JPH11500601A - Irs遺伝子のファミリー - Google Patents

Irs遺伝子のファミリー

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JPH11500601A
JPH11500601A JP8512162A JP51216296A JPH11500601A JP H11500601 A JPH11500601 A JP H11500601A JP 8512162 A JP8512162 A JP 8512162A JP 51216296 A JP51216296 A JP 51216296A JP H11500601 A JPH11500601 A JP H11500601A
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エフ. ホワイト,モリス
ジャン スン,シャオ
エイチ. ピアス,ジャカリン
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Abstract

(57)【要約】 IRS−2ポリペプチドをコードする配列を含む実質的に純粋な核酸、IRS−2ポリペプチドの実質的に純粋な標品、及び関連する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 IRS遺伝子のファミリー 発明の背景 この発明は、国立衛生研究所からの政府支援を伴ってなされたものである。従 って、政府は、この発明に一定の権利を保持している。 この発明は、幾つかの分子例えばインシュリンレセプター、IL−4レセプタ ー及びIL−15レセプターに対する基質である蛋白質をコードするIRS遺伝 子例えばIRS−2に関係する。 発明の要約 発明者は、IRS−2、インシュリンレセプター基質−2を発見した。かれら は又、機能及び構造的特性を共有するIRS−2様遺伝子のファミリーの存在を も発見した。 従って、この発明は、下記の特性の1つ以上を有するIRSポリペプチドの精 製標品又は組換えIRSペプチドを特徴とする: (i)IRSポリペプチドは、少なくとも1つのIRS共通チロシン含有リン 酸化部位(IRS−CPS)を含む; (ii)IRSポリペプチドは、IRS相同性ドメイン1(IH1)、IRS相 同性ドメイン2(IH2)及びIRS相同性ドメイン3(IH3)の群から選択 する少なくとも1つのIRS相同性ドメイン(IH)を含む; (iii)IRSポリペプチドは、インシュリンレセプターと結合することがで き且つインシュリンレセプターによりリン酸化され得る; (iv)IRSポリペプチドは、IL−4レセプター複合体と結合することがで き且つIL−4レセプター複合体によりリン酸化され得る;そして (v)IRSポリペプチドは、IL−5レセプター複合体と結合することがで き且つIL−15レセプター複合体によりリン酸化され得る;そして (vi)IRSポリペプチドは、SH2ドメイン含有蛋白質に結合することがで きる。 好適具体例において、IRSポリペプチドは、IRS−1以外のものである。 好適具体例において、IRSポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、 8、9、10、11、12又は13IRS−CPSを含み;IRS−CPS1及 び2を含み;IRS−CPS3を含み;IRS−CPS8を含み;IRS−CP S9を含み;IRS−CPS10を含み;IRS−CPS11を含み;少なくと も5又は10IRS−CPSを含む。 好適具体例において、IRSポリペプチドは、更に、IRS−CPS以外のチ ロシン含有リン酸化部位即ち非共通部位を含む。非共通部位は、IHドメイン例 えばIH1、IH2若しくはIH3中に又は他の領域中に存在し得る。好適具体 例において、1つ以上の非共通部位は、C末端領域にあるであろうし;IRSポ リペプチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8又は9の非共通部位 を含む。 好適具体例において、IRS−CPSのチロシンの各々の側の4アミノ酸の配 列は、本質的に同じであり又は、図8に示した側の配列と1若しくは2残基だけ 異なっている。他の具体例においては、この(これらの)チロシンの位置は、本 質的に、図8に示したものと同じであるが、IRS−CPSのチロシンの各々の 側の4アミノ酸は、完全に又は殆ど異なっている。 好適具体例において、IRSポリペプチドは、IH1を含み;IH2を含み; IH3を含み;IH1及びIH3を含み;IH1及びIH2を含み;IH2を含 みIH3を含み;IH1、IH2及びIH3を含む。 好適具体例において、IRSポリペプチドは、インシュリンレセプター;イン ターロイキン4レセプター;インターロイキン13レセプター;インシュリン様 成長因子レセプター;又はIL−15レセプターと結合する。 好適具体例において、IRSポリペプチドは、SH2ドメイン含有蛋白質例え ばPI3’−キナーゼ、Grb−2、SH−PTP−2、nck又はc−fyn と結合する。 好適具体例において、IRSポリペプチドは、SDS−PAGEにより測定し て、約165〜190kdの分子量を有する。 他の面において、この発明は、IRS−2ポリペプチド、好ましくはIRS− 2ポリペプチドの実質的に純粋な標品、又は組換えIRS−2ポリペプチドを特 徴とする。好適具体例において、このポリペプチドは、生物学的活性を有し、例 えば、それは、インシュリンレセプターに特異的に結合し;それは、リガンド( 例えば、インシュリン、IGF−1又はIL−4)刺激の後に、PI3’−キナ ーゼに(好ましくは、PI3’−キナーゼのSH2領域に)結合し;それは、イ ンシュリンレセプター又は他のチロシンキナーゼによりリン酸化され;このポリ ペプチドは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列に対して少なくとも40%、50%、 60%、80%、90%、95%又は99%相同なアミノ酸配列を有し;このポ リペプチドは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列と本質的に同じアミノ酸配列を有し ;このポリペプチドは、少なくとも5、10、20、50、100又は150ア ミノ酸長であり;このポリペプチドは、少なくとも5の、好ましくは少なくとも 10の、一層好ましくは少なくとも20の、更に好ましくは少なくとも50、1 00、150、500、750又は1,000の、SEQ ID NO:1由来の連続する アミノ酸を含み;IRS−2ポリペプチドは、天然のIRS−2の生物学的活性 のアゴニスト又はアンタゴニストである(p70sbkアゴニスト)。 好適具体例において、この発明には、生物学的活性を有するIRS−2ポリペ プチド例えば、インシュリンレセプターに結合することのできるポリペプチド; リガンド(例えば、インシュリン、IGF−1若しくはIL−4)刺激後にPI 3’−キナーゼに(好ましくは、PI3’−キナーゼのSH2領域に)結合する ことのできるポリペプチド;インシュリンレセプター若しくは他のチロシンキナ ーセによりリン酸化され得るポリペプチドが含まれる。 好適具体例において、この発明は、SEQ ID NO:1の配列と少なくとも1、2、 3、5又は10残基においてアミノ酸配列が異なる主題のIRS−2ポリペプチ ドの少なくとも1つの生物学的活性を有するペプチドを含む。 更に別の好適具体例は、第2のポリペプチド部分例えばSEQ ID NO:1の1つに より表される蛋白質に関連のないアミノ酸配列を有する第2のポリペプチドを含 む組換え融合蛋白質である。この第2のポリペプチド部分は、例えばグルタチオ ン−S−トランスフェラーゼ、DNA結合ドメイン、ポリメラーゼ活性化ドメイ ンであってよい。好適具体例において、この融合蛋白質は、2−ハイブリッドア ッセイにおいて機能的である。 更に別の好適具体例は、SEQ ID NO:1と相同なポリペプチドを含み、そのポリ ペプチドは、SDS−PAGEにより測定して、約165〜190キロダルトン の分子量例えば約170又は180kDの分子量を有する。 他の面において、この発明は、免疫原標品中にIRS−2ポリペプチドを含む 免疫原を特徴とし、この免疫原は、IRS−2ポリペプチドに特異的な免疫応答 ;体液性応答例えば抗体応答;又は細胞性応答を誘出することができる。好適具 体例において、この免疫原は、抗原決定基例えばSEQ ID NO:1により表される蛋 白質由来のユニークな決定基を含む。 他の面において、この発明は、IRS−2ポリペプチドと特異的に反応性の抗 体標品例えばモノクローナル抗体標品を特徴とする。好適具体例において、この 抗体は、IRS−1と反応せず;この抗体は、ホスホチロシン残基以外のIRS −2上の部位に対して特異的である。 他の面において、この発明は、下記の特徴の1つ以上を有するIRSポリペプ チドをコードする実質的に純粋なIRS核酸を特徴とする: (i)IRSにコードされるポリペプチドは、少なくとも1つのIRS共通チ ロシン含有リン酸化部位(IRS−CPS)を含み; (ii)IRSにコードされるポリペプチドは、IRS相同性ドメイン1(IH 1)、IRS相同性ドメイン2(IH2)及びIRS相同性ドメイン3(IH3 )の群から選択する少なくとも1つのIRS相同性ドメイン(IH)を含み; (iii)IRSにコードされるポリペプチドは、インシュリンレセプターと結 合することができ且つインシュリンレセプターによりリン酸化されることができ ;そして (iv)IRSにコードされるポリペプチドは、IL−4レセプター複合体と結 合することができ且つIL−4レセプターによりリン酸化されることができ; (v)IRSにコードされるポリペプチドは、IL−15レセプター複合体と 結合することができ且つIL−15レセプター複合体によりリン酸化されること ができ;そして (vi)。IRSにコードされるポリペプチドは、SH2ドメイン含有蛋白質に 結合することができる。 好適具体例において、IRSにコードされるポリペプチドは、IRS−1以外 のものである。 好適具体例において、IRSにコードされるポリペプチドは、1、2、3、4 、5、6、7、8、9、10、11、12若しくは13のIRS−CPSを含み ;IRS−CPS1及び2を含み;IRS−CPS3を含み;IRS−CPS8 を含み;IRS−CPS9を含み;IRS−CPS10を含み;IRS−CPS 11を含み;少なくとも5若しくは10のIRS−CPSを含む。 好適具体例において、IRSにコードされるポリペプチドは、更に、IRS− CPS以外のチロシン含有リン酸化部位即ち非共通部位を含む。非共通部位は、 IHドメイン中に例えばIH1、IH2若しくはIH3中に、又は他の領域中に 存在し得る。好適具体例においては、1つ以上の非共通部位がC末端領域にある であろうし;IRSにコードされるボリペプチドは、少なくとも1、2、3、4 、5、6、7、8若しくは9の非共通部位を含む。 好適具体例において、IRS−CPSのチロシンの各々の側の4アミノ酸の配 列は、本質的に同じであり又は、図8に示した部位の配列と1若しくは2残基だ け異なっている。他の具体例において、この(これらの)チロシンの位置は、本 質的に図8と同じであるが、IRS−CPSのチロシンの各々の側の4アミノ酸 は、完全に又は殆ど異なっている。 好適具体例において、IRSにコードされるポリペプチドは、IH1;IH2 ;IH3;IH1及びIH3;IH1及びIH2;IH2及びIH3;IH1、 IH2及びIH3を含む。 好適具体例において、IRSにコードされるポリペプチドは、インシュリンレ セプター;インターロイキン4レセプター;インターロイキン13レセプター; インシュリン様成長因子レセプター;又はIL−15レセプターと結合する。 好適具体例において、IRSにコードされるポリペプチドは、SH2ドメイン 含有蛋白質例えばPI3’−キナーゼ、Grb−2、SH−PTP−2、nck 又はc−fynと結合する。 好適具体例において、IRSポリペプチドは、SDS−PAGEにより測定し て、約165〜190kdの分子量を有する。 他の面において、この発明は、IRS−2ポリペプチドをコードするヌクレオ チド配列を有する実質的に純粋な核酸を特徴とする。好適具体例において、コー ドされるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例えば、それは、インシュリン レセプターに特異的に結合し;それは、リガンド(例えば、インシュリン、IG F−1又はIL−4)刺激後にPI3’−キナーゼに(好ましくは、PI3’− キナーゼのSH2領域に)結合し;それは、インシュリンレセプター又は他のチ ロシンキナーゼによりリン酸化され;コードされるポリペプチドは、SEQ ID NO: 1のアミノ酸配列と少なくとも40%、50%、60%、80%、90%、95 %若しくは99%相同なアミノ酸配列を有し;コードされるポリペプチドは、SE Q ID NO:1のアミノ酸配列と本質的に同じアミノ酸配列を有し;コードされるポ リペプチドは、少なくとも5、10、20、50、100若しくは150アミノ 酸長であり;コードされるポリペプチドは、少なくとも5の、好ましくは少なく とも10の、一層好ましくは少なくとも20の、一層好ましくは少なくとも50 、100、150、500、750若しくは1,000のSEQ ID NO:1由来の連 続したアミノ酸を含み;コードされるIRS−2ポリペプチドは、IRS−2の 生物学的活性のアゴニスト若しくはアンタゴニスト例えばPH3’−キナーゼ、 p70sbkアゴニストである。 好適具体例において、コードされるポリペプチドは、生物学的活性を有し、例 えば、コードされるポリペプチドは、インシュリンレセプターに結合することが でき;IL−4レセプターに結合することができ;リガンド(例えば、インシュ リン、IGF−1若しくはIL−4)刺激後にPI3’−キナーゼに(好ましく は、PI3’−キナーゼのSH2領域に)結合することができ;インシュリンレ セプター若しくは他のチロシンキナーゼによりリン酸化され得る。 好適具体例において、この発明は、SEQ ID NO:1お配列と1、2、3、5若し くは10残基においてアミノ酸配列が異なる主題のIRS−2ポリペプチドの少 なくとも1つの生物学的活性を有するコードされるペプチドを含む。 更に別の好適具体例において、コードされるポリペプチドは、第2のポリペプ チド部分を含む組換え融合蛋白質であり、例えば、第2のポリペプチドは、SEQ ID NO:1の1つにより表される蛋白質に関連のないアミノ酸配列を有する。第2 のポリペプチド部分は、例えばグルタチオン−S−トランスフェラーゼ、DNA 結合ドメイン、ポリメラーゼ活性化ドメインであってよい。好適具体例において は、この融合蛋白質は、2−ハイブリッドアッセイにおいて機能的である。 他の好適具体例において、IRS−2核酸は、転写調節配列好ましくはIRS −2調節配列以外の配列を含む。この転写調節配列は、転写プロモーター又は転 写エンハンサー配列を含むことができる。好適具体例において、この配列は、I RS−2遺伝子配列に操作可能に結合され、例えば、そのIRS−2遺伝子配列 を発現ベクターとして用いるのに適したものにする。 好適具体例において、核酸は、緊縮条件下で、SEQ ID NO:1の少なくとも12 の連続するヌクレオチドに対応する核酸プローブと;一層好ましくはSEQ ID NO: 1の少なくとも20の連続するヌクレオチドに対応する核酸プローブと;一層好 ましくはSEQ ID NO:1の少なくとも40の連続するヌクレオチドに対応する核酸 プローブとハイブリダイズする。 他の面において、この発明は、IRSポリペプチド(好ましくは、IRS−1 以外のもの)例えばIRS−2ポリペプチドをコードする核酸を含むベクター; そのベクターでトランスフェクトされた宿主細胞;及びその細胞を例えば細胞培 養培地にて培養すること及びその細胞又は細胞培養培地からIRSポリペプチド (好ましくは、IRS−1以外のもの)例えばIRS−2ポリペプチドを単離す ることを含む、組換えIRSポリペプチド(好ましくは、IRS−1以外のもの )例えばIRS−2ポリペプチドを生成する方法を含む。 他の面において、この発明は、細胞標品を特徴とし、例えば、IRSトランス ジーン(好ましくは、IRS−1以外のもの)例えばIRS−2トランスジーン を有する細胞の標品を特徴とする。この細胞標品は、ヒト又は非ヒト細胞例えば ゲッ歯類例えばマウス若しくはラットの細胞、ウサギ細胞又はブタ細胞よりなる ものであってよい。好適具体例において、これらの細胞は、異質型のIRS−2 遺伝子例えばトランスジーン例えばヒト由来の遺伝子(非ヒト細胞の場合)又は 外因性若しくは内因性IRS−2遺伝子を誤発現する遺伝子を含む(そして、好 ましくは、発現する)。好適具体例において、これらの細胞は、IRS−2以外 のインシュリン応答性遺伝子例えばIRS−1の誤発現を生じる障害を含み;こ れらの細胞は、IRS−2以外のインシュリン応答性遺伝子例えばIRS−1に ついてのトランスジーンを含み、好ましくは、そのトランスジーンは誤発現され る。この発明の細胞は、インシュリン関連疾患例えばインシュリン耐性インシュ リン関連疾患例えばII型糖尿病、免疫疾患、望ましくない細胞増殖により特徴付 けられる病気、又はIRS−2、IRS−1若しくはこれら両方の突然変異若し くは誤発現により特徴付けられる病気を研究するためのモデルとして働くことが できる。ここで論じているように、かかる細胞は又、薬物スクリーニングにも用 いることができる。 他の面において、この発明は、IRS(好ましくは、IRS−1以外のもの) トランスジーン例えばIRS−2トランスジーンを有するトランスジェニック非 ヒト動物例えばゲッ歯類例えばマウス若しくはラット、ウサギ又はブタを特徴と する。好適具体例において、この動物は、異質型のIRS−2遺伝子例えばヒト から誘導された遺伝子又は外因性若しくは内因性IRS−2遺伝子を誤発現する 遺伝子を含む(そして、好ましくは、発現する)。好適具体例において、この動 物は、更に、IRS−2以外のインシュリン応答性遺伝子例えばIRS−1の誤 発現を生じる障害を含み;この動物は、更に、IRS−2以外のインシュリン応 答性遺伝子例えばIRS−1についてのトランスジーンを含み、好ましくは、そ のトランスジーンは誤発現される。この発明のトランスジェニック動物は、イン シュリン関連疾患例えばインシュリン耐性インシュリン関連疾患例えばII型糖尿 病、免疫疾患、望ましくない細胞増殖により特徴付けられる病気、又はIRS− 2、IRS−1若しくはこれら両方の突然変異若しくは誤発現により特徴付けら れる他の病気を研究するためのモデルとして働くことができる。ここで論じてい るように、かかる動物は又、薬物スクリーニングにも用いることができる。 他の面において、この発明は、例えば病気例えばインシュリン関連疾患例えば インシュリン耐性インシュリン関連疾患例えばII型糖尿病、免疫疾患、又は望ま しくない細胞増殖により特徴付けられる病気のモデルとして有用な非ヒト動物を 特徴とする。好適具体例において、この非ヒト動物は、突然変異した又は誤発現 される遺伝子(好ましくは、IRS−1以外のもの)例えばIRS−2遺伝子を 有する。好適具体例において、この非ヒト動物は、哺乳動物例えばゲッ歯類例え ばマウス若しくはラット、ウサギ又はブタである。好適具体例において、この突 然変異した遺伝子は、大きい染色体再配置例えば欠失、重複、逆位若しくは転座 を含み;点突然変異を含み;突然変異した若しくは誤発現される遺伝子は、IR S−2遺伝子である。好適具体例において、この非ヒト動物は、更に、第2の変 異した若しくは誤発現される遺伝子を含む。この第2の遺伝子は、インシュリン 応答性遺伝子例えばIRS−1遺伝子であってよい。これらの第1、第2の遺伝 子又はこれら両方は、トランスジーン例えばノックアウトであってよい。 他の面において、この発明は、患者が病気例えばインシュリン関連疾患例えば インシュリン耐性インシュリン関連疾患例えばII型糖尿病、又は免疫疾患、又は 望ましくない細胞増殖により特徴付けられる病気の危険にあるか否かを測定する 方法を特徴とする。この患者は、哺乳動物例えばヒトであってよい。好適具体例 において、この病気は、IRS遺伝子(好ましくは、IRS−1以外のもの)例 えばIRS−2の構造又は代謝における異常により特徴付けられる。病気がIR S−2に関連する場合には、この方法は、哺乳動物におけるIRS−2代謝状況 を評価することを含み、IRS−2代謝の異常レベルはこの病気の診断である。 好適具体例は、評価が、例えば試料中の例えば組織試料(組織試料は、ここで用 いる場合、任意の適当な試料例えば古典的なインシュリン感受性組織例えば筋肉 、脂肪若しくは肝組織を含む試料又は一層容易に入手できる組織例えば循環血液 細胞若しくは繊維芽細胞を含む試料を意味する)中のIRS−2蛋白質を測定す ることを含むもの;評価が、例えば組織試料中の、IRS−2のリン酸化のレベ ルを測定することを含むもの;評価が、IRS−2のキナーゼ活性のレベルを測 定することを含むもの;及び評価が、例えば組織試料中の、IRS−2をコード するRNAの量を測定することを含むものを含む。この方法が、ここでは、IR S−2について記載されていても、このファミリーの他のメンバー(好 ましくは、IRS−1以外のもの)を用いることはできる。 他の面において、この発明は、患者が、インシュリン関連疾患例えばインシュ リン耐性インシュリン関連疾患例えばII型糖尿病、又は免疫疾患、又は望ましく ない細胞増殖により特徴付けられる病気の危険にあるか否かを好ましくは出生前 に測定する方法を特徴とする。患者は、哺乳動物例えばヒトであってよい。この 方法は、IRS遺伝子(好ましくは、IRS−1以外のもの)例えばIRS−2 遺伝子の構造を測定することを含み、異常な構造は、病気の危険を指示する。 他の面において、この発明は、例えばインシュリン関連疾患又は免疫疾患又は 望ましくない細胞増殖により特徴付けられる病気を治療するために用いられる治 療の効果を評価する方法を特徴とする。この方法は、IRS遺伝子(好ましくは 、IRS−1以外のもの)を誤発現する試験用細胞又は生物を用いる。誤発現さ れる遺伝子がIRS−2である場合において、この方法は、治療を試験用細胞若 しくは生物例えば培養細胞若しくは哺乳動物に施与すること及びその治療のIR S−2代謝状況に対する効果を評価することを含む。IRS−2代謝状況に対す る効果は、この治療の効果を示す。好適具体例において、インシュリン関連疾患 は、インシュリン耐性疾患であり;IRS−2代謝状況に対する効果は、IRS −2リン酸化レベルの変化、IRS−2結合活性のレベルの変化、IRS−2m RNAレベルの変化、IRS−2蛋白質レベルの変化である。更に別の好適具体 例においては、試験用細胞又は生物は、インシュリン応答性遺伝子例えばIRS −1、IRS−2若しくはこれら両方を誤発現する。この方法が、ここでは、I RS−2遺伝子について記載されていても、このファミリーの他のメンバー(好 ましくは、IRS−1以外のもの)を用いることはできる。幾つかの病気は、患 者の遺伝子の不十分な発現により特徴付けられ、発現を増大させる治療の能力は 、その治療の有用性を示す。 他の面において、この発明は、例えばインシュリン関連疾患、又は免疫疾患、 又は望ましくない細胞増殖により特徴付けられる病気を治療するために用いられ る治療の効果を評価する方法を特徴とする。この方法は、IRS遺伝子(好まし くは、IRS−1以外のもの)例えばIRS−2を誤発現する試験用細胞又は生 物例えば培養細胞又は哺乳動物を用意すること;治療をこの動物又は細胞に施与 すること;その治療のインシュリン代謝状況に対する効果を評価することを含む 。インシュリン代謝状況に対する効果は、治療の効果を示す。好適具体例におい て、インシュリン関連疾患は、インシュリン耐性疾患であり;インシュリン代謝 状況に対する効果は、IRS−2若しくはIRS−1リン酸化のレベルの変化、 IRS−2若しくはIRS−1結合活性レベルの変化、IRS−2若しくはIR S−1mRNAレベルの変化、IRS−2若しくはIRS−1蛋白質レベルの変 化又はインシュリンに対する任意の応答の変化である。更に別の好適具体例にお いて、試験用細胞又は生物は、第2のインシュリン応答性遺伝子(IRS−2以 外のもの)例えばIRS−1を誤発現する。好適具体例においては、IRS遺伝 子の誤発現は、病気例えばインシュリン関連疾患を真似る。 他の面において、この発明は、IRSポリペプチド(好ましくは、IRS−1 以外のもの)例えばIRS−2ポリペプチドとIRS−2結合リガンド例えば天 然のリガンド例えばインシュリンレセプターとの結合を調節する能力について、 化合物を評価する方法を特徴とする。IRS−2ポリペプチドの場合には、この 方法は、(i)IRS−2ポリペプチド、IRS−2結合リガンド例えば蛋白質 と化合物とを合わせ;そして(ii)IRS−2ポリペプチドとIRS結合リガン ドとを含む複合体の形成を検出することを含む。この化合物の存在下での複合体 の形成の(例えば、この化合物の不在時における形成と比較しての)調節は、I RS−2ポリペプチドとIRS−2結合リガンドとの間の相互作用の調節を示す 。他のIRSポリペプチド(好ましくは、IRS−1以外のもの)も又、この方 法にて用いることができる。 他の面において、この発明は、治療を評価するための2相法(例えば、最初に イン・ビトロの相を有し、次にイン・ビボの相を有する方法)を特徴とする。こ の方法を用いて、治療を、インシュリン代謝状況例えばIRS代謝状況を調節( 例えば、阻止若しくは促進)する能力について評価し、又は試験化合物を治療剤 としての使用について評価するために用いることができる。この方法は、(i) 試験化合物を、IRS−1調節配列以外のIRS調節配列例えばIRS−2調節 配列に機能的に結合されたレポーター遺伝子を含む細胞又は無細胞系と接触させ るイン・ビトロの相及び、そのレポーター遺伝子の発現の調節を検出する こと並びに(ii)もし試験化合物が発現を調節するならば、その試験化合物を動 物に投与してその化合物のインシュリン代謝状況例えばインシュリンに対する応 答若しくはIRS−2発現に対するイン・ビボでの効果を評価することを含む。 他の面において、この発明は、インシュリンの第1の効果、IRS(好ましく は、IRS−1以外のもの)例えばIRS−2により媒介される第1の効果を真 似するが、インシュリンの第2の効果を真似しない治療の効果を評価する方法を 特徴とする。IRS−2の場合、この方法は、治療を試験用生物例えば培養若し くは哺乳動物にて成長した細胞に施与して、IRS−2代謝状況例えばIRS− 2発現レベル、IRS−2のキナーゼ活性、IRS−2の細胞若しくは細胞内分 布又はIRS−2リン酸化レベルに対するその治療の効果を評価することを含む 。IRS−2代謝状況に対する効果は、治療の効果を示す。他のIRSポリペプ チド(好ましくは、IRS−1以外のもの)も又、この方法において用いること ができる。 他の面において、この発明は、YMXM含有部位(SEQ ID NO:2)以外の図8 のチロシンリン酸化部位の1つのアミノ酸配列を含む基質をリン酸化するチロシ ンキナーゼの能力を変える治療の効果を評価する方法を特徴とする。この方法は 、その治療を試験用生物例えば培養細胞若しくは哺乳動物に施与して、YMXM 含有部位(SEQ ID NO:2)以外の図8のチロシンリン酸化部位の1つのアミノ酸 配列を含む基質例えば天然のチロシンキナーゼの基質若しくは合成の基質のリン 酸化のレベルを測定することを含む。 他の面において、この発明は、非野生型活性を有するIRS−2ポリペプチド 例えば天然のIRS−2のアンタゴニスト、アゴニスト又はスーパーアゴニスト を作成する方法を特徴とする。この方法は、IRS−2ポリペプチドの配列を変 えること例えば非共通リン酸化部位の配列を変えること及びその変えたポリペプ チドを所望の活性について試験することを含む。 他の面において、この発明は、非野生型活性を有するIRSポリペプチド(例 えば、IRSポリペプチド、好ましくはIRS−1以外のもの例えばIRS−2 )例えば天然のIRSのアンタゴニスト、アゴニスト又はスーパーアゴニスト を作成する方法を特徴とする。この方法は、ポリペプチドのIRS−CPSの1 つ以上の配列を変えること又はIH1、IH2若しくはIH3の配列を変えるこ と及びその変えたポリペプチドを所望の活性について試験することを含む。 他の面において、この発明は、天然のIRS−2の生物学的活性を有するIR S−2ポリペプチドの断片又はアナログを作成する方法を特徴とする。この方法 は、IRS−2ポリペプチドの配列を変えること例えば非共通リン酸化部位の配 列を変えること及びその変えたポリペプチドを所望の活性について試験すること を含む。 他の面において、この発明は、天然のIRSの生物学的活性を有するIRSポ リペプチド(例えば、IRSポリペプチド、好ましくはIRS−1以外のもの、 例えばIRS−2)の断片又はアナログを作成する方法を特徴とする。この方法 は、IRSポリペプチドのIRS−CPSの1つ以上の配列を変えること又はI H1、IH2若しくはIH3の1つ以上の配列を変えること及びその変えたポリ ペプチドを所望の活性について試験することを含む。 他の面において、この発明は、化合物を、IRSポリペプチド(好ましくは、 IRS−1以外のもの)例えばIRS−2ポリペプチドに結合する能力について 評価する方法を特徴とする。この方法は、その化合物をこのポリペプチドと接触 させて、そのポリペプチドと複合体を形成するその化合物の能力を評価すること を含む。 他の面において、この発明は、化合物を、IRS調節配列(好ましくは、IR S−1以外のもの)例えばIRS−2調節配列をコードする核酸と結合する能力 について評価する方法を特徴とする。この方法は、その化合物をこの核酸と接触 させて、その核酸と複合体を形成するその化合物の能力を評価することを含む。 他の面において、この発明は、病気例えば免疫系疾患、望ましくない細胞増殖 により特徴付けられる病気、又はインシュリン関連疾患例えばIRS代謝例えば IRS−2若しくはIRS−1代謝の異常により特徴付けられる病気の危険にあ る哺乳動物例えばヒトを治療する方法を特徴とする。この方法は、その動物に、 治療例えば治療上有効な量の、インシュリン代謝状況を変えるIRSポリペプチ ド(好ましくは、IRS−1以外のもの)例えばIRS−2を施与することを含 む。好適具体例において、この疾患は、IRS−2若しくはIRS−1のリン酸 化によるインシュリンレセプターのインシュリンに対する応答の不能により特徴 付けられる。他の好適具体例において、この治療は、例えばキナーゼの活性を増 し又はホスファターゼの活性を減じることによりIRS−2のリン酸化を増す。 他の好適具体例において、この治療は、例えばキナーゼの活性を減じ又はホスフ ァターゼの活性を増すことによりIRS−2のリン酸化を減じる。 他の面において、この発明は、病気例えばチロシンキナーゼにより引き起こさ れる病気の危険にある哺乳動物例えばヒトを治療する方法を特徴とする。この方 法は、その哺乳動物に、治療例えば、内因性IRS−2の能力を改変する治療上 有効な量のIRS−2ポリペプチドを施与してチロシンキナーゼのリン酸化を変 え、それにより、チロシンキナーゼの活性を変えることを含む。好適具体例にお いて、チロシンキナーゼは、オンコジーンの産物である。 他の面において、この発明は、病気例えば異常な細胞増殖により特徴付けられ る病気の危険にある哺乳動物例えばヒトを治療する方法を特徴とする。ここで用 いる場合、異常な細胞増殖は、新生物疾患及び非新生物疾患の両方を含み、それ 故に、癌及びアテローム性動脈硬化症等の病気を含む。この方法は、その哺乳動 物に、治療例えば、インシュリン代謝状況例えばIRS−2代謝状況を変えるI RS−1ポリペプチド以外のIRSポリペプチドの治療上有効な量を施与するこ とを含む。好適具体例において、インシュリン代謝状況は、IRS−2リン酸化 である。他の好適具体例において、インシュリン代謝状況は、IRS−2のキナ ーゼ活性のレベルである。 他の面において、この発明は、病気例えばチロシンキナーゼの基質のリン酸化 により特徴付けられる病気の危険にある哺乳動物例えばヒトを治療する方法を特 徴とし、この基質は、YMXM含有部位(SEQ ID NO:2)以外の図8のチロシン リン酸化部位の1つのアミノ酸配列を含む。チロシンキナーゼは、例えばレセプ ターチロシンキナーゼ例えばインシュリンレセプター、上皮成長因子(EGF) レセプター、血小板由来成長因子(PDGF)レセプター若しくはインシュリン 様成長因子(ILG)レセプター、又はオンコジーン産物例えばsrc、abl 若しくはfms遺伝子産物であってよい。この方法は、治療例えば治療上有効な 量の、YMXM含有部位(SEQ ID NO:2)以外の図8のチロシンリン酸化部位の 1つのアミノ酸配列を含む治療例えばIRS−2ポリペプチドを施与することを 含む。好適具体例において、この治療は、天然の基質のリン酸化を、その天然の 基質の競争又は非競争阻害によってブロックする。 免疫系疾患は、望ましくない免疫応答により又は正常の免疫応答の不在若しく は減少により特徴付けられる病気である。 ここで用いる場合、インシュリン関連疾患は、インシュリン代謝状況が混乱す る病気若しくは状態又は、インシュリン作用が一因となっている疾患である。こ こで用いる場合、インシュリン耐性インシュリン関連疾患は、正常量のインシュ リンが正常より低い生物学的応答を生じる任意の病気又は状態である。インシュ リン耐性疾患の例には、II型糖尿病、肥満、加齢に関連したインシュリン耐性及 び感染症、ホルモン以上又はその他の原因に次いで生じるインシュリン耐性が含 まれる。 ベクターは、ここで用いる場合、自律的に複製する核酸分子である。 異質プロモーターは、ここで用いる場合、遺伝子又は精製核酸と自然には結合 されていないプロモーターである。 IRSポリペプチド(IRS−1以外)の精製標品又は実質的に純粋な標品は 、ここで用いる場合、天然において伴う他の蛋白質、脂質及び核酸から分離され たIRSポリペプチドを意味する。好ましくは、IRSポリペプチドは又、それ を精製するのに用いられる物質例えば抗体若しくはゲルマトリックス例えばポリ アクリルアミドからも分離される。好ましくは、IRSポリペプチドは、精製標 品の少なくとも10乾重量%を構成する。好ましくは、この標品は、蛋白質配列 決定を可能にするのに十分なIRSポリペプチド;少なくとも1、10若しくは 100μgのIRSポリペプチド;少なくとも1、10若しくは100mgのI RSポリペプチドを含む。 IRS−2の精製標品又は実質的に純粋な標品は、ここで用いる場合、天然に おいて伴っている他の蛋白質、脂質及び核酸から分離されたIRS−2を意味す る。好ましくは、IRS−2は又、それを精製するのに用いられる物質例えば抗 体若しくはゲルマトリックス例えばポリアクリルアミドからも分離される。好ま しくは、IRS−2は、精製標品の少なくとも10乾重量%を構成する。好まし くは、この標品は、蛋白質配列決定を可能にするのに十分なIRS−2;少なく とも1、10若しくは100μgのIRS−2ポリペプチド;少なくとも1、1 0若しくは100mgのIRS−2ポリペプチドを含む。 SH2ドメインは、ここで用いる場合、Fps、stc、Ab1、GAP、P LCλ、v−Crk、Nck、p85及びVavを含む多くのシグナル変換蛋白 質中に見出される約100アミノ酸の保存された見掛け上非触媒的配列をいう。 Koch等、1991、Science 252:668 を参照されたい(本明細書中に、参考として援 用する)。27蛋白質のSH2ドメインのアミノ酸配列は、Koch等、1991に与え られている。SH2ドメインは、SH2含有蛋白質と他の蛋白質との間の蛋白質 −蛋白質相互作用を、第2の蛋白質上の特異的部位の認識により媒介する。SH 2/第2の蛋白質部位の相互作用は、通常、SH2接触蛋白質と第2の蛋白質の 結合を生じる。ここで用いる場合、SH2ドメインは、天然のSH2ドメインと 少なくとも70%の、好ましくは少なくとも80%の、一層好ましくは、少なく とも90%の配列相同性を有する任意の配列及び、結合をYFIN(SEQ ID NO: 3)含有ペプチドに結合する能力として測定したときに、そのドメインの天然の 変異物の結合活性の少なくとも50%を示すSH2ドメインの任意のアナログ若 しくは断片をいう。 細胞の精製標品は、植物若しくは動物細胞の場合には、細胞のイン・ビトロ調 製物をいい、完全な無傷の植物若しくは動物ではない。培養細胞又は微生物細胞 の場合には、それは、患者の細胞の少なくとも10%の、一層好ましくは50% の調製物からなる。 異常な細胞増殖は、ここで用いる場合、新生物疾患及び非新生物疾患の両方を 含み、それ故、癌及びアテローム性動脈硬化症等の病気を含む。 突然変異は、ここで用いる場合、核酸における大きい又は微細な構造の変化を 意味する。一般的な突然変異の例は、ヌクレオチドの欠失及び挿入である。この 突然変異は、更に、IRS−2の誤発現を生じるIRS−2をコードするDNA の突然変異であってよい。 治療は、ここで用いる場合、任意の治療例えば治療用薬剤又は物質例えば薬物 の施与を含む。 物質の代謝は、ここで用いる場合、その物質の発現、機能、作用又は調節の任 意の状況を意味する。物質の代謝は、その物質の改変例えば共有結合又は非共有 結合による改変を含む。物質の代謝は、その物質が他の物質中に誘導する改変例 えば共有結合又は非共有結合による改変を含む。物質の代謝は又、その物質の分 布の変化をも含む。物質の代謝は、その物質が他の物質の分布に誘導する変化を 含む。 実質的に純粋な核酸例えば実質的に純粋なDNAは、その核酸が由来する生物 の天然のゲノム中で直接隣接している両コード配列(即ち、5’末端のもの及び 3’末端のもの)と直接隣接しないものの一方若しくは両方;又はその核酸が由 来する生物中で伴って存在する核酸配列を実質的に含まない核酸である。この用 語は、例えば、ベクター例えば自律的に複製するプラスミッド若しくはウイルス 中に若しくは原核若しくは真核生物のゲノムDNA中に取り込まれた組換えDN A、又は他のDNA配列と独立した別個の分子(例えば、PCR若しくは制限エ ンドヌクレアーゼ処理により生成されたcDNA又はゲノムDNA断片)として 存在する組換えDNAを含む。実質的に純粋なDNAは又、更なるIRS−2配 列をコードするハイブリッド遺伝子の部分である組換えDNAをも含む。 相同は、2つのIRS−2分子間の又は2つの核酸分子間の配列類似性をいう 。2つの比較される配列の両方にある1つの位置が同じ塩基又はアミノ酸モノマ ーサブユニットにより占められる場合、例えば、もし、2つのDNA分子の各々 のある位置がアデニンにより占められるならば、それらの分子は、その位置で相 同である。2つの配列間の相同性のパーセントは、それら2つの配列に共有され るマッチング位置若しくは相同な位置の数を比較される位置の数で除して100 倍した関数である。例えば、2つの配列中の位置の10の内の6がマッチし又は 相同であるならば、これら2つの配列は、60%相同である。例えば、DNA配 列ATTGCC及びTATGGCは、50%相同性を共有する。一般に、2つの配列が最大の 相同性を与えるように配置して比較を行なう。 用語ペプチド、蛋白質及びポリペプチドは、ここでは、交換可能に用いる。 用語「トランスジーン」は、ここで用いる場合、それが導入されるトランスジ ェニック動物若しくは細胞に対して部分的に若しくは完全に異質即ち外来である か又はそれが導入されるトランスジェニック動物若しくは細胞の内因性遺伝子に 対して相同であるが、それが挿入された細胞のゲノムを変えるような仕方で動物 ゲノムに挿入されるようにデザインされ又は挿入される(例えば、それは、天然 の遺伝子の位置と異なる位置に挿入され又はその挿入はノックアウトを生じる) 核酸配列(例えば、1つ以上の造血ペプチドをコードするもの)を意味する。ト ランスジーンは、選択した核酸の最適の発現に必要であり得(すべて、選択した 核酸に操作可能に結合される)、エンハンサー配列を含み得る1つ以上の転写制 御配列及び任意の他の核酸例えばイントロンを含んでよい。 用語「トランスジェニック細胞」は、ここで用いる場合、トランスジーンを含 む細胞をいう。 「トランスジェニック動物」は、ここで用いる場合、その動物の1つ以上の細 胞が、好ましくは、本質的にすべての細胞がトランスジーンを含む任意の動物で ある。トランスジーンは、マイクロインジェクション若しくは組換えウイルスの 感染による等の意図的遺伝子操作として、直接細胞に導入することができ、又は その細胞の前駆体に導入することにより間接的に導入することができる。この分 子は、染色体内にインテグレートされ得るか又は染色体外で複製するDNAであ ってよい。 ポリペプチドは、次の特性の1、2、3個、好ましくはそれ以上を有するなら ば、IRS−2生物学的活性を有する:(1.)そのペプチドは、インシュリン レセプターに結合することができる;(2.)そのペプチドは、IL−4レセプ ター複合体に結合することができる;(3.)そのペプチドは、IL−15レセ プター複合体に結合することができる;(4.)そのペプチドは、特異的なIR S抗体に結合することができる;(5.)そのペプチドは、リガンド刺激の後に 、Grb−2、SH−PTP−2、nck及びc−fynのSH2ドメインと結 合することができる;(6.)そのペプチドは、リガンド刺激後に、PI3’− キナーゼと、好ましくは、PI3’−キナーゼのSH2領域に結合することがで き、;(7.)そのペプチドは、インシュリンレセプター若しくは他のチ ロシンキナーゼによりリン酸化され得る。ポリペプチドは、それが、上記の7つ の特性の1つを有するポリペプチドのアンタゴニスト、アゴニスト若しくはスー パーアゴニストであるならば、生物学的活性を有する。 誤発現は、ここで用いる場合、遺伝子発現の非野生型パターンをいう。それは 、非野生型レベルの発現即ち過剰若しくは過少発現を含み;遺伝子が発現される 時期若しくはステージに関して野生型と異なる発現パターン例えば予め決められ た発生の期間若しくはステージにおける(野生型と比較して)増大した若しくは 減少した発現パターンを含み;予め決められた細胞型若しくは組織型における( 野生型と比較して)減少した発現によって野生型と異なる発現パターンを含み; IRS−2のサイズ、アミノ酸配列、トランジション後修飾若しくは生物学的活 性に関して野生型と異なる発現パターンを含み;遺伝子発現に対する環境刺激若 しくは細胞外刺激の効果に関して野生型と異なる発現パターン例えば、刺激の強 さの増大若しくは減少時における(野生型と比較して)増大した若しくは減少し た発現パターンを含む。 IH1は、ここで用いる場合、IRS相同性ドメイン1(プレクストリン相同 性ドメイン(PH)とも呼ぶ)をいう。このIH1は、通常、天然のIRSポリ ペプチドのN末端領域にある。典型的IH1、IRS−2IH1は、IRS−2 (SEQ ID NO:1)の30〜141残基に見出される。一般に、IH1配列は、約 90〜120アミノ酸長であり、一層好ましくは約112アミノ酸長であろう。 他の典型的IH1は、IRS−1のIH1である(IRS−1の13〜113残 基)。一般に、IH1配列は、SEQ ID NO:1の30〜141残基と又はIRS− 1のIH1と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%若し くは99%相同性を有するであろう。 IH2は、ここで用いる場合、IRS相同性ドメイン2をいう。このIH2は 、通常、天然のIRSポリペプチドのN末端領域内にある。典型的IH2、IR S−2IH2は、SEQ ID NO:1の190〜366残基に見出される。一般に、I H2配列は、約150〜200アミノ酸長であり、一層好ましくは、約175ア ミノ酸長であろう。他の典型的IH2は、IRS−1の155〜328残基に見 出されるIRS−1のIH2である。一般に、IH2配列は、SEQ ID NO:1のIRS−2の190〜366残基と又はIRS−1の155〜328 残基と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%若しくは99%相同 性を有するであろう。 IH3は、ここで用いる場合、IRS相同性ドメイン3をいう。このIH3は 、通常、天然のIRSポリペプチドのN末端領域内にある。典型的IH3、IR S−2IH3は、SEQ ID NO:1の481〜527残基に見出される。一般に、I H3配列は、約25〜75アミノ酸長であり、一層好ましくは、約50アミノ酸 長であろう。他の典型的IH3は、IRS−1の408〜452残基に見出され るIRS−1のIH3である。一般に、IH3配列は、SEQ ID NO:1の481〜 527残基と又はIRS−1の408〜452残基と少なくとも70%、80% 、85%、90%、95%若しくは99%相同性を有するであろう。 IRS蛋白質は、IRS共通チロシン含有リン酸化部位(IRS−CPS)の 配列を含む。IRS−1及びIRS−2は、下記の表1に詳述したようにIRS CPSを共有する。(注)CPS配列については、図8を参照されたい。 この発明の方法を用いて、IRS遺伝子(IRS−1以外のもの)例えばIR S−2の構造及び代謝における異常により特徴付けられる疾患の存在を診断する ことができる。この疾患は、免疫疾患、インシュリン関連疾患、又は望ましくな い細胞増殖により特徴付けられる疾患であってよい。 この発明は、例えばインシュリンレセプター機能の測定、例えばインシュリン 刺激された基質リン酸化の検出のために、代謝例えばインシュリン代謝の種々の 状況の分析を可能にする。 この発明は又、上に列記した疾患を治療し又は診断するのに用いられる薬剤を 試験し及び開発するための有用な道具をも提供する。 この発明の方法は又、種々の疾患例えばインシュリン関連疾患、インシュリン 耐性疾患、異常な細胞増殖により特徴付けられる病気又はチロシンキナーゼによ る基質のリン酸化と関連する病気の治療をも与える。 この発明の他の特徴及び利点は、下記の好適具体例の説明及び請求の範囲から 明らかとなろう。 発明の詳細な説明 図面を、最初に、簡単に説明する。図面: 図1は、抗PI3’−キナーゼ抗体(抗p85)を用いたIRS−2及びIR S−1の同時免疫沈降のゲルである。 図2は、IRS−2の大規模精製の生成物を示すゲルである。 図3は、IRS−2のクローニングからのクローン及び制限部位のマップであ る。 図4は、IRS−1及びIRS−2DNA配列のアラインメントである。四角 形で囲んだ配列は、100%同一性の領域を示す。 図5は、IRS−1及びIRS−2のcDNA配列間の類似性のグラフである 。 図6は、IRS−2の翻訳される配列のマップである。 図7は、IRS−1及びIRS−2アミノ酸配列のアラインメントである。四 角形で囲んだ配列は、100%同一性の領域を示す。 図8は、演繹されたIRS−2アミノ酸配列のIRS−1のそれとの比較であ る。IRS−2がIRS−1から区別されるという証拠 IRS−1と同様に、IRS−2は、リガンド刺激後に、PI3’−キナーゼ と強く結合する。これは、インシュリン、IL−4若しくはIGF−1で刺激し た骨髄前駆体(FDC)細胞由来のPI3’−キナーゼ(p85α)の調節サブ ユニットの免疫沈降物において示される。p85α免疫沈降物は、αPYで検出 されるIRS−2を含んだ(図1)。更に、IRS−2は、SDS−PAGEに おいて、CHO細胞から類似の方法により得られたIRS−1と一緒に移動する (図1、レーンj)。 IRS−2は、殆どのIRS−1抗体と反応せず、更にそのユニークな性質を 支持する。IRS−1のアミノ末端(αNT)、カルボキシ末端(αCT)又は 中間領域(αPep80)に対して高められた抗体は、インシュリン刺激された FDC−P2細胞由来のIRS−2を免疫沈降させない。更に、組換えIRS− 1を注射したウサギから得られたあるポリクローナル抗体(αIRS−1−#1 )は、IRS−2と反応しなかったが、別のもの(αIRA−1−#2)はIR S−2と反応する。これらの結果は、IRS−2がIRS−1と部分的に関連す る別個の蛋白質であるという免疫学的証拠を提供する。 いわゆるプレクストリン相同性(PH)ドメインを構成するIRS−1中の最 初の130アミノ酸に対する抗体を調製した(PHドメインは、蛋白質−蛋白質 相互作用に対して重要であり得る)。このPHドメイン抗体は、IRS−2及び IRS−1と反応し、これは、これら2つの蛋白質においてこの領域が保存され ているであろうことを示唆している。 IRS−1がすべてのIRS−1抗体と反応することができないように骨髄性 細胞にて修飾されるということは、FDC−P1細胞で発現されるIRS−1が αIRS−1と容易に反応するので、事実ではないことが示された。これを示す 鋭敏な方法は、αIRS−1免疫沈降物についてPI3’−キナーゼアッセイを 行なうことである。抗ホスホチロシン(αPY)は、IL−4刺激後のFDC− P1細胞由来のPI3’−キナーゼ活性を免疫沈降するが、αIRS−1−#1 抗体は、免疫沈降しない。しかしながら、FDC−P1細胞中でのIRS−1の 発現後に、αPYで免疫沈降されるPI3’−キナーゼの量は、増大し、PI3 ’−キナーゼは又、αIRA−1−#1免疫沈降物中にも見出された。従って、 骨髄性細胞中のαIRS−1は、αIRS−1と反応することができるが、IR S−2は、反応しない。これは、IRS−2が別個の基質であるという 証拠である。IRS−1遺伝子は、IRS−2含有FDC−P2細胞中には存在しない IRS−1はFDC−P2細胞には存在しないので、この源からIRS−2を 精製することは可能と思われる。マウスFDC−P2細胞からIRS−2をクロ ーニングすることの可能性を測定するために、指向性cDNA発現ベクターを、 FDC−P2細胞から単離したmRNAを用いてλEXloxベクター中に調製 した。このλEXloxcDNAライブラリーを、PCR分析及びIRS−1c DNAプローブを用いる低緊縮スクリーニングにより分析した。14のPCRプ ライマー対を選択して、マウスIRS−1の全コード領域中で300〜600b pの生成物を生成した。これらのプライマー対の各々は、予想されるサイズの生 成物をIRS−1を含むことが知られたライブラリーから産出したが、このライ ブラリーから得られたPCR生成物の何れもがIRS−1から予想される結果と マッチしなかった。この結果は、IRS−1cDNAがこのライブラリーでは示 されていないか、非常に低濃度なので我々の方法によっては検出できないことを 示唆する。更に、180kDaのホスホチロシン蛋白質(IRS−2)は、IR S−1から区別されなければならない。 次に、FDC−P2ライブラリーを、低緊縮及び高緊縮条件にて、ポリグルタ ミン領域(CAG)30を欠く完全長IRS−1cDNAプローブを用いてスクリー ニングした。陽性クローンは、IRS−1を含む肝細胞、脂肪又は筋肉のcDN Aライブラリーにおいて通常認められる高緊縮条件で同定されなかった。従って 、IRS−1遺伝子は、FDC−P2ライブラリーにおいて見出されなかった。 200の弱い陽性のクローンを、ポリグルタミン領域(CAG)30を欠く完全長 IRS−1プローブを用いるλEXloxの低緊縮スクリーニングにより得た。 8つの最強の陽性クローンを単離して、配列決定した。これらのクローンは、マ ウス酸性リボソームリン蛋白質(mARP)として同定された。mARPは、c DNAレベルでIRS−1に対して同一性の多くのストレッチを含む1094塩 基によりコードされる36kDaの蛋白質である。全体的同一性は、約46% である。しかしながら、リーディングフレームが異なるために、アミノ酸配列レ ベルでは、類似性は存在しない。これらのクローンのPCR分析は、このライブ ラリーからのPCR生成物がこのcDNAから生じることはありそうであること を示す。低緊縮IRS−1スクリーニングから得られた更なる192クローンを 論理的にスクリーニングする方法を工夫することは困難であるので、このアプロ ーチは、放棄した。更に、PCRクローニングは、IRS−2遺伝子を示すこと ができなかった。FDC−P2細胞はIRS−1を含まず且つIRS−2は、単 純な技術によっては得られないと、暫定的に結論した。IRS−2の精製 IRS−2を精製するためのストラテジーは、部分的に、IRS−2が、イン シュリン又はIL−4刺激後に、PI3’−キナーゼと結合するという事実に依 存する。前節のデータは、この結合がIRS−1により用いられるのと同じ機構 により生じることを示唆する。このモデルにおいて、IRS−2中のチロシンリ ン酸化部位は、p85中のSrc相同性2(SH2)ドメインに結合することが 予想され得る。従って、固定化されたp85のSH2ドメインをアフィニティー 試薬として用いて、インシュリン刺激されたFDC−P2細胞からIRS−2を 精製した。 SH2アフィニティーカラムの効率を、抗ホスホチロシン抗体を用いて作成し たアフィニティーカラムのそれと比較した。抗ホスホチロシン抗体αPY、又は p85(GST−SHP85)、Fyn(GST−SH2fyn)、GRB2(GST −SH2GRB2)、SH−PTP2(GST−SH2syp)のSH2ドメインを含 むグルタチオン−Sトランスフェラーゼ(GST)細菌融合蛋白質に結合するI RS−2の効率を試験した。FDCP−2細胞を、0.7×106細胞/mlま で生育させた。実験前に、これらの細胞(3.5×106/ml)を、高グルコ ース及び50μM VO4を含むDMEM中で、2時間インキュベートした。等 量のインシュリン刺激した又は刺激してない細胞から調製した細胞溶解物を、α PYと又は種々のSH2ドメインを含む様々なGST融合蛋白質とインキュベー トした。αPY免疫複合体はプロテインAセファロースで沈殿され、溶 解緩衝液で3回洗った。GST融合蛋白質複合体は、グルタチオン−セファロー スで沈殿され、その樹脂をGST結合緩衝液で2回簡単に洗った。結合された蛋 白質を、0.1M DTTを含むLaemmli試料緩衝液にて5分間煮沸する ことにより、プロテインAセファロース樹脂から除去した。溶出された蛋白質混 合物を、7.5%SDSpageゲル上で成分に分離し、ニトロセルロース膜に トランスファーした。IRS−2を、αPY免疫ブロッティングにより検出した 。GSTnSH2p85(p85のアミノ末端SH2を含むGST−SH2p85)は 、αPY(3μg)と比較して等量のIRS−2を沈殿させた。第2回の沈殿で は検出可能なIRS−2はなかったので、融合蛋白質の量を5μgから20μg まで増大させることは、溶解物中の殆どすべてのIRS−2を沈殿させた。 下記を含む幾つかの理由の故に、αPYではなく、GSTnSH2p85を、I RS−2の精製用に選択した: 1.純粋な融合蛋白質を、短期間で、大量に製造することができる。 2.高い容量のアフィニティーカラムをパックするのが容易である。 3.GSTnSH2p85結合蛋白質は、20mM グルタチオンを用いて、特 異的に溶出させることができる。 この選択を評価するために、FDCP−2細胞をインシュリンで刺激し、抽出 物を小さいSH2p85アフィニティーカラムを通した。溶出物の幾つかの画分を 集めてSDS−PAGEにより分離した。IRS−2は、画分2〜4において、 蛋白質染色により容易に検出された。 高容量アフィニティーラムを、4mgのGSTnSH2p85を0.4mlのグ ルタチオンセファロースを含むカラムを通して流し、洗浄用緩衝液(200μg /mlのBSAを含むPBS中の10mM DTT)で十分洗うことにより作成 した。FDC−P2細胞溶解物を、30リットルのインシュリン刺激性FDCP −2細胞から調製し、GSTnSH2p85アフィニティーカラムに加えた。その カラムを、10mlの洗浄用緩衝液及び10mlのBSAを含まない洗浄用緩衝 液で洗った。これらの蛋白質を、2×1mlの溶出用緩衝液(50mMトリス、 pH7.4中の20mM グルタチオン、20mM DTT、250 mM NaCl)を用いて溶出し、Centricon−30にて濃縮した。こ れらの蛋白質を、DTTを含む(終濃度0.1M)Laemmli試料緩衝液中 で5分間煮沸し、7.5%SDS−PAGEにより分離し、PVDF膜にトラン スファーして、ポンソーSで染色した。二重のバンドが、対照として用いた組換 えIRS−1と膜上の同じ位置に現れた。IRS−1の定量及びポンソーS染色 の濃さに基づく精製IRS−2の凡その量は、約5μgであった。 これらの関心ある蛋白質バンドは、四角形で囲んである(図2)。これらのI RS−2及びIRS−1を含むバンドを切り出して、別々に、プロテアーゼLy s−C消化にかけた。その結果生じたペプチドをHPLCにて分離し、それらの OD214での溶出プロフィルはデテルミナントであった。これらのIRS−2及 びIRS−1についてのペプチドマップは、著しく異なっており、IRS−2が IRS−1とは異なる分子であることを示唆している。 8つの主要な新規なペプチドを、アミノ酸配列決定にかけた。それらの各アミ ノ酸配列を表2に示す。これらのペプチドの内の7つは、蛋白質データバンクの 如何なるペプチド配列とも相同性を有しなかった。これらのペプチドの1つ(p 90)は、IRS−1中の配列と80%相同性を共有した。これらのデータは、 IRS−2が新規な蛋白質であることを示し、IRS−2がIRS−1と関連し ていることを強く示した。 IRS−2のクローニング λEXlox(商標)中に調製したマウスFDCP−2細胞cDNAライブラ リー及びλFIXベクター(Stratagene)中のマウスゲノムライブラリーを、オ リゴヌクレオチドプローブを用いてスクリーニングした。このプローブ(PROBE- 60)は、表2のp60のアミノ酸配列に基づいて、10ヌクレオチドの重複を有 する1対のオリゴヌクレオチドを用いて調製した: 各オリゴヌクレオチド(0.6pモル)の対を、10μlの標識用緩衝液(Am ersham)中でアニールさせた。[32P]dATP(1mCi/mlの210μl 、3000Ci/mモル)及び[32P]dCTP(20mCi/mlの21μl 、6000Ci/mモル)をミクロ遠心機用チューブ中で混合して凍結乾燥し、 その後、26μlのH2O、4μlの5×標識用緩衝液、4μlのdGTP及び dTTP、10μlのアニールしたオリゴヌクレオチドを加え、過剰のクレノー (Amersham)を用いて伸長させた。この混合物を、室温で2時間インキュベート し、次いで、37℃で30分間インキュベートした。標識されたプローブをEl utip(Schleicher and Schuell)を用いて、遊離のdNTPから分離した。 比活性は、プローブ60について、8×108cpm/pモルであった。約百万 のプラークを、150mmプレート当り40,000プラークの密度でプレート し、ニトロセルロースフィルター(Schleicher and Schuell)へトランスファー して、プローブ60(2.5×106cpm/ml)を用いてスクリーニングし た。ハイブリダイゼーションは、20%ホルムアミド、10%デキストランスル フィド、6×SSC及び50mM リン酸ナトリウム(pH6.8)を含む5× Denhardt溶液(100μg/mlのサケ精子DNAを含む)中で、一晩 行なった。これらのフィルターを、0.1%SDSを含む2×SSCで、22℃ で3回洗い、次いで、0.2×SSCで30分間及び0.1%SDSで、37℃ で30分間洗った。これらの乾燥させたブロットをKodakXAR−5フィル ムに、Quantal11増感スクリーンを伴って、−70℃で、露出させた。 1つのcDNA(c9−4)及び1つのゲノムDNA(g9)が、各ライブラ リーの百万のクローンにおいて同定された。クローンc9−4は、cDNAの3 ’末端を示すポリA領域を含む2.4kpbの挿入物を含む(図3)。c9−4 のヌクレオチド配列は、マウスIRS−1配列との比較的低レベルであるが認識 し得る相同性(30〜40%)を含み;しかしながら、翻訳されたペプチド配列 は、IRS−1中のものと類似のアミノ酸配列モチーフ中に幾つかのチロシンリ ン酸化部位の存在を示した。これらの結果は、IRS−2がIRS−1と関連し ていることを確認する。 この最初のcDNA断片を用いて、マウスの肺のcDNAライブラリーをスク リーニングした。Lc−6(SK)と呼ばれる1つの新規なcDNAクローンが 得られた(図3)。このクローンは、この最初のクローンと重複し且つ5’方向 に配列を伸ばした。IRS−1コード領域がそのコード領域中にイントロンを欠 くことは、IRS−2のゲノム配列がイントロンを欠くであろうこと及び完全長 のコード領域を単離するために用いることができるであろうことを示唆した。c 9−4クローンの5’末端からのSacI断片をプローブとして用いて、サザー ンブロットによりゲノムDNA制限断片を調べた。1.4kbpのKpnI断片 は、このプローブとハイブリダイズし、5’末端配列を含むことが予想された。 この1.4kbpの断片をpBluescript中にサブクローン化して配列 決定した。ゲノムDNA断片を、1.4kbp(gKpn1.4)をプローブと して用いて再び調べた(暫定的に更なる5’末端DNA配列であるとされる2k bpのSacI断片を示す)。両ゲノムDNA断片を配列決定したが、リーディ ングフレームには、IRS−2から得られるペプチド配列が従い、IRS−1と 相同性であった(図3)。アラインメントを図3に示す。対応するcDNAが単 離されていないので最初の450ヌクレオチド中には誤りがあることがあり得る 。しかしながら、配列アラインメントは、正しい配列が編集されたことを示唆し ている。 この部分的cDNAは、4100bp長であり且つ、ヌクレオチド40のKo zacの開始部位から、ヌクレオチド3900の最初のTAG 停止コドンまで伸び るオープンリーディングフレームを含む。IRS−2とIRS−1のヌクレオチ ド配列を、図4で比較してある。5’末端に比較的高い(70%近くに達す る)同一性の3つの領域がある。これらの同一性を、図5に、グラフにより示す 。 IRS−2の部分的cDNA配列を、最大のオープンリーディングフレームの 演繹されたアミノ酸配列と共に示す(図6)。精製IRS−2蛋白質から得られ た9つのペプチド配列の内の5つが、この演繹されたIRS−2のアミノ酸配列 中に見出された。このIRS−2cDNAのオープンリーディングフレームをI RS−1のそれと比較する(図7);ギャップを除いて、全体的同一性は51% である。最初の500アミノ酸中に位置する3つの同一性(65〜70%)の領 域があるが、3’末端の相同性は50%未満であった。 このIRS−2転写物の組織分布を、マウス組織及びFDCP−2細胞からの ポリ(A)+RNAのノーザンブロットにより調べた。このブロットを、全くI RS−1との相同性を有しないIRS−2特異的なオリゴヌクレオチド(ペプチ ド60から演繹)をプローブとして用いて検査した。IRS−2発現が、心臓、 脳、脾臓、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、精巣及びFDC−P2細胞において検出さ れた。当業者は、常例的方法を適用して、他の種例えばヒトからIRS−2核酸 を得ることができる。例えば、ヒトIRS−2のゲノムクローンを、ヒトゲノム DNAを増幅するための特異的IRS−2オリゴヌクレオチドプライマーを用い て、PCRクローニングによって得ることができる。こうして得られた増幅断片 を、適当なベクター例えばpBluescriptベクター中にクローン化し、 次いで、配列決定することができる。或は、ヒトcDNAライブラリーを、マウ スIRS−2配列から得られたオリゴヌクレオチドプローブを用いて又はマウス IRS−2cDNA断片を用いて低緊縮ハイブリダイゼーションによりスクリー ニングすることができる。これらのスクリーニングの何れかから得られた陽性ク ローンを、上記のベクター中にクローン化して配列決定することができる。組換 えヒトポリペプチドを、これらの単離されたクローンから発現させることができ る。IRS−2のアミノ酸配列 IRS−2の演繹されたアミノ酸配列を、IRS−1のそれと比較した (図8)。IRS−1中の主要なリン酸化部位及び潜在的チロシンリン酸化部位 の殆どは、IRS−2において保存されている。上流のキナーゼ又は下流の分子 との相互作用において重要であると考えられるPHドメインは、IRS−1とI RS−2の間で高度に保存されており、IRS−2構造におけるその機能的重要 性を確認する。N末端に位置するリン酸化部位以外の3つの相同性領域IH1、 IH2及びIH3がある(図8)。特に重要なことには、多数のリン酸化部位が 、IRS−2において、IRS−1と同じ位置に見出される。幾つかの場合には 、IRS−2の周囲の配列はIRS−1に非常に似ているが、他の場合には、周 囲の配列はユニークである(図7及び8)。これらの結果は、IRS−2がIR S−1と機能的に関連しており、それがIRSシグナリングファミリーの第2の メンバーとして含まれることを正当化することを確認する。他のIRSファミリーメンバーの単離 当業者は、常例的方法を適用して、他のIRSファミリーのメンバーを得るこ とができる。例えば、縮重したオリゴヌクレオチドプライマーを、1つ以上のI RS遺伝子に共有される相同性領域例えば前にクローン化されたIRS遺伝子例 えばIRS−1及びIRS−2のIH1、IH2又はIH3ドメインから合成す ることができる。これらのプライマーの縮重の程度は、特定のアミノ酸配列につ いて用いられる遺伝暗号の縮重に依存する。これらの縮重したプライマーは又、 次のクローニングを容易にするために、5’末端に制限エンドヌクレアーゼ部位 をも含むべきである。 組織例えば古典的インシュリン感受性組織例えば筋肉、脂肪又は肝臓組織から 全mRNAを得て、Superscript逆転写酵素キットを用いて逆転写す ることができる。このキットで与えられるオリゴ(dT)プライマーの代りに、 3’縮重オリゴヌクレオチドプライマーの1つを用いて反応の特異性を増すこと ができる。第1鎖合成後に、得られたcDNAを、上記の縮重オリゴヌクレオチ ドを用いるPCR増幅にかけることができる。PCR条件は、アニーリング温度 、Mg++濃度及びサイクル持続期間について最適化されるべきである。 一度適当なサイズの断片が増幅されたならば、それを、クレノーで充填し、適 当な制限酵素で切断してゲル精製すべきである。かかる断片を、次いで、ベクタ ー例えばBluescriptベクター中にクローン化することができる。適当 なサイズの挿入物を有するクローンを、制限酵素で消化して、生成した断片を、 他のIRSファミリーのメンバー例えばIRS−1及びIRS−2のものと比較 することができる。これらの別々の消化プロフィルを有するクローンを、配列決 定することができる。 或は、前にクローン化したIRS遺伝子例えばIRS−1又はIRS−2の保 存された領域に対する抗体を作成して、発現スクリーンディファレントライブラ リーに用いることができる。更に別の方法は、前にクローン化したIRS遺伝子 例えばIRS−1及びIRS−2の保存されたリン酸化部位からPCRプライマ ーを合成して、適当なライブラリースクリーニングに用いることもできる特異的 なプローブを作成することを含む。IL−4とIRSファミリーメンバーとの相互作用 インターロイキン4(IL−4)は、病原体に対する免疫応答の際に、T細胞 、マスト細胞及び好塩基球により産生される多能性サイトカインである。IL− 4は、防護的免疫応答の調節において重要な役割を演じる。それは、抗炎症性因 子として関係し、自己免疫による組織傷害の制限に関係する。IL−4は又、I gMからIgG1(ヒトにおけるIgG4)及びIgE{一般に、アレルギー疾 患(喘息及び枯草熱)に関係しており、蠕虫に対する免疫において役割を演じ得 る}へのB細胞のIgクラススイッチングにおいて主要な役割を演じることが知 られている。IL−4が著しい抗腫瘍活性を有するという観察は、それがある種 の腫瘍細胞の免疫排除を促進する強力な生物学的分子であることを示唆する。従 って、IL−4は、多くの医学的に重要な過程に関係する免疫応答において重要 な役割を演じる。殆どのサイトカインと同様に、IL−4は、細胞に対して系統 を変える多くの強力な生物学的効果を有する:それは、B細胞におけるMHCク ラスII分子及びCD23、リンパ球におけるそれ自身のレセプター及び内皮細胞 におけるVCAM−1の発現を誘導し又は増大させる。最後に、IL−4は、B 細胞、T細胞及びマスト細胞に対する成長因子である。 IL−4の多面発現性効果を媒介するIL−4レセプター複合体は、広範囲の 造血系及び非造血系細胞型に存在する。マウスとヒトの両方のIL−4レセプタ ーのαサブユニット(IL−4αR)をコードするcDNAの分子クローニング 及びそれらのCOS7細胞における発現は、約130kDaの一本鎖が高アフィ ニティーのIL−4結合部位を含むことを示した。しかしながら、IL−2レセ プターのγ共通サブユニット(IL−2γcR)は、IL−4αRと物理的に結 合し、IL−4の一層高いアフィニティー結合及びIL−4誘導されるチロシン リン酸化及び細胞増殖のためのIL−4レセプター複合体の必須成分である。I L−4αレセプターとIL−2γcレセプターの両方は、システイン残基の対及 びWSXWS(SEQ ID NO:56)モチーフ(細胞外ドメイン中)により特徴付け られる造血系レセプタースーパーファミリーに属する。両細胞質ドメインは、シ グナル変換に必須である。IL−4αレセプターの細胞質ドメインは、ヒト、マ ウス及びラット間で保存されている2つの酸性領域と5つの潜在的なチロシンリ ン酸化部位を含む。IL−4aレセプターの内部欠失の研究は、両酸性領域がト ランスフェクトされたBa/F3細胞においてIL−4に応答して細胞増殖する のに必要であることを示唆した。第2の酸性領域のN末端近くには、やはり、イ ンシュリン及びインシュリン様成長因子1のレセプター中に見出されるNPXY (SEQ ID NO:57)モチーフがある。このモチーフ中の突然変異は、細胞蛋白質 のリン酸化及びIL−4に応答しての増殖を誘導し得ないレセプターを生じる。 IL−2γcレセプターの細胞質ドメインは、SH2サブドメインを含む。造血 系レセプタースーパーファミリーの他のメンバー同様、IL−4αレセプターも IL−2γcレセプターも、チロシン又はセリン/スレオニンキナーゼの特徴的 な如何なるコンセンサス配列をも含まない。IL−4は、多くの細胞型においてIRS−2及びIRS−1のリン酸化を誘導 する IL−4αレセプター及びIL−2γcレセプターは、チロシンキナーゼドメ インを含まないが、IL−4は、レセプター自身及びIRS−2(170kDa の蛋白質−初めは、IL−4誘導されたホスホチロシン基質(4PS)と呼ばれ た)を含む幾つかの蛋白質の迅速且つ明白なチロシンリン酸化を誘導する。IR S−2のリン酸化は、多くの細胞株で認められ、IL−2、IL−3、IL−7 、GM−CSF及びエリスロポエチンがそれらのレセプターも造血系レセプター スーパーファミリーに属するのにIRS−2のリン酸化を誘導しないので、該リ ン酸化は、IL−4に特異的である。IL−4は、ホスファチジルイノシトール 3’−キナーゼ(PI3’−キナーゼ)のIRS−2との結合を誘導する。この 効果は、インシュリンへの応答におけるPI3’−キナーゼに対するIRS−1 の効果に似ている。更に、FDC−P1及び32D骨髄性前駆体細胞におけるI RS−1の過剰発現は、IL−4に対する応答におけるIRS−1のリン酸化を 生じる。従って、IL−4及びインシュリンは、部分的に重複するシグナル変換 経路を有するものと思われ、IRS−2及びIRS−1は、一定の構造及び機能 的類似性を有する。 IRS−1は、インシュリン及びIGF−1刺激の際にチロシンリン酸化を受 ける主要なインシュリンレセプター基質である。IRS−1の分子クローニング は、ラット、マウス及びヒトの間で保存されているアミノ末端近くの潜在的ヌク レオチド結合部位があることを示した。しかしながら、蛋白質キナーゼの特徴の ある配列は他には存在しない。IRS−1は、IRS−1の最も高度に保存され た領域であるアミノ酸残基7と120の間のプレクストリン相同性(PH)ドメ インを含む。 IRS−1は、20を超える潜在的チロシンリン酸化部位を含む。活性化され たインシュリンレセプターによるリン酸化を受ける少なくとも8つのチロシン残 基が、公式に同定されている。IRS−1のチロシンリン酸化は、「分子スイッ チ」として作用して、インシュリン刺激の際に、蛋白質をSrc相同性2ドメイ ン(SH2蛋白質)と組み合わせることができる。SH2ドメインは、約100 アミノ酸からなり、多くのシグナリング分子中に見出されている。各々の特定の SH2ドメインは、特定のアミノ酸配列モチーフ内に存在するホスホチロシンと 結合すると考えられる。リン酸化されたIRS−1は、PI3’−キナーゼと、 その85kDaの調節サブユニット(p85)内に存在するSH2ドメインの、 IRS−1内のホスホチロシン608及び939との相互作用により、結合して 活性化する。PI3’−キナーゼは、哺乳動物における細胞成長及び代謝の制御 並びに酵母における蛋白質区分けに関係する。別のシグナリング潜在能力を有す る幾つかの他のSH2蛋白質も又、GRB−2(p21ras調節)、SH−PT P2(蛋白質チロシンホスファターゼ)及びnck(SH2/SH3含有アダプ ター蛋白質)を含むリン酸化されたIRS−1と結合することが見出されている 。これらの相互作用は、インシュリンの多面発現性作用の媒介に対して重要であ ると考えられる。IRS−2は、おそらく、IRS−1と同様の仕方で作用して 、IL−4誘導される多面発現性作用を媒介するのであろう。 IRS−2又はIRS−2様蛋白質のリン酸化は又、他のシグナリングシステ ムにおいても同定されている。一次B細胞及びBal−17細胞株において、1 70kDaの蛋白質は、IgM刺激の際に、チロシンにおいて急速にリン酸化さ れ;類似のサイズのチロシンリン酸化された蛋白質は又、幾つかのB細胞株例え ばDaudi、U−266並びにMOLT−4及びMOLT−16細胞株におい てもI型インターフェロンに応答して認められた(本書の他所参照)。IRS− 2と同様に、これらの分子は、IRS−1に免疫学的に弱く関係している(即ち 、幾つかの抗IRS−1抗体は、それらを弱く認識するが、他のものは認識しな い)。これらの分子の幾つかの正体は、特性決定されるべきままでいる。従って 、IRS−2及びIRS−1又は関連分子は、様々なシグナル変換パスウェーに 関係する分子の独自の群を規定することができる。IRS−2及びIRS−1の生物学的重要性 IL−4及びインシュリンシグナリングパスウェーにおけるIRS−2及びI RS−1の生物学的重要性は、低レベルの高アフィニティーIL−4レセプター を含むがIRS−2又はIRS−1を含まない32D骨髄性前駆体細胞におい て明確に示された。32D細胞は、IL−4又はインシュリンにさらされた際に 増殖せず;IL−4又はインシュリンに対するレセプターの増大した発現は、I RS−2又はIRS−1の不在時には、これらの因子に対する有糸分裂促進性応 答に対して殆ど影響を有しなかった。これらの細胞におけるIRS−1の単独で の発現は、IL−4に対する細胞の有糸分裂促進性応答を効果的に増大させたが 、インシュリンに対しては、該増大効果はもっと弱かった。しかしながら、IL −4又はインシュリンのレセプターを発現している細胞におけるIRS−1の発 現は、両成長因子が非常に効果的に有糸分裂誘発を誘導すること及び個々のリガ ンドの存在下でのこれらの細胞の長期の成長を維持することを可能にした。従っ て、IRS−1は、IL−4及びインシュリン誘導される増殖に対する必須要素 であるらしい。IRS−1に対する類推により、IRS−2は、おそらく、IL −4誘導される有糸分裂誘発を媒介するのであろう。 IL−4シグナリングにおけるIRS−2及びIRS−1の重要性は又、ヒト IL−4αレセプター突然変異体の分析によっても示された。切り詰められたヒ トIL−4αレセプター(437〜CT残基を欠く)は、32D/IRS−1細 胞において発現されたときに、IRS−1をリン酸化することができなかった。 これらの細胞は、hIL−4で処理したときに、増殖し得なかった。NPXYX S(SEQ ID NO:58)中のチロシン497のフェニルアラニンへの突然変異は、 殆ど又は全くIRS−1リン酸化を引き起こさないIL−4aレセプターを生じ 、hIL−4刺激の際に32D/IRS−1細胞増殖を媒介することができなか った。更に、IL−2γcレセプターが、IRS−1のIL−4誘導によるリン 酸化及び有糸分裂誘発に必要である。これらの研究において、IRS−1のリン 酸化とIL−4媒介の増殖とは密接に関係しており、IL−4シグナリングパス ウェーにおけるIRS−1/IRS−2の非常に重要な役割を示している。 驚くべきことに、ジーンターゲティングによる遺伝子破壊により生成したIR S−1(−/−)マウスが生きて誕生して、繁殖し(大きさが50%小さいが) 、これは、IRS−1が哺乳動物の生存に必須でないことを示す。インシュリン レセプターが細胞成長及び代謝パスウェーを調節するために利用することの できる他のIRSファミリー分子(おそらくIRS−2)があるのではないかと 考えることは妥当である。実際、IRS−1抗体の幾つかにより弱く認識される 蛋白質は、インシュリン投与後に、IRS−1ノックアウトマウスの肝臓及び筋 肉においてリン酸化されてPI3’−キナーゼと結合するようである。この蛋白 質がIRS−2であるか否かは、決定されるべきままである。 IL−4刺激は、幾つかの蛋白質チロシンキナーゼを活性化し、IRS−2及 びIRS−1様の細胞性蛋白質のチロシンリン酸化を誘導して、転写因子のリン 酸化、活性化及び核への移動を引き起こし、これは、細胞成長又は分化に必要な 遺伝子の転写の調節へと導く。しかしながら、これらの重要なステップの各々の 間の連鎖は、未だ、明確には確立されていない。IRS−2は、IL−4誘導さ れる細胞増殖に非常に重要であると考えられるので、IRS−2は、おそらくこ のIL−4シグナリングネットワークにおいて重要な役割を演じているのであろ う。IRS−2活性の調節(例えば、阻害又は促進)を用いて、これらの効果を 調節することができる。IRSファミリー及びI型インターフェロン I型インターフェロン(IFNα、IFNβ及びIFNω)は、正常細胞及び 新生物細胞に対して、様々な生物学的効果を発揮する(抗ウイルス活性及び抗増 殖活性を含む)。IFNα刺激直後に、レセプター複合体中の幾つかのシグナリ ング蛋白質は、チロシンリン酸化される(I型IFNレセプターのα及びβサブ ユニット、並びにTyk−2及びJak−1チロシンキナーゼを含む)。両キナ ーゼは、I型IFNレセプターの成分と結合し、IFNαシグナリングカスケー ドの早期におけるそれらの活性化は、種々の下流のシグナリング分子のチロシン リン酸化を調節すると考えられる。Jak−1及びTyk−2の発現は、ある種 の非感受性細胞株におけるIFNα応答をレスキューし、これは、Janus 科のこ れらのチロシンキナーゼ又は関連するメンバーがIFNα作用に必須であること を示唆する。 幾つかの蛋白質は、IFNα依存チロシンキナーゼ活性に対する基質である。 細胞のIFNα処理に応答して、転写アクチベーターISGF3αのstat− 113、Stat−91及びStat−84成分は、チロシンにおいて、急速に リン酸化され、48kD蛋白質(ISGF3γ)と結合して活性複合体を形成す る。この複合体は、核に移動して、インターフェロン刺激された応答要素(IS RE)への結合中に遺伝子転写を開始する。更に、vavプロトオンコジーン生 成物(p95vav)は、IFNα刺激中にチロシンリン酸化される;しかしなが ら、IFNαのシグナル変換中のその正確な役割は、決定されるべきままである 。IFNαシグナリングにおける多くのパスウェーの掛かり合いは、細胞及び組 織に対する多面発現性の生物学的効果と一致する。 上皮成長因子及び血小板由来成長因子に対するものを含む多くの成長因子レセ プターは、直接、それらの自己リン酸化部位によって、ホスファチジルイノシト ール3−キナーゼ、Grb−2、SH−PTP2、PLCγ及びrasGAPを 含む、SH2ドメインを含むシグナリング蛋白質の共通セットと結合する。現在 までのところ、これらのI型IFNレセプターの成分とかかるSH2蛋白質との 間の直接的相互作用の証拠はない。同様に、インシュリン、IGF−1及びIL −4のレセプターは、公知のSH2蛋白質と強く結合しない。それよりも、それ らは、IRSシグナリングファミリー中のドッキング蛋白質、特に種々のSH2 蛋白質に直接結合するIRS−1のチロシンリン酸化を刺激する。 IRS−1は、21の潜在的チロシンリン酸化部位を含み、SDS−PAGE中 に約175kDaに移動する。IFNα及びインシュリンの両者は、造血細胞中 の共通の170〜175kDa蛋白質のチロシンリン酸化を刺激し、これは、I FNαがIRSシグナリング蛋白質を利用してある種の生物学的応答を媒介する ことを示唆する。(IFNα又はインシュリンにより誘導されるチロシンリン酸 化のパターンを、次のように、U−266細胞にて研究した:細胞を、指示した ように、104U/mlのIFNαの存在又は不在にて、37℃で、5分間、イ ンキュベートした。細胞は、刺激しないか又は、37℃で、5分若しくは30分 間、1μMのインシュリンで刺激した。全細胞溶解物からの蛋白質の等量(10 0μg)をSDS−PAGEにより分析して、抗ホスホチロシンモノクローナル 抗体(4G−10)を用いて免疫ブロットした。細胞溶解及び増強した化学ルミ ネセンス(ECL)法を用いる免疫ブロッティングは、標準的方法により 行なった。) IRS−1がIFNαシグナリングに関与するか否かを決定するために、対照 用の又は刺激したU−266若しくはDaudi細胞由来の細胞溶解物を、組換 えラットIRS−1に対するポリクローナル抗体で免疫沈降させ、抗ホスホチロ シン抗体(4G−10)を用いて免疫ブロットした。170kDa蛋白質の基礎 的チロシンリン酸化が、U−266細胞において再現可能に検出されたが、Da udi細胞においては検出されなかった。IFNα及びインシュリンは、両細胞 株に由来するαIRS−1免疫沈降物中の170kDa蛋白質のチロシンリン酸 化を強く刺激した。(170kDaIRSシグナリング蛋白質のIFNα及びイ ンシュリンに対する応答におけるチロシンリン酸化を、次のように測定した:U −266又はDaudi細胞を、IFNα(104U/ml)又はインシュリン (1μM)の存在又は不在にて、37℃で、3分間インキュベートした。細胞溶 解物を、指示したように、対照用の正常ウサギ免疫グロブリン(RIgG)(Si gma)又はバキュロウイルス生成されたラットIRS−1に対する抗体を用いて 免疫沈降させた。細胞を、104U/mlのIFNαを用いて種々の時点で刺激 し、細胞溶解物を、対照用抗体(RIgG)又は組換えラットIRS−1に対す る抗体を用いて免疫沈降させた。免疫沈降物を、SDS−PAGEにより分析し 、ポリビニジルフルオリド膜(Immobilon、Millipore)にトランスフ ァーして、抗ホスホチロシンを用いて免疫ブロットした。これらのブロットを、 ECL法を用いて顕出させた。ブロット中のIRSシグナリング蛋白質の上下に 移動するバンドは、非特異的である。) 170kDa蛋白質のリン酸化が、Daudi細胞又はMolt−4細胞のI FNαでの処理後1分以内に生じ、90分後に減少した。このリン蛋白質は又I RS−1のプレクストリン相同性(PH)ドメイン(αIRS−1PH)に対する 抗体によっても免疫沈降された。(IRSシグナリング蛋白質のDaudi細胞 中のPI3’−キナーゼのp85調節サブユニットとの結合を、次のように研究 した:細胞(4×107/レーン)を、指示したように、IFNα(104u/ ml)と共に、37℃で5分間刺激し、細胞溶解物を、指示したように、正常R IgG、又はPI3’−キナーゼのp85調節サブユニットに対する ポリクローナル抗体、又はIRS−1のプレクストリン相同性ドメイン(αIR S−1PH)に対するポリクローナル抗体を用いて免疫沈降させた。)免疫沈降物 を、SDS−PAGEにより分析し、抗ホスホチロシンを用いて免疫ブロットし た。他の実験においては、細胞(5×107/レーン)を、IFNα又はインシ ュリンの存在又は不在にて、37℃で7分間インキュベートし、細胞溶解物を、 IRS−1のプレクストリン相同性ドメインに対する抗体又はp85に対するポ リクローナル抗体又は正常RIgGを用いて免疫沈降させた。免疫沈降物をSD S−PAGEにより分析し、p85αに対するモノクローナル抗体(Upstate Bi otechnology)を用いて免疫ブロットした。他の実験においては、細胞(9×1 07/レーン)を、指示したように、IFNα又はインシュリンを用いて、37 ℃で5分間刺激し、細胞溶解物をGSTのみ又はp85αのN末端SH2ドメイ ン(アミノ酸残基321〜440)を含むGST融合蛋白質(これらの両者は、 グルタチオンセファロースビーズ(Pharmacia)に結合された)の何れかと共に 4℃で3時間インキュベートした。これらのビーズを洗って、結合蛋白質をSD S−PAGEにより分離し、ポリビニジルフルオリド膜にトランスファーして、 抗ホスホチロシンを用いて免疫ブロットした。これらのブロットをECL法を用 いて顕出させた。これらのブロット中のIRSシグナリング蛋白質の上下に移動 するバンドは、非特異的であった。) αIRS−1PH抗体との強い反応性にもかかわらず、この蛋白質は、IRS− 1のC又はN末端に存在する特異的配列に対する抗体により認識されなかったの で、IRS−1と同一ではない。それは未だ、IRS−2と同じ蛋白質であるか 否か決定されていない。 チロシンリン酸化後に、IRS−1は、ホスファチジルイノシトール3’−キ ナーゼの85kDaの調節サブユニット(p85)を含む幾つかのSH2蛋白質 に結合する。170kDaのIRS関連リン蛋白質が、IFNα刺激の際にp8 5に結合するか否かを決定するために、Daudi細胞溶解物から抗p85抗体 を用いて得られた免疫沈降物を、抗ホスホチロシン(4G−10)を用いて免疫 ブロットした。これらの細胞のIFNα又はインシュリン処理に続いて、170 kDaのチロシンリン酸化された蛋白質が、抗p85免疫沈降物中に検出 された。このリン蛋白質は、αIRS−1PHを用いて直接免疫沈降された170 kDのIRS関連蛋白質と一緒に移動した。更に、αIRS−1PH抗体を用いて 得られた免疫沈降物は、IFNα又はインシュリン刺激後にのみp85αを含ん だ。IFNα又はインシュリン刺激した細胞からのIRS関連リン蛋白質は又、 p85のN末端SH2ドメインを含むGST融合蛋白質にも結合した。同様の結 果が、p85のC末端SH2ドメインを含むGST融合蛋白質を用いて得られた 。従って、IFNα及びインシュリンの両者は、IRSシグナリング蛋白質のP I3’−キナーゼとの結合を刺激し、この相互作用は、おそらく、p85中のS H2ドメインを必要とするに違いない。 ホスファチジルイノシトール3’−キナーゼ(PI3’−キナーゼ)は、種々 の生物学的応答における重要な役割を演じるようであり、多くの成長因子及びサ イトカインにより活性化される。そのインシュリンによる活性化は、チロシンリ ン酸化されたIRS−1との結合の際に生じる。IFNαが、Daudi細胞中 でPI3’−キナーゼ活性のIRSシグナリング蛋白質との結合を刺激するか否 かを測定するために、PI3’−キナーゼアッセイを、aIRS−1PH免疫沈降 物について行なった。刺激前に、基礎レベルのPI3’−キナーゼ活性を、αI RS−1PHの免疫沈降物にて検出した(これは、免疫化前ウサギ血清を用いた免 疫沈降物にて検出された非特異的活性に等しかった)。(Daudi細胞におけ るIFNα及びインシュリンによるPI3’−キナーゼの活性化を次のように研 究した:細胞を、示したように、IFNα(104U/ml)又はインシュリン (100nM)の不在又は存在にて、5分間処理し、細胞溶解物を、αIRS− 1PH抗体又は免疫化前血清を用いて免疫沈降させて、免疫沈降物を、三連で、P I3’−キナーゼ活性についてアッセイした。) IFNα又はインシュリンは 、PI3’−キナーゼ活性の、αIRS−1PHで特異的に免疫沈降されたIRS 関連蛋白質との結合を刺激した。PI3’−キナーゼが、IRSシグナリング蛋 白質との結合の際にIFNα又はインシュリンによって活性化されることは、あ りそうなことである。 原形質膜と核との間のIFNαシグナリングの理解における相当の進歩が為さ れた。Jak−Statパスウェーは、IFN刺激された応答要素(ISRE) を含む遺伝子の発現を調節するISGF−3の調節されたアセンブリーのもっと もらしい機構を提供する。しかしながら、他のシグナリングパスウェーを調節す るためにIFNαにより用いられる分子機構は、完全には理解されていない。I FNαが170kDaのIRSシグナリング蛋白質のチロシンリン酸化を刺激す るという発見は、IFNα刺激の際の更なるSH2シグナリング蛋白質の調節さ れた組合せのためのパスウェーの存在を示唆する。現在まで、I型IFNレセプ ターとPI3’−キナーゼ、Grb−2、SH−PTP2及びnckとの間の分 子的リンクは存在しない。IRS−1又は関連蛋白質のチロシンリン酸化は、こ れらの下流シグナリング要素に対する直接的リンクを与える。Daudi、U− 266及びMolt−4細胞における170kDのリン蛋白質は、IRS−1の 種々の領域に対する抗体との反応性パターンにより測定して、IRS−1と関連 しているが同一ではない。しかしながら、それは、インシュリン刺激の際にチロ シンリン酸化されてPI3’−キナーゼと結合するので、機能的にIRS−1と 類似している。IFNαに対する応答並びにIFNβ及びIFNωに対する応答 においてこのIRS関連蛋白質により組み合わされる他のSH2蛋白質を同定す ることは重要であろう(それらは、同蛋白質のチロシンリン酸化をも誘導する) 。 造血細胞における研究は、IL−4又はインシュリン刺激の際にチロシンリン 酸化される170kDaのIRS関連蛋白質の存在を示唆した。この蛋白質は、 初めは4PSと呼ばれたが(現在は、IRS−2という)、チロシンリン酸化後 にPI3’−キナーゼに結合し、αIRS−1PHと強く反応するがC及びN末端 特異的なαIRS−1抗体とは反応しない。IRS−2のこれらの特徴は、IF Nα又はインシュリン刺激の際にDaudi、U−266及びMolt−4細胞 中で検出される170kDaのIRSシグナリング蛋白質の特徴と同じようであ る。IRS−2を、インシュリン刺激FCD−P2細胞から精製し、部分的アミ ノ酸配列から調製した最適化cDNAプローブを用いてそのcDNAを単離した 。演繹されたアミノ酸配列は、IRS−1と約48%同一であるが、αIRS− 1PH抗体との強い反応性を表すよく保存されたPHドメインを含む蛋白質を予言 する。暫定的にIRS−2と呼ばれるこのIRSシグナリングファミ リーの新しいメンバーは、IFNα刺激の際に検出される170kDaのリン蛋 白質と同一であり得るが、更なるイソ型が存在し得るので、決定的証明は、IR S−2に対する特異的抗体の調製を待つ。 IRSシグナリング蛋白質は、種々の疎水性コンテキストにおいて、多くの潜 在的なチロシンリン酸化部位を含む。これらのチロシン残基は、上流のチロシン キナーゼの基質として及び下流のSH2蛋白質に対する特異的ドッキング部位と しての二重の役割を演じる。IRS−1中の少なくとも8つのチロシン残基は、 残基460、608、628、939及び987を含む活性化インシュリンレセ プターによるリン酸化を受ける(これらは、YXXM(SEQ ID NO:59)/YM XM(SEQ ID NO:2)モチーフであり、PI3’−キナーゼを活性化するp85 に結合する)。3つの他のモチーフもインシュリンレセプターによりリン酸化さ れる(Grb−2に結合するY895VNI(SEQ ID NO:60)並びにSH−PT P2(23)に結合するY1721IDL(SEQ ID NO:61)及びY1222ASI(SE Q ID NO:62)を含む)。これらの部位のすべてではないが多くは、IRS−2 において保存されており、これは、IRS−1とIRS−2の差別的発現が、イ ンシュリン、IL−4又はIFNα刺激の際に達成されるユニークなリン酸化パ ターンを伴って、シグナリング特異性における重要な役割を演じ得ることを示唆 する。 インシュリンレセプターチロシンキナーゼは、IRSシグナリング蛋白質のイ ンシュリン依存性リン酸化を調節するようであるが、IL−4及びIFNαのレ セプターはJanusファミリーチロシンキナーゼを用いてかかるリン酸化を達 成する;しかしながら、IFNα及びIL−4刺激の際のJanusキナーゼの 掛かり合いの直接的証拠は、得られるべきままでいる。多くのレセプターは、チ ロシンキナーゼのJanusファミリーを活性化するが、それらの殆どは、IR Sシグナリング蛋白質をリン酸化しない。この選択性の原因である要素の正体は 、知られていない。興味深いことには、インシュリン、IGF及びIL−4のレ セプターは、共通のアミノ酸配列モチーフLxxxxNPxYxss(SEQ ID N 0:63)を含む(これは、これらのレセプターのIRS−1との相互作用に寄与 する);しかしながら、この配列モチーフは、I型IFNレセプターのクロ ーン化成分中には見出されず、これは、異なるモチーフが関与しているか又は他 のサブユニットが見出されるべきままでいることを示唆する。 IRSシグナリングパスウェーの共用は、インシュリン、IGF−1、IL− 4及びIFNαについての見掛け上異なるシグナリングシステム間の共通のリン クを確立する。IL−4は、単球及び関連細胞株におけるIFN誘導された細胞 遺伝子発現の転写活性化を減衰させることができる。これらの結果は、IRSシ グナリングシステムにおける蛋白質の共通利用により生じるIFNαとIL−4 との間の拮抗を示唆する。もしそれが正しければ、インシュリン及びIGF−1 も又、IFNαシグナリングに影響し得る。遺伝子治療 この発明の遺伝子構築物は又、遺伝子治療プロトコールの一部として用いて、 IRSポリペプチド(好ましくは、IRS−1以外)例えばIRS−2ポリペプ チドのアゴニスト又はアンタゴニスト形態をコードする核酸を送達することもで きる。IRS−2の場合に、この発明は、IRS−2が誤発現される細胞におい てIRS−2ポリペプチドの機能を再構成し或は排除するための、特定の細胞型 におけるIRS−2ポリペプチドのイン・ビボトランスフェクション及び発現の ための発現ベクターを特徴とする。主題のIRS−2ポリペプチドの発現構築物 及びその突然変異体を、任意の生物学的に有効なキャリアー例えばIRS−2遺 伝子をイン・ビボで細胞に有効に送達することのできる任意の配合物又は組成物 にて投与することができる。アプローチは、主題の遺伝子の、組換えレトロウイ ルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス及び単純ヘルペスウイルス1型を含 むウイルスベクター又は細菌性若しくは真核生物の組換えプラスミッド中への挿 入を含む。ウイルスベクターは、細胞を直接トランスフェクトし;プラスミッド DNAは、例えば、カチオン性リポソーム(リポフェクチン)又は誘導体化(例 えば、抗体結合)されたポリリジン結合体、グラマシジンS、人工ウイルスエン ベロープ若しくはそのような他の細胞内キャリアーの助けにより、並びに遺伝子 構築物の直接的注入又はイン・ビトロで行なうCaSO4沈澱を用いて送達する ことができる。適当な標的細胞の形質導入は遺伝子治療の重要な第1ステップを 意味するので、特定の遺伝子送達システムの選択は、意図される標的の表現型及 び投与の経路例えば局所投与か又は全身投与か等の因子に依存するであろうとい うことは認められよう。更に、IRS−2発現のイン・ビボ形質導入用に準備し た特定の遺伝子構築物は又、細胞のイン・ビトロ形質導入例えば上述の診断用ア ッセイでの使用にも有用であるということは認められよう。 核酸の細胞へのイン・ビボ導入のための好適アプローチは、IRS−2ポリペ プチドをコードする核酸例えばcDNAを含むウイルスベクターの利用によるも のである。細胞のウイルスベクターでの感染は、標的細胞の大きい割合が核酸を 受け得るという利点を有する。更に、例えばウイルスベクター内に含まれるcD NAによりコードされる分子は、ウイルスベクター核酸を取り込んだ細胞内で効 率的に発現される。 外因性遺伝子の特にヒトへのイン・ビボでのトランスファーのための組換え遺 伝子送達システムとして、レトロウイルスベクター及びアデノ随伴ウイルスベク ターを用いることができる。これらのベクターは、遺伝子の細胞への効率的な送 達を提供し、トランスファーされた核酸は、宿主の染色体DNA中に安定にイン テグレートされる。レトロウイルスの利用のために前以て必要な主なことは、そ れらの利用の安全性特に細胞集団における野生型ウイルスの拡散の可能性に関す る安全性を確実にすることである。複製欠損レトロウイルスのみを生成する特殊 化した細胞株の開発(「パッキング細胞」と呼ぶ)は、遺伝子治療のためのレト ロウイルスの有用性を増大させ、欠損レトロウイルスは、遺伝子治療目的のため の遺伝子トランスファーにおける利用のためによく特性決定されている(総説と しては、Miller,A.D.(1990)Blood 76:271 を参照されたい)。従って、レトロウ イルスのコード配列(gag、pol、env)の部分がそのレトロウイルスを 複製欠損にする主題のレセプターの1つをコードする核酸により置換された組換 えレトロウイルスを構築することができる。この複製欠損レトロウイルスを、次 いで、標準的技術により、ヘルパーウイルスの利用によって、標的細胞に感染さ せるのに用いることのできるビリオン中にパッケージする。組換えレトロウイル スを生成し、かかるウイルスをイン・ビトロ又はイン・ビボで細胞に感染させる ためのプロトコールは、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel,F. M.等(編)Greene Publishing Associates,(1989),第9.10-9.14 節及び他の標 準的実験マニュアル中に見出すことができる。適当なレトロウイルスの例には、 当業者に周知のpLJ、pZIP、pWE及びpEMが含まれる。環境栄養性及 び両栄養性の両レトロウイルスシステムに適したパッケージングウイルス株の例 には、ψCrip、ψCre、ψ2及びψAmが含まれる。レトロウイルスは、 種々の遺伝子を上皮細胞を含む多くの異なる細胞型にイン・ビボ及び/又はイン ・ビトロで導入するために用いられてきた(例えば、Eglitis等(1985)Science 2 30:1395-1398; Danos及びMulligan(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6460-6464 ; Wilson等(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:3014-3018;Armentano 等(1990)Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6141-6145; Huber等(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8 8:8039-8043; Ferry等(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8377-8381; Chowdhury 等(1991)Science 254:1802-1805: van Beusechem等(1992)Proc.Natl.Acad.Sci. USA 89:7640-7644; Kay等(1992)Human Gene Therapy 3:641-647; Dai等(1992)Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10892-10895; Hwu等(1993)J.Immunol.150:4104-4115 ;米国特許第4,868,116号;米国特許第4,980,286号;PCT 出願WO89/07136号;PCT出願WO89/02468号;PCT出願 WO89/05345号;及びPCT出願WO92/07573号を参照された い)。 主題のIRS−2遺伝子用の遺伝子送達システムとしてレトロウイルスベクタ ーを選択するときは、殆どのレトロウイルスによる標的細胞の上首尾の感染及び それ故組換えIRS−2遺伝子の安定な導入に前以て必要なことはそれらの標的 細胞が分裂していなければならないということであるということに注意すること が重要である。リンパ腺癌等の一定の例外はあるが、かかる要求は、レトロウイ ルスベクターの利用に対して障害とはならないであろう。 更に、ウイルス粒子の表面上のウイルス性パッケージング蛋白質を修飾するこ とによりレトロウイルスの感染スペクトルを制限し従ってレトロウイルスベース のベクターの感染スペクトルを制限することが可能であることが示されている( 例えば、PCT公開WO93/25234号及びWO94/06920号を参照 されたい)。例えば、レトロウイルスベクターの感染スペクトルの改変のため のストラテジーには、細胞表面抗原に特異的な抗体をこのウイルスのenv蛋白 質に結合すること(Roux等(1989)PNAS 86:9079-9083; Julan等(1992)J.Gen Viro l 73:3251-3255; 及びGoud等(1983)Virology 163:251-254);又は細胞表面レセ プターリガンドをこのウイルスのenv蛋白質に結合すること(Neda等(1991)J Biol Chem 266:14143-14146)が含まれる。結合は、蛋白質又は他の変種との化 学的架橋の形態であってよく(例えば、env蛋白質をアシアロ糖蛋白質に変換 するラクトース)、並びに融合蛋白質(例えば、一本鎖の抗体/env融合蛋白 質)を生成することによってもよい。この技術は、感染を一定の組織型に限定し 或は向けるのに有用出あるが、環境栄養性ベクターを両栄養性ベクターに変換す るために用いることもできる。 その上、レトロウイルス遺伝子送達の利用は、更に、そのレトロウイルスベク ターのIRS−2遺伝子の発現を制御する組織又は細胞特異的な転写調節配列の 利用により促進することができる。 本発明において有用な他のウイルス性遺伝子送達システムは、アデノウイルス 由来のベクターを利用する。アデノウイルスのゲノムは、関心ある遺伝子産物を コードして発現するが、正常の溶菌性ウイルス生活環において複製する能力に関 して不活性化されるように操作することができる。例えば、Berkner 等(1988)Bi oTechniques 6:616; Rosenfeld等(1991)Science 252:431-434;及びRosenfeld 等 (1992)Cell 68:143-155 を参照されたい。アデノウイルスAd5型d1324株 又は他のアデノウイルス株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7等)から誘導され た適当なアデノウイルスベクターは、当業者に周知である。組換えアデノウイル スは、それらが分裂しない細胞に感染し得ない一定の状況において有利であり得 て、上皮細胞を含む広範囲の種々の細胞型に感染させるのに用いることができる (Rosenfeld 等(1992)前出)。更に、そのウイルス粒子は、比較的安定であって 、精製及び濃縮に柔順であり、上述のように、その感染性スペクトルに影響を与 えるように改変することができる。更に、導入されたアデノウイルスDNA(及 び、そこに含まれる外来DNA)は、宿主細胞のゲノムにインテグレートされず にエピソームのままでおり、それによって、導入されたDNAが宿主ゲノム中に インテグレートされる状況(例えば、レトロウイルスDNA)において挿入 による突然変異誘発の結果として生じ得る潜在的問題を回避する。更に、アデノ ウイルスゲノムの外来DNAに対する収容力(最大で8キロベース)は、他の遺 伝子送達ベクターと比較して大きい(Berkner 等、前出; Haj-Ahmand及びGraham (1986)J.Viro.57:267)。現在使用されており従って本発明により好まれる殆ど の複製欠損アデノウイルスベクターは、そのウイルスのE1及びE3遺伝子の全 部又は部分を欠失しているが、そのアデノウイルスの遺伝物質の80%を保持し ている(例えば、Jones 等(1979)Cell 16:683; Berkner等、前出;及びGraham等 Methods in Molecular Biology,E.J.Murray 編(ニュージャージー、Clifton在、Humana) 第7巻、第109-127 頁を参照されたい)。挿入されたIRS−2遺伝子の発現は 、例えば、E1Aプロモーター、主要後期プロモーター(MLP)及び関連する リーダー配列、E3プロモーター、又は外来の加えられたプロモーター配列の制 御下にあってよい。 主題のIRS−2遺伝子の送達に有用な更に他のウイルスベクターシステムは 、アデノ随伴ウイルス(AAV)である。アデノ随伴ウイルスは、効率的な複製 及び生産的生活環のために他のウイルス例えばアデノウイルス又はヘルペスウイ ルスをヘルパーウイルスとして必要とする天然の欠損ウイルスである。(総説と しては、Muzyczka等、Curr.Topics in Micro.and Immunol.(1992)158:97-129を 参照されたい)。それは又、非分裂細胞にDNAをインテグレートすることので きる少数のウイルスの1つであり、高率で安定なインテグレーションを示す(例 えば、Flotte等(1992)Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.7:349-356; Samulski 等(198 9)J.Viroll.63:3822-3828;及びMcLaughlin等(1989)J.Virol.2:1963-1973 を参照 されたい)。AAVの300塩基対程僅かしか含まないベクターは、パッケージ され得て且つインテグレートされ得る。外因性DNAのためのスペースは、約4 .5kbに限られている。Tratschin 等(1985)Mol.Cell.Biol.5:3251-3260に記 載されたようなAAVベクターを用いて、DNAを細胞中に導入することができ る。種々の核酸が、AAVベクターを用いて、種々の細胞型に導入された(例え ば、Hermonat等(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6466-6470; Tratschin等(198 5)Mol.Cell.Biol.4:2072-2081; Wondisford 等(1988)Mol.Endocrinol.2:32-39; Tratschin等(1984)J.Virol.51:611-619; 及びFlotte等(1993)J.Biol. Chem.268:3781-3790を参照されたい)。 上に説明したようなウイルストランスファー方法に加えて、非ウイルス的方法 を用いて、動物の組織におけるIRS−2ポリペプチドの発現を引き起こすこと もできる。殆どの非ウイルス的な遺伝子トランスファー方法は、巨大分子の取り 込み及び細胞内輸送のために哺乳動物細胞により用いられている通常の機構に依 存する。好適具体例において、本発明の非ウイルス的遺伝子送達システムは、標 的細胞による主題のIRS−2遺伝子の取り込みのために、エンドサイトーシス パスウェーに依存する。この型の典型的遺伝子送達システムには、リポソーム由 来のシステム、ポリリジン結合体及び人工ウイルスエンベロープが含まれる。 代表的具体例において、IRS−2ポリペプチドをコードする遺伝子は、表面 に陽性電荷を有するリポソーム(例えば、リポフェクチン)中に捕らえることが でき、(適宜)標的組織の細胞表面抗原に対する抗体で標識される(Mizuno等(1 992)No Shinkei Geka 20:547-551; PCT公開WO91/06309号;日本国 特許出願第1047381号;及び欧州特許公開EP−A−43075号)。 臨床においては、治療用のIRS−2遺伝子のための遺伝子送達システムは、 当分野で周知の多くの方法の何れかによって患者に導入することができる。例え ば、遺伝子送達システムの医薬調製物を、例えば静脈注射によって全身に導入す ることができ、標的細胞における蛋白質の特異的形質導入は、主として、遺伝子 送達ビヒクルにより与えられるトランスフェクションの特異性、レセプター遺伝 子の発現を制御する転写調節配列による細胞型若しくは組織型発現又はこれらの 組合せから生じる。他の具体例において、組換え遺伝子の最初の送達は、非常に 局在化された動物への導入により一層限定されている。例えば、遺伝子送達用ビ ヒクルをカテーテルにより(米国特許第5,328,470号参照)又は定位注 射により(例えば、Chen等(1994)PNAS 91:3054-3057)導入することができる。 遺伝子治療用構築物の医薬調製物は、本質的に、許容し得る希釈剤中の遺伝子 送達システムからなるものであってよく、遺伝子送達用ビヒクルが埋め込まれて いるゆっくり放出するマトリックスを含んでよい。或は、完全な遺伝子送達シス テムが組換え細胞から無傷で生成し得る場合には(例えば、レトロウイルスベク ター)、この医薬調製物は、その遺伝子送達システムを生成する1つ以上の細胞 を含むことができる。ペプチド模倣物 この発明は又、主題のIRSポリペプチド(好ましくは、IRS−1以外のも の)例えばIRS−2ポリペプチドの蛋白質結合ドメインの減少を与えて、この 場合、本発明のIRS−2のIRS−2結合蛋白質(例えば、天然のリガンド例 えばインシュリンレセプター)との結合を分裂させることのできる模倣物例えば ペプチド又は非ペプチド因子をも生成する。従って、かかる突然変異誘発技術は 、例えば主題のIRS−2ポリペプチドのIRS−2結合蛋白質への結合に関与 する蛋白質−蛋白質相互作用に関係するIRS−2のデテルミナントをマップす るのに特に有用である。説明のために、IRS−2結合蛋白質の分子認識に関与 する主題のIRS−2ポリペプチドの重要な残基を決定して、IRS−2のIR S−2結合蛋白質との結合を競争的に阻害するIRS−2由来のペプチド模倣物 を生成するために用いることができる(例えば、「Peptide inhibitors of huma n papillomavirus protein binding to retinoblastoma gene protein」欧州特 許出願EP−412,762A及びEP−B31,080Aを参照されたい)。 例えば、IRS−2結合蛋白質への結合に関与する特定のIRS−2ポリペプチ ドのアミノ酸残基をマップするために突然変異誘発を走査することを採用するこ とにより、ペプチド模倣化合物(例えば、ジアゼピン又はイソキノリン誘導体) を生成することができ、これらは、IRS−2結合蛋白質への結合におけるそれ らの残基を模倣し、それ故、IRS−2のIRS−2結合蛋白質への結合を阻止 することができ、それにより、IRS−2の機能を邪魔することができる。例え ば、かかる残基の加水分解可能でないペプチドアナログを、ベンゾジアゼピン( 例えば、Freidinger等、Peptides 中:Chemistry and Biology,G.R.Marshall編 、ESCOM Publisher: オランダ、Leiden 在、1988参照)、アゼピン(例えば、Huffman 等、Peptids中: Chemistry and Biology,G.R.Marshall 編、ESCOM Publisher: オランダ、Leiden在、1988参照)、置換されたガンマーラクタム環(Garvey等、Pept ides 中: Chemistry and Biology,G.R.Marshall 編、ESCOM Publisher: オランダ、 Leiden在、1988)、ケト−メチレン偽ペプチド(Ewenson 等(1986)J Med Chem 2 9:295;及びEwenson 等、Peptides 中: Structure and Function(Proceedings o f the 9th American Peptide Symposium)Pierce Chemical Co.イリノイ、Rockland在、1985)、β−ターンジペプチドコア(Nagai 等 (1985)Tetrahedron Lett 26:647;及びSato等(1986)J Chem Soc Perkin Trans 1: 1231)及びβ−アミノアルコール(Gordon等(1985)Biochem Biophys Res Commun 126:419;及びDann等(1986)Biochem Biophys Res Commun 134:71)を用いて生成 することができる。薬物スクリーニングアッセイ 精製された及び組換えのIRSポリペプチド(好ましくは、IRS−1以外の もの)例えばIRS−2ポリペプチドを作製することにより、本発明は、この場 合には、主題のIRS−2の正常な細胞機能又はインシュリン関連疾患における それらの役割のアゴニスト又はアンタゴニストである薬物についてスクリーニン グするために用いることのできるアッセイを提供する。一具体例において、この アッセイは、IRS−2ポリペプチドとIRS−2結合蛋白質(例えば、天然の リガンド例えばインシュリンレセプター)との間の結合を調節する化合物の能力 を評価する。様々なアッセイ形式が十分であり、本発明に照らして、当業者によ り理解されよう。 化合物及び天然抽出物のライブラリーを試験する多くの薬物スクリーニングプ ログラムにおいて、所定期間内に概観される化合物数を最大にするためには、高 スループットアッセイが望ましい。精製した又は半精製した蛋白質を用いて誘導 され得るような無細胞系において実施されるアッセイは、しばしば、迅速な顕出 及び試験化合物により媒介される分子標的中の変化の比較的容易な検出を可能に するように生成され得る「一次」スクリーニングとして好適である。更に、試験 化合物の細胞毒性及び/又は生物学的利用能の効果は、一般に、イン・ビトロシ ステムにおいては無視することができ、それよりも、このアッセイは、第一に、 分子標的に対する薬物の効果に集中している(他の蛋白質との結合アフィニティ ーの変化又は分子標的の酵素的特性の変化において明白であろう)。従って、本 発明の典型的なスクリーニングアッセイにおいては、関心ある化合物を、単離精 製したIRS−2ポリペプチドと接触させる。この化合物とIRS−2ポリペプ チドとの混合物を、次いで、IRS−2結合蛋白質を含むがIRS−2を含まな い組成物に加える。IRS−2/IRS−2結合蛋白質複合体の検出及び定量化 は、IRS−2ポリペプチドとIRS−2結合蛋白質との間の複合体形成の阻止 (又は増強)におけるその化合物の効力を測定する手段を提供する。この化合物 の効力は、種々の濃度の試験化合物を用いて得られたデータから投与量応答曲線 を生成することにより評価することができる。更に、対照用アッセイを行なって 比較のためのベースラインを与えることもできる。対照用アッセイにおいては、 単離精製したIRS−2を、IRS−2ポリペプチドを含む組成物に加え、IR S−2/IRS−2結合蛋白質複合体の形成を、試験化合物の不在において定量 する。 その他の具体例 下記の具体例は、IRS−2について記載されているが、それらは、IRSフ ァミリーの他のメンバー(好ましくは、IRS−1以外のもの)に適用すること ができる。 対立遺伝子変種;天然の突然変異体;誘導した突然変異体;SEQ ID NO:1のポ リペプチドをコードする核酸に高緊縮又は低緊縮条件下でハイブリダイズするD NAによりコードされる蛋白質(高緊縮及び低緊縮の定義については、Current Protocols in Molecular Biology,John Wi1ey & Sons,New York 在、1989、6.3. 1-6.3.6(参考として本明細書中に援用する)を参照されたい);及びIRS− 2に対する抗血清により特にIRS−2の活性部位又は結合ドメインに対する抗 血清により特異的に結合されるポリペプチドは、この発明に含まれる。 この発明は又、IRS−2の生物学的に活性な断片又はアナログをも含む。生 物学的に活性な断片又はアナログは、SEQ ID NO:1に示したIRS−2の特徴で ある任意のイン・ビボ又はイン・ビトロ活性例えば上述の生物学的活性の1つ以 上を有するものである。IRS−2等のペプチドは、しばしば、ある範囲の生理 学的特性を示し、かかる特性はその分子の種々の部分に帰することができるので 、有用なIRS−2断片又はIRS−2アナログは、IRS−2活性につい ての任意の生物学的アッセイにおいて生物学的活性を示すものである。最も好ま しくは、この断片又はアナログは、任意のイン・ビボ又はイン・ビトロのIRS −2アッセイにおいて、IRS−2(SEQ ID NO:1)の活性の10%、好ましく は40%又は少なくとも90%を有する。 アナログは、天然のIRS−2と、アミノ酸配列において若しくは配列を含ま ない様式で、又はこれら両方において異なってよい。この発明のアナログは、一 般に、天然のIRS−2配列の20アミノ酸残基の、好ましくは40アミノ酸残 基より多いセグメントと、又は一層好ましくは完全な配列と少なくとも90%、 好ましくは95%又は99%相同性さえ示す。配列以外の修飾には、IRS−2 のイン・ビボ又はイン・ビトロの化学的誘導体化が含まれる。配列以外の修飾に は、アシル化、メチル化、リン酸化、カルボキシル化又はグリコシル化の変化が 含まれる。グリコシル化は、例えばIRS−2のグリコシル化パターンを、その 合成及びプロセッシングの際に改変することにより、又は更なるプロセッシング ステップにおいてIRS−2を、かかるプロセッシングを正常に与える細胞由来 のグリコシル化作用をする酵素例えば哺乳動物のグリコシル化酵素にさらすこと により改変することができ;リン酸化は、IRS−2をリン酸化作用をする酵素 例えばキナーゼ又はホスファターゼにさらすことにより改変することができる。 好適なアナログには、野生型の配列と、1つ以上の保存的アミノ酸置換により 又は1つ以上の非保存的アミノ酸置換、欠失若しくは挿入により異なる(これら は、IRS−2の生物学的活性を排除しない)IRS−2(又は、その生物学的 に活性な断片)が含まれる。保存的置換には、典型的には、アミノ酸の他の類似 の特性を有するアミノ酸での置換例えば次の群の中出の置換が含まれる: バリン、グリシン;グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;ア スパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン ;リジン、アルギニン;及びフェニルアラニン、チロシン。他の保存的置換は、 下記の表から得ることができる。 この発明中の他のアナログは、ペプチドの安定性を増大させる改変を有するも のであり;かかるアナログは、例えば、1つ以上の非ペプチド結合(ペプチド結 合に置き換わるもの)をそのペプチド配列中に含んでよい。天然のL−アミノ酸 以外の残基例えばD−アミノ酸又は非天然の即ち合成のアミノ酸例えばβ若しく はγアミノ酸を含むアナログ;又は環状アナログも又、含まれる。 ここで用いる場合、用語「断片」は、IRS−2に適用する場合、通常、少な くとも約20残基長、一層典型的には少なくとも約40残基長、好ましくは少な くとも約60残基長である。IRS−2の断片は、当業者に公知の方法によって 生成することができる。候補の断片のIRS−2の生物学的活性を示す能力は、 ここに記載のように、当業者に公知の方法によって評価することができる。ペプ チドの生物学的活性に必要でない残基を含むIRS−2又は別のmRNAスプラ イシング若しくは別の蛋白質プロセッシング事象から生じた残基を含むIRS− 2も又含まれる。 IRS−2遺伝子の全部又は部分をコードする核酸を用いて、細胞をトランス フォームすることができる。例えば、IRS−2遺伝子例えばその誤発現型若し くは突然変異型(例えば、欠失)、又はIRS−2蛋白質若しくはペプチドをコ ードする他のDNAを用いて、細胞をトランスフォームして、その細胞のゲノム IRS−2遺伝子がトランスフォームされた遺伝子により置き換えられた細胞を 生成し、例えばIRS−2遺伝子について欠失された細胞を生成することができ る。このアプローチを培養で成長できる細胞例えば培養幹細胞に用いて、この遺 伝子の機能を研究することができる。 同様に、IRS−2遺伝子の全部又は部分をコードする核酸例えば遺伝子の誤 発現型若しくは突然変異型(例えば、欠失)を用いて、細胞をトランスフォーム し、次いで、該細胞からトランスジェニック動物例えばトランスジェニックマウ スを生成することができる。このアプローチを用いて、例えば、IRS−2遺伝 子が例えば欠失により不活性化されたトランスジェニック動物を造ることができ る。ホモ接合のトランスジェニック動物を、創出(founder)トランスジェニッ ク動物の子孫間の交配により作成することができる。細胞培養物又は組織培養物 を、トランスジェニック動物から誘導することができる。 IRS−2ポリペプチドを得るためには、従来法によって、IRS−2をコー ドするDNAを発現ベクター中に導入し、そのベクターを所望の蛋白質の発現に 適した細胞中に導入し、そして、そのペプチドを回収して精製する。これらのペ プチド(蛋白質)に対する抗体は、従来法によって、動物例えばウサギ又はマウ スを免疫化し、そして、抗IRS−2抗体を回収することにより作成することが できる。 IRS−2の断片は、例えば、SEQ ID NO:1のDNA配列の制限消化により所 望の断片をコードするようにイン・ビトロで操作したIRS−2DNAを発現さ せることにより作成することができる。アナログは、例えば、SEQ ID NO:1の配 列のイン・ビトロでのDNA配列改変によって作成することができる。例えば、 イン・ビトロ突然変異誘発を用いて、SEQ ID NO:1のDNA配列を、1つ以上の アミノ酸残基が置換(例えば、表3に記載した保存的置換)を受けたアナログを コードする配列に変換することができる。断片又はアナログを、IRS−2活性 の存在について、当業者に公知の方法により試験することができる。 この発明は又、IRS−2の他の蛋白質への結合を調節例えば阻止することの できるIRS−2模倣物例えばペプチド又は非ペプチド因子の生成を与える。一 般に、種々の形態の突然変異誘発が、第2の蛋白質への結合に関与する蛋白質− 蛋白質相互作用に関係するIRS−2のデテルミナントをマップするために適用 可能である。例えば、IRS−2の相同物(アゴニスト形態及びアンタゴニスト 形態の両方)を、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発等(Ruf 等(1994) Biochemistry 33:1565-1572; Wang 等(1994)J Biol Chem 269:3095-3099;Balint 等(1993)Gene 137:109-118; Grodberg等(1993)Eur J Biochem 218:597-601; Nag ashima等(1993)J Biol Chem 268:2888-2892; Lowman 等(1991)Biochemistry 30: 10832-10838;及びCunningham等(1989)Science 244:1081-1085)を用いて、リン カースキャニング突然変異誘発(Gustin等(1993)Virology193:653-660; Brown等 (1992)Mol Cell Biol 12:2644-2652; McKnight等(1982)Science 232:316)によ り、又は飽和突然変異誘発(Meyers等(1986)Science232:613)により生成させて スクリーニングすることができる。 分子認識に関与するこの発明のペプチドの重要な残基を決定して、IRS−2 の他の蛋白質との結合を競争的に阻止するペプチド模倣物を生成するために利用 することができる(例えば、「Peptide inhibitors of human papillomavirus p rotein binding to retinoblastoma gene protein」欧州特許出願EP−412 ,7624及びEP−531,080Aを参照されたい)。例えば、他の蛋白質 への結合に関与するIRS−2の残基をマップするためのスキャニング突然変異 誘発を用いることにより、他の蛋白質への結合に関与することが確かめられてい るIRS−2残基を模倣しそれ故信頼すべきIRS−2蛋白質のその蛋白質への 結合を阻止するために用いることのできるペプチド模倣化合物を生成することが できる。例えば、かかる残基の加水分解不能なペプチドアナログを、ベンゾジア ゼピン(例えば、Freidinger等 Peptides 中: Chemistry and Biology,G.R.Mars hall編、ESCOM Publisher: オランダ、Leiden在、1988を参照されたい)、アセンピン (例えば、Huffman 等Peptides 中: Chemistry and Biology,G.R.Marshall編、E SCOM Publisher: オランダ、Leiden在、1988を参照されたい)、置換されたガンマー ラクタム環(Garvey等 Peptides 中: Chemistry and Biology,G.R.Marshall編、E SCOM Publisher: オランダ、Leiden在、1988)、ケト−メチレン偽ペプチド(Ewenso n 等(1986)J Med Chem 29:295;及びEwenson 等Peptides 中:Structure and Func tion(Proceedings of the 9th American Peptide Symposium)Pierce Chemical Co.イリノイ、Rockland 在、1985)、β−ターンジペプチドコア(Nagai 等(1985) Tetrahedron Lett 26:647;及びSato等(1986)J Chem Soc Perkin Trans 1:1231) 及びβ−アミノアルコール(Gordon等(1985)Biochem Biophys Res Commun 126:4 19; 及びDann等(1986)Biochem Biophys Res Commun 134:71)を用いて生成する ことができる。 他の具体例は、後述の請求の範囲内にある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 14/47 C07K 14/705 14/705 C12P 21/02 C C12P 21/02 G01N 33/53 D // G01N 33/53 A61K 37/02 AED (72)発明者 ホワイト,モリス エフ. アメリカ合衆国 02131 マサチューセッ ツ,ウエスト ロックスバリー,グレター ロード 14 (72)発明者 スン,シャオ ジャン アメリカ合衆国 02215 マサチューセッ ツ,ボストン,ピーターバラ ストリート 11 ナンバー16 (72)発明者 ピアス,ジャカリン エイチ. アメリカ合衆国 20854 メリーランド, ポトマック,スパー ホウィール レイン 11409

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記の特性の1つ以上を有するIRSポリペプチドの精製標品: (i)該IRSポリペプチドは、少なくとも5つのIRS共通チロシン含有 リン酸化部位を含む; (ii)該IRSポリペプチドは、IRS相同性ドメイン1、IRS相同性 ドメイン2及びIRS相同性ドメイン3の群から選択する少なくとも1つのIR S相同性ドメインを含む; (iii)該IRSポリペプチドは、インシュリンレセプターに結合するこ とができ且つインシュリンレセプターによりリン酸化されることができる; (iv)該IRSポリペプチドは、SH2ドメイン含有蛋白質に結合するこ とができる、但し、該IRSポリペプチドは、IRS−1以外のものである。 2.IRS−2ポリペプチドの実質的に純粋な標品。 3.組換えIRS−2ポリペプチド。 4.下記の特性の1つ以上を有するIRSポリペプチドをコードする実質的に純 粋なIRS核酸: (i)該IRSコードされるポリペプチドは、少なくとも5つのIRS共通 チロシン含有リン酸化部位を含む; (ii)該IRSコードされるポリペプチドは、IRS相同性ドメイン1、 IRS相同性ドメイン2及びIRS相同性ドメイン3の群から選択する少なくと も1つのIRS相同性ドメインを含む; (iii)該IRSコードされるポリペプチドは、インシュリンレセプター と結合することができ且つインシュリンレセプターによりリン酸化されることが できる; (iv)該IRSコードされるポリペプチドは、SH2ドメイン含有蛋白質 に結合することができる、但し、該IRSポリペプチドは、IRS−1以外のも のである。 5.IRS−2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む実質的に純粋 な核酸。 6.IRS−2ポリペプチドをコードする核酸を含むベクター。 7.請求項4のベクターでトランスフェクトした宿主細胞。 8.組換えIRS−2ポリペプチドを製造する方法であって、請求項5の細胞を 細胞培養培地で培養し、該IRS−2ポリペプチドを該細胞又は該細胞培養培地 から単離することを含む、上記の方法。 9.IRS−2トランスジーンを含むトランスジェニック動物。 10.IRS−2に結合するがIRS−1には結合しない抗体の精製標品。 11.患者が病気の危険にあるか否かを測定する方法であって、該患者における IRS−2代謝状況を評価することを含み、該代謝状況の異常なレベルが該病気 の診断となる、上記の方法。 12.患者が病気の危険にあるか否かを測定する方法であって、IRS−2を発 現する遺伝子の構造を測定することを含み、異常な構造が該病気の診断となる、 上記の方法。 13.IRS−2代謝に対する治療(例えば、治療剤例えば薬物の投与)の効果 を評価する方法であって、該治療を試験用細胞若しくは生物に施して、該剤のI RS−2代謝に対する効果を評価することを含み、該IRS−2代謝状況の変化 が該治療の効果を示す、上記の方法。 14.治療の効果を評価する方法であって、 IRS−2を誤発現する試験用細胞若しくは生物を用意し; その治療をその細胞若しくは生物に施し;そして その治療の代謝状況に対する効果を評価し、代謝状況に対する効果がその治 療の効果を示す、上記の方法。 15.IRS−2代謝により引き起こされる病気を患っている又はその病気の危 険にある哺乳動物を治療する方法であって、該哺乳動物に、IRS−2代謝状況 を変える治療剤の治療上有効な量を投与することを含む、上記の方法。
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