JPH11502533A - インターロイキン−10を用いる、特定の抗原に対する抗体応答を増強するための方法 - Google Patents

インターロイキン−10を用いる、特定の抗原に対する抗体応答を増強するための方法

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JPH11502533A JP8529431A JP52943196A JPH11502533A JP H11502533 A JPH11502533 A JP H11502533A JP 8529431 A JP8529431 A JP 8529431A JP 52943196 A JP52943196 A JP 52943196A JP H11502533 A JPH11502533 A JP H11502533A
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Abstract

(57)【要約】 ワクチンに対する哺乳動物の免疫応答を増強する方法であって、そのような哺乳動物に、ワクチンとともに有効量のIL-10を投与する工程を包含する、方法。有効量のIL-10、天然、合成、または組換え抗原、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 インターロイキン-10を用いる、特定の抗原に対する抗体応答を 増強するための方法 発明の背景 能動免疫化は、動物において免疫応答を引き起こすための、動物への抗原の投 与である。微生物に対するワクチンは抗原性の調製物である。これは、非免疫個 体に接種された場合、微生物に対する能動免疫を付与するが、疾患を引き起こさ ない。特異性および記憶(適応免疫系の2つの鍵となる要素)は、ワクチン化に おいて開発される。なぜなら、適応免疫系は、抗原との2回目の遭遇において非 常により強い応答を備えるからである。この2次免疫応答は、一次応答よりも早 く現れ、かつより効果的である。ワクチン開発の原理は、微生物またはその毒素 (天然の抗原)を、それらが抗原性を失うことなく無害になるように変化させる ことである。あるいは、問題の生物の抗原性ポリペプチドは、効果的なワクチン を産生する組換え法または合成化学によって産生され得る。 能動免疫化の間に頻繁に遭遇する1つの問題は、ワクチンに用いられる抗原が 、その後のチャレンジに対して保護を提供するに十分なレベルにまで抗体力価を 上昇させるに、または延長された期間にわたってこれらのレベルを備えるための 潜在力を維持するに十分な免疫原性ではないということである。別の問題は、ワ クチンが、細菌およびウイルス感染に対する一次免疫防御である細胞媒介免疫性 を誘導することにおいて不完全であり得ることである。さらに別の問題は、個々 の患者が、疾病または年齢に起因して免疫無防備状態であり得ることである。 より強力な液性および/または細胞性の応答を得るために、アジュバントを含 有する処方物でワクチンを投与することが一般的である。アジュバントは、抗原 に対する免疫応答を非特異的に増強するか、またはそうでなければアジュバント なしではその抗原に対して応答しない個体に抗原に対する応答を引き起こさせる 物質である。アジュバントは、通常、抗原とともに投与されるが、抗原投与の前 または後にも与えられ得る。 ワクチンアジュバントを開発する取り組みにおいて、Virgilら(J.Gen.Virol. 75: 55-63(1994))は、抗ウイルス免疫応答を調節するために、TNF-α、IL-1α 、IL-2、およびIFN-γの使用の可能性を調査した。Caoら(Vaccine 10: 238-42( 1992))は、IFN-β、IFN-γ、IL-2、およびTNF-αによる不活化インフルエンザ ウイルスワクチンの保護効果の増強の可能性を調査した。欧州特許出願公開公報 第0 578 278号は、IL-1αがワクチンの効果を増強するのに用いられ得ることを 開示している。 しかし、ワクチンおよびワクチン調製物の多くの進歩にも関わらず、非常に頻 繁に、ワクチンは、特に免疫無防備状態者および高齢者において所望される免疫 原性応答を与えない。例は、肺炎球菌ワクチンPnu-imune 23である。肺炎球菌の 肺炎は、現在、合衆国の細菌性肺炎の最も一般的な原因であり、そしてこの疾患 の割合は、高齢者、幼い子供、罹患しやすい条件(例えば、無脾症、慢性の心疾 患、肺疾患、および腎疾患、糖尿病)を有する患者、および遺伝性または後天性 の免疫抑制を患う患者において特に高い(Breimanら、Arch.Intern.Med.150: 1 401-1404(1990))。これらの群は、細菌性髄膜炎の最も一般的な原因である、血 液および中枢神経系への肺炎球菌の伝播のより大きな危険性にさらされている。 このワクチンは、免疫適格性成人において約75%の凝集効力を有するが、上に列 挙した高危険性群における適用範囲は討論されており、そして確かに大いに低い (Butlerら、J.Am.Med.Assoc.270: 1826(1993))。従って、高齢者および免疫 無防備状態者に免疫化効果を引き起こすためにワクチンと組み合わせて投与され 得るさらなる助力またはアジュバントが必要とされている。 発明の要旨 インターロイキン10が、効果的なワクチンアジュバントとしてこの必要性を満 たすことが驚くべきことに発見された。 従って、本発明は、ワクチンに対して哺乳動物の免疫応答を増強する方法を提 供する。この方法は、ワクチン接種の必要性を有する哺乳動物に効果的な量のIL -10をワクチンと組み合わせて投与することを含む。 好ましくは、処置される哺乳動物はヒトであり、そして利用されるIL-10は、 ヒトアロタイプのIL-10である。好ましい実施態様では、ヒトは免疫無防備状態 である。 本発明は、効果的な量のIL-10、天然の、合成の、または組換えの抗原、およ び薬学的に受容可能なキャリアを含有する、薬学的組成物をさらに提供する。 哺乳動物に対するIL-10の投薬は、好ましくは、皮下注射または静脈内注入に よって投与され、そして体重の1キログラム(kg)当たり1日当たり2〜150マ イクログラム(μg)の量である。最も好ましくは、IL-10投薬は、1キログラ ム体重当たり1日当たり2〜80マイクログラムの量である。あるいは、この哺乳 動物は、ワクチン接種の前の1〜4日の間、IL-10で前処置され、次いで、IL-10 治療を続けられる。好ましくは、IL-10は、体重の1キログラム当たり約2〜150 マイクログラム(μg)の量で、言及可能には、体重の1キログラム当たり2μ g〜80μgの量でワクチンと同時に、ワクチンの投与の1〜14日前または後に投与 される。 図面の簡単な説明 図1は、IL-10を投与されたマウスにおいてインビボで観察された、ヒツジ赤 血球に対する特異的一次脾臓プラーク形成細胞抗体応答における増大のグラフ表 示である。 図2は、IL-10を投与されたマウスにおいてインビボで観察された、ヒツジ赤 血球に対する特異的2次脾臓プラーク形成細胞抗体応答の増強のグラフ表示であ る。 図3は、インビボIL-10投与の後の老齢(22ヶ月)マウス(上部)対若い(4 〜5ヶ月)マウス(下部)におけるPnu-imune 23応答に対する脾臓プラーク形成 細胞応答における増大のグラフ表示である。 図4は、若い(上部)または老齢(下部)マウス由来の脾臓細胞を、種々の濃 度のIL-10およびPnu-imuneワクチンとともにインキュベートした場合に観察され たインビトロプラーク形成細胞濃度応答のグラフ表示である。 図5は、老齢のマウス由来の脾臓細胞を、変化する濃度のIL-10およびPnu-imu neワクチンとともにインビトロでインキュベートした場合のインビトロPFC結果 を示す。 図6は、老齢マウス由来の非分画細胞またはT細胞枯渇脾細胞を、Pnu-imune ワクチンの存在下でIL-10とともにインキュベートした場合のPFC応答におけるIL -10のインビトロ効果のグラフ表示である。 発明の詳細な説明 IL-10は、はじめは、Th1細胞によるインターフェロン-γのようなサイトカイ ンの産生を阻害し(Fiorentinoら、J.Exp.Med.170: 2081-2095(1989))、そし てIL-2およびIL-4に応答してマウス胸腺細胞の増殖を増強する(Sudaら、Cell.I mmunol.129: 228-240(1990))、Tヘルパー2(Th2)細胞産物として記載された 。引き続いて、IL-10は、単球/マクロファージの存在下で、ヒトT細胞およびT 細胞クローン(deWaal Malefytら、J.Exp.Med.174: 915-924(1991);Tagaおよ びTosato,J.Immunol.148: 1143-1148(1992))ならびにマウスT細胞クローン (DingおよびShevach,J.Immunol.148:3133-3139(1992))の増殖およびサイト カイン合成の両方を阻害することが見出された。 IL-10は、マウスTh2クローン、B細胞リンパ腫、T細胞、活性化肥満細胞株、 活性化マクロファージ、ケラチノサイト、およびCD5+B細胞によって通常産生さ れる(Fiorentinoら、J.Exp.Med.170: 2081-2095(1989); Mooreら、Science 24 8: 1230-1234(1990); O'Garraら、Int.Immunol.2: 821-832(1990); MacNeilら 、J.Immunol.145: 4167-4173(1990); Fiorentinoら、J.Immunol.147: 3815-38 21(1991); Hisatsuneら、Lympokine Cytokine Res.11: 87-93(1992); Linら、A nn.NY Acad.Sci.651: 581-583(1992))。 上に列挙したIL-10の効果に加えて、IL-10は、インビトロ実験モデルにおける Bリンパ球剌激特性の配置を保有することが報告されている。B細胞は、外来抗 原に応答して抗体を産生することによって、宿主免疫応答において重要な役割を 演じる。IL-10は、マウスの低密度(small dense)B細胞におけるクラスII主要 組織適合性複合体抗原の表面発現をアップレギュレートし(Fei Goら、J.Exp.Me d.172: 1625-1631(1990))、活性化ヒト扁桃腺B細胞の増殖を増大し、そして 免疫グロブリンM(IgM)、IgG1、IgG3、およびTGFβと協同してIgA(Defrance ら、J.Exp.Mcd.175:671-682(1992); Bricreら、J.Exp.Med.179:757-762(1994) )を分泌し得る抗体分泌細胞へのそれらの分化を誘導する(Roussetら、Proc.Na tl.Acad.Sci.USA 89: 1890-1893(1992))ことが見出された。IL-10はまた、異 なるサイトカインの存在下で免疫グロブリン産生を差別的に調節することが見出 された(Pencanhaら、J.Immunol.148: 3427-3432(1992))。誕生から8週まで のマウスへの抗-IL-10抗体のインビボ投与は、血清IgMおよびIgA、ならびに2つ の細菌性抗原に対するインビボ抗体応答を減少させ、血清IgG2aおよびIgG2bレベ ルを増大させ、そして腹膜のCD5+B細胞の生成および機能を障害した(Ishidaら 、J.Exp.Med.175: 1213-1220(1992))。抗-IL-10投与のこれらのインビボ効果 は、内因性インターフェロンγレベルの増大に起因していた。 IL-10がインビトロでポリクローナル免疫グロブリンレベルを誘導し得ること を示す証拠のこの集団にも関わらず、今日までインビボまたはインビトロで抗原 特異的抗体応答を増強するIL-10の能力について報告はされていない。特定の外 来抗原に対する特異的抗体の産生は、免疫系の初期応答の1つであり、そしてど のくらい迅速に感染性因子が宿主から除去されるかを決定することにおいて重要 な因子である。本発明者らは、インビボおよびインビトロのIL-10投与がマウス の2つの異なる抗原(すなわち、ヒツジ赤血球および肺炎球菌のワクチンPnu-im une23)への抗原特異的抗体応答を増強することを見出した。IL-10のPnu-imune2 3に対する液性応答を増強する能力は特に興味深い。なぜなら、肺炎球菌の肺炎 は、現在、合衆国の細菌性肺炎の最も一般的な原因であり、そしてこの疾患の割 合は、高齢者、幼い子供、罹患しやすい条件(例えば、無脾症、慢性の心疾患、 肺疾患、および腎疾患、糖尿病)を有する患者、および遺伝性または後天性の免 疫抑制を患う患者において特に高い(Breimanら、Arch.Intern.Med.150: 1401- 1404(1990))からである。これらの群は、細菌性髄膜炎の最も一般的な原因であ る、血液および中枢神経系への肺炎球菌の伝播のより大きな危険性にさらされて いる。このワクチンは、免疫適格性成人において約75%の凝集効力を有するが、 上に列挙した高危険性群における適用範囲は討論されており、そして確かに大い に低い(Butlerら、J.Am.Med.Assoc.270: 1826(1993))。 以下の実施例の結果は、IL-10が、老齢マウスにおける肺炎球菌ワクチンに対 する抗体応答を若いマウスにおいて観察されたレベルまで回復することを示す。 従って、IL-10は、免疫抑制された患者、老齢者、および低ガンマグロブリン血 症を患う患者において液性免疫応答を増大することに用いられ得る。 従って、本発明は、ワクチンに対する哺乳動物の免疫応答を増強する方法を提 供する。この方法は、ワクチン接種の必要性を有する哺乳動物にワクチンと組み 合わせて有効量のIL10を投与することを含む。本明細書で用いられる用語「組み 合わせて」は、ワクチンの投与と同時の、投与前の、または投与後のIL-10の投 与を言う。 本明細書で用いられる「インターロイキン-10」または「IL-10」は、ヒトIL-1 0(h IL-10)またはマウスIL-10のいずれかであり得る。ヒトIL-10は、(a)1992 年7月20日に出願された米国特許出願第07/917,806号(これは国際出願第PCT/US 90/03554、公開番号第WO 91/00349号)に開示されるような成熟(すなわち、分 泌リーダー配列を欠失している)hIL-10の既知の配列と実質的に同一のアミノ酸 配列を有し、そして(b)天然のhIL-10と共通する生物学的活性を有するタンパク 質として定義される。 IL-10は、このタンパク質を分泌し得る活性化T細胞の培養培地から入手され 得る。しかし、優先的には、IL-10ポリペプチドをコードする単離された核酸を 用いる組換え技術によって入手される。分子生物学の一般的な方法は、例えば、 Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor P ublish.,Cold Spring Harbor,New York,第2版 1989、およびAusubelら(編 )Current Protocols in Molecular Biology,Green/Wiley,New York(1987およ び定期的補遺)に記載されている。適切な配列は、ゲノムまたはcDNAライブラリ ーのいずれかから入手され得る。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術が用いられ 得る。例えば、PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications,1990、 Innisら(編)、Academic Press,New York,New Yorkを参照のこと。 ライブラリーは、適切な細胞から抽出された核酸から構築される。例えば、国 際出願公開第WO 91/00349号(これはIL-10を作製するための組換え法を開示して いる)を参照のこと。有用な遺伝子配列は、例えば、種々の配列データベース( 例えば、核酸についてはGen BankおよびEMBL、そしてタンパク質についてはPI RおよびSwiss-Prot、c/o Intelligenetics,Mountain View,California,また はGenetics Computer Group,University of Wisconsin Biotechnology Center ,Madison,Wisconsin)において見出され得る。 ヒトIL-10(hIL-10)をコードする配列を含むクローンが、American Type Cul ture Collection(ATCC)、Rockville,Marylandに、受託番号68191および68192 の下で寄託されている。IL-10をコードする配列を保有する他のクローンの同定 は、核酸ハイブリダイゼーション、または発現ベクターが用いられる場合は、コ ードされるタンパク質の免疫学的検出のいずれかによって実施される。寄託され た配列に基づくオリゴヌクレオチドプローブは、国際出願公開第WO 91/00349号 に開示されている。この配列の同定に有用なオリゴヌクレオチドプローブはまた 、他の種の関連する遺伝子の保存された領域から調製され得る。あるいは、IL-1 0のアミノ酸配列に基づく縮重プローブが用いられ得る。 種々の発現ベクターが、IL-10をコードするDNAを発現させるために用いられ得 る。原核生物細胞または真核生物細胞における組換えタンパク質の発現に用いら れる習慣的なベクターが用いられ得る。好適なベクターとしては、Okayamaら、M ol.Cell.Bio. 第3巻: 280-289(1983);およびTakebeら、Mol.Cell.Biol. 第8 巻: 466-472(1988)に記載されているpcDベクターが挙げられる。他のSV40に基づ く哺乳動物発現ベクターとしては、Kaufmanら、Mol.Cell.Biol. 第2巻: 1304-1 319(1982)、および米国特許第4,675,285号に開示されているベクターが挙げられ る。これらのSV40に基づくベクターは、COS7サル細胞(ATCC第CRL 1651号)、な らびにマウスL細胞およびCHO細胞のような他の哺乳動物細胞において特に有用 である。 標準的なトランスフェクション法が、大量のポリペプチドを発現する真核生物 細胞株を産生するために用いられ得る。本発明のプロセスは、真核生物細胞によ って発現されたIL-10を、このタンパク質が発現された細胞上清から精製するた めのプロセスである。真核生物細胞株としては、哺乳動物、酵母、および昆虫細 胞株が挙げられる。代表的な哺乳動物細胞株としては、COS-7細胞、マウスL細 胞、およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。Sambrookら 、前出、およびAusubelら、前出を参照のこと。生物学的に活性なIL-10を精製す る ための方法は、国際特許出願公開第WO 94/20525号に記載されている。 アジュバント活性は、そうでなければワクチンに対して全く応答しない個体で の免疫応答の発生による、免疫媒介保護の顕著な増大によって証明される。液性 免疫の増強は、代表的には、抗原に対して惹起される抗体の力価の顕著な増大に よって証明される。 本発明によれば、哺乳動物は、特定の抗原に対して特異的な抗体の量を増大さ せるために、示されたワクチン抗原による処置と同時または処置の前に有効量の IL-10を投与される。投与されるワクチンの量は製造業者の指示に従う。有効量 のIL-10は、特定の抗原に対する抗体の量を増大させる任意の量として定義され る。本発明に従って投与されるIL-10の有効量に関して、本明細書中で用いられ る用語「有効量」は、ワクチンがIL-10を伴わずに投与された場合よりも感染性 因子からの増大した保護を提供するに十分な抗体レベルの増大をもたらすIL-10 の量を意味する。好ましくは、この増大は、少なくとも25%の増大である。好ま しくは、哺乳動物は、ヒト供給源由来のIL-10(すなわち、E.coliまたはCHO細 胞から組換え技術によって産生されたヒトIL-10)で処置される。哺乳動物に対 する投与量は、皮下注射または静脈内注入によって投与され、そして体重の1キ ログラム当たり1日当たり2〜150μgの量である。好ましくは、投与量は、1 キログラム体重当たり1日当たり2〜80μgの量であり、そして最も好ましくは 2〜25μgである。 投与の量、頻度、および期間は、種々の要因に依存して変化する。これらの要 因としては、血清抗体のレベル、患者の年齢、栄養などが挙げられる。投与は、 最初は1日毎であり、そして患者の生存期間を通して継続され得る。投与量およ び頻度は、最初のスクリーニングの間に決定され得、そして応答の大きさにおけ るIL-10の量が決定され得る。 抗原特異的抗体応答を補完するために、他の生物学的および/または薬学的に 活性な化合物と組み合わせてIL-10を投与することは有用であり得る。例えば、 B細胞応答を増強することが示されている他の因子(例えば、インターロイキン -4、インターロイキン-7、インターロイキン-13、またはインターロイキン-14) と組み合わされ得る。さらに、ワクチン抗原は、他のアジュバントの存在下で投 与され、なおさらに応答をブーストし得る。 ワクチンと組み合わせたIL-10の投与を提供するための本発明の方法は、以下 の利点を有する。投与されるべきワクチンの全抗原負荷が減少され得る。なぜな ら、IL-10の存在下でのより少ない抗原は、通常量のワクチンの投与によって達 成されるのと少なくとも等価な免疫学的応答を誘発するからである。より少ない 抗原が、本発明に従うIL-10の投与によるワクチン接種当たりに必要とされるの で、現在使用されているいくつかのワクチンに関与する所望されない副作用の可 能性が減少される。 ワクチン接種に対して不十分に応答する所定のタイプの個体の免疫応答は、ワ クチンと組み合わせてIL-10を投与することによって増強される。本発明の方法 から利益を受けるはずである個体のタイプは以下を含む。(1)疾病または年齢 に起因して、障害された免疫応答性を有するタイプ(例えば、55歳またはそれ以 上のヒト);(2)正常であるように見えるが、それにも関わらず、所定のワク チンに対して非応答性である個体、ならびに;(3)放射線または化学療法のよ うな免疫抑制治療を受けている個体。 このように、本発明者らは、(1)ワクチン中に存在する抗原に対して哺乳動 物において効果的な一次免疫応答を増強する;(2)ワクチン中の抗原に曝され た哺乳動物中の抗体の有効レベルを増強する(ここでIL-10の投与を伴わない哺 乳動物による免疫応答は、疾患を防止するのに十分には強力でないか、または十 分には迅速でない)ための効果的な方法を発見した。 本発明による使用に意図されるワクチンは、細菌性ワクチン、トキソイドワク チン(不活化トキシン)、およびウイルス性ワクチン、または能動免疫化に使用 されるそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。例えば、タイトル「Im munizing Agents」Reminton's Pharmaceutical Sciences 第14版、1990 Mack Pu blishing Co.1426-1441頁の75章、および米国Food and Drug Administrationに よって承認され、そしてPhysician's Desk Reference 第46版、1992の208〜209 頁(Product Category Index)に列挙された抗毒素、トキソイド、ワクチン、お よび生ワクチンを参照のこと。適切な細菌性ワクチンは、以下の疾患の実体また は状態に対する細菌性ワクチンを含む:コレラ、百日咳、ペスト、腸チフス、髄 膜炎、肺炎球菌性肺炎、B型H.influenzae、ライ病、淋病、B群髄膜炎菌、およ びB群連鎖球菌、グラム陰性敗血症、E.coli敗血症、およびPseudomonas aerugi nosa。適切なトキソイドは、ジフテリアトキソイド、ボツリヌストキソイド(to xid)、および破傷風トキソイドを含む。適切な「複合抗原」は、Connaught Lab oratories,Inc.Swiftevater,PA 18370から入手可能であるような、ジフテリ アおよび破傷風トキソイド、3種抗原(ジフテリア、百日咳、および破傷風トキ ソイド)を含む。 さらに、IL-10は、代表的には、「弱い」と思われる(すなわち、レベル、程 度、および/または持続時間に関して減少した保護を提供する)ワクチンによっ て供与される保護を増強するために用いられる。このようなワクチンの例は、Bo rdetella細菌ワクチン、Escherichia coli細菌ワクチン、Haemophilus細菌ワク チン、Leptospirosis細菌ワクチン、Moraxella bovis細菌ワクチン、Pasteurell a細菌ワクチン、およびVibrio fetus細菌ワクチン、および肺炎球菌ワクチンの ような細菌ワクチンである。 IL-10は、ワクチンと組み合わせて投与され得るが、通常、ワクチンと別々に 投与される。IL-10がワクチンと組み合わされる場合、投与される組成物は、所 定の病原体または抗原に対して特異的な応答を誘発するのに効果的である免疫原 、薬学的に受容可能なワクチンキャリア、および免疫強化量のIL-10を含有する 。IL-10の投与は、皮下、静脈内、非経口的、筋肉内、または任意の他の受容可 能な方法であり得る。好ましくは、IL-10は、ワクチンの投与の前に、そしてワ クチンが投与されるべき部位と同じ部位に投与される。上記投与量形態によって 意図される処方物および薬学的組成物は、慣習的な技術を用いて、慣習的な薬学 的に受容可能な賦形剤および添加剤とともに調製され得る。他のアジュバントは 、ワクチンとともに、またはIL-10と一緒にのいずれかで投与され得る。 複数用量のワクチンが、ある期間にわたって投与されるべきである場合、さら なるIL-10は、その後のワクチンの各用量と組み合わせて投与され得る。その後 の各用量のワクチンとともに投与されるIL-10の量は、ワクチンの最初の用量と 組み合わせて投与されるIL-10の量より多いか、同じか、またはより少なくあり 得る。その後の各用量のワクチンとともに投与されるIL-10の量は、最初の用量 のワクチンの後の患者の抗体応答に依存する。 投与されるべきIL-10の溶液は、凍結乾燥された粉末から再構築され得、そし てそれらは、保存緩衝液、分散剤などをさらに含有し得る。好ましくは、IL-10 は、通常皮下注射に利用される任意の等張媒体(例えば、保存剤非含有滅菌水) とともに再構築される。 ワクチンの免疫応答を増強することにおけるIL-10の効果を、以下の非限定的 なデータによって説明する。これは、開示の範囲を限定すると解釈されるべきで はない。 実施例1 ヒツジ赤血球(SRBC)に対する一次抗体応答におけるインビボでのIL-10処置 の効果を決定するために、IL-10を若齢DBA/2マウスに腹腔内注射により1日当た り0.3、3、または10μgで5日間投与した。コントロールマウスに、ビヒクルの み(10mM Tris、pH7.4)を受容させた。IL-10またはビヒクルの最初の注射の2 〜4時間後、マウスに20%、2%、または0.2%vol/vol希釈のSRBCの静脈内注射 (0.2ml)を行なった。 5日後、無傷の脾臓を採り、脾臓をDulbeccoのリン酸緩衝化生理食塩水中で5 mlシリンジプランジャーの平滑末端を用いてつぶして粉砕し、そして75μMナイ ロンメッシュを通すことにより、各マウス由来の脾臓細胞を調製した。脾臓細胞 を計数し、そしてそれらの生存率をトリパンブルー色素排除により決定した。 脾臓のプラーク形成細胞抗体応答を測定するために、本来JerneおよびNordin (Science 140: 405-407(1963))により記載された手順を若干改変して用いた。 簡単に説明すると、50μl中200,000個の脾臓細胞を、200μlの1% w/v SeaPlaq ue Agarose溶液および50μlの50% v/v SRBC溶液を含有する、予め42℃でインキ ュベートしたチューブに添加した。チューブを手でボルテックスし、そしてスラ イドガラスの中央に内容物を注ぎ、そしてスライドの3分の2にわたって広げた 。5〜10分間の風乾後、スライドを反転し、RPMI 1640培地を満たしたプラーク トレイに配置し、そして加湿チャンバー中で37℃、5% CO2にて1時間インキュ ベートした。次いで、スライドをブロット(blotted)して過剰な液体を乾燥さ せ、 そして冷RPMI 1640中に1:50で希釈したモルモット補体を含有する新しいプラ ークトレイに配置した。加湿チャンバー中で37℃、5% CO2にて4時間インキュ ベートした後、スライドを注意深く取り出し、過剰な液体をブロットし、そして RPMI 1640を含有する別のプラークトレイ中で4℃にて一晩インキュベートした 。翌日、拡大鏡およびManostatコロニーカウンターを用いてプラークを計数し、 そしてプラークの数を100万個の脾臓細胞に対して正規化した(normalized)。 結果は、図1に示すように、1日当たり0.3〜10μgのIL-10を用いたDBA/2マウ スのインビボ処置が、20%のヒツジ赤血球(上段)または0.2および2%のSRBC (下段)を用いて免疫した後の100万個の脾臓細胞当たりのPFCの数において統計 的に有意な増大をもたらしたことを示す。 実施例2 SRBC抗原に対する二次IgG応答におけるIL-10の効果を実証するために、DBA/2 マウスにSRBCを4週間の間をあけて2回静脈内注射し、そして上記のように2回 目の免疫の時点でIL-10処置を開始した。 間接的PFC応答を、上記のJerneスライド法のさらなる改変法(Nordinら,J.Im munol.103: 859-863(1969))によって、2回目の注射の5日後に測定した。ス ライドのさらなるセットをそれぞれの動物について調製し、直接アッセイにおけ るようにRPMI 1640中で1時間インキュベートした。次いで、スライドを、新し いプラークトレイ上に配置し、そして0.5mg/mlコンカナバリンAとともにインキ ュベートしてIgM活性をブロックした。2時間インキュベートした後、これらの スライドをD-PBS中でリンスし、そして100μg/mlウサギ抗マウスIgGを含有する 新しいプラークトレイ上に1時間配置した。次いで、スライドをモルモット補体 を含有する新しいプラークトレイに3時間移した。次いで、これらを計数する場 合、スライドをブロットし、そして翌日まで4℃で保存した。図2に示すように 、2回目の免疫の時点で3μgのIL-10を用いた処置は、ビヒクルで処置したマウ スと比較して、100万個の脾臓細胞当たりのPFCの数において統計的に有意な増大 をもたらした。 同時に、図1および2に示した結果は、インビボでのIL-10処置がSRBC抗原に 対する一次抗体応答および二次抗体応答の両方を顕著に増強することを示す。 実施例3 IL-10処置がまた、多糖ワクチンPnu-imune 23に対する抗体応答を増強し得る か否かを決定するために、若齢(4〜5月齢)および老齢(22月齢)のBALB/cマ ウスを、11.5μgのPnu-imuneワクチンを用いて腹腔内注射により免疫し、そして IL-10またはビヒクルを用いて腹腔内注射により毎日処置した。 Pnu-imune 23を用いた免疫の5日後、マウスを屠殺し、そして脾臓細胞を上記 のように単離した。Pnu-imune抗原に対するPFC応答を、以前に記載(Gargおよび Subbarao,Infect.Immunity 60: 164-169(1992))されたようにアッセイした。 SRBCを、生理食塩水中で3回洗浄し、そして塩化クロム(CrCl3)の存在下でPnu -imuneワクチンに結合させた。次いで、結合したSRBCを、3回洗浄して全ての遊 離ワクチンおよびCrCl3を除去した。直接的PFCアッセイを上記のように行った。 いくつかの実験において、SRBCを、同じ濃度のCrCl3を用いてウシ血清アルブミ ンに結合させ、本発明者らにより以前に示された(GargおよびSubbaro,Infect. Immunity 60: 164-169(1992); Garg,KaplanおよびBondada J.Immunol.152: 15 89-1595(1993))ように、測定されるPFC応答がワクチン特異的であることを確実 にした。 図3に示すように、IL-10は、若齢マウスにおける応答に対しては何の効果も なかったが、老齢マウスにおいてはワクチンに対するPFC応答を顕著に増強した 。0.3μgのIL-10の用量が、老齢マウスにおけるワクチン応答を増大させるのに 最適であった。 実施例4 IL-10のインビボ効果がインビトロ培養系において再現されて、ワクチン応答 の細胞的要件を定義した(Garg,KaplanおよびBondada J.Immunol.152: 1589-1 595(1993))。これらの研究では、免疫マウス(老齢および若齢)由来の脾臓細 胞を上で詳述したように単離し、次いで以前に記載された(Mosier J.Immunol.1 27: 1490-1494(1981))ように、10%ウシ胎児血清、トランスフェリン、イン スリン、および微量の因子を補充した、Iscove改変Dulbecco改変Eagle培地とHam F-12培地との1:1混合物中で培養した。 様々な用量のPnu-imune 23ワクチンおよびIL-10を培養の開始時点で添加し、 そして細胞を37℃、5% CO2にて、加湿雰囲気中で5日間インキュベートした。 ワクチン特異的PFCの数を、上記のように計数した。以前の研究は、ワクチンと 結合したSRBCが、ワクチンを含む21〜23の多糖に対するPFC応答の検出において 有効であることを示した(Garg,KaplanおよびBondada J.Immunol.152: 1589-1 595(1993))。老齢マウス由来の脾臓細胞のこのワクチンに対してPFC応答を生じ る能力は、特に、これらのインビトロ培養条件下では十分に発揮されない。 図4に示すように、25および50 U/mlのIL-10(これらは、それぞれ6および12 μg/mlと等価である)は両方とも、0.1μgのPnu-imune 23を用いて処置した老齢 マウス由来の脾臓細胞の培養物に対するPFC応答を復元し得、そして10〜50 U/ml の全ての濃度のIL-10は、0.01μgのPnu-imuneに対する老齢マウス由来の脾臓細 胞の反応を復元し得た。対照的に、若齢マウス由来の脾臓細胞のPFC応答のベー スラインは、老齢マウスの応答よりかなり高く、そして試験した全ての濃度のIL -10はこの応答に何の効果もなかった。 さらなる研究は、図5に例示したように、1〜100 U/mlのIL-10(これらは、 それぞれ0.25および25μg/mlと等価である)が、培養において1〜100ngのワク チンに対する老齢マウス由来の脾臓細胞のPFC応答を顕著に増強し得たことを示 す。これらの結果は、IL-10が、老齢マウス由来の脾臓細胞の培養物においてPnu -imune 23ワクチンに対する抗体応答を顕著に増強し得ることを示す。この増強 は、若齢マウスにおいて通常観察されるレベルまでの応答の復元をもたらすよう である。 実施例5 ワクチンに対する抗体応答を増強/復元する際のIL-10の効果をさらに理解す るために、IL-10がTリンパ球の非存在下でPFC応答を増大させる能力を評価した 。老齢マウス由来の脾臓細胞を特異的なT細胞表面マーカー(Thy1.2、CD4、お よびCD8)に対する抗体およびウサギ補体を用いて処置し、応答する集団に由来 す るT細胞を除去した。得られた集団のコンカナバリンAに誘導された増殖応答は 、T細胞涸渇の後に95%まで減少した。これは、T細胞がほぼ完全に除去された ことを示す。 図6に示すように、これらのT涸渇脾臓細胞は、無傷の脾臓調製物と同様の様 式でIL-10を補充した場合、Pnu-imuneワクチンに応答した。これらのデータは、 老齢マウスにおけるIL-10のアジュバント効果が、Tリンパ球の絶対的な存在を 必要としないことを示唆する。IL-10は、B細胞に直接作用して、ワクチンに対 するそれらの増殖および/または分化応答を促進し得る。あるいは、IL-10は、 応答集団においてマクロファージまたは樹状細胞に影響し得、従ってB細胞応答 を間接的に増強する。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ワクチンに対する哺乳動物の免疫応答を増強する方法であって、予防接種を 必要とする哺乳動物に、ワクチンとともに有効量のインターロイキン10(IL-10 )を投与する工程を包含する、方法。 2.前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。 3.前記哺乳動物が免疫無防備状態である、請求項1に記載の方法。 4.前記哺乳動物が、加齢のために免疫無防備状態である、請求項3に記載の方 法。 5.前記IL-10が2〜150μg/体重kgの量で投与される、請求項1に記載の方法 。 6.前記IL-10が2〜80μg/体重kgの量で投与される、請求項5に記載の方法。 7.前記IL-10が25μg/体重kgの量で投与される、請求項5に記載の方法。 8.前記IL-10が、ワクチンの投与2〜4日前に投与される、請求項1に記載の 方法。 9.前記ワクチンが細菌性ワクチンである、請求項1に記載の方法。 10.前記ワクチンが肺炎双球菌ワクチンである、請求項1に記載の方法。 11.ワクチンに対する哺乳動物の免疫応答を増強する方法であって、ここで、 該哺乳動物が加齢のために免疫無防備状態であり: ワクチンとともに、免疫応答を増強する量のインターロイキン10(IL-10)を 該動物に投与する工程を包含する、方法。 12.前記IL-10が2〜150μg/体重kgの量で投与される、請求項11に記載の 方法。 13.投与されるIL-10の量が2〜80μg/体重kgである、請求項12に記載の方 法。 14.前記哺乳動物がヒトである、請求項11に記載の方法。 15.前記IL-10が、ワクチンの投与2〜4日前に投与される、請求項11に記 載の方法。 16.免疫学的増強量のインターロイキン10(IL-10);およびワクチンを含む 、薬学的組成物。 17.前記IL-10が徐放性製剤内に含まれる、請求項16に記載の薬学的組成物 。 18.ワクチン内の抗原に対する哺乳動物の免疫原性応答を増強するためのキッ トであって、インターロイキン10(IL-10)、およびその薬学的に受容可能なキ ャリアの薬学的組成物の容器;ならびにワクチンの容器を含む、キット。 19.前記IL-10が徐放性製剤内に含まれる、請求項18に記載のキット。 20.前記ワクチンが肺炎双球菌ワクチンである、請求項18に記載のキット。 21.ワクチンに対する哺乳動物の免疫応答を増強する薬物の製造のためのIL-1 0の使用。 22.前記IL-10がヒトIL-10である、請求項1〜21のいずれかに記載の方法、 薬学的組成物、キットまたは使用。
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