JPH1150083A - 金属塑性加工用潤滑剤 - Google Patents
金属塑性加工用潤滑剤Info
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- JPH1150083A JPH1150083A JP20502897A JP20502897A JPH1150083A JP H1150083 A JPH1150083 A JP H1150083A JP 20502897 A JP20502897 A JP 20502897A JP 20502897 A JP20502897 A JP 20502897A JP H1150083 A JPH1150083 A JP H1150083A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】潤滑性能および離型性能に優れ、かつ、黒鉛系
潤滑剤、ガラス系潤滑剤、カルボン酸系潤滑剤等が有す
る問題点を解消した金属塑性加工用潤滑剤を提供する。 【解決手段】水溶性または水分散性のアクリル系重合
体、アクリル系共重合体の群から選択される１種または
複数種の化合物と、炭素数８〜５４の直鎖または分岐の
モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩の群から選択され
る１種または複数種の化合物と、水を主要成分とする金
属塑性加工用潤滑剤であり、アクリル系重合体、共重合
体の金型に対する吸着力、耐熱性、皮膜形成性により潤
滑性を向上させ、さらには、モノカルボン酸塩、ポリカ
ルボン酸塩の皮膜に対する被覆性により潤滑性を一層向
上させる。
潤滑剤、ガラス系潤滑剤、カルボン酸系潤滑剤等が有す
る問題点を解消した金属塑性加工用潤滑剤を提供する。 【解決手段】水溶性または水分散性のアクリル系重合
体、アクリル系共重合体の群から選択される１種または
複数種の化合物と、炭素数８〜５４の直鎖または分岐の
モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩の群から選択され
る１種または複数種の化合物と、水を主要成分とする金
属塑性加工用潤滑剤であり、アクリル系重合体、共重合
体の金型に対する吸着力、耐熱性、皮膜形成性により潤
滑性を向上させ、さらには、モノカルボン酸塩、ポリカ
ルボン酸塩の皮膜に対する被覆性により潤滑性を一層向
上させる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミ合金の冷間
領域、熱間領域での鍛造、押し出し、プレス、伸線等、
金属塑性加工時に使用される塑性加工用潤滑剤に関す
る。
領域、熱間領域での鍛造、押し出し、プレス、伸線等、
金属塑性加工時に使用される塑性加工用潤滑剤に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】金属塑性加工用潤滑剤に要求される特性
として、金属加工材料と金型間や金型相互の摩擦を低減
させる潤滑性能、金型の温度上昇を抑える冷却性能、金
属加工製品の金型からの離型を容易にする離型性能があ
る。
として、金属加工材料と金型間や金型相互の摩擦を低減
させる潤滑性能、金型の温度上昇を抑える冷却性能、金
属加工製品の金型からの離型を容易にする離型性能があ
る。
【０００３】これらの性能を有する金属塑性加工用潤滑
剤としては、黒鉛系潤滑剤、ガラス系潤滑剤、カルボン
酸系潤滑剤等が知られている。
剤としては、黒鉛系潤滑剤、ガラス系潤滑剤、カルボン
酸系潤滑剤等が知られている。
【０００４】黒鉛系潤滑剤は、特開昭６３−３０５９７
号公報に示されているように、黒鉛粉末を鉱物油に分散
させ、または黒鉛粉末を水に分散させてなる潤滑剤であ
り、ガラス系潤滑剤は、特公昭５６−１７２９７号公
報、特開昭５７−７３０８９号公報に示されているよう
に、燐酸、硼酸、珪酸等のアルカリ金属塩からなる潤滑
剤であり、また、カルボン酸系潤滑剤は、特開昭５５−
１３９４９８号公報、特開昭６０−１２９３号公報、特
開平２−６６００号公報に示されているように、アジピ
ン酸塩と有機増粘剤とからなる潤滑剤、芳香族カルボン
酸のアルカリ金属塩からなる潤滑剤、２種の２塩基酸の
アルカリ金属塩と有機増粘剤とからなる潤滑剤である。
号公報に示されているように、黒鉛粉末を鉱物油に分散
させ、または黒鉛粉末を水に分散させてなる潤滑剤であ
り、ガラス系潤滑剤は、特公昭５６−１７２９７号公
報、特開昭５７−７３０８９号公報に示されているよう
に、燐酸、硼酸、珪酸等のアルカリ金属塩からなる潤滑
剤であり、また、カルボン酸系潤滑剤は、特開昭５５−
１３９４９８号公報、特開昭６０−１２９３号公報、特
開平２−６６００号公報に示されているように、アジピ
ン酸塩と有機増粘剤とからなる潤滑剤、芳香族カルボン
酸のアルカリ金属塩からなる潤滑剤、２種の２塩基酸の
アルカリ金属塩と有機増粘剤とからなる潤滑剤である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの各
種の潤滑剤のうち、黒鉛系潤滑剤は潤滑性能と離型性能
に優れていることから一般に広く使用されているが、使
用中、黒鉛粉末が飛散して作業環境を悪化させ、また、
黒鉛粉末が機械等に付着するため、清掃作業を強いられ
て作業能率を低下させ、さらにまた、黒鉛粉末がスプレ
ーノズルを目詰まりさせて作業の自動化を妨げる。
種の潤滑剤のうち、黒鉛系潤滑剤は潤滑性能と離型性能
に優れていることから一般に広く使用されているが、使
用中、黒鉛粉末が飛散して作業環境を悪化させ、また、
黒鉛粉末が機械等に付着するため、清掃作業を強いられ
て作業能率を低下させ、さらにまた、黒鉛粉末がスプレ
ーノズルを目詰まりさせて作業の自動化を妨げる。
【０００６】一方、ガラス系潤滑剤は、黒鉛系潤滑剤が
有するこれらの問題を解消し得るものであるとともに、
離型性能に優れているものであるが、金型にガラス質成
分が堆積して、加工製品に欠肉を生じさせ易いという問
題がある。
有するこれらの問題を解消し得るものであるとともに、
離型性能に優れているものであるが、金型にガラス質成
分が堆積して、加工製品に欠肉を生じさせ易いという問
題がある。
【０００７】同様に、カルボン酸系潤滑剤も黒鉛系潤滑
剤が有する各問題を解消し得るものであるとともに、ガ
ラス系潤滑剤が有する上記問題を解消し得るものではあ
るが、潤滑性能や離型性能の面で黒鉛系潤滑剤より劣る
という問題がある。
剤が有する各問題を解消し得るものであるとともに、ガ
ラス系潤滑剤が有する上記問題を解消し得るものではあ
るが、潤滑性能や離型性能の面で黒鉛系潤滑剤より劣る
という問題がある。
【０００８】従って、本発明の目的は、潤滑性能および
離型性能に優れ、かつ、これらの各種の潤滑剤が有する
上記した問題を解消し得る金属塑性加工用潤滑剤を提供
することにある。
離型性能に優れ、かつ、これらの各種の潤滑剤が有する
上記した問題を解消し得る金属塑性加工用潤滑剤を提供
することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は金属塑性加工用
潤滑剤に関するもので、当該金属塑性加工用潤滑剤は、
水溶性または水分散性のアクリル系重合体、アクリル系
共重合体の群から選択される１種または複数種の化合物
と、炭素数８〜５４の直鎖状または分岐状のモノカルボ
ン酸塩、ポリカルボン酸塩の群から選択される１種また
は複数種の化合物と、水を主要成分とすることを特徴と
するものである。
潤滑剤に関するもので、当該金属塑性加工用潤滑剤は、
水溶性または水分散性のアクリル系重合体、アクリル系
共重合体の群から選択される１種または複数種の化合物
と、炭素数８〜５４の直鎖状または分岐状のモノカルボ
ン酸塩、ポリカルボン酸塩の群から選択される１種また
は複数種の化合物と、水を主要成分とすることを特徴と
するものである。
【００１０】本発明に係る金属塑性加工用潤滑剤におい
ては、前記モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩は、ア
ルカリ金属塩、アルカノールアミン塩の群から選択され
る１種または複数種の化合物を主要成分とすることが好
ましく、また、前記アクリル系重合体、アクリル系共重
合体と前記モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩との含
有量の重量比率は１／１０〜９９／１であり、かつ、潤
滑剤の全量を１００重量部とした場合の前記アクリル系
重合体、アクリル系共重合体と前記モノカルボン酸塩、
ポリカルボン酸塩の両化合物の含有量は１〜９０重量部
であることが好ましい。
ては、前記モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩は、ア
ルカリ金属塩、アルカノールアミン塩の群から選択され
る１種または複数種の化合物を主要成分とすることが好
ましく、また、前記アクリル系重合体、アクリル系共重
合体と前記モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩との含
有量の重量比率は１／１０〜９９／１であり、かつ、潤
滑剤の全量を１００重量部とした場合の前記アクリル系
重合体、アクリル系共重合体と前記モノカルボン酸塩、
ポリカルボン酸塩の両化合物の含有量は１〜９０重量部
であることが好ましい。
【００１１】本発明に係る潤滑剤の主要成分である、水
溶性または水分散性のアクリル系重合体、アクリル系共
重合体としては、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリ
ル酸メチル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エチル共
重合体、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、アクリ
ル酸−エチレン共重合体、メタアクリル酸メチル−アク
リル酸ブチル共重合体等を挙げることができる。これら
の水溶性または水分散性樹脂は、単独でもよく、また２
種以上を混合して使用することができる。
溶性または水分散性のアクリル系重合体、アクリル系共
重合体としては、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリ
ル酸メチル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エチル共
重合体、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、アクリ
ル酸−エチレン共重合体、メタアクリル酸メチル−アク
リル酸ブチル共重合体等を挙げることができる。これら
の水溶性または水分散性樹脂は、単独でもよく、また２
種以上を混合して使用することができる。
【００１２】本発明に係る潤滑剤の他の主要成分であ
る、炭素数８〜５４の直鎖状または分岐状のモノカルボ
ン酸塩、ポリカルボン酸塩としては、カプリル酸、ペラ
ルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン
酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン
酸、リシノレイン酸、ステアロール酸、ノナデカン酸、
アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セトレイン酸、
エルカ酸、ブラシジン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセ
ル酸、ナフテン酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、アルケニル琥珀
酸、マレイン化オレイン酸、ダイマー酸、トリマー酸、
リシノレイン酸の縮合物等の塩を挙げることができる。
る、炭素数８〜５４の直鎖状または分岐状のモノカルボ
ン酸塩、ポリカルボン酸塩としては、カプリル酸、ペラ
ルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン
酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン
酸、リシノレイン酸、ステアロール酸、ノナデカン酸、
アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セトレイン酸、
エルカ酸、ブラシジン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセ
ル酸、ナフテン酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ドデカ二酸、アルケニル琥珀
酸、マレイン化オレイン酸、ダイマー酸、トリマー酸、
リシノレイン酸の縮合物等の塩を挙げることができる。
【００１３】これらのモノカルボン酸塩、ポリカルボン
酸塩は単独でもよく、また２種以上を混合して使用する
ことができる。また、これらの塩は、ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩である
ことが好ましい。
酸塩は単独でもよく、また２種以上を混合して使用する
ことができる。また、これらの塩は、ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩である
ことが好ましい。
【００１４】本発明に係る潤滑剤に使用されるアルカノ
ールアミン塩としては、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミン、Ｎ−メチルエタノールアミン、Ｎ−
エチルエタノールアミン、Ｎ−メチルプロパノールアミ
ン、Ｎ−エチルプロパノールアミン、Ｎ−メチルジエタ
ノールアミン、Ｎ−エチルジエタノールアミン、Ｎ−メ
チルジプロパノールアミン、Ｎ−エチルジプロパノール
アミン等のナトリウム塩、カリウム塩等を挙げることが
できる。
ールアミン塩としては、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプ
ロパノールアミン、Ｎ−メチルエタノールアミン、Ｎ−
エチルエタノールアミン、Ｎ−メチルプロパノールアミ
ン、Ｎ−エチルプロパノールアミン、Ｎ−メチルジエタ
ノールアミン、Ｎ−エチルジエタノールアミン、Ｎ−メ
チルジプロパノールアミン、Ｎ−エチルジプロパノール
アミン等のナトリウム塩、カリウム塩等を挙げることが
できる。
【００１５】なお、本発明に係る潤滑剤においては、必
要により、防腐剤、消泡剤、金属防錆剤、界面活性剤等
を混在させることができ、さらには、極めて過酷な加工
条件の下で使用される場合には、焼き付き防止等の性能
を向上させる目的で、極圧添加剤、金属石鹸、ポリエチ
レン、ポリエチレンワックス、シリコンエマルジョン、
シリコン樹脂、メラニンシアヌレート等の有機物や、雲
母、滑石、窒化硼素、弗化硼素、硼酸リチウム、金属酸
化物等の無機物を混在させることができる。
要により、防腐剤、消泡剤、金属防錆剤、界面活性剤等
を混在させることができ、さらには、極めて過酷な加工
条件の下で使用される場合には、焼き付き防止等の性能
を向上させる目的で、極圧添加剤、金属石鹸、ポリエチ
レン、ポリエチレンワックス、シリコンエマルジョン、
シリコン樹脂、メラニンシアヌレート等の有機物や、雲
母、滑石、窒化硼素、弗化硼素、硼酸リチウム、金属酸
化物等の無機物を混在させることができる。
【００１６】
【発明の作用・効果】本発明に係る金属塑性加工用潤滑
剤において、水溶性または水分散性のアクリル系重合体
は、金型に対する吸着力が強く、耐熱性があり、かつ、
皮膜形成性が高くて潤滑性に優れている。また、炭素数
８〜５４の直鎖状または分岐状のモノカルボン酸塩、ポ
リカルボン酸塩は、水溶性または水分散性のアクリル系
重合体が形成する皮膜の上に乗って皮膜を被覆し、潤滑
性に対する相乗効果を発揮させる。
剤において、水溶性または水分散性のアクリル系重合体
は、金型に対する吸着力が強く、耐熱性があり、かつ、
皮膜形成性が高くて潤滑性に優れている。また、炭素数
８〜５４の直鎖状または分岐状のモノカルボン酸塩、ポ
リカルボン酸塩は、水溶性または水分散性のアクリル系
重合体が形成する皮膜の上に乗って皮膜を被覆し、潤滑
性に対する相乗効果を発揮させる。
【００１７】本発明に係る金属塑性加工用潤滑剤におい
て、モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩は、アルカリ
金属塩、アルカノールアミン塩の群から選択される１種
または複数種の化合物を主要成分であることが好まし
く、また、アクリル系重合体、アクリル系共重合体とモ
ノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩との含有量の重量比
率は１／１０〜９９／１であることが好ましい。
て、モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩は、アルカリ
金属塩、アルカノールアミン塩の群から選択される１種
または複数種の化合物を主要成分であることが好まし
く、また、アクリル系重合体、アクリル系共重合体とモ
ノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩との含有量の重量比
率は１／１０〜９９／１であることが好ましい。
【００１８】特に、アクリル系重合体、アクリル系共重
合体とモノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩の両化合物
の含有量は、潤滑剤の全量を１００重量部とした場合、
１〜９０重量部であることが好ましい。含有量が１重量
部未満である場合には、良好な潤滑性能が得られず、ま
た、含有量が９０重量部を越える場合には、これ以上含
有量を増大しても潤滑性能の向上は望めない。
合体とモノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩の両化合物
の含有量は、潤滑剤の全量を１００重量部とした場合、
１〜９０重量部であることが好ましい。含有量が１重量
部未満である場合には、良好な潤滑性能が得られず、ま
た、含有量が９０重量部を越える場合には、これ以上含
有量を増大しても潤滑性能の向上は望めない。
【００１９】このように、本発明に係る金属塑性加工用
潤滑剤は非黒鉛系潤滑剤であって、黒鉛に起因する作業
環境の悪化が無いとともに、金型に対する堆積がなくて
加工製品に欠肉を発生させることがなく、かつ、潤滑
性、離型性の極めて高い金属塑性加工用潤滑剤であっ
て、特に、アルミ合金の冷間鍛造、熱間鍛造用の潤滑剤
として好適である。
潤滑剤は非黒鉛系潤滑剤であって、黒鉛に起因する作業
環境の悪化が無いとともに、金型に対する堆積がなくて
加工製品に欠肉を発生させることがなく、かつ、潤滑
性、離型性の極めて高い金属塑性加工用潤滑剤であっ
て、特に、アルミ合金の冷間鍛造、熱間鍛造用の潤滑剤
として好適である。
【００２０】
（潤滑剤の調整）アルミ合金用の塑性加工用潤滑剤とし
て、表１に示す８種類の潤滑剤（実施例に係る潤滑
剤）、および表２に示す５種類の潤滑剤（比較例に係る
潤滑剤）を調製し、これらの全ての潤滑剤を潤滑性能試
験に供した。各表に示す成分の割合は、潤滑剤１００重
量部に対する重量部である。
て、表１に示す８種類の潤滑剤（実施例に係る潤滑
剤）、および表２に示す５種類の潤滑剤（比較例に係る
潤滑剤）を調製し、これらの全ての潤滑剤を潤滑性能試
験に供した。各表に示す成分の割合は、潤滑剤１００重
量部に対する重量部である。
【００２１】
【表１】
【００２２】
【表２】
【００２３】（潤滑性能試験）潤滑性能試験は、リング
圧縮試験により摩擦係数を測定することにより行った。
但し、試験方法としては、１００ｔ門型油圧プレス機に
φ１００×１５０ｍｍのＳＫＨ−９（ＨＲＣ−５５）ダ
イスをセットして、このダイスを１５０℃に加熱し、そ
の上に１０倍に希釈した潤滑剤（試料液）を５ｍＬスプ
レーするとともに、その上に４００℃に加熱したＡ５０
５２材のリング（φ３０×φ１５×１０ｍｍのアルミ合
金）を乗せて、圧縮速度８１．６ｍｍ／ｍｉｎでプレス
する。１試料液を使用して、圧縮率４０％、６０％でリ
ング圧縮を行い、各圧縮率における内径変化率を校正曲
線図から摩擦係数を算出する。
圧縮試験により摩擦係数を測定することにより行った。
但し、試験方法としては、１００ｔ門型油圧プレス機に
φ１００×１５０ｍｍのＳＫＨ−９（ＨＲＣ−５５）ダ
イスをセットして、このダイスを１５０℃に加熱し、そ
の上に１０倍に希釈した潤滑剤（試料液）を５ｍＬスプ
レーするとともに、その上に４００℃に加熱したＡ５０
５２材のリング（φ３０×φ１５×１０ｍｍのアルミ合
金）を乗せて、圧縮速度８１．６ｍｍ／ｍｉｎでプレス
する。１試料液を使用して、圧縮率４０％、６０％でリ
ング圧縮を行い、各圧縮率における内径変化率を校正曲
線図から摩擦係数を算出する。
【００２４】但し、摩擦係数を算出するための校正曲線
図は、小坂田等（小坂田ほか，昭和５９年塑性加工講演
論文集４４５）が提示している校正曲線図を使用した。
得られた結果を表３に示す。
図は、小坂田等（小坂田ほか，昭和５９年塑性加工講演
論文集４４５）が提示している校正曲線図を使用した。
得られた結果を表３に示す。
【００２５】
【表３】
【００２６】（考察）ポリアクリル酸ソーダとカルボン
酸塩とを併用して調製した実施例に係る潤滑剤（試料Ｎ
Ｏ．１〜ＮＯ．８）は、ポリアクリル酸ソーダおよびカ
ルボン酸塩のそれぞれを単独で使用して調製した比較例
に係る潤滑剤（試料ＮＯ．９〜ＮＯ．１２）に比較して
摩擦係数が低く、しかも、水性黒鉛分散剤である比較例
に係る潤滑剤（（試料ＮＯ．１３）よりも摩擦係数が低
い。従って、本発明の実施例に係る潤滑剤は、アルミ合
金用の塑性加工用潤滑剤として極めて優れていることが
判明した。
酸塩とを併用して調製した実施例に係る潤滑剤（試料Ｎ
Ｏ．１〜ＮＯ．８）は、ポリアクリル酸ソーダおよびカ
ルボン酸塩のそれぞれを単独で使用して調製した比較例
に係る潤滑剤（試料ＮＯ．９〜ＮＯ．１２）に比較して
摩擦係数が低く、しかも、水性黒鉛分散剤である比較例
に係る潤滑剤（（試料ＮＯ．１３）よりも摩擦係数が低
い。従って、本発明の実施例に係る潤滑剤は、アルミ合
金用の塑性加工用潤滑剤として極めて優れていることが
判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ１０Ｍ 105:26 105:62） Ｃ１０Ｎ 10:02 30:06 30:08 40:24 40:36
Claims (3)
- 【請求項１】水溶性または水分散性のアクリル系重合
体、アクリル系共重合体の群から選択される１種または
複数種の化合物と、炭素数８〜５４の直鎖状または分岐
状のモノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩の群から選択
される１種または複数種の化合物と、水を主要成分とす
る金属塑性加工用潤滑剤。 - 【請求項２】請求項１に記載の金属塑性加工用潤滑剤に
おいて、前記モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩は、
アルカリ金属塩、アルカノールアミン塩の群から選択さ
れる１種または複数種の化合物である金属塑性加工用潤
滑剤。 - 【請求項３】請求項１または２に記載の金属塑性加工用
潤滑剤において、前記アクリル系重合体、アクリル系共
重合体と前記モノカルボン酸塩、ポリカルボン酸塩との
含有量の重量比率は１／１０〜９９／１であり、かつ、
潤滑剤の全量を１００重量部とした場合の前記アクリル
系重合体、アクリル系共重合体と前記モノカルボン酸
塩、ポリカルボン酸塩の両化合物の含有量は１〜９０重
量部である金属塑性加工用潤滑剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20502897A JPH1150083A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 金属塑性加工用潤滑剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20502897A JPH1150083A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 金属塑性加工用潤滑剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1150083A true JPH1150083A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16500252
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20502897A Pending JPH1150083A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 金属塑性加工用潤滑剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1150083A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003014533A1 (fr) * | 2001-08-03 | 2003-02-20 | Akita Fine Blanking Co., Ltd. | Procede de fabrication de cadre de turbine de turbocompresseur vgs, cadre de turbine fabrique selon ledit procede, ensemble de guidage de gaz d'echappement de turbocompresseur de type vgs dans lequel ledit cadre de turbine est utilise, et turbocompresseur de type vgs equipe dudit ensemble de guidage de gaz d'echappement |
| WO2007040096A1 (ja) * | 2005-10-03 | 2007-04-12 | Toyo Kohan Co., Ltd. | アルミニウム合金材成形加工性向上用処理液 |
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