【発明の詳細な説明】
発明の名称
可溶性フッ素化ポリ−p−フェニレン
発明の分野
本発明は、パーフルオロアルコキシ−およびパーフルオロアルキル−置換され
たヒドロキノンおよびトリフレート誘導体並びに対応するビフェニル系を含め、
パーフルオロアルコキシおよびパーフルオロアルキル置換基を有するポリ−p−
フェニレン、そのコポリマーおよびそのコポリマーの前駆体に関する。ここで製
造したポリマーは、膜、コーティング、繊維および物品として有用である。
技術背景
電子工学の用途では、特により低い誘電率、低い吸湿性および低い熱膨張係数
(CTE)の分野で、高い物理的性質を有するポリマー物質に対する常に高い需要
がある。
ポリフェニレンは、高度に棒状の物質であるため、平面内CTEの低いフィルム
を得るのが容易である。典型的なポリフェニレンは、難溶性で加工しにくい物質
であるため、有用な製品に加工するのが極めて困難である。従って、低CTEであ
るがより良好な加工特性を有する物質に改良するのは有益なことである。
本発明のポリマーおよびコポリマーは、分解することなく溶融し、そして選ば
れた極性有機溶剤(例えばTHF)に可溶性であるため、良好な加工性を示す。こ
れにより、フィルムの流延および他の成型物品の注型が可能となる。さらに、適
当な可撓性コモノマーを用いた共重合では、これらの高度に棒状のホモポリマー
の伸びが改善されると同時に、主鎖の別の所望の性質を広範囲に維持することが
できる。また、本発明では、
所望の剛性のそう失または誘電係数の増加なしに、可溶性ポリマーが得られる。
RehahnらのMakromol.Chem.191,第1991〜2003頁(1990)およびTourらのJ.
Amer.Chem.Soc.113,2309〜2311(1991)には、p−結合したアリーレンの溶
解性は、鎖中のいくらかのm−結合またはフェニル環に結合した長いアルキル鎖
のいずれかを存在させることによって高めることができることが開示されている
。しかしながら、このような結合または鎖の量が過剰であると、所望の棒状の性
質が失われることになりうる。
RehahnらのMakromol.Chem.191,1990,第1991〜2003頁には、メチル置換基
を結合するとポリ−p−フェニレンの溶解性が増加しないことが開示されている
。また、PercecらのJ.of Polymer Sci.,Polym.Chem編、第31巻、1993、第877
〜1087頁を参照。さらに、ポリフェニレンの可溶化の議論に関しては、Percecら
のComprehensive Polymer Science 1st Supp.,G.Allen.編、Pergamon Press,
Oxford、第299〜385頁(1992)参照。
Marrocoら(米国特許第5,227,457号)には、分子量が300を超える、または15
〜300のいずれかの基を結合することによって、棒状ポリマーの溶解性を高める
ことが開示されている。しかしながら、この特許はパーフルオロアルキルおよび
パーフルオロアルコキシが溶解性を高める置換基として好ましいことを教示して
おらず、またこれらの置換基も例示していない。
発明の概要
本発明は、式
[式中、Bは独立して-OCrF2r+1または-CqF2q+1(ここで、rは1、2、3また
は4であり、qは1、2、3または4である)であり、反復単位の総数は、少な
くとも約10であるが、但し(I)は前記反復単位の少なくとも約50モル%である]
を有する反復単位からなるポリフェニレンに関する。
約10〜125の反復単位がある場合が最も好ましい。
また、本発明は、構造
[式中、Yは独立してHおよび-SO2Xからなる群より選ばれ、
Xは、OH、アルキル、フルオロアルキル、アリール、Br、Cl、FおよびIから
なる群より選ばれ、
そして、各Dは独立して-OCrF2r+1または-CqF2q+1(ここで、rは1、2、3
または4であり、qは1、2、3または4である)である]
の化合物に関する。
上記に関する構造の好ましい実施態様においては、rは1である。また、Xは
-CH3、-CF3、フェニルまたは4−メチルフェニレンからなる群より選ばれるのが
好ましい。
さらに、構造
[式中、QはOH、OSO2X、Cl、BrおよびFからなる群より選ばれ、
XはOH、アルキル、フルオロアルキル、アリール、Br、Cl、FおよびIからな
る群より選ばれ、そして各Dは独立して-OCrF2r+1または-CqF2q+1(ここで、r
は1、2、3または4であり、qは1、2、3または4である)である]
の化合物に関する。
上記に関する好ましい実施態様においては、rは1である。また、Xは-CH3、
-CF3、フェニルまたは4−メチルフェニレンおよび4−フルオロフェニレンから
なる群より選ばれるのが好ましい。
発明の詳述
ポリ−p−フェニレンの主鎖にフッ素化された基を導入することは、所望の物
理的性質、例えば低CTE、低吸湿性および低誘電率を得るだけでなく、溶解性を
向上させ、これによってポリフェニレンの加工性を改善するのに有用な方法であ
る。このような物質の用途には、膜、封入された、コーティングされた、または
成型された物品および繊維が含まれる。フッ素化されたジオールおよびその誘導
体は、これらのポリフェニレンまたはこれらの単位を含むコポリマーを製造する
ためのモノマーとして有用である。一般に、短鎖の、フッ素化されたアルキル置
換基がポリマーの溶解性を高めるとは予想されないが、驚くべきことに本発明に
より溶解性が高まることがわかった。これらのパーフルオロアルキルおよびパー
フルオロアルコキシ鎖には、多くとも4個の炭素原子しか含まれないので、置換
されたポリ−p−フェニレンは許容しうるコストで製造することができるが、長
鎖の、それゆえフッ素の多いものは最終的にポリマーのコストが高くなる。
RehnenらのMakromol.Chem.191,1991-2003(1990)に教示されてい
るように、置換基としてヘキシルまたはより長鎖を有するポリ−p−フェニレン
は、完全に可溶性であるが、ブチルよりも短い長さの鎖は不溶性である。また、
比較実施例に示されているように、メトキシ置換されたポリ−p−フェニレンも
、THF、DMSO、CHCl3およびDMAcに不溶性である。
本発明のポリフェニレンには、1,3−フェニレン結合が含まれるが、但し1,3−
フェニレン結合のパーセンテージは、1,4および1,3−結合の総数の約20%を超え
ない。
また、ポリフェニレンコポリマーを製造することもできるが、得られるポリマ
ーには少なくとも50モル%の反復単位Iが含まれる。例えば、反復単位Iと共に
、1,4−フェニレン、2−メチル−1,4−フェニレン、2−(4−フルオロベンゾ
イル)−1,4−フェニレン、2,5−ビス−トリフルオロメチル−1,4−フェニレン
、2−アルキルカルボキシ−1,4−フェニレン(ここで、アルキル基には1〜20
個の炭素原子が含まれる)、2,6−ナフチレニルおよび-PhCOPh-を含むポリフェ
ニレンコポリマーを製造することができる。
一般に、ポリ−p−フェニレン用の好ましいコモノマーは、任意のパラ配向性
のジハロ(好ましくは塩化物)、またはジヒドロキシ芳香族モノマーであってよ
い。これらの一つの種類は、単結合またはC-C結合されたベンゼン環を有するも
のである。これらの例は、4,4′−ジヒドロキシ(またはジクロロ)ビフェニル
、p−ジクロロベンゼン、ヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキシ(またはジクロ
ロ)p−ターフェニルまたはp−クオーターフェニルである。また、このような
物質は、一個またはそれ以上の芳香環、例えばフェニルヒドロキノンおよび置換
されたフェニルヒドロキノン上で置換することができる。また、縮合した芳香族
系、
例えばジヒドロキシ(ジクロロ)ナフタレン(1,4−または1,5−または2,6−配
向を有するものが好ましい)も使用可能である。
コモノマーは、得られたコポリマーがもはや可溶し得ないか、あるいは逆に加
工可能(例えば溶融する)なところまで使用することができる。
類似化合物であるが、メタ置換されているものは、棒状主鎖の有益な性質を実
質的に損なうことなしに、比較的少量で使用することができる。このようなモノ
マーの例は、レゾリシノール、m−ジクロロベンゼン、ジクロロ−またはジヒド
ロキシ−m−ターフェニル、3,3′−ジヒドロキシ(またはジクロロ)ビフェニ
ルである。これらのモノマーは、棒状主鎖の性質に悪影響を与えない、例えばモ
ジュラスおよび強度がより低下せず、高い熱膨張係数にならないところまで使用
することができる。
他の可能性のあるモノマーとしては、芳香環の間に接続基を有するものである
。実質的に棒状主鎖が維持されるこのようなモノマーの例は、4,4′−ジヒドロ
キシ(またはジクロロ)フェニルベンズアミドまたは4,4′−ジヒドロキシ(ま
たはジクロロ)フェニル安息香酸である。使用できる別の結合基は、-O-、C=O、
SO2、C(CF3)2、C(CH3)、-S-である。このようなモノマーの例は、4,4′−ジヒド
ロキシ(またはジクロロ)ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ(または
ジクロロ)−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン、ビスフェノールA、4,4
′−ジヒドロキシジフェニルエーテル等および他の異性体並びに4,4′−ビス(
4−ヒドロキシフェノキシ)ジフェニルスルホンである。このような基は、通常
ポリマーの高い熱安定性に大きな影響を与えないよう選ばなければならない。場
合によっては、このような結合基では、それらが非線状性であるため、主鎖の棒
状特性が損なわれるが、しかしながらある場合には、
それらの異性体は高度に棒状の配位またはクランク軸構造を有するためにそのよ
うなそう失はないかもしれない。このようなモノマーの例は、3,4′−ジヒドロ
キシ(またはジクロロ)ベンゾフェノンおよび3,4′−ジヒドロキシ(またはジ
クロロ)ジフェニルエーテルである。イミドまたは他の複素環(例えばベンズオ
キサゾール)の結合基も使用できるが、これらは主鎖の極性を高めると考えられ
る。
広い範囲のコポリマーが使用可能である。原則として、一個またはそれ以上の
芳香環が接続された、任意の化合物(直接結合またはいくつかの適切な結合基、
例えば-O-、-S-、-SO2-、-CO-、および=C(CF3)2によって接続されている)が使
用可能であるが、但しこの化合物にはポリマー鎖中に導入が可能である適当な官
能基が含まれる。これらのコモノマーは、所望の性質が維持されるよう、硬い棒
状の配向を維持させるのが好ましい。しかしながら、少々の曲がりまたはねじれ
た結合は許容されるし、また最適なポリマーの性質にとっては望ましくもある。
モノマーは、それに含まれる置換基および結合基を熱安定性、棒状特性を大き
く損なわれないよう、または特にエレクトロニクスの用途で系の極性(これは誘
電率および/または吸湿性を高めうる)を増加させないようなレベルで選び、使
用するのが好ましい。
実施例17〜33に説明した本発明のコポリマーは、比較実施例C〜Fのコポリマ
ーとは対照的に可溶性である。
比較実施例とは異なり、ここで示したパーフルオロ化アルキル−およびアルコ
キシ−置換されたポリ−p−フェニレンは実施例15〜34に示したように可溶性で
ある。
モノマーの合成
本発明のフッ素化ヒドロキノンは、FeiringおよびSheppardのJ.Org.
Chem.、第40巻、2543(1975)に記載されているように、カリウムパースルフェ
ートを使用するElb反応によって対応する3−(OCrF2r+1)フェノールまたは3
−(CqF2q+1)フェノールから製造することができる。3−(CqF2q+1)フェノー
ルは当該分野では知られており、Sawadaらの日本国特許公開公報JP 020595335に
開示されているようにして製造することができる。3−(OCrF2r+1)フェノール
は、亜硝酸ナトリウムと1−アミノ−3−(OCrF2r+1)ベンゼンとの反応によっ
て生成する、対応するジアゾニウム化合物の加水分解によって製造することがで
きる。3−トリフルオロメトキシアニリンは、Feiringの米国特許第4,157,344号
に記載のように3−アミノフェノールから出発して、CCl4とHFとの反応によって
製造することができる。さらに、一般には、1−アミノ−3−(OCrF2r+1)ベンゼ
ンは、SheppardのJ.Org.Chem.第29巻、1(1964)に記載されているように、
オートクレーブ中100℃で、3−ニトロフェノールと弗化カルボニルまたはパー
フルオロアシルフルオリドと反応させ、続いてSF4と反応させ、そして知られて
いる方法でニトロ基をアミノ基に還元して製造することができる。
4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ビス(OCrF2r+1)ビフェニルは、4,4′−ジア
ミノ−2,2′−ビス(OCrF2r+1)ビフェニル(AumanおよびFeiringの米国特許第5
,175,367号、1992)から、亜硝酸ナトリウムとの反応、次いでビス−ジアゾニウ
ム誘導体の加水分解によって、製造することができる。
q>1を有する4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ビス(CqF2q+1)ビフェニルは
、対応する4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(CqF2q+1)ビフェニルから、亜硝酸
ナトリウムとの反応、ビスジアゾニウム誘導体の加水分解によって製造すること
ができる。ジアミノ化合物は、Esterらの米国特
許第5,186,985号に開示されているのと同様の方法で、3−ブロモ−又は3−ヨ
ードニトロベンゼンから、銅の存在下でのパーフルオロアルキルヨウ化物との反
応によって、ヒドラゾカップリングおよびベンジジン転位(米国特許第5,175,36
7号)によって製造することができる。
別法として、4,4′−ジアミノ−2,2′−ビス(CqF2q+1)ビフェニル化合物は
、2,2−ジブロモ−4,4′−ジニトロビフェニル(RogersらのMacromolecules 198
5、18、1058〜1068)から、銅の存在下でのパーフルオロアルキルヨウ化物との
反応(米国特許第5,186,985号と同様の方法)、次いでニトロ基のアミノ基への
触媒水素化(または別の知られている水素化方法)によって製造することができ
る。パーフルオロアルキル鎖が長くなればなるほど、立体的なまたは別の影響の
ために生成物の得られる収量はますます低くなることが予想される。
アルコール(フェノール)の誘導体は、アルコール(フェノール)から、対応
する酸ハロゲン化物または無水物との反応によって合成することができる。条件
は、GreeneおよびWutsの“Protective Groups in Organic Synthesis”、第2版
、John Wiley&Sons、Inc.,New York、1991、第168〜90頁、またはEchvarrenお
よびStille,,J.Am.Chem.Soc.109、1987、第5478頁に記載されている。
以下の(3)に記載されているようなビスフェノールは、HorningらのCan.J.o
f Chem.51,第2347〜2348頁(1973)で開示された方法に従って製造することが
できる。これらは、以下のスキームに従って、対応するベンジジンのジアゾニウ
ム塩から製造される。
上記構造式中、Rは独立して-OCF3または-OCF3である。
ここの反復単位は、ポリマー主鎖中に含まれる各アリーレン基を意味する。例
えば反復単位は1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、2,6−ナフチレンであって
よい。これらの反復単位には、アリーレン基のアリール環上に置換基を有してい
てよい。ポリマーを形成するのに使用するモノマーは、一個またはそれ以上の反
復単位を構成している。例えば、ビフェニル化合物をモノマーの一つとして使用
する場合、各モノマーの分子は、ポリマーに二つの反復単位として働く。
ポリマーの合成
当業者に知られているポリ−p−フェニレンの合成法は種々のものがある。一
般的な方法には、AlCl3/CuCl2を用いたベンゼンの処理並びにUllmannおよびFit
tig反応によるアリールハライドのカップリングが含まれる。また、H.Marks,
その他編、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、第2版、第10
巻、John Wiley and Sons、New York、1987、第673〜676頁参照。以下の実施例
においては、置換されたポリフェニレンは、置換されたヒドロキノンから、V.P
ercecらのMacromolecules 25、第1816〜1823頁(1992);Percecの米国特許第
5,241,044号(1993)に記載されているように、それのビストリフレートまたは
ビスメシレート;V.PercecらのJ.Org.Chem.、第60巻、第1066〜1069頁(1995
)のニッケル触媒カップリングにより製造される。「トリフレート」の用語は、
トリフルオロメタンスルホネートを意味する。この方法に従って、ビストリフレ
ートモノマー、Ni(Ph3P)2Cl2、亜鉛粉末、およびテトラエチルアンモニウムアイ
オダイド並びに場合によりトリフェニルホスフィンを密封した管中に置き、減圧
下で10時間乾燥した。ゴム隔壁を通してシリンジを介してTHFを添加し、混合物
を室温で20分撹拌した。混合物の色が、徐々に深い赤茶色に変化し、次いで70℃
で24時間加熱した。室温に冷却した後、HClで酸性化したメタノール200mL中に混
合物を注ぎ、沈殿物を濾過により集め、3mLのクロロホルムに溶解した。さらに
濾過して亜鉛粉末を除去した後、再び溶液をメタノール中に注いだ。再び、沈殿
を濾過により集め、真空下で乾燥した。
以下の実施例では、以下の略号を使用した。
THF=テトラヒドロフラン
DMSO=ジメチルスルホキシド
CHCl3=クロロホルム
DMAc=ジメチルアセトアミド
Ni(Ph3P)2Cl2=ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルクロリド
Ph3P=トリフェニルホスフィン
mmol=ミリモル
mol=モル
eq=当量
OTf=トリフレート=トリフルオロメタンスルホネート
OMs=メシレート
実施例1
トリフルオロメトキシヒドロキノンの合成
水1.05L中の84.4g(2.11モル)のNaOHを丸底フラスコに装填した。溶液を氷
/水浴中で冷却し、75g(0.42モル)の3−トリフルオロメトキシフェノールを
添加した。激しく撹拌しながら、114g(0.42モル)の過硫酸カリウムを少しず
つ添加した。氷浴を溶解させ、溶液を18時間撹拌し、次いで165mLの濃HClを添加
して酸性化し、そして1Lのジエチルエーテルで2回抽出した。合わせたエーテ
ル相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。蒸留して24.94g(0.1
4モル、33.3%)の出発物質を得た。
水性溶液を追加の470mLの濃HClで処理して、油浴で0.5時間沸騰させた。冷却
した溶液を1Lの塩化メチレンで3回抽出し、合わせた相を硫酸マグネシウム上
で乾燥し、ロータリーエバポレーターで固体生成物に濃縮した。ヘキサンから結
晶化させて15.72g(80.99ミリモル、19.3%)の固体を得た。別の製造で得た同
じ化合物をヘキサン/アセトン4:1でフラッシュクロマトグラフィーにかけた
後に、構造がトリフルオロメトキシヒドロキノンとみられる10.26g(52.86ミリ
モル)の固体を得た。1
H-NMR(δ,DMSO-d6):9.28(s,1H),9.17(s,1H),6.82(d,1H),6.68-6.55(m,2H)
;13C-NMR(δ,DMSO-d6):149.89(s),142.01(s),135.92(s),120.42(q,J=255.
7Hz),118.06(s),114.93(s),109.51(s)。
実施例2
2−トリフルオロメトキシ−1,4−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)−ベ
ンゼンの合成
トリフルオロメトキシヒドロキノン(2.521g、12.99ミリモル)を50
mLの無水ピリジンに溶解し、氷/塩−浴を用いて−10℃に冷却した。次いで、5.
1mL(2.33当量)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(三フッ素無水物)を
シリンジを用いて添加した。溶液は暗赤色になり、室温まで昇温させ、そして24
時間撹拌した。この反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルで3回抽出した。
合わせた有機相を、水で1回、10%水性HClで2回、水で2回、そして飽和NaCl
溶液で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、有機相をロータリーエバ
ポレーター上で蒸発させ、5.86gの黄色油状物を得た。石油エーテルを用いたフ
ラッシュクロマトグラフィーの後、無色の液体生成物を得た。蒸留した生成物を
結晶化させた(収量:5.362g、90.0%)。19
F-NMR(δ、CDCl3):-73.74(TfO)、-72.95(TfO)、-58.88(OCF3)。
別の製造により得た同じ化合物は下記の分析値を有していた。1
H-NMR(δ,CDCl3):7.54(d,1H,J=9Hz),7.42-7.32(m,2H);13C-NMR(δ,CDC
l3):148.01(s),141.50(s),140.16(s),125.09(s),121.07(s),120.11(q,J=
262.9Hz),118.70(q,J=321Hz),118.63(q,J=321Hz),116.31(s)。
実施例3
2−トリフルオロメチル−1,4−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)
ベンゼンの合成
この反応は、実施例2と同様の方法で、トリフルオロメトキシヒドロキノンか
ら実施した。収率:67.8%19
F-NMR(δ、CDCl3):-73.74(TfO)、-72.92(TfO)、-61.84(CF3);1H-NMR(δ
,CDCl3):7.70-7.58(m,3H);13C-NMR(δ,CDCl3):147.59(s),145.22(s),12
7.02(s),125.56(q,J=34.2Hz),124.70(s),121.77(q,J=4.7Hz),120.94(q,J=27
4Hz),118.73(q,J=321Hz),118.46(q,J=320
Hz);mp:15.8℃。
別の製造から得た同じ化合物は90%の収率であった。
実施例4
2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4′−ジヒドロキシビフェニルの合成
2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4′−ジアミノビフェニル(3.705
g、10.518ミリモル)をHCl 22mLおよび水100mLの溶液中に溶解し、氷浴を用い
て5℃に冷却した。水10mL中の1.45g(21.0ミリモル)亜硝酸ナトリウムの溶液
を添加して温度を0〜5℃に維持した。この溶液を燐酸20mLおよび水1.8Lの冷
たい溶液に添加した。5分撹拌した後、オレンジ色の混合物を沸点になるまで加
熱した。気体の蒸発が観察された。10分沸騰した後、混合物を冷却し、ジエチル
エーテルで抽出した。有機相を2NのNaOH溶液で抽出し、水性相を濃HClで酸性
化し、そしてジエチルエーテルで抽出した。溶剤を蒸発させた。高真空下で乾燥
させた後、オレンジ色の生成物を単離した。この生成物を、同様の方法で7.99g
(22.68ミリモル)の出発物質で実施した、第二の反応の生成物とあわせた。こ
れらの合わせた粗成物を140℃/0.02mmで昇華させて精製した。その結果、7.708
g(収率65.5%)のわずかに黄色がかった物質が得られた。19
F-NMR(δ,DMSO-d6):-55.72(OCF3);1H-NMR(δ,DMSO-d6)10.15(s,2H),7.18
(d,2H,=8.4Hz),6.86(dxd,2H,J=8.4Hz,J=2.4Hz),6.83(d,2H,J=2.4Hz);13C-NMR
(δ,DMSO-d6):158.23(s),148.50(s),132.69(s),119.99(q,J=256.50Hz),11
9.81(s),114.29(s),107.10(s);mp:145℃。
実施例5
2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4′−ジヒドロキシビフェニル(3a
)の合成
水(140mL)中の2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)ベンジジン(70ミリモ
ル、24.7g)の撹拌した懸濁液に濃塩酸(70mL)を添加し、このようにして得ら
れた混合物を0℃に冷却し、水(20mL)中の硝酸ナトリウム(10.6g)の溶液で
処理した。0℃で20分後、水(70mL)中のナトリウムテトラフルオロボレート(
22g)の溶液を添加し、30分後、生成物(ジアゾニウムテトラフルオロボレート
)を濾過により集め、少量の氷水、次いで100mLのエーテルで洗浄した。生成物
を真空中で12時間乾燥させた。炭酸カリウム(3.8g)を0℃でトリフルオロ酢
酸(120mL)に加え、次いでジアゾニウムテトラフルオロボレート(13g)を添加
した。得られたものを還流温度で28時間撹拌した。溶液を水(300mL)に添加し、
濾過により固体を集め、エタノールから再結晶した。このようにして、僅かに黄
色の結晶を得た(9.0g、73%)。1
H-NMR:δ 7.02-7.06(m,4H),7.28(d,J=9Hz,2H)。
実施例6
2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4′−ビス(トリフルオロメチルスル
ホニル)ビフェニルの合成
4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)ビフェニル(7.
70g、21.7ミリモル)を無水ピリジン80mLに溶解し、氷/塩浴で−10℃に冷却し
た。トリフリック酸無水物(triflic anhydride)(9.1mL、2.5当量)をシリンジで
滴加した。溶液は暗赤色になり、沈殿が観察された。この沈殿物は温度が室温に
上昇するにつれて消失した。溶液を16時間撹拌した後、実施例2に記載したよう
にして処理した。クロマトグラフィーにかけた後、118℃、0.01mmで昇華させ、1
2.1g(90.2%)の
白色の物質を得た。19
F-NMR(δ,CDCl3):-73.06(OTf),-58.29(OCF3);1H-NMR(δ,CDCl3):7.47
(d,2H,J=8.6Hz),7.37(dxd,2H,J=8.5Hz,J=2.4Hz),7.35(d,2H,J=2.4Hz);13C-N
MR(δ,CDCl3):149.61(s),147.60(s),133.00(s),128.59(s),120.13(q,J=26
7),119.91(s),118.77(q,J=321Hz),114.38(s);mp:73.2℃。
実施例7
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジヒドロキシビフェニルの合成
この化合物は、実施例5の方法を使用して、2,2′−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンジジンから製造した。僅かに黄色の油状物が得られた(15g、74%)。1
H-NMR:δ 7.00(d,J=8Hz,2H),7.10-7.27(m,4H)。
実施例8
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビス(トリフルオロメチルスルホ
ニルオキシ)ビフェニルの合成
4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)ビフェニル(4.
20g、13.04ミリモル)を50mLの無水ピリジンに溶解し、−10℃に冷却した。ゆ
っくりと、6mL(2.7当量)のトリフリック酸無水物を添加し、溶液を一晩中撹
拌し、室温まで昇温させた。反応を実施例2に記載したようにして処理した。ク
ロマトグラフィーにかけた後、5.362g(70.1%)の収量が得られた。19
F-NMR(δ,CDCl3):-73.07(OTf),-59.19(CF3);1H-NMR(δ,CDCl3):7.69(d,
2H,J=2.5Hz),7.55(dxd,2H,J=8.6Hz,J=2.5Hz),7.45(d,2H,J=8.6Hz);13C-NMR(
δ,CDCl3):149.27(s),135.82(s),133.77
(s),131.46(q,J=32.4Hz),124.17(s),122.46(q,J=275Hz),119.93(s),118.82
(q,J=321Hz);mp:48.4℃。
実施例9
2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4′−ビス(メチルスルホニルオキシ
)ビフェニルの合成
ピリジン中でメタンスルホニルクロリドとビスフェノールを反応させてアリー
ルメシレートを製造した。
実施例5のビスフェノール(7.1g、20ミリモル)、ピリジン50mLおよびジメ
チルアミノピリジン0.1gを100mLフラスコに装填した。窒素下、0℃で、溶液に
メタンスルホニルクロリド(6.9g、60ミリモル)を滴加した。混合物を0℃で
1時間、そして23℃で12時間撹拌した。水を添加し濾過して粗成物を集めた。エ
タノールおよびヘキサン(1:1)から再結晶した後、無色の結晶を得た(6.5
g、64%)。1
H-NMR:δ 3.24(s,6H),7.33-7.39(m,6H)。
実施例10
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビス(メチルスルホニルオキシ)
ビフェニルの合成
この化合物は、実施例9と同様の方法で製造した。僅かに黄色の結晶が得られ
た(16.1g、72%)。1
H-NMR:δ 3.26(s,6H),7.36(d,J=8,2H),7.51(d,J=8,2H),7.67(d,J=2,2H)。
実施例11
2−トリフルオロメトキシ−1,4−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ
)ベンゼンの重合
還流冷却器を有する50mL丸底フラスコに、窒素下で、0.216g(0.33
ミリモル)のNi(Ph3P)2Cl2、1.678g(25.67ミリモル)の亜鉛粉末、および0.79
0g(3.07ミリモル)のテトラエチルアンモニウムアイオダイドを入れた。フラ
スコを3回排気し、窒素でパージした。次いで、1mLTHF(Na上で新しく蒸留し
たもの)を添加して、混合物を5分間撹拌した。暗赤色への色の変化が観察され
た。次いで、1.17g(2.55ミリモル)の2−トリフルオロメトキシ−1,4−ビス
(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンゼンをシリンジで添加した。温度
を70℃に上昇させた。1時間後、油浴を取り除いて、懸濁液を冷却させた。反応
混合物を、濃HClで酸性化したメタノール100mL中に注いだ。沈殿物をろ別し、乾
燥した。固体をクロロホルム10mLに溶かして、濾過した。クロロホルム溶液を、
濃塩酸で酸性化したメタノール中に注いだ。濾過して乾燥した後に、0.183g(4
4.8%)の白色のポリマーが得られた。GPC(THF、PS標準):
Mn=7560,Mw=16700;1H-NMR(δ,CDCl3):7.8-7.4(m,broad);19F-NMR(δ,CD
Cl3):-57.91(m),-57.57(m);IR(KBr):2952(w),2922(m),2851(m),1617(w)
,1478(m),1390(w),1266(s),1167(s),818(m)。
別の製造から得た同じ化合物は、THF中で弱いUV吸収があった:UV(THF、1cm
):λmax=307nm;ε=85。
実施例12
2,2′−ビス(トリフルオロメトキシ)−4,4′−ビス(トリフルオロメチルスル
ホニルオキシ)ビフェニルの重合
この反応は、モノマーを4mLのTHFに溶解し、沈殿および乾燥後にポリマーを
クロロホルムではなくTHFに再溶解したのを除いて、実施例11のように実施した
。出発物質は、4mLのTHF、0.982g(1.50ミリモル)
のNi(Ph3P)2Cl2、7.49g(0.115モル)の亜鉛粉末、3.58g(13.9ミリモル)の
テトラエチルアンモニウムアイオダイドおよびTHF 4mL中の2,2′−ビス(トリ
フルオロメトキシ)−4,4′−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビ
フェニル6.92g(11.19ミリモル)であった。
収量:0.328g。GPC(THF、PS標準):
Mn=54500,Mw=99400;1H-NMR(δ,THF-d8):8.0-7.4(m,broad);19F-NMR(δ,
THF-d8):-56.49(m);IR(KBr):1614(w),1478(m),1391(w),1271(s),1264(sh
),1250(s),1216(s),1167(s),820(m);UV(THF、1cm):λmax=302nm;ε
=76。
実施例13
2−トリフルオロメチル−1,4−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)
ベンゼンの重合
この反応は、沈殿および乾燥後にポリマーをクロロホルムではなくTHFに再溶
解したのを除いて、実施例11のように実施した。出発物質は、7mLのTHF、0.998
g(1.53ミリモル)のNi(Ph3P)2Cl2、7.76g(0.119モル)の亜鉛粉末、3.65g
(14.2ミリモル)のテトラエチルアンモニウムアイオダイドおよび2−トリフル
オロメチル−1,4−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンゼン8.77
g(19.8ミリモル)であった。収量:0.518g。GPC(THF、PS標準):
Mn=12400,Mw=17300;1H-NMR(δ,THF-d8):8.4-7.5(m,broad);19F-NMR(δ,
THF-d8):-57.52(m,CF3),-56.24(m,CF3),非常に弱い:-73.93(OTf),-73.88(O
Tf);IR(KBr):1617(w),1480(m),1430(w),1428(w),1411(w),1394(sh),132
5(s),1292(m),1252(m),1175(s),1136(s),1087(w),1069(w),1060(w),104
7(w),1026(w),1005(w),900(w),833(w),653(w);UV(THF、1cm):λmax=
271nm;ε=74。
実施例14
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビス(トリフルオロメチルスルホ
ニルオキシ)ビフェニルの重合
この反応は、モノマーを4mLのTHFに溶解し、沈殿および乾燥後にポリマーを
クロロホルムではなくTHFに再溶解したのを除いて、実施例11のように実施した
。出発物質は、2mLのTHF、0.677g(1.035ミリモル)のNi(Ph3P)2Cl2、5.031g
(76.95ミリモル)の亜鉛粉末、2.395g(9.313ミリモル)のテトラエチルアン
モニウムアイオダイドおよびTHF4mL中の2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−
4,4′−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビフェニル4.529g(7.72
5ミリモル)であった。収量:0.814g。GPC(THF、PS標準):
Mn=9450,Mw=18800;1H-NMR(δ,THF-d8):8.27(s,(b),1H),8.14(d,1H,J=7.
3),7.60(d,1H,J=7.2);19F-NMR(δ,THF-d8):-57.50(CF3),非常に弱い:-7
3.11(OTf);IR(KBr):1480(m),1422(w),1408(w),1388(m),1313(s),1285(sh
),1249(m),1174(s),1134(s),1084(m),1059(w),1047(w),1002(w),916(w)
,900(w),834(w),681(w),556(w);UV(THF、1cm):λmax=273nm;ε=90
。
比較実施例A
2−メトキシ−1,4−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ベンゼン
の合成
メトキシヒドロキノン(5.800g、46.72ミリモル)を無水ピリジン180mLに溶
解し、氷/塩−浴で−10℃に冷却した。次いで、19.0mL(2.4
当量)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(トリフリック酸無水物)をシリ
ンジでゆっくり添加した。溶液は暗赤色に変わり、そして室温まで昇温させ、24
時間撹拌した。この反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルで3回抽出した。
合わせた有機層を水で1回、10%水性塩酸で2回、水で2回、そして飽和塩化ナ
トリウム溶液で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、有機層をロータ
リーエバポレーター上で蒸発させてオレンジ色の固体を得た。74℃/0.05mmで昇
華させて、14.54g(80.1%)の白色固体を得た。
MP 69℃。19F-NMR(δ,DMSO):-73.25,-72.23;1H-NMR(δ,DMSO):7.70(d,1H,
J=9.1Hz),7.62(d,1H,J=2.9Hz),7.23(dxd,1H,J=2.9Hz,J=9.1Hz),3.97(s,3H);13
C-NMR(δ,DMSO):152.18(s),148.82(s),137.46(s),124.15(s),118.26(q,
J=321Hz),118.22(q,J=320Hz),113.92(s),108.64(s),57.50(s)。
比較実施例B
2−メトキシ−1,4−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンゼンの
重合
還流冷却器を有する50mL丸底フラスコに、窒素下で、0.430g(0.657ミリモル
)のNi(Ph3P)2Cl2、3.141g(48.04ミリモル)の亜鉛粉末、および1.479g(5.7
5ミリモル)のテトラエチルアンモニウムアイオダイドを入れた。フラスコを3
回排気し、窒素でパージした。次いで、2mL THF(Na上で新しく蒸留したもの)
を添加して、混合物を5分間撹拌した。暗赤色への色の変化が観察された。次い
で、THF 3mL(ナトリウム
上で新しく蒸留したもの)に溶解した1.846g(4.75ミリモル)の2−メトキシ
−1,4−ビス(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ベンゼンをシリンジで添
加した。温度を70℃に上昇させた。1時間後、油浴を取り除き、懸濁液を冷却し
た。反応混合物を、濃HClで酸性化したメタノール100mL中に注いだ。ポリマーを
メタノール中10%HClの溶液で洗浄し、亜鉛を除いた。収率は44.8%であった。
IR(KBr):3436(s),2996(w),2952(w),2953(w),2910(w),2831(w),1604(s),
1569(m),1480(s),1463(s),1419(m),1388(s),1306(m),1288(w),1260(m),
1238(s),1216(s),1179(m),1139(m),1039(m),1027(m),1003(m),944(w),8
92(w),854(w),813(m),752(w),724(w),703(w)。
別の製造から得た同じ化合物は、TGA開始442℃、10%重量損失456℃であった
。この化合物はTHF、クロロホルム、DMSOおよびDMAcに不溶であった。
実施例15〜33
重合の方法
実施例15〜33および比較実施例B〜Fでは、同様の重合法を使用した。典型的
な重合例を以下に、下記のスキームとして示すことができる。
ポリマーの合成
モノマー2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジ(メタンスルホニルオ
キシ)ビフェニル(0.837g、1.75ミリモル)、Ni(Ph3P)2Cl2(0.115g、0.175
ミリモル)、Zn粉末(0.801g、12.25ミリモル)、Et4NI(0.675g、2.63ミリモ
ル)およびPh3P(0.275g、1.05ミリモル)を、磁気撹拌棒を有する125mLシュレ
ンク管に入れた。管をゴムの隔壁で密閉し、内容物を減圧下、22℃で10時間乾燥
した。排気およびArの充填を4回繰り返した。新しく蒸留したTHF 2.0mLを、シ
リンジを介してゴム隔壁を通して添加した。混合物を室温で20分間撹拌し、この
間に混合物の色が徐々に深い赤茶色に変わった。反応混合物を70℃の油浴で24時
間加熱した。室温に冷却した後、混合物をHClで酸性化したメタノール200mL中に
注いだ。濾過して沈殿物を集め、3mLのCHCl3に溶解した。溶液を濾過して、Zn
粉末を除去し、メタノール中に注いだ。沈殿物を濾過して集め、真空乾燥した。
収量は0.42g(83%)であった。Mn(GPC)=4690、Mw/Mn=2.4。
表1は、本発明のホモポリマーおよびコポリマーの溶解性を示している。Mnお
よびMw/Mnの数値データは、ポリマーがGPCによって測定するためのTHFに十分に
溶解性を有することを示している。
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フロントページの続き
(72)発明者 グロープ,マルクス・クリステイアーン
スイス国ツエー・ハー−8053 チユーリ
ヒ.イム・グロケンアカー44
(72)発明者 パーシク,バージル
アメリカ合衆国オハイオ州 44022.ハン
テイングバリー.ラウンドウツドロード
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