JPH11502796A - 改良されたシール構造を備えたタンデム型マスタシリンダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 タンデム型マスタシリンダは、その二次ピストン（４）が支持面（４０）を有し、その面上を第１スプリング（８）と第２シール（４ｂ）との間に介在させられたリング（１０）がスライドし、このリングは、第２シール（４ｂ）に圧縮力を伝えるため二次ピストン（４）の肩部（４１）へ向けて第２シール（４ｂ）を押し戻し、この圧縮力は、スプリング（８）に及ぼされ、そしてそれによって伝えられる力に伴って変化する。本発明によれば、二次ピストン（４）は、第２シール（４ｂ）の方向へリング（１０）がスライドするのを制限している停止片（４２）を有し、この結果としてマスタシリンダのボア（１ａ）内における第２シール（４ｂ）のよりよいスライドをもたらし、そして、マスタシリンダの１次及び２次回路間のあらゆる圧力差はほとんど全部が減少となる。

Description

【発明の詳細な説明】 改良されたシール構造を備えたタンデム型マスタシリンダ装置 本発明は、ひとつの端部によって閉じられた本質的に円筒状のボアが穿設され た本体と、ボア内を密封構造でスライド可能な一次ピストン及び二次ピストンと 、一次及び二次ピストン間に画成され、この部屋がピストン間に第１の弾性力を 及ぼす少なくとも第１スプリングを包含し、その弾性力はこれらのピストンを互 いに分離させる傾向にある一次圧力室と、二次ピストン及び端部間に画成され、 この部屋が二次ピストン及び端部間に第２の弾性力を及ぼす少なくとも第２スプ リングを包含し、その弾性力はこの二次ピストンを端部から分離させる傾向の方 向に向けられている二次圧力室と、それぞれ一次ピストン及び二次ピストンによ って一次圧力室を密封するために押圧される第１シール及び第２シールと、第１ スプリングと第２シールとの間に介在させられ二次ピストンの支持面上をスライ ド可能に設置されると共に、第２シールに第１の弾性力に伴って変化する圧縮力 を伝えるために第２シールを二次ピストンの肩部に向けて押し戻すことができる リングと、を包含する液圧タンデム型マスタシリンダ装置に関する。 この型式のマスタシリンダ装置は、今日では非常に広範囲にわたって使用され ている。 タンデム型マスタシリンダ装置に共通して生じる問題は、二次室内の圧力が一 次室を支配している圧力のように可能なかぎり閉鎖されるように設計することで ある。 この問題を解決するために克服しなければならない難題のひとつは、ふたつの 要求の相反する特質にあり、すなわち一方では、シリンダと種々のシール、特に 第２シールとの間は、部屋間の圧力差を低減するために摩擦を低減する必要があ り、他方では、マスタシリンダ装置が出力できるだけの高い圧力でさえもシール が密封することを保証する必要がある。 本発明の目的は、このようなふたつの要求を同時に満足させることを可能にす るマスタシリンダ装置を提供することにある。 この結果、本発明のタンデム型マスタシリンダ装置は、本質的に、二次ピスト ンの支持面が、第２シールの圧縮を限定するために、リングのスライドを第２シ ールの方向に限定する停止片を有することを特徴としている。 さらに、本発明の好適な実施例によれば、リングはこの第２シールを指向して レリーフを押し、そしてこれらのレリーフを介してこの第２シールへ向かって進 む。 本発明の他の特質及び利点は、限定されることのない例として表わされた添付 図面を参照し、以下に与えられたその記載から明確に明らかとなるだろう。 図１は、本発明の教示や特質から利益を得る余地がある、従来技術のタンデム 型マスタシリンダ装置の断面図である。 図２は、図１の参照符号II−IIIにより指示された詳細の拡大断面図で、この 詳細は、先行技術の教示に基づいて生み出されたものである。 図３は、図１の参照符号II−IIIにより指示された詳細の拡大断面図で、この 詳細は、本発明に基づいて生み出されたものである。 図４は、図３のIV−IVを見た、同図の詳細の正面図である。 本発明のタンデム型マスタシリンダは、図２ないし４を参照して比較する方法 で後に詳しく述べられる単に非常に明確な点に関してのみ注目に値するので、図 １のマスタシリンダは全体から見て全てが公知のタンデム型マスタシリンダ装置 に似ており、そしてその記載は従って、当業者に公知でしかも本発明との関連性 がない詳細については重い負担をかけないだろう。 このタンデム型マスタシリンダ装置は、本質的に、軸方向へ円筒形状にボア１ ａが穿設された本体１を包含し、さらにこの本体１は、端部１ｂと、ボアが開口 するのと同じ側にボア１ａの密封をもたらす端部部材２ａ，２ｂ，２ｃとによっ て閉鎖されている。 ロッド３ａ及び第１シール３ｂを包含している一次ピストン３は、休止位置（ 図１が表わしている位置）から図１の休止位置の左側に位置している作動位置ま で、ロッド３ａに適用される力の強さに応じた距離だけ、ボア１ａ内を密封構造 でスライドする。 同様に、ロッド４ａと第２シール及び第３シール４ｂ，４ｃを包含している第 ２ピストン４が、このピストンが停止片５によって停止させられた休止位置（図 １の位置）からこのピストンが端部１ｂに接近した作動位置まで、ボア１ａ内を 密封構造でスライドする。 第１ピストン３及び第２ピストン４の間の中間体積６は一次液圧室を画成し、 そして第２ピストン４とボアの端部１ｂとの間に存在している体積７は二次液圧 室を画成している。 第１スプリング及び第２スプリング８，９はそれぞれ一次液圧室６及び二次液 圧室７に配設され、第１スプリング８はピストン３，４間に第１の弾性力を及ぼ し、この力はこれらふたつのピストンを互いに分離させる傾向にあり、そして第 ２スプリング９は二次ピストン４と端部１ｂとの間に第２の弾性力を及ぼし、こ の力はこの二次ピストンを端部から分離させる傾向の方向に向けられる。 最後に、従来技術（図１及び２）のように、第１スプリング８と第２シール４ ｂとの間に介在させられたリング１０は、二次ピストンの肩部４１に向けて第２ シール４ｂを押し戻し、この第２シール４ｂにスプリング８によって及ぼされた 弾性力につれて変化する圧縮力を伝達し、そしてこのためにますます効果的に、 一次室６内の圧力がより高い密封を提供するために、二次ピストンの支持面４０ 上にスライド可能に設置される。 しかしながら、図２に表わされた従来例によって提起された問題は、そして本 発明の不可欠な部分を形成することの実証は、スプリング８への荷重にあり、こ の荷重は非常に本質的な第２シール４ｂの軸方向の押しつぶしの故に最終制動段 階の間に大幅に増加し、そしてこのためにこのシールは非常に大きな円周方向の 膨張をし、この結果、このシールはボア１ａに向けて過度にこすりつけられ、そ して部屋６及び７間は本質的な圧力差の状態にある。 本発明（図３）によれば、この問題は、二次ピストン４の支持面４０がリング １０のスライドを第２シール４ｂの方向に制限する停止片４２を有するようにす ることで解決される。 さらに、本発明の好適な実施例（図４）によれば、リング１０は、第２シール ４ｂを指向する符号１１のようなレリーフを支持し、そしてこれらのレリーフ１ １を介してこの第２シール４ｂを押す。 このような装置のおかげで、このシール４ｂはボア１ａ内側に密封をもたらす ために十分な軸方向の変形に単に耐え、部屋６及び７間の圧力差は従って依然と してないに等しく、第２シール４ｂの耐久性は、変形が少なくボア１ａに向けて 強く押圧されないという事実によって大幅に改良され、そして一次圧力室６は、 ブレーキ液が、シール４ｂとリング１０との間を、レリーフ１１を通過して通り 過ぎる通路１２を介して、さらに容易に除去されることが可能になる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ −ひとつの端部（１ｂ）によって閉じられた本質的に円筒状のボア（１ａ） が穿設された本体（１）と、 −ボア（１ａ）内を密封構造でスライド可能な一次ピストン（３）及び二次ピ ストン（４）と、 −一次及び二次ピストン間に画成され、この部屋がピストン間に第１の弾性力 を及ぼす少なくとも第１スプリング（８）を包含し、その弾性力はこれらのピス トンを互いに分離させる傾向にある一次圧力室（６）と、 −二次ピストン及び端部間に画成され、この部屋が二次ピストン及び端部間に 第２の弾性力を及ぼす少なくとも第２スプリング（９）を包含し、その弾性力は この二次ピストンを端部から分離させる傾向の方向に向けられている二次圧力室 （７）と、 −それぞれ一次ピストン（３）及び二次ピストン（４）によって一次圧力室（ ６）を密封するために押圧される第１シール及び第２シール（３ｂ，４ｂ）と、 −第１スプリング（８）と第２シール（４ｂ）との間に介在させられ二次ピス トン（４）の支持面（４０）上をスライド可能に設置されると共に、第２シール （４ｂ）に第１の弾性力に伴って変化する圧縮力を伝えるために第２シール（４ ｂ）を二次ピストン（４）の肩部（４１）に向けて押し戻すことができるリング （１０）と、 を包含する液圧タンデム型マスタシリンダ装置において、 二次ピストンの支持面（４０）がリング（１０）のスライドを第２シール（４ ｂ）の方向に限定する停止片（４２）を有することを特徴とする液圧タンデム型 マスタシリンダ装置。 ２ リング（１０）は第２シール（４ｂ）を指向してレリーフ（１１）を支持し 、そしてこれらのレリーフ（１１）を介してこの第２シール（４ｂ）へ向かって 押すことを特徴とする請求項１記載のマスタシリンダ装置。