JPH11500259A - 電界放出カソード及びその製造方法 - Google Patents

電界放出カソード及びその製造方法

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JPH11500259A JP8524900A JP52490096A JPH11500259A JP H11500259 A JPH11500259 A JP H11500259A JP 8524900 A JP8524900 A JP 8524900A JP 52490096 A JP52490096 A JP 52490096A JP H11500259 A JPH11500259 A JP H11500259A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は改善された電界放出カソード及びその製造方法に関するものである。本発明の方法では、電界放出カソードを第1物質を含む少なくとも1つの基体から構成し、基体の放出面に不規則部を形成し、該放出面に仕事関数の低い第2物質のイオンを添加し、基体に調節可能な電界を印加して段階的に電界強度を増加させて電界放出を誘発させることにより放出面を変形させる。

Description

【発明の詳細な説明】 電界放出カソード及びその製造方法 発明の属する技術分野 本発明はディスプレイパネルや陰極線管のような光源又はこれに類似する装置 に使用する電界放出カソード及びこのような電界放出カソードの製造方法に関す るものである。 発明の背景 好適な電界放出型の照明器具を開発するには、公知のカソードよりも高効率の 電界放出カソードが必要とされる。特に、仕事関数が低く、耐久度が高く、かつ 、製造コストが低く、更に非汚染材料から形成された電界放出カソードを得るこ とができれば、可視発光用蛍光面と組み合わせて使用される電界放出手段を有す る光源以外にも様々な光源を利用することが可能となる。 例えば一般的な蛍光灯に関して言えば、現在の蛍光灯においては可視発光用蛍 光材料を発光させるためにガス放電が利用されており、このような蛍光灯におい ては環境汚染の危険性を有する材料を含み、かつ、複雑な外部電気部品を使用し なければならないという問題を有している。従って、現在、このような問題を解 決し得る新規な電界放出手段が必要とされている。 従来技術 米国特許第4728851号にはメモリー機能を有する発光装置に設けられる 電界放出カソードが開示されており、該電界放出カソードはコロナ放電が発生す る程度、具体的には直径約0.2μmの鋭利に形成された放出端部を有する直径 2μmの1本の炭素繊維から構成されている。 米国特許第4272699号には電子衝突型イオン源装置に使用される電界放 出カソードが開示されており、該電界放出カソードは表面加工によって鋭利に形 成されずに切り取られた放出端部を有する直径2〜10μmの炭素繊維の束から 構成されている。 発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、電子の電界放出のための局部的に高い電界強度を与えること が可能な表面形状を有する電界放出カソードの製造方法を提供することにある。 更に本発明は、機械的かつ電気的な耐久度が高く、仕事関数の低い電界放出カソ ードの製造方法を提供することを目的とし、併せて照明器具のもたらす環境汚染 を最小限に抑えることのできる電界放出カソードの製造方法を提供することも目 的とする。また、本発明は電子放出時のスイッチ時間が非常に短く、有益な幾何 学的形状を有する電界放出カソードの製造方法を提供することを目的とする。 本発明の他の目的は、局部的に高い電界強度を与えることができる表面形状を 有する電界放出カソードを提供することにある。更に本発明は、電子電界放出を 促進させる不規則なトポグラフィ(不規則部)を有する放出面が設けられ、機械 的かつ電気的な耐久度が高 く、仕事関数が低く、使用寿命が長く、エネルギー放出量が多く、電子放出時の スイッチ時間が非常に短く、かつ、環境汚染を最小限に抑えることが可能な電界 放出カソードを提供することを目的とする。 更に、本発明は上述した電界放出カソードを利用することによって、従来から 使用されている一般的な照明装置又は他の電子電界放出装置を改善することも目 的の1つとしている。 本発明の製造方法には、第1物質を含有するように精製された少なくとも1つ の基体から構成された電界放出カソードを電子電界放出を促進するための不規則 部を有する少なくとも1つの放出面を形成するために加工処理、熱処理、浸蝕処 理及び又は照射処理によって処理する加工工程と、該放出面に電子電界放出を誘 発させるために上記基体に調節可能な電界を与えて該放出面を変形させ、この放 出面の不規則部を維持するために当該カソードの電界放出特性を実質的に劣化さ せずに最大動作電圧に相当する電圧が印加されるまで電界強度を所定計画通りに 増加させる変形工程とが含まれている。更に、本発明の製造方法には放出面で電 子電界放出を誘発させるために電界強度を低下させる目的で第1物質よりも仕事 関数の低い第2物質を放出面に添加するために添加工程を含ませてもよい。 本発明の電界放出カソードに使用する好適な初期材料を作製する方法の1つに 、第1材料以外の物質を基体又は初期材料から除去するため及び又はその構造を 定常化するために基体又は初期材料をアニール処理する方法がある。「定常化す る」とは初期材料からなる 基体のアモルファス構造の形成を減少させることを意味する。 本発明の電界放出カソードの基体の幾何学的形状は上述した繊維に限定されず に、例えば層状、円錐状又はブロック状のようなものであってもよい。「不規則 部」には規則的な型模様で放出面上に形成された滑らかでない形状をも含んだ意 味である。 上記加工工程は、機械的な研磨処理、電気的な火花放電処理又はイオン衝突処 理によって行うと好ましい。特に、変形工程と同時にイオン衝突処理による加工 工程を行うと非常に好適である。また、加工工程がイオン衝突処理によって行わ れる場合、入射イオンに第2物質のイオンを利用することができるので、加工工 程(及び変形工程)と添加工程とを組み合せて行うことが可能となる。 また、本発明の基体を繊維の束で形成すれば、該基体の放出端部にイオンを衝 突させた際に該繊維束の各繊維部の放出端部が分離又は離隔することになり、電 子電界放出における電子分布領域を拡大することができるので好適である。 好ましくは、本発明の電界放出カソードの第1物質には炭素又はこれと同様の 物質を使用する。このように炭素を使用すると、その性質により製造時及び使用 時におけるイオン衝突によって放出面の不規則部を成長させることが可能となる 。また、第2物質(添加物質)を使用する場合、該第2物質にはセシウム又はそ の他仕事関数の低い好適な材料を使用するのが好ましい。このような物質を使用 すると、該物質の固相、液相又は気相から若しくは基体上の外部作用を通じて好 適な導体基体を形成する又は成長させることが可能となる。 カソードの電界放出特性に関して、イオン衝突処理(照射処理)及び必要とあ らば添加処理(ドーピング処理)による加工工程を行った後に残存した不規則部 は極めて重要となる。この不規則部は好ましくはセシウムがドーピングされた炭 素の複数のピーク又はチップ(マイクロチップ)からなり、加工工程後のチップ の曲率半径は0.1〜100nmの範囲内であるのが好ましい。放出面の変形工 程は所謂燃焼処理であり、不規則部は電子電界放出によって発生する熱によって 融解し、そのピークが丸められる。この工程を行うにあたっては、本発明では最 も鋭い又は最も高い点(ピーク先端部)だけを丸めて、最大動作電圧に相当する 瞬時印加電圧に耐え得る不規則部を残さなければならないので慎重に行う必要が ある。 好ましくは、放出端部のチップ(不規則部)における所定値(融解限界点)を 越える局部電流密度の発生確率を抑えるために、上記変形工程における印加電圧 を時間に関して導き出される最大電圧に対して正比例的に又は所定の連続曲線に 従って増加させる。該チップが融解し過ぎると放出面が滑らかになり、電界放出 電流(電界強度)が徐々に又は複数の段階に分けて増加する間に発生する熱を効 率良くチップから放出するができなくなり非常に不利益となる。変形工程におけ る印加電圧の基準を定める方法として、第1に所定値を越えるチップの不規則部 における局部電流密度の発生確率を制限することであり、第2に放出面の不規則 部の劣化を制限するように電界を増加させることである。 変形工程を行うにあたって、電界が与えられることにより放出面に衝突するこ とになる残留ガス(イオン)を含む真空中で放出面の チップ(不規則部)の電気的耐久度を高めると有益である。この有益な効果は、 電界強度を上述のように制御しながら増加させるときに電気的及び機械的な耐久 度の高いチップが連続的に成長することに依存する。しかしながら、局部電流が 増加し過ぎるとチップが融解しすぎてチップの電気的耐久性を低下させることに なり、また入射イオンのエネルギーを増加させ過ぎると変形しすぎてチップの機 械的耐久性を低下させることになる。この変形工程は放出面に耐久度の高いチッ プ(不規則部)を形成するための工程であり、該工程を経て形成されたカソード を使用した場合には上述した作用と同様にしてチップの再形成が行われることに なる。 電界放出カソードの第1物質の構造は一般的にクリスタル構造又は列理構造若 しくはその両方である。尚、第1物質が(微細な)列理構造である場合には不規 則部の構造は高密度の微細孔から形成される。また、上記電界放出カソードは例 えばパイログラフィによって形成された平板構造であってもよい。 加工工程、添加工程(例えばイオン衝突処理)及び変形工程は各々独立して行 われてもよく、本発明が提供する作用効果を得ることができれば別の目的に使用 してもよい。また、これらの工程を様々に組み合わせて連続的に、同時に又は繰 り返して行うようにしてもよい。 本発明の電界放出カソードは特殊な形状の照明器具に使用されている好適な複 合カソードと結合させてもよい。 本発明はランプ、蛍光灯、陰極線管だけでなく、その他電子電界放出が必要と される装置に対して使用することができる。また、本 発明は単一のチップ(不規則部)からなる電界放出カソードとして使用すること も可能である。 実施例 本発明の電界放出カソード製造方法では第1物質を含有した繊維材料から形成 した電界放出カソードを、該繊維材料からなる複数の繊維を機械的に又は融解に よって所定長に切断したものを束ねて繊維束を形成し、該繊維部から第1物質以 外の物質を除去するため及び又は繊維内の物質の構造を定常化するために該繊維 部をアニール処理する加工工程を行う。 切断及びアニール処理をした後、上記繊維束の各繊維には固有の不規則部を有 する放出端部が形成されることになる。その後、電子電界放出を促進させるため に(不規則部又は先端部でより強い局部電界を形成するために)、該放出端部の 不規則性が増加し且つ改善されるようにイオンを含有した繊維の放出端部を照射 する照射工程を行う。そして、該繊維に調節可能な電圧を印加して当該カソード の電界放出特性を実質的に劣化させずに最大動作電圧に相当する電圧値まで該印 加電圧を所定計画通りに増加させて放出面を変形させる変形工程を行う。この照 射工程と変形工程は残留ガス(イオン)を含んだ真空中で同時に行うと好ましい 。照射工程におけるイオン衝突処理には第1物質よりも仕事関数の低い第2物質 のイオンを利用してもよい。 以下、本発明の実施例を図面を参照してより詳細に説明する。 先ず、商品化されているポリアクリルニトリルカーボン繊維又は 炭素を含有する他の好適な材料を使用して該カーボン繊維を機械的に切断してカ ソードを形成する。図1及び図2に示すように、本発明の電界放出カソードは放 出端部(2)を有するカーボン繊維(3)からなる繊維束(1)から構成されて いる。繊維束(1)は100本又はそれ以上のカーボン繊維(3)からなり、該 カーボン繊維は数μmの直径を有する。尚、繊維束を明瞭に示すため図1及び図 2には繊維束(1)の一部のみが示されている。 加工工程おいて、切断された繊維束は好ましくは空気中でアニール処理される 。このアニール処理条件は約1.5時間で温度を約500℃まで連続的に増加さ せ、500℃で約8〜10分間温度を維持するように設定する。このアニール処 理によって放出面の不規則部を効果的に成長させることができ、放出面の電界放 出特性を改善することができる。図1にはアニール処理後の放出端部(2)を有 するカーボン繊維(3)からなる繊維束(1)の一部が示されている。また、図 3にはアニール処理後の1本の繊維(4)の放出端部の外形(5)が示されてお り、この外形(5)は小さな不規則部を有している。 加工工程の次は真空チャンバー内で変形工程を行う。該真空チャンバー内の内 部圧力は約10-6Torrに定められており、従って該真空チャンバー内にはある程 度の残留ガスが含まれ、そしてカソードに十分な電界を与えて放出端部からの電 子放出を誘発させる。このように電界を与えることによって残留ガスのイオンが 放出端部の放出面に向かって加速して該放出面に衝突し、新しい不規則部を形成 することになる。電界強度が増加すると、電子放出は最も鋭利な不 規則部(ピーク)を形成するまでに至り、局部的に溶解が始まる。電界強度をゆ っくりと増加させた場合には、溶解は制限されて実質的に不規則部は維持され、 放出端部の電界放出特性も維持されることになる。好ましくは、電界を0から最 大動作電圧まで5段階に分けて一定に増加させる。この場合、一段階の時間は数 分、例えば10分程度とする。 図2には照射工程後の放出端部(2)を有するカーボン繊維(3)からなる繊 維束(1)の一部が示されており、該繊維束がこの図に示すような状態となるこ とによって更に有益な効果が奏される。放出端部(2)は僅かに離隔しており、 放出される電子は広い範囲に分散することができる。図4には照射工程後の1本 の繊維(6)の放出端部の外形(7)が示されており、この外形(5)は高く鋭 い不規則部(8)を有している。図5には変形工程後の1本の繊維(9)の放出 端部の外形(10)が示されており、この外形(5)は高く且つ僅かに丸まった 不規則部(11)を有している。 放出端部の照射工程(イオン衝突処理)はセシウム又はこれに類する仕事関数 の低い材料のイオンを使用して行うのが好ましい。この工程において、当該イオ ンは放出端部の放出面内にドーピングされ、これにより放出端部の仕事関数を低 下させることができる。また、残留ガスのイオンの衝突によって放出端部の不規 則部を鋭いものとすることができる。 変形工程は、本発明による電界放出カソードの製造工程と別の部分で行っても よい。例えば、変形工程を繊維(基体)が真空チャンバー内で処理されるとき及 び又は繊維(基体)が照明器具若しくは 電子放出装置に取り付けられるときに行ってもよい。 図6には導体基板(17)上に配設された繊維束(1)からなる電界放出カソ ードを好ましくはマトリックス内に有する光源が示されている。該マトリックス と同一平面内における繊維束(1)の放出端部の上方には該放出端部に10mm 程度近接して配設された各繊維束を中心とした開口を有する変調器(12)が設 けられている。導体基体(17)及び変調器(12)は真空ガラス管の内部に位 置する誘電体支持部(18)に支持されており、該真空ガラス管には上部境界ガ ラス板(15)と下部境界ガラス板(16)とが設けられている。繊維束(1) 及び変調器(12)に対向するように、上部境界ガラス板(15)の内面に透明 なアノード(13)及び放出電子のターゲット部材として発光層(14)が設け られている。アノード(13)、変調器(12)及び導体基板(17)には繊維 束(1)からの電子を変調器(12)を介してアノード(13)に接続された発 光層(14)まで案内するための電圧を印加するために各々第1電位、第2電位 及び第3電位を有する電気ターミナル(A,B,C)が各々接続されている。電 子が発光層(14)に衝突した場合、光がアノード(13)及び真空ガラス管を 透過して放出される。 図面の簡単な説明 図1は、繊維を切断してアニール処理をした後の本発明による1つの電界放出 カソードを構成する複数の繊維からなる束の一部を示したものである。 図2は、イオン衝突処理後の図1における繊維を示したものであり、切断され た繊維の放出端部に離隔が生じている。 図3は、加工工程を経た表面、特に図1の繊維束のうちの1つの繊維の端面の 粗い外形を示したものである。 図4は、変形工程を経た放出面、特に図2の繊維束のうちの1つの繊維の端面 の鋭利な外形を示したものである。 図5は、調節可能な電圧を利用して変形させた後における加工工程及び変形工 程を経た放出面、特に図2の繊維束のうちの1つの繊維の端面の丸められた外形 を示したものである。 図6は、真空ガラス管内部に位置する変調器、アノード及び発光層を備えた照 明器具の基板上のマトリックスに配設された本発明による電界放出カソードを示 したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),UA(AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM ),AL,AM,AT,AU,AZ,BB,BG,BR ,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE, ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.電気伝導性の第1物質を含有し且つ少なくとも1つの不規則部を有する放出 面が設けられた少なくとも1つの基体からなる電界放出カソードの製造方法にお いて、 前記放出面からの電子電界放出を誘発させるために、前記基体に調節可能な 電界を与え、前記放出面の前記不規則部の劣化を制限するように前記電界強度を 増加させて前記放出面を変形させる変形工程を含むことを特徴とする製造方法。 2.電子電界放出を促進させるために、前記基体の前記放出面を機械的処理、浸 蝕処理、照射処理又はアニール処理のうちの少なくとも1つの手段によって処理 する加工工程を含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。 3.前記変形工程において、前記電界を低い電界強度から前記電界放出カソード の動作電界強度まで所定の大きさ及び時間で段階的に増加させることを特徴とす る請求項1又は2記載の製造方法。 4.電子電界放出を促進させるために前記放出面の不規則部を改善する目的で前 記放出面を加工するための工程と、前記変形工程とを同時に行うことを特徴とす る請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。 5.電子電界放出を促進させるために前記放出面の不規則部を改善する目的で前 記放出面を加工するための工程と、前記変形工程とを連続的に行うことを特徴と する請求項1〜3のいずれか 1項記載の製造方法。 6.前記電界強度を前記残留ガスのイオンが前記放出面上に照射されるように設 定し、前記変形工程と照射処理による加工工程とを残留ガスを含む真空内で同時 に行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。 7.前記第1物質を含有する材料で形成した前記電界放出カソードを、(a)前 記第1物質以外の物質を前記材料から除去すること、(b)前記材料の内部構造 を定常化すること、(c)前記材料の表面構造を定常化すること、のうち少なく とも1つを達成することのできるような温度条件でアニール処理するアニール工 程を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。 8.前記第1物質よりも仕事関数の低い第2物質を前記放出面に添加する添加工 程を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の製造方法。 9.前記添加工程と前記照射処理による加工工程とを組み合わせた前記第2物質 の粒子を前記放出面に照射する照射工程を含むことを特徴とする請求項2〜6及 び8のいずれか1項記載の製造方法。 10.前記基体を切断した繊維で構成し、かつ、前記放出面が該切断繊維の端面で あることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の製造方法。 11.前記電界放出カソードを前記切断繊維を複数束ねた繊維束から形成し、前記 全工程を束ねられた前記切断繊維の放出端部を 離隔させるように行うことを特徴とする請求項10記載の製造方法。 12.複数の不規則部を有する少なくとも1つの放出面が設けられ、電気伝導性の 第1物質を含有した少なくとも1つの基体からなる電界放出カソードにおいて、 前記放出面が、前記基体に調節可能な電界を与えて前記放出面の前記不規則 部の劣化を制限するように前記電界強度を増加させることによって変形している ことを特徴とする電界放出カソード。 13.前記第1物質よりも仕事関数の低い第2物質を前記放出面に添加したことを 特徴とする請求項12記載の電界放出カソード。 14.前記第1物質が炭素であることを特徴とする請求項12又は13記載の電界放出 カソード。 15.前記第2物質がセシウムであることを特徴とする請求項13又は14記載の電界 放出カソード。 16.複数の不規則部を有する少なくとも1つの放出面が設けられ、電気伝導性の 第1物質を含有した少なくとも1つの基体からなり、前記放出面が前記基体に調 節可能な電界を与えて前記放出面の前記不規則部の劣化を制限するように前記電 界を増加させることによって変形している少なくとも1つの電界放出カソードと 、 前記電界放出カソードから離隔して配設された変調手段と、 アノードと、 ターゲット手段と、 真空チャンバーと、 から構成され、前記電界放出カソード、前記変調手段及び前記アノードを各々 第1電位、第2電位及び第3電位に接続し、かつ、前記ターゲット部材上に向っ て前記電界放出カソードからの電子電界放出を誘発させるように配設されている ことを特徴とする電界放出装置。 17. 前記ターゲット部材が発光部材であり、前記真空チャンバーが光透過部材 からなり、電子が前記ターゲット部材上に向かって放出されることにより前記タ ーゲット部材が前記真空チャンバーの外部に光を放出するように構成されたこと を特徴とする請求項16記載の電界放出装置。 18. 前記放出面が前記第1物質よりも仕事関数の低い第2物質を含有している ことを特徴とする請求項16又は17記載の電界放出装置。
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