【発明の詳細な説明】
ポリマーおよび非イオン界面活性剤を含む芳香性組成物 技術分野
本発明は、ポリマーおよび非イオン界面活性剤を含む芳香性忌避組成物に関す
る。本発明は、本発明の好ましい態様である昆虫忌避組成物に関して説明する。発明の背景
洗浄組成物に昆虫忌避剤または殺虫剤を混入することは知られている。GB 205
6859(1981年公開)は、本質的に市販のガラスクリーナー AJAX VITRE(RTM)お
よび殺虫剤から成る組成物を開示している。
PCT/US85/01944(1986年公開)は、モノアルキルリン酸系昆虫忌避剤を洗剤に添
加して物体および動物の洗浄に使用することができ、その後、しばらく持続する
忌避効果が得られることを開示している。
EP 0367257は、軟質表面(例えば、ヒト、動物、洗濯物または敷物)および硬
質表面に対して永続的である、洗剤に混入するための昆虫忌避剤を開示している
。洗浄表面に付着する特定化合物の量は0.2〜10(好ましくは、0.5〜2)g/sqmであ
る。
それらはまた、忌避噴霧剤など、液体媒体における分散体または溶液として作る
ことができる。該化合物は、ゴキブリに対して特に有効であると言われるが、ク
モ、マダニ、ダニ、ハエ、アリなどを忌避することもできる
EP 0619363は、界面活性剤、少なくとも50%の水および有効量の昆虫忌避物質
を含む水性液体洗剤に関する。その組成物は、殺虫剤を含まない。言及した昆虫
忌避剤の一つは、自体公知の昆虫忌避剤であり、香料でもある物質である。他の
物質を組成物に存在させることもでき、これらには、汚れ放出促進剤が含まれ、
これらはポリマーであってもよい。
EP 0275085は、昆虫忌避剤、推進剤、溶媒および特定の無水マレイン酸/α−
オレフィンポリマーを含む、噴霧可能な揮発性昆虫忌避組成物に関する。ポリマ
ーは、ニート組成物で処理した物体上に昆虫忌避剤を含む被覆を形成することに
より昆虫忌避剤の残留活性を増加させると考えられる。これらの組成物には界面
活性剤は存在しない。これらの組成物は、効果的な膜を形成するために比較的高
レベルのポリマーを存在させる必要がある。
昆虫忌避性よりもさらに一般的な問題は、表面を洗浄組成物
で洗浄した後の香料の持続性を延長された時間にわたって維持することである。
香料の存在は、表面がきれいであることの重要な指標として多くの消費者が感知
している。本明細書で述べるように、香料はしばしば他の機能を有することがあ
り、その一つとして、香料組成物に忌避性化合物を含めることができるならば、
昆虫忌避性が挙げられる。香料は、本来、揮発性の物質であり、時間の経過とと
もに表面から消失する。最初に表面から多くの量の香料が消失し、次いで、低レ
ベルの放出が長い時間続くことが多い。香料の最初の消失が低く抑えられ、表面
上の香料の量がより高いレベルでより長い時間維持されるならば、知覚的にも、
また昆虫忌避剤が存在する場合は昆虫忌避の面でも、香料の有効性は改善される
。
本発明の本文において、「香料」は、ヒトの鼻を使って感知できてもできなく
ても、揮発性の昆虫忌避組成物をその範囲内に含むものとする。昆虫忌避剤でな
い他の香料は、そのより広い範囲内に含まれる。発明の簡単な説明
非イオン界面活性剤を含む組成物の場合、組成物で処理した表面からの香料の
放出性は、カルボキシレートポリマーの使用
によって改変することができることが確認された。
また、昆虫忌避剤の効力は、カルボキシレートポリマーの混入によって改善さ
れることも確認された。
従って、本発明は、
a)非イオン界面活性剤、
b)カルボキシレートポリマー、および
c)香料
を含む水性洗浄組成物を提供する。
本発明の範囲を作用理論を参照することによって限定したくはないが、カルボ
キシレートポリマーは、非イオン界面活性剤と結合していてもいなくても、表面
で香料を捕獲し、表面で、または表面からの香料の放出の延長を促進すると考え
られる。これは、以前に使用されて昆虫忌避性の延長が行われた、界面活性剤を
含まない、本質的に無水の被覆とは異なる。というのは、これにより、存在する
水性界面活性剤が残留香料の利点を提供しながら同じ組成物での洗浄機能を果た
すことができるからである。
本発明はまた、残留香料の利点を表面に付与するように表面を洗浄する方法に
関し、該方法は、界面活性剤を本発明に係る
組成物と接触させる工程を含む。最も好ましくは、残留香料の利点として、昆虫
忌避性を含む。発明の詳細な説明
界面活性剤:
非イオン界面活性剤は、本発明に係る組成物の必須成分である。界面活性剤は
、好ましくは、アルコキシル化アルコールまたは酸化アミンであるが、アルキル
ポリグルコシドなどの他の界面活性剤も使用できる。アルコキシル化アルコール
、特にエトキシル化アルコールが好ましい。
適する非イオン洗剤活性化合物は、親水性である酸化アルキレン基と脂肪族ま
たはアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合によって得られる化合
物として広く記載することができる。特定の疎水性基と縮合する親水性またはポ
リオキシアルキレンラジカルの長さは、容易に調整して、親水性要素と疎水性要
素との間のバランスが所望する程度である水溶性化合物を生じることができる。
特定の例としては、8〜22個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の脂肪
族アルコールと酸化エチレンとの縮合物質、例えばココナツアルコール1モルに
つき1〜15モルの酸化エ
チレンを有するココナツ油酸化エチレン縮合物;アルキル基が6〜12個の炭素
原子を含むアルキルフェノールとアルキルフェノール1モルにつき1〜25モル
の酸化エチレンとの縮合物が挙げられる。
特に好ましい非イオン界面活性剤としては、C8〜C12アルコールと2〜12
モルの酸化エチレンとの縮合物質が挙げられる。
本発明の組成物に使用する非イオン洗剤活性物質の量は、一般に、非濃縮製品
の場合、0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、最も好ましくは2〜7重量%で
ある。濃縮製品には、7〜20重量%の非イオン界面活性剤が存在するが、噴霧に
適する希釈製品には、0.1〜10重量%の非イオン界面活性剤が存在する。
別の好ましい界面活性剤としては、ココナツエタノールアミドおよびエタノー
ルアミンエトキシレート、ならびにC12酸化アミンが挙げられる。
ポリマー:
ポリマーは、本発明に係る組成物の必須成分である。これらのポリマーは、カ
ルボキシレートポリマーであることが必須で
ある。本発明において、カルボキシレートポリマーは、最終ポリマーにおいて帯
電されている、または帯電され得るカルボキシ官能基を含むモノマーから生成す
るものである。この群のポリマーは、シリコーン油および鉱物油などのポリマー
を含まない。
本発明の態様において好ましいポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸お
よび/または無水マレイン酸のポリマー、あるいはそれらの1種以上の互いのコ
ポリマーまたは他のモマーとのコポリマーである。特に適するポリマーとしては
、ポリアクリル酸、ポリ無水マレイン酸ならびに上記のいずれかとエチレン、ス
チレンおよびメチルビニルエーテルとのコポリマーが挙げられる。
最も好ましいポリマーは、ポリアクリル酸および無水マレイン酸コポリマー、
好ましくはスチレン、アクリル酸、メチルビニルエーテルおよびエチレンとのコ
ポリマーである。好ましくは、ポリマーの分子量が少なくとも5,000、より好ま
しくは少なくとも50,000、最も好ましくは100,000以上である。ポリマーの分子
量は、好ましくは、1,000,000ダルトン以下である。
特に適するポリマーは、分子量230000のポリアクリル酸で
ある。これは、VERSICOL E11 (TM)(Allied Colloids 製)として市販されている
。
典型的には、組成物は、製品に対して少なくとも0.01重量%のポリマーを含む
。好ましくは、ポリマーの量は0.05〜5.0重量%である。より好ましくは、0.1〜
4.0重量%のポリマーが存在する。しかし、使用の前に希釈する、非常に濃縮さ
れた製品の場合、最初のポリマーの量は、5重量%と高くすることができる。
好ましくは、ポリマーと非イオン性物質との比が0.1:1重量比以下である。
香料:
有効量の香料は、本発明の組成物の必須成分である。香料が昆虫忌避剤である
のが特に好ましい。
特に適する昆虫忌避剤としては、ハッカ属、特に Menthaarvensis、mentha pi
perita、Mentha spicataおよび Mentha cardica のもの;レモングラス東インド
油、レモン油、シトロネラ油、シダーおよびパイン油;テルペノイド、特にリモ
ネン、カルボン、シネオール、リナロール、ゴム樟脳、シトロネラル、αおよび
βテルペノール、フェンコリン酸、ボルネオール、イ
ソボルネオール、酢酸ボルニルならびに酢酸イソボルニルなどの精油が挙げられ
る。
最も好ましい昆虫忌避剤は、テルペノイド、特にリモネンである。
昆虫忌避剤の必要量は、使用する物質の性質によって変わる。精油およびテル
ペノイドの場合、好ましい量は、製品に対して0.1〜5%である。
界面活性剤と昆虫忌避剤との比は、10:1重量%を越えないのが好ましく、より
好ましくは、界面活性剤と昆虫忌避剤との比が8〜2:1の範囲である。
昆虫忌避剤とポリマーとの比は、5:1未満であるが0.5:1より大きい範囲にある
のが好ましい。54%の昆虫忌避剤を含む香料とポリマーとの比が4:1であるのが
効果的であることが分かった。
少量物質:
本発明に係る組成物は、必須でない他の少量の成分を含むことができる。それ
らは、洗浄性を助け、製品の物理的・化学的安定性を保持する。
例えば、組成物は、洗剤ビルダーを含むことができる。一般
に、ビルダーを使用する場合、好ましくは、組成物の0.1〜25重量%を形成する
。
エチレンジアミン四酢酸、アミノ−ポリホスホネート(DEQUESTRに含まれるも
のなど)およびホスフェートならびに種々の他の多官能性有機酸および塩などの
金属イオン封鎖剤も所望により使用することができる。
この機能としては、クエン酸塩が、希釈時に組成物を3〜5のpHに維持する緩
衝液として特に好ましい。クエン酸塩の典型的な量は0.5〜5%の範囲であり、濃
縮物の場合は5〜10%とより高い量が、また噴霧用製品の場合は0.1〜1%とより
低い量が使用される。クエン酸塩は、pHをこの範囲に維持する他の適する緩衝
剤で置き換えることができる。クエン酸塩は、環境上の理由および残留物がない
ために好ましい。
向水性物質は、有用な所望成分である。向水性物質の使用は、陰イオン界面活
性剤を添加する必要なく組成物の曇り点を上げることができると考えられる。本
発明に係る組成物は、陰イオン物質を含まないか、陰イオン物質の含量が低い、
すなわちベタインの量の50%未満であるのが好ましい。
適する向水性物質としては、アルカリ金属のトルエンスルホ
ン酸塩、尿素、アルカリ金属のキシレンおよびクメンスルホン酸塩、短鎖(好ま
しくはC2〜C5)アルコールならびにグリコールが挙げられる。これらの向水性
物質のうちで好ましいのは、スルホン酸塩、特にクメンおよびトルエンスルホン
酸塩である。
向水性物質の典型的な量は、スルホン酸塩の場合、0〜5%の範囲である。尿素
およびアルコールは、相対的により多い量を必要とする。希釈製品の場合は向水
性物質は不要である。
本発明に係る組成物は、すでに述べた成分の他に、他の種々の所望成分、例え
ば、溶媒、着色剤、光沢剤、汚れ懸濁剤、洗浄酵素、相溶性漂白剤、泡調節剤、
ゲル調節剤、凍結−解凍安定剤および乳白剤などを含むことができる。
好ましい組成物:
組成物の有効性は、存在する成分の比とともに変化する。上述したように、界
面活性剤と香料(好ましくは、昆虫忌避性香料)との比は、10:1重量%を超えな
いのが好ましい。好ましくは、界面活性剤:ポリマーの重量比が10:1以上である
。
典型的には、本発明に係る製品のpHは、そのままで3.5〜5.5の範囲にある。
希釈製品のpHは、希釈に使用する水の硬度に応じて、これとは異なってもよく
、中性以上であってもよ
い。原製品のpHは、表面に対する損傷の可能性を少なくするためには3.0以上
であり、非イオンポリマーの組み合わせにより有効な洗浄性を得るためには6.0
以下である。
組成物の最も好ましいpHは、3.5〜5.0の範囲である。
本発明に係る原組成物は、好ましくは、少なくとも50%の水、より好ましくは
少なくとも75%の水、最も好ましくは99〜82%の水を含む。
本発明に係る好ましい組成物は、pHが3.5〜5.5であり、
a)1〜10重量%のエトキシル化アルコール、
b)0.1〜4重量%のカルボキシレートポリマー、
c)0.2〜4重量%の香料物質、および
d)82〜99%の水
を含み、ただし、(a):(c)の重量比は10:1を超えない。
本発明に係る特に好ましい組成物は、pHが3.5〜5.5であり、
a)1〜10重量%のエトキシル化アルコール、
b)0.1〜4重量%のカルボキシレートポリマー、
c)0.2〜4重量%のテルペノイド昆虫忌避物質、および
d)82〜99%の水
を含み、ただし、(a):(c)の重量比は10:1を超えない。
本発明に係る特に最も好ましい組成物は、pHが4〜5であり、
a)2〜5重量%のエトキシル化アルコール、
b)0.1〜1重量%のポリアクリル酸ポリマー、
c)少なくとも1種のテルペノイド昆虫忌避物質を含0.2〜2重量%の香料、
d)1〜2重量%の向水性物質、ならびに
e)残りの水および少量物質
を含む。実施例
下記実施例において、成分は以下の通りである。
非イオン性物質A:DOBANOL(TM)23-6.5;エトキシル化アルコール、
非イオン性物質B:IMBENTIN(TM)91-350FA;エトキシル化アルコール、
陰イオン性物質:PETRELAB(TM)550;Na−直鎖アルキルスルホン酸塩、
陽イオン性物質:CATIGENE(TM)DC100;塩化ミリスチルジメ
チルベンジルアンモニウム、
石鹸;PRIFAC(TM)7910;K−石鹸、
ポリアクリル酸:VERSICOL(TM)E11;ポリアクリル酸、
向水性物質:クメンスルホン酸ナトリウム、
溶媒:Butyl Digol(TM);ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、
香料A:54%のリモネンを含む香料、
香料B:リモネン、リナロール、酢酸イオニル、フタル酸ジエチル、ジヒドロジ
ャスモン酸メチル、ヘキシル桂皮アルデヒドおよびガラキソリドを等しい割合で
含む香料、
香料C:80%のリモネンを含む香料。
1.香料Aを使用する実施例
実施例1〜4の組成物を、下記表1に示す割合で成分を混合することにより調
製した。以下の本明細書にある全ての成分割合は、特に断らない限り重量%で示
す。
典型的な例では、35gの非イオン界面活性剤(Imbentin 91-350FA)を室温で攪拌
しながら800mlの脱ミネラル水に分散させた。10gの25%ポリアクリル酸溶液(Ver
sicol E11)を残りの水(141ml)とともにその攪拌界面活性剤溶液に添加し、次い
で、
10gの香料および4gのクメンスルホン酸ナトリウムを添加した。
実験は、タイルを貼った6.0m平方の部屋で行い、対角線的に分けた半分の床を
原組成物10mlで処理し、残りの半分は未処理のままにした。部屋の空気の入れ換
えは、実験中、1時間に4回行った。部屋の中央に昆虫を入れた。忌避率は、20
分後に未処理ゾーンにいる昆虫(30匹のチャバネゴキブリ(Blattella germanica
)を使用した)の割合として定義する。上記から分かるように、50%の忌避率は
、その組成物が有効でないことを示す。
上記から、実施例3および4は、比較例1および2に対して顕著な改善を示す
ことが分かる。実験を24時間続けると、実施例1および2の忌避率は実質的に増
加しなかったが、実施例3および4は100%のままであった。
2.香料Bを使用する実施例
実施例5および6の組成物を、下記成分を下記表2に示す割合で混合すること
により調製した。
典型的な例では、35gの非イオン界面活性剤(Imbentin 91-350FA)を室温で攪拌
しながら800mlの脱ミネラル水に分散させた。10gの25%ポリアクリル酸溶液(Ver
sicol E11)を残りの水(130ml)とともにその攪拌界面活性剤に添加し、次いで、5
gの香料および20gの40%クメンスルホン酸ナトリウム水溶液を添加した。
きれいなガラスビーズをモデル表面として使用した。ビーズ
を5%の Decon(TM)溶液に一夜浸し、脱ミネラル水で洗浄し、クリーンオーブン
で脱水した。次いで、脱水した100gのビーズを100ml容のガラスびんに入れて注
意深く秤量し、40mlの製品を添加した。そのびんをローラーミキサー(Luckham M
ultimix Major[TM])上で1分揺らした。1分経過した後、中身を、ネックにグラ
スウールの栓の付いたポリエチレン製の漏斗に注いだ。ビーズが流出したら、そ
れらを平底のガラス皿に注意深く移した。25gのビーズサンプルを30分後、1時
間後、2時間後および4時間後に取り出した。
ガラスビーズ上に残っている香料を溶媒抽出により回収した。ビーズ(25g)を
ガラスびんに移して5mlのイソプロピルアルコールを添加し、少なくとも30分間
、ローラーミキサー上で揺らした。次いで、溶媒に存在する個々の香料成分の濃
度をGC/MS分析により測定した。サンプルを、内径が0.22mmで膜厚が0.25mm
である25m SGE BPX-5 ガラス毛細管カラムのついた Finnigan(TM)Magnum GC
/MS上に注入した。抽出物中の香料の全量を表3に示し、個々の香料成分の量
は表4および5に示す。
表3〜5の結果から、ポリマーを含む製品の場合は、より長い時間、より高い
量の香料が保持されることが分かる(実施例6を比較例5と比較)。量が「0」
は、実験誤差の範囲内で香
料が認められなかったことを示す。
3.香料Aの感覚的評価
一般的な目的の2つの洗浄組成物(実施例7および8)を、下記成分を下記表
6に示す割合で混合することにより調製した。
典型的な実施例では、35gの非イオン界面活性剤(Imbentin 91-350FA)を室温で
攪拌しながら800mlの脱ミネラル水に分散させた。10gの25%ポリアクリル酸溶液
(Versicol E11)を残りの水(130ml)とともにその攪拌界面活性剤に添加し、次い
で、5gの香料および20gの40%クメンスルホン酸ナトリウム水溶液を添加した。
きれいな3"x2"のスライドガラスをモデル表面として使用した。使用の前に、
スライドガラスを5%の Decon溶液に一夜浸し、脱ミネラル水で完全に洗浄して
、きれいなオーブンで脱水
した。各スライドの一端を2個の小さい強力クリップで挟み、スライド表面が汚
れることなく容易に取り扱えるようにした。0.05mlの製品をスライドに塗布し、
ピペットの先端でこすって上部表面全体を覆った。スライドガラスを20分間乾燥
させた。製品毎に3枚のスライドを用意し、6人一組のパネリストが対比較法に
よって評価した。パネリストたちには、各対から香料の匂いが最も強いスライド
を選択してもらった。
製品塗布の20分後を時間0とした。下記表7に示す結果は、いつもほとんどの
パネリストが、ポリマーを含む製品に対して香料が最も長く続いたと考えたこと
を示す(実施例8を比較例7と比較)。
4.香料Cを使用する別の実施例
下記表8に示す成分を使用して2つの系(実施例10および比較例9)を調製
した。どちらの系も、16.0%の非イオン性物
質およびリモネンをベースとする1%の香料を含む。また、一方は1.0%のPAA
を VersicolE11(TM)(Allied Colloids製)の形で含む。どちらの製品も、蒸留
水を加えて100%にした。
ガラス表面を両方の製品で処理した後、4時間放置して、相対的な芳香性を感
覚的に評価し(ヒトの鼻)、次いで溶媒抽出およびGC/MS分析を行った。サ
ンプルA、DおよびEは製品9で処理した。サンプルB、CおよびFは製品10
で処理した。感覚データを下記表9に示す。
これらの結果は、製品10を芳香性が最も大きいとして選択した数がかなり多
いことを示す。
非感覚(GC/MS)データを知るために、感覚試験によって評価した表面を
イソプロピルアルコールで抽出し、GC/MSで分析した。香料Cの主な成分の
2つ(リモネンおよびリナロール)をモニターした。結果を下記表10に示す。
表10の結果は、比較例の製品9と比較して、製品10で処理した表面上にか
なり多くの量の香料が保持されていることを示す(リナロールに対しては平均値
が2.5倍以上であり、リモネンに対しては25倍以上である。)。
希釈製品の利点を示すために、製品9および10を1〜100倍に希釈し、ガラス
表面に塗布した。これらを、感覚試験(ヒトの鼻)によってポリマーを含む系およ
び含まない系を比較することにより、最も強い芳香性に対して評価した。表面は
、1、2および4時間後に、各時点で新しいサンプルを二重に評価した。結果を
下記表11に示す。
表11の結果全体から、PAAを含む系が6:1の比で最も大きい芳香性を有
することが分かる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年4月17日
【補正内容】
ポリマーおよび非イオン界面活性剤を含む芳香性組成物 技術分
野
本発明は、ポリマーおよび非イオン界面活性剤を含む芳香性組成物に関する。
本発明は、本発明の好ましい態様である昆虫忌避組成物に関して説明する。発明の背景
洗浄組成物に昆虫忌避剤または殺虫剤を混入することは知られている。GB 205
6859(1981年公開)は、本質的に市販のガラスクリーナー AJAX VITRE(RTM)およ
び殺虫剤から成る組成物を開示している。
PCT/US85/01944(1986年公開)は、モノアルキルリン酸系昆虫忌避剤を洗剤に
添加して物体および動物の洗浄に使用することができ、その後、しばらく持続す
る忌避効果が得られることを開示している。
EP 0367257は、軟質表面(例えば、ヒト、動物、洗濯物または敷物)および硬
質表面に対して永続的である、洗剤に混入するための昆虫忌避剤を開示している
。洗浄表面に付着する特定化合物の量は0.2〜10(好ましくは、0.5〜2)g/sqmで
ある。
それらはまた、忌避噴霧剤など、液体媒体における分散体または溶液として作る
ことができる。該化合物は、ゴキブリに対して特に有効であると言われるが、ク
モ、マダニ、ダニ、ハエ、アリなどを忌避することもできる
EP 0619363は、界面活性剤、少なくとも50%の水および有効量の昆虫忌避物質
を含む水性液体洗剤に関する。その組成物は、殺虫剤を含まない。言及した昆虫
忌避剤の一つは、自体公知の昆虫忌避剤であり、香料でもある物質である。他の
物質を組成物に存在させることもでき、これらには、汚れ放出促進剤が含まれ、
これらはポリマーであってもよい。
EP 0275085は、昆虫忌避剤、推進剤、溶媒および特定の無水マレイン酸/α−
オレフィンポリマーを含む、噴霧可能な揮発性昆虫忌避組成物に関する。ポリマ
ーは、ニート組成物で処理した物体上に昆虫忌避剤を含む被覆を形成することに
より昆虫忌避剤の残留活性を増加させると考えられる。これらの組成物には界面
活性剤は存在しない。これらの組成物は、効果的な膜を形成するために比較的高
レベルのポリマーを存在させる必要がある。
JP-A-60 051796(Lion 1985)は、硬質表面洗浄組成物(例え
ば、化粧室用)を開示している。これは、陽イオン界面活性剤、1〜50重量%の
ポリオキシレンアルキル型の非イオン界面活性剤、0.1〜5%のポリマー(分子量
:3000〜100000)(例えば、マレイン酸または無水マレイン酸のコポリマーおよ
びテルペンまたはテルペンアルコール(例として、シトロネロールまたはゲラニ
オールなどが0.05〜0.5重量%で与えられている。)を含む。
US 5336428(Kaplan: 1994)は、5〜7%のリモネン(溶媒として)および15〜
21%の非イオン性物質およびアクリルコポリマー増粘剤(実施例では1%)を含む
沖合の台の洗浄剤(すなわち、オイルリグの洗浄用)を開示している。
EP 0126416(P&G: 1987)は、アルカリ性pHで作られ、増粘剤として、ポリマ
ー(分子量が500000〜1500000のポリアクリル酸)および一連の香料成分を含む
、陰イオン性に富む陰イオン/非イオン系を開示している。
昆虫忌避性よりもさらに一般的な問題は、表面を洗浄組成物で洗浄した後の香
料の持続性を延長された時間にわたって維持することである。香料の存在は、表
面がきれいであることの重要な指標として多くの消費者が感知している。本明細
書で述べ
るように、香料はしばしば他の機能を有することがあり、その一つとして、香料
組成物に忌避性化合物を含めることができるならば、昆虫忌避性が挙げられる。
香料は、本来、揮発性の物質であり、時間の経過とともに表面から消失する。最
初に表面から多くの量の香料が消失し、次いで、低レベルの放出が長い時間続く
ことが多い。香料の最初の消失が低く抑えられ、表面上の香料の量がより高いレ
ベルでより長い時間維持されるならば、感覚的にも、また昆虫忌避剤が存在する
場合は昆虫忌避の面でも、香料の有効性は改善される。
本発明の本文において、「香料」は、ヒトの鼻を使って感知できてもできなく
ても、揮発性の昆虫忌避組成物をその範囲内に含むものとする。昆虫忌避剤でな
い他の香料は、そのより広い範囲内に含まれる。発明の簡単な説明
非イオン界面活性剤を含む組成物の場合、組成物で処理した表面からの香料の
放出性は、カルボキシレートポリマーの使用によって改変することができること
が確認された。
また、昆虫忌避剤の効力は、カルボキシレートポリマーの混入によって改善さ
れることも確認された。
従って、本発明は、
a)非イオン界面活性剤、
b)分子量が100,000以上であるカルボキシレートポリマー、
および
c)0.2〜4重量%の香料
を含む、pH3.5〜7.5の水性洗浄組成物を提供する。
本発明の範囲を作用理論を参照することによって限定したくはないが、カルボ
キシレートポリマーは、非イオン界面活性剤と結合していてもいなくても、表面
で香料を捕獲し、表面で、または表面からの香料の放出の延長を促進すると考え
られる。これは、以前に使用されて昆虫忌避性の延長が行われた、界面活性剤を
含まない、本質的に無水の被覆とは異なる。というのは、これにより、存在する
水性界面活性剤が残留香料の利点を提供しながら同じ組成物での洗浄機能を果た
すことができるからである。
本発明はまた、残留香料の利点を表面に付与するように表面を洗浄する方法に
関し、該方法は、界面活性剤を本発明に係る組成物と接触させる工程を含む。最
も好ましくは、残留香料の利点として、昆虫忌避性を含む。発明の詳細な説明
界面活性剤:
非イオン界面活性剤は、本発明に係る組成物の必須成分である。界面活性剤は
、好ましくは、アルコキシル化アルコールまたは酸化アミンであるが、アルキル
ポリグルコシドなどの他の界面活性剤も使用できる。アルコキシル化アルコール
、特にエトキシル化アルコールが好ましい。
適する非イオン洗剤活性化合物は、親水性である酸化アルキレン基と脂肪族ま
たはアルキル芳香族であり得る有機疎水性化合物との縮合によって得られる化合
物として広く記載することができる。特定の疎水性基と縮合する親水性またはポ
リオキシアルキレンラジカルの長さは、容易に調整して、親水性要素と疎水性要
素との間のバランスが所望する程度である水溶性化合物を生じることができる。
特定の例としては、8〜22個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の脂肪
族アルコールと酸化エチレンとの縮合物質、例えばココナツアルコール1モルに
つき1〜15モルの酸化エチレンを有するココナツ油酸化エチレン縮合物;アル
キル基が6〜12個の炭素原子を含むアルキルフェノールとアルキルフ
ェノール1モルにつき1〜25モルの酸化エチレンとの縮合物が挙げられる。
特に好ましい非イオン界面活性剤としては、C8〜C12アルコールと2〜12
モルの酸化エチレンとの縮合物質が挙げられる。
本発明の組成物に使用する非イオン洗剤活性物質の量は、一般に、非濃縮製品
の場合、0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、最も好ましくは2〜7重量%で
ある。濃縮製品には、7〜20重量%の非イオン界面活性剤が存在するが、噴霧に
適する希釈製品には、0.1〜10重量%の非イオン界面活性剤が存在する。
別の好ましい界面活性剤としては、ココナツエタノールアミドおよびエタノー
ルアミンエトキシレート、ならびにC12酸化アミンが挙げられる。
ポリマー:
ポリマーは、本発明に係る組成物の必須成分である。これらのポリマーは、カ
ルボキシレートポリマーであることが必須である。本発明において、カルボキシ
レートポリマーは、最終ポリマーにおいて帯電されている、または帯電され得る
カルボキ
シ官能基を含むモノマーから生成するものである。この群のポリマーは、シリコ
ーン油および鉱物油などのポリマーは含まない。
本発明の態様において好ましいポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸お
よび/または無水マレイン酸のポリマー、あるいはそれらの1種以上の互いのコ
ポリマーまたは他のモノマーとのコポリマーである。特に適するポリマーとして
は、ポリアクリル酸、ポリ無水マレイン酸ならびに上記のいずれかとエチレン、
スチレンおよびメチルビニルエーテルとのコポリマーが挙げられる。
最も好ましいポリマーは、ポリアクリル酸および無水マレイン酸コポリマー、
好ましくはスチレン、アクリル酸、メチルビニルエーテルおよびエチレンとのコ
ポリマーである。ポリマーの分子量は、好ましくは、1,000,000ダルトン以下で
ある。
特に適するポリマーは、分子量230000のポリアクリル酸である。これは、VERS
ICOL E11(TM)(Allied Colloids 製)として市販されている。
典型的には、組成物は、製品に対して少なくとも0.01重量%のポリマーを含む
。好ましくは、ポリマーの量は0.05〜5.0重
量%である。より好ましくは、0.1〜4.0重量%のポリマーが存在する。しかし、
使用の前に希釈する、非常に濃縮された製品の場合、最初のポリマーの量は、5
重量%と高くすることができる。
好ましくは、ポリマーと非イオン性物質との比が0.1:1重量比以下である。
香料:
有効量の香料は、本発明の組成物の必須成分である。香料が昆虫忌避剤である
のが特に好ましい。
特に適する昆虫忌避剤としては、ハッカ属、特に Mentha arvensis、mentha p
iperita、Mentha spicataおよび Mentha cardicaのもの;レモングラス東インド
油、レモン油、シトロネラ油、シダーおよびパイン油;テルペノイド、特にリモ
ネン、カルボン、シネオール、リナロール、ゴム樟脳、シトロネラル、αおよび
βテルペノール、フェンコリン酸、ボルネオール、イソボルネオール、酢酸ボル
ニルならびに酢酸イソボルニルなどの精油が挙げられる。
最も好ましい昆虫忌避剤は、テルペノイド、特にリモネンである。
昆虫忌避剤の必要量は、使用する物質の性質によって変わる。
界面活性剤と昆虫忌避剤との比は、10:1重量%を越えないのが好ましく、より
好ましくは、界面活性剤と昆虫忌避剤との比が8〜2:1の範囲である。
昆虫忌避剤とポリマーとの比は、5:1末満であるが0.5:1より大きい範囲にある
のが好ましい。54%の昆虫忌避剤を含む香料とポリマーとの比が4:1であるのが
効果的であることが分かった。
少量物質:
本発明に係る組成物は、必須でない他の少量の成分を含むことができる。それ
らは、洗浄性を助け、製品の物理的・化学的安定性を保持する。
例えば、組成物は、洗剤ビルダーを含むことができる。一般に、ビルダーを使
用する場合、好ましくは、組成物の0.1〜25重量%を形成する。
エチレンジアミン四酢酸、アミノ−ポリホスホネート(DEQUESTRに含まれるも
のなど)およびホスフェートならびに種々の他の多官能性有機酸および塩などの
金属イオン封鎖剤も所望により使用することができる。
この機能としては、クエン酸塩が、希釈時に組成物を3〜5のpHに維持する緩
衝液として特に好ましい。クエン酸塩の典型的な量は0.5〜5%の範囲であり、濃
縮物の場合は5〜10%とより高い量が、また噴霧用製品の場合は0.1〜1%とより
低い量が使用される。クエン酸塩は、pHをこの範囲に維持する他の適する緩衝
剤で置き換えることができる。クエン酸塩は、環境上の理由および残留物がない
ために好ましい。
向水性物質は、有用な所望成分である。向水性物質の使用は、陰イオン界面活
性剤を添加する必要なく組成物の曇り点を上げることができると考えられる。本
発明に係る組成物は、陰イオン物質を含まないか、陰イオン物質の含量が低い、
すなわちベタインの量の50%未満であるのが好ましい。
適する向水性物質としては、アルカリ金属のトルエンスルホン酸塩、尿素、ア
ルカリ金属のキシレンおよびクメンスルホン酸塩、短鎖(好ましくはC2〜C5)
アルコールならびにグリコールが挙げられる。これらの向水性物質のうちで好ま
しいのは、スルホン酸塩、特にクメンおよびトルエンスルホン酸塩である。
向水性物質の典型的な量は、スルホン酸塩の場合、0〜5%の範囲である。尿素
およびアルコールは、相対的により多い量を
必要とする。希釈製品の場合は向水性物質は不要である。
本発明に係る組成物は、すでに述べた成分の他に、他の種々の所望成分、例え
ば、溶媒、着色剤、光沢剤、汚れ懸濁剤、洗浄酵素、相溶性漂白剤、泡調節剤、
ゲル調節剤、凍結−解凍安定剤および乳白剤などを含むことができる。
好ましい組成物:
組成物の有効性は、存在する成分の比とともに変化する。上述したように、界
面活性剤と香料(好ましくは、昆虫忌避性香料)との比は、10:1重量%を超えな
いのが好ましい。好ましくは、界面活性剤:ポリマーの重量比が10:1以上である
。
典型的には、本発明に係る製品のpHは、そのままで3.5〜5.5の範囲にある。
希釈製品のpHは、希釈に使用する水の硬度に応じて、これとは異なってもよく
、中性以上であってもよい。ニート製品のpHは、表面に対する損傷の可能性を
少なくするためには3.0以上であり、非イオンポリマーの組み合わせにより有効
な洗浄性を得るためには6.0以下である。
組成物の最も好ましいpHは、3.5〜5.0の範囲である。
本発明に係るニート組成物は、好ましくは、少なくとも50%の水、より好まし
くは少なくとも75%の水、最も好ましくは99
〜82%の水を含む。
本発明に係る好ましい組成物は、pHが3.5〜5.5であり、
a)1〜10重量%のエトキシル化アルコール、
b)分子量が>100,000である、0.1〜4重量%のカルボキシレートポリマー、
c)0.2〜4重量%の香料物質、および
d)82〜99%の水
を含み、ただし、(a):(c)の重量比は10:1を超えない。
本発明に係る特に好ましい組成物は、pHが3.5〜5.5であり、
a)1〜10重量%のエトキシル化アルコール、
b)分子量が>100,000である、0.1〜4重量%のカルボキシレートポリマー、
c)0.2〜4重量%のテルペノイド昆虫忌避物質、および
d)82〜99%の水
を含み、ただし、(a):(c)の重量比は10:1を超えない。
本発明に係る特に最も好ましい組成物は、pHが4〜5であり、
a)2〜5重量%のエトキシル化アルコール、
b)分子量が>100,000である、0.1〜1重量%のポリアクリル酸ポリマー、
c)少なくとも1種のテルペノイド昆虫忌避物質を含む0.2〜2重量%の香料、
d)1〜2重量%の向水性物質、ならびに
e)残りの水および少量物質
を含む。実施例
下記実施例において、成分は以下の通りである。
非イオン性物質A:DOBANOL(TM)23-6.5 ;エトキシル化アルコール、
非イオン性物質B:IMBENTIN(TM)91-350FA;エトキシル化アルコール、
陰イオン性物質:PETRELAB(TM)550 ;Na−直鎖アルキルスルホン酸塩、
陽イオン性物質:CATIGENE(TM)DC100 ;塩化ミリスチルジメチルベンジルアン
モニウム、
石鹸;PRIFAC(TM)7910; K−石鹸、
ポリアクリル酸:VERSICOL(TM)E11 ;ポリアクリル酸、
向水性物質:クメンスルホン酸ナトリウム、
溶媒:Butyl Digol(TM);ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、
香料A:54%のリモネンを含む香料、
香料B:リモネン、リナロール、酢酸イオニル、フタル酸ジエチル、ジヒドロジ
ャスモン酸メチル、ヘキシル桂皮アルデヒドおよびガラキソリドを等しい割合で
含む香料、
香料C:80%のリモネンを含む香料。
1.香料Aを使用する実施例
実施例1〜4の組成物を、下記表1に示す割合で成分を混合することにより調
製した。以下の本明細書にある全ての成分割合は、特に断らない限り重量%で示
す。
典型的な例では、35gの非イオン界面活性剤(Imbentin 91-350FA)を室温で攪拌
しながら800mlの脱ミネラル水に分散させた。10gの25%ポリアクリル酸溶液(Ver
sicol E11)を残りの水(141ml)とともにその攪拌界面活性剤溶液に添加し、次い
で、10gの香料および4gのクメンスルホン酸ナトリウムを添加した。
実験は、タイルを貼った6.0m2の部屋で行い、対角線的に
分けた半分の床をニート組成物10mlで処理し、残りの半分は未処理のままにした
。部屋の空気の入れ換えは、実験中、1時間に4回行った。部屋の中央に昆虫を
入れた。忌避率は、20分後に未処理ゾーンにいる昆虫(30匹のチャバネゴキブリ
(Blattella germanica)を使用した)の割合として定義する。上記から分かるよ
うに、50%の忌避率は、その組成物が有効でないことを示す。
上記から、実施例3および4は、比較例1および2に対して顕著な改善を示す
ことが分かる。実験を24時間続けると、実施例1および2の忌避率は実質的に増
加しなかったが、実施例
3および4は100%のままであった。
2.香料Bを使用する実施例
実施例5および6の組成物を、下記成分を下記表2に示す割合で混合すること
により調製した。
典型的な例では、35gの非イオン界面活性剤(Imbentin 91-350FA)を室温で攪拌
しながら800mlの脱ミネラル水に分散させた。10gの25%ポリアクリル酸溶液(Ver
sicol E11)を残りの水(130ml)とともにその攪拌界面活性剤に添加し、次いで、
5gの香料および20gの40%クメンスルホン酸ナトリウム水溶液を添加した。
きれいなガラスビーズをモデル表面として使用した。ビーズを5%のDecon(TM)
溶液に一液浸し、脱ミネラル水で洗浄し、クリーンオーブンで脱水した。次いで
、脱水した100gのビーズを100ml容のガラスびんに入れて注意深く秤量し、40ml
の
製品を添加した。そのびんをローラーミキサー(Luckham Multimix Major[TM])上
で1分揺らした。1分経過した後、中身を、ネックにグラスウールの栓の付いた
ポリエチレン製の漏斗に注いだ。ビーズが流出したら、それらを平底のガラス皿
に注意深く移した。25gのビーズサンプルを 30分後、1時間後、2時間後およ
び4時間後に取り出した。
ガラスビーズ上に残っている香料を溶媒抽出により回収した。ビーズ(25g)を
ガラスびんに移して5mlのイソプロピルアルコールを添加し、少なくとも30分間
、ローラーミキサー上で揺らした。次いで、溶媒に存在する個々の香料成分の濃
度をGC/MS分析により測定した。サンプルを、内径が0.22mmで膜厚が0.25mm
である25m SGE BPX-5ガラス毛細管カラムのついた Finnigan(TM)Magnum GC
/MS上に注入した。抽出物中の香料の全量を表3に示し、個々の香料成分の量
は表4および5に示す。
表3〜5の結果から、ポリマーを含む製品の場合は、より長い時間、より高い
量の香料が保持されることが分かる(実施例6を比較例5と比較)。量が「0」
は、実験誤差の範囲内で香
料が認められなかったことを示す。
3.香料Aの感覚的評価
一般的な目的の2つの洗浄組成物(実施例7および8)を、下記成分を下記表
6に示す割合で混合することにより調製した。
典型的な実施例では、35gの非イオン界面活性剤(Imbentin 91-350FA)を室温で
攪拌しながら800mlの脱ミネラル水に分散させた。10gの25%ポリアクリル酸溶液
(Versicol E11)を残りの水(130ml)とともにその攪拌界面活性剤に添加し、次い
で、5gの香料および20gの40%クメンスルホン酸ナトリウム水溶液を添加した。
きれいな3"x2"のスライドガラスをモデル表面として使用した。使用の前に、
スライドガラスを5%の Decon溶液に一夜浸し、脱ミネラル水で完全に洗浄して
、きれいなオーブンで脱水した。各スライドの一端を2個の小さい強力クリップ
で挟み、
スライド表面が汚れることなく容易に取り扱えるようにした。0.05mlの製品をス
ライドに塗布し、ピペットの先端でこすって上部表面全体を覆った。スライドガ
ラスを20分間乾燥させた。製品毎に3枚のスライドを用意し、6人一組のパネリ
ストが対比較法によって評価した。パネリストたちには、各対から香料の匂いが
最も強いスライドを選択してもらった。
製品塗布の20分後を時間0とした。表7に示す結果は、いつもほとんどのパネ
リストが、ポリマーを含む製品に対して香料が最も長く続いたと考えたことを示
す(実施例8を比較例7と比較)。
4.香料Cを使用する別の実施例
下記表8に示す成分を使用して2つの系(実施例10および比較例9)を調製
した。どちらの系も、16.0%の非イオン性物質およびリモネンをベースとする1
%の香料を含む。また、一
方は1.0%のPAAを Versicol E11(TM)(Allied Colloids製)の形で含む。ど
ちらの製品も、蒸留水を加えて100%にした。
ガラス表面を両方の製品で処理した後、4時間放置して、相対的な芳香性を感
覚的に評価し(ヒトの鼻)、次いで溶媒抽出およびGC/MS分析を行った。サ
ンプルA、DおよびEは製品9で処理した。サンプルB、CおよびFは製品10
で処理した。感覚データを下記表9に示す。
これらの結果は、製品10を芳香性が最も大きいとして選択した数がかなり多
いことを示す。
非感覚(GC/MS)データを知るために、感覚試験によって評価した表面を
イソプロピルアルコールで抽出し、GC/MSで分析した。香料Cの主な成分の
2つ(リモネンおよびリナロール)をモニターした。結果を下記表10に示す。
表10の結果は、比較例の製品9と比較して、製品10で処理した表面上にか
なり多くの量の香料が保持されていることを示す(リナロールに対しては平均値
が2.5倍以上であり、リモネンに対しては25倍以上である。)。
希釈製品の利点を示すために、製品9および10を 1〜100倍に希釈し、ガラ
ス表面に塗布した。これらを、感覚試験(ヒトの鼻)によってポリマーを含む系お
よび含まない系を比較することにより、最も強い芳香性に対して評価した。表面
は、1、2および4時間後に、各時点で新しいサンプルを二重に評価し
た。結果を下記表11に示す。
表11の結果全体から、PAAを含む系が6:1の比で最も大きい芳香性を有
することが分かる。
請求の範囲
1.a)非イオン界面活性剤、
b)分子量が100,000以上のカルボキシレートポリマー、および
c)0.2〜4%の香料
を含む、pH3.5〜7.5の水性洗浄組成物。
2.香料が昆虫忌避性香料である、請求項1に記載の組成物。
3.非イオン界面活性剤が製品全体の0.1〜30重量%の量で存在し、C8〜C22ア
ルコールと2〜12モルの酸化エチレンとの縮合物質である、請求項1に記載の組
成物。
4.カルボキシレートポリマーが製品全体の0.01〜5重量%の量で存在し、ポリ
マーが、アクリル酸もしくはメタクリル酸もしくは無水マレイン酸のポリマー、
または上記の1種以上の互いのコポリマーもしくは他のモノマーとのコポリマー
である、請求項1に記載の組成物。
5.カルボキシレートポリマーと非イオン界面活性剤との重量比が0.1:1(重量
)以下である、請求項1に記載の組成物。
6.pHが3.5〜5.5であり、
a)1〜10重量%のエトキシル化アルコール、
b)0.1〜4重量%のカルボキシレートポリマー、
c)0.2〜4重量%の香料物質、および
d)82〜99%の水
を含み、ただし、(a):(c)の重量比が10:1を超えない、請求項5に記載の
組成物。
7.pHが3.5〜5.5であり、
a)1〜10重量%のエトキシル化アルコール、
b)0.1〜4重量%のカルボキシレートポリマー、
c)0.2〜4重量%のテルペノイド昆虫忌避物質、および
d)82〜99%の水
を含み、ただし、(a):(c)の重量比が10:1を超えない、請求項6に記載の
組成物。
8.香料が製品に対して0.1〜5%の量で存在し、リモネン、カルボン、シネオー
レ、リナロール、ゴム樟脳、シトロネラル、αおよびβテルペノール、フェンコ
リン酸、ボルネオール、イソボルネオール、酢酸ボルニル、酢酸イソボルニルな
らびにそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
9.pHが3.5〜5.5であり、
a)1〜10重量%のエトキシル化アルコール、
b)0.1〜4重量%のカルボキシレートポリマー、
c)リモネン、カルボン、シネオーレ、リナロール、ゴム樟脳、シトロネラル、
αおよびβテルペノール、フェンコリン酸、ボルネオール、イソボルネオール、
酢酸ボルニル、酢酸イソボルニルならびにそれらの混合物を含む群から選択され
る0.2〜4重量%の香料成分、および
d)82〜99%の水、
を含み、ただし、(a):(c)の重量比が10:1を超えない、水性洗浄組成物。
10.表面を請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物と接触させる工程を含
む、残留香料の利点が表面に付与されるように表面を洗浄する方法。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 マデイソン,クリストフアー
イギリス国、チエシヤー・エル・66・1・
アール・イー、サウス・ウイラル、リト
ル・サツトン、チルダー・クレツセント・
9
(72)発明者 シヤープレス,マーテイン
イギリス国、マージーサイド・エル・63・
5・エル・ゼツト、ウイラル、ハイアー・
ベビントン、キングズ・レイン・101