臓器から分離することができ、切断効率が向上さ
れるとともに、病理学的検索に必要な部位を確実に切取
ることができる。しかも、筋などの切断しにくい部位
も、各電極線を発熱させて焼灼して容易に切断すること
ができ、切断効率をさらに向上することができる。しか
も各電極線の摘出臓器に接触した部分だけが発熱するの
で、管体などが加熱されることなく取扱いが容易にな
り、安全性にも優れている。さらにその上、第1および
第2電極線は相互にほぼ平行または管体の軸線に関して
周方向に隣接しており、臓器内の通電経路をほぼ一定に
して、各電極線間の抵抗値の変化をなるべく少なくで
き、これによって電流の管理・制御が容易になるととも
に、大きな摘出臓器を細切する場合であっても、小さい
電流によって切断することが可能であり、前記小片の組
織が熱によって破壊されることなく、切断することがで
き、小電力であって、経済性にも優れている。
【0080】さらに、各電極線を発熱させることなく、
機械的に切断することも可能である。特に、前記筋など
の切断しにくい部位だけを各電極線の発熱による焼灼に
よって切断するようにして、切断に要する電力量を小さ
くし、かつ迅速に切断してもよい。
【0081】請求項2記載の本発明によれば、各電極線
のループ状部分がヘッドキャップに支持された状態で、
切残しが生じてしまうことがないように、切断刃によっ
て確実に分断することができる。
【0082】請求項3記載の本発明によれば、各電極線
のループ状部分は、切断刃によってほぼ平行または管体
の軸線に関して周方向に隣接した位置で保持される。こ
れによって、たとえば組織の違いによって各電極線が不
所望に変位して切断面がずれてしまうことを防ぎ、ほぼ
均一の大きさの小片に分割することができる。したがっ
て、たとえば腹腔鏡下手術において、腹壁に形成された
瘡から小片を取出すことができずに、再度切断し直す不
具合を生ずることがない。特に各電極線がほぼ平行に設
けられる構成では、切断刃によって、各電極線間の間隔
が確実に一定に保たれる。これによって、確実に一定の
厚みを有し、病理学的検索に適した摘出臓器標本を得る
ことが容易な小片を分離することができる。また前記切
断刃によって、各電極線による切断とともに、さらに分
断することができ、切断効率をさらに向上することがで
きる。
【0083】請求項4記載の本発明によれば、管体の軸
線方向一端部側に装着されて、管体の軸線方向に移動自
在に操作部材が保持され、操作部材には、複数の発熱抵
抗線の基端部が固定されている。各発熱抵抗線は、遊端
部が管体内を挿通し管体の軸線方向他端部から突出して
ループ状部分が形成されている。操作部材を管体から離
脱する方向に移動させることによって、各発熱抵抗線を
移動させ、ループ状部分を縮径/拡大させることができ
る。
【0084】前記管体の軸線方向他端部にはヘッドキャ
ップが設けられ、このヘッドキャップには各発熱抵抗線
が個別に挿通し、操作部材を管体から離反する方向に移
動させたときに、ループ状部分が縮径してヘッドキャッ
プによって支持することができる。各発熱抵抗線は、各
両端部間に電圧を印加して通電することによって、発熱
させることができる。これによって、各発熱抵抗線のル
ープ状部分内に、たとえば遊離された摘出臓器を取込
み、各発熱抵抗線を発熱させながら、操作部材を管体か
ら離脱する方向に移動させ、各発熱抵抗線のループ状部
分を縮径させて、前記摘出臓器を切断することができ
る。各発熱抵抗線は、複数設けられるので、操作部材の
一度の操作によって、摘出臓器を2箇所以上において切
断することができ、従来のように1箇所で切断する場合
と比べて短時間で、病理学的検索を行うための小片を摘
出臓器から分離することができ、切断効率が向上される
とともに、病理学的検索に必要な部位を確実に切取るこ
とができる。
【0085】しかも、筋などの切断しにくい部位も、術
者が大きな力で操作部材を引張る必要がなく、各発熱抵
抗線を発熱させて焼灼して容易に切断することができ、
切断効率をさらに向上することができる。管体は、耐熱
性を有する材料からなり、各発熱抵抗線の発熱によって
損傷することがない。
【0086】さらに、各発熱抵抗線を発熱させることな
く、機械的に切断することも可能である。特に、筋など
の切断しにくい部位だけを各発熱抵抗線の発熱による焼
灼によって切断し、残余の部位は機械的に切断するよう
にして、切断に要する電力消費を少なくし、かつ迅速に
切断してもよい。
【0087】請求項5記載の本発明によれば、各発熱抵
抗線のループ状部分がヘッドキャップに支持された状態
で、切残しが生じてしまうことがないように、切断刃に
よって確実に分断することができる。
【0088】請求項6記載の本発明によれば、各発熱抵
抗線のループ状部分は、切断刃によって、ほぼ平行にま
たは管体の軸線まわりの所定の回転位置毎に配置され
る。これによって、たとえば組織の違いによって各発熱
抵抗線が切断中に不所望に変位して、切断面がずれてし
まうことを防ぎ、ほぼ均一の大きさの小片に分割するこ
とができる。したがって、たとえば腹腔鏡下手術におい
て、腹壁に形成された切開部から小片を取出すことがで
きずに、再度腹腔内で切断し直さなければならないとい
う不具合が生じない。特に各発熱抵抗線がほぼ平行に設
けられる構成では、切断刃によって、各ループ状部分の
間隔が一定に保たれる。これによって、確実に一定の厚
みの小片を切断し、病理学的検索に適した摘出臓器標本
を得ることができる。また前記切断刃によって、平行な
各発熱抵抗線による切断とともに、さらに切断すること
ができ、切断効率をさらに向上することができる。
【0089】請求項7記載の本発明によれば、ヘッドキ
ャップには、管体の軸線方向に垂直に延びる前記切断刃
を受容する凹所が形成されており、各電極線または各発
熱抵抗線を縮径して摘出臓器などを細切する際に、切断
刃が凹所に嵌まり込むことによって、各電極線または各
発熱抵抗線によって摘出臓器の確実に分離できないおそ
れのあるヘッドキャップ上の部分を、切断刃によって確
実に切断することができる。
【0090】請求項8記載の本発明によれば、管体の軸
線方向一端部側に装着されて管体の軸線方向に移動自在
に操作部材が保持され、操作部材には、複数の線状体の
基端部が固定されている。各線状体は、遊端部が管体内
を挿通して管体の軸線方向他端部から突出するループ状
部分が形成されている。操作部材を移動させることによ
って、各線状体を移動させ、各ループ状部分を縮径/拡
大することができる。前記管体の軸線方向他端部にはヘ
ッドキャップが設けられ、このヘッドキャップには各線
状体が個別に挿通し、操作部材を管体に対して離脱する
方向に移動させたときに、各ループ状部分が縮径してヘ
ッドキャップによって支持することができる。
【0091】各線状体のループ状部分内に、たとえば遊
離された摘出臓器を取込み、操作部材を管体から離脱す
る方向に移動させ、各線状体のループ状部分を縮径させ
て前記摘出臓器を機械的に切断することができる。さら
に線状体は複数設けられるので、操作部材の一度の操作
によって摘出臓器を2箇所以上において切断することが
でき、従来のように1箇所で切断する場合と比べて短時
間で、病理学的検索を行うための小片を摘出臓器から分
離することができ、切断効率が向上されるとともに、小
片が熱によって破壊されることなしに、病理学的検索に
必要部位を確実に切取ることができる。
【0092】請求項9記載の本発明によれば、電極線、
発熱抵抗線または線状体は、超弾性を有する材料から成
るので、たとえば操作部材を移動させてループ状部分を
縮径させても、永久歪みが生じていわゆる曲がり癖がつ
くおそれがなく、常に一定の信頼性の高い弾性回復力
で、ループ状部分を確実に拡径させることができる。
【0093】請求項10記載の本発明によれば、管体の
軸線方向一端部側に装着されて、管体の軸線方向に移動
自在に操作部材が保持され、操作部材には、複数の電極
線の基端部が固定されている。各電極線は、遊端部が管
体内を挿通して管体の軸線方向他端部から突出するルー
プ状部分が形成されている。操作部材を管体の軸線方向
に移動させることによって、各電極線を移動させ、各ル
ープ状部分を縮径/拡大させることができる。
【0094】前記管体の軸線方向他端部にはヘッドキャ
ップが設けられ、このヘッドキャップには各電極線が個
別に挿通し、操作部材を管体に対して離脱する方向に移
動させたときに、各ループ状部分が縮径してヘッドキャ
ップによって支持することができる。さらに、鉗子は導
電性材料から成る把持部を備えており、各電極線は、各
電極線および把持部間に高周波電圧を印加することによ
って、摘出臓器に接触した部分だけを活性電極として発
熱させることができる。
【0095】したがって、各電極線のループ状部分内
に、体内で遊離された摘出臓器を取込んで通電すると、
各電極線の臓器に接触した部分だけが発熱し、この状態
で操作部材を管体から離脱する方向に移動させると、各
電極線のループ状部分が徐々に縮径して、大きな力を要
さずに各電極線によって前記摘出臓器を切断することが
できる。さらに電極線は複数設けられるので、操作部材
の一度の操作によって、摘出臓器を2箇所以上において
切断することができ、従来のように1箇所で切断する場
合と比べて短時間で、病理学的検索を行うための小片を
摘出臓器から分離することができ、切断効率が向上され
るとともに、病理学的検索に必要な部位を確実に切取る
ことができる。
【0096】しかも、筋などの切断しにくい部位も、術
者が大きな力で操作部材を引張る必要がなく、各電極線
を発熱させて焼灼して容易に切断することができ、切断
効率をさらに向上することができるとともに、各電極線
の摘出臓器に接触した部分だけが発熱するので、管体な
どが加熱されることなく取扱いが容易になり、安全性に
も優れている。
【0097】さらに、各電極線を発熱させることなく、
機械的に切断することも可能である。特に、筋などの切
断しにくい部位だけを各電極線の発熱による焼灼によっ
て切断し、残余の部位は機械的に切断するようにして、
切断に要する電力消費を少なくし、かつ迅速に切断でき
るようにしてもよい。
【0098】請求項11記載の本発明によれば各電極線
は、超弾性を有する材料から成るので、たとえば操作部
材を移動させてループ状部分を縮径させても、永久歪み
が生じていわゆる曲がり癖がつくおそれがなく、常に一
定の信頼性の高い弾性回復力で、ループ状部分を確実に
拡径させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の臓器細切器30の一部
を腹腔内に挿入した状態を示す断面図である。
【図2】臓器細切器30を示す断面図である。
【図3】図2の切断面線III−IIIから見た断面図
である。
【図4】図2に示す状態から操作部材38を操作して各
ループ状部42,46を縮径した状態を示す断面図であ
る。
【図5】図4の左方から見て示す左側面図である。
【図6】図4の切断面線VI−VIから見た断面図であ
る。
【図7】図2のセクションVIIを拡大して示す断面図
である。
【図8】腹腔内に挿入された状態の臓器細切器30を示
す断面図である。
【図9】図8に示す状態から操作部材38を押圧して各
ループ状部42,46を拡径した状態を示す断面図であ
る。
【図10】臓器細切器30によって摘出臓器31を細切
する動作を説明するための断面図である。
【図11】細切された状態の摘出臓器31を示す斜視図
である。
【図12】本発明の実施の他の形態の臓器細切器100
の一部を拡大して示す断面図であり、(1)は、第1お
よび第2電極線43,47と、各接続棒51,52が接
続された状態を示し、(2)はその接続状態を解除した
状態を示す。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態の臓器細切器
150のヘッドキャップ151付近を拡大して示す斜視
図である。
【図14】ヘッドキャップ151付近を拡大して示す正
面図である。
【図15】ヘッドキャップ151付近を拡大して示す平
面図である。
【図16】本発明の実施のさらに他の形態のカッター1
60を示す斜視図である。
【図17】本発明の実施のさらに他の形態のカッター1
65を示す斜視図である。
【図18】本発明の実施のさらに他の形態の臓器細切器
300を示す断面図である。
【図19】図18の切断面線XIX−XIXから見て簡
略化して示す断面図である。
【図20】本発明の実施のさらに他の形態の臓器細切器
350のヘッドキャップ351付近を拡大して示す斜視
図である。
【図21】本発明の実施のさらに他の形態の臓器細切器
170を一部を示す斜視図である。
【図22】第1〜第3カッター175〜177付近を拡
大して示す斜視図である。
【図23】他の本発明の実施の一形態の臓器細切装置2
00を示す断面図である。
【図24】従来技術のスネア1によるポリープ2の摘除
動作を説明するための斜視図であり、(1)はスネア1
の電極線3内にポリープ2を取込んだ状態を示し、
(2)は電極線3を縮径している過程を示し、(3)は
電極線3によって茎5を絞扼した状態を示し、(4)は
スネア1によってポリープ2を持上げた状態を示し、
(5)はポリープ2が切除された状態を示す。
【図25】他の従来技術のスネア10を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
30,100,150,170,201 臓器細切器 31 摘出臓器 32 腹壁 33 穿刺口 34 外套管 35 サージグリップ 36 管体 38 操作部材 43,152,301,352,353 第1電極線 47,153,354,355 第2電極線 48,151 ヘッドキャップ 49 作動軸部 50 把持部 51,52 接続棒 58 高周波電源部 61,160,165,175〜177 カッター 62 刃先 63 凹所 171 第1線状体 172 第2線状体 200 臓器細切装置 202 鉗子 203,204 電極線 207 把持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 修 京都府京都市左京区聖護院川原町54 (72)発明者 寺地 敏郎 京都府京都市左京区聖護院川原町54 (72)発明者 新関 隆一郎 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株 式会社モリタ製作所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管体と、 管体の軸線方向一端部側に装着され、管体によって管体
    の軸線方向に移動自在に保持される操作部材と、 操作部材に基端部が固定され、遊端部が前記管体内を挿
    通して管体の軸線方向他端部から突出するループ状部分
    を有する導電性材料から成る複数の電極線と、各電極線
    が個別に挿通し、前記管体の軸線方向他端部に設けら
    れ、前記操作部材を管体に対して軸線方向に移動させた
    ときに、各電極線を案内する電気絶縁性材料から成るヘ
    ッドキャップとを含み、 各電極線間には、高周波電圧が印加されることを特徴と
    する臓器細切器。
  2. 【請求項2】 各電極線のループ状部分のヘッドキャッ
    プから最も離反した各周方向中央部に、電気絶縁性材料
    から成る切断刃をその刃先を各ループ状部分の内側に向
    けて固定したことを特徴とする請求項1記載の臓器細切
    器。
  3. 【請求項3】 各電極線のループ状部分は、相互にほぼ
    平行にまたは管体の軸線まわりの所定の回転位置毎に個
    別に配置されることを特徴とする請求項2記載の臓器細
    切器。
  4. 【請求項4】 耐熱性を有する材料から成る管体と、 管体の軸線方向一端部側に装着され、管体によって管体
    の軸線方向に移動自在に保持される操作部材と、 操作部材に基端部が固定され、遊端部が前記管体内を挿
    通して管体の軸線方向他端部から突出するループ状部分
    を有し、両端部間に電圧を印加することによって発熱す
    る複数の発熱抵抗線と、 各発熱抵抗線が個別に挿通し、前記管体の軸線方向他端
    部に設けられ、前記操作部材を管体に対して軸線方向に
    移動させたときに、各発熱抵抗線を案内する電気絶縁性
    材料から成るヘッドキャップとを含むことを特徴とする
    臓器細切器。
  5. 【請求項5】 各発熱抵抗線のループ状部分のヘッドキ
    ャップから最も離反した各周方向中央部に、電気絶縁性
    材料から成る切断刃をその刃先を各ループ状部分の内側
    に向けて固定したことを特徴とする請求項4記載の臓器
    細切器。
  6. 【請求項6】 各発熱抵抗線のループ状部分は、相互に
    ほぼ平行にまたは管体の軸線まわりの所定の回転位置毎
    に個別に配置されることを特徴とする請求項5記載の臓
    器細切器。
  7. 【請求項7】 前記ヘッドキャップは、管体の軸線方向
    に垂直に延び、前記切断刃を受容する凹所を有し、 前記切断刃の刃先は、前記管体の軸線に垂直に延びて形
    成されることを特徴とする請求項2,3,5および6の
    いずれかに記載の臓器細切器。
  8. 【請求項8】 管体と、 管体の軸線方向一端部側に装着され、管体によって管体
    の軸線方向に移動自在に保持される操作部材と、 操作部材に基端部が固定され、遊端部が前記管体内を挿
    通して管体の軸線方向他端部から突出するループ状部分
    を形成する複数の線状体と、 各線状体が個別に挿通し、管体の軸線方向他端部に設け
    られ、前記操作部材を管体に対して軸線方向に移動させ
    たときに、各線状体を案内するヘッドキャップとを含む
    ことを特徴とする臓器細切器。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の電極線、請求項2記載の
    電極線、請求項3記載の電極線、請求項4記載の発熱抵
    抗線、請求項5記載の発熱抵抗線、請求項6記載の発熱
    抵抗線、または請求項8記載の線状体は、超弾性を有す
    る材料から成ることを特徴とする臓器細切器。
  10. 【請求項10】 管体と、 管体の軸線方向一端部側に装着され、管体によって管体
    の軸線方向に移動自在に保持される操作部材と、 操作部材に基端部が固定され、遊端部を前記管体内を挿
    通して管体の軸線方向他端部から突出するループ状部分
    を有する導電性材料から成る複数の電極線と、各電極線
    が個別に挿通し、管体の軸線方向他端部に設けられ、前
    記操作部材を管体に対して軸線方向に移動させたとき
    に、各電極線を案内する電気絶縁性材料から成るヘッド
    キャップと、 導電性材料から成り、臓器を把持する把持部を有する鉗
    子とを含み、 各電極線および把持部間には、高周波電圧が印加される
    ことを特徴とする臓器細切装置。
  11. 【請求項11】 各電極線は、超弾性を有する材料から
    成ることを特徴とする請求項10記載の臓器細切装置。
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